JP2012091995A - ガラス曲板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い形状精度で安定してガラス曲板を製造することができる方法を提供する。
【解決手段】横断面曲線状の配置面11を有するトチ1の配置面11の上に、水平方向に対して傾斜するように平面視矩形状のガラス平板20を配置する。ガラス平板20を加熱することにより軟化させ、配置面11に沿った形状に変形させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガラス曲板の製造方法に関する。
結晶化ガラス板は、高い耐熱性を有すると共に、熱膨張率を小さくできるという利点を有する。このため、従来、例えばストーブや暖炉などの暖房装置の熱線透過部品などとして、結晶化ガラス板が広く用いられている(例えば、下記の特許文献1など)。
このような用途に使用される結晶化ガラス板には、暖房装置の意匠性を向上させるため、暖房装置に応じた形状に形成されていることが求められる。例えば、暖房装置の内部に配置されている燃焼装置の視認性を高めるために、横断面円弧状である結晶化ガラス板(以下、「円弧状結晶化ガラス曲板」と称する。)が求められることもある。
特開平5−229851号公報
円弧状結晶化ガラス曲板を製造する方法としては、横断面円弧状の配置面を有するトチ(setter)の上に、結晶性ガラス平板を水平に配置し、その状態で結晶性ガラス平板を熱処理する方法が挙げられる。この製造方法では、熱処理工程において、結晶性ガラス平板が軟化してトチの表面に沿う。その結果、横断面円弧状に形成される。その後、結晶性ガラス板を結晶化させることにより円弧状結晶化ガラス曲板が得られる。
しかしながら、この製造方法により円弧状結晶化ガラス曲板を製造した場合、得られる円弧状結晶化ガラス曲板にねじれが生じる場合があるという問題がある。すなわち、上記製造方法では、高い形状精度で安定して円弧状結晶化ガラス曲板を製造することが困難であるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い形状精度で安定してガラス曲板を製造することができる方法を提供することにある。
本発明に係るガラス曲板の製造方法は、横断面曲線状の配置面を有するトチの配置面の上に、水平方向に対して傾斜するように平面視矩形状のガラス平板を配置する配置工程と、ガラス平板を加熱することにより軟化させ、配置面に沿った形状に変形させる変形工程とを備えている。
本発明に係るガラス曲板の製造方法では、ガラス平板を水平方向に対して傾斜するように配置するため、変形工程において、ガラス平板の幅方向一方側端部が実質的に固定され、他方側端部が移動する。また、変形工程において、ガラス平板がスムーズに変形する。このため、ガラス平板がねじれた形状に変形しにくい。従って、本発明に係るガラス曲板の製造方法によれば、高い形状精度で安定してガラス曲板を製造することができる。
配置工程において、ガラス平板の水平方向に対する傾斜角が5°以上となるようにガラス平板を配置することが好ましい。この場合、ガラス平板がねじれた形状に変形することをより効果的に抑制することができる。従って、高い形状精度でより安定してガラス曲板を製造することができる。
配置工程において、ガラス平板の水平方向に対する傾斜角が45°以下となるようにガラス平板を配置することが好ましい。この場合、ガラス平板がねじれた形状に変形することをより効果的に抑制することができる。従って、高い形状精度でより安定してガラス曲板を製造することができる。
本発明においては、ガラス平板として結晶性ガラス平板を用い、変形したガラス平板を結晶化させる結晶化工程をさらに行うことが好ましい。そうすることにより、耐熱性や剛性に優れた円弧状結晶化ガラス曲板を製造することができる。
なお、変形工程を行った後に、一旦冷却し、その後、結晶化工程を行ってもよいが、変形工程と結晶化工程とを連続して行うことが好ましい。すなわち、変形工程を行った後に実質的に冷却することなく結晶化工程を行うことが好ましい。そうすることにより、円弧状結晶化ガラス曲板の製造工程を簡略化できるばかりか、高い均一性で結晶化した円弧状結晶化ガラス曲板を製造することが可能となる。
配置面は、横断面円弧状であってもよい。その場合、配置面は、曲率半径が相互に異なる横断面円弧状の部分を複数含んでいてもよい。
また、配置面の横断面形状は、楕円弧状または放物線状であってもよい。
本発明において、「結晶性ガラス」とは、熱処理により結晶化し、結晶化ガラスとなり得るガラスのことをいう。
