JP2012184931A - 鋼板における組織分率の測定方法 - Google Patents

鋼板における組織分率の測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012184931A
JP2012184931A JP2011046246A JP2011046246A JP2012184931A JP 2012184931 A JP2012184931 A JP 2012184931A JP 2011046246 A JP2011046246 A JP 2011046246A JP 2011046246 A JP2011046246 A JP 2011046246A JP 2012184931 A JP2012184931 A JP 2012184931A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coercive force
steel sheet
ferrite fraction
fraction
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011046246A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaname Araki
要 荒木
Yasuhiro Wasa
泰宏 和佐
Hideo Hatake
英雄 畠
Kenji Saito
賢司 斉藤
Hiroyuki Mitani
宏幸 三谷
Takeo Miyamura
剛夫 宮村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2011046246A priority Critical patent/JP2012184931A/ja
Publication of JP2012184931A publication Critical patent/JP2012184931A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

【課題】搬送中の鋼板が振動して測定プローブと鋼板との距離が変動するような環境下でも鋼板の磁気特性を正確に検出し、鋼板の組織分率を測定可能とする。
【解決手段】本発明の鋼板における組織分率の測定方法は、鋼板Wの製造ラインにおいて、鋼板Wに測定プローブ2を用いて励磁磁場Hoを印加することで鋼板Wの組織分率を測定する方法において、鋼板Wに対して、フェライト分率の変化量に対する保磁力Hcの変化量の割合が略一定となる範囲の励磁磁場Hoを印加する磁場印加工程と、磁場印加工程の後に、測定プローブ2により保磁力Hcを検出するとともに、鋼板Wからの測定プローブ2のリフトオフ量を検出する検出工程と、検出工程で検出したリフトオフ量に基づいて、検出工程で検出した保磁力Hcを補正する保磁力補正工程と、保磁力補正工程で補正した補正保磁力Hcrに基づいて、鋼板Wのフェライト分率を算出するフェライト分率算出工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板(特に、二相組織鋼板)の磁気特性をインラインで測定することで、当該鋼板の組織分率を測定する方法に関する。
例えば優れた加工特性が要求される自動車用鋼板等として、様々な特性を付与した鋼板(特に、二相組織鋼板)が製造されている。
これら鋼板は、熱処理を加えて軟質のフェライト相に硬質のマルテンサイト相を分散させた組成となっている。この鋼板の機械的特性は、主に、硬質のマルテンサイト相の体積率によって決まる。フェライト相の硬度とマルテンサイト相の硬度が各々一定であれば、マルテンサイト相の体積率が高いほど、逆にいえばフェライト相の体積率が低いほど、機械的特性である引張強度が高くなる。
したがって、狙った機械的特性を実現するために、フェライト相(又は、マルテンサイト相)の体積率が所定値となるような条件下で鋼板が製造されることとなる。そこで、製造された鋼板に対してフェライト相の体積率を推定する(同定する)ことで、狙った機械的特性を有する製品となっているか否かについて検査が行われる。
このような鋼板の検査に関して、特許文献1、特許文献2の技術を採用可能である。
例えば、特許文献1には、マルテンサイト相を有する二相組織鋼板を所定条件の交流磁場中に入れて該鋼板の透磁率を検出し、該透磁率から該鋼板の引張強度を求める二相組織鋼板の強度測定方法を開示する。
特許文献2は、鋼板に関連した磁性体材料の材料特性を計測する技術であって被測定磁性体材料を、当該被測定磁性体材料の磁化状態が回転磁化領域となるような強度の直流磁場を印加して磁化し、この状態にある被測定磁性体材料の電磁気的特性を、交流磁場を用いて測定することにより、材料特性の計測を行う磁性体材料の材料特性の計測方法を開示する。
