JP2003261834A - 半導体用接着フィルム、半導体装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体用接着フィルム、半導体装置、及び半導体装置の製造方法

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JP2003261834A
JP2003261834A JP2002066273A JP2002066273A JP2003261834A JP 2003261834 A JP2003261834 A JP 2003261834A JP 2002066273 A JP2002066273 A JP 2002066273A JP 2002066273 A JP2002066273 A JP 2002066273A JP 2003261834 A JP2003261834 A JP 2003261834A
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JP
Japan
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semiconductor
adhesive film
resin
film
glass transition
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JP2002066273A
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English (en)
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Noriyuki Daito
範行 大東
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンプ電極付の半導体ウエハの電極側に熱圧
着でき、ダイシングにより個片の半導体素子に切断分離
した後、フリップチップ接続により電極を直接接合し、
かつ基板を強固に固定し高い実装信頼性を得ることので
きる半導体用接着フィルムを提供する。 【解決手段】(A)有機溶剤に可溶で、かつガラス転移
温度が100℃以上である熱可塑性ポリイミド樹脂と
(B)熱硬化性樹脂を含み、かつ(B)の含有量は全成
分に対して20〜70重量%であり、熱処理により硬化
させた後のガラス転移温度が100℃以上、貯蔵弾性率
が25℃で2500〜6000MPaであり、200℃
以上では40MPa以上である半導体用接着フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、回路基板上にI
C、LSI等の半導体素子のバンプ電極をフリップチッ
プ接続により直接接合する際の半導体用接着フィルム、
並びにそれを用いた半導体装置およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、薄型化に伴っ
て半導体素子の更なる高密度実装技術の確立が要求され
ている。半導体装置の実装方法として従来から用いられ
ているリードフレームを用いた方法では、この様な高密
度実装の要求には応えることができなかった。また、こ
れらを接着させるダイボンディング材料のうち現在では
主に樹脂ペーストを用いる方法が主流となっている。
【0003】そこで、半導体素子の大きさとほぼ同じサ
イズの半導体装置を実装する方法としてフリップチップ
実装が提案されている。フリップチップ実装は、近年の
電子機器の小型化、高密度化に対して半導体素子を最小
の面積で実装できる方法として注目されてきた。このフ
リップチップ実装に使用される半導体素子のアルミ電極
上にはバンプが形成されており、バンプと回路基板上の
配線とを電気的に接合する。これらのバンプの組成とし
ては、主に半田が使用されておりこの半田バンプは、蒸
着やメッキで、チップの内部配線につながる露出したア
ルミ端子上に形成する。他にはワイヤーボンディング装
置で形成される金スタッドバンプなどがある。
【0004】このようなフリップチップ接続された半導
体装置は、そのままで使用すると接続部の電極が空気中
に露出しており、チップと基板の熱膨張係数の差が大き
いため、半田リフローなどの後工程の熱履歴によりバン
プの接続部分に大きな応力がかかり、実装信頼性に問題
があった。
【0005】この問題を解決するため、バンプと基板と
を接続した後、接合部分の信頼性を向上させるために、
半導体素子と基板の間隙を樹脂ペーストで埋めて硬化さ
せて半導体素子と基板とを固定する方法が採用されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般にフリ
ップチップ実装を行うような半導体素子は電極数が多
く、また回路設計上の問題から電極は半導体素子の周辺
に配置されているため、樹脂ペーストの充填時にはこれ
らの半導体素子の電極間から液状樹脂を毛細管減少で流
し込みを行うと樹脂が十分に行き渡らず未充填部が出来
やすく、半導体素子の動作が不安定になるなどの動作不
良や耐湿信頼性が低いといった問題があった。更に、チ
ップサイズが小さくなると液状樹脂のはみ出しにより基
板を汚染したり、電極間のピッチが狭くなると樹脂の流
し込みが困難となる。また、フリップチップ接続した半
導体素子1つ1つに樹脂を充填するにはあまりにも時間
がかかるため、硬化させる工程も考慮すると生産性にも
課題があると言える。
【0007】本発明の目的とするところは、バンプ電極
付の半導体ウエハの電極側に熱圧着でき、ダイシングに
より個片の半導体素子に切断分離した後、フリップチッ
プ接続により電極を直接接合し、かつ基板を強固に固定
し高い実装信頼性を得ることのできる半導体用接着フィ
ルムとそれらを用いた半導体装置並びにその製造方法を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)熱処理
により硬化させた後のガラス転移温度が100℃以上、
貯蔵弾性率が25℃で2500〜6000MPaであり、
200℃以上では40MPa以上である半導体用接着フ
ィルム、(2)(A)有機溶剤に可溶で、かつガラス転
移温度が100℃以上である熱可塑性ポリイミド樹脂と
