JP2012153733A - 展着剤組成物 - Google Patents

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幸永 田村
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Abstract

【課題】農薬の展着性を向上させ、かつ安全性に優れた展着剤組成物が提供すること。
【解決手段】一般式(1)の化合物(例えば、株式会社旭化成ケミカルズ社製のペリセア(登録商標))を含有する展着剤組成物。
【化1】
Figure 2012153733

(上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は、カルボン酸基或いはスルホン酸基を有してもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示す。
Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、又はそれらの塩を示す。Zは−NR'−(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示す。j、kは0、1、2のいずれかであり、且つj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは置換基を有していてもよい分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の化合物を含む農薬用の展着剤組成物に関する発明である。
一般に農薬は、散布により植物あるいは害虫などの動物に均一に付着もしくは吸収されることで除草、害虫駆除、病害予防などの効果が発揮される。しかし、植物や害虫の表面は一般に水をはじきやすく、農薬の散布で期待される効果が得られないという問題が生じる。そこでこの欠点を補うため、農薬を濡れ広がりやすくし、浸透させることを目的とし、農薬用の展着剤が農業分野で広く使用されている。
特許文献1には、特定のアルキレンオキシド付加型の非イオン界面活性剤を農薬用展着剤に用いることが記載されている。
特許第2959949号
特許文献1に示す非イオン界面活性剤を用いた農薬用展着剤より、更に展着性と安全性に優れた農薬用展着剤が求められていた。
本発明は、農薬の展着性を向上させ、かつ安全性に優れた展着剤組成物の提供を目的とするものである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物、即ち、分子内に疎水基と親水基とを複数有する特定の化合物を含む組成物とすることで上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は下記に示す通りである。
[1] 下記一般式(1)で示される化合物を含有する展着剤組成物。
Figure 2012153733
(上記一般式(1)において、R1は、炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は、水素又は、カルボン酸基或いはスルホン酸基を有してもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示す。Yは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、又はそれらの塩を示す。Zは、−NR'−(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示す。j、kは0、1、2のいずれかであり、且つj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは、置換基を有していてもよい分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
[2] 前記一般式(1)中のXの炭素数が、1〜40である[1]に記載の展着剤組成物。
[3] 前記一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(2)で示される化合物である[1]又は[2]に記載の展着剤組成物。
Figure 2012153733
(上記一般式(2)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は、カルボン酸基或いはスルホン酸基を有してもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示す。Yは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、又はそれらの塩を示す。Zは、−NR'−(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示す。X'は、カルボキシル基又はその塩、−NHR'基(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示す。j、kは0、1、2のいずれかであり、且つj、kは同時に0ではない。)
[4] 溶媒を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の展着剤組成物。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の展着剤組成物を含む農薬組成物。
本発明の組成物は、農薬の展着性を向上させ、かつ安全性に優れる効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、特定の一般式(1)で示される化合物を含有する組成物である。
[一般式(1)に示す化合物]
下記一般式(1)で示される化合物について説明する。
Figure 2012153733
一般式(1)において、R1は飽和または不飽和の置換基で置換されていてもよい炭素数1〜23の炭化水素基である。好ましくは、炭素数が7から17の炭化水素基である。R1は、直鎖、分岐鎖、又は環状鎖(芳香族炭化水素鎖)のいずれでもよい。
一般式(1)において、R2は水素又は、カルボン酸基或いはスルホン酸基を有してもよい炭素数1〜3の炭化水素基である。
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基及びスルホエチル基等を挙げることができる。
