JP2012129326A - 電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法 - Google Patents

電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法 Download PDF

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淳也 楠木
Etsu Takeuchi
江津 竹内
Toshiharu Kuboyama
俊治 久保山
Hiromichi Sugiyama
広道 杉山
Toshihiro Sato
敏寛 佐藤
Masakazu Kawada
政和 川田
Masakatsu Maeda
将克 前田
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Abstract

【課題】再配置型の電子装置の製造工程において、電子部品の位置ずれが発生せず、また、封止材や電子部品に破損が生じにくく、残渣が付着した場合でも簡便に除去することが可能な電子装置の製造方法、信頼性の高い電子装置、電子装置パッケージの製造方法および電子装置パッケージを提供すること。
【解決手段】本発明の電子装置の製造方法は、加熱により熱分解することで溶融または気化する樹脂成分を含む樹脂組成物で構成される仮固定剤を支持基材の表面に供給したのち乾燥させて固定樹脂層を形成する工程と、電子部品を固定する工程と、封止材層を形成させる工程と、電子部品配置封止材硬化物を得る工程と、前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から剥離させる工程とを有し、前記固定樹脂層を形成する工程において、200℃における粘度が10Pa・s以上、10000mPa・s以下の前記固定樹脂層を設けることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法に関する。
近年、集積回路を搭載する半導体チップ等の電子部品は、様々な用途に用いられるようになり、多岐にわたる機能が求められている。また、情報処理量の増大および処理能力の高速化の要求があり、半導体チップの高密度化が進んできており、半導体チップの配線数が増えてきているが、配線ピッチには限界があり、また、入出力の配線数は半導体チップの面積に依存されるものであり、配線数には限界があった。
このような問題を解決し高密度実装を実現するために、半導体チップを電気的に積層するCOC(チップ オン チップ)技術が提案されているが、半導体チップを積層する際の歩留りが悪いという問題や接続信頼性が悪いといった問題が発生する場合があった。
このような問題に鑑み、支持基板に接着層を形成し、次に、接着層上に個片化した半導体チップ等の電子部品を間隔を空けて配置および固定し、次いで、半導体封止材等の封止材で電子部品を覆うように封止し、次いで、電子部品が配置された封止材の硬化物を接着層から剥離し、次いで、電子部品の接着層に接していた面に再配線技術を利用して、電子部品の外径よりも外側に配線を引きまわし、入出力の配線数を増大させ高密度化に対応する再配置型の電子装置が提案されてきている(例えば、特許文献1参照。)。
この再配置型の電子装置に使われる接着層は、封止材で封止する温度において電子部品が位置ずれを起こさないように電子部品を支持基板に固定する機能を有し、さらに、封止材を熱硬化させた後、電子部品が配置された封止材の硬化物を接着層が設けられた支持基板から容易に剥離し得ることが要求される。また、この剥離の際に、電子部品が配置された封止材の硬化物に接着層の残渣が付着しないことが好ましい。
一方、従来提案されている接着層は、熱可塑性の接着層や熱発泡型の接着層であるため、電子部品を位置ずれが生じることなく固定する機能、封止材の硬化物を支持基板から容易に剥離させる機能、さらには残渣が付着しない機能を両立することは困難であった(例えば、特許文献2、3参照。)。
電子部品が位置ずれしてしまうと、その後の再配線プロセスで正確に再配線することができず、また、封止材の硬化物を容易に剥離させることができないと、封止材や電子部品に亀裂等が生じ破損の原因となり、さらに、接着層の残渣が電子部品が配置された封止材の硬化物に付着すると、電子装置の信頼性が低下するといった問題が発生する。
特開2006−287235号公報 特開2005−191296号公報 特開2005−243702号公報
本発明の目的は、再配置型の電子装置の製造工程において、電子部品の位置ずれが発生せず、また、封止材や電子部品に破損が生じにくく、さらに、たとえ残渣が付着した場合でも簡便に除去することが可能な電子装置の製造方法、および、かかる電子装置の製造方法を含む電子装置パッケージの製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(15)に記載の本発明により達成される。
(1)加熱により熱分解することで溶融または気化する樹脂成分を含む樹脂組成物で構成される仮固定剤を支持基材の表面に供給したのち乾燥させて固定樹脂層を設ける固定樹脂層形成工程と、
該固定樹脂層上に、互いに隣接するもの同士間に隙間が形成されるように複数の電子部品を配置し、前記固定樹脂層を介して前記支持基材上に前記電子部品を固定する電子部品固定工程と、
封止材で前記電子部品を覆い、前記固定樹脂層および前記電子部品上に封止材層を形成させる封止材層形成工程と、
前記封止材を加熱することにより前記封止材を硬化し、前記支持基材に支持されており、前記電子部品が配置された電子部品配置封止材硬化物を得る封止材硬化工程と、
前記固定樹脂層を加熱して前記樹脂成分を熱分解させることで、前記支持基材に支持されている前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から剥離させる剥離工程とを有する電子装置の製造方法であり、
前記固定樹脂層形成工程において、200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下の前記固定樹脂層を形成することを特徴とする電子装置の製造方法。
(2)前記電子部品固定工程において、前記支持基材上に前記電子部品を固定する際の温度は、50〜200℃である上記(1)に記載の電子装置の製造方法。
(3)前記電子部品固定工程において、前記電子部品と前記支持基材とが互いに近づく方向に、0.05〜1MPaの圧力で加圧する上記(1)または(2)に記載の電子装置の製造方法。
(4)前記封止材層形成工程において、前記封止材を加熱する温度は、50〜200℃である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
(5)前記封止材層形成工程において、前記封止剤層と前記支持基材とが互いに近づく方向に、0.5〜12MPaの圧力で加圧する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
(6)前記固定樹脂層形成工程において、前記固定樹脂層は、その平均厚さが50〜100μmの厚さに形成される上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
(7)加熱により熱分解することで溶融または気化する樹脂成分を含む樹脂組成物で構成される仮固定剤を支持基材の表面に供給したのち乾燥させて固定樹脂層を設ける固定樹脂層形成工程と、
該固定樹脂層上に、互いに隣接するもの同士間に隙間が形成されるように複数の電子部品を配置し、前記固定樹脂層を介して前記支持基材上に前記電子部品を固定する電子部品固定工程と、
封止材で前記電子部品を覆い、前記固定樹脂層および前記電子部品上に封止材層を形成させる封止材層形成工程と、
前記封止材を加熱することにより前記封止材を硬化し、前記支持基材に支持されており、前記電子部品が配置された電子部品配置封止材硬化物を得るとともに、前記固定樹脂層を加熱して前記樹脂成分を熱分解させることで、前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から剥離させる封止材硬化兼剥離工程とを有する電子装置の製造方法であり、
前記固定樹脂層形成工程において、200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下の前記固定樹脂層を形成することを特徴とする電子装置の製造方法。
(8)前記樹脂成分は、前記仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下するものであり、前記剥離工程に先立って、前記活性エネルギー線を前記固定樹脂層に照射する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
(9)前記樹脂成分は、酸または塩基の存在下において前記熱分解する温度が低下するものであり、前記樹脂組成物は、さらに前記活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤を含有する上記(8)に記載の電子装置の製造方法。
(10)前記樹脂成分は、ポリカーボネート系樹脂である上記(8)または(9)に記載の電子装置の製造方法。
(11)前記樹脂成分は、前記仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下しない上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
(12)前記樹脂成分は、ノルボルネン系樹脂である上記(11)に記載の電子装置の製造方法。
(13)さらに、前記電子部品配置封止材硬化物の前記電子部品が配置されている面に配線層を形成し、該配線層が形成された電子部品配置封止材硬化物を得る配線層形成工程を有する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
(14)さらに、前記配線層が形成された前記電子部品配置封止材硬化物を分割することにより、前記配線層が形成された前記電子部品配置封止材硬化物を個片化し、個片化された前記電子部品配置封止材硬化物を得る個片化工程を有する上記(13)に記載の電子装置の製造方法。
(15)上記(14)に記載の個片化された前記電子部品配置封止材硬化物を基板に実装する実装工程を有することを特徴とする電子装置パッケージの製造方法。
本発明の電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法おいて形成される固定樹脂層は、このものに含まれる樹脂成分が加熱により熱分解することで低分子化し、その結果、溶融または気化するものであり、その200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下となっている。
そのため、支持基材上における電子部品配置封止材硬化物の形成を、電子部品の位置ずれを厚さ方向および横方向の双方において生じることなく行うことができる。
さらに、電子部品配置封止材硬化物の支持基材からの剥離の際には、比較的低い加熱温度で固定樹脂層を溶融または気化させて電子部品配置封止材硬化物を剥離させることができるため、電子部品配置封止材硬化物へのダメージを低減させつつ、電子部品や封止材に亀裂等の破損が生じるのを的確に防止することができるという効果を奏する。
本発明の電子装置パッケージの製造方法により得られる電子装置パッケージの一実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の電子装置パッケージの製造方法の第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の電子装置パッケージの製造方法の第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の電子装置パッケージの製造方法の第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。
以下、本発明の電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法を説明するのに先立って、本発明に用いられる仮固定剤について説明する。
<仮固定剤>
仮固定剤は、支持基材上に薄膜(固定樹脂層)を成膜(形成)し、かかる薄膜を介して支持基材上に電子部品配置封止材硬化物を形成した後に、薄膜を加熱することで、前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から脱離させるために用いられ、前記加熱により熱分解する樹脂成分を含有する樹脂組成物からなるものである。
このような仮固定剤を用いることにより、仮固定剤を用いて形成された薄膜を介して、支持基材上に形成された電子部品配置封止材硬化物を、この電子部品配置封止材硬化物の形成後に、薄膜(固定樹脂層)を加熱して溶融または気化させることで、電子部品配置封止材硬化物を支持基材から脱離させることができる。
以下、この樹脂成分を含有する樹脂組成物を構成する各成分について、順次、説明する。
樹脂成分は、仮固定時(電子部品配置封止材硬化物の形成時)には、電子部品配置封止材硬化物を支持基材に固定する機能を有し、さらに、仮固定剤の前記加熱により、熱分解して低分子化することで溶融または気化することに起因して、その接合強度が低下することから、支持基材からの電子部品配置封止材硬化物の脱離を許容する機能を有するものである。
樹脂成分としては、前記機能をするものであればよく、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂であるのが好ましく、特に、ノルボルネン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂であるのが好ましい。これらのものは、前記機能をより顕著に発揮するものであるため、樹脂成分としてより好適に選択される。
