以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態の座標検出システム100に含まれる情報処理装置110、座標検出装置120、表示装置130および接触検知装置140の機能構成を示す図である。
情報処理装置110は、座標検出装置120を制御する情報処理装置である。本実施形態では、情報処理装置としてデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の情報処置装置を採用することができる。情報処理装置110は、図7に示すようにCPUやMPU等のプロセッサ150を搭載し、WINDOWS(登録商標)シリーズ、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、TRON、ITRON、μITRON、Android(登録商標)などのOS(Operating System)の管理下で、アセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどのプログラム言語で記述された本発明のプログラムを実行する。
また、情報処理装置110は、図7に示すように、BIOS等のブートプログラムなどが保存される不揮発性メモリであるROM151、本発明のプログラムを実行するための実行空間を提供するRAM152、本発明のプログラムやデータなどを持続的に保持するためのハードディスク装置(HDD)153などを含んでおり、本発明のプログラムを実行することにより、後述する各機能手段を情報処理装置上に実現する。本発明のプログラムは、HDD、CD−ROM、MO、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他の装置が可読な形式でネットワークを介して伝送することができる。
図1に示す実施形態では、情報処理装置110は、アプリケーション112と、OS114と、制御ドライバ116と、表示制御ドライバ117と、インタフェース部118と、グラフィックス・ボード119とを含んで構成される。
アプリケーション112は、座標検出装置120に表示すべき画像を提供するアプリケーション・プログラムである。アプリケーション112は、当該アプリケーションが生成した画像を、OS114を介してまたは直接、表示制御ドライバ117に提供し、表示装置130に表示させる。
また、アプリケーション112は、表示装置130に取り付けられた座標検出装置120に対する指示体の接触や移動、離れを示すイベントや指示体の位置座標等を制御ドライバ116から受領し、これらに対応する処理を実行する。例えば、アプリケーション112は、指示体の接触や移動を示すイベントを受信した場合、指示体の位置座標に対応する表示装置130の表示画面上の位置座標が示す画像の表示色を変更して、文字や記号等を描画した画像を生成し、表示制御ドライバ117を介して表示装置130に表示させることができる。
本実施形態では、例えば、Microsoft Word(登録商標)等の文書編集ソフト、Microsoft Excel(登録商標)等の表計算ソフト、Microsoft Power Point(登録商標)等のプレゼンテーション用ソフト、表示装置130に描画画像を描画する描画ソフトなどの様々なアプリケーション・プログラムを使用することができる。
OS114は、情報処理装置110のオペレーションシステムである。OS114は、アプリケーション112から画像の表示命令を受信すると、当該表示命令と共に受信した画像を表示制御ドライバ117に渡し、当該画像を表示装置130に表示させる。
また、OS114は、制御ドライバ116から受領した指示体の接触や移動、離れを示すイベントに応じて、表示装置130の表示画面上で指示体の位置座標にカーソルを表示することができる。OS114は、同一または近傍の位置座標上で指示体の接触および離れを示すイベントを受領すると、その位置座標に表示されているメニューバーやラジオボタン等のオブジェクトが選択されたと判断し、当該オブジェクトが選択されたことをアプリケーション112に通知する。当該通知を受領したアプリケーション112は、当該オブジェクトの選択に対応する種々の処理を実行する。
制御ドライバ116は、座標検出装置120を制御する機能手段である。座標検出装置120から受信する後述の光遮断信号や指示体の位置座標、接触検知信号を情報処理装置110のバッファメモリ等の記憶装置にバッファリングする。制御ドライバ116は、これらの光遮断信号や指示体の位置座標、接触検知信号を使用して、図3を参照して説明する処理を実行し、OS114に対して種々のイベントを発行すると共に、表示装置130の表示画面上における指示体の位置座標を提供する。制御ドライバ116は、上記バッファリングと図3に示す処理とを独立して実行する。