これら特許文献1、特許文献2の技術を用いることで、磁気特性からフェライト分率を推定することができ、またフェライト分率から引張強度が推定できることは従来から知られている。
なお、参考までに、探傷の分野では、探傷面と探傷プローブ(測定プローブ)との距離が変動することに対処する技術として、特許文献3に開示される渦電流探傷プローブおよび渦電流探傷システムがある。
特許文献3に開示の渦電流探傷プローブは、光を送受信する非磁性の距離センサを渦電流探傷測定コイルに併設し、前記距離センサが受信する被検体との距離信号によって渦電流探傷信号を補正することを特徴とするものである。
特開昭61−62856号公報 特開2001−272378号公報 特開2006−138784号公報
上記したように、特許文献1、特許文献2の技術を用いることで、磁気特性からフェライト分率を推定することが可能である。しかしながら、この技術を実際の現場に適用しようとした場合、検査時に搬送中の鋼板が振動して、磁気特性を検出する測定プローブと鋼板との距離が変動するため、この振動する鋼板の磁気特性を正確に検出することが困難となる。
言い換えるならば、特許文献1、2の技術は、実験室レベルでのフェライト分率の計測には有意義な技術ではあるものの、工場ライン内で絶えず大きく振動している鋼板に対して磁化コイルのリフトオフ量を考慮した構成とはなっていない。そのため、磁化コイルによって鋼板に印加される磁場強度が安定しない。よって、測定結果に大きなばらつきを生じてしまい、インラインにおける鋼板の磁気特性の正確な検出が困難であるという問題がある。
その場合、特許文献1や特許文献2の技術に特許文献3の技術を組み合わせることも考えられるが、特許文献3に開示の技術では、被検体と渦電流コイルとの距離変化及び渦電流コイルの傾きを光センサによって検知して渦電流探傷信号を補正しているものの、印加磁場の変化と鋼材の磁気特性の変化との間に存在する複雑な関係については考慮されていない。よって、特許文献3の渦電流探傷信号を補正する技術を用いても、鋼板から検出した磁気特性を、リフトオフの変化量、つまり印加磁場の変化量を考慮して補正することはできないと思われる。
以上述べた問題に鑑み、本発明は、搬送中の鋼板が振動して測定プローブと鋼板との距離が変動するような環境下でも鋼板の磁気特性を正確に検出し、鋼板の組織分率及び機械特性を測定する方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、以下の技術的手段を採用した。
本発明に係る鋼板における組織分率の測定方法は、鋼板の製造ラインにおいて、当該鋼板に測定プローブを用いて励磁磁場を印加することで前記鋼板の組織分率を測定する方法であって、前記鋼板に対して、フェライト分率の変化量に対する保磁力の変化量の割合が略一定となる範囲の励磁磁場を印加する磁場印加工程と、磁場印加工程の後に、前記測定プローブにより保磁力を検出するとともに、前記鋼板からの測定プローブのリフトオフ量を検出する検出工程と、検出工程で検出したリフトオフ量に基づいて、当該検出工程で検出した保磁力を補正する保磁力補正工程と、保磁力補正工程で補正した保磁力に基づいて、鋼板のフェライト分率を算出するフェライト分率算出工程と、を備えることを特徴とする。
好ましくは、上記の鋼板における組織分率の測定方法は、所定の励磁磁場を印加した際の保磁力とフェライト分率の関係を表す「フェライト分率基準線」を求めると共に、前記測定プローブのリフトオフ量と、当該リフトオフ量の変化に伴う保磁力の変化量である保磁力オフセットとの関係を表す「オフセット関係線」を求める準備工程を有していて、保磁力補正工程は、準備工程により得られた「オフセット関係線」に基づいて、検出工程で検出されたリフトオフ量から保磁力オフセットを求め、求めた保磁力オフセットを用いて検出された保磁力を補正し、フェライト分率算出工程は、保磁力補正工程で補正された補正保磁力を、準備工程により得られた「フェライト分率基準線」に適用して、鋼板のフェライト分率を算出するとよい。
本発明に係るもう一つの鋼板における組織分率の測定方法は、鋼板の製造ラインにおいて、当該鋼板に測定プローブを用いて励磁磁場を印加することで前記鋼板の組織分率を測定する方法であって、所定の励磁磁場を印加した際の保磁力とフェライト分率の関係を表す「フェライト分率基準線」を求めると共に、前記測定プローブのリフトオフ量と、当該リフトオフ量の変化に伴う保磁力の変化量である保磁力オフセットとの関係を表す「オフセット関係線」を求める準備工程と、前記鋼板に対して、フェライト分率の変化量に対する保磁力の変化量の割合が略一定となる範囲の励磁磁場を印加する磁場印加工程と、磁場印加工程の後に、前記測定プローブにより保磁力を検出するとともに、前記鋼板からの測定プローブのリフトオフ量を検出する検出工程と、前記「オフセット関係線」に基づいて検出工程で検出したリフトオフ量から保磁力オフセットを求め、求めた保磁力オフセットの量だけ「フェライト分率基準線」を補正移動することで「フェライト分率実測線」を求める基準線補正工程と、基準線補正工程で求めたフェライト分率実測線を基に、検出工程で検出した保磁力から当該鋼板のフェライト分率を算出するフェライト分率算出工程と、を備えることを特徴とする。