ポリカーボネート系樹脂としては、特に制限されないが、ポリプロピレンカーボネート樹脂、ポリエチレンカーボネート樹脂、1,2−ポリブチレンカーボネート樹脂、1,3−ポリブチレンカーボネート樹脂、1,4−ポリブチレンカーボネート樹脂、cis−2,3−ポリブチレンカーボネート樹脂、trans−2,3−ポリブチレンカーボネート樹脂、α,β−ポリイソブチレンカーボネート樹脂、α,γ−ポリイソブチレンカーボネート樹脂、cis−1,2−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、trans−1,2−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、cis−1,3−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、trans−1,3−ポリシクロブチレンカーボネート樹脂、ポリヘキセンカーボネート樹脂、ポリシクロプロペンカーボネート樹脂、ポリシクロヘキセンカーボネート樹脂、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート樹脂、ポリ(メチルシクロヘキセンカーボネート)樹脂、ポリ(ビニルシクロヘキセンカーボネート)樹脂、ポリジヒドロナフタレンカーボネート樹脂、ポリヘキサヒドロスチレンカーボネート樹脂、ポリシクロヘキサンプロピレンカーボネート樹脂、ポリスチレンカーボネート樹脂、ポリ(3−フェニルプロピレンカーボネート)樹脂、ポリ(3−トリメチルシリロキシプロピレンカーボネート)樹脂、ポリ(3−メタクリロイロキシプロピレンカーボネート)樹脂、ポリパーフルオロプロピレンカーボネート樹脂、ポリノルボルネンカーボネート樹脂、ポリノルボルナンカーボネート樹脂、exo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、endo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、trans−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、cis−ポリノルボルネンカーボネート樹脂が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ポリプロピレンカーボネート/ポリシクロヘキセンカーボネート共重合体、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート/ポリノルボルネンカーボネート共重合体、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,1,4,4−テトラメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2−endo−3−endo−ジメタン)]樹脂、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,4−ジメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−5−ノルボルネン−2−endo−3−endo−ジメタン)]樹脂、ポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,1,4,4−テトラメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−p−キシレン)]樹脂、およびポリ[(オキシカルボニルオキシ−1,4−ジメチルブタン)−alt−(オキシカルボニルオキシ−p−キシレン)]樹脂、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート樹脂/exo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート樹脂/endo−ポリノルボルネンカーボネート樹脂等の共重合体を用いることもできる。
さらに、ポリカーボネート系樹脂としては、上記の他、カーボネート構成単位において、少なくとも2つの環状体を有するポリカーボネート樹脂を用いることもできる。
環状体の数は、カーボネート構成単位において、2つ以上であればよいが、2〜5であるのが好ましく、2または3であるのがより好ましく、2であるのがさらに好ましい。カーボネート構成単位としてこのような数の環状体が含まれることにより、支持基材と電子部品配置封止材硬化物との密着性が優れたものとなる。また、仮固定剤の加熱により、かかるポリカーボネート樹脂が熱分解して低分子化することにより、溶融するものとなる。
また、複数の環状体は、それぞれの頂点同士が互いに連結している連結多環系構造をなしていてもよいが、それぞれが有する一辺同士が互いに連結している縮合多環系構造をなしているのが好ましい。これにより、仮固定剤としての耐熱性と、このものが溶融する際の熱分解時間を短縮することを両立することができる。
さらに、複数の環状体は、それぞれ、5員環または6員環であるあるのが好ましい。これにより、カーボネート構成単位の平面性が保たれることから、溶剤に対する溶解性をより安定させることができる。
このような複数の環状体は、脂環式化合物であるのが好ましい。各環状体が脂環式化合物である場合に、前述したような効果がより顕著に発揮されることになる。
これらのことを考慮すると、ポリカーボネート系樹脂において、カーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(1X)で表わされるものが特に好ましい構造である。
Figure 2012129326
なお、上記化学式(1X)で表わされるカーボネート構成単位を有するポリカーボネート系樹脂は、デカリンジオールと、炭酸ジフェニルのような炭酸ジエステルとの重縮合反応により得ることができる。
また、上記化学式(1X)で表わされるカーボネート構成単位において、デカリンジオールが有する水酸基に連結する炭素原子に由来するものは、それぞれ、デカリン(すなわち、縮合多環系構造を形成する2つの環状体)を構成する炭素原子に結合し、かつ、これら水酸基に連結する炭素原子の間に3つ以上の原子が介在しているのが好ましい。これにより、ポリカーボネート系樹脂の分解性を制御でき、その結果、仮固定剤としての耐熱性と、このものが溶融する際の熱分解時間を短縮することを両立することができる。さらに、溶剤に対する溶解性をより安定させることができる。
このようなカーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(1A)、(1B)で表わされるものが挙げられる。
Figure 2012129326
さらに、複数の環状体は、脂環式化合物である他、複素脂環式化合物であってもよい。各環状体が複素脂環式化合物である場合であっても、前述したような効果がより顕著に発揮されることになる。
この場合、ポリカーボネート系樹脂において、カーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(2X)で表わされるものが特に好ましい構造である。
Figure 2012129326
なお、上記化学式(2X)で表わされるカーボネート構成単位を有するポリカーボネート系樹脂は、下記化学式(2a)で表わされるエーテルジオールと、炭酸ジフェニルのような炭酸ジエステルとの重縮合反応により得ることができる。
Figure 2012129326
また、上記化学式(2X)で表わされるカーボネート構成単位において、上記化学式(2a)で表わされる環状エーテルジオールが有する水酸基由来の炭素原子は、それぞれ、上記環状エーテル(すなわち、縮合多環系構造を形成する2つの環状体)を構成する炭素原子に結合し、かつ、これら炭素原子の間に3つ以上の原子が介在しているのが好ましい。これにより、仮固定剤としての耐熱性と、このものが溶融する際の熱分解時間を短縮することを両立することができる。さらに、溶剤に対する溶解性をより安定させることができる。
このようなカーボネート構成単位としては、例えば、下記化学式(2A)で表わされる1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(イソソルビド)型のものや、下記化学式(2B)で表わされる1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(イソマンニド)型ものが挙げられる。
Figure 2012129326
ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000であることが好ましく、5,000〜800,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量を上記下限以上とすることにより、支持基材に対する濡れ性が向上すること、さらに、成膜性を向上するという効果を得ることができる。また、上記上限値以下とすることで、各種溶剤に対する溶解性、さらには、仮固定剤の加熱による溶融粘度の低下がより顕著に認められるという効果を得ることができる。
なお、ポリカーボネート系樹脂の重合方法は、特に限定されるわけではないが、例えば、ホスゲン法(溶剤法)または、エステル交換法(溶融法)等の公知の重合方法を用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1Y)で示される構造単位を含むものを挙げることができる。
Figure 2012129326
式(1Y)において、R〜Rは、それぞれ、水素、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、脂環族基、グリシジルエーテル基、下記置換基(2Y)のいずれかである。また、mは0〜4の整数である。
Figure 2012129326
式(2Y)において、Rは、それぞれ、水素、メチル基またはエチル基であり、R、RおよびRは、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルペルオキシ基、置換もしくは未置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基のいずれかである。また、nは0〜5の整数である。
前記線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
これらの中でも、仮固定剤(樹脂組成物)を構成する各種成分との相溶性や各種溶剤に対する溶解性、さらに、電子部品配置封止材硬化物と支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れるブチル基、デシル基が好ましい。
前記芳香族基としては、特に限定されるものではないが、フェニル基、フェネチル基、ナフチル基等が挙げられるが、これらの中でも、電子部品配置封止材硬化物と支持基材を仮固定した際の機械物性に優れるフェネチル基、ナフチル基が好ましい。
前記脂環族としては、特に限定されるものではないが、シクロヘキシル基、ノルボルネニル基、ジヒドロジシクロペンタジエチル基、テトラシクロドデシル基、メチルテトラシクロドデシル基、テトラシクロドデカジエチル基、ジメチルテトラシクロドデシル基、エチルテトラシクロドデシル基、エチリデニルテトラシクロドデシル基、フエニルテトラシクロドデシル基、シクロペンタジエチル基の三量体等の脂環族基等が挙げられる。
これらの中でも、電子部品配置封止材硬化物と支持基材を仮固定した際の機械物性、さらには、仮固定剤の加熱時における熱分解性に優れるシクロヘキシル基、ノルボルネニル基が好ましい。
前記置換基(2Y)中のRは、水素、メチル基またはエチル基であれば、特に限定されるものではないが、仮固定剤の加熱時における熱分解性に優れる水素原子が好ましい。
前記置換基(2Y)中のR、RおよびRは、それぞれ、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルコキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ基、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキルペルオキシ基、置換もしくは未置換の炭素数6〜20のアリールオキシ基のいずれかであれば、特に限定されるわけではない。
そのような置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、アセトキシ基、プロピオキシ基、ブチロキシ基、メチルペルオキシ基、イソプロピルペルオキシ基、t−ブチルペルオキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナフチロキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナフチロキシ基等が挙げられ、これらの中でも、仮固定の際の支持基材に対する密着性、電子部品配置封止材硬化物形成時の機械特性に優れるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましい。
前記一般式(1Y)中のmは、0〜4の整数であり、特に限定されるわけではないが、0または1が好ましい。mが0または1である場合、前記一般式(1Y)で示される構造単位は、下記一般式(3Y)または(4Y)で示すことができる。
Figure 2012129326
Figure 2012129326
前記式(3Y)および(4Y)において、R〜Rは、それぞれ、水素、線状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、芳香族基、脂環族基、グリシジルエーテル基、置換基(2Y)のいずれかである。
前記置換基(2Y)中のnは、0〜5の整数であり、特に限定されるわけではないが、nは0であることが好ましい。nが0である時、シリル基はケイ素−炭素結合を介して多環式環に直接結合しており、仮固定剤の熱分解性および電子部品配置封止材硬化物形成時の機械特性を両立することができる。
前記一般式(1Y)で示される構造単位は、特に限定されるわけではないが、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ペンチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−へプチルノルボルネン、5−オクチルノルボルネン、5−ノニルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−フェネチルノルボルネン、5−トリエトキシシリルノルボルネン、5−トリメチルシリルノルボルネン、5−トリメトキシシリルノルボルネン、5−メチルジメトキシシシリルノルボルネン、5−ジメチルメトキシノルボルネン、5−グリシジルオキシメチルノルボルネン等のノルボルネン系モノマーを重合することにより得ることができる。
前記ノルボルネン系モノマーを重合する際は、単一のノルボルネン系モノマーで重合しても、複数のノルボルネン系モノマーを共重合しても良い。これらノルボルネン系モノマーの中でも、電子部品配置封止材硬化物と支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れる5−ブチルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−フェネチルノルボルネン、5−トリエトキシシリルノルボルネン、5−グリシジルオキシメチルノルボルネンが好ましい。
