JP2012188960A - 内燃機関の燃料供給装置及び内燃機関の高圧ポンプ - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置及び内燃機関の高圧ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】高圧ポンプの正常時には高圧通路において吐出弁よりも下流側の燃料の圧力を適正な大きさに維持するとともに、高圧ポンプの異常時には機関停止を抑制することができる。
【解決手段】燃料供給装置は、高圧通路に設けられるとともに加圧室側からの燃料の圧力が吐出圧以上となると開弁して燃料噴射弁側への燃料の圧送を許容する吐出弁19を備えている。高圧通路において吐出弁19を迂回するリリーフ通路40に設けられる弁であって吐出弁19よりも下流側の燃料の圧力である下流側燃圧がリリーフ圧以上になると開弁して燃料の一部を吐出弁19の上流側にリリーフするリリーフ弁30と、下流側燃圧が高圧ポンプの正常時に取り得る範囲の最大値よりも高い異常時圧力以上となったときにリリーフ弁30を開弁状態に保持する保持機構Aとを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、筒内噴射式の内燃機関の燃料供給装置及び内燃機関の高圧ポンプに関する。
従来、この種の内燃機関の燃料供給装置及び内燃機関の高圧ポンプとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載のものも含め従来一般の燃料供給装置では、燃料タンク内に貯留されている燃料がフィードポンプにより加圧されるとともに、低圧通路を介して高圧ポンプに圧送される。そして、高圧ポンプにより更に加圧された燃料は高圧通路を介して燃料噴射弁に圧送され、燃料噴射弁から気筒内に直接噴射される。
ここで、高圧ポンプは、機関駆動式のカムによって加圧室内を往復動するプランジャを備えており、このプランジャにより加圧室に吸入された燃料が加圧される。また、低圧通路と加圧室との間には電磁駆動式のスピル弁が設けられており、プランジャの往復動に対してスピル弁の開閉タイミングを変更することにより、加圧室内に吸入される燃料量、すなわち加圧室から高圧通路に吐出される吐出量が変更されるようになっている。
また、高圧通路には吐出弁が設けられており、加圧室側からの燃料の圧力が所定の吐出圧以上となると吐出弁が開弁することで吐出弁よりも下流側の燃料圧力が一定にされている。
特開2009―103101号公報
ところで、例えば高温再始動時には、高圧通路を構成する燃料配管の温度が高くなっており、同燃料配管内の燃料の温度が高くなっている。このため、燃料の圧力が過度に高くなり、燃料噴射制御を的確に行なうことができなくなるおそれがある。
また、スピル弁のニードルが折損する等、高圧ポンプに異常が生じると、高圧ポンプによる燃料の吐出量が最大吐出量に固定されてしまう。この場合、高圧通路内の燃料の圧力が更に上昇することで、燃料噴射弁を開弁させることができず、内燃機関の運転が停止するおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高圧ポンプの正常時には高圧通路において吐出弁よりも下流側の燃料の圧力を適正な大きさに維持するとともに、高圧ポンプの異常時には機関停止を抑制することのできる内燃機関の燃料供給装置及び内燃機関の高圧ポンプを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、低圧通路を介して供給される低圧燃料を吸入して加圧室で加圧するとともに高圧通路を介して燃料噴射弁に圧送する高圧ポンプと、前記高圧通路に設けられるとともに前記加圧室側からの燃料の圧力が所定の吐出圧以上となると開弁して前記燃料噴射弁側への燃料の圧送を許容する吐出弁とを備える内燃機関の燃料供給装置において、前記高圧通路において前記吐出弁を迂回するリリーフ通路に設けられる弁であって前記吐出弁よりも下流側の燃料の圧力である下流側燃圧がリリーフ圧以上になると開弁して燃料の一部を前記吐出弁の上流側にリリーフするリリーフ弁と、前記下流側燃圧が高圧ポンプの正常時に取り得る範囲の最大値よりも高い異常時圧力以上となったときに前記リリーフ弁を開弁状態に保持する保持機構と、前記保持機構により前記リリーフ弁が開弁状態に保持された場合には、前記低圧燃料を前記燃料噴射弁から噴射するように同燃料噴射弁を制御する噴射制御部と、を備えてなることをその要旨としている。