「ガラス曲板」とは、少なくとも一部の横断面形状が曲線状であるガラス板のことをいう。ガラス曲板には、円弧状ガラス曲板が含まれる。「円弧状ガラス曲板」とは、横断面が円弧状であるガラス板のことをいう。円弧状ガラス曲板には、曲率半径が相互に異なる横断面円弧状である複数の部分を有するガラス曲板が含まれるものとする。
「矩形」には、4つの角部の少なくとも一つが面取り状またはR面取り状に形成されているものも含まれる。
本発明に係るガラス曲板の製造方法によれば、高い形状精度で安定してガラス曲板を製造することができる。
本発明の一実施形態に係るトチの略図的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るトチの略図的側面図である。 図1の線III−IIIにおける略図的断面図である。 本発明の一実施形態における円弧状ガラス曲板の製造工程を説明するための略図的側面図である。 本発明の一実施形態における円弧状ガラス曲板の製造工程を説明するための略図的側面図である。 比較例における円弧状ガラス曲板の製造工程を説明するための略図的側面図である。 比較例における円弧状ガラス曲板の製造工程を説明するための略図的側面図である。 比較例において製造される円弧状ガラス曲板の略図的斜視図である。 本発明の一実施形態において製造される円弧状ガラス曲板の略図的斜視図である。 第1の変形例に係るトチの略図的側面図である。 第2の変形例に係るトチの略図的側面図である。 第3の変形例に係るトチの略図的側面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
図1は、本実施形態に係るトチの略図的斜視図である。図2は、本実施形態に係るトチの略図的側面図である。図3は、図1の線III−IIIにおける略図的断面図である。
まず、図1〜図3を参照しながら、本実施形態において使用するトチ1の構成について説明する。
トチ1は、ガラス平板を軟化させて、自重により変形させることにより円弧状ガラス曲板を製造する際に使用されるトチである。図1に示すように、トチ1は、複数の板状部材10を有する。複数の板状部材10のそれぞれは、x方向及びz方向に平行に配置されている。複数の板状部材10は、y方向に沿って等間隔に配置されている。複数の板状部材10のそれぞれは、一部が円弧状である頂面10aを有する。これら複数の板状部材10の頂面10aによって、ガラスの配置面11(図2を参照)が構成されている。このため、配置面11のy方向に垂直な横断面形状は、円弧状である。配置面11では、y方向において曲率半径が一定である。配置面11の曲率半径は、特に限定されないが、例えば、150mm〜500mm程度とすることができる。配置面11の中心角は、180°以下であることが好ましく、120°〜180°であることがより好ましい。配置面11の中心角が大きすぎる場合も、小さすぎる場合も、共に、製造可能な円弧状ガラス曲板の中心角が小さくなる傾向にあるためである。
配置面11には、複数の開口を有する。ここで、配置面11には、頂面10aが位置している部分のみならず、隣り合う頂面10a間の開口も含まれるものとする。隣り合う板状部材10の間隔は、軟化したガラス板が開口に入り込まない程度の大きさである限りにおいて特に限定されない。隣り合う板状部材10の間隔は、例えば、0mm〜50mm程度とすることができる。なお、開口に、他の部材を充填して開口を閉鎖してもよい。その場合の充填材は、セラミックスからなる多孔体であることが好ましい。
板状部材10の材質は特に限定されない。板状部材10は、例えば、耐火セラミックスや結晶化ガラスにより形成することができる。結晶化ガラスの具体例としては、β−スポジュメン固溶体やβ−石英固溶体を主結晶とする結晶化ガラスが挙げられる。耐火セラミックスの具体例としては、コーディエライトやムライトなどが挙げられる。
次に、上記トチ1を用いた円弧状ガラス曲板の製造方法の一例について、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、ここでは、円弧状ガラス曲板が結晶化ガラスからなる例について説明する。但し、本発明において、円弧状ガラス曲板は、円弧状結晶化ガラス曲板に限定されない。
まず、円弧状ガラス曲板の基となる平面視矩形状の結晶性ガラス平板20を用意する。ここで、例えば、円弧状結晶化ガラス曲板ではなく、円弧状非結晶化ガラス曲板を製造する場合は、非結晶性ガラス平板を用意する。結晶性ガラス平板20の寸法は特に限定されない。結晶性ガラス平板20の幅及び厚みは、例えば、それぞれ、50mm〜2000mm程度、3mm〜8.5mm程度とすることができる。