(B)熱硬化性樹脂を含み、かつ(B)の含有量は全成
分に対して20〜70重量%となる第(1)項記載の半
導体用接着フィルム、(3)成分(A)の熱可塑性ポリ
イミド樹脂が酸成分として式(1)で表される4,4’
−ビスフェノールAカルボン酸二無水物を含んでなる第
(2)項記載の半導体用接着フィルム、
【0009】
【化3】 (4)成分(A)の熱可塑性ポリイミド樹脂は、一般式
(2)で表されるフェニルエーテルに可溶であるか、又
はフェニルエーテルを反応溶媒として用いて重合可能で
ある請求項(2)又は(3)項記載の半導体用接着フィ
ルム、
【0010】
【化4】 (式中、R7は水素原子または炭素原子数1〜6の一価
の炭化水素基であり、R8は炭素原子数1〜6の一価の
炭化水素基を表す。)(5)フェニルエーテルがアニソ
ールである第(4)項記載の半導体用接着フィルム、
【0011】(6)第(1)〜(5)項いずれか記載の
半導体用接着フィルムをバンプ電極付の半導体ウエハの
バンプ側に熱圧着し、かつ同時にバンプ電極部を表面に
出して得られた半導体ウエハをダイシングにより半導体
素子個片に切断分離し、該半導体素子の接着フィルムを
介してフリップチップ接続により回路基板等に該バンプ
電極を直接接合してなることを特徴とする半導体装置、
(7)第(1)〜(5)項いずれか記載の半導体用接着
フィルムを該フィルムのガラス転移温度以上で、かつ半
導体素子のフリップチップ接続時の温度より70℃以上
低い温度で半導体ウエハのバンプ電極側に加熱圧着した
後、ダイシングすることを特徴とする半導体装置の製造
方法、である。
【0012】
【発明実施の形態】本発明に用いる接着フィルムは、テ
トラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得
られる一般式(3)の繰り返し単位からなるガラス転移
温度が100℃以上である熱可塑性ポリイミド樹脂と熱
硬化性樹脂とを主たる成分とすることが好ましい。
【0013】
【化5】 (式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂肪族基また
は芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一価の脂肪族
基または芳香族基、R9,R10は四価の脂肪族基または
芳香族基、R11は二価の脂肪族または芳香族基を表し、
kは1〜100の整数である。m、nの割合は各成分合
計100モル%中、mが0〜100モル%、nが0〜1
00モル%である。)
【0014】本発明で用いる熱可塑性ポリイミド樹脂の
重合に使用する酸二無水物としては、例えば3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット
酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、4,4’−ビスフェノールAカ
ルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、4,4’−
(ヘキサフルオロイソプロピリデン)フタル酸二無水
物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、3,4,9,10−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、等が挙げられ。これらを単独あるいは2
種以上混合して用いられる。本発明において接着性、耐
熱性および有機溶剤への溶解性の点から、特に4,4’
−ビスフェノールAカルボン酸二無水物であることが好
ましい。
【0015】本発明で用いるジアミン成分としては、芳
香族ジアミンでは、2,2−ビス(4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサ
フルオロプロパン、ビス−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニルスルフォン、1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ビフェニル等が挙げられる。特に2,2−ビス(4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンを用い
るとガラス転移温度を高く維持したまま溶解性を向上さ
せることが可能である。また1,3−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼンを用いると接着性を向上させる事
が可能である。更に、脂肪族ジアミンでは、1,2−ジ
アミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、
1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクヘキシルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシク
ヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエ
チル−ジシクヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’,5,5’−テトラメチル−ジシクヘキシルメ
タン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テト
ラエチル−ジシクヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチル−ジシクヘ
キシルメタン、4,4’− ジアミノ−3,3’−ジメ
チルジシクロヘキシル、4,4’− ジアミノ−3,
3’,5,5’−テトラメチルジシクロヘキシル、4,
4’−ジアミノジシクヘキシルエーテルなどが挙げられ
る。更に他のジアミン成分としては、4,4’−メチレ
ンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6
−キシリジン、4,4’−メチレンジ−2,6−ジエチ
ルアニリン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’