前記ノルボルネン系樹脂は、特に限定されるわけではなく、前記一般式(1Y)で示される単一の構造単位で形成されていてもよく、また、複数の構造単位で形成されていても良い。
前記ノルボルネン系樹脂は、より具体的には、ポリノルボルネン、ポリメチルノルボルネン、ポリエチルノルボルネン、ポリプロピルノルボルネン、ポリブチルノルボルネン、ポリペンチルノルボルネン、ポリヘキシルノルボルネン、ポリへプチルノルボルネン、ポリオクチルノルボルネン、ポリノニルノルボルネン、ポリデシルノルボルネン、ポリフェネチルノルボルネン、ポリトリエトキシシリルノルボルネン、ポリトリメチルシリルノルボルネン、ポリトリメトキシシリルノルボルネン、ポリメチルジメトキシシシリルノルボルネン、ポリジメチルメトキシノルボルネン、ポリグリシジルオキシメチルノルボルネン等の単一重合体、ノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−ブチルノルボルネン−フェネチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体等の共重合体が挙げられる。
これらの中でも、電子部品配置封止材硬化物と支持基材とを仮固定した際の機械物性に優れるポリブチルノルボルネン、ポリデシルノルボルネン、ポリトリエトキシシリルノルボルネン、ポリグリシジルオキシメチルノルボルネン−ブチルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−トリエトキシシリルノルボルネン共重合体、ブチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体、デシルノルボルネン−ブチルノルボルネン−フェネチルノルボルネン−グリシジルオキシメチルノルボルネン共重合体が好ましい。
なお、前記一般式(1Y)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂は、特に限定されるわけではないが、開環メタセシス重合(以下、ROMPとも記載する。)、ROMPと水素化反応の組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合により合成することができる。
より具体的には、前記一般式(1Y)で示される構造単位を有するノルボルネン系樹脂は、例えば、パラジウムイオン源を含有する触媒、ニッケルと白金を含有する触媒、ラジカル開始剤等を用いることにより合成することができる。
また、樹脂成分は、樹脂組成物を構成する全量(溶剤を含む場合には、溶剤を除いた全量)の10wt%〜100wt%の割合で配合することが好ましい。さらに好ましくは、50wt%以上、特には、80wt%〜100wt%の割合で配合することが好ましい。10wt%以上、特に80wt%以上とすることで、仮固定剤を熱分解した後の残渣を低減できるという効果がある。また、樹脂組成物中の樹脂成分を多くすることで短時間で仮固定剤を熱分解できるという効果がある。
以上のような樹脂成分は、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するものと、熱分解する温度が低下しないものとに分類される。
具体的には、酸または塩基の存在下において熱分解する温度が低下する樹脂成分としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、熱分解する温度の低下がより顕著に認められるという観点から、ポリカーボネート系樹脂を用いるのが好ましく、特に、ポリプロピレンカーボネート、1,4−ポリブチレンカーボネート、1,3−ポリシクロヘキサンカーボネート/ポリノルボルネンカーボネート共重合体であるのが好ましい。
なお、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下しない樹脂成分としては、例えば、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
そこで、樹脂成分として、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するものを選択した場合、樹脂組成物中に、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤が含まれる構成とすることで、樹脂成分を、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により熱分解する温度が低下するものとすることができる。
したがって、仮固定剤(樹脂組成物)を、熱分解する温度が低下する樹脂成分と、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤とを含有するものとすることで、活性エネルギー線照射により樹脂成分の熱分解する温度が低下するため、活性エネルギー線照射の後の仮固定剤の加熱により、基材の支持基材からの脱離をより容易に行え得るという効果が得られる。
なお、樹脂成分として、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下しないものを選択した場合には、樹脂組成物中に、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤を添加したとしても、当然、樹脂成分の熱分解する温度は、仮固定剤への活性エネルギー線の照射によっても変化しない。
以下、樹脂成分として、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するもの選択した際に、樹脂組成物に含まれる活性剤について説明する。
(活性剤)
活性剤は、上述したように、活性エネルギー線の照射によってエネルギーを加えられることにより、酸または塩基のような活性種を発生させるものであり、この活性種の作用により、前記樹脂成分の熱分解する温度を低下させる機能を有するものである。
この活性剤としては、特に限定されないが、例えば、活性エネルギー線の照射により酸を発生する光酸発生剤や、活性エネルギー線の照射により塩基を発生する光塩基発生剤等が挙げられる。
光酸発生剤としては、特に限定されないが、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート−4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム(DPI−TPFPB)、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TTBPS−TPFPB)、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート(TTBPS−HFP)、トリフェニルスルホニウムトリフレート(TPS−Tf)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート(DTBPI−Tf)、トリアジン(TAZ−101)、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(TPS−103)、トリフェニルスルホニウムビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(TPS−N1)、ジ−(p−t−ブチル)フェニルヨードニウム、ビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド(DTBPI−N1)、トリフェニルスルホニウム、トリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(TPS−C1)、ジ−(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリス(パーフルオロメタンスルホニル)メチド(DTBPI−C1)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特に、樹脂成分の溶融粘度を効率的に下げることができるという観点から、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート−4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム(DPI−TPFPB)が好ましい。
また、光塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えば、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナン、1−(2−ニトロベンゾイルカルバモイル)イミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特に、樹脂成分の溶融粘度を効率的に下げることができるという観点から、5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノナンおよびこの誘導体が好ましい。
前記活性剤は、樹脂組成物(仮固定剤)の全量の0.01〜50重量%程度であるのが好ましく、0.1〜30重量%程度であるのがより好ましい。かかる範囲内とすることにより、樹脂成分の溶融粘度を安定的に目的とする範囲内に下げることが可能となる。
このような活性剤の添加により、活性エネルギー線を照射することで、酸または塩基のような活性種が発生し、この活性種の作用によって、樹脂成分の主鎖にその熱分解温度が低下する構造が形成され、その結果、樹脂成分の熱分解する温度が低下すると推察される。
ここで、樹脂成分としてポリカーボネート系樹脂であるポリプロピレンカーボネート樹脂を使用し、活性剤として光酸発生剤を使用した場合の熱分解温度が低下するメカニズムについて説明する。下記式(1Z)で示すように、先ず、前記光酸発生剤由来のHが、ポリプロピレンカーボネート樹脂のカルボニル酸素をプロトン化し、さらに極性遷移状態を転移させ不安定な互変異性中間体[A]および[B]を生じる。次に、中間体[A]は、アセトンおよびCOとして断片化する熱切断が起こるため、熱分解温度が低下する。また、中間体[B]は炭酸プロピレンを生成し、炭酸プロピレンはCOおよびプロピレンオキシドとして断片化する熱閉環構造を形成するため、熱分解温度が低下する。
Figure 2012129326
(増感剤)
また、仮固定剤は、活性剤を含む場合、この活性剤とともに、特定の波長の活性エネルギー線に対する活性剤の反応性を発現あるいは増大させる機能を有する成分である増感剤を含んでいても良い。
増感剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ベンツピレン、フルオランテン、ルブレン、ピレン、キサントン、インダンスレン、チオキサンテン−9−オン、2‐イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4‐プロポキシチオキサントン、およびこれらの混合物等が挙げられる。
このような増感剤の含有量は、前述した光酸発生剤等の活性剤および光ラジカル開始剤の総量100重量部に対して、100重量部以下であるのが好ましく、20重量部以下であるのがより好ましい。
以上のような樹脂組成物には、樹脂成分が、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下するもの、および熱分解する温度が低下しないもののうちの何れであっても、以下に示すような他の成分が含まれていてもよい。
(酸化防止剤)
すなわち、樹脂組成物(仮固定剤)は、酸化防止剤を含んでいてもよい。
この酸化防止剤は、樹脂組成物(仮固定剤)中における酸の発生や、自然酸化を防止する機能を有している。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、Ciba Fine Chemicals社製、「Ciba IRGANOX(登録商標) 1076」および「Ciba IRGAFOS(登録商標) 168」が好適に用いられる。
また、他の酸化防止剤としては、例えば、「Ciba Irganox 129」、「Ciba Irganox 1330」、「Ciba Irganox 1010」、「Ciba Cyanox(登録商標) 1790」、「Ciba Irganox 3114、Ciba Irganox 3125」等を用いることもできる。
酸化防止剤の含有量は、上述した樹脂成分100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、0.5〜5重量部であるのがより好ましい。
(添加剤)
また、樹脂組成物(仮固定剤)は、必要により酸捕捉剤、アクリル系、シリコーン系、フッ素系、ビニル系等のレベリング剤、シランカップリング剤、希釈剤等の添加剤等を含んでも良い。
シランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物(仮固定剤)がシランカップリング剤を含むことにより、基材と支持基材との密着性の向上を図ることができる。
また、希釈剤としては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキセンオキサイドやα−ピネンオキサイド等のシクロエーテル化合物、[メチレンビス(4,1−フェニレンオキシメチレン)]ビスオキシランなどの芳香族シクロエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどのシクロアリファティックビニルエーテル化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物(仮固定剤)が希釈剤を含むことにより、仮固定剤の流動性を向上させることができ、後述する固定樹脂層形成工程において、仮固定剤の支持基材に対する濡れ性を向上させることが可能となる。
(溶剤)
また、樹脂組成物(仮固定剤)は、溶媒を含有していても良い。
樹脂組成物を、溶媒を含む構成とすることで、樹脂組成物の粘度等の調整が容易に行え得る。
溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、メシチレン、デカリン、ミネラルスピリット類等の炭化水素類、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム等のアルコール/エーテル類、炭酸エチレン、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等のエステル/ラクトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド/ラクタム類が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これにより、仮固定剤の粘度を調整することが容易となり、支持基材に仮固定剤で構成される固定樹脂層(薄膜)の形成が容易となる。
