JP2012180471A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Yuki Miyamoto
祐樹 宮本
Tomohiro Hirata
知広 平田
Takemi Okubo
健実 大久保
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Abstract

【課題】 耐熱性及び加工性に優れ、かつ、高湿、高電圧条件下での電気的信頼性(耐マイグレーション性)を十分に向上することができ、保存安定性、印刷性に優れる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)150℃における溶融粘度が30〜3000Pa・sであり、1%質量減少温度が350℃以上であるポリイミド樹脂と(B)溶剤を含み、前記(B)成分の溶剤が、沸点180〜220℃であり、エーテル系有機溶媒と芳香環を含む炭化水素有機溶媒の混合、または、エーテル結合と芳香環の双方を含む有機溶媒である樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
近年、エレクトロニクス分野における進歩に伴い電子機器の小型化及び高速化が進められており、このため、ICやLSIなどの半導体素子を直接実装するパッケージにおいてもファインパターンによる高密度化及び高い信頼性が求められている。
従来、ICやLSIなどの半導体素子を実装したパッケージにおいて、ノボラック型エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂組成物が、半導体素子の保護、防湿、絶縁を目的としたアンダーフィル材料又は封止材料として一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、熱硬化性樹脂組成物をアンダーフィル材料又は封止材料として用いた場合、半導体素子と実装基板との熱膨張率の差によってアンダーフィル材料又は封止材料にクラック等が発生することがあり、電気的信頼性が低下し易い傾向がある。
また、内部応力緩和による歩留まり及び耐湿性の向上を目的として、特定の酸無水物を硬化剤としたエポキシ樹脂組成物などが提案されているが(例えば、特許文献2参照)、歩留まりや電気的信頼性は充分とは言えず、更なる性能向上が望まれている。
一方、熱可塑性樹脂は可とう性に優れ、熱硬化による硬化収縮を伴わないので応力を緩和し易いという利点を有している。このような熱可塑性樹脂の中でも特に、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、優れた電気的信頼性を有する(例えば、特許文献3参照)が、耐熱性が十分ではない傾向がある。
特開2000−103940号公報 特開2002−080562号公報 国際公開第07/032406号パンフレット
これに対し、電気的信頼性及び耐熱性に優れる絶縁性材料として、ポリイミド樹脂が知られている。
しかしながら、ポリイミド樹脂は、一般的に融点が高く、ポリアミド酸から加工する際に高い硬化温度を必要とするため基材への負荷がかかり、電気的信頼性が低下してしまうことがある。
そのため、高湿・高電圧等の厳しい使用条件での電気的信頼性の更なる向上が望まれている分野へ、ポリイミド樹脂を電気絶縁材料として使用することは難しい。
また、ポリイミド樹脂は一般的な有機溶媒への溶解性が乏しいため、ポリイミド樹脂溶液は印刷性に劣るという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性及び加工性に優れ、かつ、高湿、高電圧条件下での電気的信頼性(耐マイグレーション性)を十分に向上することができ、保存安定性、印刷性に優れる樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)150℃における溶融粘度が30〜3000Pa・sであり、1%質量減少温度が350℃以上であるポリイミド樹脂と(B)溶剤を含み、前記(B)成分の溶剤が、沸点180〜220℃であり、エーテル系有機溶媒と芳香環を含む炭化水素有機溶媒の混合または、エーテル結合と芳香環の双方を含む有機溶媒である樹脂組成物を提供する。
本発明の樹脂組成物は、上記構成を備えることで、耐熱性及び接合性に優れ、かつ、高湿、高電圧条件下での電気的信頼性(耐マイグレーション性)を十分に向上することができ、保存安定性、印刷性に優れる樹脂組成物を提供できる。
本発明の樹脂組成物において、上記ポリイミド樹脂が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2012180471
ここで、一般式(1)中、Arは4価の有機基を示し、Arは2価の有機基を示し、Ar及び/又はArは主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を含む。
これにより、樹脂組成物は、可とう性が高くなり、加工性により一層優れるものとなる。
また、上記Arが、下記一般式(2)で表される基であることが好ましく、これにより樹脂組成物の可とう性をより一層向上することができる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(2)中、Xは炭素数5〜20のアルキレン基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。mが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、Arが下記一般式(3)で表される2価の基であると好ましく、可とう性に優れるため加工性を向上できるだけでなく、反りを低減することができる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(3)中、Zは単結合又は2価の有機基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示す。
耐熱性の観点から、上記Zが、下記一般式(4)、(5)及び(6)でそれぞれ表される2価の基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であることが好ましく、これにより、耐熱性が向上し、アウトガスをより一層低減できる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(4)、(5)及び(6)中、R、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、q、r及びsは、それぞれ独立に1〜4の整数を示す。qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、rが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、sが2以上の場合、複数存在するR10は同一でも異なっていてもよい。