同構成によれば、高圧ポンプの正常時には、リリーフ弁の弁体に対して、ばねの付勢力と加圧室からの燃料の圧力である背圧とが閉弁方向に作用する一方、下流側燃圧が開弁方向に作用する。そして、高圧ポンプの圧送行程においては加圧室内の燃料の圧力が高められ、背圧が大きくなるため、弁体に対して閉弁方向に作用する力が開弁方向に作用する力を常に上回るようになる。従って、リリーフ弁が開弁することはない。
また、高圧ポンプの吸入行程においては、加圧室の燃料の圧力が下流側燃圧よりも低くなる。ここで、高温再始動時のように高圧通路を構成する燃料配管の温度が高くなっている場合には、同燃料配管内の燃料の温度が高く、これに伴い燃料の圧力が上昇するため、下流側燃圧がリリーフ圧以上となることがある。この場合、リリーフ弁の弁体に対して閉弁方向に作用する力が開弁方向に作用する力を下回るようになる。このため、リリーフ弁が開弁して燃料がリリーフされ、下流側燃圧が低下するようになる。
このように、リリーフ弁は基本的には閉弁されているが、下流側燃圧がリリーフ圧以上となったときには吸入行程に開弁されることで、下流側燃圧を適正な大きさに維持することができるようになる。
一方、高圧ポンプによる燃料の吐出量が最大吐出量に固定されてしまう異常が生じ、下流側燃圧が高圧ポンプの正常時に取り得る範囲の最大値よりも高い異常時圧力以上となったときには、リリーフ弁が開弁状態に保持される。このため、低圧通路を介して加圧室に供給された低圧燃料は昇圧されることなくリリーフ弁及び高圧通路を介して燃料噴射弁に圧送されるようになる。そして、こうした低い燃料圧力に応じて燃料噴射弁の開弁時間等を制御することで、内燃機関の運転を継続させることができるようになる。
従って、高圧ポンプの正常時には高圧通路において吐出弁よりも下流側の燃料の圧力を適正な大きさに維持するとともに、高圧ポンプの異常時であっても機関運転を継続させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記保持機構は、前記リリーフ弁の弁体の移動を機械的に制限して同リリーフ弁を開弁状態に保持するように構成されてなることをその要旨としている。
同構成によれば、リリーフ弁を開弁状態に保持するための電気的な構成、或いは磁気的な構成が不要であるため、保持機構を容易に具現化することができる。
請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置は、請求項3に記載の発明によるように、前記保持機構は、前記弁体の周面に形成される凹部と、前記弁体の周面に向けて付勢される制限部とを備え、前記弁体の変位量が増大して所定量となったときに同弁体の凹部に前記制限部が嵌合されることにより同弁体の移動を機械的に制限するように構成されてなるといった態様をもって具体化することができる。この場合、弁体の変位量が増大して所定量となったときに同弁体の凹部に制限部が嵌合されることにより、同弁体の移動が機械的に制限されるようになる。従って、保持機構を簡易な構成とすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記リリーフ弁は前記高圧ポンプと一体形成されてなることをその要旨としている。
同構成によれば、燃料供給装置全体の構成を簡易なものとすることができる。
