JP2012191083A - 半導体素子試験方法および半導体素子試験装置 - Google Patents

半導体素子試験方法および半導体素子試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウエハテストで仕様最大電圧の試験を行うときに、半導体素子の電極間の距離を広げる方法や高価なプローバを使用する方法を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することができる半導体素子試験方法および半導体素子試験装置を提供する。
【解決手段】複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験方法であって、上記複数の半導体素子のうち検査対象の半導体素子の電極を、外部端子と電気的に接続させるステップ(S11)と、上記電極と上記外部端子とが電気的に接続された状態で、上記検査対象の半導体素子の表面に、供給部から電離性の低い液体または気体を供給するステップ(S12)と、上記表面が上記液体または気体で覆われた状態で、上記検査対象の半導体素子に、電圧印加部から上記外部端子を介して試験電圧を印加するステップ(S13)とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験方法および半導体素子試験装置に関するものである。
横型構造のパワーデバイスなどの高電圧で使用される半導体製品は、出荷品質を確保するために、仕様最大電圧での特性を検査する試験が製造工程にて実施されている。しかし、ウエハテストで高電圧を印加すると、半導体素子(半導体チップ)の表面が空気中に直に接しているため、半導体素子の電極間(電極パッドやスクライブラインなどの保護膜に覆われずに空気中に直接剥き出している箇所)に空気放電が発生して、半導体素子にダメージを与えたり、場合によっては破壊に至ることがある。
よって、一般に、ウエハテストでは試験電圧を空気放電が発生しない電圧まで下げることで、空気放電を抑制している。そして、パッケージ後の後半工程では、半導体素子の表面がモールド樹脂で覆われているので空気放電が発生しないことから、仕様最大電圧の試験は、パッケージ後の最終出荷試験で行っている。こうして、ウエハテストでは試験電圧を低く設定し、パッケージ後の最終出荷試験で仕様最大電圧の試験を行うことで、製品の品質を保証している。
しかし、最終出荷試験で仕様最大電圧の試験を行う場合、高電圧を印加した場合のみに不良になる半導体素子が、ウエハテストで検出されずに最終出荷試験で検出されることになる。パッケージ後に不良を検出する場合、パッケージの材料費や組み立て工程費がロスとなるため、ウエハテストで不良を検出する場合と比べてコストが増加していた。
ここで、空気放電が発生する電圧は、半導体素子の電極間の距離に比例する。そこで、仕様最大電圧の試験をウエハテストで行うために、高電圧印加のウエハテスト時の放電対策として、半導体素子の電極間の距離を空気放電が発生しない距離まで広げるという方法が提案されている。
また、半導体素子の電極間の距離を広げる方法を用いずに、空気放電を防止しつつ高電圧印加のウエハテストを行うことが可能な方法として、ウエハ搬送装置内の雰囲気を真空にした真空プローバを使用して真空中で試験を行う方法や、ウエハをフッ素系またはシリコン系の絶縁性の液体に浸した状態で試験を行う方法などがある。次いで、絶縁性液体中で試験を行う方法の従来例として、特許文献1に記載された電子部品検査装置を、図7を参照しながら簡単に説明する。
図7は、特許文献1に記載された電子部品検査装置200の概略構成を示す図である。電子部品検査装置200は、ウエハプローバ201の内部に設置された絶縁性液体用カップ202に、絶縁性の高い絶縁性液体203を充満させ、絶縁性液体203の中で被試験半導体ウエハ208の試験を行うことで、高電圧印加時の空気放電を防止するものである。
絶縁性液体203をオーバーフローさせて満たすことが可能な絶縁性液体用カップ202の内部には、被試験半導体ウエハ208を搬送し、絶縁性液体203に浸漬して保持するためのプローバステージ204が設けられている。絶縁性液体用カップ202外であって、プローバステージ204の上方には、プローバステージ204に向かって突き出たプローブ206を有するプローブカード205が設けられている。被試験半導体ウエハ208を絶縁性液体203に浸した状態で、プローブ206から被試験半導体ウエハ208に試験電圧を印加することによって、その特性が検査される。絶縁性液体用カップ202では、絶縁性液体203が常に充満するように、液量調整バルブ207によって液量の調整が行われている。
特開2003−130889号公報(2003年5月8日公開)
しかし、上記従来のように、空気放電を防止しつつ高電圧印加のウエハテストを行うことが可能な方法は、以下のような問題を有している。
第1に、半導体素子の電極間の距離を広げる方法は、仕様最大電圧でも空気放電が発生しない距離、すなわち比較的大きな距離まで電極間の距離を広くしなければならないという問題を有している。このため、表面面積が拡大し、半導体素子のコストが増加する。
第2に、真空中や絶縁液体中でウエハテストを行う方法は、ウエハ搬送装置内の雰囲気を真空にしたり、ウエハを浸す絶縁液体を配備した、高価なプローバ(例えば、真空プローバは約五千万円)が必要であるという問題を有している。このため、設備費用が増加し、結果、製造コストの増加につながる。実際、このようなプローバは非常に高価なため、研究開発用として使用されてはいるが、量産工程には用いられていない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ウエハテストで仕様最大電圧の試験を行うときに、半導体素子の電極間の距離を広げる方法や高価なプローバを使用する方法を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することができる半導体素子試験方法および半導体素子試験装置を提供することにある。