上記ポリイミド樹脂が、下記一般式(7)で表される繰り返し単位を更に有することが好ましい。
これにより、耐熱性及び電気的信頼性に優れるという本発明の効果をより一層有効かつ確実に発揮することができる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(7)中、Arは下記一般式(2)で表される4価の有機基を示し、Arは、芳香族炭化水素基を含む2価の有機基を示す。
Figure 2012180471
ここで、一般式(2)中、Xは炭素数5〜20のアルキレン基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。mが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
また、上記一般式(7)において、Arが、置換基を有していてもよいアリーレン基、下記一般式(8)で表される基及び下記一般式(9)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であることが好ましい。
これにより、ポリイミド樹脂の150℃における溶融粘度を良好な範囲にすることができ、かつ、耐熱性を向上することができる。
Figure 2012180471
Figure 2012180471

ここで、一般式(8)及び(9)中、D及びEはそれぞれ独立に単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、スルホニル基、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、下記式(i)で表される基又は下記式(ii)で表される基を示し、R11、R12、R13、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、t1、t2、t3、t4、t5及びt6は、それぞれ独立に1〜4の整数を示す。
t1が2以上の場合、複数存在するR11は同一でも異なっていてもよく、t2が2以上の場合、複数存在するR12は同一でも異なっていてもよく、t3が2以上の場合、複数存在するR13は同一でも異なっていてもよく、t4が2以上の場合、複数存在するR14は同一でも異なっていてもよく、t5が2以上の場合、複数存在するR15は同一でも異なっていてもよく、t6が2以上の場合、複数存在するR16は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012180471
また、耐熱性及び電気的信頼性をより一層向上するためには、ポリイミド樹脂のイミド化率が80%以上であることが好ましい。
本発明によれば、耐熱性及び印刷性に優れ、かつ、高湿、高電圧条件下での耐マイグレーション性(電気的信頼性)を十分に向上することができる樹脂組成物を提供することができる。
耐マイグレーション性評価用基板の模式平面図である。
本発明の樹脂組成物は、(A)150℃における溶融粘度が30〜3000Pa・sであり、1%質量減少温度が350℃以上であるポリイミド樹脂と(B)溶剤を含み、前記(B)成分の溶剤が、沸点が180〜220℃のエーテル系有機溶媒と芳香環を含む炭化水素有機溶媒の混合または、エーテル結合と芳香環の双方を含む。
以下、本発明の樹脂組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。
((A)ポリイミド樹脂)
本発明で用いるポリイミド樹脂は、150℃における溶融粘度が30〜3000Pa・sであり、1%質量減少温度が350℃以上であるポリイミド樹脂である。このポリイミド樹脂は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
一般式(1)中、Arは4価の有機基を示し、Arは2価の有機基を示し、Ar及び/又はArは主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を含む。
ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とから公知の方法によって合成される。
テトラカルボン酸二無水物成分及び/又はジアミン成分は、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を含むことが好ましい。炭素数5〜20のアルキレン基を含むことで、樹脂組成物の低温硬化性、可とう性、低吸水性及び低反り性を達成することができる。
また、テトラカルボン酸二無水物成分及び/又はジアミン成分が主鎖に芳香族基を有する場合、耐熱性が向上するため、アウトガスの発生を低減できる。
一方、ポリイミド樹脂は、ポリアルキレンオキシ基等のエーテル結合を含まないことが好ましい。エーテル結合は、高温で結合が壊れやすく、耐熱性が低下し、アウトガスが発生し易くなる。また、ポリイミド樹脂がエーテル結合を有すると、吸水性が増し、絶縁特性に影響を及ぼすこともある。
テトラカルボン酸二無水物成分は、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を有することが好ましく、上記一般式(2)で表される基を有することがより好ましい。
このようなテトラカルボン酸二無水物成分としては、例えば、下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(10)中、Xは炭素数5〜20アルキレン基であり、8〜15のアルキレン基であることが好ましい。
一般式(10)で表される化合物としては、例えば、ペンタメチレンビストリメリテート二無水物、ヘキサメチレンビストリメリテート二無水物、ヘプタメチレンビストリメリテート二無水物、オクタメチレンビストリメリテート二無水物、ノナメチレンビストリメリテート二無水物、デカメチレンビストリメリテート二無水物、ドデカメチレンビストリメリテート二無水物等が挙げられる。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ポリイミド樹脂を合成するにあたり、上記主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を有するテトラカルボン酸二無水物成分以外のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。
このようなテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,3′,4,4′−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物(4,4′−オキシジフタル酸二無水物)、2,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ノナン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]デカン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]トリデカン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]テトラデカン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル〕ペンタデカン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]−2−メチルデカン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]−2−メチルオクタン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]−2−エチルペンタデカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ドデカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]デカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]トリデカン二無水物、2,2−ビス[3,5−ジエチル−4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ペンタデカン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]シクロヘキサン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]プロピルシクロヘキサン二無水物、1,1−ビス[4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル]ヘプチルシクロヘキサン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、4,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物が挙げられる。
これらは1種を単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
ジアミン成分としては、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を有することが好ましく、上記一般式(3)で表される2価の基を有することがより好ましい。
なお、一般式(3)中、Y及びYは、それぞれ独立に炭素数5〜20のアルキレン基であり、6〜10のアルキレン基であることが好ましい。
また、一般式(3)において、Zは、単結合又は2価の有機基を示し、Zが2価の有機基である場合、上記一般式(4)、(5)及び(6)でそれぞれ表される2価の基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であることが好ましい。
主鎖に炭素数5〜20のアルキレン基を有するジアミン成分としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン並びに下記一般式(11)、(12)及び(13)でそれぞれ表される化合物が挙げられる。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
Figure 2012180471
ここで、一般式(11)中、Y及びYは、それぞれ独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、qは1〜4の整数を示す。なお、qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(11)で表される化合物を含有するジアミン成分として、例えば、1,4−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メトキシ−4−アミノペンチル)ベンゼン等が挙げられる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(12)中、Y及びYは、それぞれ独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、rは1〜4の整数を示す。なお、rが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012180471
ここで、一般式(13)中、Y及びYは、それぞれ独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示し、R10は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、sは1〜4の整数を示す。なお、sが2以上の場合、複数存在するR10は同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(12)で表される化合物を含有するジアミン成分として、[3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)]シクロヘキセン(コグニスジャパン社製、商品名「バーサミン551」)または(クローダ社製、商品名「プリアミン1074」)が市販品として入手可能である。
ここで、「バーサミン551」、「プリアミン1074」は、下記式(21)で表される化合物及び/又は下記(21)で表される化合物の不飽和部が水添された化合物を含むジアミン化合物である。
Figure 2012180471
また、ジアミン成分として、耐熱性(1%質量減少温度)を向上させる観点から、芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物を、上記主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を有するジアミン化合物と併用して用いることが好ましい。
芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物として、置換基を有していてもよいアリーレン基、上記一般式(8)で表される基及び一般式(9)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有するジアミン化合物を、主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を有するジアミン化合物と併用して用いることがより好ましい。