前記溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物(仮固定剤)の全量の5〜98重量%であることが好ましく、10〜95重量%であることがより好ましい。
ところで、樹脂成分として、少なくとも2つの環状体をカーボネート構成単位に有するポリカーボネート樹脂を用い、樹脂組成物を、かかる樹脂成分と活性剤とを含有する構成のものとした場合、この樹脂組成物で構成される仮固定剤により形成される薄膜(固定樹脂層)は、加熱により熱分解して低分子化することで溶融するものとなり、かつ、活性エネルギー線の照射により、溶融時の溶融粘度が低下するものとなる。
仮固定剤として、上記のような構成のものを用いた場合では、活性エネルギー線の照射後における180℃での固定樹脂層の溶融粘度が0.01〜100Pa・sに設定されているのが好ましい。なお、溶融粘度の前記範囲内への設定は、樹脂組成物中に含まれる上述した各種構成材料、特に、樹脂成分および活性剤の組み合わせならびにこれらの含有量を設定することにより行うことができる。
また、溶融粘度をかかる範囲内に設定することによる効果については、後に詳述する。
次に、上述した仮固定剤を用いた本発明の電子装置パッケージの製造方法を適用して製造される電子装置パッケージについて説明する。
<電子装置パッケージ>
図1は、本発明の電子装置パッケージの製造方法により得られる電子装置パッケージの一実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す電子装置パッケージ10は、配線回路19が形成されたインターポーザ20と、インターポーザ20上に配置された電子装置(半導体装置)30とを有している。インターポーザ20と電子装置30とは、それぞれが有する配線回路19とバンプ18とにより電気的に接続されている。
また、電子装置(本発明の電子装置)30は、半導体チップ11と、半導体チップ11を覆うように封止部13が設けられ、また、半導体チップ11の機能面12の下には、半導体チップ11の端子(図示しない)と連結する導電性のビア15および導電性のビア15の周辺には第1の絶縁層14が設けられ、また、導電性のビア15の下には、導電性のビア15と連結した導体層16および第2の絶縁層17が設けられ、さらに、導体層16の下には、導体層16と連結したバンプ18が設けられている。
インターポーザ(基板)20は、電子装置30を支持する基板であり、その平面視形状は、通常、正方形、長方形等の四角形とされる。また、インターポーザ20は、ポリイミド・エポキシ・シアネート・ビスマレイミドトリアジン(BTレジン)等の各種樹脂材料で構成されている。
インターポーザ20の上面(一方の面)には、例えば、銅等の導電性金属材料で構成される配線回路19が、所定形状で設けられている。
導電性のビア15は、半導体チップ11の端子(図示しない)と導体層16を電気的に接続しているものであり、ビア15の壁面のみに導体層16が形成されていてもよく、ビア15全体に導体層16が形成されていてもよい。ビア15の壁面のみに導体層16が形成されている場合、ビア15の空隙は絶縁性の物質で充填されていることが好ましい。
導体層16は、導電性のビア15とバンプ18を電気的に接続しているものであり、例えば、銅等の導電性金属材料から構成されている。
バンプ18は、導体層16とインターポーザ20の上の配線回路19を電気的に接続しており、電子装置30から突出する部分は。ほぼ球形状(Ball状)をなしている。また、このバンプ18は、例えば、半田、銀ろう、銅ろう、燐銅ろうのようなろう材を主材料として構成されている。
<電子装置パッケージの製造方法>
図1に示すような電子装置パッケージ(電子部品)10は、本発明の電子装置パッケージの製造方法を適用して、例えば、以下のようにして製造することができる。
<<第1実施形態>>
まず、電子装置パッケージ10を製造する電子装置パッケージの製造方法の第1実施形態について説明する。
すなわち、電子装置パッケージ10の製造方法の第1実施形態では、加熱により熱分解することで溶融または気化する樹脂成分を含む樹脂組成物で構成される仮固定剤を支持基材の表面に供給したのち乾燥させて固定樹脂層を設ける固定樹脂層形成工程と、該固定樹脂層上に、互いに隣接するもの同士間に隙間が形成されるように複数の電子部品を配置し、前記固定樹脂層を介して前記支持基材上に前記電子部品を固定する電子部品固定工程と、封止材で前記電子部品を覆い、前記固定樹脂層および前記電子部品上に封止材層を形成させる封止材層形成工程と、前記封止材を加熱することにより前記封止材を硬化し、前記支持基材に支持されており、前記電子部品が配置された電子部品配置封止材硬化物を得る封止材硬化工程と、前記固定樹脂層を加熱して前記樹脂成分を熱分解させることで、前記支持基材に支持されている前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から剥離させる剥離工程とを有する。かかる構成の電子装置パッケージ10の製造方法の固定樹脂層形成工程において、本発明では、200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下の前記固定樹脂層を形成する。これにより、支持基材上における電子部品配置封止材硬化物の形成を、電子部品の位置ずれを厚さ方向および横方向の双方において生じることなく行うことができる。
図2〜4は、電子装置パッケージ10を平面視(図2の視面上側)した場合に、電子装置パッケージ10の外縁の外側に配線を引きまわす再配置型の電子装置30がインターポーザ20上に配置されている電子装置パッケージ10の製造方法の第1実施形態を説明するための模式的な縦断面図である。すなわち、図2〜4は、本発明の電子装置パッケージの製造方法の第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図2〜4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1]まず、図2(a)に示すような、半導体チップ(電子部品)11と、支持基板(支持基材)50とを用意する。
支持基板50としては、平坦性、剛直性および耐熱性を有しているものであれば、特に限定されないが、光透過性を有するものであるのが好ましい。これにより、樹脂成分として、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものを用いた際に、支持基板50側から活性エネルギー線を透過させて、固定樹脂層60に活性エネルギー線を確実に照射することができるようになる。
光透過性を有する支持基板50としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリカーボネートのような樹脂材料等を主材料として構成される基板が挙げられる。
[2]次に、支持基板50上(表面)に半導体チップ11を固定する固定樹脂層60を形成する(図2(b)参照;固定樹脂層形成工程)。
ここで、本発明では、この固定樹脂層60を、その200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下となるように形成する。これにより、支持基板50上における電子部品配置封止材硬化物80の形成を、半導体チップ11の位置ずれを厚さ方向および横方向の双方において生じることなく行うことができるが、この点については、後工程において詳述する。
なお、固定樹脂層60の200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下となっていれば良いが、30Pa・s以上、8000Pa・s以下であるのが好ましく、50mPa・s以上、5000Pa・s以下であるのがより好ましい。これにより、後述する効果をより顕著に発揮させることができる。
ここで粘度は、仮固定剤の溶液をシリコン基板上に塗布し、ホットプレート上で仮固定剤中の溶剤が揮発する温度および時間で乾燥させ、シリコン基板より剥離することで得られる仮固定剤からなる試験片を、レオメータ(Haake RS150型、Thermo Fischer Scientific社製)にギャップ30μmでセットして、30〜300℃まで10分/℃の速度で昇温しながら1Hzの周期で剪断応力を掛け、その際の変位を測定し、200℃における値を測定値とする。
また、粘度が上述したような範囲となっている固定樹脂層60は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分、活性剤および酸化防止剤等の各種構成材料の種類および含有量等を適宜設定することで容易に形成することができる。
さらに、この固定樹脂層60は、後述する、配線層形成工程で配線を精度良く形成できるようにするために、膜厚を均一に形成させることが好ましい。
固定樹脂層60を形成する方法としては、特に限定されるわけではないが、例えば、仮固定剤を支持基板50上に供給した後加熱して乾燥させることで容易に形成することができる。
また、仮固定剤を支持基板50上に供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フィルム転写法、スリットコート法、スキャン塗布法等の各種塗布法を用いることができる。これらの中でも、特に、スピンコート法が好ましく用いられる。スピンコート法によれば、より均一で平坦な固定樹脂層60を容易に形成することができる。
スピンコート法を用いる場合、仮固定剤として、その粘度(25℃)が500〜100000mPa・s程度のものを用いるのが好ましく、1000〜50000mPa・s程度のものを用いるのがより好ましい。
なお、粘度(25℃)は、E型粘度計(東機産業製、粘度計TVE−22型)で、コーン温度25℃、3分後の値を測定値とすることができる。
さらに、かかる仮固定剤を供給する支持基板50の回転数を300〜4,000rpm程度に設定するのが好ましく、500〜3,500rpm程度に設定するのがより好ましい。
スピンコート法を用いる際に、これらを満足する条件で固定樹脂層60を成膜することにより、得られる固定樹脂層60の平均厚さを50〜100μm程度の厚さのものとすることができる。さらに、このような厚さの固定樹脂層60をより均一な厚さで成膜することが可能となる。
さらに、仮固定剤の粘度(25℃)をA[mPa・s]とし、支持基板50の回転数をB[rpm]としたとき、A/Bは、0.13〜330であるのが好ましく、0.5〜100であるのがより好ましい。これにより、平均厚さ50〜100μmの固定樹脂層60を特に均一で平坦な厚さで成膜することができる。
[3]次に、固定樹脂層60の上に半導体チップ11を配置し、固定樹脂層60を介して支持基板50の上に半導体チップ11を固定する(図2(c)参照。;電子部品固定工程)。
ここで、半導体チップ11を配置する際は、端子(図示しない)を有する面を下(固定樹脂層60と接する面)に向けて配置する。また、半導体チップ11を配置する際は、後述する、配線層形成工程で配線層を精度良く形成することができるように、精密に配置する必要がある。そこで、半導体チップ11を配置する方法としては、特に限定されるわけではないが、フリップチップボンダーを適用することにより半導体チップ11を精密に配置することができる。
また、このような半導体チップ11の固定の際には、固定樹脂層60を加熱するとともに、半導体チップ11と支持基板50とが互いに近づく方向に加圧する。
このとき、加熱温度としては、特に限定されるわけではないが、100〜300℃が好ましく、120〜250℃が特に好ましい。また、前記加圧の程度は、0.01〜3MPaが好ましく、0.05〜2MPaが特に好ましい。さらに、加熱および加圧時間は0.1〜10分が好ましく、0.5〜5分が特に好ましい。加熱および加圧条件を上記範囲とすることで、半導体チップ11を確実に固定することおよび半導体チップ11の破損や変形を防止することの両方を実現することができる。
以上のような条件で、加熱および加圧がなされるが、本発明では、前述したように、固定樹脂層60が、その200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下となるように形成されている。そのため、上記のような条件で、固定樹脂層60を介して、半導体チップ11を支持基板50上に固定したとしても、固定樹脂層60が、半導体チップ11の厚さ方向に対する埋入(いわゆる「チップ沈み」)を的確に抑制または防止し得る程度の硬度(強度)を有するものとなっている。その結果、固定樹脂層60を介した半導体チップ11の支持基板50上への固定が、固定樹脂層60の厚さをほぼ均一に維持した状態で行われる。
[4]次に、封止材で隣接する半導体チップ11の間隙および半導体チップ11を覆うように、封止材層70を形成する(図2(d)参照。;封止材層形成工程)。
ここで、半導体チップ11を覆うようにとは、半導体チップ11が完全に覆われる場合と半導体チップ11の一部が覆われる場合の両方を含むものであるが、半導体チップ11が完全に覆われている方が、電子装置30の信頼性が良好であるため好ましい。
また、封止材で封止材層70を形成する方法は、固定された半導体チップ11の位置ずれが発生し難いように圧縮成形法が好ましく選択される。
圧縮成形法を用いた際には、封止材を加熱するとともに、封止材層70(半導体チップ11)と支持基板50とが互いに近づく方向に加圧することにより封止材層70を成形する。
このとき、封止材を加熱する温度(成形温度)は、特に限定されるわけではないが、50〜200℃が好ましく、80〜180℃が特に好ましい。また、加圧の程度(成形圧力)は、特に限定されるわけではないが、0.5〜12MPaであることが好ましく、1〜10MPaが特に好ましい。さらに、成形時間は30秒〜15分であることが好ましく、1〜10分が特に好ましい。成形温度、圧力、時間を上記範囲とすることで、封止材の未充填部分が発生することを防止することができる。
ここで、以上のような条件で、封止材層70の成形がなされると、加熱状態で封止材層70がその厚さ方向に加圧されることに起因して、封止材で覆われた半導体チップ11が前記厚さ方向と直交する方向(横方向)に位置ズレしてしまう(いわゆる「チップシフト」)という問題がある。
かかる問題点は、封止材の加圧時に固定樹脂層が溶融状態となっていることに起因することが判っているが、本発明では、前述したように、固定樹脂層60が、その200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下となるように形成されている。そのため、上記のような条件で、封止材層70と支持基板50とを互いに近づく方向に加圧したとしても、固定樹脂層60が、溶融状態となるのが的確に抑制または防止されていることから、半導体チップ11の横方向に対する位置ズレが確実に防止される。