本発明の半導体素子試験方法は、上記課題を解決するために、複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験方法であって、上記複数の半導体素子のうち検査対象の半導体素子の電極を、外部端子と電気的に接続させるステップと、上記電極と上記外部端子とが電気的に接続された状態で、上記検査対象の半導体素子の表面に、供給部から電離性の低い液体または気体を供給するステップと、上記表面が上記液体または気体で覆われた状態で、上記検査対象の半導体素子に、電圧印加部から上記外部端子を介して試験電圧を印加するステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、試験電圧を印加する前に、検査対象の半導体素子の表面に電離性の低い液体または気体を供給し、該表面が上記液体または気体で覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加している。ゆえに、高電圧印加時に発生する半導体素子の電極間の空気放電を防止することが可能となる。
よって、ウエハテストで半導体素子の仕様最大電圧の検査を行うことができるので、半導体素子をパッケージ化した後の最終出荷試験での不良率を大幅に低減することが可能となる。また、上記空気放電を防止するために従来実施されていた、半導体素子の電極間の距離を広げる方法や、真空プローバなどの高価なプローバを使用する方法を用いる必要がない。これにより、コストを大幅に低減することが可能になる。
したがって、ウエハテストで仕様最大電圧のテストを行うときに、従来実施されていた方法を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することが可能となる。
なお、本発明の半導体素子試験方法では、上記電離性の低い液体または気体は、不活性物質、または、活性化エネルギーが15eVを超える物質からなる構成とすることができる。
本発明の半導体素子試験装置は、上記課題を解決するために、複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験装置であって、上記複数の半導体素子のうち検査対象の半導体素子の表面に、電離性の低い液体または気体を供給する供給部と、上記供給部が上記液体または気体を供給した後に、上記検査対象の半導体素子に試験電圧を印加する電圧印加部とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、試験電圧を印加する前に、検査対象の半導体素子の表面に電離性の低い液体または気体を供給することが可能となる。ゆえに、検査対象の半導体素子の表面が上記液体または気体で覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加することが可能となり、高電圧印加時に発生する半導体素子の電極間の空気放電を防止することが可能となる。
よって、ウエハテストで半導体素子の仕様最大電圧の検査を行うことができるので、半導体素子をパッケージ化した後の最終出荷試験での不良率を大幅に低減することが可能となる。また、上記空気放電を防止するために従来実施されていた、半導体素子の電極間の距離を広げる方法や、真空プローバなどの高価なプローバを使用する方法を用いる必要がない。これにより、コストを大幅に低減することが可能になる。
したがって、ウエハテストで仕様最大電圧の試験を行うときに、従来実施されていた方法を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することが可能となる。
なお、本発明の半導体素子試験装置では、上記電離性の低い液体または気体は、不活性物質、または、活性化エネルギーが15eVを超える物質からなる構成とすることができる。
また、本発明の半導体素子試験装置では、上記供給部は、上記液体または気体を噴射するノズルを備えていることが好ましい。これにより、真空プローバの真空状態を構成するための密閉機構などの高価(1千万円超)で複雑な機構を有することなく、簡易にかつ安価(30万円以下)で供給部を実現することができる。
また、本発明の半導体素子試験装置では、上記供給部は、上記液体または気体を流し出す供給管を備えていることが好ましい。これにより、真空プローバのようにウエハ全体を対象にするのではなく、検査対象の半導体素子のみを放電しない状態とするため、使用する液体または気体の量を抑制することができる。また、上述のように高価で複雑な機構を有することなく、簡易で安価に供給部を実現することができる。
また、本発明の半導体素子試験装置では、上記電圧印加部は、上記供給部と電気的に接続され、上記試験電圧を印加する時点の所定期間前に、上記液体または気体を供給する指示を上記供給部に与えることが好ましい。これにより、確実に、検査対象の半導体素子の表面が上記液体または気体で覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加することが可能となる。また、上記液体または気体を供給するタイミングを、試験電圧の印加前において任意に設定することができる。
また、本発明の半導体素子試験装置では、上記電圧印加部は、上記供給部と電気的に接続され、上記液体または気体の供給量を制御することが好ましい。これにより、上記液体または気体の供給量を任意に設定することができる。また、無駄な供給を削減することが可能となり、コスト低下につなげることができる。
また、本発明の半導体素子試験方法は、複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験方法であって、上記各半導体素子の検査は、該検査を行う半導体素子の表面を、電離性の低い液体または気体で覆った状態で行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、各半導体素子の検査は、検査を行う半導体素子の表面を、電離性の低い液体または気体で覆った状態で行うので、高電圧印加時に発生する半導体素子の電極間の空気放電を防止することが可能となる。