請求項5に記載の発明は、低圧通路を介して供給される低圧燃料を吸入して加圧室で加圧するとともに高圧通路を介して燃料噴射弁に圧送する高圧ポンプであって、前記高圧通路に設けられるとともに前記加圧室側からの燃料の圧力が所定の吐出圧以上となると開弁して前記燃料噴射弁側への燃料の圧送を許容する吐出弁を備える内燃機関の高圧ポンプにおいて、前記高圧通路において前記吐出弁を迂回するリリーフ通路に設けられる弁であって前記吐出弁よりも下流側の燃料の圧力である下流側燃圧がリリーフ圧以上になると開弁して燃料の一部を前記吐出弁の上流側にリリーフするリリーフ弁と、前記下流側燃圧が高圧ポンプの正常時に取り得る範囲の最大値よりも高い異常時圧力以上となったときに前記リリーフ弁を開弁状態に保持する保持機構と、を備えることをその要旨としている。
同構成によれば、高圧ポンプの正常時には高圧通路において吐出弁よりも下流側の燃料の圧力を適正な大きさに維持するとともに、高圧ポンプの異常時には低圧通路を介して加圧室に供給された低圧燃料を昇圧されることなく高圧通路を介して燃料噴射弁に圧送することができる。そして、こうした低い燃料圧力に応じて燃料噴射弁の開弁時間等を制御すれば、内燃機関の運転を継続させることができるようになる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃料供給装置の概略構成を示すを概略図。 同実施形態における閉弁状態のリリーフ弁の断面構造を示す断面図。 同実施形態における開弁状態のリリーフ弁の断面構造を示す断面図。
以下、図1〜図3を参照して、本発明に係る内燃機関の燃料供給装置を具体化した一実施形態について詳細に説明する。尚、本実施形態の内燃機関は、筒内噴射式の内燃機関である。
図1に示すように、燃料供給装置1では、燃料タンク2内に電動式のフィードポンプ3が配置されており、このフィードポンプ3には低圧燃料供給管4が接続されている。フィードポンプ3により燃料タンク2内に貯留されている燃料が吸引されるとともに所定のフィード圧PF(例えば、数百kPa)まで加圧されて低圧燃料として低圧燃料供給管4へ圧送される。
低圧燃料供給管4の下流側には高圧ポンプ10が接続されている。また、低圧燃料供給管4の途中にはリターン管5が分岐接続されている。このリターン管5の途中には調圧弁6が設けられており、低圧燃料供給管4内の燃料の圧力が上記フィード圧PF以上になると調圧弁6が開弁する。これにより、フィードポンプ3から吐出された燃料の一部がリターン管5を介して燃料タンク2に燃料が戻され、低圧燃料供給管4内の燃料の圧力が所定の大きさに維持されるようになっている。
高圧ポンプ10のケーシング11の内部には、上記低圧燃料供給管4の下流側に接続される吸入通路12、この吸入通路12の下流側に接続されるシリンダ13、及びシリンダ13の下流側に接続される吐出通路14が形成されている。
シリンダ13は略円筒状をなしており、その上流側の端部(図1において上側端部)には低圧燃料を吸入する吸入口21が形成され、その側面には(図1において右側面)には高圧燃料を吐出する吐出口22が形成されている。このシリンダ13内にはプランジャ15が往復動可能に設けられている。また、シリンダ13の内壁とプランジャ15の頂面とにより加圧室16が区画されている。尚、上記吐出口22は加圧室16に連通するように形成されている。
シリンダ13内には、吸入口21を開閉するスピル弁20の弁体23が設けられている。この弁体23はニードル23aを介してシリンダ13の軸線方向に沿って移動可能に設けられている。スピル弁20は、所謂、ノーマルオープン型の弁であり、ばね25の付勢力により吸入口21を開放する方向に付勢されている。また、スピル弁20はソレノイド24への通電により吸入口21を閉塞する方向に吸引される。ソレノイド24に通電されていないときには、弁体23はばね25の付勢力により吸入口21から離間する方向(図1において下方向)に付勢され、吸入口21が開放状態とされる。一方、ソレノイド24に通電されているときには、弁体23はソレノイド24により吸入口21に近接する方向(図1において上方向)に吸引され、吸入口21が閉塞状態とされる。こうしたソレノイド24の通電制御は電子制御装置90により行なわれる。
