JP2012115953A - 工具ポット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工具ポット本体110の内周面に突設されて一部に内側位置決め溝121を形成されていて、前記工具保持体の前端を係止する係止鍔部120と、工具保持体130の外周面に位置して内側位置決め溝121に対向して形成されている位置決め部131cと、工具ポット本体110の内側位置決め溝121と工具保持体130の位置決め部131cとの間に介挿されて工具保持体130と工具ポット本体110とを相対回転不能とする位置決め部材140を備えている工具ポット100。
【選択図】図1
Description
より詳細には、前述した工具ホルダTHのフランジの外周にはV溝が形成され、フランジの前方には図示しないドリル等の切削刃具が取り付けられている。また、上記のボール保持部材531は、前端側に突出する小径で中空状の小径円筒部531bを有し、この小径円筒部531bの外周面は工具ホルダTHの係合穴を案内する案内面を形成しており、小径円筒部531bには各ボール532を突出する複数のボール突出孔531dが半径方向に貫通して形成されている。各ボール突出孔531dは、各ボール532が小径円筒部531bの外周から飛び出して脱落するのを防止するために、各ボール突出孔531dの外側の穴径をボール532の直径よりわずかに小さく形成されている。なお、上記のスライドピン533は、スライドピン軸部と先端部材との2つの部材から構成され、これらスライドピン軸部と先端部材とはボルトにより連結されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなボール保持部材531を工具ポット本体510に組み込む作業において、工具ポット本体510内に位置しているボール保持部材531の係止ピン嵌入孔533は外からは見ることができないので、工具ポット本体510に設けられた係止ピン挿通孔515から覗き込んで係止ピン嵌入孔533の位置を確認するなどして、位置合わせを行っていた。しかし、このような小さな孔から覗き込んで奥の孔を確認するような作業は集中力を要する煩瑣なことで作業員の熟練を要するため、工具ポット本体の組立作業において作業の円滑な遂行を阻害する大きな要因となり問題であった。
加えて、通常、これらの係止ピン挿通孔515および係止ピン嵌入孔533は、例えば、周方向に120°の角度をおいて2箇所に穿孔されていて、2対の孔のうち一方側のみを位置合わせした状態でもこの部分については係止ピン570を打ち込むことができてしまうため、一方の係止ピン570を打ち込んだところで位置合わせの誤りに気付くことがあった。しかし、一旦打ち込んだ係止ピン570を抜き出すことは容易ではなく、作業の円滑な遂行において障害となってしまうという問題があった。
その上、係止ピン570として従来のようにスプリングピンという比較的強度の小さいピンを使用しているので、工具ポット本体510の厚さが比較的薄いことと相俟って、スプリングピンが工具ポット本体570の係止ピン挿通孔515に留まらずにボール保持部材531の係止ピン嵌入孔533に落ち込んでしまうと、工具ポット本体510の内側でボール保持部材531が相対回動してしまって工具の取出しに支障をきたし、工具ポット500としての用をなさなくなってしまうという問題があった。
ここで、図1(a)は、一実施例の工具ポット100の正面図、また、(b)は、同じく側断面図であり、図2は、図1に示す工具ポット100の一部断面斜視図であり、図3は、図1に示す工具ポット100の工具ポット本体110の一部断面斜視図であり、図4は、図2に示す工具ポット100の工具保持体130の一部断面斜視図であり、図5は、図2に示す工具ポットの位置決め部材140の斜視図である。
この工具ポット本体110に形成した係止鍔部120には、軸方向から見て、前述した外側位置決め溝111aと背中合わせとなるような位置に、後述する位置決め部材140が嵌り込む内側置決め溝121が形成されている。
なお、工具ポット本体110の前端部には、外側に延びるフランジ部111が形成されていて、当該フランジ部111の外周側には、リンクプレート(図示せず)など工具ポット100が装着される被装着部と位置合わせを行うための外側位置決め溝111aが形成されている。
また、工具ポット本体110のフランジ部111開口部および内周面には、工具のシャンク部Sを密接して支持する樹脂製の端部シール部材112および側部シール部材113が、それぞれ取り付けられている。