−テトラメチルジフェニルメタン、2,2−ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ヘキサフルオロプロパン、ビス−4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−
アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ビフェニル、4,4’−(p−フェニレンジ
イソプロピリデン)ジアニリン、3,4−ジアミノジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4ジアミノジフェニルスルフォン、o−フェニ
レンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、2,5ジアミノトルエン、2,4ジアミノ
トルエン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミ
ン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,
4,6−トリメチル−m−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジヒドロキ
シ−4,4’−ジアミノビフェニル等を挙げることがで
きる。
【0016】また、前記ポリイミド樹脂のジアミン成分
の一つとして一般式(4)で表されるジアミノポリシロ
キサンを用いることもできる。
【化6】 (式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂肪族基ま
たは芳香族基、R3,R4,R5およびR6は一価の脂
肪族基または芳香族基を表し、kは1〜100の整数で
ある。) ジアミノポリシロキサンとしては、例えば、1,3−ビ
ス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン、
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロ
キサン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)テトラメ
チルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)
ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェニル)テトラメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−
アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビ
ス(3−アミノプロピル)テトラフェニルシロキサン、
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシ
ロキサン等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上
混合して用いられる。式(4)で表されるジアミノポリ
シロキサンは、全アミン成分総量の0〜50モル%用い
る事が好ましい。50モル%を超えるとガラス転移温度
が著しく低下し耐熱性に問題が生じる恐れがある。
【0017】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ア
ニソール、テトラヒドロフラン(THF)、ジグライ
ム、シクロヘキサノン、ガンマ−ブチロラクトン(GB
L)、1,4−ジオキサン(1,4−DO)などであ
る。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。本発明で使用
する溶剤は比較的沸点が低く、人体への有害性の低いア
ニソールを用いることがより好ましい。これは、溶剤の
乾燥温度を大きく下げることが可能で、様々な熱硬化成
分を加えることができるためである。
【0018】この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶
性がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。非極性
溶媒としては、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ
などの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶媒にお
ける非極性溶媒の割合は、50重量%以下であることが
好ましい。これは非極性溶媒が50重量%を超えると共
沸による熱イミド化の反応速度が著しく低下し、目的の
分子量のポリイミド樹脂を得ることが困難になる恐れが
あるためである。
【0019】このようにして得たポリアミック酸溶液
は、続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポ
リイミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環
反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に
加えて共沸させてディーンスターク(Dean-Stark)管な
どの装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない有
機溶剤としてはジクロルベンゼン等が知られているが、
エレクトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れが
あるので、前記芳香族炭化水素を使用することが好まし
い。また、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-ピ
コリン、ピリジンなどの化合物を使用しても良い。
【0020】本発明では、得られたポリイミド溶液にそ
のままエポキシ樹脂やシアネートエステル樹脂、エポキ
シ樹脂と反応可能な活性水素基を有する化合物、反応促
進剤、触媒等を添加して用いることができる。又は、こ
の溶液を貧溶媒中に投入してポリイミド樹脂を再沈殿析
出させて未反応モノマーを除去精製し、乾燥させたもの