プランジャ15は内燃機関のクランクシャフトの回転により駆動される。具体的には、クランクシャフトの回転により吸気カムシャフト51が回転駆動され、この吸気カムシャフト51に固設されたカム52の回転に伴ってプランジャ15が往復動する。尚、プランジャ15の下方にはリフタ17が設けられており、このリフタ17はばね18の付勢力によってカム52のカム面に当接した状態に維持されている。
高圧ポンプ10では、プランジャ15が下降して加圧室16の容積が増大するときに、電子制御装置90によりソレノイド24を非通電状態として吸入口21を開放することで、低圧燃料供給管4及び吸入通路12からの低圧燃料が加圧室16内に吸入される(吸入行程)。
また、プランジャ15が上昇して加圧室16の容積が減少するときに、電子制御装置90によりソレノイド24を通電状態として吸入口21を閉塞することで、加圧室16内の燃料が加圧されて所定の圧力(例えば35MPa)とされた高圧燃料が吐出口22から吐出通路14に吐出される。また、ソレノイド24への通電時期、すなわち吸入口21の閉塞時期を調節することにより、燃料の吸入量が調節される。
高圧ポンプ10の外部であって吐出通路14の下流側には高圧燃料供給管7が接続されており、この高圧燃料供給管7の下流側にはデリバリパイプ8が接続されている。デリバリパイプ8には、各気筒内に燃料を噴射供給するための燃料噴射弁9が接続されている。燃料噴射弁9の駆動制御は電子制御装置90により行なわれる。
吐出通路14の途中には高圧燃料供給管7に供給される燃料の圧力を一定にするための吐出弁19が設けられている。加圧室16側から吐出弁19の弁体19aに対して作用する燃料の圧力が所定の吐出圧PD(例えば20MPa)以上となると、弁体19aを閉弁方向に付勢するばね19bの付勢力に抗して弁体19aが変位することで吐出弁19が開弁する。これにより、燃料噴射弁9側への燃料の圧送が許容される。
本実施形態の高圧ポンプ10の内部には、吐出通路14に分岐接続されるとともに吐出弁19を迂回するリリーフ通路40が設けられており、このリリーフ通路40の途中にはリリーフ弁30が設けられている。
次に、リリーフ弁30の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、ケーシング11には略円柱状の空間である弁体収容部33が形成されており、この弁体収容部33の一端(図2において右端)には、吐出弁19の下流側に接続されるリリーフ通路40が開口している。また、弁体収容部33の他端側(図2において左側)の内周面には、吐出弁19の上流側に接続されるリリーフ通路40が開口している。また、弁体収容部33の他端には、略円柱状をなすとともに弁体収容部33よりも縮径された空間であるばね収容部34が連通形成されている。
この弁体収容部33には略円柱状の弁体35が弁体収容部33の中心軸線方向に沿って変位可能に収容されている。また、ばね収容部34にはばね36が設けられており、このばね36により弁体35は弁体収容部33の一端側、すなわち一端側の開口を閉塞する方向に付勢されている。すなわち、弁体35に対して、ばね36の付勢力と加圧室16からの燃料の圧力である背圧とが閉弁方向に作用する一方、下流側燃圧Pxが開弁方向に作用する。ここで、下流側燃圧Pxが燃料噴射弁9が開弁し得る範囲の上限値Pth1(例えば22MPa)よりも高いリリーフ圧PR(例えば25MPa)以上になると弁体35が開弁方向に変位し始めるように、ばね36のばね係数が設定されている。
また、本実施形態では、弁体収容部33の内周面には径方向を指向するように略円柱状の空間であるピン収容部37が連通形成されている。また、ピン収容部37には略円柱状のピン38が挿入されており、このピン38はばね39により弁体収容部33に向けて付勢されている。