この小径工具保持部131bの外周面は工具ホルダTHのシャンク部Sに形成した係合穴を案内する案内面を形成していて、小径工具保持部131bには各ボール132を突出する複数のボール突出孔131dが半径方向に貫通して形成されている。
それぞれのボール突出孔131dは、外周側の穴径をボール132の直径よりわずかに小さく形成されていて各ボール132が飛び出して脱落するのを防止するようにしている。
また、大径内嵌部131aの後端側に、スライドピン133を後方に向けて押圧付勢するスプリング135を収容するスプリング収容部131eが形成されている。
さらに、小径工具保持部131bの外周面には、後述する位置決め部材140が装着されて、工具ポット本体110の係止鍔部120に形成した内側位置決め溝121と共動する位置決め部として平坦面131cが形成されている。
本実施例においては、位置決め部として、円柱状の表面の一部を切り欠いて平坦面を形成しているが、位置決め部材140を固定できる形状であれば、特に平坦面でなくてもよい。
当該クランプカム部133aに続いて、工具ホルダTHのボール係合部に押圧されて離脱しようとするボール132を係止する小径クランプ部133bが設けられていて、さらに、スライドピン133の前進によりボール132をボール係合部から離脱させる小径の摺動軸部133cを備えていて、当該摺動軸部133cとボール保持部材131の小径工具保持部131bの側壁との間に、ボール132を遊嵌収容するボール収容遊隙部134が形成されている。
スライドピン133の後端側にはスプリング135の後方端に対向してスプリング受鍔部133dが形成されていて、組み付けられた状態においては、当該スプリング受鍔部133dによりスプリング135の押圧力を受けてスライドピン133全体が後方に向けて付勢されている。
なお、スライドピン133は、通常、スライドピン本体と先端部材との2つの部材から構成され、これらスライドピン本体と先端部材とはボルトにより連結されている。
当該位置決め部材140は大略直方体形状を呈するものであるが、先端側に、面取部141を形成して、前端部を幅狭としている。
この、位置決め部材140をボール保持部材131の平坦面131cに装着することにより、基本的に円筒形状で周方向に方向性を有せず自由に回動可能であったボール保持部材131が、周方向に方向性を有する非点対称の形状を呈することとなる。
また、当該位置決め部材140の上半部の形状は、ちょうど工具ポット本体110の係止鍔部120に形成した内側位置決め溝121に嵌合するようになっているので、一体のユニットとなっている工具保持体130を工具ポット本体110に組み込むと、図1または図2に示されるように、工具ポット本体110と工具保持体130との間に位置決め部材140が介在することによって、両者の間で周方向に相対回動することがなくなり確実に位置決めされる。
これにより、工具保持体130を工具ポット本体110に誤って組み付けることが完全に防止される。
また、位置決め部材140と内側位置決め溝121との嵌合は、従来のスプリングピンによる位置決めと比べ相互回転に対する剛性が極めて大きいので、円周方向の相互回動を確実に阻止することができ、変形し易いスプリングピンによる位置決めと異なり、使用中に弛みが発生する虞もない。
このように、位置決め部材140と内側位置決め溝121の嵌合による周方向の固定と、係止鍔部120と止め輪150とによる軸方向の固定とを併用することにより、工具保持体130が工具ポット本体110に対して周方向にも軸方向にも移動することなく、確実に工具ポット本体110内に組み込まれる。
また、位置決め部材140の前端部に面取部141を形成して先細の形状としたことにより、位置決め部材140が係止鍔部120の内側位置決め溝の位置に厳密に位置合わせされていなくて面取部141の幅程度の位置ずれがあっても、工具保持体130を押入すると工具保持体130に固定した位置決め部材140が面取部141に案内されて自然に本来の位置に位置合わせされるので、工具ポット本体110への工具保持体130の組み込み作業をさらに簡便化することができる。
次に、工具ポット本体110の端部に設けたフランジ部111の内周端部、および工具ポット本体110のシャンク部Sの外周面を当接する内側面のそれぞれに端部シール部材112および側部シール部材113を設けているので、工具ホルダTHが、工具ポット100内において、外周側を端部シール部材112および側部シール部材113により、また、内周側のボール係合部を工具保持体130から突出したボール132により支持されるので、工具ポット100に収容される工具が上下、左右に振れることなく確実に保持される。
