JP2012187625A - 継目無管の冷間圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷間圧延する際に冷間圧延開始側および終了側とした素管端部に発生する割れを抑制でき、安定して冷間圧延を行うことができる継目無管の冷間圧延方法を提供する。
【解決手段】質量%でCr:21〜31%およびNi:43〜60%を含有するオーステナイト系合金からなる継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面1a側に、面取り加工後の端部肉厚Lt(mm)および長手方向のベベル長さLb(mm)が下記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管1を用いることを特徴とする継目無管の冷間圧延方法である。ただし、tは素管肉厚(mm)とする。
0.5t≦Lt≦0.75t ・・・(1)
−4Lt+4.5t≦Lb ・・・(2)
【選択図】図1

Description

本発明は、高Cr−高Niのオーステナイト系合金からなる継目無管を素管として冷間圧延を行う方法に関する。さらに詳しくは、素管を冷間圧延する際に冷間圧延開始側および終了側とした素管端部に発生する割れを抑制でき、この管端割れに起因する圧延停止を防止することにより安定して冷間圧延を行うことができる継目無管の冷間圧延方法に関する。
なお、別に記載がない限り、本明細書における用語の定義は次の通りである。
「断面減少率」:冷間圧延における加工度を評価する際の指標として用いられ、断面減少率Rd(%)は素管の断面積S1(mm2)および冷間圧延後の管の断面積S2(mm2)から下記(3)式により算出することができる。
Rd=(1−S2/S1)×100 ・・・(3)
金属管の冷間加工法として、ドローベンチによる冷間引抜法とピルガーミルによる冷間圧延法とが慣用されている。ドローベンチによる冷間引抜法では、素管内に、プラグ、フローティングプラグまたは心金を挿入し、ダイスを通して素管を引き抜くことにより目標の成品寸法に仕上げる。
このような冷間引抜法は、断面減少率を大きくして高加工度で冷間引抜きを行うのが難いことから、小径材の冷間加工に適用することは困難である。また、冷間引抜法では、潤滑処理のために蓚酸鉄に代表される化成被膜を素管表面に形成する必要がある。素管材質を質量%でCr:21〜31%およびNi:43〜60%を含有する高Cr−高Niオーステナイト系合金(以下、単に「高Cr−高Ni合金」ともいう)とすると、素管表面に化成被膜が形成されにくいことから、潤滑不良となり冷間引抜きが困難となる。
一方、ピルガーミルによる冷間圧延法は、冷間引抜法と比べて断面減少率を大きくして高加工度で素管を冷間加工できる。このため、高加工度を必要とする継目無管の製造では、一般的にピルガーミル(ピルガー圧延)による冷間圧延法が用いられる。
ピルガー圧延による冷間圧延では、周面に孔型を形成された上下一対の孔型ロールを用い、孔型ロールの間には先端に向かって径が小さくなるテーパを有するマンドレルが設けられる。この孔型ロールは、その軸心に設けられた回転軸でロールスタンドに支持されている。
ピルガー圧延により素管に冷間圧延を行う際、ロールスタンドに支持された孔型ロールがマンドレルに沿って往復移動することによって、往復回転しながら被加工材である素管を圧延する。素管は、孔型ロールが往復回転する工程の間に所定の加工長さだけ送られるとともに、所定角度だけ回転されながら、順次、縮径および減肉しつつ加工される。このとき、冷間圧延される素管は、圧延伸びと圧延送り量に応じて伸管され、目標の成品寸法に圧延される。
このピルガー圧延により複数の素管に連続して冷間圧延を行う場合は、冷間圧延される素管の圧延終了側となる端面に後続する素管の圧延開始側となる端面を合わせてピルガーミルに素管を供給する。これにより、後続する素管を送り出すのに伴い、後続する素管の圧延開始側となる端面が冷間圧延される素管の終了側となる端面を押出すことから、冷間圧延される素管が送られる。
このようなピルガー圧延による冷間圧延を行う際、高Cr−高Ni合金からなる継目無管を素管すると、高Cr−高Ni合金からなる素管が難加工材であることから、冷間圧延開始側および終了側とした素管端部に割れが発生する。この管端割れでは、ほぼ直線状の亀裂が管端から長手方向に長さ10〜50mm程度にわたって生じ、このような亀裂が周方向に複数生じる。冷間圧延時に管端割れが素管に発生して管端の一部が欠落すると、欠落した破片によって製品不良や設備損傷が引き起こされる場合があることから、圧延を停止する必要がある。また、冷間圧延を行う際に管端割れが発生した場合に、停止することなく、圧延を継続できたとしても、割れが発生した管端部は後工程で切り下げる必要があることから、製品歩留りが低下する。