よって、ウエハテストで半導体素子の仕様最大電圧の検査を行うことができるので、半導体素子をパッケージ化した後の最終出荷試験での不良率を大幅に低減することが可能となる。また、上記空気放電を防止するために従来実施されていた、半導体素子の電極間の距離を広げる方法や、真空プローバなどの高価なプローバを使用する方法を用いる必要がない。これにより、コストを大幅に低減することが可能になる。
したがって、ウエハテストで仕様最大電圧のテストを行うときに、従来実施されていた方法を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することが可能となる。
以上のように、本発明の半導体素子試験方法は、検査対象の半導体素子の電極を、外部端子と電気的に接続させるステップと、上記電極と上記外部端子とが電気的に接続された状態で、上記検査対象の半導体素子の表面に、供給部から電離性の低い液体または気体を供給するステップと、上記表面が上記液体または気体で覆われた状態で、上記検査対象の半導体素子に、電圧印加部から上記外部端子を介して試験電圧を印加するステップとを含む方法である。
本発明の半導体素子試験装置は、検査対象の半導体素子の表面に、電離性の低い液体または気体を供給する供給部と、上記供給部が上記液体または気体を供給した後に、上記検査対象の半導体素子に試験電圧を印加する電圧印加部とを備えている構成である。
また、本発明の半導体素子試験方法は、各半導体素子の検査は、該検査を行う半導体素子の表面を、電離性の低い液体または気体で覆った状態で行う方法である。
それゆえ、ウエハテストで仕様最大電圧のテストを行うときに、従来実施されていた方法を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することができるという効果を奏する。
本発明における半導体素子試験装置の実施の一形態を示す概略構成図である。 1枚の被試験ウエハの半導体素子試験における、上記半導体素子試験装置の処理の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、上記半導体素子試験における、被試験ウエハ上の様子を示す図である。 本発明における半導体素子試験装置の他の実施の形態を示す概略構成図である。 1枚の被試験ウエハの半導体素子試験における、上記半導体素子試験装置の処理の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、上記半導体素子試験における、被試験ウエハ上の様子を示す図である。 従来の電子部品検査装置を示す概略構成図である。
本発明は、ウエハに作成された半導体素子の電気的特性を測定し良品および不良品を選別するウエハテストで用いられる、試験装置に関するものである。一般に、ウエハテストでは、ウエハプローバ内にウエハを搬送し、ウエハプローバに装着されたプローバステージ上にウエハを乗せた後、テスタとウエハとの間の電気的な接続に使用する治具であるプローブカードを介して、ウエハに作成された半導体素子に対し電気的な試験を行っている。ウエハテストでは、テスタからプローブカードを介して半導体素子に試験電圧を印加し、それに対する出力をプローブカードを介してテスタに供給し測定することで、半導体素子が不良であるか否かをテスタにて検査している。
検査対象であるウエハ状態の半導体素子には、能動素子や電極パッド、配線などの電気回路を構成する要素は形成されているが、個片化前であるので樹脂封止はされていない。良品と選別されたものが、ダイシングされてパッケージ化される後半工程へと進む。
以下に説明する本発明の実施形態である半導体素子試験装置は、特徴となる注目すべき構成に加えて、上記のようなウエハテストで用いられる試験装置に従来一般的に装備された機器を適宜備えて実現されるものである。それゆえ、以下では、半導体素子試験装置において特徴となる注目すべき構成を主に挙げて説明する。半導体素子試験装置が備える従来一般的な構成は、その説明や図示を適宜省略する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(1−1)構成
図1は、本実施の形態の半導体素子試験装置10の一構成例を示す図である。半導体素子試験装置10(以下、試験装置10と略記する)は、被試験ウエハ1のウエハテストに用いられる装置であり、被試験ウエハ1に形成された半導体素子の電気的特性を検査する。1枚の被試験ウエハ1には、複数の半導体素子、例えば、数百〜数千個の半導体素子が作成されている。
図1に示すように、試験装置10は、ウエハプローバ11、ノズル支柱12、ノズル13、供給制御機15、および、テスタ19(電圧印加部)を備えている。
ウエハプローバ11は、被試験ウエハ1の半導体素子への試験電圧の印加が行われる部分である。ウエハプローバ11は、制御バス21によってテスタ19と電気的に接続されている。制御バス21は、機能に応じて複数本設けることができる。ウエハプローバ11には、プローブカード16およびプローバステージ18が設けられている。
プローブカード16は、テスタ19と被試験ウエハ1の半導体素子とを電気的に接続するための治具である。プローブカード16は、プローブ17(外部端子)がプリント基板に実装された構造を有している。プローブ17は、半導体素子の電極に直接接続される金属針である。プローブ17の個数は、試験に必要な入出力数に対応している。各プローブ17は、プリント基板に形成された基板内配線、および、該基板内配線とテスタ19とを接続する基板外配線(制御バス21)を介して、テスタ19と電気的に接続されている。
プローブカード16は、プローブ17がプローバステージ18に向かって突き出すように、ウエハプローバ11の内部において固定されている。このとき、プローブ17の先端は、半導体素子に形成された電極の配置に合わせて配置されている。プローブカード16の中央部分には、開口部が形成されている。ここで、プローブ17が突き出している方向を、下方向とする。