好ましくは、上記の鋼板における組織分率の測定方法は、前記フェライト分率と引張強度との関係を表す「機械強度関係線」を予め求めておき、求めた「機械強度関係線」に基づいて、フェライト分率算出工程で算出されたフェライト分率から鋼板の引張強度を算出する強度算出工程、を備えているとよい。
ここで、前記距離測定手段は、レーザ距離計又は赤外線変位計であるとよい。
本発明によれば、搬送中の鋼板が振動して測定プローブと鋼板との距離が変動するような環境下でも鋼板の磁気特性を正確に検出し、鋼板の組織分率及び機械特性を測定することができる。
本発明の第1実施形態による測定装置の構成を示す図である。 フェライト分率αに対する保磁力Hcの変化率と励磁磁場Hoとの関係を表すグラフである。 3000A・m-1以上の励磁磁場Hoを印加した場合における、フェライト分率αと保磁力Hcとの関係を表すグラフである。 本発明の第1実施形態による組織分率及び機械特性の測定方法の準備工程を示すフロー図である。 本発明の第1実施形態による準備工程において求めた「フェライト分率基準線」及び「フェライト分率実測線」を表すグラフである。 本発明の第1実施形態による準備工程において求めた保磁力オフセットとリフトオフ量との関係を表すグラフである。 本発明の第1実施形態による組織分率及び機械特性の測定方法の測定工程Aを示すフロー図である。 本発明の第1実施形態による測定工程Aで用いられるフェライト分率αと引張強度との関係を表すグラフである。 本発明の第2実施形態による組織分率及び機械特性の測定方法の測定工程Bを示すフロー図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態による組織分率の測定装置1(以下、単に測定装置1という)の構成を説明する。図1において、測定装置1は、鋼板W(例えば二相組織を有する薄鋼板)の上方に配置されている。
測定装置1は、鋼板Wの製造ラインにおいて、鋼板Wに測定プローブ2を用いて励磁磁場H0を印加し、鋼板Wの保磁力Hcを測定すると共に、測定した保磁力Hcを測定プローブ2のリフトオフ量に基づいて補正することで鋼板Wの組織分率(本実施形態では、フェライト分率α)を測定するものである。測定装置1は、さらに、測定した組織分率を基に、鋼板Wの機械的強度(例えば、引張強度σys)を得ることができる。
図1に示すように、測定装置1は、測定プローブ2、測定プローブ2に接続された励磁装置3、励磁装置3に接続された記憶装置4、電流測定装置5、及び信号処理装置6を含んで構成されている。
図1を参照しながら、鋼板Wの上方に所定の間隔をあけて設けられた測定プローブ2について説明する。
測定プローブ2は、磁性体材料で構成された励磁ヨーク7、励磁ヨーク7に巻回された励磁コイル8、励磁ヨーク7に巻回された磁場検出コイル9、及び鋼板Wからの励磁ヨーク7のリフトオフ量を計測する1又は複数の距離計測装置10を含んで構成されている。
励磁ヨーク7は、例えば「U字型」や「門型」に形成された部材である。図1に示すように、励磁ヨーク7は「門型」に形成されており、鋼板Wに略垂直となる2つの脚部と鋼板Wに略平行で当該2つの脚部をつなぐ水平部とで構成されている。このように構成された励磁ヨーク7は、両脚部の先端面を鋼板Wに向けるように測定プローブ2内に配置されている。
励磁コイル8は、励磁ヨーク7の水平部に巻回された導体で構成されている。励磁コイル8に交流の励磁電流が印加されると、励磁コイル8が発生する磁場によって励磁ヨーク7と鋼板Wとの間で磁気回路が形成される。これによって、鋼板Wに励磁磁場Hoが印加される。
磁場検出コイル9は、励磁ヨーク7の脚部に巻回された導体で構成されている。磁場検出コイル9は、励磁ヨーク7と鋼板Wとの間で磁気回路が形成されると、当該磁気回路の磁場(磁場強度)を検出して後述する信号処理装置6に出力する。この磁場強度は、鋼板Wの磁気特性(本実施形態では、鋼板Wの保磁力Hcを指す)の変化に影響を受けて変化する。
上記励磁コイル8及び磁場検出コイル9に関して、励磁コイル8に印加された励磁電流は励磁磁場Ho(付加磁場)に相当するものであり、磁場検出コイル9の出力は磁束密度Bに相当するものである。この励磁磁場Hoと磁束密度Bの磁気ヒステリシス曲線を描けば、そのX切片を基に鋼板Wの保磁力Hcが得られることは、周知である。
本実施形態では、励磁コイル8を励磁ヨーク7の水平部に巻回するとともに、磁場検出コイル9を励磁ヨーク7の脚部に巻回している。しかし、これとは逆に、励磁コイル8を励磁ヨーク7の脚部に巻回して、磁場検出コイル9を励磁ヨーク7の水平部に巻回してもよく、本実施形態と同様の動作及び効果を得ることができる。