上記一般式(8)で表される基を有するジアミン化合物としては、下記一般式(14)で表されるジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(14)中、Dは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、スルホニル基、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、下記式(i)で表される基又は下記式(ii)で表される基を示し、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、t1及びt2はそれぞれ独立に1〜4の整数を示す。
t1が2以上の場合、複数存在するR11は同一でも異なっていてもよく、t2が2以上の場合、複数存在するR12は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2012180471
上記一般式(9)で表される基を有するジアミン化合物としては、下記一般式(15)で表されるジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2012180471
ここで、一般式(15)中、Eは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、スルホニル基、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、上記式(i)で表される基又は上記式(ii)で表される基を示し、R13、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、t3、t4、t5及びt6はそれぞれ独立に1〜4の整数を示す。t3が2以上の場合、複数存在するR13は同一でも異なっていてもよく、t4が2以上の場合、複数存在するR14は同一でも異なっていてもよく、t5が2以上の場合、複数存在するR15は同一でも異なっていてもよく、t6が2以上の場合、複数存在するR16は同一でも異なっていてもよい。
上記芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物としては、例えば、4,4′−ジアミノジベンジルスルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)エチルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、ビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、1,2−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,5−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,3−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、1−メトキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、o−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4−アミノフェニル−3−アミノベンゾエート、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)デカフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタ−1−エン−3−イン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−5,5′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジエトキシ−4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、2,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−トルイジン)スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4′−ジアミノビフェニル、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、3,3′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,4′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(5−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
これらのジアミン成分は、1種を単独で又は2種以上併用して使用してもよい。
また、本発明の樹脂組成物中のポリイミド樹脂において、上記一般式(11)〜(15)で表されるジアミン化合物以外のジアミン化合物を併用することができる。
一般式(11)〜(15)で表されるジアミン化合物以外のジアミン化合物としては、例えば、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,2′−ジアミノジエチルスルフィドが挙げられる。
これらのジアミン成分は、1種を単独で又は2種以上を併用して使用してもよい。
本発明において、溶融粘度、耐熱性(1%質量減少温度)、吸水率及び耐マイグレーション性を良好にできる観点から、一般式(10)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(11)又は(12)で表されるジアミン化合物と、置換基を有していてもよいアリーレン基を有するジアミン化合物、一般式(14)又は(15)で表されるジアミン化合物と、から合成されるポリイミド樹脂が好ましい。
上記芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物を用いる場合の添加量は、ジアミン成分全量に対して、1〜80モル%であることが好ましく、5〜50モル%であることがより好ましく、20〜40モル%であることがさらに好ましい。
芳香族炭化水素基を有するジアミン化合物の添加量が1モル%未満では耐熱性が不足する傾向があり、アウトガスが発生し易くなり、80モル%を超えると、ポリイミド樹脂の流動性が不足し150℃における溶融粘度が高くなる傾向にあり、ボイド発生の要因となり易い。
なお、ジアミン成分として、上述したジアミン化合物以外のジアミン化合物を本発明が奏する効果の範囲を逸脱しない範囲で併用することができる。
ポリイミド樹脂は、上記テトラカルボン酸二無水物成分と上記ジアミン成分とを選択的に組み合わせ、有機溶媒中で反応させることにより合成することができる。
具体的には、ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物成分1モルに対して、ジアミン成分0.92〜0.94を有機溶媒中、30〜80℃で2〜3時間付加重合してポリアミック酸を合成した後、120℃以上、好ましくは150℃以上で1〜5時間脱水縮合して閉環させてイミド化することで得られる。
