JP2012124599A - 電力増幅器用バイアス回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】差分周波数Δfが数百MHzにおいても電力増幅器用バイアス回路のリップル電圧ΔVが抑制されてバイアス回路電圧が平滑化され、マイクロ波/ミリ波/サブミリ波帯の高周波に適用可能な電力増幅器用バイアス回路を提供する。
【解決手段】電力増幅器の出力側整合伝送線路のバイアス回路接続点に接続された第1ボンディングワイヤと、第1ボンディングワイヤの終端に接続された第2ボンディングワイヤと、第1ボンディングワイヤの終端に接続されたオープンスタブ伝送線路と、第2ボンディングワイヤの終端に接続されたバイパスリザバーキャパシタとを備える電力増幅器用バイアス回路。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、電力増幅器用バイアス回路に関する。
電力増幅器のバイアス回路は、バイアス回路がRF特性に影響を与えないように、バイアス回路の接続ポイントにおいてバイアス回路が開放に見える、つまりはRF信号がバイアス回路に漏れ出ないように接続されている。
具体的には、高いインピーダンスで長さがRF周波数に対してλ/4となるマイクロストリップ線路を介して接続されている。このλ/4の一方を接地に対して短絡と見せることで、他方を開放に見せることができる。接地に対して短絡と見せるためには、λ/4長のオープンスタブを配するか、1pF程度のキャパシタを配する。
電力増幅器のバイアス回路は、すべての周波数において電力増幅器に安定な電圧を供給するために、複数のキャパシタが並列に配置されている。実際のキャパシタは、キャパシタンス成分に直列なインダクタンス成分をもち、このキャパシタンス成分とインダクタンス成分による自己共振周波数をもつ。自己共振周波数よりも低い周波数ではC性(キャパシタンスとして振舞う)、高い周波数ではL性(インダクタンスとして振舞う)ので、容量値の異なるキャパシタを並列に配置すると、互いの自己共振周波数の間に共振により開放と見える周波数が生じる。これを回避するために、1pFの容量と並列するキャパシタ間は高いインピーダンスで長さがRF周波数に対してλ/4長となるマイクロストリップ線路を介して接続し、1000pFと50Ωの直列接続からなる回路を並列に配している。
バイアス供給源と増幅器の出力端子間に何らかのインピーダンスが存在すると、増幅器の出力端子に現れる電圧が変調され、増幅器の特性に悪影響を与える。例えば、バイアス供給源と増幅器の出力端子間には、その距離に応じてリアクタンスが存在する。RF信号に対しては、バイアス回路の接続点においてバイアス回路が開放に見える、つまりはRF信号がバイアス回路に漏れ出ないように構成するので電圧変調は生じないが、その他の周波数成分(f)が生じた場合は電圧変調が生じる。具体的には、バイアス供給源と増幅器の出力端子間の距離が50mm程度とすると、50nH程度のリアクタンスが存在し、周波数成分(f)の交流電流をIとするとその変調される電圧振幅(リップル電圧)は、2πf×Iとなる。
増幅器の線形性を評価する方法として用いられている三次相互変調歪IM3の測定では、周波数が僅かに異なる2つの信号を入力するが、それら周波数の差分の周波数成分が生じ、バイアス回路に流れ込み、その差分周波数をもつ電圧変調が生じる。地上通信網では高い信号品質が求められるため、その評価指標である三次相互変調歪IM3が−40dBc程度での出力電力を測定するが、VSAT(超小型地球局:Very Small Aperture Terminal)など信号品質への要求が緩やかなアプリケーションでは、その評価指標である三次相互変調歪IM3が−25dBc程度での出力電力を測定する。−25dBcにおける測定では、−40dBcでの測定よりも出力レベルが大きいので、バイアス供給源と増幅器の出力端子間に流れる電流も大きく、そのリップル電圧は大きくなる。
一般に最大出力が大きな電力増幅器ほどその電流が大きく、その結果リップル電圧は大きくなる。
リップル電圧の抑制するために、バイパスリザバーキャパシタ(bypass reservoir capacitor)を電力増幅器の出力端子に並列接続する。
例えば、差分周波数Δfが5MHzのとき、6GHz帯80W級GaAsMESFET(例えばTIM5964−80SL)の場合、−25dBc動作時の電流振幅IPKの値は、3A程度であり、この電荷量を5MHzの周期以内に供給し、リップル電圧ΔVを0.1V以内にするために必要なバイパスリザバーキャパシタCBRの値は、CBR=Q/△Vで表すことができる。ここで、Q=IPK∫(0〜T/2)sinωtdt=IPK∫(0〜π/ω)sinωtdtで表される。したがって、Qの値は、約3×(1/2πf)=1×10-7(C)であり、リップル電圧ΔV=0.1Vから、CBR=1μFとなる。
従来例の構成では、1μFの容量が配置できるのはフィードスル―キャパシタ(feed thru capacitor)を介した筐体の外にあるキャパシタとなるが、筐体の外にあるキャパシタから電力増幅器の出力端子間の距離は、約50mm程度となり、50nH程度のリアクタンスが存在し、電圧振幅(リップル電圧)は、△V=2πf×L×I=2π×5×106×50×10-9×3より、ΔVは約4.7Vとなる。すなわち、10Vの電圧を供給しているにも関わらず、実際に電力増幅器の出力端子に現れる電圧は約4.7Vのリップルをもつという問題点が生じる。
1μFものチップキャパシタには、その内部に直列抵抗(ESR)があり、この直列抵抗おける電圧降下のために、リップル電圧が生じる問題がある。ESRが大きいと接地に対してショートをつくれなくなるからである。
また、マイクロストリップ線路を高いインピーダンス、例えば、Zo=120Ωとするためには、比誘電率2.2、厚さ0.254mmの基板上では、線幅0.15mmとなる。ここに流せる電流は2A程度であり、6A程度流すために線幅を0.5mmとするとZo=66Ωまで下がってしまい、RF信号がバイアス回路に漏れやすくなり、バイアス回路がRF特性に悪影響を与えるという問題点が生じる。すなわち、Zoと許容電流が両立しない。例えば、許容電流>6Aを優先し、Zo=66Ωでバイアス回路を構成するとRF特性に悪影響を与える。