プローバステージ18は、被試験ウエハ1の試験の間、被試験ウエハ1を保持し搬送する台である。プローバステージ18は、ウエハプローバ11の内部、かつ、プローブカード16の下方において、被試験ウエハ1を保持する面が上向きのまま、360度移動可能に装着されている。プローバステージ18は、制御バス21を介して、テスタ19と電気的に接続されている。プローバステージ18は、テスタ19からの指示に応じて、検査対象の半導体素子がプローブ17と電気的に接続するように、被試験ウエハ1を搬送する。
ノズル支柱12は、ノズル13を固定するためのものである。ノズル支柱12は、プローブカード16の上方において、ウエハプローバ11に固定されている。ノズル13は、供給された液体を霧状に噴射するものである。上記液体としては、電気的に不活性な液体であるフロリナート(登録商標)が用いられている。
ノズル13は、噴射口が下方、すなわちプローバステージ18に向くように、ノズル支柱12に固定されている。また、ノズル13は、その噴射口が、プローブカード16の開口部の上方、かつ、検査対象の半導体素子の直上に位置するように配置されている。これにより、ノズル13から、検査対象の半導体素子に、フロリナートを吹き付けることが可能となっている。ノズル13は、配管14によって、供給制御機15と接続されている。
供給制御機15は、ノズル13から噴射するフロリナートの液量を調整する機器である。供給制御機15には、フロリナートが貯蔵されている。供給制御機15は、制御バス20を介して、テスタ19と電気的に接続されている。制御バス20は、機能に応じて複数本設けることができる。供給制御機15は、テスタ19からの指示に応じて、フロリナートを配管14を通してノズル13に供給する。
テスタ19は、予め設定された試験電圧を供給し、それに応答した出力を測定することで、半導体素子に不良があるか否かを検査する機器である。テスタ19は、例えば、試験順序が規定されたテストプログラムに従って、自動的に動作する。試験電圧などの測定条件は、テスタ19の入力装置などによって、ユーザが入力したり、適宜変更することができる。テスタ19は、供給制御機15に指示することで、供給制御機15からノズル13への供給タイミングおよび供給量を制御する。これにより、テスタ19によって、ノズル13の噴射タイミング、および、ノズル13から噴射するフロリナートの液量を任意に設定することができる。
(1−2)試験方法
次に、試験装置10を用いた半導体素子試験の試験方法について説明する。
図2は、1枚の被試験ウエハ1の半導体素子試験における、試験装置10の処理の流れを示すフローチャートである。図3(a)〜(d)は、上記半導体素子試験における、被試験ウエハ1上の様子を示す図である。なお、図3では、プローブ17の図示を省略している。
半導体素子試験では、始めに、ウエハプローバ11内に被試験ウエハ1を搬送し、プローバステージ18上に被試験ウエハ1を保持させる。プローバステージ18は、被試験ウエハ1がプローブ17に接触しないように、プローブ17から離れた位置で待機する。なお、この時点で、試験電圧などの測定条件をテスタ19に設定してもよいし、テスタ19に予め設定しておいてもよい。また、ウエハプローバ11(またはテスタ19)には、被試験ウエハ1の情報(半導体素子の個数や配置など)が格納(登録)されている。
<ステップS11>
測定環境が整うと、ウエハプローバ11(またはテスタ19)は、検査対象(測定対象)の半導体素子をプローブ17と電気的に接続させる(ステップS11)。具体的には、ウエハプローバ11(またはテスタ19)は、検査対象の半導体素子の位置をセットするための位置設定信号を、プローバステージ18に出力する。位置設定信号には、検査対象の半導体素子の位置情報が含まれている。
プローバステージ18は、受信した位置設定信号に基づいて左右方向に自動的に移動する。これにより、検査対象の半導体素子が、プローブ17の直下に離れて位置することとなる。なお、検査対象の半導体素子がプローブ17の直下に離れて位置すれば、プローバステージ18は、左右方向に限らず、上方向や斜め方向に移動してもよい。
検査対象の半導体素子がプローブ17の直下に離れて位置した後、次いでプローバステージ18は、そのまま上昇する。これにより、プローブ17に、検査対象の半導体素子の電極が押し当てられる。このとき、プローブ17と半導体素子の電極との電気的接続は、両者を単に接触させるだけでは不十分であるため、一定量の押圧を与えながら両者は圧接される。つまりは、プローブカード16はウエハプローバ11に固定されているので、最初に半導体素子の電極がプローブ17に触れた所から、さらに押し込んで圧接している。
こうして、検査対象の半導体素子の電極が、プローブ17と電気的に接続する。接続が完了すると、プローバステージ18は、電圧印加の準備が完了したことを示す準備完了信号を、テスタ19に出力する。
<ステップS12>
続いて、テスタ19は、検査対象の半導体素子の測定を開始する。測定にあたって、ノズル13は、検査対象の半導体素子の表面にフロリナートを吹き付ける(ステップS12)。
具体的には、テスタ19は、準備完了信号を受信した後、フロリナートを吹き付けるための噴射指示信号を、供給制御機15に出力する。供給制御機15は、噴射指示信号に基づいて、ノズル13にフロリナートを供給する。ノズル13の噴射口は、プローブカード16の開口部の上方であって、検査対象の半導体素子の直上に位置している。これにより、半導体素子の電極とプローブ17とが電気的に接続した状態で、霧状のフロリナートが、検査対象の半導体素子に吹き付けられる。フロリナートは、霧状に吹き付けられることによって、検査対象の半導体素子の表面に一様に付着する。そして、フロリナートは拡散し、数十ミリ秒後には、検査対象の半導体素子の表面を完全に覆う。
このようにフロリナートが供給される様子を、図3(a)〜(c)に示す。検査対象の半導体素子とプローブ17との電気的接続が完了すると(図3(a))、霧状のフロリナート25がノズル13から検査対象の半導体素子に吹き付けられ(図3(b))、検査対象の半導体素子の表面に付着し拡散したフロリナート26は、検査対象の半導体素子の表面を完全に覆う(図3(c))。