弁体35の外周面には上記ピン38が嵌合可能な凹部35aが形成されている。
図3に示すように、開弁方向への弁体35の変位量が増大して所定量Lとなると、弁体35の凹部35aにピン38が嵌合される。この所定量Lは、高圧ポンプ10に異常が生じることによって下流側燃圧Pxが異常時圧力Pth2となったときにおける全閉位置からの弁体35の変位量である。ここで、異常時圧力Pth2は、高圧ポンプ10の正常時に取り得る範囲の最大値Pmaxよりも高い圧力である(Pmax<Pth2)。従って、リリーフ弁30では、高圧ポンプ10の弁体23を支持するニードル23aが折損する等の異常が生じることに起因して下流側燃圧Pxが上記異常時圧力Pth2以上となると、保持機構Aとして機能する弁体35の凹部35aにピン38が嵌合する。このことにより、以降においてリリーフ弁30が開弁状態に保持される。ちなみに、前記リリーフ圧PRは上記最大値Pmaxよりも低く設定されている(PR<Pmax)。そして、保持機構Aによりリリーフ弁30が開弁状態に保持された場合には、電子制御装置90を通じて低圧燃料を燃料噴射弁9から噴射するように、低い燃料圧力に応じて燃料噴射弁9の開弁時間等が制御される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
正常な高圧ポンプ10の圧送行程においては加圧室16内の燃料の圧力が高められ、背圧が大きくなるため、弁体35に対して閉弁方向に作用する力が開弁方向に作用する力を常に上回るようになる。従って、リリーフ弁30が開弁することはない。
また、高圧ポンプ10の吸入行程においては、加圧室16の燃料の圧力が下流側燃圧Pxよりも低くなる。ここで、高温再始動時のようにデリバリパイプ8の温度が高くなっている場合には、デリバリパイプ8内の燃料の温度が高く、これに伴い燃料の圧力が上昇するため、下流側燃圧Pxがリリーフ圧PR以上となることがある。この場合、リリーフ弁30の弁体35に対して閉弁方向に作用する力が開弁方向に作用する力を下回るようになる。このため、リリーフ弁30が開弁して燃料がリリーフされ、下流側燃圧Pxが低下する。このように、リリーフ弁30は基本的には閉弁されているが、下流側燃圧Pxがリリーフ圧PR以上となったときには吸入行程にリリーフ弁が開弁されることで、下流側燃圧Pxが適正な大きさに維持される。
一方、高圧ポンプ10による燃料の吐出量が最大吐出量に固定されてしまう異常が生じ、下流側燃圧Pxが高圧ポンプ10の正常時に取り得る範囲の最大値Pmaxよりも高い異常時圧力Pth2以上となったときには、保持機構Aによりリリーフ弁30が開弁状態に保持される。このため、低圧燃料供給管4及び吸入通路12を介して加圧室16に供給された低圧燃料は昇圧されることなく吐出通路14、リリーフ通路40、リリーフ弁30、高圧燃料供給管7、及びデリバリパイプ8を介して燃料噴射弁9に圧送されるようになる。そして、こうした低い燃料圧力に応じて燃料噴射弁9の開弁時間等が制御されることにより、内燃機関の運転が継続されるようになる。
尚、低圧燃料供給管4及び吸入通路12が本発明に係る低圧通路に相当する。また、吐出通路14、高圧燃料供給管7、及びデリバリパイプ8が本発明に係る高圧通路に相当する。電子制御装置90が本発明に係る噴射制御部に相当する。ピン38が本発明に係る制限部に相当する。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)燃料供給装置1は、低圧燃料供給管4及び吸入通路12を介して供給される低圧燃料をプランジャ15の往復動により加圧室16で加圧するとともに吐出通路14、高圧燃料供給管7、及びデリバリパイプ8を介して燃料噴射弁9に圧送する高圧ポンプ10を備えている。