本実施形態の電力増幅器用バイアス回路は、電力増幅器の出力側整合伝送線路のバイアス回路接続点に接続された第1ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤの終端に接続された第2ボンディングワイヤと、前記第1ボンディングワイヤの終端に接続されたオープンスタブ伝送線路と、第2ボンディングワイヤの終端とドレインバイアス電圧供給端子間とを接続するラインと接地電位間に接続されたバイパスリザバーキャパシタとを備える。
比較例に係る電力増幅器用バイアス回路の模式的回路構成図。 実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路の模式的回路構成図。 λ/4長オープンスタブの平面構成図。 λ/4長オープンスタブの動作を説明するスミスチャート図。 λ/4長オープンスタブの代わりに理想的なキャパシタCidを備える実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路の模式的回路構成図。 等価直列抵抗ESRのインピーダンスESR(Ω)の周波数特性例。 チップキャパシタの挿入損失(dB)の周波数特性例。 (a)チップキャパシタの等価回路構成、(b)等価直列インダクタンスESLの影響を考慮した場合の挿入損失(dB)の周波数特性、(c)等価直列抵抗ESRの影響を考慮した場合の挿入損失(dB)の周波数特性、(d)等価直列インダクタンスESLと等価直列抵抗ESRの影響を考慮した場合の挿入損失(dB)の周波数特性。 (a)キャパシタCi1とキャパシタCi2の並列回路、(b)キャパシタCi1とインダクタLrの並列回路。 実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器(FET)において、電流振幅IPKをパラメータとするリップル電圧ΔVとバイパスリザバーキャパシタCBRとの関係を示すシミュレーション結果。 実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器(FET)において、差分周波数fをパラメータとするリップル電圧ΔVとバイパスリザバーキャパシタCBRとの関係を示すシミュレーション結果。 (a)実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップの模式的平面パターン構成の拡大図、(b)図12(a)のJ部分の拡大図。 実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップの構造例1であって、図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップの構造例2であって、図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップの構造例3であって、図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構造図。 実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップの構造例4であって、図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構造図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下において、同じ要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(比較例)
比較例に係る電力増幅器用バイアス回路は、図1に示すように、電力増幅器(FET)10の入力側に配置されたゲートバイアス回路12aと、電力増幅器(FET)10の出力側に配置されたドレインバイアス回路14aとを備える。
電力増幅器(FET)10のゲート入力とRF入力端子Pi間には、50Ω伝送線路Zoと直流遮断用のチップキャパシタC11が接続され、電力増幅器(FET)10のドレイン出力とRF出力端子Po間には、50Ω伝送線路Zoと直流遮断用のチップキャパシタC12が接続されている。ここで、チップキャパシタC11・C12の値は、例えば、10/f(GHz)pFである。
さらに、ゲートバイアス回路12aは、図1に示すように、50Ω伝送線路Zo上のバイアス回路接続点Niに接続されたハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHと、ハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHの終端TN1に接続されたローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路ZLとを備える。
さらに、ゲートバイアス回路12aは、図1に示すように、終端TN1とゲートバイアス電圧Vgs供給端子間に直列接続された50Ωチップ抵抗R1・インダクタL1・50Ωチップ抵抗R11と、チップキャパシタC2・C32・C31と、フィードスルーキャパシタC41と、キャパシタC51とを備える。ここで、チップキャパシタC2・C32・C31は、それぞれ約1000pF・1.0pF・1.0pFであり、フィードスルーキャパシタC41・キャパシタC51は、それぞれ約1000pF・33μFである。
さらに、ドレインバイアス回路14aは、図1に示すように、50Ω伝送線路Zo上のバイアス回路接続点Noに接続されたハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHと、ハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHの終端TN1に接続されたローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路ZLと、さらに終端TN1に接続されたハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHとを備える。
さらに、ドレインバイアス回路14aは、図1に示すように、終端TN2とドレインバイアス電圧Vds供給端子間とを接続するラインと接地電位間に接続されたチップキャパシタC22・50Ωチップ抵抗R22の直列回路、チップキャパシタC33、フィードスルーキャパシタC42、キャパシタC52・50Ωチップ抵抗R12の直列回路とを備える。ここで、チップキャパシタC22・C33は、それぞれ約1000pF・1.0pFであり、フィードスルーキャパシタC42・キャパシタC52は、それぞれ約1000pF・33μFである。
