JP2012189023A - 内燃機関の排気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の排気ガスをマフラー(1)を介して排出する内燃機関の排気装置において、マフラー(1)の後方に設けたテールパイプ(27)の排出口(31)周囲を囲い前記マフラー(1)内部に連通する外筒(29)を設けると共に、前記外筒(29)には前記テールパイプ(27)を流れる排気ガスの流速より遅い流速の排気ガスが流れるように形成した。
【選択図】図1
Description
この課題は、例えばディフューザパイプのような渦流を抑制する部品を取付けることで解決できるが、この場合には部品点数が増加しコストアップに繋がるという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単で安価な構造で、排気音の抑制と気流音の抑制とを両立できる内燃機関の排気装置を提供することを目的とする。
本発明では、マフラーの後方に設けたテールパイプの排出口周囲を囲い前記マフラー内部に連通する外筒を設けると共に、前記外筒には前記テールパイプを流れる排気ガスの流速より遅い流速の排気ガスが流れるように形成したので、テールパイプを太くしたり、渦流を抑制する部品を設けたりしなくても、テールパイプ直後の排気ガスの速度分布をなだらかにして、テールパイプ直後に発生する渦流を減少でき、気流音を低減できる。これにより、簡単で安価な構造で、排気音の抑制と気流音の抑制とを両立できる。
外筒とテールパイプの間に減圧材が設けられているので、外筒とテールパイプの間を流れる排気ガスの流速を容易に調整でき、テールパイプ直後に発生する渦流を効率よく減少させて、気流音を効率よく低減できる。
減圧材が汎用品であるため、コストを抑制できる。
減圧材を不要とでき、コストを抑制できる。
テールパイプ直後の排気ガスの速度分布がより滑らかになり、テールパイプ直後に発生する渦流をより一層減少でき、気流音をより一層低減できる。
単一の膨張室を有する単室構造の排気マフラーにおいても、インナーパイプを太くしたり、渦流を抑制する部品を設けたりしなくても、インナーパイプ直後の排気ガスの速度分布をなだらかにして、インナーパイプ直後に発生する渦流を減少でき、気流音を低減できる。したがって、簡単で安価な構造で、排気音の抑制と気流音の抑制とを両立できる。
外筒を別部品として設ける必要がなく、コストを抑制できる。
内外二重の筒材と前記筒材の間に挿入される遮音断熱材とから形成された排気マフラーにおいても、テールパイプを太くしたり、渦流を抑制する部品を設けたりしなくても、テールパイプ直後の排気ガスの速度分布をなだらかにして、テールパイプ直後に発生する渦流を減少でき、気流音を低減できる。したがって、簡単で安価な構造で、排気音の抑制と気流音の抑制とを両立できる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る排気マフラー1の一部断面図である。排気マフラー1は、自動二輪車のエンジン(不図示)から延びる排気管3の後端に接続され、排気管3を通った高温・高圧の排気ガスを減圧して外部に排出する。
排気マフラー1は、マフラー本体5内が第1隔壁7、第2隔壁9で仕切られた多室構造であり、第1膨張室11と、第2膨張室13と、第3膨張室15とを備えている。
マフラー本体5内には、第1隔壁7および第2隔壁9を貫通する第1連通管23と、第2隔壁9を貫通する第2連通管25と、第2隔壁9およびテールキャップ21を貫通するテールパイプ27が設けられている。第1連通管23は、第1膨張室11と第2膨張室13とを連通し、第2連通管25は、第2膨張室13と第3膨張室15とを連通し、テールパイプ27は第3膨張室15と外部とを連通している。
第2膨張室13に流入した排気ガスの一部は、流れ方向を反転して第2連通管25を通って第3膨張室15に流入し、テールパイプ27を通って外部へ排出される。
マフラー本体5の後端部には、外筒29が設けられている。この外筒29は、テールパイプ27の排出口31周囲を囲み、テールキャップ21を貫通して第2膨張室13と外部とを連通する。第2膨張室13に入った排気ガスの一部は、テールパイプ27と外筒29との間を通り、外部へ排出される。
すなわち、排気マフラー1は、テールパイプ27の排出口31から排出される排気ガスの周囲に、テールパイプ27と外筒29との間を通り、テールパイプ27内を流れる排気ガスより流速の遅い排気ガスを流すことで、外部へ排出される排気ガスの速度分布をなだらかにして渦流を減少させ、気流音を低減可能になっている。
さらに、外筒29は、その後端35が、テールパイプ27後端の排出口31より突出するように設けられている。これにより、テールパイプ27直後の排気ガスの速度分布がよりなだらかになる。
図2は、排気マフラーから出る音の周波数と音量との関係を示す図である。図中、実線からなる特性曲線は、本実施形態に係る排気マフラー1から出る音を示し、鎖線からなる特性曲線は、外筒を設けない従来の排気マフラーから出る音を示す。
周波数の低い音については、本実施形態に係る排気マフラー1の音量と、従来の排気マフラーの音量とは、ほぼ同等である。一方、周波数の高い音については、本実施形態に係る排気マフラーの音量は、従来の排気マフラーの音量より低くなっている。
すなわち、本実施形態に係る排気マフラーでは、従来の排気マフラーと比較して、周波数の高い気流音が低減されている。
また、本実施形態では、減圧材33はハニカム構造体、ステンレス製金属繊維、パンチングプレートなどの汎用品で形成されているので、コストを抑制できる。