を再び有機溶剤に溶解し用いることも可能である。特に
揮発分や不純物、異物などを嫌う用途においてはそのよ
うにして製造したポリイミド溶液を濾過して用いること
が好ましい。このとき使用する溶剤は加工作業性を考
え、沸点の低い溶剤を用いることが好ましい。沸点が2
00℃以下の溶剤を選択することが好ましい。例えば、
ケトン系溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、エーテル系溶剤として1,4−ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、ジグライム、アニソールを、アミド
系溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミドを挙げることができる。これらの
溶剤は単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して
用いることもできる。本発明では、それのみで合成可能
でかつ乾燥温度を低温にすることができるアニソールを
溶剤として用いることが特に好ましい。
【0021】上記の様に乾燥温度を大きく下げることで
熱硬化成分の硬化開始温度より十分低い温度での加工プ
ロセスを構築することができ、硬化成分を硬化させるこ
となく接着フィルムを得ることができる。又、この接着
フィルムをウエハ上への熱圧着時に半硬化させ、フリッ
プチップ接続時にはフィルム状樹脂が流動し電極の接合
と半導体素子の固定を行うことがきる。本発明の半導体
用接着フィルムは、従来からの問題点であった接続信頼
性を熱可塑性ポリイミドにより耐湿熱性を、熱硬化性樹
脂により流動性、接着特性を著しく向上させることがで
きる。
【0022】本発明に用いられる熱可塑性ポリイミド樹
脂(A)のガラス転移温度Tg(熱機械的分析装置での
測定における接線の交点)は、上述の酸無水物と芳香族
または脂肪族ジアミンとポリアミノシロキサンの組合せ
により100℃以上にすることが好ましい。Tgが10
0℃未満では硬化後のフィルムのTgが十分上がらない
ため、熱雰囲気下での接着強度の信頼性が低下する。ま
たTgが200℃を超えるとフィルム乾燥温度を上げな
いと溶剤を完全に除去することができず、溶剤の乾燥中
に熱硬化性樹脂が硬化してしまうため好ましくない。ま
た、この接着フィルムをウエハに加熱圧着した状態のウ
エハを用いると、ダイシング時に起こるチップクラック
や欠けを低減することができる。更には本硬化により該
フィルムのガラス転移温度は、主たる成分である熱可塑
性ポリイミド樹脂のガラス転移温度、又はそれ以上の温
度にまで上昇し、熱雰囲気下で優れた剪断強度特性を有
することを特徴とする。
【0023】本発明における熱硬化性樹脂(B)は、フ
リップチップ接続時には流動することで半導体素子と基
板との間隙を埋めることができる。更に圧着後加熱によ
り硬化反応が進行し、三次元網目状化し、被着体で回路
基板に強固に接着する。具体的には、エポキシ樹脂、シ
アネートエステル、フェノール、レゾールシノール樹
脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂等が挙げられる。中でも、エポキシ樹
脂およびシアネートエステル樹脂が好ましい。
【0024】熱硬化性樹脂には、上記で挙げた成分のほ
かにも、エポキシオリゴマーなども用いることができ
る。この化合物は、分子内に少なくとも1つのエポキシ
基を有し、通常は分子量が1000〜50000、好ま
しくは3000〜10000程度である。
【0025】エポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹
脂が用いられるが、分子量300〜2000程度のもの
が好ましい。特に好ましくは、分子量300〜800の
常温液状のエポキシ樹脂および/または、分子量400
〜2000、好ましくは500〜1500の常温固体の
エポキシ樹脂を含む形で用いるのが望ましい。また、本
発明に特に好ましく使用されるエポキシ樹脂のエポキシ
当量は、通常100〜2000g/eqである。このよ
うなエポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型
エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらは、1
種単独で、または2種類以上を組合せて用いることがで
きる。中でも、本発明では、ビスフェノール型エポキシ
樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂又はフェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが特に好ま
しい。
【0026】これらの熱硬化成分(B)の含有量は、全
成分に対し、20〜70重量%の割合で含まれることが
好ましい。成分(B)の含有量が20重量%未満では、
フリップチップ接続時に十分な流動性を得ることができ
ないため樹脂の未充填部ができ実装信頼性が低下するた
め好ましくない。又、本硬化後においても十分な接着強
度を得ることができない。含有量が70重量%を超える
と可とう性が低下し、フィルムとしての取扱が困難にな
り、更に硬化物の脆質性が高くなると共に吸湿信頼性が
著しく低下するため好ましくない。
【0027】本発明において硬化促進剤も用いることが
でき、エポキシ樹脂を硬化促進させるために用いられる
ものであれば特に制限はない。これら硬化促進剤として
例えば、ジシアンジアミド誘導体、イミダゾール類、ト
リフェニルホスフィンなどが用いられる。これらは2種
類以上を併用してもよい。中でも、イミダゾール類を使
用することが好ましい。例えば、1−ベンジル−2−メ
チルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾ
ール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−メチル−イミダゾール、
1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどが挙
げられる。
【0028】本発明に用いることのできる熱硬化性樹脂