ここで、図3(b)に示すように、ノズル13から噴射されたフロリナート25は、検査対象の半導体素子以外にも飛散し付着する。このため、図3(c)に示すように、検査対象外の半導体素子の表面もフロリナート26で覆われてしまう。また、検査対象の半導体素子付近に存在する構成要素、例えばプローブ17なども、フロリナートで覆われてしまう。しかし、フロリナートは揮発性が高く気化しやすいので、検査対象の半導体素子以外の部分に付着しても影響がないことから、全く問題がない。
<ステップS13>
続いて、検査対象の半導体素子の表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加する(ステップS13)。
具体的には、テスタ19は、噴射指示信号の出力から所定時間を経過した後に、試験電圧をプローブカード16に出力する。上記所定時間は、フロリナートが検査対象の半導体素子の表面を完全に覆うのに要する時間に応じて設定されている。これにより、フロリナートが表面を完全に覆った段階(図3(c)の状態)で、プローブカード16のプローブ17を介して、検査対象の半導体素子に試験電圧が印加される。
検査対象の半導体素子は、試験電圧の印加に応じて出力を発生する。この出力は、プローブカード16のプローブ17を介して、テスタ19に伝送される。テスタ19は、上記出力を測定することで、半導体素子が不良であるか否かを検査する。
ここで、試験電圧の印加時、検査対象の半導体素子の表面はフロリナートで完全に覆われている。よって、高電圧印加時の空気放電を防止することが可能となる。それゆえ、高電圧の試験電圧を印加しても、空気放電を発生させることなく、検査を行うことが可能となっている。
また、テスタ19が、フロリナートの噴射のタイミングを制御している。それゆえ、噴射のタイミングは、任意に設定可能となっており、テストプログラムと同期させることができる。よって、試験電圧を印加する時点の所定期間前に、テスタ19が、フロリナートを噴射する指示(噴射指示信号)を供給制御機15に与えるように、テスタ19を動作させることにより、確実に、検査対象の半導体素子の表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加することが可能となる。
<ステップS14>
検査を終了すると、テスタ19は、検査した半導体素子が、最後の半導体素子であるか否かを判定する(ステップS14)。
最後の半導体素子ではない場合(ステップS14でNO)、テスタ19は、一旦プローバステージ18は下降させた後、同様に、次の検査対象の半導体素子をプローブ17と電気的に接続させる(ステップS11)。そして、テスタ19は、フロリナートを検査対象の半導体素子に吹き付けさせた後、該半導体素子に試験電圧を印加することによって検査を行う(ステップS12〜S13)。検査終了後、最後の半導体素子であるか否かを判定し(ステップS14)、最後の半導体素子でなければ、次の検査対象の半導体素子に対し同様に検査を行う。こうして、ステップS11〜S14の動作を繰り返すことで、テスタ19は、被試験ウエハ1に形成された全ての半導体素子に対して順次検査を行う。
最後の半導体素子の検査を終了すると(ステップS14でYES)、テスタ19は、全ての半導体素子の検査を終了したと判断し、被試験ウエハ1の半導体素子試験を終了する。
なお、試験終了後、被試験ウエハ1の上に残存しているフロリナートは、自然乾燥させる。フロリナートは揮発性が高いことから、試験終了後(噴射した時点)から数分で完全に揮発する(図3(d))。試験中においても随時揮発している。よって、試験終了後に、半導体素子の表面に吹き付けたフロリナートの残液処理を行う必要がない。これにより、効率的な生産が可能となるので、被試験ウエハ1の生産効率は良い。
(1−3)まとめ
以上のように、試験装置10は、複数の半導体素子が作成された被試験ウエハ1に対し、該半導体素子の電気的特性を検査するものであって、検査対象の半導体素子の表面にフロリナートを吹き付けるノズル13と、ノズル13から噴射するフロリナートの液量を調整する供給制御機15と、検査対象の半導体素子とテスタ19とを電気的に接続するプローブカード16と、ノズル13がフロリナートを噴射した後に、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加するテスタ19とを備えている、という構成を有する。
そして、試験装置10を用いた半導体素子試験方法は、検査対象の半導体素子の電極を、プローブカード16に設けられたプローブ17と電気的に接続させるステップと、上記電極とプローブ17とが電気的に接続された状態で、検査対象の半導体素子の表面に、ノズル13からフロリナートを吹き付けるステップと、上記表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に、テスタ19からプローブ17を介して試験電圧を印加するステップとを含む、という方法を有する。
上記構成および方法によると、試験電圧を印加する前に、検査対象の半導体素子の表面にフロリナートを供給し、該表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加している。ゆえに、高電圧印加時に発生する半導体素子の電極間の空気放電を防止することが可能となる。
よって、ウエハテストで半導体素子の仕様最大電圧の検査を行うことができるので、半導体素子をパッケージ化した後の最終出荷試験での不良率を大幅に低減することが可能となる。また、上記空気放電を防止するために従来実施されていた、半導体素子の電極間の距離を広げる方法や、真空プローバなどの高価なプローバを使用する方法を用いる必要がない。これにより、コストを大幅に低減することが可能になる。