作動態様に関しては後述するものの、本実施形態の測定プローブ2は距離計測装置10を備えている。
距離計測装置10は、例えば、レーザ距離計や赤外線変位計から構成されており、励磁ヨーク7の脚部に隣接するように配置されて励磁ヨーク7の脚部の端面から鋼板Wの表面までの距離を計測するものである。本実施形態では、この計測された距離を測定プローブ2のリフトオフ量とする。さらに、距離計測装置10は、測定したリフトオフ量を後述する信号処理装置6に出力する。
本実施形態では、2つの距離計測装置10が、励磁ヨーク7の両脚部のそれぞれに1つずつ隣接するように設けられている。距離計測装置10に渦流式などの電磁気的な距離測定手段を用いると、励磁ヨーク7と鋼板Wとの間で形成される磁気回路に影響を及ぼす可能性があるので、レーザ距離計や赤外線変位計などの光学的な距離測定手段が好ましい。
以下に、図1を参照しながら、測定プローブ2に接続される各装置について説明する。
記憶装置4は、後述する励磁装置3が励磁コイル8に印加する励磁電流の電流値や周波数などを、例えば厚み等で区別される鋼板Wの種類ごとに「鋼板Wの情報」として保持するものである。「鋼板Wの情報」として保持される励磁電流の電流値や周波数などは、保磁力Hcを測定するのに適した励磁磁場Hoが印加できる値となっている。
図2を参照しながら、記憶装置4に記録される「鋼板Wの情報」についてさらに説明する。図2は、例えば厚さ2mmの二相組織鋼板(鋼板W)について、フェライト分率αに対する保磁力Hcの変化率(傾き)が、印加される励磁磁場Hoの強度に対してどのように変化するかといった相関関係を表すグラフである。つまり、グラフの縦軸に示される傾きがほぼ一定となるような強度の範囲で励磁磁場Hoを印加すれば保磁力Hcとフェライト分率αの間に線形性が確保されるので、複雑な計算をしなくとも、測定された保磁力Hcからフェライト分率αを得ることが可能となる。
図2によると、周波数50Hz〜200Hzの励磁電流で、約3000A・m-1以上の励磁磁場Hoを印加すれば、フェライト分率αに対する保磁力Hcの変化率(傾き)が略一定となることがわかる。しかし、周波数400Hz及び600Hzでは、3000A・m-1以上でも傾きがほぼ一定であるとは言い難い。これは、励磁電流が高周波になれば、表皮効果によって鋼板Wの深さ方向全体に励磁磁場Hoを印加できなくなるためだと考えられる。よって、印加される励磁電流は特定の周波数に限定されるものではないが、鋼板Wの厚みに対して最適な周波数を選択しなくてはならない。
図3は、3000A・m-1以上の励磁磁場Hoを印加した場合における、フェライト分率αと保磁力Hcとの関係を直線(以下、フェライト分率線という)で表すグラフである。グラフでは、3000A・m-1〜3600A・m-1の4つの強度の励磁磁場Hoを印加した場合についてのフェライト分率線が示されている。いずれのフェライト分率線においてもフェライト分率と保磁力Hcとの間に線形性が確保されていて、それぞれの傾きはほぼ同じとなっている。
言い換えれば、各フェライト分率線は、印加される励磁磁場Hoの強度に応じて縦軸の切片(フェライト分率αが0%時の保磁力Hc)だけが異なる互いに平行な直線であるともいえる。従って、ある励磁磁場強度において基準とするフェライト分率線(フェライト分率基準線)を準備しておけば、そのフェライト分率基準線を縦軸方向に平行移動するだけで、上記各フェライト分率線を得ることができる。
具体的には、フェライト分率αが0%の鋼板Wにおいて、印加される励磁磁場強度の変動量に対応した保磁力Hcの変化量(保磁力オフセットΔHc)がわかっていればよい。この保磁力オフセットΔHc分だけフェライト分率基準線を平行移動することで、実際に鋼板Wに印加された励磁磁場Hoに対応するフェライト分率線が得られる。こうして得られたフェライト分率線に測定された保磁力Hcを適用すれば、鋼板Wのフェライト分率αを得ることができる。
一方、測定プローブ2に接続されている励磁装置3は、交流電源であり、上述の記憶装置4から「鋼板Wの情報」を取得して、取得した「鋼板Wの情報」に示された電流値及び周波数の励磁電流を励磁コイル8に印加するものである。
また、測定プローブ2に接続されている電流測定装置5は、実際に励磁コイル8を流れた励磁電流を測定する電流計であり、測定した励磁電流値を後述する信号処理手段に出力するものである。
信号処理装置6は、距離計測装置10から出力されたリフトオフ量と、電流測定装置5から出力された励磁電流値と、磁場検出コイル9から出力された磁場強度とを受け取り、リフトオフ量の平均値及び保持力Hcを算出するものである。
信号処理装置6は、2つの距離計測装置10から出力されたリフトオフ量の平均を、測定プローブ2のリフトオフ量として算出する。また、信号処理装置6は、電流測定装置5から出力された励磁電流値を励磁磁場Hoとするとともに、磁場検出コイル9から出力された磁場強度を磁束密度Bとして、磁気ヒステリシス曲線を描き、そのX切片から鋼板Wの保磁力Hcを算出する。