2は、好ましくは、水素である。
一般式(1)において、Yは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、又はそれらの塩である。好ましくは、カルボキシル基又はその塩である。
Yは、種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。塩を形成しうる塩基性物質の具体例を以下に挙げる。
アルカリ金属としては、特に限定されないが、ナトリウム、カリウム及びリチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム及びマグネシウム等が挙げられる。上記以外の金属としては、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン及びジルコニウム、銀等が挙げられる。
また、その他の塩を形成しうる塩基性物質としては、特に限定されないが、有機アミン、塩基性アミノ酸、アンモニア、多価金属等が挙げられる。
有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
塩基性アミノ酸としては、アルギニン及びリジンが挙げられる。
その他にも、多価金属等が挙げられる。
また、一般式(1)において、Yは、上記の塩基性物質から形成される2種以上の塩を含んでいてもよい。
一般式(1)において、Zは、−NR'−(R'は水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−である。
一般式(1)において、j、kは0、1、2のいずれかであり、且つj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。
次に一般式(1)中のXについて説明する。
Xは、置換基を有していてもよい分子量100万以下の炭化水素鎖である。Xは、直鎖でも分枝鎖でも環状鎖でも芳香族炭化水素鎖でもよい。また、Xが置換基を有する場合は、置換基がカルボキシル基であることが好ましい。Xの炭素数は、好ましくは1〜40であり、分子量は28〜2000が好ましい。
また、Xがカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基及びリン酸エステル基等を含む場合は、種々の塩基性物質との間に塩を形成してもよい。塩を形成しうる金属及びその他の塩基性物質としては、上記のものが挙げられる。また、一般式(1)中の括弧内の部分はn個あり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)で示される化合物は、親水基であるYを2つ以上有し、疎水基であるアシル基R1COを2つ以上有する、化合物である。
下記一般式(2)で示される化合物は、一般式(1)で示される化合物における、n=2の場合のジェミニ型の界面活性剤の一例である。その化合物を用いた組成物は、特に好ましい。
Figure 2012153733
上記一般式(2)において、X'は、カルボキシル基又はその塩、−NHR'基(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示す。また、R1、R2、Y、Z、j、kは一般式(1)と同様である。
例えば、このような化合物としては市販品として「ペリセア(登録商標)L−30」(旭化成ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
なお、本発明の組成物を、水を含まずに用いる場合、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物は、Yがカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基であることが、溶解性の観点から、好ましい。これらの化合物は例えば、後述の製法において、反応後に中和しないで得ることができる。
[一般式(1)に示す化合物の製法]
前記一般式(1)で示される化合物の製造方法としては、下記一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基をm個(mはn以上)有する分子量100万以下の化合物(以下、m価の化合物とする)とを反応させて、前記一般式(1)で示される化合物を得る方法が挙げられる。
Figure 2012153733
上記一般式(3)において、R1、R2、j、kは一般式(1)と同様である。
一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物とは、N−アシル化された酸性アミノ酸の無水物である。N−アシル酸性アミノ酸無水物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよい。
特に、L−体であるL−酸性アミノ酸が、生分解性に優れることから好ましい。
酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基の数がアミノ基より多いものである。例えば、カルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個であるモノアミノジカルボン酸などが挙げられる。
アミノ基の水素は、炭素数1〜3の炭化水素基で置換されていてもよい。
N−アシル化された酸性アミノ酸の具体例としては、N−アシルグルタミン酸、N−アシルアスパラギン酸が挙げられる。
一般式(3)の具体例としてはN−アシルグルタミン酸、N−アシルアスパラギン酸の無水物が挙げられる。
m価の化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基をm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)有する分子量100万以下の化合物である。ここで、m価の化合物は、m個の官能基に由来する結合を作り得る。つまり、ヒドロキシル基は、エステル結合を作り、アミノ基は酸アミド結合を作り、チオール基はチオエステル結合を作ることができる。また、この化合物は上記の官能基以外の置換基を有していてもよい。
このようなm価の化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。分子内にヒドロキシル基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
