JP2012175283A - Ofdm信号受信装置および中継装置 - Google Patents

Ofdm信号受信装置および中継装置 Download PDF

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Abstract

【課題】伝搬路に存在する遅延波の遅延時間に依ることなく、受信特性を著しく劣化させる遅延波を等化する。
【解決手段】OFDM信号受信装置1のリーク処理部55は、伝搬路の推定結果である遅延プロファイル上に現れる、伝搬路には存在しないマルチパス成分、特に、シンボル判定誤りおよびシンボル間での不連続、チャネル推定部23におけるキャリヤ方向の補間処理に伴って生じる、キャリヤフィルタの遷移域に相当する遅延時間に現れる不要なマルチパス成分を除去する。符号判定器71は遅延プロファイルの符号を判定し、窓関数乗算器72はその符号に窓関数を乗算し、減算器73は、遅延プロファイルから窓関数乗算器72の乗算結果を減算する。窓関数は、キャリヤフィルタの遷移域では大きく、その他の領域では小さい値を用いる。これにより、受信特性の劣化を改善することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いるデジタル放送またはデジタル伝送のOFDM信号受信装置に関し、特に、デジタル放送、無線LANなどにおいて、電波を受信する際の遅延時間がGI(Guard Interval:ガードインターバル)長を越えるマルチパスを受信する環境であっても、OFDM信号を正しく受信するOFDM信号受信装置に関する。
図11は、従来技術における通常のOFDM信号受信装置の構成を示すブロック図である。このOFDM信号受信装置200は、周波数変換部211、A/D(Analog/Digital)変換部212、直交復調部213、GI除去部214、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部215、チャネル推定部216、チャネル等化部217、デマッピング部218およびパラレルシリアル変換部219を備えている。OFDM信号受信装置200は、送信元から受信点までの伝送路の遅延広がりがGI長以内の場合、受信したOFDM信号のチャネル等化を行うことができる。これに対し、伝送路の遅延広がりがGI長を越える場合には、シンボル間干渉およびキャリヤ間干渉により、受信特性が著しく損なわれてしまう。
図12は、従来技術における、遅延時間がGI長を越えるマルチパスを等化可能なOFDM信号受信装置の構成を示すブロック図である。このOFDM信号受信装置201は、周波数変換部211、A/D変換部212、直交復調部213、減算器220、適応フィルタ部221、FFT部215、チャネル推定部216、チャネル等化部217、デマッピング部218、パラレルシリアル変換部219、マッピング部222、除算器223およびフィルタ係数制御部224を備えている。フィルタ係数制御部224は、送信元から受信点までの伝送路のチャネル応答のうち、主波成分を除いたインパルス応答を適応フィルタ部221に与え、減算器220は、受信したOFDM信号から適応フィルタ部221の出力信号を減じることによりマルチパスをキャンセルする。これにより、遅延時間がGI長を越えるマルチパスをキャンセルすることができる。しかし、このOFDM信号受信装置201では、より長い遅延時間のマルチパスによる周波数特性歪みをキャンセルするために、適応フィルタ部221の次数を大きくしなければならないという問題がある。また、主波よりも早く到来するマルチパス(先行波)をキャンセルするためには、図12に示した構成に加えて、さらに、先行波をキャンセルするための適応フィルタ部が必要となるという問題がある。
図12に示したOFDM信号受信装置201は、時間領域において、遅延時間がGI長を越えるマルチパスによる周波数特性歪みをキャンセルするものであるが、周波数領域においてマルチパスを等化するOFDM信号受信装置も知られている(特許文献1,2を参照)。
例えば、特許文献1のOFDM信号受信装置は、窓処理手段が、復調する有効シンボルよりも時間的に前および後の有効シンボルも時間窓に含まれるように通常よりも長い窓処理を行い、FFT手段が、窓処理後の時間領域の信号をFFTして周波数領域の信号に変換し、周波数特性等化手段が、時間的に遅れて到着するマルチパスおよび時間的に早く到着するマルチパスを等化する。これにより、GI長を越えるマルチパスによる周波数特性歪みをキャンセルすることができる。
特開2004−343546号公報 特開2010−233197号公報
前述のとおり、特許文献1,2のOFDM信号受信装置は、図11に示したOFDM信号受信装置200では受信不能となってしまう大きさの、GI長を越えるマルチパスを等化することができる。しかしながら、特許文献1,2のOFDM信号受信装置では、動作開始から適切な等化係数が算出されるまでの過程において、シンボル判定誤りおよびシンボル間での不連続などに起因して、伝搬路の推定結果である遅延プロファイル上に、伝搬路には存在しないマルチパス成分が表れ、適切に周波数特性歪みの補正を行うことができない場合があるという問題があった。特に、特定の遅延時間のマルチパスが伝搬路に存在するとき、図11および図12に示したチャネル推定部216におけるキャリヤフィルタの遷移域に相当する遅延時間に不要なマルチパス成分が表れ、受信特性が著しく劣化してしまう。キャリヤフィルタ及び遷移域の詳細については後述する。