JP2012186041A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単セルユニット8を複数個積層して形成されたセルスタック2を備える。各燃料電池セル6に燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するガス供給部3,4と、セルスタック2およびガス供給部3,4を収容する断熱容器5とを備える。ガス供給部3,4は、断熱容器5の外からガスが供給される主ガス通路11,13と、この主ガス通路11,13から各燃料電池セル6にガスをそれぞれ導く分配用通路12,14とから構成される。主ガス通路11,13における分配用通路12,14との接続部分、あるいはその上流側には、断熱容器5の内部の熱を通路内のガスに伝える伝熱部15が設けられている。
【選択図】 図1
Description
この固体酸化物形燃料電池において、各燃料電池セルに燃料ガスと酸化剤ガスとを供給するガス供給部は、筒状の燃料ガス用マニホールドおよび酸化剤ガス用マニホールドと、これらのマニホールドと前記各セパレータとを接続する複数の(燃料電池セル毎の)パイプと、前記各セパレータに形成された燃料ガス用ガス通路および酸化剤ガス用ガス通路などによって構成されている。
前記パイプは、前記マニホールドから前記積層方向とは直交する方向(水平方向)に延びている。すなわち、複数のパイプは、上下方向に所定の間隔を並ぶ状態で前記マニホールドに接続されている。
従来の固体酸化物形燃料電池において、前記断熱容器の内部の温度は、燃料電池セルの発熱や、断熱容器内に設けられている加熱装置の熱などによって約800℃〜1000℃に保たれている。一方、燃料ガスや酸化剤ガスは、前記マニホールド内に供給される以前にプレヒータなどによって約500℃〜600℃に昇温させられている。このため、マニホールド内に断熱容器の外から供給された燃料ガスや酸化剤ガスの温度は、マニホールド内を下端部から上端部に流れることによって、断熱容器内の温度まで上昇することになる。
したがって、本発明によれば、発電効率が高い固体酸化物形燃料電池を低いコストで提供することができる。
以下、本発明に係る固体酸化物形燃料電池の一実施の形態を図1によって詳細に説明する。
図1に示す固体酸化物形燃料電池1は、セルスタック2と、このセルスタック2の側方近傍に位置する燃料ガス供給部3および酸化剤ガス供給部4と、これらのセルスタック2とガス供給部3,4とを収容する断熱容器5とを備えている。この断熱容器5は、内部の温度を所定の発電可能温度に保つように構成されている。この実施の形態による固体酸化物形燃料電池1の発電可能温度は600℃から900℃である。
したがって、この実施の形態によれば、発電効率が高い固体酸化物形燃料電池を低いコストで提供することができる。
燃料ガス供給部と酸化剤ガス供給部とは、図2および図3に示すように構成することができる。これらの図において、前記図1によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図2に示す固体酸化物形燃料電池1のセルスタック2は、プレート21の上にベースプレート22を介して載せられている。プレート21は、セルスタック2や後述する配管等を含むシステム全体のベースプレートとして機能するもので、断熱容器5の底部に設置されている。
また、この実施の形態による固体酸化物形燃料電池1は、前記セルスタック2を前記ベースプレート22と協働して上下方向から挟む構造の荷重機構23を備えている。この荷重機構23は、セルスタック2を囲む四箇所に立設された連結ロッド24と、これらの連結ロッド24の上端部に取付けられたトッププレート25と、このトッププレート25とセルスタック2の上端部の押さえ板26との間に設けられた圧縮コイルばね27とから構成されている。
前記酸化剤ガス供給用ガス通路32は、パイプ33を介して酸化剤ガス供給用マニホールド35に接続されている。この実施の形態においては、前記燃料ガス供給用ガス通路31と、酸化剤ガス供給用ガス通路32と、前記パイプ33とによって、本発明でいう「分配用通路」が構成されている。
前記筒体40は、円筒状のマニホールド部材42と、円筒状のマニホールドコネクタ43とを交互に複数個積み重ねることによって形成されている。筒体40の最下部に位置するマニホールド部材42の中空部は、前記ベースプレート39の内部空間に接続されている。筒体40の最上部に位置するマニホールド部材42は、中空部の上端開口を閉塞する上壁42aを備えた有底円筒状に形成されている。
前記仕切板41は、上下方向に延びる細長い板からなり、幅方向の両端部が前記マニホールド部材42およびマニホールドコネクタ43の内周面に密着させられている。仕切板41の上端部と、筒体40の最上部に位置するマニホールド部材42の上壁42aとの間には、ガスを通すことができるように隙間が形成されている。仕切板41は、マニホールド34,35内のガス室38をセルスタック2とは反対側に位置する上流側通路44と、セルスタック2に近接して位置する下流側通路45とに分けている。
また、この実施の形態による前記ガス室38は、前記セルスタック2と隣接する位置に設けられた筒体40と、この筒体40の内部を前記上流側通路44と前記下流側通路45とに分ける仕切板41とによって形成されている。この実施の形態による前記分配用通路は、前記セパレータ7に燃料電池セル6毎に形成されたガス通路31,32と、このガス通路31,32に前記筒体40内の下流側通路45を接続するパイプ33とによって形成されている。
図4に示すマニホールド34,35の隔壁は、パイプ51によって構成されている。このパイプ51は、筒体40からなるマニホールド34,35の中心部分に位置付けられている。
本発明は、いわゆる内部マニホールド式の固体酸化物形燃料電池にも適用することができる。この実施の形態を図5および図6によって詳細に説明する。図5および図6において、前記図1〜図4によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
特に、この実施の形態によれば、前記伝熱部を内部マニホールド34,35によって簡単に実現できるから、製造コストをより一層低く抑えることが可能である。
Claims (4)
- 固体酸化物形燃料電池セルとセパレータとからなる単セルユニットを複数個積層して形成されたセルスタックと、
前記各燃料電池セルに燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するガス供給部と、
前記セルスタックおよびガス供給部を収容しかつ所定の温度に保つ断熱容器とを備え、
前記ガス供給部は、前記断熱容器の外から前記ガスが供給される主ガス通路と、
この主ガス通路から各燃料電池セルにガスをそれぞれ導く分配用通路とから構成され、
前記主ガス通路における前記分配用通路との接続部分、あるいはその上流側には、前記断熱容器の内部の熱を主ガス通路内の前記ガスに伝える伝熱部が設けられていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池において、前記主ガス通路における前記分配用通路が接続される部分は、筒状の壁で囲まれたガス室によって形成され、
前記ガス室は、その長手方向の一端部から他端部にガスを導く上流側通路と、この上流側通路の下流端に接続されて前記他端部から前記一端部にガスを導く下流側通路とによって構成され、
前記分配用通路は、前記下流側通路に接続され、
前記伝熱部は、前記上流側通路を形成するガス室の壁部分によって構成されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項2記載の固体酸化物形燃料電池において、前記ガス室は、前記セルスタックと隣接する位置に設けられた筒体と、この筒体の内部を前記上流側通路と下流側通路とに分ける隔壁とによって形成され、
前記分配用通路は、前記セパレータに燃料電池セル毎に形成されたガス通路と、このガス通路に前記筒体内の下流側通路を接続するパイプとによって形成されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 請求項2記載の固体酸化物形燃料電池において、前記ガス室は、積層された前記セパレータに積層方向へ延びるように穿設された穴と、この穴の内部を前記上流側通路と下流側通路とに分ける隔壁とによって形成され、
前記分配用通路は、前記セパレータに前記穴から燃料電池セルまで延びるように形成されたガス通路によって形成されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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