また、吐出通路14に設けられるとともに加圧室16側からの燃料の圧力が所定の吐出圧PD以上となると開弁して燃料噴射弁9側への燃料の圧送を許容する吐出弁19を備えている。また、吐出通路14において吐出弁19を迂回するリリーフ通路40に設けられる弁であって吐出弁19よりも下流側の燃料の圧力である下流側燃圧Pxがリリーフ圧PR以上になると開弁して燃料の一部を吐出弁19の上流側にリリーフするリリーフ弁30を備えている。また、下流側燃圧Pxが高圧ポンプ10の正常時に取り得る範囲の最大値Pmaxよりも高い異常時圧力Pth2以上となったときにリリーフ弁30を開弁状態に保持する保持機構Aを備えている。また、電子制御装置90は、保持機構Aによりリリーフ弁30が開弁状態に保持された場合には、低圧燃料を燃料噴射弁9から噴射するように燃料噴射弁9を制御するように構成されている。
こうした構成によれば、リリーフ弁30は基本的には閉弁されているが、下流側燃圧Pxがリリーフ圧PR以上となったときには吸入行程に開弁されることで、下流側燃圧Pxを適正な大きさに維持することができるようになる。一方、高圧ポンプ10による燃料の吐出量が最大吐出量に固定されてしまう異常が生じ、下流側燃圧Pxが高圧ポンプ10の正常時に取り得る範囲の最大値Pmaxよりも高い異常時圧力Pth2以上となったときには、リリーフ弁30が開弁状態に保持される。このため、低圧燃料供給管4及び吸入通路12を介して加圧室16に供給された低圧燃料は昇圧されることなく吐出通路14、リリーフ通路40、リリーフ弁30、高圧燃料供給管7、及びデリバリパイプ8を介して燃料噴射弁9に圧送されるようになる。そして、こうした低い燃料圧力に応じて燃料噴射弁9の開弁時間等を制御することで、内燃機関の運転を継続させることができるようになる。従って、高圧ポンプ10の正常時には下流側燃圧Pxを適正な大きさに維持するとともに、高圧ポンプ10の異常時であっても機関運転を継続させることができる。
(2)保持機構Aは、リリーフ弁30の弁体35の移動を機械的に制限してリリーフ弁30を開弁状態に保持するように構成されている。こうした構成によれば、リリーフ弁30を開弁状態に保持するための電気的な構成、或いは磁気的な構成が不要であるため、保持機構Aを容易に具現化することができる。
(3)保持機構Aは、弁体35の周面に形成される凹部35aと、弁体35の周面に向けて付勢されるピン38とを備え、弁体35の変位量が増大して所定量Lとなったときに弁体35の凹部35aにピン38が嵌合されるように構成されている。こうした構成によれば、弁体35の変位量が増大して所定量Lとなったときに弁体35の凹部35aにピン38が嵌合されることにより、弁体35の移動が機械的に制限されるようになる。従って、保持機構Aを簡易な構成とすることができる。
(4)リリーフ弁30は高圧ポンプ10と一体形成されている。こうした構成によれば、燃料供給装置1全体の構成を簡易なものとすることができる。
尚、本発明に係る内燃機関の燃料供給装置及び内燃機関の高圧ポンプは、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、リリーフ弁30のリリーフ圧PRを燃料噴射弁9が開弁し得る範囲の上限値Pth1よりも高く設定したが、これに代えて、同上限値Pth1よりもリリーフ圧を低く設定することもできる。
・リリーフ弁30が高圧ポンプ10と一体形成されるものについて例示したが、リリーフ弁の構成はこれに限定されない。下流側燃圧Pxがリリーフ圧PR以上になると開弁して吐出弁19よりも下流側の燃料の一部を加圧室16と吐出弁19との間にリリーフするものであればよく、高圧ポンプの外部に設けられるものとしてもよい。
・保持機構の構成は上記実施形態にて例示したものに限定されない。他に例えば、ラチェット機構を用いることにより、開弁方向への弁体の変位を許容する一方、弁体の変位量が所定量以上となると閉弁方向への弁体の変位を禁止するようにしてもよい。