電力増幅器のバイアス回路は、バイアス回路がRF特性に影響を与えないように、バイアス回路接続点Ni・Noにおいてバイアス回路が開放に見える、つまりはRF信号がバイアス回路に漏れ出ないように接続されている。
具体的には、高いインピーダンスで長さがRF周波数に対してλ/4となるマイクロストリップ線路、すなわち、ハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHを介して接続されている。このハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHの一方を接地に対して短絡と見せることで、他方を開放に見せることができる。接地に対して短絡と見せるためには、λ/4長のオープンスタブ、すなわちローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路ZLを配する。
電力増幅器のバイアス回路は、すべての周波数において電力増幅器に安定な電圧を供給するために、複数のキャパシタが並列に配置されている。実際のキャパシタは、キャパシタンス成分に直列なインダクタンス成分をもち、このキャパシタンス成分とインダクタンス成分による自己共振周波数をもつ。自己共振周波数よりも低い周波数ではC性(キャパシタンスとして振舞う)、高い周波数ではL性(インダクタンスとして振舞う)ので、容量値の異なるキャパシタを並列に配置すると、互いの自己共振周波数の間に共振により開放と見える周波数が生じる。これを回避するために、1pFのチップキャパシタC33と並列するキャパシタ間は高いインピーダンスで長さがRF周波数に対してλ/4長となるマイクロストリップ線路、すなわちハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHを介して接続し、1000pFのチップキャパシタC22と50Ωチップ抵抗R22の直列接続からなる回路を並列に配している。
[第1の実施の形態]
実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路の模式的回路構成は、図2に示すように表される。
実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路は、図2に示すように、電力増幅器(FET)10の入力側に配置されたゲートバイアス回路12と、電力増幅器(FET)10の出力側に配置されたドレインバイアス回路14とを備える。
実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路は、電力増幅器(FET)10の出力側整合伝送線路Zoのバイアス回路接続点Noに接続された第1ボンディングワイヤBW2と、第1ボンディングワイヤBW2の終端41に接続された第2ボンディングワイヤBW1と、第1ボンディングワイヤBW2の終端41に接続されたオープンスタブ伝送線路ZLと、第2ボンディングワイヤBW1の終端40とドレインバイアス電圧Vds供給端子間とを接続するラインと接地電位間に接続されたバイパスリザバーキャパシタCBRとを備える。
また、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路において、バイパスリザバーキャパシタの値をCBR、電流振幅の値をIPK、許容できるリップル電圧の値をΔV、差分周波数の値をΔfとすると、バイパスリザバーキャパシタは、CBR=IPK×(1/2πΔf)/△V以上の値を有する。
ここで、第1ボンディングワイヤBW2および第2ボンディングワイヤBW1は、ともにλ/4長を有する。
また、オープンスタブ伝送線路ZLは、λ/4長を有する。
また、バイパスリザバーキャパシタCBRは、バイパスリザバーキャパシタCBRの値以下の複数のキャパシタの並列接続で構成されている。
また、バイパスリザバーキャパシタCBRの値は1μF以上であり、バイパスリザバーキャパシタCBRは、1μF以下の値を有する複数のキャパシタの並列接続で構成されていても良い。
また、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路において、三次相互変調歪IM3が−25dBc程度での出力電力を測定するときにもリップル電圧ΔVが0.1V以下である。
また、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路において、バイパスリザバーキャパシタCBRは、バイパスリザバーキャパシタCBRの値以下の複数のキャパシタの並列接続で構成されていることで、実効的に等価直列抵抗ESRが低減されている。
電力増幅器(FET)10のゲート入力とRF入力端子Pi間には、50Ω伝送線路Zoと直流遮断用のチップキャパシタC11が接続され、電力増幅器(FET)10のドレイン出力とRF出力端子Po間には、50Ω伝送線路Zoと直流遮断用のチップキャパシタC12が接続されている。ここで、チップキャパシタC11・C12の値は、例えば、10/f(GHz)pFである。例えば、4GHzで使用する場合、2.5pFとなる。ここで、インピーダンスZ=|1/ωC|は、約16Ωとなり、50Ωとはならない。
さらに、ゲートバイアス回路12は、図2に示すように、50Ω伝送線路Zo上のバイアス回路接続点Niに接続されたハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHと、ハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHの終端TN1に接続されたローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路ZLとを備える。ここで、ハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHとは、50Ω伝送線路Zo対して十分高いインピーダンスを有する伝送線路である。また、ローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路ZLとは、50Ω伝送線路Zo対して十分低いインピーダンスを有する伝送線路である。