したがって、ウエハテストで仕様最大電圧のテストを行うときに、従来実施されていた方法(半導体素子の電極間の距離を広げる方法や高価なプローバを使用する方法)を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することが可能となる。
また、上記半導体素子試験は、横型構造のパワーデバイスなどの仕様最大電圧が高い半導体製品(ICチップ)に、特に効果が大きい。このような半導体製品の仕様最大電圧は、100V超(例えば、100V〜7000V程度)の高電圧となっている。なお、上記半導体素子試験では、仕様最大電圧が30V〜100Vの製品でも適用可能である。
さらに、検査対象の半導体素子へのフロリナートの供給は、ノズル13によって行っている。よって、真空プローバの真空状態を構成するための密閉機構などの高価(1千万円超)で複雑な機構を有することなく、簡易にかつ安価(30万円以下)で供給部を実現することができる。
なお、最適な場所にフロリナートを噴射するために、ノズル13は、噴射角度を調整することができるように構成してもよい。また、ノズル13は、ノズル支柱12に固定されていたが、可動するように構成してもよい。さらには、テスタ19によって、ノズル13から噴射する液量を最適化することができる。これらにより、余分な供給を削減することで無駄な量の噴射を防止することが可能となり、コスト低下につなげることができる。
また、ノズル13は配管14により供給制御機15と接続されていたが、ノズル13および供給制御機15は一体化されていてもよい。試験装置10の設置可能スペースに応じて、別体としたり、一体とすればよい。つまりは、試験装置10は、ノズル13および供給制御機15という形態に限らず、検査対象の半導体素子の表面にフロリナートを供給する供給部を備えていればよい。
上記供給部が備えられていることによって、被試験ウエハ1に作成された各半導体素子の検査は、該検査を行う半導体素子の表面を、フロリナートで覆った状態で行うという方法で、半導体素子試験を、高電圧印加時に発生する半導体素子の電極間の空気放電を防止しながら実施することができる。
なお、上述の半導体素子試験では、検査対象の半導体素子をフロリナートで覆っていたが、フロリナートに限るわけではない。フロリナートの代わりに、電離性の低い液体を用いてもよいし、電離性の低い気体を用いてもよい。電離性の低い液体または気体で、検査対象の半導体素子の表面を覆うことにより、高電圧印加時に発生する半導体素子の電極間の空気放電を防止することが可能となる。
電離性の低い液体または気体とは、不活性物質、または、活性化エネルギーが15eVを超える物質からなるものである。電離性の低い液体としては、例えば、フッ素系不活性液体などがある。また、電離性の低い液体として、化学的に安定度の高いエーテル系の溶液を使用することもできる。電離性の低い気体としては、例えば、六フッ化硫黄からなる気体や、不活性ガス(ヘリウムやネオンなどの希ガス、窒素などからなる)に分類される気体などがある。
なお、電離性の低いとは、電離しにくいことであって、すなわちその物質の活性化エネルギー(イオン化エネルギー)が高いことである(「電離性の低い」=「電離しにくい」=「その物質の活性化エネルギーが高い」)。一般に、電離しにくい気体(常温)として、ヘリウムや、ネオン、窒素などが知られている。これらの活性化エネルギーは、以下のとおりである。
ヘリウム:約25eV
ネオン :約21eV
窒素 :約15eV
よって、活性化エネルギーが15eVを超える物質からなるものを、電離性の低い液体または気体として用いることもできる。
また、フロリナート以外の電離性の低い液体を用いる場合であっても、揮発性の高いものを選択することで、後処理を不要とすることができる。一方、電離性の低い気体を用いる場合は、元々、後処理がない。さらに、上記の電離性の低い液体および気体のいずれも、検査対象の半導体素子以外に付着しても影響がない。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(2−1)構成
図4は、本実施の形態の半導体素子試験装置30の一構成例を示す図である。半導体素子試験装置30(以下、試験装置30と略記する)は、試験装置10と同等の機能を有するものである。試験装置30は、フロリナートの供給手段が異なる点を除いて、試験装置10と同等の構成を備えている。
図4に示すように、試験装置30は、プローブカード16およびプローバステージ18が設けられたウエハプローバ11、供給管支柱31、供給管32、供給制御機15、並びに、テスタ19を備えている。
供給管支柱31は、供給管32を固定するためのものである。供給管支柱31は、プローブカード16の上方において、ウエハプローバ11に固定されている。供給管32は、供給された液体を流し出すものである。上記液体としては、電気的に不活性な液体であるフロリナートが用いられている。なお、フロリナートに限らず、電離性の低い液体または気体を用いてもよい。
供給管32は、流出口が下方(もしくは斜め下方)、すなわちプローバステージ18に向くように、供給管支柱31に固定されている。また、供給管32は、その流出口が、プローブカード16の開口部の上方、かつ、検査対象の半導体素子の直上に位置するように配置されている。これにより、供給管32から、検査対象の半導体素子に、フロリナートを流し込むことが可能となっている。供給管32は、配管14によって、供給制御機15と接続されている。
本実施形態では、供給制御機15は、供給管32から流し出すフロリナートの液量を調整する。供給制御機15は、テスタ19からの指示に応じて、フロリナートを配管14を通して供給管32に供給する。
また、テスタ19は、供給制御機15に指示することで、供給制御機15から供給管32への供給タイミングおよび供給量を制御する。これにより、テスタ19は、供給管32の流出タイミング、および、供給管32から流し出すフロリナートの液量を制御することができる。
(2−2)試験方法
次に、試験装置30を用いた半導体素子試験の試験方法について説明する。