信号処理装置6は、後述する工程に従って、得られたリフトオフ量で保持力Hcを補正し、補正後の保持力Hcに基づいて、鋼板Wのフェライト分率α及び引張強度σysを算出する。この信号処理装置6及び前述の記憶装置4は、パソコンなどで構成される。
次に、本実施形態による組織分率の測定装置1の動作、言い換えれば、信号処理装置6内で行われる処理の詳細について説明する。
まず、鋼板Wに対する測定を始める前に、フェライト分率α及び引張強度σysを算出するために必要なデータを記憶装置4乃至は信号処理装置6に記憶させておく準備工程が必要である。
以下に、図4〜図6を参照しながら、準備工程について説明する。
まず、測定対象となる鋼板Wについて、図2に示したグラフを基に、フェライト分率αの値によらず保磁力Hcの変化率が略一定となる励磁磁場Hoの範囲(約3000A・m-1以上)を求める(図4、ステップS1)。
様々なフェライト分率αの鋼板WにステップS1で求めた励磁磁場Hoを印加して、保磁力Hcを実測により得る。この結果から、図5に示すような、フェライト分率αと保磁力Hcの関係を表す「フェライト分率基準線」を得る(図4、ステップS2)。
図5によると、例えば保磁力の測定値が約1570A・m-1であれば、フェライト分率αは約52%となることがわかる。
その後、後述する測定工程Aで得られた鋼板Wの保持力Hcを「フェライト分率基準線」に合わせ込むための量であって、フェライト分率αが0%の鋼板Wにおける保持力Hcを、保磁力オフセットΔHcとして定義する(図4、ステップS3)。
ある一定の励磁電流によって一定の励磁磁場Hoを形成する測定プローブ2を用いて、そのリフトオフ量を様々に変化させる。そうすることで、フェライト分率αが0%の鋼板Wに印加される励磁磁場Hoの強度を変化させながら、各リフトオフ量に対する保持力Hc(保磁力オフセットΔHc)を実測により得る。この結果から、図6に示すような、リフトオフ量と保磁力オフセットΔHcの関係を表す「オフセット関係線」を得る(図4、ステップS4)。
図6によると、例えばリフトオフ量が約32mmであれば、保磁力オフセットΔHcは約1650A・m-1となることがわかる。ここで、図5の「フェライト分率基準線」を参照すると、フェライト分率αが0%の時の保磁力Hcも約1650A・m-1となっている。保磁力オフセットΔHcは、鋼板Wのフェライト分率αが0%の時の保磁力Hcを示しているので、「オフセット関係線」から得られた保磁力オフセットΔHcと、フェライト分率αが0%の時の保磁力Hcとが一致する場合(ここでは、約1650A・m-1)、その保磁力オフセットΔHcに対応するリフトオフ量(ここでは、約32mm)が「フェライト分率基準線」を作成したときのリフトオフ量であることがわかる。
信号処理装置6は、このような準備工程を経て、図5に示す「フェライト分率基準線」と「オフセット関係線」を備えることとなる。このような準備工程を終えた後に、測定装置1による鋼板Wの測定を行う。
図7は、準備工程に続く鋼板Wの測定の手順を測定工程Aとして示している。
測定対象となる鋼板Wの表面に測定プローブ2を配置し、励磁磁場Hoを励磁装置3により印加する(磁場印加工程:図7、ステップS5)。
信号処理装置6は、励磁磁場Hoを印加したときの測定プローブ2のリフトオフ量を2つの距離計測装置10から取得して平均を求め、測定プローブ2のリフトオフ量(例えば、30mm)を得る。また、測定プローブ2の検出結果を基に、信号処理装置6は、電流測定装置5から得た励磁電流値を励磁磁場Hoとして、磁場検出コイル9から得た磁場強度を磁束密度Bから、鋼板Wの保磁力Hc(例えば、1650A・m-1)を得る(検出工程:図7、ステップS6)。
準備工程で得た図6の「オフセット関係線」を用いて、ステップS6で得たリフトオフ量(30mm)に対応する保持力オフセットΔHc(1700A・m-1)を取得する(保磁力補正工程:図7、ステップS7)。
取得した保持力オフセットΔHcは1700A・m-1であり、準備工程で求めた図5に示す「フェライト分率基準線」の縦軸の切片は1650A・m-1であるので、取得した保持力オフセットΔHcが、その差50A・m-1だけ大きな値を示している。
これは、測定プローブ2のリフトオフ量が「フェライト分率基準線」を作成したときのリフトオフ量(32mm)よりも小さくなった分に対応する50A・m-1の保磁力が、ステップS6で得た保磁力Hc(1650A・m-1)に含まれていることを示している。
そこで、ステップS6で取得した鋼板Wの保磁力Hcを、その差50A・m-1だけ減少(補正)して1600A・m-1とし、これを補正保磁力Hcrとする(保磁力補正工程:図7、ステップS8−1)。