耐熱性及び保存安定性を良好にする観点から、イミド化率が80%以上となるように閉環させることが好ましく、90%以上となることがより好ましく、95%以上となることがさらに好ましい。イミド化率は、イミド化反応の反応率であり、実施例のように赤外分光法を用いて行うことができる。
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分との組合せは、最終的に形成されるポリイミド樹脂からなる硬化膜の耐熱性、機械的特性、電気的特性等を考慮して、上述した成分の中から選択することができる。
本発明で用いるポリイミド樹脂の150℃における溶融粘度は、30〜3000Pa・sであり、250〜3000Pa・sであることが好ましく、1000〜2500Pa・sであることが特に好ましい。上記溶融粘度が30Pa・s未満では、目的の厚みとする樹脂層の形成が困難となり、3000Pa・sを超えると、樹脂組成物の可とう性が低下し、加工性が低下する傾向がある。
また、本発明で用いるポリイミド樹脂の1%質量減少温度は、350℃以上であり、360℃以上であることが好ましく、370℃以上であることがより好ましい。
上記1%質量減少温度が350℃未満では、耐熱性が低下するため、アウトガスが発生し易くなる。
なお、ポリイミド樹脂の1%質量減少温度の上限は特に制限されないが、通常、400℃程度である。
また、150℃以下におけるポリイミド樹脂の流動性を良好にする観点から、ポリイミド樹脂の数平均分子量は、1000〜30000であることが好ましく、1500〜20000であることがより好ましく、2000〜15000であることが更に好ましく、3000〜10000であることが特に好ましい。
ポリイミド樹脂の数平均分子量が1000未満では、耐熱性、強靭性が不十分となる傾向があり、30000を超えると溶融粘度が高くなり加工性が低下する傾向がある。
ポリイミド樹脂の150℃における溶融粘度を30〜3000Pa・sにし、かつ、1%質量減少温度を350℃以上とするためには、ポリイミド樹脂中のポリイミド構造繰り返し単位当たりの平均分子量を800〜1500とすることが好ましく、850〜1200とすることがより好ましく、900〜1100とすることが特に好ましい。
なお、上記ポリイミド構造繰り返し単位当たりの平均分子量は、ポリイミド樹脂合成時のテトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分の配合割合(モル比)から計算できる。
((B)溶媒)
溶媒としては、沸点が180℃〜220℃であり、エーテル系有機溶媒、(トリグライム(沸点216℃)等)と芳香環を含む炭化水素有機溶媒(テトラリン(沸点207℃)等)の混合または、エーテル結合及び芳香環の双方を含む有機溶媒(ジメトキシベンゼン(沸点217℃)等)が挙げられる。
含窒素系溶剤類(N,N′−ジメチルスルホキシド、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジエチルホルムアミド、N,N′−ジメチルアセトアミド、N,N′−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホスホアミド、N−メチルピロリドン等)は吸水性の観点から印刷ペーストとしては使用が難しく、ケトン類(シクロヘキサノン、イソホロン、イソブチルケトン等)はジアミンとの脱水縮合反応が起こるため、好ましくない。
また、ポリアミック酸を合成した後、脱水縮合反応によるイミド化を促進するために、水と共沸する溶媒(例えば、トルエン)を添加してもよい。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の特性を損なわない範囲で、各種基材との接着性を向上し、耐マイグレーション性をさらに向上させるなどのため、各種添加剤を配合することができる。添加剤として、消泡・レベリング剤、シランカップリング剤、酸化防止材、無機又は有機フィラー、顔料等が挙げられる。
消泡・レベリング剤としては、例えば、「KS−602A」、「KS−603」、「KS−608」、「FA600」(以上、信越化学工業株式会社製の商品名)、「BYK−A506」、「BYK−A525」、「BYK−A530」、「BYK−A500」、「BYK−A500」、「BYK−A501」、「BYK−A515」、「BYK−A555」、「Byketol−OK」(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製の商品名)、「ARUFON UP−1000」(東亜合成株式会社製の商品名)等の市販品を好適に使用することができる。これらの消泡剤又はレベリング剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
消泡剤及びレベリング剤の添加量は、脱泡性や成膜性と、形状保持性とを両立させる観点から、樹脂組成物の固形分全量を基準として0.2%〜5質量%が好ましく、0.5%〜2質量%がより好ましい
樹脂組成物は、上記以外の熱可塑性樹脂を含有することができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、使用条件(使用温度等)に合わせて選択することが好ましい。
樹脂組成物は、必要に応じて溶媒を添加して粘度を調整し、ペースト状で使用することができる。使用できる溶媒としては、ポリイミド樹脂並びに必要に応じて含まれる熱可塑性樹脂及び添加剤と反応性がなく、かつ十分な溶解性を示すものであれば、特に制限されない。
樹脂組成物は、耐マイグレーション性を向上する観点から、イオン性不純物の含有量が少ないことが好ましい。
一般に、エポキシ樹脂と比較して、ポリイミド樹脂はイオン性不純物の含有量が少ないことが知られており、本発明の樹脂組成物はイオン性不純物の含有量が少なく、イオン性不純物に起因するマイグレーションの発生を抑制することができる。イオン性不純物としては、塩素イオン等が挙げられる。樹脂組成物中に含有される塩素イオンの含有量は、5ppm以下であることが好ましく、3ppm未満であることがより好ましく、1ppm未満であることが更に好ましい。
また、樹脂組成物から形成される樹脂膜の弾性率は、10〜30℃の温度で、10〜3500MPaであることが好ましく、10〜3000MPaであることがより好ましく、50〜2800MPaであることがさらに好ましく、50〜1500MPaであることが特に好ましく、100〜1000MPaであることが最も好ましい。
上記樹脂膜の線膨張係数は、300ppm/℃以下であることが好ましく、200ppm/℃以下であることがより好ましく、150ppm/℃以下であることがさらに好ましい。
樹脂膜の弾性率が、3500MPaを超え、かつ、線膨張係数が300ppm/℃を超えると、材料間に応力が発生し、クラック又は剥離の原因となり、耐マイグレーション性を低下させる傾向がある。