高Cr−高Ni合金からなる素管に冷間圧延を行う際に管端割れが発生するのを抑制するため、1回の冷間圧延あたりの加工度を低下させて冷間圧延を行う回数を増加させることにより所定の加工度を確保する方法を採用することも考えられる。しかし、この方法では、冷間圧延を行う回数が増加するとともに、素管に軟化熱処理を施す回数も増加することから、生産効率が著しく悪化する。このため、1回の冷間圧延あたりの加工度を低下させて冷間圧延を行う回数を増加させることにより所定の加工度を確保する方法は、実用的ではない。
管の冷間圧延方法に関し、従来から種々の提案がなされており、例えば特許文献1および2がある。特許文献1は、六角形状の内面角張りによる肉厚変動が生じた素管に冷間圧延を行う際、肉厚変動による局所的な薄肉部が切り欠きとして作用することにより圧延開始側の端部に発生する割れを抑制することを目的とする。特許文献1に記載の冷間圧延方法では、継目無管を素管として冷間圧延を行う際に、圧延開始側となる端部の内面における肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)で表し、その比であるd/bの最大値を管理した素管を用いる。また、d/bの最大値が管理範囲を超える場合、圧延開始側となる端部の内面側に面取り加工を施すことによりd/bの最大値を管理するとしている。
特許文献1に記載の冷間圧延方法は、d/bの最大値が管理された素管を用いることにより、冷間圧延を行う際に内面角張りに起因する管端割れが素管に発生するのを抑制できるとしている。しかし、難加工材である高Cr−高Ni合金からなる素管の冷間圧延では、素管に内面角張りによる肉厚変動が認められない場合でも管端割れが発生する。このため、特許文献1に記載の冷間圧延方法により、高Cr−高Ni合金からなる素管に冷間圧延を行う際に発生する管端割れを抑制することは困難である。
また、特許文献2には、母材とクラッド材とからなるクラッド鋼素管に冷間圧延を行う方法が記載されている。特許文献2に記載の冷間圧延方法は、端部の母材側に所定の条件式を満たすように面取り加工を施したクラッド鋼素管を用いる。これにより、母材とクラッド材の変形抵抗差に起因して端部で母材が飛び出し、母材とクラッド材が端部で剥離するのを防止できるとしている。特許文献2に記載の冷間圧延方法は、クラッド鋼素管を対象としていることから、高Cr−高Ni合金からなる継目無管を素管として冷間圧延を行う際に発生する管端割れについては検討されていない。
特開2009−6384号公報 特開2006−346726号公報
前述の通り、高Cr−高Niのオーステナイト系合金からなる素管に冷間引抜による冷間加工を施すと、加工度が低下することから小径材への適用が困難であったり、素管の表面に化成被膜が形成されにくいことから潤滑不良となり冷間引抜きが困難であったりする。また、高Cr−高Niのオーステナイト系合金からなる素管に冷間圧延による冷間加工を施すと、素管に管端割れが発生して製品歩留りの低下や圧延停止が問題となる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、高Cr−高Niのオーステナイト系合金からなる素管に冷間圧延を行う際、冷間圧延開始側および終了側とした端部に割れが発生するのを抑制でき、管端割れに起因する圧延停止を防止することにより安定して冷間圧延を行うことができる継目無管の冷間圧延方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するため、種々の試験を実施し、鋭意検討を重ねた結果、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面側に面取り加工が施された素管を用いて冷間圧延を行うことにより、管端割れの発生を抑制できることを見出した。そこで、管端割れの発生を抑制できる端部形状を求めるため、端部の外面側に面取り加工を施した素管に冷間圧延を行う試験を実施した。
本試験では、以下の手順により得られた継目無管を素管として用いた。
(1)高Cr−高Ni合金からなる中空ビレットをユジーン・セジュルネ法により熱間製管して継目無管とした。