において、上記の硬化促進剤剤は、エポキシ樹脂100
重量部に対して好ましくは0〜10重量部、特に好まし
くは0.5〜5重量部の割合で用いられる。
【0029】更にエポキシ樹脂とアミン化合物の反応物
も用いることができる。これはマイクロカプセル型硬化
剤と呼ばれるもので、加熱により付加したアミン化合物
がエポキシ樹脂より遊離し、エポキシ樹脂に作用するも
のである。例えば、ビスF型エポキシ樹脂と2−メチル
イミダゾールにイソシアネートを付加させたものがあ
る。
【0030】更に本発明の接着フィルムには必要に応じ
てカップリング剤等の添加剤を用いることができる。カ
ップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アル
ミニウム系カップリング剤などある。その中でも、シリ
コンチップとの界面での密着性が良いシラン系カップリ
ング剤が好ましい。例えば、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメト
キシシランなどが挙げられる。カップリング剤の配合量
は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部が好まし
い。
【0031】本発明の半導体用接着フィルムの製造方法
としては、まず、前記各成分をN−メチル−2−ピロリ
ドンや、アニソール等の有機溶剤中で混合してワニス状
とし、これを塗布してフィルムを形成する。具体的に
は、例えば耐熱性フィルム基材を支持体として用い、そ
の片面または両面に同様のフィルム層を形成させ、支持
体と共に接着フィルムとして得るか、またはロールや金
属シート、ポリエステルシートなどの離型シート上に、
フローコーター、ロールコーター、コンマコーターなど
によりフィルムを形成させ、加熱乾燥後、剥離して、単
層の接着フィルムとするなどの方法で得ることができ
る。
【0032】この様にして得られた半導体用接着フィル
ムは、硬化成分を硬化させることなく接着フィルムを得
ることができる。この接着フィルムをウエハ上への熱圧
着時に半硬化(Bステージ状態)させることを可能と
し、フリップチップ接続時にも十分な流動性を有するた
め電極の接続と共に樹脂を充填することができる。本発
明の半導体用接着フィルムは従来からの問題点であった
接続信頼性を改善し、高い耐湿熱性と接着特性を併せも
つことを特徴とする。
【0033】本発明で用いる半導体用接着フィルムは、
硬化後のガラス転移温度Tgが100℃以上であること
が必要である。ガラス転移温度が100℃未満ではフリ
ップチップ接続による実装信頼性が著しく低下するため
好ましない。また、本発明でウエハに貼り付ける条件と
しては接着フィルムのガラス転移温度以上、かつ半導体
素子のフリップチップ接続時の温度より70℃以上低い
温度であることが好ましい。接着フィルムの圧着温度が
Tg未満では貼付性が低下し、フリップチップ接続時の
温度より70℃以下の温度では硬化成分の硬化が進行す
るためフリップチップ接続時に十分な流動性がないため
樹脂の未充填部ができ好ましくない。ウエハへ貼り付け
る圧力は0.1〜1MPaが好ましい。0.1MPa未
満では圧力が弱すぎてボイドの発生や接着界面での樹脂
の濡れ性が十分でないため接着信頼性が低下し、1MP
aを超えると圧力が強すぎてウエハが割れる恐れがある
ためである。
【0034】 本発明の接着フィルムは硬化させると、
動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率が25℃で2
500〜6000MPaであり、200℃以上では40
MPa以上という高弾性率でなければならない。貯蔵弾
性率の測定方法は、周波数10Hz、昇温速度5℃/m
inで−60〜320℃の温度依存性測定で行う。
【0035】貯蔵弾性率が25℃で6000MPaを超
えると、半導体チップと基板との熱膨張係数の差によっ
て生じる熱応力の緩和効果が小さくなり、剥離やクラッ
クが発生する恐れがあり、2500MPa未満では、2
00℃以上で40MPa以上の弾性率を維持することが
できず、高温での接着強度の低下が著しく、リフロー時
に剥離が生じる恐れがあるため好ましくない。
【0036】本発明の半導体装置は、前記半導体用接着
フィルムを用いてウエハのバンプ電極面に一括に熱圧着
した後、ダイシングにより個片分離した接着剤付き半導
体素子を、フリップチップ接続により基板とバンプ電極
を直接接合すると共に、フィルム接着剤を半導体素子と
基板の間隙に埋込むことで製造できる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】(A)熱可塑性ポリイミド樹脂 (A−1)シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪
拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ
中に、酸成分として4,4’−ビスフェノールA酸二無
水物78.08(0.15モル)をアニソール89.1
6g、トルエン79.79gに縣濁させる。そして、ジ
アミン成分としては1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン35.08g(0.12モル)と1,12
−ジアミノドデカン6.01g(0.03モル)をアニ
ソール230g中70℃で加熱溶解させたものを滴下ロ
ートに入れる。次いで、ディーンスターク還流冷却管を
取り付け、オイルバスにより加熱すると縣濁溶液が溶解
し透明になった。加熱還流が始まったらジアミン溶液を
0.5時間ゆっくり滴下した。この際、イミド化に伴い
発生する水をトルエンとの共沸により系外へ除去した。
滴下終了後1.0時間加熱還流したところで反応を終了
した。この様にアニソールに可溶なポリイミド樹脂を得
た。分子量はMw=65000である。 (A−2)シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪
拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ
中に、酸成分として4,4’−ビスフェノールA酸二無
水物78.08(0.15モル)をアニソール101.