上記樹脂組成物の吸水率は、樹脂組成物から形成される膜の厚みを20μmとした場合、絶縁特性(耐マイグレーション性)向上の観点から、水に25℃、24時間浸漬後、2質量%未満であることが好ましく、1.5質量%未満であることがより好ましく、0.5質量%未満であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、例えば、回路接続材料、CSP(チップ・サイズ・パッケージ)用エラストマー、COF(チップ・オン・フィルム)用アンダーフィル材、LOCテープ、ダイボンド接着材等に代表される半導体素子接着剤として使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、特に、高湿、高電圧下等の厳しい条件で使用される絶縁性樹脂として有用である。
また、本発明の樹脂組成物は、低弾性率であるため、ボイドのないCOF用アンダーフィル材として特に好適である。
ここでボイドとは、めっき処理された配線基板上にアンダーフィル材を形成後、半導体素子を、該アンダーフィル材を介してめっき処理された配線基板に接合する工程において、アンダーフィル材中に生じる1μm以上の空隙を意味する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[ポリイミド樹脂の合成]
(実施例1)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(ダイマージアミン、クローダジャパン株式会社製、商品名)42.27g(77mmol)、溶媒として、テトラリン(沸点207℃)120g、トリグライム(沸点216℃)30gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。
(実施例2)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)42.75g(78mmol)、溶媒として、テトラリン120g、トリグライム30gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。
(実施例3)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)43.24g(79mmol)、溶媒として、テトラリン120g、トリグライム30gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。
(実施例4)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)43.72g(80mmol)、溶媒として、テトラリン120g、トリグライム30gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。
(実施例5)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)43.72g(80mmol)、溶媒として、ジメトキシベンゼン(沸点217℃)150gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。
(比較例1)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)45.17g(83mmol)、溶媒として、テトラリン120g、トリグライム30gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。
(比較例2)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)48.54g(89mmol)、溶媒として、シクロヘキサノン(沸点156℃)225gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加した後150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。上記反応液を40℃まで冷却して、消泡剤として「ディスパロン230」(楠本化成株式会製、商品名)を3.75g(1質量%)加えて30分攪拌し、ポリイミド樹脂溶液を作製した。
(比較例3)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)46.13g(mm84ol)、溶媒として、イソホロン(沸点215℃)225gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。
(比較例4)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた300mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分として、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(DIC株式会社製、商品名「エピクロンB4400」)18.4g(70mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」11.68g(21mmol)、溶媒として、シクロヘキサノン164gを加えて40℃で15分攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として「BAPP」11.49g(28mmol)を15分かけて添加し、更に「APB−N;(1,−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン)」6.13g(21mmol)を15分かけて添加した。添加後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行い、ポリイミド樹脂溶液を作製した。
(比較例5)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた300mLのセパラブルフラスコに、トリブロックポリエーテルジアミン化合物(サンテクノケミカル株式会社製、商品名「XTJ−542」)53.43g(52.5mol)、ヘキサメチレンジアミン2.03g(17.5mmol)、N−メチルピロリドン164gを加えて40℃で15分攪拌し、そこへ、テトラカルボン酸二無水物成分として、「エピクロンB4400」18.4g(70mmol)を15分かけて添加した。完全に溶解した後、トルエン50gを加え、150℃へ昇温して3時間加熱還流し、200℃へ昇温して3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行い、ポリイミド樹脂溶液を作製した。
(比較例6)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)43.72g(80mmol)、溶媒として、テトラリン150gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌したところ、固形分が析出した。
(比較例7)