2価のヒドロキシル化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシケイ皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等が挙げられる。
3価のヒドロキシル化合物としては、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びトリヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
4価のヒドロキシル化合物としては、ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン及びソルビタン等が挙げられる。
5価のヒドロキシル化合物としては、アドニトール、アラビトール、キシリトール及びトリグリセリン等が挙げられる。
6価のヒドロキシル化合物としては、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース及びアロース等が挙げられる。
または、上記の2〜6価のヒドロキシル化合物の脱水縮合物やポリグリセリン等が挙げられる。
また、m価のポリヒドロキシル化合物として、糖類も挙げられる。以下にその具体例を挙げる。
テトロースとしては、エリスロース、スレオース及びエリスルロース等が挙げられる。
ペントースとしては、リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース及びリブロース等が挙げられる。
単糖類としては、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース及びタガトース等のヘキソース等が挙げられる。
オリゴ糖類としては、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース及びスタキオース等が挙げられる。
その他の糖類としては、ヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル及びグリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン及びキトサン等の多糖類又は上記の糖類を加水分解したものでもよい。
分子内にアミノ基を2個以上有する化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
脂肪族ジアミン類としては、N,N'−ジメチルヒドラジン、エチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノアジピン酸、ジアミノプロパン酸、ジアミノブタン酸等が挙げられる。
脂肪族トリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミン等が挙げられる。
脂環族ポリアミン類としては、ジアミノシクロブタン、ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン及びトリアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族ポリアミン類としては、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリアミン類としては、ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン等が挙げられる。また、ジアミノヒドロキシプロパンのように、上記のアミン類誘導体にヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
また、アミノ酸類としては、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン及びオキシプロリン等が挙げられる。これらのアミノ酸は、タンパク質やペプチド等、又はそれらを加水分解したもの等でもよい。
分子内にチオール基を2個以上有する化合物の具体例としては、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール及びジチオトレイトール等のジチオール化合物類等を挙げることができる。ここで、m価の化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる官能基を2種以上有していてもよい。その例を以下で挙げる。
分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物としては、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール及びグルコサミン等が挙げられる。
分子内にチオール基とヒドロキシル基を有する化合物としては、メルカプトエタノール、メルカプトフェノール、メルカプトプロパンジオール及びグルコチオース等が挙げられる。
分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物としては、アミノチオフェノール及びアミノトリアゾールチオール等が挙げられる。
m価の化合物は、光学異性体であるD−体、L−体、ラセミ体のいずれであってもよく、各異性体であってもよい。
また、m価の化合物の中でも、炭素数1〜40のものが好ましい、さらに好ましくは炭素数1〜20のものである。
また、天然に存在する化合物の方が、生分解性に優れているため、m価の化合物としては、アミノ酸類、ペプチド類、糖類等が好ましい。
N−アシル酸性アミノ酸無水物とm価の化合物とを反応させる際、溶媒を使用してもよい。反応の際に使用する溶媒としては、水、水と有機溶媒との混合溶媒、又はテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム及びアセトン等の不活性溶媒が挙げられる。反応温度としては、−5℃〜200℃、かつ上記化合物の融点以上の温度で混合し、反応させることが好ましい。
一般式(1)で示される化合物の別の製造方法としては、N−アシル酸性アミノ酸無水物ではなくN−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)と、上記のm価の化合物とを反応させて、前記一般式(1)で示される化合物を得る方法が挙げられる。