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、伝搬路に存在する遅延波の遅延時間に依ることなく、受信特性を著しく劣化させる遅延波を等化可能なOFDM信号受信装置、および前記OFDM信号受信装置を用いて上位局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1のOFDM信号受信装置は、OFDM信号を受信して復調し、ビット列を出力するOFDM信号受信装置であって、前記OFDM信号を直交復調して算出された等価ベースバンド信号をFFTし、等化係数を用いてキャリヤ間隔の2のべき乗分の1の周波数間隔で等化し、IFFTして時間領域の等価ベースバンド信号を出力する周波数領域等化部と、前記周波数領域等化部により出力された時間領域の等価ベースバンド信号からGIを除去した後にFFTしてキャリヤシンボルを生成し、前記キャリヤシンボルに基づいてチャネル推定を行ってチャネル応答を生成し、前記キャリヤシンボルおよびチャネル応答からチャネル等化後のキャリヤシンボルを生成し、OFDM復調によりビット列を出力するOFDM復調部と、前記周波数領域等化部にて用いる等化係数を算出する等化係数算出部と、を備え、前記等化係数算出部が、周波数特性算出部、等化誤差算出部、遅延プロファイル算出部および領域変換部を有し、前記周波数特性算出部が、前記チャネル等化後のキャリヤシンボルからシンボル再生後のキャリヤシンボルを生成し、前記FFTにより生成されたキャリヤシンボルを前記シンボル再生後のキャリヤシンボルで除算して第1の周波数特性を求め、前記第1の周波数特性を前記チャネル応答で除算して第2の周波数特性を求め、前記等化誤差算出部が、前記第2の周波数特性から主波成分を除去して等化誤差を求め、前記遅延プロファイル算出部が、前記等化誤差に基づいて遅延プロファイルを算出し、前記領域変換部が、前記遅延プロファイルをFFTし、前記周波数領域等化部にて用いる等化係数を求め、前記遅延プロファイル算出部が、前記等化誤差を時間領域の等化誤差に変換するIFFT部、前記時間領域の等化誤差に適応係数を乗算する乗算器、単位更新時間前の遅延プロファイルを入力し、前記遅延プロファイルに、前記乗算器により乗算された等化誤差を加算して遅延プロファイルを更新する加算器、前記更新された遅延プロファイルを、前記単位更新時間遅延させて出力する遅延部、および、前記遅延部の出力する遅延プロファイルに対し、遅延波の振幅を減少させるためのリーク処理を施すリーク処理部を有し、前記OFDM復調部が、前記キャリヤシンボルに基づいてチャネル推定を行う際に、前記キャリヤシンボルから抽出したパイロット信号および予め決められたパイロット信号からチャネル応答を求め、前記チャネル応答をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間するときの、前記キャリヤ方向の補間を行うキャリヤフィルタが、GI長の時間幅を持つ通過域と、前記通過域の両側に位置する所定範囲の遷移域と、前記遷移域の片側に位置する阻止域とからなる場合に、前記リーク処理部が、前記遷移域に相当する遅延時間における遅延波の振幅を、前記通過域および阻止域に相当する遅延時間における遅延波の振幅よりも減少させる、ことを特徴とする。
また、請求項2のOFDM信号受信装置は、請求項1に記載のOFDM信号受信装置において、前記リーク処理部が、前記遅延プロファイルの符号を判定する符号判定器、前記符号判定器により判定された符号に、予め決められた窓関数の値を乗算する窓関数乗算器、および前記遅延プロファイルから前記窓関数乗算器の乗算結果を減算する減算器を有することを特徴とする。
また、請求項3のOFDM信号受信装置は、請求項2に記載のOFDM信号受信装置において、前記窓関数乗算器の窓関数が、前記遷移域における第1の値と、前記通過域および阻止域における第2の値とを有し、前記第1の値が前記第2の値よりも大きくなるように予め決められていることを特徴とする。
また、請求項4のOFDM信号受信装置は、請求項1に記載のOFDM信号受信装置において、前記リーク処理部が、前記遅延プロファイルに、予め決められた窓関数の値を乗算する乗算器を有することを特徴とする。
また、請求項5のOFDM信号受信装置は、請求項4に記載のOFDM信号受信装置において、前記乗算器で乗算する窓関数が、前記遷移域における第1の値と、前記通過域および阻止域における第2の値とを有し、前記第1の値及び前記第2の値が1よりも小さく、かつ、前記第1の値が前記第2の値よりも小さくなるように予め決められている、ことを特徴とする。
さらに、請求項6の中継装置は、請求項1から5までのいずれか一項に記載のOFDM信号受信装置を用いることを特徴とする。
以上のように、本発明のOFDM信号受信装置によれば、伝搬路に存在する遅延波の遅延時間に依ることなく、受信特性を著しく劣化させる遅延波を等化することができる。また、本発明の中継装置によれば、前記OFDM信号受信装置を用いるようにしたから、上位局波を良好かつ安定に中継することができる。
本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置の構成を示すブロック図である。 第1のリーク処理部の構成を示すブロック図である。 キャリヤフィルタと第1のリーク処理部にて用いる窓関数の例を示す図である。 チャネル推定部の構成を示すブロック図である。 第1のリーク処理部の処理を説明する図である。 第2のリーク処理部の構成を示すブロック図である。 第2のリーク処理部にて用いる窓関数の例を示す図である。 本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置を用いた中継装置の構成を示すブロック図である。 (a)は、受信信号の遅延プロファイルを示す図である。(b)は、従来のOFDM信号受信装置(特許文献2)を用いた場合の遅延プロファイルを示す図である。(c)は、図1の本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置を用いた場合の遅延プロファイルを示す図である。 (a)は、受信信号の遅延プロファイルを示す図である。