JP4888252B2 - 継目無管の冷間圧延方法 - Google Patents

継目無管の冷間圧延方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4888252B2
JP4888252B2 JP2007171908A JP2007171908A JP4888252B2 JP 4888252 B2 JP4888252 B2 JP 4888252B2 JP 2007171908 A JP2007171908 A JP 2007171908A JP 2007171908 A JP2007171908 A JP 2007171908A JP 4888252 B2 JP4888252 B2 JP 4888252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
cold rolling
wall thickness
rolling
seamless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007171908A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009006384A (ja
Inventor
仁寿 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2007171908A priority Critical patent/JP4888252B2/ja
Publication of JP2009006384A publication Critical patent/JP2009006384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4888252B2 publication Critical patent/JP4888252B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、継目無管を素管として用いる冷間圧延方法に関し、さらに詳しくは、冷間圧延に用いられる素管の管端部内面に発生する、いわゆる角張り等の肉厚変動を管理し、冷間加工に伴う管端割れの発生を防止する継目無管の冷間圧延方法に関するものである。
通常、金属管の冷間加工法として、ドローベンチによる冷間引抜法とピルガーミルによる冷間圧延法とが慣用されている。特に、ピルガーミルによる冷間圧延法は、冷間引抜法に比べ、高加工度で素管を冷間加工できることから、高加工度を必要とする継目無管の製造では、一般的にピルガーミル(ピルガー圧延)による冷間圧延法が用いられる。
図1は、冷間圧延法に用いられる一対のロールダイスの全体構成を説明する斜視図である。冷間圧延法では、周面に孔型2aが形成された上下一対のロールダイス2を配置し、ロールダイス2の間に先端に向かって径が小さくなるテーパーを有するマンドレルが備えられる。ロールダイス2は、軸心に設けられ回転軸により、ロールスタンド4に支持される。回転軸の一端には回転径がロールダイス2の外径とほぼ同等のピニオンギア5が、水平なラックギア6に噛み合った状態で設けられる。
ロールダイス2は、ピニオンギア5を介して矢印A方向に往復移動するラックギア6の駆動にともない矢印B方向に往復回転する。このとき、ロールダイス2の周面に形成された孔型2aは、ロールダイス2の往復回転にともなって被加工材となる素管を圧延する。
図2は、冷間圧延法により素管を圧延する加工機構を説明する断面図である。ロールダイス2の周面に形成された孔型2aは、加工開始から加工終了に向かって孔型径が連続的に小さくなる加工部を構成する。一対のロールダイス2の間には、管内面に先端に向かって径が小さくなるテーパを有するマンドレル3が設けられる。管外面側に設けられた、周面に孔型2aを形成された上下一対のロールダイス2が前記マンドレル3に沿って往復移動することによって、被加工材である素管1を圧延する。
一方、素管1は、ロールダイス2が往復回転する工程の間に所定の加工長さだけ送られるとともに、所定角度だけ回転されながら、順次、縮径および減肉しつつ加工される。このとき、冷間圧延された素管1は、圧延伸びと圧延送り量に応じて伸管され、目標の成品寸法に圧延される。
冷間圧延法は、上記図1、2に示す圧延機構で構成されていることから、被加工材に高加工度を負荷することができ、前述の通り、冷間引抜法に比べ高加工度による冷間加工が可能になる。ところが、継目無管を素管として冷間圧延を行う際に、圧延開始側の管端部に割れが発生する場合がある。
通常、冷間圧延用の素管として用いられる継目無管は、マンネスマン製管法が多用されており、穿孔圧延、マンドレルミル圧延等の延伸圧延および絞り圧延機(ストレッチレデューサー、またはサイザー)を用いた定径圧延を行って製造される。このとき、複数のロールスタンドで絞り圧延を行った後の管内面には、いわゆる角張りと呼ばれる肉厚変動が発生する。
例えば、マンネスマン製管法による継目無管の製造において、3ロール型の絞り圧延機を用いて外径絞り加工を行う場合には、六角形状の内面角張りによる肉厚変動が発生する。このように継目無管の内面に発生する肉厚変動は、微小な局部的な寸法変動や形状変化を構成することから、その肉厚変動による局部的な薄肉部が切り欠きとして作用し、それが起点となって管端割れに進展することが推測される。
従来から、冷間圧延を行う際に、圧延加工に伴って素管に管端割れが発生するのを防止するため、種々の対策が提案されている。まず、素管として用いられる継目無管に関する対策として、特許文献1、2では、管端割れの要因となる角張りを抑制する絞り圧延機や肉厚制御方法が提案されている。