封止材としては、特に限定されるわけではないが、固形状の封止材が好適に使用される。封止材を構成する封止材用樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材とを主材料として構成されるものが好ましく用いられる。かかる構成材料で構成される封止材は、優れた密着性で半導体チップ11を封止できるとともに、熱膨張係数を比較的容易に調整することができる。
以下、固形状の封止材について詳細に説明する。ただし、固形状の封止材は、これに限定されるものではない。
固形状の封止材を構成するエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂等の変性フェノール型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂等の複素環含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、エポキシ樹脂としては、特に、下記一般式(12)で表されるものが好ましく用いられる。下記一般式(12)で表されるエポキシ樹脂は2官能であるため、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は架橋密度が低く抑えられ、熱膨張係数が低く、半田リフロー工程時、すなわち電子装置30の加熱時における応力緩和に適しているため、かかる工程時における反りの大きさが小さくなる。また、下記一般式(12)で表されるエポキシ樹脂は、結晶性で低分子量の樹脂であるため溶融粘度が低く、このものを含有するエポキシ樹脂組成物は流動性に優れる。
Figure 2012129326
[式(12)中、Xは、単結合、−O−、−S−、−R12CR12−の中から選択される基である。R11は、炭素数1〜6のアルキル基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、aは0〜4の整数である。R12は、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
これらの中でも、前記一般式(12)で表されるエポキシ樹脂は、4,4’−ジグリシドキシビフェニル、または3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシドキシビフェニルおよびこれらの溶融混合物がより好ましく用いられる。これらの化合物は、作業性、実用性のバランスに優れるとともに、封止材層70の熱膨張係数を低く設定することができる。
また、固形状の封止材を構成する硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミノ類;アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの中でも、封止材層70の構成材料に用いる硬化剤としては、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。かかる硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;レゾール型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。かかる化合物を選択することにより、封止材層70の熱膨張係数を低く設定できる。これらの化合物は、耐湿性、信頼性等の観点からも優れた化合物である。
さらに、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する硬化剤としては、特に、下記一般式(13)で表されるフェノール樹脂を用いるのが好ましい。下記一般式(13)で表されるフェノール樹脂は、その基本骨格がノボラック型フェノール樹脂とトリフェノールメタン型フェノール樹脂の構造をあわせもつ。ノボラック型フェノール樹脂を基本骨格として有することにより、構造面で、樹脂骨格の架橋点間距離が短く、良好な硬化性、成形性を発揮するという効果を有している。また、トリフェノールメタン型フェノール樹脂を基本骨格として有することにより、一分子中に3個以上の水酸基を有することになるため、架橋密度が高く、これを用いた樹脂組成物の硬化物を、高Tgで線膨張係数が小さく、また高い強度を有するものとし得るという効果を有している。そのため、下記一般式(13)で表されるフェノール樹脂を使用した樹脂組成物は、良好な硬化性で優れた成形性を持ち、また、成形・硬化後および熱処理後の熱膨張、熱収縮が比較的小さくなるため、電子装置30において反り量を小さくすることができる。
Figure 2012129326
[式(13)中、R13、R14、R15は、炭素数1〜4のアルキル基から選択される基であり、互いに同一であっても、異なっていてもよい。bは0〜3の整数、cは0〜4の整数、dは0〜3の整数である。m、nはモル比を表し、0<m<1、0<n<1で、m+n=1である。]
また、上記一般式(13)中のmとnとのモル比(m/n)は、1/5〜5/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましい。これにより、ノボラック型フェノール樹脂およびノボラック型フェノール樹脂の双方が含まれることにより得られる効果を相乗的に発揮させることができる。
なお、前記一般式(13)で表されるフェノール樹脂の具体例としては、例えば、下記式(14)に示すものが挙げられる。
Figure 2012129326
[ただし、式(14)中、m、nはモル比を表し、0<m<1、0<n<1で、m+n=1である。]
また、封止材層70に含まれる無機充填材としては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;アルミナ;チタンホワイト;水酸化アルミニウム;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に溶融球状シリカが好ましい。これにより、封止材層70の熱膨張係数を低く設定することができる。
なお、粒子形状は限りなく真球状であることが好ましい。さらに、粒子の大きさの異なるものを混合することにより無機充填量を多くすることができるが、その粒径としては、半導体チップ11の隙間への充填性を考慮すると0.01μm以上、150μm以下であることが好ましい。
さらに、封止材層70を構成する前記樹脂組成物には、エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填材の他に、シランカップリング剤、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物、硬化促進剤が含まれていても良い。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このようなシランカップリング剤が樹脂組成物に含まれることにより、エポキシ樹脂と無機充填剤との間で反応が生じるため、エポキシ樹脂と無機充填剤との界面強度を向上させることができる。
エポキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよびβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミノシランとしては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン等が挙げられる。また、ウレイドシランとしては、例えば、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられ、メルカプトシランとしては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
なお、シランカップリング剤は、後述する芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(以下、かかる化合物を「水酸基結合化合物」と言うこともある)との相乗効果により、樹脂組成物の粘度を下げ、流動性を向上させる効果を有するため、樹脂組成物中に水酸基結合化合物が含まれる場合には、水酸基結合化合物を添加することにより得られる効果を十分に発揮させるためにはシランカップリング剤も含まれる構成とするのが好ましい。これにより、比較的粘度が高い樹脂を多く配合した場合や、無機充填剤を多量に配合した場合においても、封止材層70を構成する樹脂組成物として充分な流動性を発揮させることが出来る。
また、芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(水酸基結合化合物)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(15)で表される化合物、下記一般式(16)で表される化合物等が挙げられる。なお、水酸基結合化合物中には、水酸基以外の置換基を有していてもよい。
Figure 2012129326
[式(15)中、R16、R20は、いずれか一方が水酸基であり、一方が水酸基の場合、他方は水素、水酸基または水酸基以外の置換基から選ばれる基である。R17、R18、R19は、水素、水酸基または水酸基以外の置換基から選ばれる基であり、互いに同一であっても、異なっていてもよい。]
Figure 2012129326
[式(16)中、R21、R27は、いずれか一方が水酸基であり、一方が水酸基の場合、他方は水素、水酸基または水酸基以外の置換基から選ばれる基である。R22、R23、R24、R25、R26は水素、水酸基または水酸基以外の置換基から選ばれる基であり、互いに同一であっても、異なっていてもよい。]
なお、一般式(15)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記式(17)で表されるカテコール、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステルおよびこれらの誘導体が挙げられる。また、一般式(16)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタレン、下記式(18)で表される2,3−ジヒドロキシナフタレンおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらの化合物は1種類を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いるようにしても良い。これらのうち、流動性と硬化性の制御のしやすさ、低揮発性の点から主骨格がナフタレン環である化合物(すなわち、1、2−ジヒドロキシナフタレン、2、3−ジヒドロキシナフタレンおよびその誘導体)がより好ましく選択される。
Figure 2012129326
Figure 2012129326
さらに、硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のジアザビシクロアルケンおよびその誘導体;トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフチルオキシボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;ベンゾキノンをアダクトしたトリフェニルホスフィン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記封止材用樹脂組成物は、上記の構成材料の他に、さらに必要に応じて、カーボンブラック等の着色剤;カルナバワックス等の天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸またはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等の離型剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力剤;ハイドロタルサイト等のイオン捕捉剤;水酸化アルミニウム等の難燃剤;酸化防止剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
その後、封止材用樹脂組成物をトランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で成形、硬化させ、封止材とする。成形方法としては、特に限定されないが、電子部品の位置ずれ、剥離を防止する観点から、コンプレッションモールドが好ましい。
[5]次に、封止材層70を加熱し硬化させることにより、半導体チップ11が配置された電子部品配置封止材硬化物80を得る(図2(d)参照;封止材硬化工程)。
ここで、電子部品配置封止材硬化物80とは、支持基板50上に設けられ、複数の半導体チップ11が間隔をあけて封止材層70の硬化物により、これらを覆うようにして封止されたものである。
封止材層70を硬化させる条件は、特に限定されるわけではないが、加熱温度としては、固定樹脂層60が溶融しない温度範囲に設定される。これにより、電子部品配置封止材硬化物80の形成を半導体チップ11の位置ずれを生じることなく行うことができる。具体的には、前記加熱温度としては、100〜200℃が好ましく、120〜190℃が特に好ましい。また、加熱時間は、特に限定されるわけではないが、30分〜8時間が好ましく、1〜6時間が特に好ましい。加熱温度および加熱時間を上記範囲とすることで、固定樹脂層60が分解してしまうことを防止することができるとともに、信頼性の高い電子装置30を得ることができる。
なお、前記工程[2]〜本工程[5]による電子部品配置封止材硬化物80の形成では、前記工程[2]の固定樹脂層形成工程において、前記樹脂組成物を用いて、その膜厚が均一で、かつ表面が平滑な優れた精度を有する固定樹脂層60が形成されているため、優れた精度をもって電子部品配置封止材硬化物80の形成を行え得るという効果を奏する。
また、前記工程[2]〜本工程[5]による電子部品配置封止材硬化物80の形成工程において、固定樹脂層60は加熱され、温度履歴を経ることとなる。この際、固定樹脂層60を形成する仮固定剤に活性エネルギー線の照射により熱分解する温度が低下するものを用いた場合、これらの工程では、固定樹脂層60に対する活性エネルギー線照射が施されておらず、固定樹脂層60は、高い溶融粘度を維持したままである。したがって、封止材層70および電子部品配置封止材硬化物80と支持基板50との間で剥離や半導体チップ11の支持基板50上での位置ずれ等が生じることなく電子部品配置封止材硬化物80を形成することが可能であるため、電子部品配置封止材硬化物80の形成を優れた寸法精度で行うことができる。