(2)この継目無管に、1185℃に加熱して2分以上保持した後に水冷する熱処理を施した。
(3)熱処理を施した継目無管の両端部の外面側に面取り加工を施した。
図1は、外面側に面取り加工が施された素管の端部形状を示す断面図である。同図に示すように、面取り加工された素管1の端部形状は、長手方向のベベル長さLb(mm)および面取り加工後の端部肉厚Lt(mm)により規定することができる。本試験では、上記(3)の面取り加工により、継目無管の両端部における長手方向のベベル長さLb(mm)および面取り加工後の端部肉厚Lt(mm)を変化させた。
このようにして得られた継目無管を素管としてピルガー圧延による冷間圧延を行った。本試験では、素管の材質を鋼種AまたはBとした。この鋼種AおよびBは高Cr−高Ni合金であり、その代表組成は以下の通りである。ここで、各元素の含有量の%は、質量%である。
鋼種A:30%Cr−50%Ni−4%W、
鋼種B:22%Cr−54%Ni−12%Co−9%Mo−1%Al
また、本試験における冷間圧延の加工スケジュールは、以下の通りである。
素管とした継目無管:外径86.00mm、肉厚18.00mm、
冷間圧延後の管 :外径45.10mm、肉厚 9.45mm、
断面減少率 :72.4%
上記のスケジュールにより冷間圧延を行った管について、冷間圧延開始側および終了側とした端部を目視により観察し、管端割れ発生状況を確認した。後述する図2および3に示す管端割れ発生状況において、記号の意味は次の通りである:
○:冷間圧延開始側および終了側とした端部のいずれにも管端割れの発生が認められなかったことを示す。
×:冷間圧延開始側および終了側とした端部のいずれか一方または両方に管端割れの発生が認められたことを示す。
図2は、鋼種Aからなる素管を用いた冷間圧延における管端割れ発生状況を示す図である。同図では、縦軸が素管の肉厚t(mm)に対する長手方向のベベル長さLb(mm)の割合であるLb/tであり、横軸が素管の肉厚t(mm)に対する面取り加工後の端部肉厚Lt(mm)の割合であるLt/tである。同図から、鋼種Aからなる素管を用いた冷間圧延では、端部肉厚Ltおよび長手方向のベベル長さLbを、Lt/t≦0.75かつLb/t≧−2Lt/t+3.0とすることにより、管端割れを抑制できることが明らかになった。
図3は、鋼種Bからなる素管を用いた冷間圧延における管端割れ発生状況を示す図である。図3では、前記図2と同様に縦軸がLb/tであり、横軸がLt/tである。図3から、鋼種Bからなる素管を用いた冷間圧延では、端部肉厚Ltおよび長手方向のベベル長さLbを、Lt/t≦0.75かつLb/t≧−4Lt/t+4.5とすることにより、管端割れを抑制できることが明らかになった。
以上の結果から、鋼種AまたはBのいずれの高Cr−高Ni合金からなる素管を用いた場合でも、端部肉厚Ltおよび長手方向のベベル長さLbを、Lt/t≦0.75かつLb/t≧−4Lt/t+4.5とすることにより、管端割れを抑制できることが明らかになった。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものであり、下記の継目無管の冷間圧延方法を要旨としている。
質量%でCr:21〜31%およびNi:43〜60%を含有するオーステナイト系合金からなる継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面側に、面取り加工後の端部肉厚Lt(mm)および長手方向のベベル長さLb(mm)が下記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管を用いることを特徴とする継目無管の冷間圧延方法。
0.5t≦Lt≦0.75t ・・・(1)
−4Lt+4.5t≦Lb ・・・(2)
ここで、tは素管肉厚(mm)である。
本発明の継目無管の冷間圧延方法は、下記の顕著な効果を有する。
(1)本発明の継目無管の冷間圧延方法は、高Cr−高Niのオーステナイト系合金からなる素管に冷間圧延を行う際、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面側に前記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管を用いる。
(2)上記(1)により、冷間圧延開始側および終了側とした端部に割れが発生するのを抑制できる。