(b)は、従来のOFDM信号受信装置(特許文献2)を用いた場合、および図1の本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置を用いた場合のBER特性を示す図である。 従来技術における通常のOFDM信号受信装置の構成を示すブロック図である。 従来技術における、遅延時間がGI長を越えるマルチパスを等化可能なOFDM信号受信装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明は、伝搬路の推定結果である遅延プロファイル上に現れる、伝搬路には存在しないマルチパス成分、特に、シンボル判定誤りおよびシンボル間での不連続、チャネル推定におけるキャリヤ方向の補間処理などに伴って生じる、キャリヤフィルタの遷移域に相当する遅延時間に現れる不要なマルチパス成分を除去するために、不要なマルチパス成分を除去する窓関数を用いて、遅延プロファイルに対しリーク処理を行うことを特徴とする。これにより、遅延プロファイル上に現れる、伝搬路には存在しない不要なマルチパス成分を除去することができる。したがって、伝搬路に存在する遅延波の遅延時間に依ることなく、受信特性を著しく劣化させる遅延波を等化することができる。つまり、受信特性の劣化を改善することができる。
〔OFDM信号受信装置の構成〕
まず、本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置の構成を示すブロック図である。このOFDM信号受信装置1は、周波数領域等化部10、OFDM復調部20および等化係数算出部30を備えている。なお、周波数領域等化部10の前段に、図示しないBPF(Band Pass Filter:バンドパスフィルタ)、周波数変換部、A/D変換部および直交復調部を備えている。
図示しない周波数変換部は、OFDM信号受信装置1が受信したOFDM信号を、BPFを介して入力し、入力信号をIF信号に周波数変換する。周波数変換部の出力するIF信号はA/D変換部へ入力される。図示しないA/D変換部は、周波数変換部から入力されるIF信号をデジタルIF信号にA/D変換する。A/D変換部の出力するデジタルIF信号は直交復調部に入力される。図示しない直交復調部は、A/D変換部から入力されるデジタルIF信号を直交復調し、等価ベースバンド信号を出力する。直交復調部の出力する等価ベースバンド信号は周波数領域等化部10へ入力される。
周波数領域等化部10は、等化係数算出部30から入力される等化係数を用いて、直交復調部から入力される等価ベースバンド信号を周波数領域において等化し、時間領域の等価ベースバンド信号を出力する。周波数領域等化部10の出力する時間領域の等価ベースバンド信号はOFDM復調部20へ入力される。
OFDM復調部20は、周波数領域等化部10から入力される時間領域の等化ベースバンド信号をOFDM復調し、ビット列を外部へ出力すると共に、FFT後のキャリヤシンボル、チャネル推定により算出したチャネル応答、およびデマッピング後のパラレル信号を等化係数算出部30へ出力する。
等化係数算出部30は、OFDM復調部20から入力されるキャリヤシンボル、チャネル応答およびパラレル信号を用いて、伝搬路には存在しない不要なマルチパス成分を除去した遅延プロファイルを生成し、この遅延プロファイルから等化係数を算出し、周波数領域等化部10へ出力する。
〔周波数領域等化部〕
次に、周波数領域等化部10について詳細に説明する。図1に示すように、周波数領域等化部10は、FFT部11、等化部12およびIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部13を備えている。
FFT部11は、直交復調部から入力される等価ベースバンド信号を、OFDM信号のFFTサイズに対し2のべき乗倍のサイズのポイント数でFFTし、周波数領域信号に変換する。FFT部11の出力する周波数領域信号は等化部12へ入力される。
等化部12は、FFT部11から入力される周波数領域信号を、等化係数算出部30から入力される等化係数で除算し、周波数特性歪みを等化する。すなわち、等化部12は、キャリヤ間隔の2のべき乗分の1の周波数間隔で等化する。等化部12の出力する、周波数特性歪みが等化された周波数領域信号はIFFT部13へ入力される。
IFFT部13は、等化部12から入力される、周波数特性歪みが等化された周波数領域信号を、FFT部11と同じサイズ(OFDM信号のFFTサイズに対し2のべき乗倍のサイズ)のポイント数でIFFTし、時間領域信号(時間領域の等価ベースバンド信号)に変換する。IFFT部13の出力する時間領域の等価ベースバンド信号はOFDM復調部20へ入力される。
〔OFDM復調部〕
次に、OFDM復調部20について詳細に説明する。OFDM復調部20は、図1に示すように、GI除去部21、FFT部22、チャネル推定部23、チャネル等化部24、デマッピング部25およびパラレルシリアル変換部(P/S変換部)26を備えている。
GI除去部21は、周波数領域等化部10から入力される時間領域の等価ベースバンド信号からGIを除去し、OFDM信号の有効シンボル期間に相当する時間幅の等価ベースバンド信号を出力する。GI除去部21の出力する有効シンボル期間の等価ベースバンド信号はFFT部22へ入力される。FFT部22は、GI除去部21から入力される有効シンボル期間の等価ベースバンド信号をOFDM信号のFFTサイズでFFTし、キャリヤシンボルに変換する。FFT部22の出力するキャリヤシンボルは3分配され、チャネル等化部24、チャネル推定部23および等化係数算出部30へ入力される。
チャネル推定部23は、FFT部22から入力されるキャリヤシンボルに基づいて、チャネル応答を推定する。チャネル推定部23の出力するチャネル応答は2分配され、一方がチャネル等化部24へ、他方が等化係数算出部30へ入力される。チャネル推定部23の詳細については後述する。