試験装置30を用いた試験方法は、試験装置10を用いた試験方法に対し、フロリナートの供給手段をノズル13から供給管32に変更している点が異なっている。つまりは、試験装置30を用いた試験方法は、図2のステップS11〜S14の処理のうちステップS12の処理を行う構成が変更となっているのみで、その他の処理は同じである。
図5は、1枚の被試験ウエハ1の半導体素子試験における、試験装置30の処理の流れを示すフローチャートである。図6(a)〜(c)は、上記半導体素子試験における、被試験ウエハ1上の様子を示す図である。なお、図6では、プローブ17の図示を省略している。
<ステップS21>
測定環境が整うと、ウエハプローバ11(またはテスタ19)は、検査対象(測定対象)の半導体素子をプローブ17と電気的に接続させる(ステップS21)。具体的には、ウエハプローバ11(またはテスタ19)は、検査対象の半導体素子の位置をセットするための位置設定信号を、プローバステージ18に出力する。プローバステージ18は、受信した位置設定信号に基づいて移動することで、検査対象の半導体素子の電極をプローブ17と電気的に接続させる。接続が完了すると、プローバステージ18は、電圧印加の準備が完了したことを示す準備完了信号を、テスタ19に出力する。
<ステップS22>
続いて、テスタ19は、検査対象の半導体素子の測定を開始する。測定にあたって、供給管32は、検査対象の半導体素子にフロリナートを流し込む(ステップS22)。
具体的には、テスタ19は、準備完了信号を受信した後、フロリナートを流し込むための流出指示信号を、供給制御機15に出力する。供給制御機15は、流出指示信号に基づいて、供給管32にフロリナートを供給する。供給管32の流出口は、プローブカード16の開口部の上方であって、検査対象の半導体素子の直上に位置している。これにより、半導体素子の電極とプローブ17とが電気的に接続した状態で、液状のフロリナートが、検査対象の半導体素子に流し込まれる。流し込まれたフロリナートは拡散し、数十ミリ秒後には、検査対象の半導体素子の表面を完全に覆う。
このようにフロリナートが供給される様子を、図6(a)・(b)に示す。検査対象の半導体素子とプローブ17との電気的接続が完了すると(図6(a))、液状のフロリナート33が供給管32から検査対象の半導体素子に流し込まれ、拡散することで、検査対象の半導体素子の表面を完全に覆う(図6(b))。
ここで、図6(b)に示すように、供給管32から流出されたフロリナート33は、検査対象の半導体素子以外にも拡散するため、検査対象外の半導体素子の表面もフロリナート33で覆われてしまう。また、検査対象の半導体素子付近に存在する構成要素、例えばプローブ17なども、フロリナートで覆われてしまう。しかし、上述のようにフロリナートは揮発性が高く気化しやすいので、全く問題がない。
<ステップS23>
続いて、検査対象の半導体素子の表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加する(ステップS23)。
具体的には、テスタ19は、流出指示信号の出力から所定時間を経過した後に、試験電圧をプローブカード16に出力する。上記所定時間は、フロリナートが検査対象の半導体素子の表面を完全に覆うのに要する時間に応じて設定されている。これにより、フロリナートが表面を完全に覆った段階(図6(b)の状態)で、プローブカード16のプローブ17を介して、検査対象の半導体素子に試験電圧が印加される。
検査対象の半導体素子は、試験電圧の印加に応じて出力を発生する。この出力は、プローブカード16のプローブ17を介して、テスタ19に伝送される。テスタ19は、上記出力を測定することで、半導体素子が不良であるか否かを検査する。
ここで、試験電圧の印加時、検査対象の半導体素子の表面はフロリナートで完全に覆われている。よって、高電圧印加時の空気放電を防止することが可能となる。それゆえ、高電圧の試験電圧を印加しても、空気放電を発生させることなく、検査を行うことが可能となっている。
また、テスタ19が、フロリナートの流出のタイミングを制御している。それゆえ、流出のタイミングは、任意に設定可能となっており、テストプログラムと同期させることができる。よって、試験電圧を印加する時点の所定期間前に、テスタ19が、フロリナートを流出する指示(流出指示信号)を供給制御機15に与えるように、テスタ19を動作させることにより、確実に、検査対象の半導体素子の表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加することが可能となる。
<ステップS24>
検査を終了すると、テスタ19は、検査した半導体素子が、最後の半導体素子であるか否かを判定する(ステップS24)。
最後の半導体素子ではない場合(ステップS24でNO)、ステップS21〜S24の動作を繰り返すことで、テスタ19は、被試験ウエハ1に形成された全ての半導体素子に対して順次検査を行う。
最後の半導体素子の検査を終了すると(ステップS24でYES)、テスタ19は、全ての半導体素子の検査を終了したと判断し、被試験ウエハ1の半導体素子試験を終了する。
なお、試験終了後、被試験ウエハ1の上に残存しているフロリナートは、自然乾燥させる。フロリナートは揮発性が高いことから、試験終了後(流し込んだ時点)から数分で完全に揮発する(図6(c))。試験中においても随時揮発している。よって、試験終了後に、半導体素子の表面に吹き付けたフロリナートの残液処理を行う必要がなく、効率的な生産が可能となっている。
(2−3)まとめ
以上のように、試験装置30は、複数の半導体素子が作成された被試験ウエハ1に対し、該半導体素子の電気的特性を検査するものであって、検査対象の半導体素子の表面にフロリナートを流し込む供給管32と、供給管32から流し出すフロリナートの液量を調整する供給制御機15と、検査対象の半導体素子とテスタ19とを電気的に接続するプローブカード16と、供給管32がフロリナートを流出した後に、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加するテスタ19とを備えている、という構成を有する。