攪拌機、温度計、窒素導入管及びディーンスタ−ク還流冷却器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、テトラカルボン酸二無水物成分としてデカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製、商品名「DBTA−KU」)77.25g(148mmol)、ジアミン成分として、「プリアミン1074」(クローダジャパン株式会社製、商品名)43.72g(80mmol)、溶媒として、トリグライム150gを加え、80℃で15分間攪拌し反応を行った。次いで、上記反応液中へジアミン成分として2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業株式会社製、商品名「BAPP」)24.29g(59mmol)を30分かけて添加し、100℃で15分攪拌した後、150℃まで昇温し、3時間加熱還流を行い、生成する水及び溶媒の一部を除去しながらイミド化反応を行った。上記反応液を40℃まで冷却すると樹脂が析出、固化した。
上記実施例1〜5並びに比較例1〜7で作製した樹脂組成物をそれぞれ用い、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックス」)上にマイクロアプリケーターを用いて塗布した後、120℃、3時間乾燥し、PETフィルムから剥離して、厚み35μmのポリイミド樹脂からなるフィルムを得た。
[各種特性の評価]
実施例及び比較例で作製した樹脂組成物の各種特性を以下の方法で評価した。結果を表1にまとめて示した。
Figure 2012180471
DBTA:デカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成株式会社製)
B4400:5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(DIC株式会社製)
BAPP:2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
プリアミン1074:ダイマージアミン(クローダジャパン株式会社製)
APB-N:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
XTJ−542:トリブロックポリエーテルジアミン化合物(サンテクノケミカル株式会社製)
テトラリン:沸点207℃
トリグライム:沸点216℃
ジメトキシベンゼン:沸点217℃
シクロヘキサノン:沸点156℃
イソホロン:沸点215℃
N−メチルピロリドン:沸点202℃
<イミド化率の測定>
実施例及び比較例で得られたフィルムについて、赤外線測定装置(DIGILAB社製、商品名「EXCALIBUR SERIES」)を用い、赤外吸収スペクトル(透過光)を4000cm−1〜500cm−1の範囲で測定し、イミド基及びフェニル基の特性吸収の吸光度比からイミド化率を求めた。なお、フィルムを更に250℃で1時間熱処理した後のフィルムの吸収スペクトルを理論的にイミド化率100%とし、下記式(a)にて硬化膜のイミド化率X(%)を算出した。

X(%)=[(K/L)−(M/N)]/[(O/P)−(M/N)] (a)

K:フィルムの1780cm−1付近の極大ピークの吸光度
L:フィルムの1510cm−1付近の極大ピークの吸光度
M:ポリイミド樹脂合成時、150℃に昇温する前に樹脂の一部を抜き出し、120℃で2時間乾燥させた後のポリアミック酸の(イミド化率0%)の1780cm−1付近の極大ピークの吸光度
N:ポリイミド樹脂合成時、150℃に昇温する前に樹脂の一部を抜き出し、120℃で2時間乾燥させた後のポリアミック酸の(イミド化率0%)の1510cm−1付近の極大ピークの吸光度
O:250℃で1時間熱処理した後のフィルム(イミド化率100%)の1780cm−1付近の極大ピークの吸光度
P:250℃で1時間熱処理した後のフィルム(イミド化率100%)1510cm−1付近の極大ピークの吸光度
<溶融粘度の測定>
各フィルムから試験片として2gを量り取り、レオメーター(セイコーインスツル株式会社製、商品名「EXTRADMS6000」)を用いて周波数5Hz、降温速度:5℃/分、測定温度23〜200℃の条件でずり粘度を測定し、150℃におけるずり粘度をポリイミド樹脂の溶融粘度とした。
<1%質量減少温度の測定>
各フィルムから試験片として0.5mgを量りとり、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツル株式会社製、商品名「TG/DTA6300」)を用いて、TG−DTA法により昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下(流量20mL/分)におけるポリイミド樹脂の1%質量減少温度を測定した。
<接合評価試験>
フレキシブル配線基板(株式会社日立超LSIシステムズ製、商品名「JKIT COF TEG 25−B」、2層キャスティング材、25μmピッチ、錫めっき)及び半導体チップ(株式会社日立超LSIシステムズ製、商品名「JTEG PHASE6_25」)を準備した。次に、上記試験片に得られたポリイミド樹脂を、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布して120℃で3時間乾燥した。乾燥後、ボンディング装置(東レエンジニアリング株式会社製、商品名「FC−100M」)を用いて半導体チップを、ステージ温度100℃、ツール温度420℃、圧力60Nで0.5秒間熱圧着した。金属接合後、150℃で3時間加熱してボイドがないものを「○」、ボイドがあるもの(残っているもの)を「×」として評価した。
<アウトガスの評価>
上記接合評価試験におけるフレキシブル配線基板をスライドガラスに代えた以外は接合評価試験と同様の条件でフィルムを熱圧着した。熱圧着後、スライドガラス上の試験片周辺に付着物が目視できないものを「○」、目視できるものを「×」として評価した。
<印刷性の評価>
得られたポリイミド樹脂溶液2gを金属皿に分取し、25℃で24時間静置した。静置前後での固形分量の変化率が110%以上となったもの、吸水による樹脂の析出が起きたものを「×」、固形分量の変化率が110%未満で溶液の透明性が維持されているものを「○」として評価した
<耐マイグレーション性(HAST(不飽和加圧蒸気)耐性)>
図1は、耐マイグレーション性評価用基板(25μmP)の概略平面図である。次に、上記試験片に得られたポリイミド樹脂を、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布して120℃で3時間乾燥した。イオンマイグレーションテスター(商品名:IMV株式会社製、MIG−8600)を用いて、105℃、85%RH、60V条件下で200時間処理した後の耐マイグレーション性を評価した。抵抗値が1×10Ω以上であるものは「○」、抵抗値が1×10Ω未満となったものは「×」として評価した。