例えば、N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステルとm価の化合物とを、ジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中に溶解し、炭酸カリウム等の触媒を加え、減圧下において−5℃〜250℃で加熱反応させた後、反応溶媒を除去することによって、前記一般式(1)で示される化合物が得られる。また、溶媒を用いずに無溶媒で加熱溶融し、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて室温〜250℃でエステル交換反応させることによっても前記一般式(1)で示される化合物を得ることができる。
[展着剤組成物]
本発明の展着剤組成物において、前記一般式(1)で示す化合物は組成物中の添加量が0.0001%〜100%であることが好ましい。
本発明の展着剤組成物の使用方法は、展着剤組成物をあらかじめ含有する各種剤型の農薬組成物を使用する方法と、農薬を希釈する際に展着剤組成物を混合して使用する方法がある。どちらの方法にても本発明の目的とする優れた農薬の展着効果が得られる。
本発明の展着剤組成物は溶媒を含んでもよい。溶媒としては水、有機溶媒等が挙げられ、好ましくは水である。溶媒は複数の溶媒の混合溶媒でもよい。
また、溶媒は分散媒として用いられてもよい。
本発明の展着剤組成物には、必要に応じて各種物質を添加して用いることができる。例えば、固着剤、分散剤、消泡剤、保存料・殺菌料、安定化剤、界面活性剤、高分子化合物等が挙げられる。
固着剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、カゼイン等が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩等が挙げられる。
消泡剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、脂肪酸、金属石鹸、水に不溶のアルコール及びグリコール類、シリコーン、変性シリコーン、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。
保存料・殺菌料としては、特に限定されるものでないが、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラベン類、イソチアゾリン化合物等が挙げられる。消泡剤の添加量は本発明の展着剤組成物100質量部に対して、好ましくは0.001〜1.0質量部、より好ましくは、0.005〜0.8質量部である。
安定化剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ソーダ、キサンタンガム等が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキル(又はアリール)エーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アセチレングリコール系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホサクシネート、リグニンスルホン酸塩、ポリナフチルスルホン酸塩、アシルアミノ酸およびその塩、等のアニオン系界面活性剤、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩類等のカチオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
高分子化合物としては、特に限定されるものでないが、例えば、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。
本発明において、添加成分は1種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の展着剤組成物は種々の作物に対して薬害はなく安全に使用できるものである。
[農薬組成物]
本発明の農薬組成物は本発明の展着剤組成物と、農薬原体とを含有するものである。ここで、農薬原体とは農薬の有効成分である。本発明の農薬組成物は、本発明の展着剤組成物と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、及び植物成長調節剤から選択される何れかの農薬原体とを含有する。農薬原体の対象物は、殺菌剤は菌、殺虫剤は病害虫(昆虫)、殺ダニ剤はダニ、除草剤は雑草(農作物に該当しない植物)、植物成長調節剤は農作物(栽培目的となる植物)であり、これらの複数が対象物となってもよい。
本発明の展着剤組成物は、本発明の農薬組成物の製造に用いられる。この場合、展着剤組成物は、農薬組成物を構成する成分の1つとして農薬組成物を製造する一連の工程の何れかにおいて配合(内添)してもよいし、別途調製された農薬組成物に更に配合(外添)してもよい。農薬組成物中の展着剤組成物の添加量は好ましくは1ppm〜50%、より好ましくは10ppm〜20%である。
また、本発明の農薬組成物の製剤型は、特に限定されず乳剤、液剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル製剤等のいずれでもよい。従って、その製剤型に応じた添加剤、例えば乳化剤、溶剤、分散剤、担体等を含んでもよい。本発明の農薬組成物は、製剤型に応じた方法で対象に適用される。例えば、農薬組成物を水で希釈して植物に散布する、農薬組成物の適用方法がある。
本発明の農薬組成物に用いられる農薬原体としては、例えば、農薬ハンドブック2001年度版(社団法人 日本植物防疫協会)に記載のものが挙げられる。
殺菌剤としては、硫黄系のジネブ(亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、マンネブ(マンガンエチレンビスジチオカーバメート)、ベンズイミダゾール系としてはベノミル(メチル−1−(ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカーバメート)、ジカルボキシイミド系のビンクロゾリン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン)、
イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)、プロシミドン(N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド)、他にトリアジン(2,4−ジクロロ−6−(2−クロロアニリノ)−1,3,5−トリアジン)、トリフミゾール((E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N −(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン)−o−トルイジン)、
メタラキシル(メチル−N−(2−メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−D,L−アラニネート)、有機銅(Oxine−copper)、水酸化第二銅(コサイドボルドー等)、抗生物質系殺菌剤(ストレプトマイシン系、テトラサイクリン系、ポリオキシ系、ブラストサイジンS、カスガマイシン系、バリダマイシン系)等があり、好適なものとしては、有機銅(Oxine−copper),水酸化第二銅,トリフミゾール((E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン)−o−トルイジン),イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)が挙げられる。
殺虫剤の場合、ピレスロイド系殺虫剤としては、ペルメトリン((3−フェノキシベンジル=(1RS,3RS)−(1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート)、有機リン系殺虫剤としては、CYAP(O,O−ジメチル−O−p−シアノフェニル=チオホスフェート)、スミチオン(MEP) (O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオフォスフェート)、DDVP(ジメチル2,2−ジクロルビニルホスフェート)、
カーバメート系殺虫剤としては、バッサ(O−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート)、メソミル(Sメチル−N〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)、カルタップ(1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミノ)プロパンハイドロクロライド)等があり、好適なものとしては、ペルメトリン,DDVP(ジメチル2,2−ジクロルビニルホスフェート)、メソミル(Sメチル−N〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)が挙げられる。
天然系殺虫剤としては、除虫菊由来のピレトリン剤、ピペロニルブトキシド剤、マメ科のかん木デリス由来のロテノン剤、ニコチン剤(3−(1−メチル−2−ピルロリジニル)ピリジンサルフェート)等が挙げられる。昆虫成長制御剤(IGR剤)としては、ジフルベンズロン(1−(4クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素)等が挙げられる。
殺ダニ剤としては、CPCBS(パラクロロフェニルパラクロロベンゼンスルホネート)、フェニソブロモレート(4,4’−ジブロムベンジル酸イソプロピル)、ヘキシチアゾクス(トランス−5−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリジン−3−カルボキサミド)、テトラジホン(2,4,5,4’−テトラクロロジフェニルスルホン) 、フェノチオカルブ(S−4−フェノキシブチル=ジメチルチオカーバメート)、フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イルメチレンアミノオキシ)−p−トルアート)、アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアザペンタ−1,4−ジエン)等があり、
好適なものとしては、フェニソブロモレート(4,4’−ジブロムベンジル酸イソプロピル)、ヘキシチアゾクス(トランス−5−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリジン−3−カルボキサミド)、アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアザペンタ−1,4−ジエン),フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イルメチレンアミノオキシ)−p−トルアート)が挙げられる。
除草剤としては、酸アミド系除草剤として、例えばスタム(3,4−ジクロルプロピオンアニリド、DCPA)等が挙げられる。尿素系除草剤として、例えば、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア)、リニュロン(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア)等が挙げられる。ビピリジリウム系除草剤としては、例えばパラコート(1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7−ジヒドロジピリド[1,2−a:2’,1’c]ピラジンディウムジブロマイド)等が挙げられる。ダイアジン系除草剤としては、例えばブロマシル(5−ブロモ−3−sec−ブチル−6−メチルウラシル)等が挙げられる。
S−トリアジン系除草剤としては、例えばシマジン(2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン)、シメトリン(2,4−ビス(エチルアミノ)−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン)等が挙げられる。ニトリル系除草剤としては、例えばDBN(2,6−ジクロロベンゾニトリル)等が挙げられる。ジニトロアニリン系除草剤としては、例えばトリフルラリン(α,α,α−トリフルオロ−2,6−ジニトロ−N,N−ジプロピル−p−トルイジン)等が挙げられる。