・上記実施形態及び変形例では、リリーフ弁の弁体の移動を機械的に制限する保持機構について例示したが、これに代えて、リリーフ弁の弁体を電気的、或いは磁気的な構成によって制限するものとしてもよい。
1…燃料供給装置、2…燃料タンク、3…フィードポンプ、4…低圧燃料供給管(低圧通路)、5…リターン管、6…調圧弁、7…高圧燃料供給管(高圧通路)、8…デリバリパイプ(高圧通路)、9…燃料噴射弁、10…高圧ポンプ、11…ケーシング、12…吸入通路(低圧通路)、13…シリンダ、14…吐出通路(高圧通路)、15…プランジャ、16…加圧室、17…リフタ、18…ばね、19…吐出弁、19a…弁体、19b…ばね、20…スピル弁、21…吸入口、22…吐出口、23…弁体、23a…ニードル、24…ソレノイド、25…ばね、30…リリーフ弁、33…弁体収容部、34…ばね収容部、35…弁体、35a…凹部、36…ばね、37…ピン収容部、38…ピン、39…ばね、40…リリーフ通路、51…吸気カムシャフト、52…カム、90…電子制御装置、保持機構A。

Claims (5)

  1. 低圧通路を介して供給される低圧燃料を吸入して加圧室で加圧するとともに高圧通路を介して燃料噴射弁に圧送する高圧ポンプと、前記高圧通路に設けられるとともに前記加圧室側からの燃料の圧力が所定の吐出圧以上となると開弁して前記燃料噴射弁側への燃料の圧送を許容する吐出弁とを備える内燃機関の燃料供給装置において、
    前記高圧通路において前記吐出弁を迂回するリリーフ通路に設けられる弁であって前記吐出弁よりも下流側の燃料の圧力である下流側燃圧がリリーフ圧以上になると開弁して燃料の一部を前記吐出弁の上流側にリリーフするリリーフ弁と、
    前記下流側燃圧が高圧ポンプの正常時に取り得る範囲の最大値よりも高い異常時圧力以上となったときに前記リリーフ弁を開弁状態に保持する保持機構と、
    前記保持機構により前記リリーフ弁が開弁状態に保持された場合には、前記低圧燃料を前記燃料噴射弁から噴射するように同燃料噴射弁を制御する噴射制御部と、を備えてなる
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記保持機構は、前記リリーフ弁の弁体の移動を機械的に制限して同リリーフ弁を開弁状態に保持するように構成されてなる
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記保持機構は、前記弁体の周面に形成される凹部と、前記弁体の周面に向けて付勢される制限部とを備え、前記弁体の変位量が増大して所定量となったときに同弁体の凹部に前記制限部が嵌合されるように構成されてなる
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記リリーフ弁は前記高圧ポンプと一体形成されてなる
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  5. 低圧通路を介して供給される低圧燃料を吸入して加圧室で加圧するとともに高圧通路を介して燃料噴射弁に圧送する高圧ポンプであって、前記高圧通路に設けられるとともに前記加圧室側からの燃料の圧力が所定の吐出圧以上となると開弁して前記燃料噴射弁側への燃料の圧送を許容する吐出弁を備える内燃機関の高圧ポンプにおいて、
    前記高圧通路において前記吐出弁を迂回するリリーフ通路に設けられる弁であって前記吐出弁よりも下流側の燃料の圧力である下流側燃圧がリリーフ圧以上になると開弁して燃料の一部を前記吐出弁の上流側にリリーフするリリーフ弁と、
    前記下流側燃圧が高圧ポンプの正常時に取り得る範囲の最大値よりも高い異常時圧力以上となったときに前記リリーフ弁を開弁状態に保持する保持機構と、を備える
    ことを特徴とする内燃機関の高圧ポンプ。
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