チャネル等化部24は、FFT部22から入力されるキャリヤシンボルを、チャネル推定部23から入力されるチャネル応答で除算し、チャネル等化を行う。チャネル等化部24の出力する等化後のキャリヤシンボルはデマッピング部25へ入力される。
デマッピング部25は、チャネル等化部24から入力される等化後のキャリヤシンボルをデマッピングし、送信されたキャリヤシンボルを推定して複数ビットからなるパラレル信号を生成する。デマッピング部25の出力するパラレル信号は2分配され、一方がパラレルシリアル変換部26へ、他方が等化係数算出部30へ入力される。パラレルシリアル変換部26は、デマッピング部25から入力されるパラレル信号をシリアル信号に変換し、ビット列を外部へ出力する。
〔等化係数算出部〕
次に、等化係数算出部30について詳細に説明する。等化係数算出部30は、図1に示すように、周波数特性算出部40、等化誤差算出部31、遅延プロファイル算出部50および領域変換部60を備えている。
周波数特性算出部40は、OFDM復調部20から入力されるキャリヤシンボル、チャネル応答およびパラレル信号に基づいて、GI内マルチパスによる歪みが分離された周波数特性(等化後の周波数特性)を算出する。周波数特性算出部40の出力する等化後の周波数特性は等化誤差算出部31へ入力される。
等化誤差算出部31は、周波数特性算出部40から入力される等化後の周波数特性から1を減じ、すなわち、等化後の周波数特性から主波に相当するDC成分を除去し、等化誤差(マルチパスによる歪みの残差を示す周波数特性)を求める。ここで、周波数特性算出部40から入力される等化後の周波数特性は、主波の振幅および位相が正規化されているから、等化誤差算出部31による等化後の周波数特性から主波成分を除去する処理は、全てのキャリヤシンボルにおける複素の周波数特性から単純にDC成分を減算するだけでよい。つまり、等化誤差算出部31は、任意の複素信号(I,Q)から、主波成分(1,0)を減算することにより、等化誤差を求めることができる。等化誤差算出部31の出力する等化誤差は遅延プロファイル算出部50へ入力される。
遅延プロファイル算出部50は、等化誤差算出部31から入力される等化誤差を用いて、伝搬路には存在しない不要なマルチパス成分を除去した遅延プロファイルを算出する。遅延プロファイル算出部50の出力する遅延プロファイルは領域変換部60へ入力される。
領域変換部60はFFT部61を備えており、FFT部61は、遅延プロファイル算出部50から入力される遅延プロファイルを、FFT部11と同じサイズ(OFDM信号のFFTサイズに対し2のべき乗倍のサイズ)のポイント数でFFTし、時間領域の遅延プロファイルを周波数領域の等化係数に変換する。領域変換部60の出力する等化係数は周波数領域等化部10へ入力される。
(周波数特性算出部)
次に、等化係数算出部30の周波数特性算出部40について詳細に説明する。周波数特性算出部40は、図1に示すように、マッピング部41、除算器42および除算器43を備えている。
マッピング部41は、OFDM復調部20から入力されるパラレル信号をマッピングしてキャリヤ変調し、キャリヤシンボルを再生する。マッピング部41の出力するシンボル再生後のキャリヤシンボルは除算器42へ入力される。除算器42は、OFDM復調部20から入力されるキャリヤシンボルを、マッピング部41から入力されるシンボル再生後のキャリヤシンボルで除算し、等化後の周波数特性を算出する。除算器42の出力する等化後の周波数特性は除算器43へ入力される。除算器43は、除算器42から入力される等化後の周波数特性を、OFDM復調部20から入力されるチャネル応答で除算し、GI内マルチパスによる歪みが分離された周波数特性を出力する。除算器43の出力する、GI内マルチパスによる歪みが分離された周波数特性(等化後の周波数特性)は等化誤差算出部31へ入力される。なお、OFDM復調部20のデマッピング部25および周波数特性算出部40のマッピング部41の処理は、デマッピング部25が入力するキャリヤシンボルを、当該キャリヤシンボルに最も近い既知の送信シンボルに置き換える処理であり、等化誤差および白色雑音を除去するという利点がある。しかしながら、周波数特性算出部40は、必ずしもマッピング部41を備える必要はなく、デマッピング部25からパラレル信号を入力する代わりに、チャネル等化部24からチャネル等化後のキャリヤシンボルを入力するようにしてもよい。この場合、除算器42は、OFDM復調部20のFFT部22から入力したキャリヤシンボルを、チャネル等化後のキャリヤシンボルで除算し、等化後の周波数特性を算出する。
(遅延プロファイル算出部)
次に、等化係数算出部30の遅延プロファイル算出部50について詳細に説明する。遅延プロファイル算出部50は、図1に示すように、IFFT部51、適応係数乗算器52、加算器53、遅延部54およびリーク処理部55を備えている。
IFFT部51は、等化誤差算出部31から入力される等化誤差をIFFTし、時間領域の等化誤差に変換する。IFFT部51の出力する時間領域の等化誤差は適応係数乗算器52へ入力される。適応係数乗算器52は、IFFT部51から入力される時間領域の等化誤差に所定の適応係数を乗算する。適応係数乗算器52の出力する時間領域の等化誤差は加算器53へ入力される。
加算器53は、適応係数乗算器52から入力される時間領域の等化誤差に、リーク処理部55から入力される遅延プロファイル(単位更新時間前の遅延プロファイル)を加算し、遅延プロファイルを更新して出力する。加算器53の出力する遅延プロファイルは2分配され、一方が領域変換部60へ、他方が遅延部54へ入力される。遅延部54は、加算器53から入力される遅延プロファイルを、単位更新時間遅延させて出力する。遅延部54の出力する遅延プロファイルはリーク処理部55へ入力される。リーク処理部55は、遅延部54から入力される遅延プロファイルに対し、実部および虚部それぞれにリーク処理を施す。リーク処理部55の出力する遅延プロファイルは加算器53へ入力される。
(第1のリーク処理部)