<ポリアミド酸溶解性>
合成中にポリアミド酸が析出、固化したものを「×」、溶解しているものを「○」として評価した。
<ポリイミド溶解性(保存安定性)>
合成直後にポリイミドが析出、固化したものを「×」、常温(25℃)で1ヶ月保管して固化したものを「△」、常温で1ヶ月以上保管しても固化しないものを「○」として評価した。
実施例1〜5で得られた樹脂組成物は、いずれも150℃における溶融粘度が3000Pa・s以下であり、十分な可とう性を有し接合性に優れており、1%質量減少温度が350℃以上と耐熱性が高くアウトガスの発生を十分に低減できていた。
一方、溶融粘度が3000Pa・sを超える(比較例1)場合、有機溶媒として(1)エーテル系有機溶媒と芳香環を含む炭化水素有機溶媒の混合、または、(2)エーテル結合と芳香環の双方を含む有機溶媒を用いない比較例2〜7は、上記で評価した特性に劣る。
比較例1及び6で得られた樹脂組成物は、溶融粘度が高く、実施例のような実装性が得られなかった。比較例4及び5の1%質量減少温度が270℃と耐熱性が低いためアウトガスの発生が観察された。さらに、比較例2及び3で得られた樹脂組成物は、アミノ基と溶媒の反応により、得られた樹脂の分子量が合成中の固形分量により変動した。また、比較例2は溶媒の揮発により印刷性に乏しく、比較例3は常温で1ヶ月保管することで固化し、保存安定性が乏しかった。比較例6では合成中にアミド酸が析出し、比較例7では得られた樹脂組成物はただちに固化した。
1…フィルム状基材
2…すずめっき銅配線
3…樹脂組成物

Claims (8)

  1. (A)150℃における溶融粘度が30〜3000Pa・sであり、1%質量減少温度が350℃以上であるポリイミド樹脂と(B)溶剤を含み、前記(B)成分の溶剤が、沸点180〜220℃であり、エーテル系有機溶媒と芳香環を含む炭化水素有機溶媒の混合、または、エーテル結合と芳香環の双方を含む有機溶媒である樹脂組成物。
  2. (A)成分のポリイミド樹脂が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2012180471
    [一般式(1)中、Arは4価の有機基を示し、Arは2価の有機基を示し、Ar及び/又はArは主鎖に炭素数5〜20のアルキレン鎖を含む。]
  3. 前記Arが、下記一般式(2)で表される基である、請求項2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2012180471
    [一般式(2)中、Xは炭素数5〜20のアルキレン基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。mが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  4. 前記Arが、下記一般式(3)で表される2価の基である、請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物。
    Figure 2012180471
    [一般式(3)中、Zは単結合又は2価の有機基を示し、Y及びYはそれぞれ独立に炭素数5〜20のアルキレン基を示す。]
  5. 前記Zが、下記一般式(4)、(5)及び(6)でそれぞれ表される2価の基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である、請求項4に記載の樹脂組成物。
    Figure 2012180471
    [一般式(4)、(5)及び(6)中、R、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、q、r及びsは、それぞれ独立に1〜4の整数を示す。qが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、rが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、sが2以上の場合、複数存在するR10は同一でも異なっていてもよい。]
  6. 前記ポリイミド樹脂が、下記一般式(7)で表される繰り返し単位を更に有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
    Figure 2012180471
    [一般式(7)中、Arは下記一般式(2)で表される4価の有機基を示し、Arは、芳香族炭化水素基を含む2価の有機基を示す。]
    Figure 2012180471
    [一般式(2)中、Xは炭素数5〜20のアルキレン基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、m及びnはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。mが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  7. 前記Arが、置換基を有していてもよいアリーレン基、下記一般式(8)で表される基及び下記一般式(9)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である、請求項6に記載の樹脂組成物。
    Figure 2012180471
    Figure 2012180471
    [一般式(8)及び(9)中、D及びEは、それぞれ独立に単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、スルホニル基、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、下記式(i)で表される基又は下記式(ii)で表される基を示し、R11、R12、R13、R14、R15及びR16は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、t1、t2、t3、t4、t5及びt6は、それぞれ独立に1〜4の整数を示す。
    t1が2以上の場合、複数存在するR11は同一でも異なっていてもよく、t2が2以上の場合、複数存在するR12は同一でも異なっていてもよく、t3が2以上の場合、複数存在するR13は同一でも異なっていてもよく、t4が2以上の場合、複数存在するR14は同一でも異なっていてもよく、t5が2以上の場合、複数存在するR15は同一でも異なっていてもよく、t6が2以上の場合、複数存在するR16は同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2012180471
  8. 前記ポリイミド樹脂のイミド化率が80%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
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