表示制御ドライバ117は、表示装置130の表示部132に表示される画像を制御するグラフィックス・ボード119を制御する機能手段である。表示制御ドライバ117は、アプリケーション112が表示要求する画像をアプリケーション112またはOS114から受領し、当該画像をグラフィックス・ボード119のビデオメモリ(図示せず)に書き込み、グラフィックス・ボード119に表示装置130の表示部132に表示させる。
インタフェース部118は、情報処理装置110と座標検出装置120との間でデータの受け渡しを行う機能手段である。本実施形態では、インタフェース部118として、USB(Universal Serial Bus)コネクタを採用することができ、制御ドライバ116は、USBケーブルを介して座標検出装置120から各種イベントや指示体の位置座標を取得することができる。
他の実施形態では、情報処理装置110は、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の各種無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、情報処理装置110と座標検出装置120との間で画像や各種イベント、指示体の位置座標等のデータの受け渡しを行ってもよい。
グラフィックス・ボード119は、表示装置130の表示部132に表示される画像を制御する機能手段である。グラフィックス・ボード119は、VGA(Video Graphics Array)ケーブル等の映像送信ケーブルで表示装置130に接続され、表示制御ドライバ117がビデオメモリに書き込んだ画像を表示装置130に映像信号として送信して表示させる。
座標検出装置120は、表示装置130上に設置され、接触検知装置140やスタイラス、指等の指示体が接近または接触したことを検知し、その位置座標を検出する装置である。座標検出装置120は、接触位置検出部122と、接触検知信号受信部124と、検出情報提供部126とを含んで構成される。
接触位置検出部122は、表示装置130の表示部132における接触検知装置140等の指示体の位置座標を検出する。本実施形態では、特許文献1が示す座標検出装置の実施形態のように、表示部132の隣り合う左右の2角にライトスキャナ(図示せず)を備えている。このライトスキャナは、回動しながら発光することにより、表示部132の表示面に対してほぼ平行な光線を放出する。また、ライトスキャナは、表示部132に設けられた反射部材によって再帰的に反射された光線を受光する。接触位置検出部122は、ライトスキャナから受信した受光結果である波形データに基づいて、表示部132上の光線が遮られたときの遮光点の位置座標を算出する。
具体的には、接触位置検出部122は、ライトスキャナから受信した光強度分布を示す波形データのピーク点を検出する。そして、接触位置検出部122は、ピーク点を出現させた指示体の位置座標を、以下の式を用いて算出する。
上記式において、Wは2つのライトスキャナ間の距離であり、θRは指示体と右側のライトスキャナとの成す角であり、θLは指示体と左側のライトスキャナとの成す角である。なお、位置座標の算出方法の詳細については、特許文献1を参照されたい。
他の実施形態では、特許文献1が示す座標検出装置の他の実施形態のように、座標検出装置120の周囲に複数対の発光素子および受光素子を設け、指示体が接触した場合に、受光素子の受光結果に基づいて、指示体の位置座標を算出するようにしてもよい。この場合、受光結果である受光素子上の光の遮断によって特定される指示体の位置座標は、個々の受光素子に対応する。
また、接触位置検出部122は、ライトスキャナが受光する光強度の変化により、座標検出装置120に指示体が接近することによって光が遮断されたことを検出する。接触位置検出部122は、光が遮断されたか否かを示す光遮断信号を生成する。光遮断信号は、上述した方法により算出した指示体の位置座標と共に、検出情報提供部126によって情報処理装置110に送信される。
接触検知信号受信部124は、接触検知装置140が座標検出装置120に接触したことを示す接触検知信号を受信する機能手段である。接触検知信号受信部124は、接触検知装置140から接触検知信号を受信すると、その旨を検出情報提供部126に通知する。本実施形態では、接触検知信号受信部124は、接触検知信号の通信が可能な信号線を介して接触検知装置140から接触検知信号を受信するが、他の実施形態では、赤外線通信やBluetooth(登録商標)等の無線通信により、接触検知信号を受信してもよい。
検出情報提供部126は、検出情報を情報処理装置110に提供する手段である。検出情報提供部126は、検出情報として光遮断信号や指示体の位置座標、接触検知信号を送信する。本実施形態では、検出情報提供部126は、光遮断信号および指示体の位置座標を同時に送信する。また、検出情報提供部126は検出情報を定期的に送信するが、他の実施形態では、光遮断信号を受信して指示体の位置座標を算出した場合や、接触検知装置140から接触検知信号を受信した場合に、これらの検出情報を送信してもよい。さらに、他の実施形態では、接触検知装置140が、接触検知信号を情報処理装置110に直接送信するようにしてもよい。