92g、トルエン82.98gに縣濁させる。そして、
ジアミン成分としては1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン35.08g(0.12モル)と1,1
2−ジアミノドデカン4.51g(0.0225モル)
とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサン(平均分子量836)6.27g(0.007
5)モルをアニソール230g中70℃で加熱溶解させ
たものを滴下ロートに入れる。次いで、ディーンスター
ク還流冷却管を取り付け、オイルバスにより加熱すると
縣濁溶液が溶解し透明になった。加熱還流が始まったら
ジアミン溶液を0.5時間ゆっくり滴下した。この際、
イミド化に伴い発生する水をトルエンとの共沸により系
外へ除去した。滴下終了後2.0時間加熱還流したとこ
ろで反応を終了した。この様にアニソールに可溶なポリ
イミド樹脂を得た。分子量はMw=41000である。 (A−3)シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪
拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ
中に、酸成分として4,4’−ビスフェノールA酸二無
水物67.67(0.13モル)をアニソール82.5
1g、トルエン80.63gに縣濁させる。そして、ジ
アミン成分としては1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン15.20g(0.052モル)と2,2
−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロ
パン26.68g(0.065モル)とα,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均
分子量836)10.87g(0.0013)モルをア
ニソール230g中70℃で加熱溶解させたものを滴下
ロートに入れる。次いで、ディーンスターク還流冷却管
を取り付け、オイルバスにより加熱すると縣濁溶液が溶
解し透明になった。加熱還流が始まったらジアミン溶液
を0.5時間ゆっくり滴下した。この際、イミド化に伴
い発生する水をトルエンとの共沸により系外へ除去し
た。滴下終了後2.0時間加熱還流したところで反応を
終了した。この様にアニソールに可溶なポリイミド樹脂
を得た。分子量はMw=51000である。 (A−4)シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪
拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ
中に、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水
物18.61g(0.06モル)、3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物17.65
(0.06モル)をアニソール133.23g、トルエ
ン74.36gに縣濁させる。そして、ジアミン成分と
しては2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル)プロパン24.63g(0.06モル)とα,
ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサ
ン(平均分子量836)50.16g(0.06モル)
をアニソール164.2g中70℃で加熱溶解させたも
のを滴下ロートに入れる。次いで、ディーンスターク還
流冷却管を取り付け、オイルバスにより加熱すると縣濁
溶液が溶解し透明になった。加熱還流が始まったらジア
ミン溶液を1時間ゆっくり滴下した。この際、イミド化
に伴い発生する水をトルエンとの共沸により系外へ除去
した。滴下終了後3.0時間加熱還流したところで反応
を終了した。この様にアニソールに可溶なポリイミド樹
脂を得た。分子量はMw=65000である。 (A−5)シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪
拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ
中に、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水
物43.43g(0.14モル)、をアニソール19
1.43g、トルエン81.96gに縣濁させる。そし
て、ジアミン成分としては1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン20.46g(0.07モル)と
α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロ
キサン(平均分子量836)58.52g(0.07モ
ル)をアニソール136.42g中70℃で加熱溶解さ
せたものを滴下ロートに入れる。次いで、ディーンスタ
ーク還流冷却管を取り付け、オイルバスにより加熱する
と縣濁溶液が溶解し透明になった。加熱還流が始まった
らジアミン溶液を1時間ゆっくり滴下した。この際、イ