さらに、ゲートバイアス回路12は、図2に示すように、終端TN1とゲートバイアス電圧Vgs供給端子間に直列接続された50Ωチップ抵抗R1・インダクタL1・50Ωチップ抵抗R11と、チップキャパシタC2・C32・C31と、フィードスルーキャパシタC41と、キャパシタC51とを備える。ここで、チップキャパシタC2・C32・C31は、それぞれ約1000pF・1.0pF・1.0pFであり、フィードスルーキャパシタC41・キャパシタC51は、それぞれ約1000pF・33μFである。
さらに、ドレインバイアス回路14は、図2に示すように、50Ω伝送線路Zo上のバイアス回路接続点Noに接続されたλ/4長ボンディングワイヤBW2と、λ/4長ボンディングワイヤBW2の終端41に接続されたローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路ZLと、さらに終端41に接続されたλ/4長ボンディングワイヤBW1とを備える。
さらに、ドレインバイアス回路14は、図2に示すように、λ/4長ボンディングワイヤBW1の終端40とドレインバイアス電圧Vds供給端子間とを接続するラインと接地電位間に接続されたバイパスリザバーキャパシタCBR、チップキャパシタC22・50Ωチップ抵抗R22の直列回路、チップキャパシタC33、フィードスルーキャパシタC42、キャパシタC52・50Ωチップ抵抗R12の直列回路とを備える。ここで、バイパスリザバーキャパシタCBRは、図2に示すように、例えば、CBRと同程度の容量値を有するキャパシタC6を4個並列接続して構成される。また、チップキャパシタC22・C33は、それぞれ約1000pF・1.0pFであり、フィードスルーキャパシタC42・キャパシタC52は、それぞれ約1000pF・33μFである。
電力増幅器のバイアス回路は、バイアス回路がRF特性に影響を与えないように、バイアス回路接続点Ni・Noにおいてバイアス回路が開放に見える、つまりはRF信号がバイアス回路に漏れ出ないように接続されている。
具体的には、高いインピーダンスで長さがRF周波数に対してλ/4となるマイクロストリップ線路、すなわち、ハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHを介して接続されている。このハイインピーダンスλ/4長伝送線路ZHの一方を接地に対して短絡と見せることで、他方を開放に見せることができる。接地に対して短絡と見せるためには、λ/4長のオープンスタブ、すなわちローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路ZLを配する。
λ/4長オープンスタブの平面構成は、模式的に、図3に示すように表され、λ/4長オープンスタブの動作は、図4に示すように、スミスチャート上で表される。信号線SL上の接続点ISにおいて、λ/4長のオープンスタブを接続し、その終端IOをオープンとすることで、オープンとなっている終端IOからλ/4長の位置(接続点IS)はショートと等価になる。λ/4長のオープンスタブは、その先端はオープンとなっているので信号線での接続点ISでは、λ/4長の位相回転によって、図4に示すように、ショートとなる。
本実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路では、図2に示すように、λ/4長のオープンスタブZLと、λ/4長ボンディングワイヤBW2およびλ/4長ボンディングワイヤBW1の接続点41を接地に対してショートに見せている。
ここで本実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路において使用するλ/4長ボンディングワイヤBW2およびλ/4長ボンディングワイヤBW1のインダクタンスは、例えば、約1nH/mmである。長さλ/4は、空気中の長さであり、周波数6GHzにおいて、例えば、約12.5mmである。直径は、例えば、約1mmφである。また、材質は、例えば、錫めっき銅線を適用することができる。導通可能な電流値は、例えば、約5Aである。
λ/4長オープンスタブの代わりに理想的なキャパシタCidを備える実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路の模式的回路構成は、図5に示すように表される。
実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路は、図5に示すように、電力増幅器(FET)10の出力側整合伝送線路Zoのバイアス回路接続点Noに接続された第1ボンディングワイヤBW2と、第1ボンディングワイヤBW2の終端41に接続された第2ボンディングワイヤBW1と、第1ボンディングワイヤBW2の終端41と接地電位間に接続された理想的なキャパシタCidと、第2ボンディングワイヤBW1の終端40とドレインバイアス電圧Vds供給端子間とを接続するラインと接地電位間に接続されたバイパスリザバーキャパシタCBRとを備える。ここで、理想的なキャパシタCidとは、等価直列抵抗ESR、等価直列インダクタンスESLを持たない純粋なキャパシタである。
接地に対してショートと見せるためには、λ/4長オープンスタブZLを配置する代わりに、理想的なキャパシタCidを配置することによっても達成される。ここで、理想的なキャパシタCidの値は、例えば、約1pFである。λ/4長オープンスタブZLの代わりに、理想的なキャパシタCidを配置することによって、キャパシタCidの接続点41が高周波的には接地電位に対して、ショートとなるからである。その他の構成は、図2に示された実施の形態と同様であるため、重複説明は省略する。
電力増幅器のバイアス回路は、すべての周波数において電力増幅器に安定な電圧を供給するために、複数のキャパシタが並列に配置されている。実際のキャパシタは、キャパシタンス成分に直列なインダクタンス成分をもち、このキャパシタンス成分とインダクタンス成分による自己共振周波数をもつ。
キャパシタンス値が1000pF、100pF、10pF、1pFを有するキャパシタのインピーダンス/等価直列抵抗ESR(Ω)の周波数特性例は、図6に示すように表される。図6に示すように、キャパシタはその容量値によってインピーダンス/ESR(Ω)の周波数特性が大きく異なる。これは、それぞれのキャパシタにおいて自己共振周波数が異なるためである。このため、広い周波数範囲において低いインピーダンスを得るためには、容量値の異なる複数のキャパシタを並列に配置する必要がある。