[6]次に、固定樹脂層60を加熱して、図1(e)に示すように、樹脂成分を熱分解させて低分子化させることにより、溶融または気化させた後、電子部品配置封止材硬化物80を支持基板50から剥離する(剥離工程;図1(e)参照。)。
固定樹脂層60を加熱する温度は、樹脂成分が熱分解する温度で、かつ、電子部品配置封止材硬化物80の変質・劣化が防止される温度に設定され、具体的には、好ましくは130〜280℃程度、より好ましくは150〜250℃程度に設定される。本発明では、固定樹脂層に含まれる樹脂成分を上述した材料で構成しているため、本工程における加熱温度を、上記のような比較的低い温度に設定できるため、電子部品配置封止材硬化物80へのダメージを低減させつつ、剥離時に半導体チップ11や封止材層70に亀裂等の破損が生じるのを的確に防止することができる。
なお、本工程[6]の加熱温度は、当然、前記工程[2]〜前記工程[5]において電子部品配置封止材硬化物80を形成するための加熱温度より高く設定される。
ここで、本明細書中において、脱離とは、電子部品配置封止材硬化物80を支持基板50から剥離する操作を意味し、固定樹脂層60が溶融状態となる場合や気化する場合に関わらず、例えば、この操作は、支持基板50の表面に対して垂直方向に電子部品配置封止材硬化物80を脱離させる方法や、支持基板50の表面に対して水平方向にスライドさせて電子部品配置封止材硬化物80を脱離させる方法や、電子部品配置封止材硬化物80の一端側から電子部品配置封止材硬化物80を支持基板50から浮かせることで脱離させる方法等が挙げられる。
なお、前記加熱工程を経ることで、固定樹脂層60が気化している場合には、電子部品配置封止材硬化物80と支持基板50との間から固定樹脂層60が除去されているため、支持基板50からの電子部品配置封止材硬化物80の脱離をより容易に行うことができる。
[6−1’]次いで、電子部品配置封止材硬化物80の剥離後、電子部品配置封止材硬化物80の表面に固定樹脂層60が付着している場合には、必要に応じて、残存する固定樹脂層60を洗浄する。
すなわち、電子部品配置封止材硬化物80の半導体チップ11が封止されている側の面に残留した固定樹脂層60の残留物(残渣)を除去する。
なお、電子部品配置封止材硬化物80の表面に固定樹脂層60が付着する場合でも、本発明では、固定樹脂層60を上述したような構成のものとすることから、プラズマ処理、薬液処理、研磨処理等の手法により簡便に残渣を除去することができる。その結果、得られる電子装置の信頼性をより高めることができる。
前記残渣の除去方法としては、酸素プラズマ処理、環境に対する負荷の小さいIPA、アセトン、γ―ブチロラクトン、PEGMEA等の薬液処理が特に好ましい。
なお、本実施形態では、封止材硬化工程後に、剥離工程を行う実施形態について説明したが、剥離工程後に封止材硬化工程を実施してもよい。
[6−2’]さらに、固定樹脂層60に含まれる樹脂成分が、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものである場合には、本工程[6]における固定樹脂層60の加熱に先立って、固定樹脂層60に活性エネルギー線を照射するようにしてもよい。
すなわち、本実施形態では、支持基板50を介して、固定樹脂層60に活性エネルギー線を照射するようにしてもよい。
ここで、樹脂成分が、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものである場合には、樹脂組成物中には、酸または塩基の存在下において、熱分解する温度が低下する樹脂成分と、仮固定剤への活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤とが含まれる。よって、仮固定剤(樹脂組成物)中に含まれる活性剤にエネルギーが付与されると、活性剤から酸または塩基のような活性種が発生するため、この活性種の作用により、樹脂成分の熱分解する温度が低下する。
したがって、固定樹脂層60の加熱に先立って、固定樹脂層60に活性エネルギー線を照射する構成とすることで、固定樹脂層60を加熱する際の加熱温度や加熱時間等を低くしたり短くすることができるため、この加熱をより緩和な条件で行うことができる。その結果、電子部品配置封止材硬化物80が加熱されることによる変質・劣化をより的確に抑制または防止することができる。
また、活性エネルギー線としては、特に限定されないが、例えば、波長200〜800nm程度の光線であるのが好ましく、波長300〜500nm程度の光線であるのがより好ましい。
さらに、活性エネルギー線の照射量は、特に限定されないが、10〜20000mj/cm程度であるのが好ましく、20〜10000mj/cm程度であるのがより好ましい。
また、樹脂成分として、少なくとも2つの環状体をカーボネート構成単位に有するポリカーボネート樹脂を用いた場合、前述したように、かかる樹脂成分を含有する仮固定剤は、加熱により熱分解して低分子化することで溶融するものとなり、かつ、活性エネルギー線の照射により、溶融時の溶融粘度が低下するものとなるが、固定樹脂層60に対する活性エネルギー線の照射後における180℃での溶融粘度が0.01〜100Pa・sとなっているのが好ましい。
溶融粘度がかかる範囲内になっていると、固定樹脂層60を溶融状態とするための加熱温度を、比較的低く設定することができる。具体的には、加熱温度を、130〜200℃程度に設定することが可能となる。そのため、この加熱による、半導体チップ11および封止材層70の変質・劣化をより的確に抑制または防止することができるとともに、固定樹脂層60を溶融状態とするために要する時間の短縮を図ることができる。
なお、加熱時間は、特に限定されるわけではないが、30秒〜60分が好ましく、1〜30分が特に好ましい。加熱時間を上記範囲とすることで、固定樹脂層60を確実に溶融させることと、半導体チップ11および封止材層70が熱劣化してしまうことを効果的に防止することができる。
なお、活性エネルギー線の照射後における180℃での仮固定剤の溶融粘度は、0.01〜100Pa・sであるのが好ましいが、特に、0.1〜10Pa・s程度であるのが好ましい。これにより、前述した効果をより顕著に発揮させることができる。
また、活性エネルギー線の照射前における180℃での溶融粘度は、特に限定されないが、100〜10000Pa・s程度であるのが好ましく、100〜1000Pa・s程度であるのがより好ましい。これにより、電子部品配置封止材硬化物80の形成時に固定樹脂層60が例えば180℃程度に加熱されたとしても、固定樹脂層60は、半導体チップ11を支持基板50に固定するのに十分な強度を有しているため、電子部品配置封止材硬化物80の形成の際に、半導体チップ11の支持基板50からの位置ずれが生じてしまうのを確実に防止することができる。
さらに、活性エネルギー線の照射前における180℃での固定樹脂層60の溶融粘度をA[Pa・s]とし、活性エネルギー線の照射後における180℃での固定樹脂層60の溶融粘度をB[Pa・s]としたとき、A/Bは、100〜10000なる関係を満足するのが好ましく、200〜1000なる関係を満足するのがより好ましい。A/Bがかかる関係を満足することにより、電子部品配置封止材硬化物80の形成時には、固定樹脂層60により確実に半導体チップ11を支持基板50に固定することができ、電子部品配置封止材硬化物80の支持基板50からの脱離時には、支持基板50から電子部品配置封止材硬化物80を容易に脱離させることができる。
なお、固定樹脂層60の溶融粘度は、レオメータ法を用いて測定することができる。
具体的には、仮固定剤の溶液をシリコン基板上に塗布し、ホットプレート上で、120℃で300秒乾燥させ、活性エネルギー線として超高圧水銀灯からの光線を波長365nm換算で2000mJ/cm照射した後、仮固定剤からなる厚さ50μmのフィルムをシリコン基板より剥離し、レオメータ(Haake RS150型、Thermo Fischer Scientific社製)で溶融粘度を測定(ギャップ:30μm、昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:30〜300℃、周波数::1Hz)し、180℃における溶融粘度を測定値とすることにより求めることができる。
以上のような工程を経ることにより、支持基板50から剥離された電子部品配置封止材硬化物80を得ることができる。すなわち、前記工程[1]〜[6]により、本発明の電子装置の製造方法の第1実施形態が構成される。
次に、電子部品配置封止材硬化物80に配線層を形成する配線層形成工程について、図3、4を利用して説明する。
[7]次に、得られた電子部品配置封止材硬化物80を、半導体チップ11が端子を有する面(固定樹脂層60と接していた面)41を上に向けて配置する(図3(a)参照。)。
[8]次に、電子部品配置封止材硬化物80の端子を有する面41に、第1の絶縁層90を形成する(図3(b)参照。)。
前記第1の絶縁層90としては、特に限定されるわけではないが、有機樹脂組成物が好ましく、例えば、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等のポリアミド樹脂、ポリベンゾシクロブテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等を主成分とする感光性樹脂組成物を挙げることができる。これらの中でも、露光、現像する際の感度、解像度、また、ガラス転移温度、弾性率等の機械特性、さらには、電子部品配置封止材硬化物80に対する密着性に優れるポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等のポリアミド樹脂を主成分とするポジ型感光性樹脂組成物が好ましい。
前記樹脂組成物を電子部品配置封止材硬化物80の端子を有する面41に形成する方法は、特に限定されるわけではないが、スピンナーを用いた回転塗布法、スプレーコーターを用いた噴霧塗布法、浸漬法、印刷法、ロールコーティング法等を用いることにより塗布し、前記樹脂組成物に含まれる溶剤をプリベークし揮散させることにより形成することができる。この時、前記樹脂組成物は、形成する方法により適宜溶剤等により希釈することにより粘度を調整することができる。
前記塗布量は、特に限定されるわけではないが、最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布することが好ましい。膜厚が下限値未満であると、電子部品配置封止材硬化物80の絶縁膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、また、上限値を越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となるばかりでなく、加工に時間がかかりスループットが低下する。また、プリベーク温度は、特に限定されるわけではないが、50〜150℃が好ましく、60〜130℃が好ましい。
[9]次に、第1の絶縁層90の半導体チップ11の端子(図示しない)に対応する位置に、露光および現像することにより開口部91を形成する(図3(c)参照。)。
ここで、ポジ型感光性樹脂組成物を露光および現像することにより、開口部91を形成するメカニズムについて説明する。電子部品配置封止材硬化物80上の塗膜に、ステッパー等の露光装置でマスクの上から化学線を照射(露光)することにより、露光された部分(以下露光部)と露光されていない部分(以下、未露光部)が出来る。この未露光部中に存在するジアゾキノン化合物は現像液に不溶であり、またポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等のポリアミド樹脂がジアゾキノン化合物と相互作用することで、さらに、現像液に対し耐性を持つようになる。一方、露光部に存在していたジアゾキノン化合物は化学線の作用によって化学変化を起こし、現像液に可溶となり、樹脂の溶解を促進させる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの開口部91の作製が可能となる。
前記露光する方法としては、特に限定されるわけではないが、開口部91に対応する位置に開口を有するマスクを第1の絶縁層90に位置合わせし、X線、電子線、紫外線、可視光線等の化学線を照射することにより行うことができる。前記化学線の波長としては、200〜500nmであることが好ましく、具体的には、i線またはg線が好ましい。
次に、露光部を現像液で溶解除去することにより開口部91を得ることができる。前記現像液としては、特に限定されるわけではないが、溶剤、アルカリ水溶液を挙げることができ、環境に対する不可の少ないアルカリ水溶液が好ましい。前記アルカリ水溶液としては、特に限定されるわけではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液およびこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。
また、現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
[10]次に、第1の絶縁層90、開口部91の壁面および半導体チップ11の端子に連結するように、導電層92を形成する(図3(d)参照。)。
導電層92を形成する方法としては、特に限定されるわけではないが、Cr、Ti、Cu等の金属をスパッタリング法等により形成することができる。
[11]次に、導電体93を形成する部分に開口部を有するレジスト層100を形成する(図3(e)参照。)。
レジスト層100を形成するレジストとしては、特に限定されるわけではないが、液状またはフィルム状の感光性レジストが挙げられる。
液状の感光性レジストの場合、導電層92の全面を覆うように、スクリーン印刷等の手法により液状の感光性レジストを形成、次いで、導電体93を形成する部分に開口を有するマスクを介して露光し、次いで、現像液により現像することによりレジスト層100を形成する。フィルム状の感光性レジストの場合、導電層92の全面を覆うように、ラミネート等の手法によりフィルム状の感光性レジストを形成、あとは、液状のレジストの場合と同様にレジスト層100を形成する。
[12]次に、レジスト層100の開口部に、メッキにより導電体93を形成する(図3(f)参照。)。
導電体93を構成する金属としては、特に限定されるわけではなく、電気抵抗が小さく信号の高速化に対応することができる銅が好ましい。
[13]次に、レジスト層100を除去し、さらに、導電体93を形成している部分以外の導電層92を除去する(図4(a)参照。)。
レジスト層100および導電層92を除去する方法としては、特に限定されるわけではないが、導電体93を形成しない部分に導電層92の残渣が残り難い、反応性イオンエッチング(RIE)等の手法により除去することができる。反応性イオンエッチング等の手法により除去する際に、導電体93も若干膜減りを起こすが、導電層92よりも導電体93の厚みの方が十分に厚く形成されているため、導電体93が全て除去されてしまうことはない。