そして、試験装置30を用いた半導体素子試験方法は、検査対象の半導体素子の電極を、プローブカード16に設けられたプローブ17と電気的に接続させるステップと、上記電極とプローブ17とが電気的に接続された状態で、検査対象の半導体素子の表面に、供給管32からフロリナートを流し込むステップと、上記表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に、テスタ19からプローブ17を介して試験電圧を印加するステップとを含む、という方法を有する。
上記構成および方法によれば、試験電圧を印加する前に、検査対象の半導体素子の表面にフロリナートを供給し、該表面がフロリナートで覆われた状態で、検査対象の半導体素子に試験電圧を印加している。ゆえに、高電圧印加時に発生する半導体素子の電極間の空気放電を防止することが可能となる。
したがって、試験装置10およびそれを用いた半導体素子試験方法と同様に、ウエハテストで仕様最大電圧のテストを行うときに、従来実施されていた方法を用いずに、高電圧印加時の空気放電を防止することが可能となる。
また、検査対象の半導体素子へのフロリナートの供給は、供給管32によって行っている。よって、真空プローバのようにウエハ全体を対象にするのではなく、検査対象の半導体素子のみを放電しない状態とするため、使用するフロリナートの量を抑制することができる。また、高価で複雑な機構を有することなく、簡易で安価に供給部を実現することができる。
なお、最適な場所にフロリナートを流し込むために、供給管32は、設置角度が調整可能など、可動するように構成してもよい。さらには、テスタ19によって、供給管32から流出する液量を最適化することができる。これらにより、余分な供給を削減することで無駄な量の流出を防止することが可能となり、コスト低下につなげることができる。
また、供給管32は配管14により供給制御機15と接続されていたが、供給管32および供給制御機15は一体化されていてもよい。試験装置10の設置可能スペースに応じて、別体としたり、一体とすればよい。試験装置10は、供給管32および供給制御機15という形態に限らず、上述したように、検査対象の半導体素子の表面にフロリナートを供給する供給部を備えていればよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、半導体素子のウエハテストで用いられる試験装置および試験方法に関する分野に好適に用いることができる。特に、本発明は、横型構造のパワーデバイスなどの高電圧で使用される半導体製品のウエハテストに最適である。
1 被試験ウエハ(ウエハ)
10 半導体素子試験装置
11 ウエハプローバ
13 ノズル(供給部)
15 供給制御機(供給部)
16 プローブカード
17 プローブ(外部端子)
18 プローバステージ
19 テスタ(電圧印加部)
25,26 フロリナート
30 半導体素子試験装置
32 供給管(供給部)
33 フロリナート

Claims (9)

  1. 複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験方法であって、
    上記複数の半導体素子のうち検査対象の半導体素子の電極を、外部端子と電気的に接続させるステップと、
    上記電極と上記外部端子とが電気的に接続された状態で、上記検査対象の半導体素子の表面に、供給部から電離性の低い液体または気体を供給するステップと、
    上記表面が上記液体または気体で覆われた状態で、上記検査対象の半導体素子に、電圧印加部から上記外部端子を介して試験電圧を印加するステップとを含むことを特徴とする半導体素子試験方法。
  2. 上記電離性の低い液体または気体は、不活性物質、または、活性化エネルギーが15eVを超える物質からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子試験方法。
  3. 複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験装置であって、
    上記複数の半導体素子のうち検査対象の半導体素子の表面に、電離性の低い液体または気体を供給する供給部と、
    上記供給部が上記液体または気体を供給した後に、上記検査対象の半導体素子に試験電圧を印加する電圧印加部とを備えていることを特徴とする半導体素子試験装置。
  4. 上記電離性の低い液体または気体は、不活性物質、または、活性化エネルギーが15eVを超える物質からなることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子試験装置。
  5. 上記供給部は、上記液体または気体を噴射するノズルを備えていることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子試験装置。
  6. 上記供給部は、上記液体または気体を流し出す供給管を備えていることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子試験装置。
  7. 上記電圧印加部は、上記供給部と電気的に接続され、上記試験電圧を印加する時点の所定期間前に、上記液体または気体を供給する指示を上記供給部に与えることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子試験装置。
  8. 上記電圧印加部は、上記供給部と電気的に接続され、上記液体または気体の供給量を制御することを特徴とする請求項3に記載の半導体素子試験装置。
  9. 複数の半導体素子が作成されたウエハに対し、該半導体素子の電気的特性を検査する半導体素子試験方法であって、
    上記各半導体素子の検査は、該検査を行う半導体素子の表面を、電離性の低い液体または気体で覆った状態で行うことを特徴とする半導体素子試験方法。
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