(3)上記(2)により、管端割れに起因する圧延停止を防止することができ、安定して冷間圧延を行うことができる。
外面側に面取り加工が施された素管の端部形状を示す断面図である。 鋼種Aからなる素管を用いた冷間圧延における管端割れ発生状況を示す図である。 鋼種Bからなる素管を用いた冷間圧延における管端割れ発生状況を示す図である。
本発明の継目無管の冷間圧延方法は、前述の通り、質量%でCr:21〜31%およびNi:43〜60%を含有するオーステナイト系合金からなる継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面側に、面取り加工後の端部肉厚Lt(mm)および長手方向のベベル長さLb(mm)が下記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管を用いることを特徴とする。
0.5t≦Lt≦0.75t ・・・(1)
−4Lt+4.5t≦Lb ・・・(2)
ここで、tは素管肉厚(mm)である。
以下に、本発明の継目無管の冷間圧延方法を、上記のように規定した理由および好ましい範囲について説明する。
本発明において、素管が質量%でCr:21〜31%およびNi:43〜60%を含有するオーステナイト系合金からなると規定するのは、本発明の目的が、難加工材である高Cr−高Ni合金からなる素管に冷間圧延を行う際に素管に発生する管端割れを抑制することにあるからである。CrおよびNiの含有量を限定する理由は次の通りであり、以下の説明において、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
Cr:21〜31%
Crは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性および耐食性を確保するための重要な元素である。高温下での耐食性を確保するためには最低限21%の含有量が必要である。前記の耐食性はCr含有量が多いほど向上するが、その含有量が31%を超えると、組織安定性が低下してクリープ強度を損なう。また、オーステナイト組織を安定にするために高価なNi含有量の増加を余儀なくされるだけでなく、溶接性も低下する。したがって、Cr含有量は21〜31%とする。
Ni:43〜60%
Niは、オーステナイト組織を安定にする元素であり、耐食性の確保にも重要な合金元素である。上記のCr量とのバランスからNiは43%以上の量が必要である。一方、過剰なNiはコスト上昇を招くだけでなく、クリープ強度の低下を招くので、その上限は60%とする。
本発明の継目無管の冷間圧延方法は、冷間圧延開始側および終了側となる素管端部の外面側に施す面取り加工の形状を、前記(1)式および(2)式によりLt≦0.75tかつ−4Lt+4.5t≦Lbと規定する。これにより、本発明の継目無管の冷間圧延方法は、前記図2および3の試験結果が示す通り、圧延開始側および終了側とした端部に割れが発生するのを抑制できる。
ここで、従来の継目無管の冷間圧延方法では、高Cr−高Ni合金からなる素管の端部に面取り加工を施すことなく、冷間圧延を行っていた。この場合、素管端部の外面と端面の境界となるエッジが冷間圧延を行う際に孔型ロールにより強く押圧されることにより、応力集中が生じて管端割れが発生していると推測される。
一方、本発明の継目無管の冷間圧延方法は、Lt≦0.75tかつ−4Lt+4.5t≦Lbとして面取り加工が施された素管を用いる。ここで、前記図1に(t−Lt)で示す肉厚方向のベベル長さは、Lt≦0.75tを変形することにより導かれる0.25t≦t−Ltから、0.25t以上となる。
このように本発明の継目無管の冷間圧延方法は、肉厚方向のベベル長さ(t−Lt)を0.25t以上かつ長手方向のベベル長さLbを−4Lt+4.5t以上として素管端部に面取り加工を施す。これにより、素管端部は前記図1に示すように外面1aと端面1bのエッジが除去されてベベル面1cが形成されることから、冷間圧延を行う際に孔型ロールによる押圧をベベル面で受けることができる。その結果、本発明の継目無管の冷間圧延方法は、端部に発生する応力を分散することができ、管端割れを抑制できると推測される。
複数の素管を連続して冷間圧延する場合、面取り加工後の端部肉厚Ltが薄肉になり過ぎると、後続する素管の圧延開始側となる端面による冷間圧延される素管の終了側となる端面の押出しで不具合が生じ、圧延が停止するおそれがある。このため、本発明の継目無管の冷間圧延方法は、前記(1)式により面取り加工後の端部肉厚Ltを0.5t以上と規定する。