[14]次に、導電体93を覆うように、第2の絶縁層110を形成する(図4(b)参照。)。
第2の絶縁層110を構成する材料および第2の絶縁層110の形成方法は、時に限定されるわけではないが、第1の絶縁層90の場合と同様のものを用いることができる。
[15]次に、第2の絶縁層110のうち、バンプ18を形成する部分に開口部111を形成する(図4(c)参照。)。
第2の絶縁層110に開口部111を形成する方法としては、特に限定されるわけではないが、第1の絶縁層90に開口部91を形成する場合と同様の方法も用いることができる。
[16]次に、第2の絶縁層110の開口部111にバンプ18を形成する(図4(d)参照。)。
バンプ18の材質としては、特に限定されるわけではないが、錫(Sn)、鉛(Pb)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)および銅(Cu)からなる群から選択される少なくとも2種以上の金属の合金、または錫単体からなることが好ましい。これらのうち、溶融温度および機械的物性を考慮すると、Sn−Pbの合金、鉛フリー半田であるSn−Biの合金、Sn−Ag−Cuの合金、Sn−Inの合金、Sn−Agの合金などのSnを含む合金からなることがより好ましい。
バンプ18を形成する方法としては、特に限定されるわけではないが、前記Snを含む合金とフラックスを主成分とするペーストを、第2の絶縁層110の開口部111にスクリーン印刷等の手法により塗布、次いで、半田リフロー装置を通すことにより形成する方法、また、第2の絶縁層110の開口部111に前記Snを含む合金からなる半田ボールを載置し、次いで、半田ボールにフラックスを塗布し、次いで、半田リフロー装置を通すことにより形成する方法等が挙げられる。
以上のような工程を経ることにより、電子部品配置封止材硬化物80に配線層を形成することができる。
次に、配線層が形成された電子部品配置封止材硬化物80を分割して、電子装置30を得る工程について、図4を利用して説明する。
[17]上記電子部品配置封止材硬化物80を分割する工程は、前記工程[16]で得られたバンプ18を形成した電子部品配置封止材硬化物80を分割することにより、電子装置30を得る(図工程である(図4(d)および(e)参照)。
電子部品配置封止材硬化物80の分割は、各半導体チップ11毎に分割しても、複数の半導体チップ11単位で分割してもよい。複数の半導体チップ11単位で分割することにより、1つの電子装置30に複数の機能を有する半導体チップ11を配置することができるため、電子装置30の高機能化を実現することができる。
電子部品配置封止材硬化物80を分割する方法としては、特に限定されるわけではないが、レーザーやダイシングソー等の手法により分割することができる。これらの中でも、簡便に分割することができるダイシングソーによる方法が好ましい。
このようにして得られた電子装置30は、半導体チップ11の外縁の外側に配線を引きまわし、入出力の配線数を増大させることができるため、電子装置30の高機能化を実現することができる。また、支持基板50に半導体チップ11を固定する際に、活性エネルギー線の照射により溶融する温度が低下する固定樹脂層60を適用しているため、電子部品配置封止材硬化物80を剥離させる際の加熱温度を低く設定することができ、半導体チップ11および封止材層70の変質・劣化を的確に抑制または防止することができることから、信頼性の高い電子装置30を提供することができる。
以上のような工程を経ることにより、分割(個片化)された電子装置30を形成することができる。
なお、本実施形態では、分割されることにより形成された電子装置30において、分割された封止材層70により封止部13が、分割された第1の絶縁層90により第1の絶縁層14が、分割された第2の絶縁層110により第2の絶縁層17が、一体形成された導電体93によりビア15および導体層16がそれぞれ構成される。
次に、分割された電子装置30を基板に実装する工程について図1を利用して説明する。
[18]上記電子装置30を基板に実装する工程は、電子装置30のバンプ18とインターポーザ20の上に形成された配線回路19を接続する工程である(図1参照)。
前記バンプ18と配線回路19の接続する方法は、特に限定されるわけではないが、バンプ18の少なくとも表面に半田層を有する場合、バンプ18にフラックスを塗布し、次いで、バンプ18と配線回路19が対応するように電子装置30をインターポーザ20に載置し、次いで、半田リフロー装置を通すことにより電子装置30を作製することができる。この時、電子装置30とインターポーザ20はバンプ18と配線回路19が金属結合することにより、電気的に接続されている。
以上のような工程を経ることにより、電子装置パッケージ10を製造することができる。
なお、本実施形態では、封止材層70で半導体チップ11を封止する場合について説明したが、半導体チップ11のような能動素子に限らず各種電子部品を封止するようにしてもよく、その他の電子部品としては、例えば、コンデンサ、フィルター等の受動素子等が挙げられる。
<<第2実施形態>>
次に、電子装置パッケージ10を製造する電子装置パッケージの製造方法の第2実施形態について説明する。
すなわち、電子装置パッケージ10の製造方法の第2実施形態では、加熱により熱分解することで溶融または気化する樹脂成分を含む樹脂組成物で構成される仮固定剤を支持基材の表面に供給したのち乾燥させて固定樹脂層を設ける固定樹脂層形成工程と、該固定樹脂層上に、互いに隣接するもの同士間に隙間が形成されるように複数の電子部品を配置し、前記固定樹脂層を介して前記支持基材上に前記電子部品を固定する電子部品固定工程と、封止材で前記電子部品を覆い、前記固定樹脂層および前記電子部品上に封止材層を形成させる封止材層形成工程と、前記封止材を加熱することにより前記封止材を硬化し、前記支持基材に支持されており、前記電子部品が配置された電子部品配置封止材硬化物を得るとともに、前記固定樹脂層を加熱して前記樹脂成分を熱分解させることで、前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から剥離させる封止材硬化兼剥離工程とを有する。かかる構成の電子装置パッケージ10の製造方法の固定樹脂層形成工程において、本発明では、200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下の前記固定樹脂層を形成する。これにより、支持基材上における電子部品配置封止材硬化物の形成を、電子部品の位置ずれを厚さ方向および横方向の双方において生じることなく行うことができる。
以下、第2実施形態の電子装置パッケージ10の製造方法について説明するが、第1実施形態の電子装置パッケージ10の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
前述した第1実施形態では、封止材硬化工程を行った後、剥離工程を実施することとしたが、本実施形態では、封止材硬化工程と剥離工程を同時に行う封止材硬化兼剥離工程を実施することとした以外は、第1実施形態と共通するものである。
すなわち、第2実施形態では、封止材層70を硬化させる封止材硬化工程[5]と、電子部品配置封止材硬化物80を剥離させる剥離工程[6]とを同時に行うものであり、封止材層70を硬化させるための加熱と、電子部品配置封止材硬化物80を支持基板50から剥離させるための加熱とを同時に行う。本工程をかかる構成のものとすることで、封止材層70の硬化と、固定樹脂層60の溶融または気化とを同時に行うことができる。すなわち、封止材層70の硬化と、電子部品配置封止材硬化物80の剥離とを同時に行うことができる。
その結果、電子装置パッケージ10の製造工程を短縮することができるため、生産性を向上することができるとともに、電子装置パッケージ10を廉価に製造することができる。
この際、封止材層70および固定樹脂層60を加熱する温度は130〜250℃が好ましく、150〜220℃が特に好ましい。また、加熱時間は特に限定されるわけではないが、30分〜8時間が好ましく、1〜6時間が特に好ましい。加熱温度および加熱時間を上記範囲とすることで、封止材層70の硬化と、活性エネルギー線照射後における固定樹脂層60の溶融とを確実に行うことができる。
なお、固定樹脂層60に含まれる樹脂成分が、活性エネルギー線の照射により、熱分解する温度が低下するものである場合には、本工程における加熱に先立って、固定樹脂層60に活性エネルギー線を照射するようにしてもよい。かかる構成とすることによっても、前記工程[6−2’]で説明したのと同様の効果が得られることから、電子部品配置封止材硬化物80が加熱されることによる変質・劣化をより的確に抑制または防止することができる。
以上、本発明の電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、本発明の電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法に用いられる樹脂組成物に含まれる各構成材料は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
また、仮固定剤に含まれる各構成材料は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
さらに、本発明の電子装置の製造方法および電子装置パッケージの製造方法には、必要に応じて任意の工程が追加されてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.仮固定剤の調製
まず、以下に示すようなサンプルNo.1A〜3A、サンプルNo.1Bの仮固定剤を調整した。
[サンプルNo.1A]
<ポリイソソルバイドカーボネートの合成>
イソソルバイド102.01g(0.698モル)、炭酸ジフェニル149.53g(0.698モル)、炭酸セシウム0.0023g(6.98×10−6モル)をそれぞれ秤量し、その後、これらを反応容器に入れた。反応の第1工程として、窒素雰囲気下で、120℃に加熱した加熱槽に反応容器を浸し、攪拌し、原料を溶解させ、2時間攪拌を続けた。次に、反応の第2工程として、反応容器内を10kPaに減圧し、120℃で1時間攪拌を続けた。次に、反応の第3工程として、反応容器内を0.5kPa以下に減圧し、120℃で1.5時間攪拌を続けた。次に、反応の第4工程として、反応容器内を0.5kPa以下に減圧したまま、約30分かけて加熱槽の温度を180℃に昇温した後、180℃で1.5時間攪拌を続けた。なお、前記反応の第2〜4工程で生じたフェノールは反応容器外へ留去した。そして、反応容器内の圧力を常圧に戻した後、γ−ブチロラクトン1200mLを加え、生成物を溶解させた。次に、イソプロパノール/水=9/1(v/v)の混合溶液12.0Lを攪拌させた状態で、生成物を溶解した溶液を滴下した。次に、析出した沈殿を吸引濾過で回収し、回収した沈殿をイソプロパノール/水=9/1(v/v)の混合溶液4.0Lで洗浄した後、吸引濾過で回収した。回収した沈殿を真空乾燥機で80℃/18時間乾燥することにより、ポリイソソルバイドカーボネートの粉末123.15gを得た。
<仮固定剤の作製>
得られたポリイソソルバイドカーボネート100g、活性剤としてRhodorsil Photoinitiator2074(FABA)(ローディアジャパン(株)社製 Rhodorsil Photoinitiator2074)5g、増感剤として1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン(英Lambson社製 SPEEDCURE CPTX(商品名))1.5gをγ−ブチロラクトン(溶剤)159.8gに溶解し、樹脂濃度40%の仮固定剤を作製した。
なお、このサンプルNo.1Aの仮固定剤の粘度(25℃)は30mPa・sであった。
[サンプルNo.2A]
<1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体の合成>
攪拌機、原料仕込み口、及び窒素ガス導入口を備えた三口フラスコに1,3−シクロヘキサンジオール(191.8g、1.650mol)、cis−endo−ノルボルナンジメタノール(145.0g、0.930mol)、ジフェニルカーボネート(530.3g、2.48mol)、リチウムハイドライド(0.101g、0.013mol)を加え、窒素雰囲気下で、120℃で加熱し、混合物を溶解した。
次いで、反応混合物を、窒素雰囲気下、120℃で2時間撹拌した。その後、反応容器内を10kPa程度減圧し、120℃で1時間撹拌した。その後、反応容器内を0.5kPa以下に減圧し、120℃で1.5時間、さらに、180℃で1.5時間撹拌した。
上記で得られた反応物をテトラヒドロフランに溶解させ、ろ過を行った。その後、その濾液を水/メタノール=1/9の溶液に投入、沈殿物を回収し、更に、水/メタノール=1/9の溶液で充分に洗浄し、減圧乾燥した後、287.0gの1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体(収率76%)を得た。
合成した1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体をGPCにより重量平均分子量を測定したところ38,000であった。
<仮固定剤の作製>
得られた1,3−シクロヘキサンカーボネート/endo−ノルボルネンカーボネート共重合体100g、活性剤としてRhodorsil Photoinitiator2074(FABA)(ローディアジャパン(株)社製 Rhodorsil Photoinitiator2074)5g、増感剤として1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン(英Lambson社製 SPEEDCURE CPTX(商品名))1.5gをγ−ブチロラクトン(溶剤)159.8gに溶解し、樹脂濃度40%の仮固定剤を作製した。
なお、このサンプルNo.2Aの仮固定剤の粘度(25℃)は20,000mPa・sであった。
[サンプルNo.3A]
<1,4−ポリブチレンカーボネートの合成>
攪拌機、原料仕込み口、および窒素ガス導入口を備えた三口フラスコに1,4−ブタンジオール(168g、1.864mol)と炭酸ジエチル(264.2g、2.236mol)を加え、窒素雰囲気下で90〜100℃で加熱し、混合物を溶解した。
次いで、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液(80ml、0.186mol)を加えた後、窒素雰囲気下、90〜100℃で1時間攪拌した。その後、反応容器内を30kPa程度減圧し、90〜100℃で1時間、120℃で1時間した。その後、更に、0.1kPaの真空下、150℃で1時間、180℃で2時間攪拌した。