また、本実施形態では、外筒29は、その後端35が、テールパイプ27の後端の排出口31より突出するように設けられているので、テールパイプ27直後の排気ガスの速度分布がより滑らかになり、テールパイプ27直後に発生する渦流をより一層減少でき、気流音をより一層低減できる。
図3は、本発明の第2実施形態に係る排気マフラー100の一部断面図である。
排気マフラー100は、マフラー本体105内後部に隔壁107が設けられ、隔壁107より前方の部分が単一の膨張室109を形成する単室構造である。
マフラー本体105は、前後が開口した円筒部111と、円筒部111の前側の開口を閉じるフロントキャップ113と、円筒部111の後側の開口を閉じるテールキャップ115とを備える。
マフラー本体105後部には、インナーパイプ後部127およびテールパイプ128を囲む外筒119が設けられている。外筒119は、その前端121がインナーパイプ117の外周に嵌めこまれ、後方へ延びて隔壁107を貫通し、その後端123がテールキャップ115の後側の開口に沿って開口する。
インナーパイプ117は、多数の孔が設けられたいわゆるパンチングメタルで形成されており、外筒119の前端121より前方のインナーパイプ前部125に設けられたパンチング孔は、インナーパイプ117内と、吸音材120が詰められた膨張室109とを連通し、外筒119の前端121より後方のインナーパイプ後部127に設けられたパンチング孔は、インナーパイプ117内と、インナーパイプ117と外筒119との間の空間とを連通している。
すなわち、排気マフラー100は、テールパイプ128後端の排出口118から排出される排気ガスの周囲に、テールパイプ128と外筒119との間を通り、テールパイプ128を流れる排気ガスより流速の遅い排気ガスを流すことで、外部へ排出される排気ガスの速度分布をなだらかにして渦流を減少させ、気流音を低減可能になっている。
また、外筒119は、その後端123が、テールパイプ128の後端の排出口118より突出するように設けられている。これにより、テールパイプ128直後の排気ガスの速度分布がよりなだらかになる。
これにより、テールパイプ128を太くしたり、渦流を抑制する部品を設けたりしなくても、テールパイプ128直後の排気ガスの速度分布をなだらかにして、テールパイプ128直後に発生する渦流を減少でき、気流音を低減できる。したがって、単一の膨張室109を有する排気マフラー100においても、簡単で安価な構造で、排気音の抑制と気流音の抑制とを両立できる。
図4は本発明の第3実施形態に係る排気マフラー200の一部断面図である。なお、排気マフラー200は、第1実施形態の排気マフラー1と同様の3室構造であるため、図4において、第1実施形態で説明した部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
マフラー本体203の後端部には、テールキャップ205が設けられている。テールキャップ205の前端207は円筒部17の後端に接続されている。テールキャップ205の後部209は、テールパイプ27の後端部を囲む筒状に形成されている。テールキャップ205とテールパイプ27との間の空間は、第2膨張室13と外部とを連通する。
第2膨張室13に流入した排気ガスの一部は、流れ方向を反転して第2連通管25を通って第3膨張室15に流入し、テールパイプ27を通って外部へ排出される。また、第2膨張室13に入った排気ガスの一部は、テールパイプ27とテールキャップ205との間を通り、外部へ排出される。
すなわち、排気マフラー200は、テールパイプ27の排出口31から排出される排気ガスの周囲に、テールパイプ27とテールキャップ205との間を通り、テールパイプ27内を流れる排気ガスより流速の遅い排気ガスを流すことで、外部へ排出される排気ガスの速度分布をなだらかにして渦流を減少させ、気流音を低減可能になっている。
また、テールキャップ205は、その後端213が、テールパイプ27後端の排出口31より突出するように設けられている。これにより、テールパイプ27直後の排気ガスの速度分布がよりなだらかになる。
図5は本発明の第4実施形態に係る排気マフラー300の一部断面図である。
図5に示すように、排気マフラー300は、マフラー本体305内が第1隔壁307、第2隔壁309、第3隔壁311で仕切られた多室構造であり、第1膨張室313と、第2膨張室315と、第3膨張室317とを備える。
マフラー本体305は、前後が開口した円筒部319と、円筒部319の前側の開口を閉じるフロントキャップ321と、円筒部319の後側の開口を閉じるテールキャップ323とを備える。
フロントキャップ321の前端は排気管303に接続され、後端は、アウター部材327の前端に接続されている。テールキャップ323の前端はアウター部材327の後端に接続され、後端は開口している。
マフラー本体305内には、第1隔壁307および第2隔壁309を貫通する第1連通管330と、第2隔壁309を貫通する第2連通管331と、第2隔壁309およびテールキャップ323を貫通するテールパイプ333が設けられている。第1連通管330は、第1膨張室313と第2膨張室315とを連通し、第2連通管331は、第2膨張室315と第3膨張室317とを連通し、テールパイプ333は第3膨張室317と外部とを連通している。
第2膨張室315に流入した排気ガスは、流れ方向を反転して第2連通管331を通って第3膨張室317に流入し、テールパイプ333を通って外部へ排出される。
アウター部材327とインナー部材325との間に設けられた遮音断熱材329には、インナー部材後部325Aの第2膨張室315の外側に対応する位置に切り欠き部335が設けられている。この切り欠き部335は、テールパイプ333とテールキャップ323との間の空間と連通する。