チップキャパシタの挿入損失(dB)の周波数特性例は、図7に示すように表される。図7において、キャパシタンス値が1000pFの理想的なキャパシタは、Ciで示される曲線の周波数特性を有するが、キャパシタンス値が1000pFの実際上のキャパシタは、Crで示される曲線の周波数特性を有する。Crで示される曲線では、自己共振周波数よりも低い周波数ではキャパシタンスとして振舞うC性を有するが、自己共振周波数よりも高い周波数ではインダクタンスとして振舞うL性を有する。
チップキャパシタの等価回路構成は、図8(a)に示すように表され、等価直列インダクタンスESLの影響を考慮した場合の挿入損失(dB)の周波数特性は、図8(b)に示すように表され、等価直列抵抗ESRの影響を考慮した場合の挿入損失(dB)の周波数特性は、図8(c)に示すように表され、等価直列インダクタンスESLと等価直列抵抗ESRの影響を考慮した場合の挿入損失(dB)の周波数特性は、図8(d)に示すように表される。
自己共振周波数よりも低い周波数ではC性を有し、高い周波数ではL性を有するため、容量値の異なるキャパシタを並列に配置すると、互いの自己共振周波数の間に共振により開放と見える周波数が生じる。ここで、周波数が上がるにつれてインピーダンスが下がる状態をC性、周波数が上がるにつれてインピーダンスが上がる状態をL性と表現している。
理想状態におけるキャパシタCi1とキャパシタCi2の並列回路は、図9(a)に示すように表される。ここで、キャパシタCi1のキャパシタンス値は、例えば、1pF、キャパシタCi2のキャパシタンス値は、例えば、1000pFである。現実状態におけるキャパシタCi1とインダクタLrの並列回路は、図9(b)に示すように表される。
1pFのキャパシタCi1と、1000pFのキャパシタCi2を並列配置したいとき、現実状態においては、1pFのキャパシタCi1はC性を有するが、1000pFのキャパシタCi2は、L性、すなわちインダクタLrを有する。例えば、図6のAで囲まれた領域近傍のf=4GHz近傍でこのインダクタLrとキャパシタCi1の並列共振が生じ、実質的にオープン、すなわち、キャパシタがない状態になる。
これを回避するために、本実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路では、図2に示すように、1pFのチップキャパシタC33と並列するバイパスリザバーキャパシタCBR間は高いインピーダンスで長さがRF周波数に対してλ/4長となるλ/4長ボンディングワイヤBW1およびλ/4長ボンディングワイヤBW2を接続し、かつその接続点41には、λ/4長オープンスタブZLを接続して、その接続点41を接地に対してショートに見せている。さらに、接続点40には、1000pFのチップキャパシタC22と50Ωチップ抵抗R22の直列接続からなる回路を並列に配している。
本実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路では、図2に示すように、2段のλ/4長マイクロストリップ線路ZH・ZHの代わりに、λ/4長ボンディングワイヤBW1およびλ/4長ボンディングワイヤBW2で構成することで高いインピーダンスと高い電流容量を得ることができる。許容電流>6Aをマイクロストリップ線路で構成すると、Zo=66Ωであるのに対して、λ/4長ボンディングワイヤBW1およびλ/4長ボンディングワイヤBW2で構成するZo=220Ω程度が得られる。
三次相互変調歪IM3の測定の際に、2つの周波数を1つの電力増幅器(FET)10に入力したとき、その差分周波数成分が発生する。ここで、三次相互変調歪IM3は、電力増幅器(FET)10に、周波数がほぼ等しい2つの入力信号(周波数f1、f2;f1−f2=数10MHz)を供給したときに、デバイスの非線形性によって(2f2−f1)、および(2f1−f2)という周波数の信号が出力されるが、この信号レベルを基本波(f1またはf2)の信号レベルに対する比で表記している。
基本的な三次相互変調歪IM3の測定法では,2つの基本波信号を混合し、電力増幅器(FET)10への入力信号として用いる。電力増幅器(FET)10によって生じた三次相互変調歪IM3は、スペクトラムアナライザによって測定される。
実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器(FET)において、電流振幅IPKをパラメータとするリップル電圧ΔVとバイパスリザバーキャパシタ(平滑化キャパシタ)CBRとの関係を示すシミュレーション結果は、図10に示すように表される。図10は、差分周波数Δf=5MHzの例である。
図10に示すように、例えば、リップル電圧ΔVを0.1V以下に抑えるためには、差分周波数Δf=50MHz・電流振幅IPK=0.3Aのとき、バイパスリザバーキャパシタCBR=0.1μF以上、差分周波数Δf=50MHz・電流振幅IPK=1.0Aのとき、バイパスリザバーキャパシタCBR=0.3μF以上、差分周波数Δf=50MHz・電流振幅IPK=3.0Aのとき、バイパスリザバーキャパシタCBR=1.0μF以上の値が必要となる。
また、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器(FET)において、差分周波数Δfをパラメータとするリップル電圧ΔVとバイパスリザバーキャパシタ(平滑化キャパシタ)CBRとの関係を示すシミュレーション結果は、図11に示すように表される。
図11に示すように、例えば、リップル電圧ΔVを0.1V以下に抑えるためには、電流振幅IPK=3A・差分周波数Δf=1MHzのとき、バイパスリザバーキャパシタCBR=5μF以上、電流振幅IPK=3A・差分周波数Δf=5MHzのとき、バイパスリザバーキャパシタCBR=1μF以上、電流振幅IPK=3A・差分周波数Δf=50MHzのとき、バイパスリザバーキャパシタCBR=0.1μF以上の値が必要となる。
(高周波半導体チップの構成)
実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器の高周波半導体チップ24の模式的平面パターン構成の拡大図は、図12(a)に示すように表され、図12(a)のJ部分の拡大図は、図12(b)に示すように表される。また、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップ24の構造例1〜4であって、図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構造例1〜4は、それぞれ図13〜図16に示すように表される。