上記で得られた反応物をテトラヒドロフラン(2L)に溶解させ、ろ過を行い、触媒残渣を除去した。その後、その濾液を蒸留水/メタノール=1/9の溶液(20L)に投入、沈殿物を回収し、さらに、蒸留水/メタノール=1/9の溶液(10L)で充分に洗浄し、減圧乾燥した後、125gの1,4−ポリブチレンカーボネート(収率48%)を得た。
合成した1,4−ポリブチレンカーボネートをGPCにより重量平均分子量を測定したところ、35,000であった。
<仮固定剤の作製>
得られた1,4−ポリブチレンカーボネート100g、活性剤としてRhodorsil Photoinitiator2074(FABA)(ローディアジャパン(株)社製 Rhodorsil Photoinitiator2074)5g、増感剤として1−クロロ−4‐プロポキシチオキサントン(英Lambson社製 SPEEDCURE CPTX(商品名))1.5gをγ−ブチロラクトン(溶剤)159.8gに溶解し、樹脂濃度40%のサンプルNo.3Aの仮固定剤を作製した。
なお、このサンプルNo.3Aの仮固定剤の粘度(25℃)は15000mPa・sであった。
[サンプルNo.1B]
<5−デシルノルボルネン重合体の合成>
反応容器に酢酸エチル(430g)、シクロヘキサン(890g)、5−デシルノルボルネン(223g、0.95モル)を導入し、この系中に乾燥窒素を40℃で30分流し、溶存酸素を除去した。ビス(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル1.33g(0.275mモル)を12gの酢酸エチルに溶解したものを反応系中に添加し、上記の系を20℃から35℃に15分掛けて昇温し、その温度を保持しながら3時間系中を攪拌した。
系を室温まで冷却後、49gの30%過酸化水素水を添加した約1500gの純水に氷酢酸26gを溶解させ、これを前記反応系中に添加し、反応系を50℃で5時間攪拌した後、攪拌を止め、分離した水層を除去した。残った有機層を220gのメタノールと220gのイソプロピルアルコールを混合したものを、添加〜攪拌〜除去することで洗浄した。さらに、510gのシクロヘキサンと290gの酢酸エチルを系に添加し、均一に溶解した後、また156gのメタノールと167gのイソプロピルアルコールを混合したものを、添加〜攪拌〜除去することで洗浄することを、2回繰り返した。
洗浄後の有機層に180mLのシクロヘキサンを添加して系を均一に溶解し、さらに670gのメシチレンを添加した。そして、ロータリーエバポレーターで減圧下でシクロヘキサンを蒸発除去することにより、収量:543g(35%のメシチレン溶液)の樹脂組成物Cを得た。
合成したデシルノルボルネンを、GPCにより重量平均分子量を測定したところ、177000であった。
<仮固定剤の作製>
得られた5−デシルノルボルネン付加重合体100gを、1,3,5−トリメチルベンゼン(溶剤)122.2gに溶解し、樹脂濃度45%のNo.1Bの仮固定剤を作製した。
なお、このサンプルNo.1Bの仮固定剤の粘度(25℃)は8000mPa・sであった。
Figure 2012129326
2.半導体ウエハの裏面加工
次に、以下に示すようにして、各サンプルNo.の仮固定剤を用いて、半導体ウエハの裏面に加工を施した。
[実施例1A]
<1> まず、スピンコータを用いて、サンプルNo.1Aの仮固定剤を8インチの透明ガラスに塗布し(回転数:1200rpm、時間:30秒)、次いで、ホットプレート上で、120℃、5分の条件でプリベーク(乾燥)を行い、厚さ30μmの仮固定剤からなる薄膜(固定樹脂層)を形成した。
なお、この薄膜の200℃における粘度を、予め、レオメータ装置(Thermo Fischer Scientific社製、「Haake RS150」)を用いて測定したところ、1000Pa・sであった。
<2> 次に、フリップチップボンダー(FCB3、パナソニック社製)を用い、半導体チップ(10.5mm角)112個を4.5mmの間隔で仮固定剤からなる薄膜を介して8インチ透明ガラス上に仮固定した(温度:200℃、圧力:3.6MPa、時間:15秒)。
<3> 次に、透明ガラスに仮固定された半導体チップを覆うように、封止材層を形成した。
なお、この封止材層は、エポキシ樹脂としてビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、硬化剤としてビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、無機充填材としてシリカとを含有する封止材を、半導体チップを覆うように透明ガラス上に供給した後、圧力3.9MPa、温度125℃、加圧加熱時間7分の条件で、圧縮成形することにより形成した。
<4> 次に、封止材層を加熱して硬化させて、半導体チップが封止された電子部品配置封止材硬化物を透明ガラス上に形成した。
なお、封止材層の硬化は、温度175℃、加熱時間4時間の条件で行った。
<5> 次に、透明ガラスを介して薄膜に対して波長365nmの紫外線(活性エネルギー線)を1,000mj/cm2照射して仮固定剤が熱分解する温度を低下させた。
<6> 次に、8インチ透明ガラス上に電子部品配置封止材硬化物が仮固定されたサンプルをオーブンに投入し、所定の温度、時間による加熱処理を行い、仮固定剤の熱分解を行った。
なお、仮固定剤は、320℃、30分の加熱処理により熱分解を行った。
<7> 次に、熱分解を行ったサンプルをオーブンから取り出し、8インチ透明ガラスと電子部品配置封止材硬化物の隙間にピンセットを入れ、8インチ透明ガラスからの電子部品配置封止材硬化物の脱離を行った。
[比較例2A〜3A]
前記工程<1>における、用いる仮固定剤の種類、成膜の条件、前記工程<2>における半導体チップ仮固定条件、<3>における封止材層形成条件等をそれぞれ表2に示すように変更したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、電子部品配置封止材硬化物の形成を行った。
[実施例1B]
前記工程<1>における、用いる仮固定剤の種類、成膜の条件、前記工程<2>における半導体チップ仮固定条件、<3>における封止材層形成条件等をそれぞれ表2に示すように変更し、前記工程<6>において、仮固定剤の熱分解を、450℃、120分の加熱処理により行ったこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、電子部品配置封止材硬化物の形成を行った。
3.評価
3−1.仮固定剤の200℃における粘度
各実施例および各比較例で用いた各サンプルNo.の仮固定剤の溶液をシリコン基板上に塗布し、ホットプレート上で仮固定剤中の溶剤が揮発する温度および時間で乾燥させ、シリコン基板より剥離することで得られる仮固定剤からなる試験片を、レオメータ(Haake RS150型、Thermo Fischer Scientific社製)にギャップ30μmでセットして、30〜300℃まで10分/℃の速度で昇温しながら1Hzの周期で剪断応力を掛け、その際の変位を測定し、200℃における値を測定値とする。
なお、実施例1A、比較例2Aおよび3Aで用いたサンプルについては、180℃、5分の条件で、また、実施例1Bで用いたサンプルについては120℃、5分の条件で仮固定剤の乾燥を行った。
3−2.半導体チップの間隔の測定
半導体チップ間の距離は、デジグラマ(QV−Apex404PRO、ミツトヨ製)で10箇所測定し、以下の判定基準で判定した。
○:10μm以上半導体チップ間隔がずれている箇所が全くない場合
×:10μm以上半導体チップ間隔がずれている箇所が1箇所以上有る場合
3−3.封止材層からの半導体チップの突出幅の測定
表面粗さ計(SURFCOM480A、東京精密製)で封止材層からの半導体チップの突出幅を10箇所測定し、以下の判定基準により判定した。
○:半導体チップの突出量が10μm以上の箇所が全くない場合
×:半導体チップの突出量が10μm以上の箇所が1箇所以上有る場合
以下に、実施例1A、1Bおよび比較例2A、3Aの評価結果を表2に示す。
Figure 2012129326
表2に示したように、各実施例では、薄膜の200℃における粘度が適切な範囲内に設定されていることに起因して、チップ沈みおよびチップ沈みの双方を生じさせることなく電子部品配置封止材硬化物を作製することが可能であった。
これに対して、各比較例では、薄膜の200℃における粘度が適切な範囲内に設定されていないために、チップ沈みおよびチップ沈みが生じた電子部品配置封止材硬化物が得られる結果となった。
10 電子装置パッケージ
11 半導体チップ
12 機能面
13 封止部
14 第1の絶縁層
15 ビア
16 導体層
17 第2の絶縁層
18 バンプ
19 配線回路
20 インターポーザ
30 電子装置
41 端子を有する面
50 支持基板
60 固定樹脂層
70 封止材層
80 電子部品配置封止材硬化物
90 第1の絶縁層
91 開口部
92 導電層
93 導電体
100 レジスト層
110 第2の絶縁層
111 開口部

Claims (15)

  1. 加熱により熱分解することで溶融または気化する樹脂成分を含む樹脂組成物で構成される仮固定剤を支持基材の表面に供給したのち乾燥させて固定樹脂層を設ける固定樹脂層形成工程と、
    該固定樹脂層上に、互いに隣接するもの同士間に隙間が形成されるように複数の電子部品を配置し、前記固定樹脂層を介して前記支持基材上に前記電子部品を固定する電子部品固定工程と、
    封止材で前記電子部品を覆い、前記固定樹脂層および前記電子部品上に封止材層を形成させる封止材層形成工程と、
    前記封止材を加熱することにより前記封止材を硬化し、前記支持基材に支持されており、前記電子部品が配置された電子部品配置封止材硬化物を得る封止材硬化工程と、
    前記固定樹脂層を加熱して前記樹脂成分を熱分解させることで、前記支持基材に支持されている前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から剥離させる剥離工程とを有する電子装置の製造方法であり、
    前記固定樹脂層形成工程において、200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下の前記固定樹脂層を形成することを特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 前記電子部品固定工程において、前記支持基材上に前記電子部品を固定する際の温度は、50〜200℃である請求項1に記載の電子装置の製造方法。
  3. 前記電子部品固定工程において、前記電子部品と前記支持基材とが互いに近づく方向に、0.05〜1MPaの圧力で加圧する請求項1または2に記載の電子装置の製造方法。
  4. 前記封止材層形成工程において、前記封止材を加熱する温度は、50〜200℃である請求項1ないし3のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
  5. 前記封止材層形成工程において、前記封止剤層と前記支持基材とが互いに近づく方向に、0.5〜12MPaの圧力で加圧する請求項1ないし4のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
  6. 前記固定樹脂層形成工程において、前記固定樹脂層は、その平均厚さが50〜100μmの厚さに形成される請求項1ないし5のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
  7. 加熱により熱分解することで溶融または気化する樹脂成分を含む樹脂組成物で構成される仮固定剤を支持基材の表面に供給したのち乾燥させて固定樹脂層を設ける固定樹脂層形成工程と、
    該固定樹脂層上に、互いに隣接するもの同士間に隙間が形成されるように複数の電子部品を配置し、前記固定樹脂層を介して前記支持基材上に前記電子部品を固定する電子部品固定工程と、
    封止材で前記電子部品を覆い、前記固定樹脂層および前記電子部品上に封止材層を形成させる封止材層形成工程と、
    前記封止材を加熱することにより前記封止材を硬化し、前記支持基材に支持されており、前記電子部品が配置された電子部品配置封止材硬化物を得るとともに、前記固定樹脂層を加熱して前記樹脂成分を熱分解させることで、前記電子部品配置封止材硬化物を前記支持基材から剥離させる封止材硬化兼剥離工程とを有する電子装置の製造方法であり、
    前記固定樹脂層形成工程において、200℃における粘度が10Pa・s以上、10000Pa・s以下の前記固定樹脂層を形成することを特徴とする電子装置の製造方法。
  8. 前記樹脂成分は、前記仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下するものであり、前記剥離工程に先立って、前記活性エネルギー線を前記固定樹脂層に照射する請求項1ないし7のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
  9. 前記樹脂成分は、酸または塩基の存在下において前記熱分解する温度が低下するものであり、前記樹脂組成物は、さらに前記活性エネルギー線の照射により酸または塩基を発生する活性剤を含有する請求項8に記載の電子装置の製造方法。
  10. 前記樹脂成分は、ポリカーボネート系樹脂である請求項8または9に記載の電子装置の製造方法。
  11. 前記樹脂成分は、前記仮固定剤への活性エネルギー線の照射により、前記熱分解する温度が低下しない請求項1ないし7のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
  12. 前記樹脂成分は、ノルボルネン系樹脂である請求項11に記載の電子装置の製造方法。
  13. さらに、前記電子部品配置封止材硬化物の前記電子部品が配置されている面に配線層を形成し、該配線層が形成された電子部品配置封止材硬化物を得る配線層形成工程を有する請求項1ないし12のいずれかに記載の電子装置の製造方法。
  14. さらに、前記配線層が形成された前記電子部品配置封止材硬化物を分割することにより、前記配線層が形成された前記電子部品配置封止材硬化物を個片化し、個片化された前記電子部品配置封止材硬化物を得る個片化工程を有する請求項13に記載の電子装置の製造方法。
  15. 請求項14に記載の個片化された前記電子部品配置封止材硬化物を基板に実装する実装工程を有することを特徴とする電子装置パッケージの製造方法。
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