特許文献1では、3個の圧延ロールからなるロールスタンドを圧延力向に沿って複数段配置する絞り圧延機を対象とし、1段目2段目の一対のロールスタンドを天地逆に配置すると共に、3段目4段目の他の対のロールスタンドも天地逆に配置し、上記1対のロールスタンドに対し、上記他の対の配置基準線を一定角度だけ変化させる。具体的には、1段目2段目はそれぞれのロールスタンドを天地逆に配設し、3段目は1段目スタンドに対し30°角度を変位して配設し、4段目は3段目のロールスタンドを天地逆にし、3段目4段目を一対として設置する構成を提案している。
また、特許文献2の肉厚制御方法では、3ロールマンドレルミルの少なくとも最終2スタンドのロールギャップを変更し、母管中央部に3ロール型絞り圧延機で発生する管中央部の内面六角形状の角張りを相殺する内面六角形状の角張りを付与すると共に、母管管端部に3ロール型絞り圧延機で発生する管端部の負の位相の内面六角形状の角張りを相殺する正の位相の内面六角形状の角張りを付与することを提案している。
冷間圧延の開始に伴って発生する管端割れは、素管の微小で、かつ局部的な肉厚変動によっても誘引されるものであることから、特許文献1、2で提案される絞り圧延機や肉厚制御方法で得られた継目無管を素管としても、微小な局部的な肉厚変動まで抑制することができず、有効に管端割れを防止できるまでに至っていない。
さらに、冷間圧延用素管の管端割れの防止方法として、特許文献3には、冷間圧延前に素管端部を加熱することにより、被圧延材の端部に発生する割れを防止する端部割れ防止方法が開示されている。しかし、この割れ防止方法を実施するには、素管端部に加熱装置を設置しなければならず、装置設置によるコストアップや、冷間圧延前の素管端部の温度管理が煩雑であることから、特許文献3の割れ防止方法は冷間圧延の操業において実用的でない。
特開昭62−199210号公報 特開平07−246415号公報 特開2006−136937公報
前述の通り、冷間圧延用の素管として用いられる継目無管の内面に肉厚変動があると、冷間圧延の際にそれを起点として管端割れが発生することから、肉厚変動の要因となる角張りを抑制する絞り圧延機や肉厚制御方法が提案されているが、冷間圧延において充分に管端割れを防止できるまでに至っていない。また、被圧延材の管端割れを防止する方法として、冷間圧延前に素管端部を加熱する防止方法も提案されているが、冷間圧延の実操業において実用的でない。
本発明は、上述した冷間圧延に伴って発生する素管の管端割れの問題に鑑みてなされたものであり、冷間圧延に用いられる素管の管端部内面に発生する肉厚変動を、後述する図4に示すように、展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)で管理し、さらに必要に応じて素管の管端部に面取り加工を施すことにより、冷間加工にともなう管端割れの発生を有効に防止することができる継目無管の冷間圧延方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上述した課題を解決するため、冷間圧延用の素管として用いられる継目無管の内面には発生する肉厚変動の要因となる、絞り圧延による角張りの発生状況について詳細に検討を加えた。
図3は、3ロール型ストレッチレデューサーを用いて外径絞り加工を行う場合に発生する内面六角角張りの断面形状を模式的に示す図である。3ロール型ストレッチレデューサーの各スタンドでの圧延は、ロール溝底部がエッジ部に比較して圧延方向の伸びが大きく、管周方向の肉厚は不均一な変形を受ける。そのため、連続スタンドでの圧延では、ロール溝底部とエッジ部はスタンド毎に交互に塑性変形が繰返されるため、ほぼ同一肉厚となるが、ロール溝底部とエッジ部の中間位置(すなわち、ロール溝底部を0°位置とした場合に30°回転位置)に肉厚変動を生ずる部位が発生し、六角形状の内面角張りを生ずる。
図3に示すような六角張り現象は、絞り圧延加工における管長方向の延伸率が大きくなるほど、かつ管が厚肉小径になるほど角張りが増加する傾向にあり、これにともなって肉厚変動が顕著になる。
図4は、肉厚変動の詳細な構成を示す、前記図3のE部における詳細図である。発明者の検討結果から、素管として用いられる継目無管の内面に発生する肉厚変動の構成は、展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)によって整理できること、さらに、肉厚変動が素管の管端割れに及ぼす影響は展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)で管理できることが明らかになる。すなわち、展開角度b(rad)が小さいほど、肉厚差d(mm)が大きいほど管端割れが発生し易いことが分かる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)および(2)の継目無管の冷間圧延方法を要旨としている。
(1)継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側の管端部内面における管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)の比で表した場合に、管内面全周における肉厚変動の最大値が下記(1)式を満足する素管を用いることを特徴とする継目無管の冷間圧延方法である。
d/b ≦ 0.29 ・・・ (1)