カーバメート系除草剤としては、例えばベンチオカーブ(サターン)(S−p−クロロベンジル−N,N−ジエチルチオカーバメート)、MCC(メチル−3,4−ジクロロカーバニレート)等が挙げられる。ジフェニルエーテル系除草剤としては、例えばNIP(2,4−ジクロロフェニル−p−ニトロフェニルエーテル)等が挙げられる。フェノール系除草剤としては、例えばPCP(ソディウムペンタクロロフェノキシド)等が挙げられる。
安息香酸系除草剤としては、例えばMDBA(ジメチルアミン−3,6−ジクロロ−o−アニセート)等が挙げられる。フェノキシ系除草剤としては、例えば2,4−Dナトリウム塩(ソディウム2,4−ジクロロフェノキシアセテート)、マピカ([(4−クロロ−o−トルイル)オキシ] アセト−o−クロロアニリド)等が挙げられる。アミノ酸除草剤としては、例えばグリホサート(N−(ホスホノメチル) グリシン又はその塩)、ビアラホス(ソディウム・ソルト・オブL−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L−アラニル−L−アラニン)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート)等が挙げられる。
また脂肪族系除草剤としては、例えばTCAナトリウム塩(ソディウム・トリクロロアセテート)があり、好適なものとしては、DBN(2,6−ジクロロベンゾニトリル),DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア),パラコート(1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7−ジヒドロジピリド[1,2−a:2’,1’c]ピラジンディウムジブロマイド)が挙げられる。
植物成長調節剤としては、インドール酪酸、エチクロゼート(5−クロロ−3(1H)インダゾリン酢酸エチル)、ベンジルアミノプリン(6−(N−ベンジルアミノ)プリン)、ホルクロルフェニュロン(1−(2−クロロ−4−ピリジル)−3−フェニル尿素)、ジベレリン、デシルアルコール、エテホン(2−クロロエチルホスホン酸)等が挙げられる。
更に、本発明の農薬組成物には前記以外の肥料、防腐剤等の1種以上を混合して用いることもできる。
また、本発明の農薬組成物は、必要に応じてキレート剤、p H調節剤、無機塩類、増粘剤、消泡剤のいずれかを1種以上を組み合わせて加えてもよい。
キレート剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤(例えばイミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)等である)、又はジメチルグリオキシム(DG)、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、高分子電解質系(含オリゴマー)キレート剤等であり、これらは酸のまま或いはナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形のものであってもよい。
pH調節剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、クエン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれらの塩である。なお、本発明の展着剤組成物のpHは、特に限定されないが、製剤安定性向上の観点から、3〜9が好ましく、4〜8がより好ましい。
無機塩類としては、特に限定されるものでないが、例えば、無機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
増粘剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、合成系の水溶性増粘剤が挙げられる。ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリビニルピロリドン、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物などが具体例として挙げられる。
消泡剤としては、特に限定されるものでないが、例えば、脂肪酸、金属石鹸、水に不溶のアルコール及びグリコール類、シリコーン、変性シリコーン、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。
本発明の展着剤組成物を用いる農作物の生産方法としては、本発明の展着剤組成物と、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、及び植物成長調節剤から選択される何れかの農薬原体とを対象物に施す工程を含む。また、本発明の農薬組成物を用いる農作物の生産方法としては、本発明の農薬組成物を対象物に施す工程を含む。
展着剤組成物、農薬原体、又は農薬組成物を対象物に施す方法は、特に限定されず、例えば本発明の農薬組成物を葉面、茎、果実等に直接散布する方法や、水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して根表面等に供給(塗布)する方法が挙げられる。本発明の展着剤組成物の効果を有効に発揮させるためには、対象物の地上部へ散布する方法が好ましく、葉面に散布する方法がより好ましい。また、本発明の展着剤組成物と農薬原体とを、前記した方法で別々に対象物に施すこともできる。
本発明の展着剤組成物は殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤から選ばれる農薬原体と共に対象物に適用することで農薬原体の効力を増強できる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施の形態は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
一般式(1)で示される化合物を以下に記載の方法により製造した。
[製造例1]