なお、結晶性ガラス平板20の角部や稜線部は、面取り形状またはR面取り形状に加工されていてもよい。
次に、その結晶性ガラス平板20を配置面11の上に配置する(配置工程)。この配置工程においては、y方向から視た際に、結晶性ガラス平板20を水平方向に対して傾斜するように配置する。結晶性ガラス平板20と水平方向とのなす角の大きさである傾斜角θは、5°以上であることが好ましい。また、傾斜角θは、45°以下であることが好ましい。傾斜角θは、10°〜30°であることがより好ましい。
次に、結晶性ガラス平板20をトチ1ごと加熱炉に投入し、結晶性ガラス平板20を、結晶性ガラス平板20のガラス転移温度以上の温度にまで加熱し、軟化させる。そうすることにより、図5に示すように、結晶性ガラス平板20は、自重により、配置面11に沿うように変形し、横断面円弧状の結晶性ガラス曲板21が成形される(変形工程)。
次に、結晶化工程を連続的に行うことにより、結晶性ガラス曲板21を結晶化させ、円弧状結晶化ガラス曲板を完成させることができる。すなわち、本実施形態では、変形工程後、温度を実質的に低下させることなく、さらに昇温し、結晶化工程を行う。このように、変形工程と結晶化工程とを連続的に行うことによって、結晶を高い均一性で析出させることができる。従って、高い形状精度を有し、かつ高剛性な円弧状結晶化ガラス曲板を製造することができる。
なお、結晶化工程において結晶核が生成すると共に結晶が成長するようにしてもよいし、変形工程において結晶核を生成させ、その後の結晶化工程において結晶を成長させてもよい。
ところで、従来、円弧状ガラス曲板を製造するに際しては、図6に示すように、トチ100の横断面円弧状の配置面101の上に、ガラス平板102を水平に配置し、ガラス平板102を軟化変形させるのが通常であった。しかしながら、このようにした場合、軟化工程において、ガラス平板102がスムーズに変形せず、例えば、図8に示すように、ねじれ形状の円弧状ガラス曲板103が成形されてしまう場合がある。円弧状ガラス曲板103では、周方向両端の端縁103a、103bが互いに非平行であり、ねじれの位置にある。
このようになる原因としては、以下の原因が考えられる。図6に示すように、ガラス平板102を水平に配置した場合、ガラス平板102の端部102aと配置面101との接触角と、端部102bと配置面101との接触角とが等しくなる。このため、端部102aと配置面101との間の摩擦係数と、端部102bと配置面101との間の摩擦係数とは、理論的には、等しくなる。よって、理論的には、変形工程において、端部102a、102bが、配置面101に対して均等にかつ平行に移動しながらガラス平板102が変形していくこととなる。
しかしながら、実際上は、ガラス平板102を正確に水平に配置することは困難であり、また、端部102a、102bの表面状態にもばらつきがあるため、端部102a、102b間で摩擦係数に差が生じる。このため、変形工程において、端部102a、102bの移動速度に差が生じる。従って、図7に示すように、端部102a、102bの位置が、変形工程開始前の位置C,Dから不均一にずれることとなる。また、端部102a、102bのそれぞれにおいても、y方向の一方側と他方側とで差が生じやすい。また、ガラス平板102を水平に配置した場合、端部102a、102bと配置面101とのなす角度が大きくなる。このため、端部102a、102bの摩擦係数が大きい。従って、端部102a、102bの移動抵抗が大きい。よって、端部102a、102bの両端で移動むらが特に生じやすくなる。その結果、図8に示す円弧状ガラス曲板103のようなねじれ形状のガラス曲板が成形されてしまうこととなるものと考えられる。
それに対して本実施形態では、図4に示すように、ガラス平板20を水平方向に対して傾斜するように配置する。このように、ガラス平板20を傾斜して配置した場合は、端部20aと配置面11との摩擦係数と、端部20bと配置面11との摩擦係数とが大きく異なる。具体的には、相対的に下側に位置している端部20aと配置面11との間の摩擦係数よりも、相対的に上側に位置している端部20bと配置面11との間の摩擦係数の方が小さくなる。
従って、本実施形態では、図5に示すように、変形工程において、ガラス平板20の端部20aの位置は、変形工程開始前の位置Aから実質的に移動せず、端部20bが、変形工程開始前の位置Bから実質的に移動することとなる。すなわち、変形工程において、ガラス平板20の端部20aの位置は、固定された状態となる。従って、y方向において、端部20bの移動にむらが生じにくい。その結果、図9に示すように、端部15a、15bが平行な、ねじれの少ない円弧状ガラス曲板15を安定して製造することができるものと考えられる。