実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器の高周波半導体チップ24において、複数のFETセルFET1〜FET10は、図12〜図16に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110の第1表面に配置され、それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122と、半絶縁性基板110の第1表面に配置され、ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成した複数のゲート端子電極G1,G2,…,G10、複数のソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102およびドレイン端子電極D1,D2,…,D10と、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102の下部に配置されたVIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102と、半絶縁性基板110の第1表面と反対側の第2表面に配置され、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102に対してVIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102を介して接続された接地電極(図示省略)とを備える。
ゲート端子電極G1,G2,…,G10には、ボンディングワイヤが接続され、ドレイン端子電極D1,D2,…,D10には、ボンディングワイヤが接続される。
VIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102の内壁に形成されたバリア金属層(図示省略)、およびバリア金属層上に形成され、VIAホールを充填する充填金属層(図示省略)を介して、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102は、接地電極に接続されている。
半絶縁性基板110は、GaAs基板、SiC基板、GaN基板、SiC基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、SiC基板上にGaN/AlGaNからなるヘテロ接合エピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板、若しくはダイヤモンド基板のいずれかである。
―構造例1―
図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構成として、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器の高周波半導体チップ24のFETセルの構造例1は、図13に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上に配置されたソースフィンガー電極120、ゲートフィンガー電極124およびドレインフィンガー電極122とを備える。窒化物系化合物半導体層112とアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118との界面には、2次元電子ガス(2DEG:Two Dimensional Electron Gas)層116が形成されている。図13に示す構造例1では、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET:Hetero-junction Field Effect Transistor)若しくは高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)が示されている。
―構造例2―
図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構成として、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する電力増幅器の高周波半導体チップ24のFETセルの構造例2は、図14に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたソース領域126およびドレイン領域128と、ソース領域126上に配置されたソースフィンガー電極120、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたゲートフィンガー電極124およびドレイン領域128上に配置されたドレインフィンガー電極122とを備える。窒化物系化合物半導体層112とゲートフィンガー電極124との界面には、ショットキーコンタクト(Schottky Contact)が形成されている。図14に示す構造例2では、金属−半導体電界効果トランジスタ(MESFET:Metal Semiconductor Field Effect Transistor)が示されている。
―構造例3―
図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構成として、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップ24のFETセルの構造例3は、図15に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上に配置されたソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上のリセス部に配置されたゲートフィンガー電極124とを備える。窒化物系化合物半導体層112とアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118との界面には、2DEG層116が形成されている。図15に示す構造例3では、HFET若しくはHEMTが示されている。