(2)継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側の管端部内面における管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)の比で表した場合に、当該管端部の内面側に面取り加工を施したのち、管内面全周における肉厚変動の最大値が上記(1)式を満足する素管を用いることを特徴とする継目無管の冷間圧延方法である。
本発明の冷間圧延方法では、被圧延材として用いる素管が穿孔圧延、延伸圧延および絞り圧延機(ストレッチレデューサー、またはサイザー)による定径圧延で製造された継目無管である場合に、優れた効果を発揮し、有効に冷間加工に伴う管端割れを防止することができる。
本発明で規定する「展開角度b(rad)」および「肉厚差d(mm)」は、前記図4に示すように、局部的な肉厚変動の構成を示す数値であるが、本発明を適用する場合には、例えば、3次元形状測定器を用いて、管周方向の肉厚を連続的に測定して把握することができる。なお、展開角度とは、前記図4に示すように、測定結果を管周方向に展開して表示した場合の局部的な薄肉部が形成されている部分の管周方向での幅を、管軸心を中心とした角度(rad)で表した値である。そして、連続した測定値からd/bを算出し、最大のd/b値によって本発明に適用できる冷間圧延用の素管を定める。
本発明の継目無管の冷間圧延方法によれば、素管内面の管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)で把握し、それらの比で表したd/bの管内面全周における最大値を管理することにより、さらに必要に応じて素管の管端部に面取り加工を施しその後の最大値を管理することにより、冷間加工にともなう管端割れの発生を防止でき、製造コストの上昇を招くことなく、歩留まりよく継目無管を製造できる。
本発明の冷間圧延方法は、継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側の管端部内面における管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)の比d/bで表した場合に、管内面全周における肉厚変動の最大値が0.29(mm/rad)以下を満足する素管を用いることを特徴とする。
本発明の冷間圧延方法に適用できる肉厚変動のd/b値の最大値を検討するため、材質がSUS304で外径が187mmのビレットを用いて、穿孔圧延に引き続いて3ロール型マンドレルミル圧延により中空素管を製管した。その後、再加熱炉にて加熱を行い、3ロール型ストレッチレデューサーにより絞り圧延を行い、2種の管寸法(外径および肉厚)からなる冷間圧延用素管を製造した。
得られた冷間圧延用素管は、その管端部を3次元形状測定器を用いて連続的に測定を行い、展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)を測定した。その後、ピルガーミル圧延機による冷間圧延を行い、所定寸法の冷間継目無管を製造し、そのときの管端割れの発生状況を調査した。それぞれの冷間圧延のスケジュールをSch.AおよびSch.Bとして表1に示す。
ただし、表中における断面減少率(%)は、{1−(冷間圧延後の断面積/冷間圧延前の断面積)}×100で示す。
Figure 0004888252
図5は、冷間圧延に伴う管端割れの発生状況を、冷間圧延用素管の展開角度b(rad)と肉厚差d(mm)との関係で示す図である。図5に示す結果によれば、前述の通り、素管内面の肉厚変動のうち展開角度b(rad)が小さいほど、また、肉厚差d(mm)が大きいほど管端割れが発生し易いことが分かる。
そして、同図から、冷間圧延に伴う管端割れの発生を防止するには、冷間圧延用素管の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)の比d/bで表した場合に、管内面全周における肉厚変動の最大値が下記(1)式を満足することが必要であることが分かる。
d/b ≦ 0.29 ・・・ (1)
さらに、本発明の冷間圧延方法は、継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側の管端部内面における管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)の比で表した場合に、当該管端部の内面側に面取り加工を施したのち、管内面全周における肉厚変動の最大値が上記(1)式を満足する素管を用いることを特徴とする。
前記図5に示すように、冷間圧延用素管の管端部に存在する局部的な肉厚変動が管端割れの起点になるが、肉厚変動のd/b値を一定値以下に管理すれば、管端割れが発生することがない。したがって、肉厚変動のd/b値が管理値を超える場合であっても、管端部内面における管周方向の肉厚変動を除去し、肉厚変動のd/b値を一定値以下になるように管理すれば、管端割れの発生を防止できる。
このため、本発明の冷間圧延方法では、必要がある場合には、冷間圧延用素管の管内面全周における肉厚変動のd/bの最大値が上記(1)式を満足するように、冷間圧延開始側の管端部の内面側に面取り加工を施したのち冷間圧延を行う。
本発明に適用できる面取り加工としては、例えば、管端内面側の切削によるベベル加工、円錐コーン挿入による押し潰し加工やグラインダー研磨による加工等が挙げられる。また、面取り加工は管端内面側の全周に行ってもよいが、例えば、グラインダー研磨で肉厚変動のd/bが0.29を超える箇所のみに部分的に面取り加工を行うことでも、管端割れを防止できる。この場合に、冷間圧延の操業安定を勘案して、管端部内面の肉厚変動を十分に除去するため、肉厚で1.0mm以上の面取り加工を施すのが望ましい。