ミド化に伴い発生する水をトルエンとの共沸により系外
へ除去した。滴下終了後3.0時間加熱還流したところ
で反応を終了した。この様にアニソールに可溶なポリイ
ミド樹脂を得た。分子量はMw=76000である。
【0039】前述の熱可塑性ポリイミド樹脂(A−1)
〜(A−5)の一般物性を表1に示した。
【0040】(B)熱硬化性樹脂 (B−1)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量200、日本化薬株式会社製商品名EOCN−
1020−80) (B−2)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量210、日本火薬株式会社製商品名EOCN−
104S−90) (B−3)高純度ビスF型エポキシ樹脂(エポキシ当量
175、日本火薬株式会社製商品名RE403S) (B−4)ノボラック型シアネートエステル樹脂(ロン
ザジャパン株式会社製商品名PRIMASET PT−
30) (B−5)ビスF型シアネートエステル樹脂(旭化成エ
ポキシ株式会社製商品名AROCY L−10) (B−6)イソシアヌル酸誘導体(四国化成工業株式会
社製商品名DA−MGIC)
【0041】(硬化促進剤) (C−1)1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾー
ル(四国化成工業株式会社製商品名2PZ−CN) (C−2)1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール
(四国化成工業株式会社製商品名1B2PZ) (C−3)コバルトアセチルアセトナート(日本化学産
業株式会社製商品名ナーセム第二コバルト)
【0042】(カップリング剤) (D−1)N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン(信越シリコーン株式会社製商品名KBM−
573) (D−2)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(信越シリコーン株式会社製KBM−403E)
【0043】実施例1 表2に記載の割合で、 (1)合成時に用いた有機溶剤に溶解した熱可塑性ポリ
イミド樹脂溶液に、熱硬化性樹脂を加え攪拌混合し、続
いてカップリング剤を攪拌混合し最後に硬化促進剤を投
入して、真空脱気した。 (2)この樹脂ワニスを厚さ38μmのポリエチレンテ
レフタレート支持基材の上にロールコーターで乾燥後の
膜厚が40mになるように塗布し、60℃で2分、80
℃で2分、90℃で2分、熱風循環式乾燥機の中で加熱
乾燥を行い、離型フィルムのついた半導体用接着フィル
ムを得た。又更に180℃、2時間熱処理した硬化後の
フィルムを熱機械分析装置でガラス転移温度を、動的粘
弾性装置で貯蔵弾性率の測定を行った。測定結果を表2
に示した。 (3)上記の乾燥後の離型フィルム付き接着フィルムを
ウエハサイズよりも大きく切断し、該フィルムの接着樹
脂を金バンプ電極付ウエハのバンプの上に置き加熱圧着
し接着フィルム付きウエハを得た後、接着したフィルム
の外観試験を行った。 (4)接着フィルム付きウエハの接着剤面をダイシング
シートに貼付けし、ダイシング装置で切断分離し個片の
接着フィルム付き半導体素子を得た。次に、得られた接
着フィルム付き半導体素子のチッピング特性及び接着強
度を測定した。
【0044】[外観試験]離型フィルム付き半導体用接
着フィルムをウエハサイズよりも大きく切断し、ウエハ
の金バンプ電極上に該フィルムの接着樹脂を下に置き、
温度150℃、圧力0.25MPa、加圧時間10秒で
加熱圧着し接着樹脂付きウエハを得る。この時、ウエハ
上のフィルム内のボイドや発泡について目視観察で、バ
ンプ周辺の樹脂埋込み性やバンプ貫通を実体顕微鏡観察
することで外観試験を行った。5インチウエハー上に接
着フィルムをラミネートした後、ウエハ上に気泡が5個
以上または3cm以上のスジが発生した時、またはバン
プ周辺に空隙があったりバンプが表面に出ていない時を
×、そうでない時を○と判定した。
【0045】[チッピング特性]ダイシングソー(DISC
O製 DAD-2H6M)を用いてスピンドル回転数30,00
0rpm、カッティングスピード20/secで切断分
離した個片の接着フィルム付き半導体素子20個をラン
ダムに選定し、チップ欠けやクラックを実体顕微鏡で観
察した。判定はチップの欠けやクラックの個数が2個以
下の時を○、3個以上の時を×とした。(欠け幅が30
μm以下のものは合格とした。)
【0046】[240℃熱時接着強度]7×7mmの金
型でフィルムを打ち抜き、圧着温度160℃、圧力2M
Pa、加圧時間0.3秒で仮圧着し、次いで、圧着温度
160℃、圧力1MPa、圧時間1.0秒でフィルムを
42−合金のリードフレームに貼り付ける。次いで、4
mm角のシリコンチップを、上記の7×7mmフィルム
に、圧着温度250℃、圧力1MPa、圧着時間1.0
秒でチップマウントし、180℃で2時間硬化させる。
硬化後、プッシュプルゲージを用い240℃、20秒後
での熱時ダイシェア強度を測定した。
【0047】[フリップチップ接続性:ボイド・空隙]
接着フィルムを金バンプ電極付ウエハに150℃、10