L−リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合した。この液を25%水酸化ナトリウム水溶液でpH範囲を10〜11に調整し、反応温度を5℃に維持しながら、攪拌した。攪拌下において、N−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物を31.1g(0.1mol)2時間かけて添加し、反応を実施した。その後、さらに30分攪拌を続け、ターシャリーブタノールを液中濃度20質量%となるように添加した後、75%硫酸を滴下して液のpH値を2に調整し、また液の温度を65℃に調整した。硫酸滴下終了後、攪拌を停止し、20分間65℃で静置して有機層と水層とに分層し、そこから有機層を分離した。分離した有機層にターシャリーブタノール及び水を添加して、温度を65℃にして20分攪拌した。攪拌停止後、静置して有機層と水層とに分層した。得られた有機層に対して、前記の水洗操作をくり返した後、得られた有機層から溶媒を除去し、水酸化ナトリウムで固形分30質量%、pH6.5(25℃)の水溶液に中和調製した後、これを乾燥して下記式(4)に示す化合物を得た。
N−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物とL−リジン塩酸塩との反応において、結合の仕方によって、下記式(4)で示すとおり4種類の化合物が製造されることになる。
Figure 2012153733
(式4において、Rは炭素数11の炭化水素基、Mは、各々独立にH、Naのいずれかである)
[製造例2]
製造例1において、N−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物0.1molをN−ココイル−L−グルタミン酸無水物0.1molとした以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施した。
[製造例3]
製造例1において、中和処理を水酸化ナトリウムからアンモニア水溶液に変えて実施した以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施した。
[製造例4]
製造例1において、中和処理を水酸化ナトリウムからトリエタノールアミンに変えて実施した以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施した。
[実施例1〜4、比較例1]
製造例1〜4の化合物、ラウリン酸カリウムを表1の配合で混合した。ヒトパッチ試験、低温安定性の結果を表1、表面張力の結果を表2に示す。製造例1〜4の化合物を含む組成物は展着性が良好で安全性が高いことがわかる。
[評価試験方法]
(ヒトパッチ試験)
実施例1〜4、及び比較例1の試料0.1gを1cm2のろ紙に含浸させ、これを健常男子5人のパネラーの前腕部の健常皮膚に24時間閉塞貼付した。24時間後、各パネラーのTEWL(水分蒸散量)を測定し、ヒトパッチ結果を以下の基準に従い評価した。測定はCUTOMETER MPA580を用いて、 室温20℃、湿度45%の条件で行い、プローブとしてTEWAMETER TM300を用いた。TEWL増加率が多いほど、皮膚のバリア機能を破壊し肌荒れを起こす作用が大きいと考えられる。
○ : TEWL平均増加率が10%未満の場合
△ : TEWL平均増加率が10%以上30%未満の場合
× : TEWL平均増加率が30%以上の場合
(表面張力)
表1に示す各組成物を水で1/250倍に希釈した水溶液(固形分0.1%)を用いて、ウィルヘルミー法に準じて25℃における表面張力(mN/m)を測定した。測定は全自動表面張力CBVP-Zを用いて行った。濡れ難い植物を十分にぬらす目安である表面張力値39(mN/m)以下を有している場合を○、それ以外を×とした。
○ : 表面張力39(mN/m)未満の場合
× : 表面張力39(mN/m)以上の場合
(低温安定性試験)
実施例1〜4、及び比較例1の組成物を用いて、以下の基準にて低温下における保存安定性試験を行った。
○ : −5℃で保存したとき、3日間変化なく透明である場合
× : −5℃で保存したとき、3日間で白濁固化する場合
Figure 2012153733
Figure 2012153733
展着性が良好で安全性に優れた展着剤組成物が提供できる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物を含有する展着剤組成物。
    Figure 2012153733
    (上記一般式(1)において、R1は、炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は、水素又は、カルボン酸基或いはスルホン酸基を有してもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示す。Yは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、又はそれらの塩を示す。Zは、−NR'−(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示す。j、kは0、1、2のいずれかであり、且つj、kは同時に0ではなく、nは2〜20の整数を示す。Xは、置換基を有していてもよい分子量100万以下の炭化水素鎖を示す。)
  2. 前記一般式(1)中のXの炭素数が、1〜40である請求項1に記載の展着剤組成物。
  3. 前記一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(2)で示される化合物である請求項1又は請求項2に記載の展着剤組成物。
    Figure 2012153733
    (上記一般式(2)において、R1は炭素数1〜23の炭化水素基を示し、R2は水素又は、カルボン酸基或いはスルホン酸基を有してもよい炭素数1〜3の炭化水素基を示す。Yは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、又はそれらの塩を示す。Zは、−NR'−(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−O−、又は−S−を示す。X'は、カルボキシル基又はその塩、−NHR'基(R'は、水素又は炭素数1〜10の炭化水素基)、−OH基、−SH基のうち少なくともいずれか一つを有する炭素数が1〜20の炭化水素鎖を示す。j、kは0、1、2のいずれかであり、且つj、kは同時に0ではない。)
  4. 溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の展着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の展着剤組成物を含む農薬組成物。
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