補正保磁力Hcrである1600A・m-1を図5に示すフェライト分率基準線」に適用し、鋼板Wのフェライト分率αを、約33%として得る(フェライト分率算出工程:図7、ステップS9−1)。
例えば図8に示すような、フェライト分率αと引張強度σysとの関係を表す周知のグラフ(機械強度関係線)に基づいて、ステップS9−1で得たフェライト分率α約33%から鋼板Wの引張強度σys(約1040MPa)が得られる(強度算出工程:図7、ステップS10−1)。
本実施形態による測定装置1を以上に述べたような準備工程及び測定工程Aで用いることによって、搬送中の鋼板Wが振動して測定プローブ2と鋼板Wとの距離が変動するような環境下でも鋼板Wの保持力Hcを正確に補正して検出し、鋼板Wのフェライト分率α及び引張強度σysを測定することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態による測定装置1と同様の測定装置1を用いて鋼板Wのフェライト分率α及び引張強度σysを算出する。その算出のための工程も、第1実施形態で説明した準備工程及び測定工程Aとほぼ同様である。しかし、本実施形態では、測定工程AにおけるステップS8−1及びステップS9−1が異なるので、異なる部分について以下に説明する。
図9は、図4に示す準備工程に続いて行われる鋼板Wの測定の手順を、測定工程Bとして示している。図9において、図7の測定工程Aと同じ工程には同じステップ番号を付している。つまり、本実施形態においては、図9のステップS8−2及びステップS9−2が第1実施形態と異なる。
図6〜図9を参照しながら、ステップS8−2及びステップS9−2について説明する。
前提として、第1実施形態と同様に、ステップS6では、リフトオフ量を30mmとして得ると共に、鋼板Wの保磁力Hcを1650A・m-1として得ている。また、ステップS7では、準備工程で得た図6の「オフセット関係線」を用いて、ステップS6で得たリフトオフ量(30mm)に対応する保持力オフセットΔHc(1700A・m-1)を得ている。
そこで、準備工程で求めた図5に示す「フェライト分率基準線」の縦軸の切片が保持力オフセットΔHc(1700A・m-1)の値となるように、「フェライト分率基準線」を縦軸方向に+50A・m-1だけ平行移動させて補正し、「フェライト分率実測線」とする(基準線補正工程:図9、ステップS8−2)。
ステップS7で得た保磁力Hc1650A・m-1を「フライト分率実測線」に適用し、鋼板Wのフェライト分率αを、約33%として得る(フェライト分率算出工程:図9、ステップS9−2)。
続くステップS10−1では、第1実施形態と同様に、ステップS9−2で得たフェライト分率α約33%を基にして鋼板Wの引張強度σys(約1040MPa)を得る。
本実施形態による測定工程Bを用いることによって、搬送中の鋼板Wが振動して測定プローブ2と鋼板Wとの距離が変動するような環境下でも、「フェライト分率基準線」を補正して「フェライト分率実測線」を得ることによって、鋼板Wのフェライト分率α及び引張強度σysを測定することができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、動作条件や測定条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 測定装置
2 測定プローブ
3 励磁装置
4 記憶装置
5 電流測定装置
6 信号処理装置
7 励磁ヨーク
8 励磁コイル
9 磁場検出コイル
10 距離計測装置

Claims (5)

  1. 鋼板の製造ラインにおいて、当該鋼板に測定プローブを用いて励磁磁場を印加することで前記鋼板の組織分率を測定する方法であって、
    前記鋼板に対して、フェライト分率の変化量に対する保磁力の変化量の割合が略一定となる範囲の励磁磁場を印加する磁場印加工程と、
    磁場印加工程の後に、前記測定プローブにより保磁力を検出するとともに、前記鋼板からの測定プローブのリフトオフ量を検出する検出工程と、
    検出工程で検出したリフトオフ量に基づいて、当該検出工程で検出した保磁力を補正する保磁力補正工程と、
    保磁力補正工程で補正した保磁力に基づいて、鋼板のフェライト分率を算出するフェライト分率算出工程と、
    を備えることを特徴とする鋼板における組織分率の測定方法。
  2. 所定の励磁磁場を印加した際の保磁力とフェライト分率の関係を表す「フェライト分率基準線」を求めると共に、前記測定プローブのリフトオフ量と、当該リフトオフ量の変化に伴う保磁力の変化量である保磁力オフセットとの関係を表す「オフセット関係線」を求める準備工程を有していて、
    保磁力補正工程は、準備工程により得られた「オフセット関係線」に基づいて、検出工程で検出されたリフトオフ量から保磁力オフセットを求め、求めた保磁力オフセットを用いて検出された保磁力を補正し、