次に、図1に示した等化係数算出部30の遅延プロファイル算出部50に備えたリーク処理部55について詳細に説明する。リーク処理部55は、伝搬路には存在しないマルチパス成分、特に、シンボル判定誤りおよびシンボル間での不連続、チャネル推定部23におけるキャリヤ方向の補間処理などに伴って生じる、キャリヤフィルタの遷移域に相当する遅延時間に現れる不要なマルチパス成分および雑音成分を除去する。まず、第1のリーク処理部55について説明する。図2は、第1のリーク処理部55の構成を示すブロック図である。この第1のリーク処理部55−1は、符号判定器71、窓関数乗算器72および減算器73を備えている。リーク処理部55−1は、遅延部54から入力される遅延プロファイルp(n)の実部または虚部ごとに、リーク処理を施す。なお、実部に対する処理と虚部に対する処理は同じである。
遅延部54の出力する遅延プロファイルp(n)は実部または虚部ごとに2分配され、一方が符号判定器71へ、他方が減算器73へ入力される。符号判定器71は、遅延部54から入力される遅延プロファイルp(n)の符号を判定し、正の場合は「1」を出力し、負の場合は「−1」を出力する。符号判定器71の出力する符号は窓関数乗算器72へ入力される。
窓関数乗算器72は、符号判定器71から入力される符号に、予め決められた窓関数を乗算する。窓関数乗算器72の出力する乗算結果は減算器73へ入力される。減算器73は、遅延部54から入力される遅延プロファイルp(n)から、窓関数乗算器72から入力される乗算結果を減算する。リーク処理部55−1は、この減算結果をリーク処理後の遅延プロファイルq(n)として出力する。
リーク処理部55−1の出力するリーク処理後の遅延プロファイルがq(n)であり、遅延部54から入力される遅延プロファイルがp(n)である。符号判定器71から入力される、実部の遅延プロファイルp(n)の符号をsign(Re{p(n)})、窓関数をw(n)とすると、実部の遅延プロファイルq(n)は、以下の式で表される。
Re{q(n)}=p(n)−sign(Re{p(n)})・w(n) ・・・(1)
図3は、キャリヤフィルタと第1のリーク処理部55−1にて用いる窓関数w(n)の例を示す図である。また、図4は、図1に示したチャネル推定部23の構成を示すブロック図である。図3を参照して、このキャリヤフィルタは、図1に示したチャネル推定部23においてキャリヤ方向の補間を行う際の周波数領域信号に対するフィルタであり、横軸を時間、縦軸を振幅として、その通過帯域を示している。
ここで、図1に示したチャネル推定部23について詳細に説明する。図4を参照して、このチャネル推定部23は、SP抽出部231、SP生成部232、除算器233および補間部234を備えている。SP抽出部231は、図1に示したFFT部22から入力されるキャリヤシンボルのうち、予め決められたシンボル番号およびサブキャリヤ番号のキャリヤシンボルとして伝送されたパイロット信号であるSP信号を抽出する。SP抽出部231の出力するSP信号は、受信SP信号として除算器233へ入力される。
SP生成部232は、予め決められた振幅および位相を持つパイロット信号であるSP信号を生成する。SP生成部232が出力するSP信号は、送信SP信号として除算器233へ入力される。除算器233は、SP抽出部231から入力される受信SP信号を、SP生成部232から入力される送信SP信号で除算し、SP信号が伝送されるシンボルおよびサブキャリヤにおけるチャネル応答を求める。除算器233が出力するチャネル応答は補間部234へ入力される。補間部234は、除算器233から入力される、SP信号が伝送されるシンボルおよびサブキャリヤにおけるチャネル応答を、シンボル方向およびサブキャリヤ方向に補間し、OFDM信号の全サブキャリヤにおけるチャネル応答を算出する。このように、チャネル推定部23の補間部234において、チャネル応答に対してキャリヤ方向の補間処理が行われる。
図3に戻って、キャリヤフィルタは、図4に示したチャネル推定部23の補間部234におけるキャリヤ方向の補間処理を行う際のイメージ成分除去のためのものであり、GI長の時間幅を有する通過域と、当該通過域の時間帯の両側に位置する所定範囲の遷移域と、遷移域の時間帯の片側に位置する阻止域とからなる台形状の特性を有する。ここで、通過域は、キャリヤ方向の補間処理が行われる周波数軸のチャネル応答を時間軸の遅延プロファイルで表した場合に、マルチパス成分が出力される領域を示す。また、阻止域は、補間処理の対象にならない領域であり、遅延プロファイルのマルチパス成分が出力されない領域である。また、遷移域は、通過域と阻止域の間の周波数帯域であり、マルチパス成分は振幅が小さくなって出力される領域である。
キャリヤフィルタとしては、通過域および阻止域のみからなる矩形状の特性を有することが理想的であるが、実際には図3に示すように、GI長の時間幅の通過域の両側に、1未満の応答特性をもつ遷移域が存在することになる。
図1及び図4に示したチャネル推定部23は、本来的には、GI長内のマルチパスの歪みとGI長外のマルチパスの歪みとを分離し、チャネル応答を推定する機能を有するが、実際は、図3のキャリヤフィルタの特性のように、遷移域が存在することから、両歪みを完全に分離することができず、不要な成分が残存してしまう。
そこで、リーク処理部55−1は、図3に示すような窓関数w(n)を用いて、遅延プロファイルにおいて遷移域に相当する遅延時間に現れる不要なマルチパス成分を除去する。この窓関数w(n)は、キャリヤフィルタの遷移域においてa1が設定されており、それ以外の領域において、a1よりも小さいa2が設定されている。すなわち、a1>a2である。