また、本実施形態における端部20bと配置面11との間の摩擦係数は、ガラス平板を水平に配置したときのガラス平板端部と配置面11との間の摩擦係数よりも小さい。このため、端部20bは、ガラス平板が水平に配置したときよりもスムーズに移動する。従って、よりねじれの少ない円弧状ガラス曲板15を安定して製造することができるものと考えられる。
ねじれの少ない円弧状ガラス曲板15を製造する観点からは、ガラス平板20の水平方向に対する傾斜角θが大きい方が好ましい。このため、傾斜角θは、5°以上であることが好ましく、10°以上であることがより好ましい。しかしながら、傾斜角θが大きすぎると、成形される円弧状ガラス曲板にねじれがかえって発生しやすくなる場合がある。従って、傾斜角θは、45°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましい。なお、傾斜角θが大きすぎると、成形される円弧状ガラス曲板にねじれが発生しやすくなる理由としては、変形工程におけるガラス平板の一方側端部の移動距離が大きくなりすぎることや、ガラス平板の両端部間の摩擦係数の差が大きくなりすぎることが考えられる。
ガラス平板を傾斜させて配置することにより、ねじれの少ない円弧状ガラス曲板の安定的な製造を可能にするという技術は、製造しようとする円弧状ガラス曲板の形状や寸法によらず適用できるものである。しかしながら、この技術は、製造しようとする円弧状ガラス曲板の中心角が大きい場合、幅が大きい場合に特に有効である。このような場合は、変形工程におけるガラス平板の端部の移動距離が長くなるためである。
具体的には、この技術は、製造しようとする円弧状ガラス曲板の中心角が57°以上であるとき、円弧状ガラス曲板の曲率半径(r)に対する幅(W)の比(W/r)が1以上であるとき、幅(W)が300mm以上であるときに特に有効である。
なお、上記実施形態では、トチ1が複数の板状部材10により構成されており、配置面11に開口が形成されている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図10に示すように、複数の板状部材10の上に、曲板16を配置し、その曲板16の表面により、開口の形成されていない配置面11を構成してもよい。
以下、本発明について、具体的な実験例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実験例1〜6)
曲率半径が360mmであり、中心角が180°であり、長さが550mmである円弧状の配置面を有するトチを用意した。そのトチに、幅が366mm、長さが448mm、厚みが4mmである結晶性ガラス平板を、下記の表1に示す傾斜角で配置した。なお、配置した結晶性ガラス平板は、結晶化させることにより、β−スポジュメン固溶体を主結晶として析出させる結晶性ガラス平板である。
次に、30分かけて800℃まで昇温した後に、800℃で1時間保持した。その後、さらに、30分かけて900℃まで昇温し、900℃で30分間保持し、その後、室温にまで徐冷した。この熱処理により、結晶性ガラス平板の変形と結晶化とを連続して行い、中心角が、58°である円弧状結晶化ガラス曲板を得た。なお、結晶性ガラス平板は、主として800℃に保持されている期間に変形し、900℃に保持されている期間に結晶化が進行した。
本実験例では、上記作成条件で、各条件につき、10個のサンプルを作製した。
作製された円弧状結晶化ガラス曲板を凹部が下を向くように平坦な基板上に配置し、円弧状結晶化ガラス曲板の周方向両端の端面と基板との間の最大距離を、隙間ゲージを用いて測定した。その結果、円弧状結晶化ガラス曲板の端面と基板との最大距離が2mm以下であったものを良品と判断し、2mmより大きかったものを不良として判断し、各条件における良品率を算出した。結果を下記の表1に示す。
Figure 2012091995
上記表1に示す結果から、ガラス平板を傾斜させて配置して変形工程を行うことで、製造される円弧状ガラス曲板にねじれが生じることを抑制できることが分かる。また、傾斜角を5°〜45°とすることで、製造される円弧状ガラス曲板にねじれが生じることをさらに効果的に抑制できることが分かる。
(実験例7,8)
曲率半径が229mmであり、中心角が180°であり、長さが500mmである円弧状の配置面を有するトチを用い、幅が432mm、長さが420mm、厚みが4mmである結晶性ガラス平板の成形及び結晶化を、下記の表2に示す各傾斜角で上記実験例1〜6と同様にして行うことにより、中心角が108°である円弧状結晶化ガラス曲板を作製し、良品率を算出した。結果を下記の表2に示す。