    フェライト分率算出工程は、保磁力補正工程で補正された補正保磁力を、準備工程により得られた「フェライト分率基準線」に適用して、鋼板のフェライト分率を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の鋼板における組織分率の測定方法。
  3. 鋼板の製造ラインにおいて、当該鋼板に測定プローブを用いて励磁磁場を印加することで前記鋼板の組織分率を測定する方法であって、
    所定の励磁磁場を印加した際の保磁力とフェライト分率の関係を表す「フェライト分率基準線」を求めると共に、前記測定プローブのリフトオフ量と、当該リフトオフ量の変化に伴う保磁力の変化量である保磁力オフセットとの関係を表す「オフセット関係線」を求める準備工程と、
    前記鋼板に対して、フェライト分率の変化量に対する保磁力の変化量の割合が略一定となる範囲の励磁磁場を印加する磁場印加工程と、
    磁場印加工程の後に、前記測定プローブにより保磁力を検出するとともに、前記鋼板からの測定プローブのリフトオフ量を検出する検出工程と、
    前記「オフセット関係線」に基づいて検出工程で検出したリフトオフ量から保磁力オフセットを求め、求めた保磁力オフセットの量だけ「フェライト分率基準線」を補正移動することで「フェライト分率実測線」を求める基準線補正工程と、
    基準線補正工程で求めたフェライト分率実測線を基に、検出工程で検出した保磁力から当該鋼板のフェライト分率を算出するフェライト分率算出工程と、
    を備えることを特徴とする鋼板における組織分率の測定方法。
  4. 前記フェライト分率と引張強度との関係を表す「機械強度関係線」を予め求めておき、求めた「機械強度関係線」に基づいて、フェライト分率算出工程で算出されたフェライト分率から鋼板の引張強度を算出する強度算出工程、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板における組織分率の測定方法。
  5. 前記距離測定手段は、レーザ距離計又は赤外線変位計であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋼板における組織分率の測定方法。
JP2011046246A 2011-03-03 2011-03-03 鋼板における組織分率の測定方法 Withdrawn JP2012184931A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011046246A JP2012184931A (ja) 2011-03-03 2011-03-03 鋼板における組織分率の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011046246A JP2012184931A (ja) 2011-03-03 2011-03-03 鋼板における組織分率の測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012184931A true JP2012184931A (ja) 2012-09-27

Family

ID=47015165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011046246A Withdrawn JP2012184931A (ja) 2011-03-03 2011-03-03 鋼板における組織分率の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012184931A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017154225A1 (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 株式会社東芝 磁気探傷装置、磁気探傷装置の傾き補正方法、及び、プログラム
WO2019003727A1 (ja) * 2017-06-28 2019-01-03 Jfeスチール株式会社 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス
JP2023507637A (ja) * 2019-12-20 2023-02-24 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 鋼板表面材質検査装置及び方法
JP7524877B2 (ja) 2021-10-12 2024-07-30 Jfeスチール株式会社 電磁気特性補正方法、機械的特性推定方法、製品の製造方法、品質管理方法、電磁気特性補正装置、機械的特性推定装置および製品の製造設備

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017154225A1 (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 株式会社東芝 磁気探傷装置、磁気探傷装置の傾き補正方法、及び、プログラム