―構造例4―
図12(b)のI−I線に沿う模式的断面構成として、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップ24のFETセルの構造例4は、図16に示すように、半絶縁性基板110と、半絶縁性基板110上に配置された窒化物系化合物半導体層112と、窒化物系化合物半導体層112上に配置されたアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上に配置されたソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122と、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118上の2段リセス部に配置されたゲートフィンガー電極124とを備える。窒化物系化合物半導体層112とアルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)118との界面には、2DEG層116が形成されている。図16に示す構造例4では、HFET若しくはHEMTが示されている。
また、上記の構造例1〜4においては、活性領域以外の窒化物系化合物半導体層112を電気的に不活性な素子分離領域として用いている。ここで、活性領域とは、ソースフィンガー電極120、ゲートフィンガー電極124およびドレインフィンガー電極122の直下の2DEG層116、ソースフィンガー電極120とゲートフィンガー電極124間およびドレインフィンガー電極122とゲートフィンガー電極124間の2DEG層116からなる。上記の構造例1〜4においては、この活性領域以外の窒化物系化合物半導体層112を電気的に不活性な素子分離領域として用いている。
素子分離領域の他の形成方法としては、アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)18および窒化物系化合物半導体層112の深さ方向の一部まで、イオン注入により形成することもできる。イオン種としては、例えば、窒素(N)、アルゴン(Ar)などを適用することができる。また、イオン注入に伴うドーズ量は、例えば、約1×1014(ions/cm2)であり、加速エネルギーは、例えば、約100keV〜200keVである。
素子分離領域上およびデバイス表面上には、パッシベーション用の絶縁層(図示省略)が形成されている。この絶縁層としては、例えば、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によって堆積された窒化膜、アルミナ(Al23)膜、酸化膜(SiO2)、酸窒化膜(SiON)などで形成することができる。
ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122は、例えば、Ti/Alなどで形成される。ゲートフィンガー電極124は、例えばNi/Auなどで形成することができる。
なお、実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路を適用する高周波半導体チップ24において、ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122の長手方向のパターン長は、マイクロ波/ミリ波/サブミリ波と動作周波数が高くなるにつれて、短く設定される。例えば、ミリ波帯においては、パターン長は、約25μm〜50μmである。
また、ソースフィンガー電極120の幅は、例えば、約40μm程度であり、ソース端子電極S11,S12,S21,S22,…,S101,S102の幅は、例えば、約100μm程度である。また、VIAホールSC11,SC12,SC21,SC22,…,SC101,SC102の形成幅は、例えば、約10μm〜40μm程度である。
本実施の形態によれば、最大出力が大きな電力増幅器において、三次相互変調歪IM3が−25dBc程度での出力電力を測定するときにもリップル電圧が小さな電力増幅器用バイアス回路を提供することができる。
2段のλ/4長マイクロストリップ線路の代わりに、ボンディワイヤで構成することで高いインピーダンスと高い電流容量を得ることができる。
2段のλ/4長ボンディングワイヤBW1およびBW2でバイアス回路とRF信号線を接続し、そのバイアス回路側に1μF程度のバイパスリザバーキャパシタCBRを配し、この1μF程度のバイパスリザバーキャパシタCBRを、1μF程度以下の複数のキャパシタの並列接続で構成する。1μF程度のバイパスリザバーキャパシタCBRから電力増幅器のドレイン出力端子までの距離は2段のλ/4長ボンディングワイヤBW1およびBW2によって接続されるため、その長さは約12mm程度となり、そのリアクタンス成分は12nH程度に低減される。
本実施の形態に係る電力増幅器用バイアス回路によれば、1μF程度のバイパスリザバーキャパシタCBRを、1μF以下の複数のキャパシタの並列接続で構成することで、実効的に直列抵抗(ESR)が低減される。
本実施の形態によれば、高出力な電力増幅器に適用可能な電力増幅器用バイアス回路を提供することができる。
本実施の形態によれば、差分周波数Δfが数百MHzにおいても電力増幅器用バイアス回路のリップル電圧ΔVが抑制されてバイアス回路電圧が平滑化され、マイクロ波/ミリ波/サブミリ波帯の高周波に適用可能な電力増幅器用バイアス回路を提供することができる。
[その他の実施の形態]
実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、実施の形態に係る半導体装置に搭載される高周波半導体チップとしては、FET、HEMTに限らず、LDMOS(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Hetero-junction Bipolar Transistor)などの増幅素子、メムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)素子なども適用できることは言うまでもない。
このように、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
10…電力増幅器(FET)
12、12a…ゲートバイアス回路