表示装置130は、情報処理装置110が提供する画像を表示する装置であり、当該画像の表示手段である表示部132を含んでいる。本実施形態では、表示装置として、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ等のディスプレイを採用することができる。表示部132に表示される表示画面等の画像には、情報処理装置110のアプリケーション112が提供するGUI(Graphical User Interface)や、座標検出装置120の検出した接触位置を用いてアプリケーション112が生成した文字や線、記号、模様等の描画画像が含まれる。
本実施形態では、表示装置130は、情報処理装置110とは独立した装置として構成しているが、他の実施形態では、表示装置130と情報処理装置110とが一体構成されたノート型パソコン等の情報処理装置を採用してもよい。
接触検知装置140は、座標検出装置120に接触したことを検知する装置である。接触検知装置140は、接触検知装置140が物体に接触したことを検知する手段である接触検知部142を含んで構成される。接触検知部142は、接触検知装置140が物体に接触したことを検知すると、接触が有ったこと示す接触検知信号を座標検出装置120に送信する。
図2は、本実施形態の接触検知装置のハードウェア構成を示す図である。以下、接触検知装置140のハードウェア構成について説明する。
接触検知装置140は、接触検知部142である先端部200、接触検知センサ202および接触判断部204と、信号線206とを含んで構成される。
先端部200は、表示装置130に取り付けられた座標検出装置120に接触すべき可動式の部材である。先端部200は一方の端部が物体に接触すると、接触検知装置140の長手方向に移動し、他方の端部が接触検知センサ202に接触する。先端部200と接触検知センサ202との間には、バネ等の弾性部材(図示せず)が設けられており、先端部200は物体から離されると、その弾性力によって元の位置に戻る。
接触検知センサ202は、先端部200が接触したことを検知するセンサである。本実施形態では、接触検知センサ202として、ニッタ株式会社のFlexiForce(商標)やイナバゴム株式会社のイナストマー(登録商標)等の圧力センサを採用することができ、先端部200が接触検知センサ202に接触すると、当該接触検知センサ202内の電流の抵抗値が変化する。
接触判断部204は、接触検知センサ202を監視し、接触検知装置140が接触したか否かを判断する手段である。本実施形態では、接触判断部204として半導体回路を採用することができ、電圧変換回路と、A/D変換回路と、記憶回路と、判定回路と、出力回路とを含んで構成される。
接触判断部204は、接触検知センサ202の抵抗値の変化を検知すると、電圧変換回路が接触検知センサ202の抵抗値の変化を電圧に変換し、A/D変換回路が、電圧変換回路の変換した電圧をデジタル値である圧力信号に変換する。
判定回路は、記憶回路に記憶された所定の閾値と圧力信号とを比較し、先端部200が物体に接触したか否か判定し、その判定結果を出力する。本実施形態では、実際に先端部200が物体に接触したことによって生ずる抵抗値の変化を電圧に変換し、デジタル変換した値を所定の閾値とすることができ、抵抗値の変化が所定の閾値以上である場合には、先端部200が物体に接触したと判定する。一方、抵抗値の変化が所定の閾値よりも小さい場合には、先端部200が物体に接触していないと判定する。
出力回路は、判定回路が算出した判定結果を接触検知信号として、信号線206を介して座標検出装置120に出力する。接触検知信号には、接触検知装置140が物体に接触したこと(true)を示す値と、接触していないこと(false)を示す値とが含まれる。本実施形態では、出力回路は、定期的に接触検知信号を送出するが、他の実施形態では、判定回路が、先端部200が物体に接触したと判定した場合にのみ、その旨を示す接触検知信号を出力してもよい。
また、本実施形態では、接触検知信号を、信号線206を介して座標検出装置120に送信するが、他の実施形態では、赤外線やBluetooth(登録商標)等の無線通信により、接触検知信号を送信してもよい。さらに、他の実施形態では、接触検知信号を無線通信や専用線等により、直接、情報処理装置110に送信するように構成してもよい。
図3は、本実施形態の情報処理装置が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図3を参照して、情報処理装置110の制御ドライバ116が実行する処理について説明する。
図3に示す処理は、ステップS300から開始し、ステップS301では、制御ドライバ116が情報処理装置110のRAMやレジスタ等の記憶装置に一時的に保持される指示体の種別を判別するための変数(以下、「指示体判別変数」とする。)を初期化する。ステップS302では、制御ドライバ116は、時間計測が可能なタイマをリセットして初期化する。本実施形態では、プログラムによって実現可能なソフトウェアタイマやタイマ回路で構成されるハードウェアタイマを時間計測手段として用いることができる。