WO2019003727A1 (ja) * 2017-06-28 2019-01-03 Jfeスチール株式会社 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス
JP2019007907A (ja) * 2017-06-28 2019-01-17 Jfeスチール株式会社 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス
CN110799838A (zh) * 2017-06-28 2020-02-14 杰富意钢铁株式会社 退火炉中的钢板的磁性转变率测定方法以及磁性转变率测定装置、连续退火工序、连续热浸镀锌工序
US11125721B2 (en) 2017-06-28 2021-09-21 Jfe Steel Corporation Method for measuring magnetic transformation rate of steel sheet in annealing furnace, apparatus for measuring the same, continuous annealing process, and continuous galvanizing process
JP2023507637A (ja) * 2019-12-20 2023-02-24 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 鋼板表面材質検査装置及び方法
JP7524877B2 (ja) 2021-10-12 2024-07-30 Jfeスチール株式会社 電磁気特性補正方法、機械的特性推定方法、製品の製造方法、品質管理方法、電磁気特性補正装置、機械的特性推定装置および製品の製造設備

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5201495B2 (ja) 磁気探傷方法及び磁気探傷装置
JP4998820B2 (ja) 渦流検査方法及び該渦流検査方法を実施するための渦流検査装置
US20150316508A1 (en) Apparatus and method for detecting inner defects of steel plate
JP6289732B2 (ja) ロープ損傷診断検査装置およびロープ損傷診断検査方法
CN103238064B (zh) 淬火深度测定方法以及淬火深度测定装置
CN107850570B (zh) 缺陷测定方法、缺陷测定装置及检查探头
JP2010164306A (ja) 焼入れ深さ測定方法および焼入れ深さ測定装置
JP4512079B2 (ja) 薄鋼板の磁気特性及び機械的強度測定装置並びに測定方法
JP5149562B2 (ja) 非破壊測定方法及び非破壊測定装置
JP5156432B2 (ja) 渦電流式試料測定方法と渦電流センサ
Cheng Nondestructive testing of back-side local wall-thinning by means of low strength magnetization and highly sensitive magneto-impedance sensors
JP2011047736A (ja) オーステナイト系ステンレス鋼溶接部の検査方法
JP2013072667A (ja) 渦電流探傷用プローブ
JP2012184931A (ja) 鋼板における組織分率の測定方法
JP2009186433A (ja) 渦電流式試料測定方法と、渦電流センサと、渦電流式試料測定システム
JP2007187551A (ja) 磁性体の複素磁気特性測定装置および結晶粒径測定方法
RU2566416C1 (ru) Устройство для вихретоко-магнитной дефектоскопии ферромагнитных объектов
JP4192708B2 (ja) 磁気センサ
JP2000266727A (ja) 浸炭深さ計測方法
EP4080204A1 (en) Device and method for testing surface material of steel plate
JP2021043160A (ja) 硬度変化部検出装置、硬度変化部検出方法及びプログラム
KR101143054B1 (ko) 강판의 강도 측정장치 및 측정방법
JP3948594B2 (ja) 鋼材のSi濃度測定方法
JP2005315732A (ja) 強磁性体の変位測定装置
JP2000304725A (ja) 鋼材の変態層厚さ計測方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140513