図5は、リーク処理部55−1の処理を説明する図である。図5に示すように、リーク処理部55−1が、遷移域において振幅b1のマルチパス成分を有する遅延波(1)、それ以外の領域において振幅b1のマルチパス成分を有する遅延波(2)および振幅b2のマルチパス成分を有する遅延波(3)を含む遅延プロファイルp(n)を入力する場合を想定する。遅延波(1)(2)は、振幅b1を有する実部の遅延プロファイルとし、遅延波(3)は、振幅b2を有する虚部の遅延プロファイルとする。なお、図5は、説明の便宜上、b2を負の値として扱う。
リーク処理部55−1の符号判定器71は、この遅延プロファイルp(n)の遅延波の符号を判定し、窓関数乗算器72は、図3に示した窓関数w(n)を用いて、遅延波(1)についてa1を出力し、遅延波(2)についてa2を出力し、遅延波(3)について−a2を出力する。そして、減算器73は、遅延波(1)について(b1−a1)の振幅を演算し、遅延波(2)について(b1−a2)を演算し、遅延波(3)について(b2−(−a2))を演算し、遅延プロファイルq(n)を出力する。
図5に示すように、リーク処理部55−1によるリーク処理後の遅延プロファイルq(n)における遷移域の遅延波(1)は、他の領域よりも振幅が抑制されたものとなる。つまり、リーク処理部55−1は、入力した遅延プロファイルp(n)に対し、窓関数w(n)を用いて、遷移域における遅延波の振幅を他の領域よりも抑制するための処理を行い、遅延プロファイルq(n)を生成する。
このように、リーク処理部55−1によれば、入力した遅延プロファイルp(n)に対し、伝搬路には存在しないマルチパス成分、特に、シンボル判定誤りおよびシンボル間での不連続、チャネル推定部23においてキャリヤ方向の補間処理に伴って生じる、キャリヤフィルタの遷移域(GI長の時間帯域の両側)に相当する遅延時間に現れる不要なマルチパス成分を、窓関数w(n)を用いてより除去するようにした。これにより、キャリヤフィルタの遷移域に相当する遅延時間に、伝搬路には存在しない遅延波成分が現れた場合であっても、リーク処理によりその遅延波成分の絶対値が小さくなるように遅延プロファイルが更新されるから、不要な遅延波成分が継続的に現れることがなくなる。したがって、伝搬路に存在する遅延波の遅延時間に依ることなく、受信特性を著しく劣化させる遅延波を等化することができる。つまり、受信特性の劣化を改善することができる。
(第2のリーク処理部)
次に、第2のリーク処理部55について説明する。図6は、第2のリーク処理部55の構成を示すブロック図である。この第2のリーク処理部55−2は乗算器74を備えている。
遅延部54の出力する遅延プロファイルp(n)は、乗算器74へ入力される。乗算器74は、遅延部54から入力される遅延プロファイルp(n)に、予め決められた窓関数v(n)を乗算する。リーク処理部55−2は、この乗算結果をリーク処理後の遅延プロファイルq(n)として出力する。
リーク処理部55−2の出力するリーク処理後における遅延プロファイルq(n)は、遅延部54から入力される遅延プロファイルをp(n)、予め決められた窓関数をv(n)とすると、以下の式で表される。
q(n)=p(n)・v(n) ・・・(2)
図7は、第2のリーク処理部55−2にて用いる窓関数v(n)の例を示す図である。リーク処理部55−2は、図7に示すような窓関数v(n)を用いて、遅延プロファイルにおいて遷移域に現れる不要なマルチパス成分を除去する。この窓関数v(n)は、キャリヤフィルタの遷移域においてc2が設定されており、それ以外の領域において、c2よりも大きいc1が設定されている。すなわち、c1>c2である。c1およびc2は、いずれも1よりも小さい値である。
この窓関数v(n)を用いることにより、リーク処理部55−2のリーク処理後の遅延プロファイルq(n)における遷移域の遅延波は、他の領域よりも振幅が抑制されたものとなる。つまり、リーク処理部55−2は、入力した遅延プロファイルp(n)に対し、窓関数v(n)を用いて、遷移域における遅延波の振幅を抑制するための処理を行い、遅延プロファイルq(n)を生成する。
このように、リーク処理部55−2によれば、入力した遅延プロファイルp(n)に対し、伝搬路には存在しないマルチパス成分、特に、シンボル判定誤りおよびシンボル間での不連続、チャネル推定部23においてキャリヤ方向の補間処理に伴って生じる、キャリヤフィルタの遷移域(GI長の時間帯域の両側)に相当する遅延時間に現れる不要なマルチパス成分を、窓関数v(n)を用いてより除去するようにした。これにより、リーク処理部55−1と同様の効果を奏する。すなわち、伝搬路に存在する遅延波の遅延時間に依ることなく、受信特性を著しく劣化させる遅延波を等化することができ、受信特性の劣化を改善することができる。
〔OFDM受信装置を用いた中継装置〕
次に、図1に示したOFDM信号受信装置1を用いた中継装置について説明する。図8は、中継装置の構成を示すブロック図である。この中継装置2は、受信アンテナ131、受信フィルタ132、周波数変換部133、A/D変換部134、直交復調部135、周波数領域等化部10、OFDM復調部20、等化係数算出部30、選択部136、IFFT部137、GI付加部138、直交変調部139、D/A変換部140、周波数変換部141、送信フィルタ142および送信アンテナ143を備えている。受信アンテナ131、受信フィルタ132、周波数変換部133、A/D変換部134、直交復調部135、周波数領域等化部10、OFDM復調部20および等化係数算出部30は、図1に示したOFDM信号受信装置1に相当する構成部である。なお、図1では、受信アンテナ131から直交復調部135までの構成を省略してある。
上位局から送信された希望波(OFDM波)は、図1に示したOFDM信号受信装置1を備える放送波中継局の中継装置2において、受信アンテナ131を介して受信される。受信アンテナ131から出力された受信信号は、フィーダーケーブルを通して受信フィルタ132であるBPFに入力され、希望波の周波数帯域外の不要な信号成分が除去される。受信フィルタ132の出力信号は、周波数変換部133に入力され、その出力レベルが一定になるようにAGC増幅された後、周波数変換され、A/D変換部134および直交復調部135を介して等価ベースバンド信号として周波数領域等化部10へ入力される。