なお本実施例では、スライドピン133としてクランプカム部133aに連続して小径クランプ部133bを備えたものを使用しているが、当該小径クランプ部133bを備えていないスライドピン133を使用することもできる。
110、 510 ・・・ 工具ポット本体
111、 511 ・・・ 端部フランジ部
111a、511a ・・・ 外側位置決め溝
112、 512 ・・・ 端部シール部材
113 ・・・ 側部シール部材
114 ・・・ 止め輪溝
120 ・・・ 係止鍔部
121 ・・・ 内側位置決め溝
130、 530 ・・・ 工具保持体
131 ・・・ ボール保持部材
131a ・・・ 大径内嵌部
131b ・・・ 小径工具保持部
131c ・・・ 位置決め部
131d ・・・ ボール突出孔
131e ・・・ スプリング収容部
132、 532 ・・・ ボール
133、 533 ・・・ スライドピン
133a ・・・ クランプカム部
133b ・・・ 小径クランプ部
133c ・・・ 摺動軸部
133d ・・・ スプリング受鍔部
134 ・・・ ボール収容遊隙部
135 ・・・ スプリング
140 ・・・ 位置決め部材
141 ・・・ 面取部
142 ・・・ ボルト孔
150 ・・・ 止め輪
515 ・・・ 係止ピン挿通孔
520 ・・・ 係止段部
533 ・・・ 係止ピン嵌着孔
570 ・・・ 係止ピン
TH ・・・ 工具ホルダ
S ・・・ シャンク
P ・・・ プルスタッド
Claims (6)
- 工具のシャンク部を収容する円筒状の工具ポット本体と該工具ポット本体内に同軸に装着されて前記工具のシャンク部に係脱して工具を挿脱自在に保持する円筒状の工具保持体と備える工具ポットにおいて、
前記工具ポット本体の内周面に突設されて一部に内側位置決め溝を形成されていて、前記工具保持体の前端を係止する係止鍔部と、
前記工具保持体の外周面に位置して、前記内側位置決め溝に対向して形成されている位置決め部と、
前記工具ポット本体の内側位置決め溝と前記工具保持体の位置決め部との間に介挿されて、前記工具保持体と前記工具ポット本体とを相対回転不能とする位置決め部材を備えていることを特徴とする工具ポット。 - 前記工具ポット本体が、前記工具保持体の後端を係止する止め輪を嵌着する止め輪溝を内周面に形成されていて、
前記工具保持体が、前記工具ポット本体の内周面に形成された係止鍔部と前記止め輪溝に嵌着された止め輪とにより軸方向に移動不能に固定されることを特徴とする請求項1に記載の工具ポット。 - 前記工具保持体が、
前記工具のシャンク部内周面に突接して工具を保持する複数のボールを半径方向にそれぞれ遊嵌保持するボール保持体と、該ボール保持体に軸方向に摺動自在に挿通されて軸方向コイルバネにより後退付勢されているスライドピンと、該スライドピンの先端部に設けられてスライドピンの後退により前記ボールと当接してボールを工具のシャンク部内周面のボール係合部に係合させるクランプカム部と、前記スライドピンの前進により該クランプカム部を前記ボールから離間して前記ボールをボール係合部から退出、保持するボール収容遊隙部とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工具ポット。 - 前記工具ポット本体が前記工具のシャンク部を近接させる側である前端側に端部フランジ部を有していて、
該端部フランジ部の前端側の端部にフランジ部を有する環状の端部シール部材が取り付けられていて、
前記工具ポット本体の内周面に環状の側部シール部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の工具ポット。 - 前記位置決め部材の前端部に前端を細幅とする面取部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の工具用ポット。
- 前記係止鍔部に形成された内側位置決め溝が、前記工具ポット本体の前端部に形成された端部フランジ部に形成された外側位置決め溝と軸方向から見て背中合わせの位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の工具ポット。
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