14、14a…ドレインバイアス回路
24…高周波半導体チップ
40、41、TN1、TN2…終端
110…半絶縁性基板
112…窒化物系化合物半導体層(GaNエピタキシャル成長層)
116…2次元電子ガス(2DEG)層
118…アルミニウム窒化ガリウム層(AlxGa1-xN)(0.1≦x≦1)
120…ソースフィンガー電極
122…ドレインフィンガー電極
124…ゲートフィンガー電極
126…ソース領域
128…ドレイン領域
G,G1,G2,…,G10…ゲート端子電極
S,S11,S12,…,S101,S102…ソース端子電極
D,D1,D2,…,D10…ドレイン端子電極
SC11,SC12,…,SC91,SC92,SC101,SC102…VIAホール
BR…バイパスリザバーキャパシタ
Cid…理想的なキャパシタ
PK…電流振幅
ΔV…リップル電圧
Δf…差分周波数
BW1、BW2…ボンディングワイヤ
Pi…RF入力端子
Po…RF出力端子
Zo…50Ω伝送線路
ZH…ハイインピーダンスλ/4長伝送線路
ZL…ローインピーダンスλ/4長オープンスタブ伝送線路
C11、C12…10/f(GHz)pFチップキャパシタ
C2、C22、C31、C32、C33…チップキャパシタ
C41、C42…フィードスルーキャパシタ
C51、C52…キャパシタ
L1…インダクタ
R1、R11、R12、R22…チップ抵抗
Vgs…ゲートバイアス電圧
Vds…ドレインバイアス電圧
N1、N2…バイアス回路接続点

Claims (12)

  1. 電力増幅器の出力側整合伝送線路のバイアス回路接続点に接続された第1ボンディングワイヤと、
    前記第1ボンディングワイヤの終端に接続された第2ボンディングワイヤと、
    前記第1ボンディングワイヤの終端に接続されたオープンスタブ伝送線路と、
    第2ボンディングワイヤの終端とドレインバイアス電圧供給端子間とを接続するラインと接地電位間に接続されたバイパスリザバーキャパシタと
    を備えることを特徴とする電力増幅器用バイアス回路。
  2. 電力増幅器の出力側整合伝送線路のバイアス回路接続点に接続された第1ボンディングワイヤと、
    前記第1ボンディングワイヤの終端に接続された第2ボンディングワイヤと、
    前記第1ボンディングワイヤの終端と接地電位間に接続された理想的なキャパシタと、
    第2ボンディングワイヤの終端とドレインバイアス電圧供給端子間とを接続するラインと接地電位間に接続されたバイパスリザバーキャパシタと
    を備えることを特徴とする電力増幅器用バイアス回路。
  3. 前記バイパスリザバーキャパシタの値をCBR、電流振幅の値をIPK、許容できるリップル電圧の値をΔV、差分周波数の値をΔfとすると、前記バイパスリザバーキャパシタは、CBR=IPK×(1/2πΔf)/△V以上の値を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  4. 前記第1ボンディングワイヤおよび前記第2ボンディングワイヤは、ともにλ/4長を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  5. 前記オープンスタブ伝送線路は、λ/4長を有することを特徴とする請求項1に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  6. 前記バイパスリザバーキャパシタは、前記バイパスリザバーキャパシタの値以下の複数のキャパシタの並列接続で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  7. 前記バイパスリザバーキャパシタの値は1μF以上であり、前記バイパスリザバーキャパシタは、1μF以下の値を有する複数のキャパシタの並列接続で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  8. 前記理想的なキャパシタの値は、1pFであることを特徴とする請求項2に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  9. 三次相互変調歪IM3が−25dBc程度での出力電力を測定するときにもリップル電圧が0.1V以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  10. 前記バイパスリザバーキャパシタは、前記バイパスリザバーキャパシタの値以下の複数のキャパシタの並列接続で構成されていることで、実効的に直列抵抗が低減されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  11. 前記電力増幅器を構成する高周波半導体チップは、
    半絶縁性基板と、
    前記半絶縁性基板の第1表面に配置され,それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極、ソースフィンガー電極およびドレインフィンガー電極と、
    前記半絶縁性基板の第1表面に配置され,前記ゲートフィンガー電極、前記ソースフィンガー電極および前記ドレインフィンガー電極ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成した複数のゲート端子電極、複数のソース端子電極およびドレイン端子電極と、
    前記ソース端子電極の下部に配置されたVIAホールと、
    前記半絶縁性基板の第1表面と反対側の第2表面に配置され、前記ソース端子電極に対して前記VIAホールを介して接続された接地電極と
    を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力増幅器用バイアス回路。
  12. 前記半絶縁性基板は、GaAs基板、SiC基板、GaN基板、SiC基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、SiC基板上にGaN/AlGaNからなるヘテロ接合エピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板、若しくはダイヤモンド基板のいずれかであることを特徴とする請求項9に記載の電力増幅器用バイアス回路。
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