周波数領域等化部10、OFDM復調部20および等化係数算出部30は、前述したので説明を省略する。OFDM復調部20に備えたチャネル等化部24(図1を参照)の出力信号であるチャネル等化後のキャリヤシンボルは、選択部136へ入力される。また、等化係数算出部30に備えたマッピング部41(図1を参照)の出力信号であるマッピング(シンボル再生)後のキャリヤシンボルは、選択部136へ入力される。
選択部136は、OFDM復調部20から入力されるチャネル等化後のキャリヤシンボルまたは等化係数算出部30から入力されるマッピング後のキャリヤシンボルのうちのいずれか一方を、所定の設定に従って選択する。選択部136の出力するキャリヤシンボルはIFFT部137へ入力される。IFFT部137は、選択部136から入力されるキャリヤシンボルをIFFTし、時間領域信号に変換する。IFFT部137の出力する時間領域信号はGI付加部138へ入力される。
GI付加部138は、IFFT部137から入力される時間領域信号について、OFDMシンボルの先頭にGIを付加する。GI付加部138の出力する時間領域信号は直交変調部139へ入力される。直交変調部139は、GI付加部138から入力される時間領域信号である等価ベースバンド信号を直交変調し、デジタルIF信号に変換する。直交変調部139の出力するデジタルIF信号はD/A変換部140へ入力される。
D/A変換部140は、直交変調部139から入力されるデジタルIF信号をアナログIF信号に変換する。D/A変換部140の出力するアナログIF信号は周波数変換部141へ入力される。周波数変換部141は、D/A変換部140から入力されるアナログIF信号をRF帯の信号に周波数変換し、一定レベルになるように増幅する。周波数変換部141の出力するRF信号は送信フィルタ142へ入力される。送信フィルタ142は、周波数変換部141から入力されるRF信号について、帯域外の不要輻射成分を除去する。送信フィルタ142の出力する信号は、フィーダーケーブルを通して送信アンテナ143へ供給され、電波となって放射される。
〔実験結果〕
次に、実験結果(室内実験による結果)について説明する。図9は、第1の実験結果を示す図である。(a)は、受信信号の遅延プロファイルを示し、(b)は、従来のOFDM信号受信装置(特許文献2)を用いた場合の遅延プロファイルを示し、(c)は、図1の本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置1を用いた場合の遅延プロファイルを示している。(a)に示すように、本実験では、主波の他、D/U 3dB、遅延時間60μsの遅延波およびD/U 15dB、遅延時間180μsの遅延波が受信されるマルチパスの環境を想定している。ここで、GI長は126μsであり、遅延時間180μsの遅延波(α1)が受信特性を劣化させる遅延波である。
(b)に示すように、従来のOFDM信号受信装置(特許文献2)を用いた場合の遅延プロファイルでは、遅延時間180μsの遅延波(β1)は抑圧できているが、約60μs,120μs,180μsおよび−70μsに不要な遅延波成分(β2〜β5)が生成されていることがわかる。特に、180μs付近の遅延波成分(β4)はGI長を越えているため、受信特性を劣化させてしまう。
これに対し、(c)に示すように、図1の本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置1を用いた場合の遅延プロファイルでは、等化残差成分は存在するが、−40dBを越える不要波成分は存在しないことがわかる。
図10は、第2の実験結果を示す図である。(a)は、受信信号の遅延プロファイルを示し、(b)は、従来のOFDM信号受信装置(特許文献2)を用いた場合、および図1の本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置1を用いた場合のBER特性、すなわちマルチパスの等化特性を示している。(a)に示すように、本実験では、主波の他、126μsのGI長内の遅延時間範囲に2つの遅延波(α1,α2)、および、GI長を越える遅延時間範囲に1つの遅延波(β1)の合計3つの遅延波が受信されるマルチパスの環境を想定している。
(b)は、従来のOFDM信号受信装置(特許文献2)を用いた場合、および図1の本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置1を用いた場合における、内符合復号後のBERの時間経過を示している。このBER特性から、従来のOFDM信号受信装置では、11分過ぎにBERの劣化が生じ、その後断続的に所要BER(2×10−4)を上回っている。これに対し、本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置1では、BERの劣化が生じることなく、安定して所要BERを下回っていることがわかる。
以上のように、本発明の実施形態によるOFDM信号受信装置1によれば、リーク処理部55が、遅延プロファイル上の伝搬路には存在しないマルチパス成分、特に、シンボル判定誤りおよびシンボル間での不連続、チャネル推定部23においてキャリヤ方向の補間処理に伴って生じる、キャリヤフィルタの遷移域(GI長の時間帯域の両側)に相当する遅延時間に現れる不要なマルチパス成分を、窓関数w(n),v(n)を用いて除去するようにした。これにより、伝搬路に存在する遅延波の遅延時間に依ることなく、受信特性を著しく劣化させる遅延波を等化することができ、受信特性の劣化を改善することができる。また、本発明の実施形態による中継装置2によれば、OFDM信号受信装置1を用いるようにしたから、上位局波を良好かつ安定に中継することができる。
