JP2012104637A - 太陽電池用のバックシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽電池モジュールにおける受光面とは反対側の面に配されるバックシート1。ガスバリア性を有するバリア層11と、バリア層11よりも熱放射率が高い熱放射層12とを備える。熱放射層12は、受光面側と反対側の面であるシート後面102に配されている。熱放射層12の熱放射率は、0.9以上であることが好ましい。熱放射層12は、セラミックを混合したフッ素樹脂からなることが好ましい。
【選択図】図1
Description
太陽電池モジュールは、太陽の輻射エネルギーを効率よく電池セル(光起電力素子)へと導くことができるような構成を有すると共に、電池セル及び内部配線を長期間にわたる屋外環境から保護するように構成されている。
ガスバリア性を有するバリア層と、
該バリア層よりも熱放射率が高い熱放射層とを備え、
該熱放射層は、上記受光面側と反対側の面であるシート後面に配されていることを特徴とする太陽電池用のバックシートにある(請求項1)。
また、上記バリア層は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる基材フィルムの表面に成膜したSiOx等によって構成することができる。ここで、バリア層(SiOx層等)の膜厚は、例えば10〜100nmとすることが好ましい。なお、SiOxとしては、例えばSiO2、SiO1.6、SiO1.8がある。
この場合には、上記熱放射層からの熱放射を充分に効率的に行うことができ、太陽電池モジュールの温度上昇を充分に抑制することができる。
この場合には、上記熱放射層の耐候性を高くすることができると共に、熱放射率を効果的に向上させることができる。なお、上記セラミックとしては、例えば、Fe3O4(四酸化三鉄)、Al2O3(アルミナ)、SiO2(二酸化珪素)、TiO2(酸化チタン)等を用いることができる。
この場合には、上記熱拡散層において太陽電池モジュール内の熱を上記バックシートの広がり方向へ拡散しつつ上記熱放射層へ伝えることができる。これにより、熱放射層からの放熱の偏りを抑制し、熱放射層の全面から均等に放熱させることができる。その結果、より効率的に放熱を行うことができる。上記熱拡散層としては、例えば、アルミニウム、グラファイト等を用いることができる。
この場合には、上記熱拡散層に、熱拡散の機能の他にガスバリアの機能をも持たせることによって、一層ガスバリア性に優れたバックシートを得ることができる。熱拡散機能とガスバリア機能とを併せ持つ材料として、例えばアルミニウムを上記熱拡散層に用いることができる。
この場合には、上記太陽電池モジュールに照射されたが電池セル間をすり抜けてバックシートに到達した太陽光を、上記光反射層によって反射させて電池セルに向かわせることができる。これによって、太陽電池モジュールの変換効率を向上させることができる。上記光反射層としては、例えば、ルチル型酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化マンガン等とアクリル樹脂とを混合したものを用いることができる。
この場合には、上記シート後面が凹凸面となることによって、上記熱放射層の熱放射面積を大きくすることができ、放熱効果を向上させることができる。また、上記シート前面が凹凸面となることによって、上記太陽電池モジュールにおける上記封止材との接触面積を大きくすることができ、該封止材との密着性を向上させることができる。さらに、この構成において、上述した上記光反射層を備えている場合には、該光反射層における光の反射方向が散乱しやすくなり、より効率的に電池セルへ太陽光を導きやすくなる。
本発明の実施例に係る太陽電池用のバックシートにつき、図1、図2を用いて説明する。
本例の太陽電池用のバックシート1は、図2に示すごとく、太陽電池モジュール2における受光面201とは反対側の面に配されるバックシートである。
熱放射層12は、受光面201側と反対側の面であるシート後面102に配されている。
そして、熱放射層12の熱放射率は、0.9以上である。また、熱放射層12は、セラミックを混合したフッ素樹脂からなる。混合するセラミックとしては、例えば、Fe3O4(四酸化三鉄)、Al2O3(アルミナ)、SiO2(二酸化珪素)、TiO2(酸化チタン)等を用いることができる。
熱放射層12の膜厚は、例えば、10〜500μmとする。
なお、バリア層11は、基材フィルム11の裏面(後面)に設けてもよく、この場合、バリア層11の後面にさらに熱放射層12が形成されることとなる。
また、光反射層15の反射率は60%以上である。光反射層15は、例えば、ルチル型酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化マンガン等とアクリル樹脂とを混合することによって構成することができる。
すなわち、基材フィルム13の前面にバリア層11をスパッタリングによって成膜し、さらにバリア層11の前面にフッ素コート層14をコーティングによって成膜し、さらにフッ素コート層14の前面に光反射層15をコーティングによって成膜する。一方、基材フィルム13の後面に熱放射層12をコーティングによって成膜する。
太陽電池モジュール2は、太陽の輻射エネルギーを効率よく電池セル(光起電力素子)21へと導くことができるような構成を有すると共に、電池セル21及び内部配線(図示略)を長期間にわたる屋外環境から保護するように構成されている。
上記構成の太陽電池モジュール2は、受光面201から受光した太陽光Sを前部透明板23及び封止材22を透過させて各電池セル21へ導く。これにより、受光した電池セル21において太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
バックシート1は、シート後面102に熱放射層12を配置してなる。これにより、太陽電池モジュール2における熱を、バックシート1を通じて熱放射層12から、太陽電池モジュール2の外部へ放出することができる(図2の矢印H)。
また、熱放射層12は、セラミックを混合したフッ素樹脂からなる。それゆえ、熱放射層12の耐候性を高くすることができると共に、熱放射率を効果的に向上させることができる。
本例は、図3に示すごとく、熱放射層12の前面に、熱を拡散する熱拡散層16を形成した太陽電池用のバックシート1の例である。
すなわち、熱放射層12と基材フィルム13との間に、上記熱拡散層16が介在されている。熱拡散層16としては、例えば、アルミニウム、グラファイト等を用いることができる。
また、熱拡散層16の膜厚は、10〜500μmとすることができる。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図4に示すごとく、エンボス加工を施したバックシート1の例である。
本例のバックシート1は、シート後面102とその反対側のシート前面101とが、それぞれ凹凸面を構成している。凹凸面における凹凸の深さは、例えば20〜150μm、凹凸のピッチは、例えば20〜2000μmとすることができる。
なお、図4においては、熱放射層12及び光反射層15以外の層については図示を省略した。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
102 シート後面
11 バリア層
12 熱放射層
15 光反射層
16 熱拡散層
2 太陽電池モジュール
Claims (7)
- 太陽電池モジュールにおける受光面とは反対側の面に配されるバックシートであって、
ガスバリア性を有するバリア層と、
該バリア層よりも熱放射率が高い熱放射層とを備え、
該熱放射層は、上記受光面側と反対側の面であるシート後面に配されていることを特徴とする太陽電池用のバックシート。 - 請求項1において、上記熱放射層の熱放射率は、0.9以上であることを特徴とする太陽電池用のバックシート。
- 請求項1又は2において、上記熱放射層は、セラミックを混合したフッ素樹脂からなることを特徴とする太陽電池用のバックシート。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記熱放射層の前面に、熱を拡散する熱拡散層を形成してなることを特徴とする太陽電池用のバックシート。
- 請求項4において、上記熱拡散層はガスバリア性を有することを特徴とする太陽電池用のバックシート。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、上記バックシートのシート前面には光反射層が形成され、該光反射層の反射率は60%以上であることを特徴とする太陽電池用のバックシート。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記バックシートはエンボス加工されており、上記シート後面とその反対側のシート前面は、凹凸面を構成していることを特徴とする太陽電池用のバックシート。
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