インナー部材325は、多数の孔が設けられたいわゆるパンチングメタルで形成されており、インナー部材後部325Aの孔は、第2膨張室315と、切り欠き部335とを連通する。
マフラー本体305の後端部には、外筒337が設けられている。この外筒337は、テールパイプ333の排出口339周囲を囲むようにテールキャップ323に取り付けられ、テールパイプ333とテールキャップ323との間の空間と、外部とを連通する。
これにより、第2膨張室315に入った排気ガスの一部は、インナー部材後部325Aの孔から、切り欠き部335に流入し、切り欠き部335からテールパイプ333とテールキャップ323の間の空間に流入し、テールパイプ333と外筒337との間を通って、外部へ排出される。
すなわち、排気マフラー300は、テールパイプ333の排出口339から排出される排気ガスの周囲に、テールパイプ333と外筒337との間を通り、テールパイプ333内を流れる排気ガスより流速の遅い排気ガスを流すことで、外部へ排出される排気ガスの速度分布をなだらかにして渦流を減少させ、気流音を低減可能になっている。
さらに、外筒337は、その後端341が、テールパイプ333の後端の排出口339より後方へ突出するように設けられている。これにより、テールパイプ333直後の排気ガスの速度分布がよりなだらかになる。
したがって、マフラー本体305の円筒部319が、インナー部材325とアウター部材327とからなる内外2重の筒状に形成され、インナー部材325とアウター部材327との間に、遮音断熱材329が挟み込まれている構造の排気マフラー300においても簡単で安価な構造で、排気音の抑制と気流音の抑制とを両立できる。
上述した実施形態では、テールパイプ27と外筒29との間に、排気ガスの流速を調整する減圧材33を設け、テールパイプ27と外筒29との間を通る排気ガスの流速を、テールパイプ27内を流れる排気ガスより遅くする構成としたが、テールパイプ27と外筒29との間を通る排気ガスの流速を調整する方法はこれに限定されず、例えば、減圧材33を設ける代わりに外筒29の一部を縮径してもよい。この場合、減圧材を廃止でき、コストを抑制できる。
また、上述した実施形態では、本発明に係る排気装置を適用した車両として、自動二輪車を例示したが、車両の種類はこれに限定されず、三輪又は四輪を越える車輪数の車両であっても良い。
27,27,333 テールパイプ
31,118,31,339 排出口
29,119,205,337 外筒
33,131,211 減圧材
35,123,213,341 後端(外筒の後端)
107 隔壁
109 膨張室
117 インナーパイプ
205 テールキャップ
315 第2膨張室(マフラー後端の膨張室)
325 インナー部材(筒材)
327 アウター部材(筒材)
329 遮音断熱材
Claims (8)
- 内燃機関の排気ガスをマフラー(1)を介して排出する内燃機関の排気装置において、
マフラー(1)の後方に設けたテールパイプ(27)の排出口(31)周囲を囲い前記マフラー(1)内部に連通する外筒(29)を設けると共に、前記外筒(29)には前記テールパイプ(27)を流れる排気ガスの流速より遅い流速の排気ガスが流れるように形成したことを特徴とする内燃機関の排気装置。 - 前記外筒(29)と前記テールパイプ(27)との間に排気ガスの流速を低減するための減圧材(33)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気装置。
- 前記減圧材はハニカム構造、ステンレス製金属繊維、パンチングプレートの何れか1つであることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気装置。
- 前記減圧材(33)の代わりに外筒(29)の一部を縮径してあることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気装置。
- 前記外筒(29)の後端(35)は前記テールパイプ(27)の後端より突出していることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の内燃機関の排気装置。
- 前記マフラー(100)はパンチングメタルで形成された一本のインナーパイプ(117)と前記インナーパイプ(117)を取り巻く膨張室(109)とで形成され、前記インナーパイプ(117)の後端(118)を囲う隔壁(107)を設け前記外筒(119)に連通したことを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の内燃機関の排気装置。
- 前記外筒はテールキャップ(205)であり、前記減圧材(211)は前記テールキャップ(205)とテールパイプ(27)の間に設けられることを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の内燃機関の排気装置。
- 前記マフラー(300)を内外二重の筒材(325,327)と前記筒材(325,327)の間に挿入される遮音断熱材(329)とから形成し、前記内側の筒材(325)をパンチングメタルで形成すると共に、前記マフラー(300)後端の膨張室(315)外周の前記遮音断熱材(329)を切欠いて前記外筒(337)と前記膨張室(315)とを連通したことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載の内燃機関の排気装置。
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