このように本発明の継目無管の冷間圧延方法は、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面側に前記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管を用いる。これにより、高Cr−高Ni合金からなる素管に冷間圧延を行う際に冷間圧延開始側および終了側とした端部に割れが発生するのを抑制できる。その結果、管端割れに起因する圧延停止を防止でき、高Cr−高Ni合金からなる素管に安定して高加工度である冷間圧延法による冷間加工を施すことができる。
素管端部の外面に施した面取り加工量が大きいと、加工コストが嵩む上に、製品歩留りが低下する。そのため、本発明の継目無管の冷間圧延方法は、長手方向のベベル長さLbを3.0t以下とするのが好ましい。
本発明の本発明の継目無管の冷間圧延方法による効果を検証するため、端部に面取り加工を施した素管に冷間圧延を行う試験を実施した。
[試験方法]
本試験では、以下の手順により得られた継目無管を素管としてピルガー圧延による冷間圧延を行った。
(1)高Cr−高Ni合金からなる中空ビレットをユジーン・セジュルネ法により熱間製管して継目無管とした。
(2)この継目無管に、1185℃に加熱して2分以上保持した後に水冷する熱処理を施した。
(3)熱処理を施した継目無管の両端部の外面側に面取り加工を施した。
本試験に用いた素管の材質は、前述した鋼種Bの高Cr−高Ni合金とした。本試験における冷間圧延の加工スケジュールは、以下の通りである。
素管とした継目無管:外径77.00mm、肉厚13.50mm、
冷間圧延後の素管 :外径38.00mm、肉厚 8.80mm、
断面減少率 :70.0%
また、本試験における面取り加工が施された素管の両端部の寸法は、以下の通りである。
面取り加工後の端部肉厚:Lt=6.8mm(Lt/t=0.5)、
長手方向のベベル長さ :Lb=40.0mm(Lb/t=3.0)
[試験結果]
冷間圧延された素管について冷間圧延開始側および終了側とした端部を目視により観察し、管端割れ発生状況を確認した。その結果、冷間圧延された管のいずれの端部にも管端割れの発生は認められなかった。このことから、本発明の継目無管の冷間圧延方法は、端部の外面側に前記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管を用いることにより、高Cr−高Ni合金からなる素管に冷間圧延を行う際に素管に発生する管端割れを抑制可能であることが確認できた。
本発明の継目無管の冷間圧延方法は、下記の顕著な効果を有する。
(1)本発明の継目無管の冷間圧延方法は、高Cr−高Niのオーステナイト系合金からなる素管に冷間圧延を行う際、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面側に前記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管を用いる。
(2)上記(1)により、冷間圧延開始側および終了側とした端部に割れが発生するのを抑制できる。
(3)上記(2)により、管端割れに起因する圧延停止を防止することができ、安定して冷間圧延を行うことができる。
したがって、本発明の継目無管の冷間圧延方法を、高Cr−高Niのオーステナイト系合金からなる継目無鋼管の製造に適用すれば、継目無鋼管の製品歩留りおよび生産効率の向上に大きく寄与することができる。
1:素管、 1a:外面、 1b:端面、 1c:ベベル面、
t:素管肉厚、 Lt:面取り加工後の端部肉厚、 Lb:長手方向のベベル長さ

Claims (1)

  1. 質量%でCr:21〜31%およびNi:43〜60%を含有するオーステナイト系合金からなる継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側および終了側となる端部の外面側に、面取り加工後の端部肉厚Lt(mm)および長手方向のベベル長さLb(mm)が下記(1)式および(2)式を満たすように面取り加工が施された素管を用いることを特徴とする継目無管の冷間圧延方法。
    0.5t≦Lt≦0.75t ・・・(1)
    −4Lt+4.5t≦Lb ・・・(2)
    ここで、tは素管肉厚(mm)である。
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