秒でラミネートし、次いでダイシングにより10×10
mmの接着樹脂付半導体素子を得た。この半導体素子を
フリップチップボンダー装置(澁谷工業製 DB200)に
てポリイミド二層テープ基板上に実装試験を行った。パ
ルスヒーター方式にて275℃、30秒で圧着した後、
基板裏からボイド・空隙の有無を観察し、さらに断面観
察により確認を行った。チップ中央部にボイド・空隙が
ある場合は×、その他チップ端のボイド・空隙について
は1mm以上を×とし、それ以外を○と判定した。
【0048】[フリップチップ接続性:導通テスト]ボ
イド・空隙試験用に作製したフリップチップパッケージ
を180℃で2時間の熱処理により硬化した後、パッケ
ージを室温(25℃)、150℃、260℃の熱板上に
置き繰り返し数3でこれらを行い導通不良が1つでも発
生したら×、3つ導通すれば○と判定した。
【0049】実施例2〜6 各成分の配合割合を表2のように変更した。これ以外
は、実施例1と同様の操作を行った。
【0050】比較例1〜2 各成分の配合割合を、表2のように変更した。これ以外
は実施例1と同様の操作を行った。
【0051】接着フィルムの評価結果を表2に示した。
【0052】フリップチップ接続性試験結果を表3に示
した。
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明の接着フィルムは、バンプ電極付
ウエハのバンプ側に熱圧着かつバンプ電極部を表面に出
すことができ、ダイシング性も良好である。この接着フ
ィルム付半導体素子を用いてそのバンプ電極と回路基板
をフリップチップ接続させた時、ボイド・空隙なく接着
樹脂が流動し半導体素子と基板の間に充填させることが
できる。更に本発明の接着フィルムは強固な接着性と高
い耐湿熱性に優れており、これを用いたフリップチップ
パッケージは加熱冷却時に発生する熱応力を緩和し、高
弾性率であるため耐リフロー性、耐温度サイクル性に優
れている。このように本発明はフリップチップパッケー
ジに最適な接着フィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA11 AA12 AA13 AA14 AA15 AA17 AB06 BA02 FA05 FA08 4J040 EB031 EB032 EB131 EB132 EC001 EC002 EC061 EC062 EC071 EC072 ED111 ED112 EF001 EF002 EH031 EH032 EK031 EK032 JA09 JB02 LA02 MB03 NA19 NA20 5F044 KK03 LL11 LL15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理により硬化させた後のガラス転移
    温度が100℃以上、貯蔵弾性率が25℃で2500〜
    6000MPaであり、200℃以上では40MPa以
    上であることを特徴とする半導体用接着フィルム。
  2. 【請求項2】 (A)有機溶剤に可溶で、かつガラス転
    移温度が100℃以上である熱可塑性ポリイミド樹脂と
    (B)熱硬化性樹脂を含み、かつ(B)の含有量は全成
    分に対して20〜70重量%である請求項1記載の半導
    体用接着フィルム。
  3. 【請求項3】 成分(A)の熱可塑性ポリイミド樹脂が
    酸成分として式(1)で表される4,4’−ビスフェノ
    ールAカルボン酸二無水物を含んでなる請求項2記載の
    半導体用接着フィルム。 【化1】
  4. 【請求項4】 成分(A)の熱可塑性ポリイミド樹脂
    は、一般式(2)で表されるフェニルエーテルに可溶で
    あるか、又はフェニルエーテルを反応溶媒として用いて
    重合可能である請求項2又は3記載の半導体用接着フィ
    ルム。 【化2】 (式中、R7は水素原子または炭素原子数1〜6の一価
    の炭化水素基であり、R8は炭素原子数1〜6の一価の
    炭化水素基を表す。)
  5. 【請求項5】 フェニルエーテルがアニソールである請
    求項4記載の半導体用接着フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の半導体用接
    着フィルムをバンプ電極付の半導体ウエハのバンプ側に
    熱圧着し、かつ同時にバンプ電極部を表面に出して得ら
    れた半導体ウエハをダイシングにより半導体素子個片に
    切断分離し、該半導体素子の接着フィルムを介してフリ
    ップチップ接続により回路基板等に該バンプ電極を直接
    接合してなることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5いずれか記載の半導体用接
    着フィルムを該フィルムのガラス転移温度以上で、かつ
    半導体素子のフリップチップ接続時の温度より70℃以
    上低い温度で半導体ウエハのバンプ電極側に加熱圧着し
    た後、ダイシングすることを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
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