Figure 2012091995
表2に示すように、作製される円弧状ガラス曲板の中心角が大きい場合であっても、ガラス平板を傾斜して配置した状態で変形工程を行うことにより、製造される円弧状ガラス曲板にねじれが生じることを抑制できることが分かる。
また、表1に示す結果と、表2に示す結果との比較により、製造される中心角が58°である場合よりも、中心角が108°である場合の方が、ガラス平板を傾斜して配置することによる効果が大きいことが分かる。
(第2及び第3の変形例)
図11は、第2の変形例に係るトチの略図的側面図である。図12は、第3の変形例に係るトチの略図的側面図である。
上記実施形態では、配置面11が、曲率半径が一定である横断面円弧状である例について説明した。但し、本発明において、配置面は曲面である限りにおいて特に限定されない。配置面は、例えば、楕円弧状、放物線状などであってもよい。また、配置面は、曲率半径が相互に異なる横断面円弧状の部分を複数含んでいてもよい。すなわち、配置面が横断面円弧状である場合においても、配置面全体において曲率半径が一定である必要は必ずしもない。配置面において、曲率半径は連続的に変化していてもよい。
例えば図11に示す第2の変形例では、配置面11は、x方向における中央に位置する第1の部分11aと、第1の部分11aの両側に位置する第2及び第3の部分11b、11cとを有する。第1の部分11aの曲率半径は、第2及び第3の部分11b、11cの曲率半径とは異なる。本変形例では、具体的には、第1の部分11aの曲率半径は、第2及び第3の部分11b、11cの曲率半径よりも大きい。第2の部分11bの曲率半径と、第3の部分11cの曲率半径とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。本変形例では、具体的には、第2の部分11bの曲率半径と、第3の部分11cの曲率半径とは同じである。
図12に示す第3の変形例では、配置面11は、横断面楕円弧状に設けられている。
以上のように、配置面11は、種々の横断面形状を有するものとすることができる。配置面11の横断面が曲線状であれば、配置面11の形状に関わらず、上記実施形態と同様の効果が得られる。
配置面の横断面形状が、曲率半径が相互に異なる複数の部分からなる場合や、楕円弧状、放物線状である場合等、曲率半径が一定である横断面円弧状でない場合には、結晶性ガラス平板の端部の位置が移動してしまうと所望の形状が得られなくなる。このため、結晶性ガラス平板20の端部20aの位置Aが移動しにくい上記実施形態及び変形例の技術は、配置面の横断面形状が曲率半径が一定である横断面円弧状でない場合に特に有効である。
1…トチ
10…板状部材
10a…頂面
11…配置面
15…円弧状ガラス曲板
15a、15b…端部
16…曲板
20…結晶性ガラス平板
20a…端部
20b…端部
21…結晶性ガラス曲板

Claims (8)

  1. 横断面曲線状の配置面を有するトチの前記配置面の上に、水平方向に対して傾斜するように平面視矩形状のガラス平板を配置する配置工程と、
    前記ガラス平板を加熱することにより軟化させ、前記配置面に沿った形状に変形させる変形工程と、
    を備えるガラス曲板の製造方法。
  2. 前記配置工程において、前記ガラス平板の水平方向に対する傾斜角が5°以上となるように前記ガラス平板を配置する、請求項1に記載のガラス曲板の製造方法。
  3. 前記配置工程において、前記ガラス平板の水平方向に対する傾斜角が45°以下となるように前記ガラス平板を配置する、請求項1または2に記載のガラス曲板の製造方法。
  4. 前記ガラス平板として結晶性ガラス平板を用い、
    前記変形したガラス平板を結晶化させる結晶化工程をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス曲板の製造方法。
  5. 前記変形工程と前記結晶化工程とを連続して行う、請求項4に記載のガラス曲板の製造方法。
  6. 前記配置面は、横断面円弧状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス曲板の製造方法。
  7. 前記配置面は、曲率半径が相互に異なる横断面円弧状の部分を複数含む、請求項6に記載のガラス曲板の製造方法。
  8. 前記配置面の横断面形状は、楕円弧状または放物線状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス曲板の製造方法。
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