本発明の冷間圧延方法では、肉厚変動の最大値を管理する対象を肉厚が10mm以下の継目無素管とするのが望ましい。例えば、断面減少率が70〜85%程度と大きい加工度の冷間圧延であっても、肉厚Wtが厚い素管を対象にする場合には、肉厚差d/肉厚Wtの比が極めて小さな値となるため、肉厚差dが管端割れを発生させるような有害な切り欠きとして作用せず、前記(1)式を満足しない素管であっても、管端割れを発生しない場合があるからである。
本発明の冷間圧延方法では、対象素管として、マンネスマン製管法により、例えば穿孔圧延、延伸圧延および絞り圧延機(ストレッチレデューサー、またはサイザー)による定径圧延で製造された継目無管とするのが望ましい。
この場合に、素管の鋼種は普通鋼、低合金鋼、クロム鋼、ステンレス鋼およびクロム−ニッケル−鉄合金等といずれにも限定するものではないが、特に硫黄(S)入りステンレス鋼を素管とする場合には、鋼中に析出したMnSにより冷間圧延時に管端割れが発生し易いことから、本発明の冷間圧延方法を適用するのが望ましい。
本発明の冷間圧延方法の効果を確認するため、材質がSUS304で外径が187mmのビレットを用いて、穿孔圧延に引き続いて3ロール型マンドレルミル圧延により中空素管を製管した。その後、再加熱炉にて加熱を行い、3ロール型ストレッチレデューサーにより絞り圧延を行い、2種の管寸法からなる冷間圧延用素管を製造した。
得られた冷間圧延用素管は、その管端部を3次元形状測定器を用い、連続的に肉厚測定を行い、展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)を測定した。その後、ピルガーミル圧延機による冷間圧延を行い、所定寸法の冷間継目無管を製造した。このときの冷間圧延のスケジュールは、前記表1に示すスケジュールと同様であり、Sch.AおよびSch.Bで区分した。
管端割れに及ぼす影響を観察するため、冷間圧延用素管は面取り加工を行う場合と行わない場合とに区分した。面取り加工を行う場合には、管端内面に切削による面取り加工を施し、面取り加工量を変化させた。これらの冷間圧延用素管は、前記表1に示すスケジュールのSch.AおよびSch.Bにより冷間圧延を実施した。このときの冷間圧延前のd/bが最大値となる肉厚変動および面取り加工状況、並びに冷間圧延後の管端割れ発生状況を表2に示した。
ただし、表中において、面取り加工量a(mm)が肉厚変動の肉厚差d(mm)を超える場合は、(d−a)値は「0(ゼロ)」と表記した。
Figure 0004888252
表2に示すように、面取り加工なしでは、冷間圧延前の肉厚変動を示すd/bの最大値が0.29を超える素管を使用して冷間圧延を行った場合は管端割れが発生し(試験No.1および9)、d/bの最大値が0.29以下の素管を用いた場合には管端割れは発生しなかった(試験No.2および10)。
一方、面取り加工ありでは、面取り加工量が肉厚差dよりも少ない場合はd/b値が0.29を超える薄肉部が残存したため、冷間圧延で管端割れが発生した(試験No.8および14)。しかし、面取り加工量a(mm)が肉厚差dを超える場合にはd/bが0.29を超える薄肉部が除去され、面取り加工後の3次元形状測定器による測定でも、d/bの最大値が0.29を超える箇所がなかったため、冷間圧延で管端割れが発生しなかった(試験No.3〜7および11〜13)。
本発明の継目無管の冷間圧延方法によれば、素管内面の管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)で把握し、それらの比で表したd/bの管内面全周における最大値を管理することにより、さらに必要に応じて素管の管端部に面取り加工を施しその後の最大値を管理することにより、冷間加工にともなう管端割れの発生を防止でき、製造コストの上昇を招くことなく、同時に歩留まりよく継目無管を製造できる。これにより、特に、マンネスマン製管法による継目無素管を用いる冷間圧延方法として、広く適用できる。
冷間圧延法に用いられる一対のロールダイスの全体構成を説明する斜視図である。 冷間圧延法により素管を圧延する加工機構を説明する断面図である。 3ロール型ストレッチレデューサーを用いて外径絞り加工を行う場合に発生する内面六角角張りの断面形状を模式的に示す図である。 肉厚変動の詳細な構成を示す、前記図3のE部における詳細図である。 冷間圧延に伴う管端割れの発生状況を、冷間圧延用素管の展開角度b(rad)と肉厚差d(mm)との関係で示す図である。
符号の説明
1.素管、 2.ロールダイス
2a.孔型、 3.マンドレル
4.ロールスタンド、 5.ピニオンギア
6.ラックギア

Claims (3)

  1. 継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側の管端部内面における管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)の比で表した場合に、管内面全周における肉厚変動の最大値が下記(1)式を満足する素管を用いることを特徴とする継目無管の冷間圧延方法。
    d/b ≦ 0.29 ・・・ (1)
  2. 継目無管を素管として冷間圧延を行うに際し、冷間圧延開始側の管端部内面における管周方向の肉厚変動を展開角度b(rad)および肉厚差d(mm)の比で表した場合に、当該管端部の内面側に面取り加工を施したのち、管内面全周における肉厚変動の最大値が下記(1)式を満足する素管を用いることを特徴とする継目無管の冷間圧延方法。
    d/b ≦ 0.29 ・・・ (1)