1,200,201 OFDM信号受信装置
2 中継装置
10 周波数領域等化部
11,22,61,215,225 FFT部
12 等化部
13,51,137 IFFT部
20 OFDM復調部
21,214 GI除去部
23,216 チャネル推定部
24,217 チャネル等化部
25,218 デマッピング部
26,219 パラレルシリアル変換部
30 等化係数算出部
31 等化誤差算出部
40 周波数特性算出部
41,222 マッピング部
42,43,223,233 除算器
50 遅延プロファイル算出部
52 適応係数乗算器
53 加算器
54 遅延部
55 リーク処理部
60 領域変換部
71 符号判定器
72 窓関数乗算器
73,220 減算器
74 乗算器
131 受信アンテナ
132 受信フィルタ
133,141,211 周波数変換部
134,212 A/D変換部
135,213 直交復調部
136 選択部
138 GI付加部
139 直交変調部
140 D/A変換部
142 送信フィルタ
143 送信アンテナ
221 適応フィルタ部
224 フィルタ係数制御部
231 SP抽出部
232 SP生成部
234 補間部

Claims (6)

  1. OFDM信号を受信して復調し、ビット列を出力するOFDM信号受信装置であって、
    前記OFDM信号を直交復調して算出された等価ベースバンド信号をFFTし、等化係数を用いてキャリヤ間隔の2のべき乗分の1の周波数間隔で等化し、IFFTして時間領域の等価ベースバンド信号を出力する周波数領域等化部と、
    前記周波数領域等化部により出力された時間領域の等価ベースバンド信号からGIを除去した後にFFTしてキャリヤシンボルを生成し、前記キャリヤシンボルに基づいてチャネル推定を行ってチャネル応答を生成し、前記キャリヤシンボルおよびチャネル応答からチャネル等化後のキャリヤシンボルを生成し、OFDM復調によりビット列を出力するOFDM復調部と、
    前記周波数領域等化部にて用いる等化係数を算出する等化係数算出部と、を備え、
    前記等化係数算出部は、周波数特性算出部、等化誤差算出部、遅延プロファイル算出部および領域変換部を有し、
    前記周波数特性算出部は、前記チャネル等化後のキャリヤシンボルからシンボル再生後のキャリヤシンボルを生成し、前記FFTにより生成されたキャリヤシンボルを前記シンボル再生後のキャリヤシンボルで除算して第1の周波数特性を求め、前記第1の周波数特性を前記チャネル応答で除算して第2の周波数特性を求め、
    前記等化誤差算出部は、前記第2の周波数特性から主波成分を除去して等化誤差を求め、
    前記遅延プロファイル算出部は、前記等化誤差に基づいて遅延プロファイルを算出し、
    前記領域変換部は、前記遅延プロファイルをFFTし、前記周波数領域等化部にて用いる等化係数を求め、
    前記遅延プロファイル算出部は、
    前記等化誤差を時間領域の等化誤差に変換するIFFT部、
    前記時間領域の等化誤差に適応係数を乗算する乗算器、
    単位更新時間前の遅延プロファイルを入力し、前記遅延プロファイルに、前記乗算器により乗算された等化誤差を加算して遅延プロファイルを更新する加算器、
    前記更新された遅延プロファイルを、前記単位更新時間遅延させて出力する遅延部、および、
    前記遅延部の出力する遅延プロファイルに対し、遅延波の振幅を減少させるためのリーク処理を施すリーク処理部を有し、
    前記OFDM復調部が、前記キャリヤシンボルに基づいてチャネル推定を行う際に、前記キャリヤシンボルから抽出したパイロット信号および予め決められたパイロット信号からチャネル応答を求め、前記チャネル応答をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間するときの、前記キャリヤ方向の補間を行うキャリヤフィルタが、GI長の時間幅を持つ通過域と、前記通過域の両側に位置する所定範囲の遷移域と、前記遷移域の片側に位置する阻止域とからなる場合に、
    前記リーク処理部は、
    前記遷移域に相当する遅延時間における遅延波の振幅を、前記通過域および阻止域に相当する遅延時間における遅延波の振幅よりも減少させる、ことを特徴とするOFDM信号受信装置。
  2. 請求項1に記載のOFDM信号受信装置において、
    前記リーク処理部は、
    前記遅延プロファイルの符号を判定する符号判定器、
    前記符号判定器により判定された符号に、予め決められた窓関数の値を乗算する窓関数乗算器、および
    前記遅延プロファイルから前記窓関数乗算器の乗算結果を減算する減算器を有することを特徴とするOFDM信号受信装置。
  3. 請求項2に記載のOFDM信号受信装置において、
    前記窓関数乗算器の窓関数は、前記遷移域における第1の値と、前記通過域および阻止域における第2の値とを有し、前記第1の値が前記第2の値よりも大きくなるように予め決められている、ことを特徴とするOFDM信号受信装置。
  4. 請求項1に記載のOFDM信号受信装置において、
    前記リーク処理部は、
    前記遅延プロファイルに、予め決められた窓関数の値を乗算する乗算器を有することを特徴とするOFDM信号受信装置。
  5. 請求項4に記載のOFDM信号受信装置において、
    前記乗算器で乗算する窓関数は、前記遷移域における第1の値と、前記通過域および阻止域における第2の値とを有し、前記第1の値及び前記第2の値が1よりも小さく、かつ、前記第1の値が前記第2の値よりも小さくなるように予め決められている、ことを特徴とするOFDM信号受信装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載のOFDM信号受信装置を用いる中継装置。
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