ステップS303では、制御ドライバ116は、バッファリングされた光遮断信号のうち当該ステップを実行する時点で最新の光遮断信号が、光が遮断されたこと(true)を示す値であるか否か判断する。光が遮断されていないと判断した場合には(no)、ステップS303の処理を反復させる。一方、光が遮断されたと判断した場合には(yes)、処理をステップS304に分岐させる。
ステップS304では、制御ドライバ116はタイマを始動して時間計測をさせる。ステップS305では、制御ドライバ116は、タイマから計測時間を取得し、所定の時間(Δt)が経過しているか判断する。本実施形態では、指示体が座標検出装置120に接近することによって光が遮断された時点から、ユーザが実際に指示体を表示部132に接触させる迄の平均時間を、当該所定の時間とすることができる。なお、当該所定の時間は、制御ドライバ116が参照可能な設定ファイル等に記述し、情報処理装置110にインストールすることができ、またはプログラムとしての制御ドライバ116に組み込むことができる。
ステップS305の判定で、所定の時間が経過していないと判断した場合には(no)、処理をステップS306に分岐させる。ステップS306では、制御ドライバ116は、座標検出装置120から受信した接触検知装置140の接触検知信号が、接触検知装置140が物体に接触したこと(true)を示す値であるか否か判断する。接触検知信号が物体に接触していないこと(false)を示す値である場合には(no)、処理をステップS305に分岐させる。一方、接触検知信号が物体に接触したことを(true)を示す値である場合には(yes)、処理をステップS307に分岐させる。ステップS307では、制御ドライバ116は、指示体が接触検知装置140であることを示す値を指示体判別変数に設定する。
一方、ステップS305の判定で、所定の時間が経過したと判断した場合には(yes)、処理をステップS308に分岐させる。ステップS308では、制御ドライバ116は、バッファリングされた光遮断信号のうち当該ステップを実行する時点で最新の光遮断信号が、光が遮断されたこと(true)を示す値であるか否か判断する。光が遮断されていないと判断した場合には(no)、処理をステップS301に戻す。一方、光が遮断されたと判断した場合には(yes)、処理をステップS309に分岐させる。ステップS309では、制御ドライバ116は、指示体が接触検知装置140ではないことを示す値を指示体判別変数に設定する。
ステップS310では、制御ドライバ116は、バッファリングされた光遮断信号のうち当該ステップを実行する時点で最新の指示体の位置座標をバッファメモリから取得する。ステップS311では、制御ドライバ116は、指示体が座標検出装置120に接触したことを示すイベントを発行する。本実施形態では、当該イベントには、ステップS310で取得した指示体の位置座標が含まれる。
ステップS312では、制御ドライバ116は、指示体判別変数を参照して指示体の種別を判別し、指示体が接触検知装置以外である場合には、処理をステップS313に分岐させる。一方、指示体が接触検知装置である場合には、処理をステップS314に分岐させる。
ステップS313では、制御ドライバ116は、バッファリングされた光遮断信号のうち当該ステップを実行する時点で最新の光遮断信号が、光が遮断されたこと(true)を示す値であるか否か判断する。光が遮断されたと判断した場合には(yes)、処理をステップS315に分岐させる。一方、光が遮断されていないと判断した場合、すなわち、指示体が座標検出装置120から離れた場合には(no)、処理をステップS318に分岐させる。
ステップS314では、制御ドライバ116は、バッファリングされた接触検知信号のうち当該ステップを実行する時点で最新の接触検知信号が、接触検知装置140が物体に接触したこと(true)を示す値であるか否か判断する。接触検知装置140が物体に接触したと判断した場合には(yes)、処理をステップS315に分岐させる。一方、接触検知装置140が物体に接触していないと判断した場合、すなわち、指示体が座標検出装置120から離れた場合には(no)、処理をステップS318に分岐させる。
ステップS315では、制御ドライバ116は、バッファリングされた光遮断信号のうち当該ステップを実行する時点で最新の指示体の位置座標をバッファメモリから取得する。ステップS316では、制御ドライバ116は、ステップS310で取得した位置座標と、ステップS315で取得した位置座標とが相違するか否か判断する。本実施形態では、ステップS310で取得した位置座標をRAMやレジスタ等の記憶装置に一時的に保存しておき、当該位置座標とS315で取得した位置座標とを比較することができる。
ステップS316の判定でこれらの位置座標が相違すると判断した場合、すなわち、先行の接触による指示体の位置座標と後続の接触による指示体の位置座標とが相違する場合には(yes)、処理をステップS317に分岐させ、ステップS317で指示体が移動したことを示すイベントを発行し、処理をステップS312に戻す。本実施形態では、当該イベントには、ステップS315で取得した指示体の位置座標が含まれる。
一方、ステップS316の判定でこれらの位置座標が一致すると判断した場合、すなわち、先行の接触による指示体の位置座標と後続の接触による指示体の位置座標とが一致する場合には(no)、処理をステップS312に戻し、ステップS307またはS309で指定された指示体判別変数が接触検知装置以外であるならばステップS313に処理を分岐し、当該指示体判別変数が接触検知装置であるならばステップS314に処理を分岐する。
ステップS318では、制御ドライバ116は、指示体が座標検出装置120から離れたことを示すイベントを発行する。ステップS319では、制御ドライバ116は、指示体判別変数を初期化すると共に、上記記憶装置に保存された位置座標をクリアし、処理をステップS302に戻して上述した処理を反復させる。
上述した実施形態では、ステップS311で発行するイベントは「指示体が座標検出装置に接触したことを示すイベント」というイベントであるが、他の実施形態では、ステップS311の直前で指示体判別変数を参照することによって「接触検知装置接触イベント」または「接触検知装置以外の物体接触イベント」を発行してもよい。
さらに、ステップS318で発行する「指示体が座標検出装置から離れたことを示すイベント」を、ステップS312の判断にしたがって「接触検知装置が座標検出装置から離れたことを示すイベント」または「接触検知装置以外の物体が座標検出装置から離れたことを示すイベント」のように異なるイベントとして発行することもできる。具体的には、専用ペンまたは指でタッチしたということを異なるイベントとして発行し、専用ペンで筆記機能を実現し、指で消しゴム機能を実現することができる。
本実施形態では、情報処理装置110が光の遮断を示す光遮断信号を受信してから所定の時間、すなわち、光が遮断された時点からユーザが実際に指示体を座標検出装置120に接触させる迄の平均時間が経過する迄に、指示体である接触検知装置140が座標検出装置120に接触したことを示す接触検知信号を受信するか否か判断する。このため、本実施形態の情報処理装置は、ユーザが座標検出装置120に文字などを描画するときに、描画に使用する指示体が接触検知装置140であるか、またはそれ以外の指示体であるかを正確に判断することができる。これにより、座標検出装置120に対する接触または非接触をより正確に検出できる接触検知装置140を指示体として使用しているにも関わらず、それ以外の指示体であるとする誤判断を防止し、座標検出装置120への接触および非接触を正確に検知することができ、描画される文字等の止めや跳ね等の描画精度を向上させることができる。
図4は、本実施形態の座標検出装置に指示体が接触する際に、当該座標検出装置が情報処理装置に出力する光遮断信号および接触検知信号の出力タイミングを示す図である。以下、図4を参照して、座標検出装置120に接触検知装置140および接触検知装置以外の指示体が接触したときの光遮断信号および接触検知信号の出力タイミングについて説明する。
タイミング図410は、座標検出装置120が、当該座標検出装置に接触検知装置140が接触したときの光遮断信号および接触検知信号の出力タイミングおよび出力信号の状態を示している。
タイミング図410に示す実施形態では、初めに、接触検知装置140が座標検出装置120に接近する前は、光が遮断されていないことを示す「false」の値の光遮断信号と、接触検知装置が物体に接触していないことを示す「false」の値の接触検知信号とが出力される。
次に、接触検知装置140が座標検出装置120に接近することにより、図4の412に示す時点で、光が遮断されたことを示す「true」の値の光遮断信号が出力される。次いで、接触検知装置140が座標検出装置120に接触すると、414に示す時点で、接触検知装置が物体に接触したことを示す「true」の値の接触検知信号が出力される。
そして、接触検知装置140が座標検出装置120から離れると、416に示す時点で、接触検知装置が物体に接触していないことを示す「false」の値の接触検知信号が出力される。その後、接触検知装置140が座標検出装置120から更に離れることにより、418に示す時点で、光が遮断されていないことを示す「false」の値の光遮断信号が出力される。
タイミング図420は、座標検出装置120が、当該座標検出装置に接触検知装置140以外の指示体、例えば、指などが接触したときの光遮断信号および接触検知信号の出力タイミングおよび出力信号の状態を示している。
タイミング図420に示す実施形態では、タイミング図410に示す実施形態と同様に、初めに、接触検知装置140が座標検出装置120に接近する前では、光が遮断されていないことを示す「false」の値の光遮断信号と、接触検知装置が物体に接触していないことを示す「false」の値の接触検知信号とが出力される。
次に、指が座標検出装置120に接近することにより、図4の422に示す時点で、光が遮断されたことを示す「true」の値の光遮断信号が出力される。次いで、424に示す時点で指が座標検出装置120に接触し、426に示す時点で指が座標検出装置120から離れる。このとき、接触検知装置140が物体に接触していないことを示す「false」の値の接触検知信号が出力される。その後、指が座標検出装置120から更に離れることにより、428に示す時点で、光が遮断されていないことを示す「false」の値の光遮断信号が出力される。
図5は、本実施形態の情報処理装置がイベントを発行するタイミングを示す図である。以下、図5を参照して、情報処理装置110が座標検出装置120から光の遮断を示す光遮断信号を受信してから所定の時間内に、接触検知装置140の接触を示す接触検知信号を受信しない場合におけるイベントの発行タイミングについて説明する。
タイミング図510は、情報処理装置110が、光の遮断を示す光遮断信号を受信した場合に、所定の時間(Δt)が経過した後に接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信したときのイベントの発行タイミングを示している。
タイミング図510に示す実施形態では、512に示す時点で情報処理装置110が光の遮断を示す光遮断信号を受信し、時間計測を開始する。時間計測を開始してから所定の時間(Δt)が経過する間に、接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信しない場合、情報処理装置110は、所定の時間(Δt)が経過した時点514で、指示体が座標検出装置120に接触したことを示すイベントを発行する。
その後、接触検知装置140が座標検出装置120に接触することにより、情報処理装置110は、516で示す時点で、接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信する。そして、接触検知装置140が座標検出装置120から離れることにより、情報処理装置110は、接触検知装置140が離れたことを示す接触検知信号を受信すると、当該接触検知信号を受信した518で示す時点で、指示体が座標検出装置120から離れたことを示すイベントを発行する。
タイミング図520は、情報処理装置110が、光の遮断を示す光遮断信号を受信した場合に、所定の時間(Δt)が経過しても、接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信しない場合のイベントの発行タイミングを示している。
タイミング図520に示す実施形態では、522に示す時点で情報処理装置110が光の遮断を示す光遮断信号を受信し、時間計測を開始する。タイミング図510に示す実施形態と同様に、時間計測を開始してから所定の時間(Δt)が経過する間に、接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信しない場合、情報処理装置110は、所定の時間(Δt)が経過した時点524で、指示体が座標検出装置120に接触したことを示すイベントを発行する。
その後、情報処理装置110は、接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信せずに、光が遮断されていないことを示す光遮断信号を受信すると、当該光遮断信号を受信した526で示す時点で、指示体が座標検出装置120から離れたことを示すイベントを発行する。
図6は、本実施形態の情報処理装置がイベントを発行するタイミングを示す図である。以下、図6を参照して、情報処理装置110が座標検出装置120から光の遮断を示す光遮断信号を受信してから所定の時間内に、接触検知装置140の接触を示す接触検知信号を受信した場合におけるイベントの発行タイミングについて説明する。
タイミング図610は、情報処理装置110が、光の遮断を示す光遮断信号を受信した場合に、所定の時間(Δt)内に接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信したときのイベントの発行タイミングを示している。
タイミング図610に示す実施形態では、612に示す時点で情報処理装置110が光の遮断を示す光遮断信号を受信し、時間計測を開始する。時間計測を開始してから所定の時間(Δt)が経過する前に接触検知装置140が接触したことを示す接触検知信号を受信した場合、情報処理装置110は、当該検知信号を受信した614に示す時点で、指示体が座標検出装置120に接触したことを示すイベントを発行する。
そして、情報処理装置110は、接触検知装置140が座標検出装置120から離れたことを示す接触検知信号を受信すると、当該接触検知信号を受信した616で示す時点で、指示体が座標検出装置120から離れたことを示すイベントを発行する。
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。