  3. 前記素管が穿孔圧延、延伸圧延および絞り圧延による定径圧延で製造された継目無管であることを特徴とする請求項1または2に記載の継目無管の冷間圧延方法。
JP2007171908A 2007-06-29 2007-06-29 継目無管の冷間圧延方法 Expired - Fee Related JP4888252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171908A JP4888252B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 継目無管の冷間圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171908A JP4888252B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 継目無管の冷間圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009006384A JP2009006384A (ja) 2009-01-15
JP4888252B2 true JP4888252B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=40322020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007171908A Expired - Fee Related JP4888252B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 継目無管の冷間圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4888252B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5716468B2 (ja) * 2011-03-14 2015-05-13 新日鐵住金株式会社 継目無管の冷間圧延方法
WO2013153794A1 (ja) 2012-04-12 2013-10-17 新日鐵住金株式会社 継目無管の冷間圧延方法
CN113458176B (zh) * 2021-06-30 2023-06-27 浙江久立特材科技股份有限公司 一种核电用高精度外六角内圆异形截面无缝管的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009006384A (ja) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003311317A (ja) 継目無管の製造方法
EP2390016B1 (en) Process for production of seamless metal pipe by cold rolling
US8601844B2 (en) Multi-roll mandrel mill and method of producing seamless tubes
EP2754508B1 (en) Seamless-metal-pipe manufacturing method
JP4888252B2 (ja) 継目無管の冷間圧延方法
WO2009119245A1 (ja) 継目無管の製造方法
EP1889669A1 (en) Drawing rolling method by mandrel mill
JP4873012B2 (ja) マンドレルミル及び継目無管の製造方法
JP7180586B2 (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP5716468B2 (ja) 継目無管の冷間圧延方法
JP2014166649A (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP5849895B2 (ja) 絞り圧延装置及び絞り圧延装置用ロール
JP2019107695A (ja) 継目無鋼管の製造方法
JP4314972B2 (ja) 金属管の定径圧延方法
CN103917307A (zh) 无缝金属管的制造方法
EP3257596A1 (en) Method for manufacturing plug
RU2620204C1 (ru) СПОСОБ ПРОИЗВОДСТВА БЕСШОВНЫХ ГОРЯЧЕКАТАНЫХ МЕХАНИЧЕСКИ ОБРАБОТАННЫХ ТРУБ РАЗМЕРОМ 530х13-18 мм ИЗ СТАЛИ МАРКИ 08Х18Н10-Ш
JPH08187502A (ja) 管の連続圧延方法および3ロールマンドレルミル
JP5408388B1 (ja) 継目無管の冷間圧延方法
JP5765190B2 (ja) 継目無鋼管の縮径圧延方法
JPH11104711A (ja) 継目無角形鋼管の製造方法
RU2613822C1 (ru) Способ производства бесшовных труб размером 325х8-14 мм из стали марки 08х18н10т-ш
JP2019005788A (ja) 継目無鋼管の圧延方法
JPH06190408A (ja) 継ぎ目無し鋼管の製造設備及び製造方法
JPH0924408A (ja) 鋼管の延伸圧延制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4888252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees