JP2012089387A - 燃料電池セル、燃料電池スタック、および、セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックに用いられる燃料電池セルにおいて、第1のセパレータと第2のセパレータとをシールするシール剤の剥離を防止する。
【解決手段】燃料電池セルは、発電モジュール400と、カソード側セパレータ410と、アノード側セパレータ420と、を備える。カソード側セパレータ410は、折り返し部412を備える。折り返し部412は、内部流路空間412sと空気供給用マニホールドとを連通する連通孔412hと、内部流路空間412s内に突出するとともに、折り返し部412の折り返し線LLに平行な方向に沿って配置された複数の凸部413と、を備える。カソード側セパレータ410とアノード側セパレータ420とは、少なくとも、折り返し部412において、シール剤430によってシールされる。複数の凸部413には、それぞれ、内部流路空間412sと複数の凸部の内部空間413sとを連通する連通孔413hが形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池スタックに用いられる燃料電池セル、燃料電池スタック、および、燃料電池セルに用いられるセパレータに関するものである。
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池は、一般に、燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタックの形態で利用される。そして、この燃料電池セルは、電解質膜の両面にガス拡散電極を接合してなる膜電極接合体を含む発電モジュールの両面を、セパレータによって挟持することによって構成される。
従来、このような燃料電池セルに用いられるセパレータに関して、種々の技術が提案されている。例えば、金属板からなるセパレータにおいて、マニホルド孔の開口周縁部に、金属板を切り起こして立ち上がり形成した少なくとも膜電極接合体の支えとなる支持台を、この金属板の一部として一体的に形成することによって、膜電極接合体とシール部材及びセパレータとシール部材のシール性を高める技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2006−221905号公報 特開2005−116404号公報 特開2009−199741号公報
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、上記支持台は、絞り成形によって突部が形成された支持片を有しており、この突部の裏面にシール剤を配置した場合には、突部の内部空間が密閉され、この突部の内部空間に存在する空気が加熱によって熱膨張したときに、熱膨張した空気の圧力によって、支持片からシール剤が剥離するおそれがあった。そして、このようなシール剤の剥離は、上記特許文献1に記載された技術を、発電モジュールの両面を挟持する第1のセパレータおよび第2のセパレータの少なくとも一方に適用し、第1のセパレータと第2のセパレータとをシール剤によってシールする場合に、特に顕著に起こり得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池スタックに用いられる燃料電池セルにおいて、第1のセパレータと第2のセパレータとをシールするシール剤の剥離を防止することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
複数の燃料電池セルを積層してなる燃料電池スタックに用いられる前記燃料電池セルであって、
電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、該膜電極接合体の両面を挟むように積層された多孔体流路形成部材と、を備える発電モジュールと、
金属板を加工することによって形成され、前記発電モジュールの両面を挟むように配置された第1および第2のセパレータであって、前記発電モジュールと対向する領域よりも外側の領域に、前記複数の燃料電池セルの積層方向に反応ガスを流すための反応ガス流路を構成する貫通孔を備える前記第1および第2のセパレータと、を備え、
前記第1および第2セパレータの少なくとも一方は、前記金属板の一部が切り起こされて、前記発電モジュールと対向する領域側に折り返されることによって、前記貫通孔を形成するとともに、前記発電モジュールにおけるいずれかの前記電極および前記多孔体流路形成部材の端部に連通する内部流路空間を形成する折り返し部を備えており、
前記折り返し部は、
前記内部流路空間と前記反応ガス流路とを連通する第1の連通孔と、
前記金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部であって、前記内部流路空間内に突出するとともに、前記折り返し部の折り返し線に略平行な方向に沿って配置された前記複数の凸部と、
を備えており、
前記第1のセパレータと前記第2のセパレータとは、前記折り返し部における前記複数の凸部の裏面を含む領域において、シール剤によってシールされており、
前記複数の凸部には、それぞれ、前記内部流路空間と前記プレス加工によって形成された前記複数の凸部の内部空間とを連通する第2の連通孔が形成されている、
燃料電池セル。
適用例1の燃料電池セルでは、例えば、燃料電池セルの製造時において、上記第1のセパレータと上記第2のセパレータとを、上記シール剤によって加熱して接合するとき等、上記複数の凸部の内部空間内に存在するガス(例えば、空気)が熱膨張するときに、この熱膨張したガスを、上記第2の連通孔を通じて、上記内部流路空間に放出することができる。したがって、上記熱膨張したガスの圧力が、上記第1および第2のセパレータと上記シール剤とのシール面に加わることを防止し、上記シール剤の剥離を防止することができる。
また、適用例1の燃料電池セルでは、上記折り返し部が、上記複数の凸部を備えているので、上記反応ガス流路から上記内部流路空間への反応ガスの複数の流路を確保し、反応ガスの分配性を向上させることができる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池セルであって、
前記第2の連通孔は、前記複数の凸部において、前記内部流路空間における前記反応ガスの流れ方向についての下流側の壁面が切り抜かれたものである、
燃料電池セル。
適用例2の燃料電池セルでは、上記第1および第2のセパレータの少なくとも一方の製造時に、上記複数の凸部を形成する加工(プレス加工)と上記第2の連通孔を形成する加工(せん断加工)とを同時に行うことができるため、加工が比較的容易である。また、上記第2の連通孔について、比較的大きな開口面積を確保することができるので、上記熱膨張したガスの上記内部流路空間への放出を容易に行うことができる。また、一般に、発電によって生成された生成水に含まれるイオンが、セパレータを腐食させることがあり得るが、適用例2の燃料電池セルでは、上記第2の連通孔が、上記内部流路空間における反応ガスの流れ方向についての下流側の壁面に形成されるので、上記第2の連通孔から上記凸部の内部空間に生成水が流入・滞留して生じ得るセパレータの腐食を抑制することができる。また、上記第2の連通孔が水溜りの起点となることを抑制し、上記第1の連通孔からの上記内部流路空間への反応ガスの流路を効果的に確保することができる。また、上記第2の連通孔の開口面積が比較的小さい場合には、金属板に連通孔を形成する時に用いる型の磨耗が比較的激しいが、上記第2の連通孔の開口面積を比較的大きくすることによって、上記型の磨耗を抑制することができる。
[適用例3]
適用例1または2記載の燃料電池セルであって、
前記第1のセパレータ、および、前記第2のセパレータのいずれか一方のみが、前記折り返し部を備えている、
燃料電池セル。
適用例3の燃料電池セルでは、上記第1のセパレータ、および、上記第2のセパレータのいずれか一方は、加工が比較的複雑になる上記折り返し部を備えていない。換言すれば、上記第1のセパレータ、および、上記第2のセパレータのいずれか一方には、比較的加工が複雑な折り返し部を形成する必要がない。したがって、燃料電池セル、および、燃料電池スタックの製造工程を簡易化することができる。
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれかに記載の燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタック。
[適用例5]
適用例4記載の燃料電池スタックであって、
前記複数の燃料電池セルは、それぞれ、ガスケットを介して積層されており、
前記ガスケットは、前記積層方向から見たときに、前記複数の凸部と重なる位置に配置されている、
燃料電池スタック。
複数の燃料電池セルを、ガスケットを介して積層し、積層方向に締結する場合、上記第1および第2のセパレータは、ガスケットの配置位置において、最も押圧力を受けて、変形しやすい。適用例5の燃料電池スタックでは、上記複数の燃料電池セルを積層方向に締結したときに、上記複数の凸部によって、上記ガスケットから受ける押圧力をバックアップ(支持)し、上記第1および第2のセパレータの変形を抑制することができる。また、適用例5の燃料電池スタックでは、上記ガスケットは、上記第1および第2のセパレータの外側の平滑面に配置されるので、ガスケットの交換性を向上させることができる。
[適用例6]
金属板を加工することによって形成され、燃料電池セルに用いられるセパレータであって、
電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、該膜電極接合体の両面を挟むように積層された多孔体流路形成部材と、を備える発電モジュールと対向する領域よりも外側の領域に、前記金属板の一部が切り起こされて、前記発電モジュールと対向する領域側に折り返されることによって、前記金属板の表面に対して垂直な方向に反応ガスを流すための反応ガス流路を構成する貫通孔を形成するとともに、前記発電モジュールにおけるいずれかの前記電極および前記多孔体流路形成部材の端部に連通する内部流路空間を形成する折り返し部を備え、
前記折り返し部は、
前記内部流路空間と前記反応ガス流路とを連通する第1の連通孔と、
前記金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部であって、前記内部流路空間内に突出するとともに、前記折り返し部の折り返し線に略平行な方向に沿って配置された前記複数の凸部と、
を備えており、
前記複数の凸部には、それぞれ、前記内部流路空間と前記プレス加工によって形成された前記複数の凸部の内部空間とを連通する第2の連通孔が形成されている、
セパレータ。
適用例6のセパレータによって、先に説明した適用例1の燃料電池セルを構成することができる。
[適用例7]
適用例6記載のセパレータであって、
前記第2の連通孔は、前記複数の凸部において、前記内部流路空間における前記反応ガスの流れ方向についての下流側の壁面が切り抜かれたものである、
セパレータ。
適用例7のセパレータによって、先に説明した適用例2の燃料電池セルを構成することができる。
なお、本発明は、上述の燃料電池セル、燃料電池スタック、セパレータとしての構成の他、上述の燃料電池スタックを備える燃料電池システムの発明、これらの製造方法の発明として構成することもできる。
本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100を備える燃料電池システム1000の概略構成を示す説明図である。 第1実施例の燃料電池セル40の一部を示す平面図である。 図2におけるA−A断面、および、B−B断面を示す説明図である。 図2におけるC−C断面、および、D−D断面を示す説明図である。 カソード側セパレータ410の製造工程の一例を示す説明図である。 第2実施例の燃料電池セル40Aの一部を示す平面図である。 図6におけるA−A断面、および、B−B断面を示す説明図である。 図6におけるC−C断面、および、D−D断面を示す説明図である。 第3実施例の燃料電池セル40Bの一部を示す平面図である。 図9におけるA−A断面、および、B−B断面を示す説明図である。 図9におけるC−C断面、および、D−D断面を示す説明図である。 第1実施例の燃料電池セル40の変形例としての燃料電池セルの断面構造を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池システムの構成:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100を備える燃料電池システム1000の概略構成を示す説明図である。
燃料電池スタック100は、水素と酸素との電気化学反応によって発電する燃料電池セル40を、複数積層させたスタック構造を有している。各燃料電池セル40は、後述するように、アノードおよびカソードを有する発電モジュールを一対のセパレータ(アノード側セパレータ、および、カソード側セパレータ)によって挟持することによって構成されている。各セパレータには、アノードに供給すべき燃料ガスとしての水素の流路や、カソードに供給すべき酸化剤ガスとしての空気の流路や、冷却水(水、エチレングリコール等)の流路が形成されている。なお、燃料電池セル40の積層数は、燃料電池スタック100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
燃料電池スタック100は、一端から、エンドプレート10a、絶縁板20a、集電板30a、複数の燃料電池セル40、集電板30b、絶縁板20b、エンドプレート10bの順に積層することによって構成されている。これらには、燃料電池スタック100内に、水素や、空気や、冷却水を流すための供給口や、排出口が設けられている。また、燃料電池スタック100内部には、水素や、空気や、冷却水を、それぞれ、各燃料電池セル40に分配して供給するための供給マニホールド(水素供給マニホールド、空気供給マニホールド、冷却水供給マニホールド)や、各燃料電池セル40のアノードおよびカソードからそれぞれ排出されるアノードオフガスおよびカソードオフガスや、冷却水を集合させて燃料電池スタック100の外部に排出するための排出マニホールド(アノードオフガス排出マニホールド、カソードオフガス排出マニホールド、冷却水排出マニホールド)が形成されている。なお、各燃料電池セル40間には、後述するように、水素や、空気や、冷却水の漏洩を防止するためのガスケットが介装されている。
エンドプレート10a,10bは、剛性を確保するため、鋼等の金属によって形成されている。絶縁板20a,20bは、ゴムや、樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。集電板30a,30bは、緻密質カーボンや、銅板などのガス不透過な導電性部材によって形成されている。集電板30a,30bには、それぞれ図示しない出力端子が設けられており、燃料電池スタック100で発電した電力を出力可能となっている。
なお、図示は省略しているが、燃料電池スタック100は、スタック構造のいずれかの箇所における接触抵抗の増加等による電池性能の低下を抑制したり、ガスの漏洩を抑制したりするために、スタック構造の積層方向に、所定の締結荷重が加えられた状態で、締結部材によって締結されている。
燃料電池スタック100のアノードには、配管53を介して、高圧水素を貯蔵した水素タンク50から、燃料ガスとしての水素が供給される。水素タンク50の代わりに、アルコール、炭化水素、アルデヒドなどを原料とする改質反応によって水素リッチなガスを生成し、アノードに供給するものとしてもよい。
水素タンク50に貯蔵された高圧水素は、水素タンク50の出口に設けられたシャットバルブ51、レギュレータ52によって圧力、および、供給量が調整されて、水素供給マニホールドを介して、各燃料電池セル40のアノードに供給される。各燃料電池セル40から排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス排出マニホールドに接続された排出配管56を介して、燃料電池スタック100の外部に排出することができる。なお、アノードオフガスを燃料電池スタック100の外部に排出する際には、アノードオフガスに含まれる水素は、図示しない希釈器等によって処理される。
また、配管53、および、排出配管56には、アノードオフガスを配管53に再循環させるための循環配管54が接続されている。そして、排出配管56の循環配管54との接続部の下流側には、排気バルブ57が配設されている。また、循環配管54には、ポンプ55が配設されている。ポンプ55、および、排気バルブ57の駆動を制御することによって、アノードオフガスを外部に排出するか、配管53に循環させるかを適宜切り換えることができる。アノードオフガスを配管53に再循環させることによって、アノードオフガスに含まれる未消費の水素を効率よく利用することができる。
燃料電池スタック100のカソードには、配管61を介して、エアコンプレッサ60によって圧縮された圧縮空気が、酸素を含有した酸化剤ガスとして供給される。そして、この圧縮空気は、配管61に接続された空気供給マニホールドを介して、各燃料電池セル40のカソードに供給される。各燃料電池セル40のカソードから排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス排出マニホールドに接続された排出配管62を介して、燃料電池スタック100の外部に排出される。排出配管62からは、カソードオフガスとともに、燃料電池スタック100のカソードで、水素と酸素との電気化学反応によって生成された生成水も排出される。
燃料電池スタック100は、上述した電気化学反応によって発熱するため、燃料電池スタック100には、燃料電池スタック100を冷却するための冷却水も供給される。この冷却水は、ポンプ70によって、配管72を流れ、ラジエータ71によって冷却されて、燃料電池スタック100に供給される。
燃料電池システム1000の運転は、制御ユニット80によって制御される。制御ユニット80は、内部にCPU、RAM、ROM、タイマなどを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたプログラムに従って、例えば、各種バルブや、ポンプの駆動等、システムの運転を制御する。
A2.燃料電池セルの構成:
図2は、第1実施例の燃料電池セル40の一部を示す平面図である。図2では、燃料電池セル40を、カソード側セパレータ410側から見たときの一部を示した。また、図3は、図2におけるA−A断面、および、B−B断面を示す説明図である。また、図4は、図2におけるC−C断面、および、D−D断面を示す説明図である。
燃料電池セル40は、発電モジュール400を、カソード側セパレータ410、および、アノード側セパレータ420によって挟持することによって構成されている。カソード側セパレータ410、および、アノード側セパレータ420は、比較的耐食性が高いチタンやステンレス鋼等からなる金属板を加工することによって形成される。カソード側セパレータ410、および、アノード側セパレータ420は、それぞれ、[課題を解決するための手段]における第1のセパレータ、および、第2のセパレータに相当する。
発電モジュール400は、本実施例では、電解質膜402の両面に、それぞれ、カソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)、および、アノード(アノード側触媒層404a、アノード側ガス拡散層406a)を接合してなる膜電極接合体と、この膜電極接合体の両面を挟むように積層された多孔体流路形成部材(カソード側多孔体流路形成部材408c、アノード側多孔体流路形成部材408a)と、を備える(図3,4参照)。膜電極接合体において、カソード側ガス拡散層406c、および、アノード側ガス拡散層406aの少なくとも一方を省略するものとしてもよい。なお、本実施例の燃料電池セル40では、図3,4に示したように、発電モジュール400において、アノード(アノード側触媒層404a、アノード側ガス拡散層406a)のy方向についての長さは、カソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)のy方向についての長さよりも長い。
本実施例の燃料電池セル40は、固体高分子型の燃料電池セルであり、電解質膜402として、湿潤状態でプロトン伝導性を有するナフィオン(登録商標)等の固体高分子からなる固体高分子電解質膜を用いるものとした。電解質膜402として、例えば、固体酸化物電解質等、他の電解質を用いるようにしてもよい。カソード側触媒層404c、および、アノード側触媒層404aは、例えば、白金等の触媒金属を担持したカーボン粒子を含む。カソード側ガス拡散層406c、および、アノード側ガス拡散層406aは、例えば、カーボンペーパや、カーボンフェルトや、カーボンクロス等、ガス拡散性および導電性を有する部材からなる。カソード側多孔体流路形成部材408c、および、アノード側多孔体流路形成部材408aは、例えば、発泡金属焼結体や、金属メッシュや、エキスパンドメタル等、導電性およびガス拡散性を有する多孔質部材からなる。カソード側多孔体流路形成部材408c、および、アノード側多孔体流路形成部材408aは、それぞれ、端部から導入された反応ガス(空気、水素)を、カソード側ガス拡散層406c、および、アノード側ガス拡散層406aの表面に沿って流すためのガス流路を構成する。
図2,3に示したように、カソード側セパレータ410において、発電モジュール400と対向する領域よりも外側の領域には、複数の燃料電池セル40の積層方向(図示したz方向)に空気を流すための空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔411が形成されている。この空気供給用貫通孔411は、後述するように、切り起こし加工によって、カソード側セパレータ410を構成する金属板の一部を切り起こして、折り返し加工によって、発電モジュール400側に折り返すことによって形成されている。この折り返された部分である折り返し部412は、図3に示したように、発電モジュール400におけるカソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)およびカソード側多孔体流路形成部材408cの端部に連通する内部流路空間412sを形成する。
そして、この折り返し部412には、内部流路空間412sと空気供給マニホールド(空気供給用貫通孔411)とを連通する複数の連通孔412hが形成されている。したがって、空気供給マニホールドから内部流路空間412sに流入した空気は、カソード側多孔体流路形成部材408cの端部に導入され、カソード側ガス拡散層406cの表面に沿って流れる。連通孔412hは、[課題を解決するための手段]における第1の連通孔に相当する。
また、折り返し部412には、カソード側セパレータ410を構成する金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部413であって、内部流路空間412s内に突出するとともに、折り返し部412の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凸部413が形成されている。本実施例では、複数の凸部413は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凸部413の上面は、図3に示したように、それぞれ、カソード側セパレータ410の内部流路空間412s側の面に接触している。そして、複数の凸部413には、それぞれ、内部流路空間412sと上記プレス加工によって形成された複数の凸部413の内部空間413sとを連通する2つの連通孔413hが形成されている。本実施例では、この連通孔413hは、円形形状を有するものとした。連通孔413hは、内部流路空間412sと凸部413の内部空間413sとを連通可能な任意の位置に形成可能である。連通孔413hは、[課題を解決するための手段]における第2の連通孔に相当する。
なお、本実施例では、折り返し部412において、複数の連通孔412hと、複数の凸部413とは、図示したx方向について、互いにずれた位置に配置されている。
また、カソード側セパレータ410には、折り返し部412の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凹部414も形成されている。本実施例では、複数の凹部414は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凹部414の下面は、図3に示したように、それぞれ、折り返し部412の内部流路空間412s側の面に接触している。なお、複数の凹部414と、折り返し部412における複数の凸部413とは、図示したx方向について、同じ位置に配置されている。
また、図2,4に示したように、カソード側セパレータ410において、発電モジュール400と対向する領域よりも外側の領域には、複数の燃料電池セル40の積層方向(図示したz方向)に、水素を流すための水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔415が形成されている。この水素供給用貫通孔415も、空気供給用貫通孔411と同様に、後述するように、切り起こし加工によって、カソード側セパレータ410を構成する金属板の一部を切り起こして、折り返し加工によって、発電モジュール400側に折り返すことによって形成されている。この折り返された部分である折り返し部416は、図4に示したように、発電モジュール400におけるアノード(アノード側触媒層404a、アノード側ガス拡散層406a)およびアノード側多孔体流路形成部材408aの端部に連通する内部流路空間416sを形成する。
そして、この折り返し部416には、内部流路空間416sと水素供給マニホールド(水素供給用貫通孔415)とを連通する複数の連通孔416hが形成されている。したがって、水素供給マニホールドから内部流路空間416sに流入した水素は、アノード側多孔体流路形成部材408aの端部に導入され、アノード側ガス拡散層406aの表面に沿って流れる。連通孔416hは、[課題を解決するための手段]における第1の連通孔に相当する。
また、折り返し部416には、カソード側セパレータ410を構成する金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部417であって、内部流路空間416s内に突出するとともに、折り返し部416の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凸部417が形成されている。本実施例では、複数の凸部417は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凸部417の上面は、図4に示したように、それぞれ、カソード側セパレータ410の内部流路空間416s側の面に接触している。そして、複数の凸部417には、それぞれ、内部流路空間416sと上記プレス加工によって形成された複数の凸部417の内部空間417sとを連通する2つの連通孔417hが形成されている。本実施例では、この連通孔417hは、円形形状を有するものとした。連通孔417hは、内部流路空間416sと凸部417の内部空間417sとを連通可能な任意の位置に形成可能である。連通孔417hは、[課題を解決するための手段]における第2の連通孔に相当する。
なお、本実施例では、折り返し部416において、複数の連通孔416hと、複数の凸部417とは、折り返し部412における複数の連通孔412h、および、複数の凸部413と同様に、図示したx方向について、互いにずれた位置に配置されている。
また、アノード側セパレータ420において、カソード側セパレータ410における空気供給用貫通孔411と同じ位置に、空気供給用マニホールドを構成する空気供給用貫通孔421が形成されている。また、アノード側セパレータ420において、カソード側セパレータ410における水素供給用貫通孔415と同じ位置に、水素供給用マニホールドを構成する水素供給用貫通孔425が形成されている。そして、図3,4に示したように、アノード側セパレータ420において、カソード側セパレータ410における複数の凸部413、および、複数の凸部417と対向する領域に、凹部422が形成されている。
また、燃料電池セル40において、カソード側セパレータ410と、アノード側セパレータ420とは、両者間の絶縁が確保されるように、少なくとも、折り返し部412,416における凸部413,417の裏面を含む領域において、シール剤430によってシールされている。また、図4に示したように、水素供給用マニホールドおよび内部流路空間416sと、発電モジュール400におけるカソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)およびカソード側多孔体流路形成部材408cの端部とは、発電モジュール400におけるカソードに水素が導入されないように、シール剤440によって隔離されている。シール剤430,440としては、ガス不透過の接着剤や、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
また、図3,4に示したように、カソード側セパレータ410において、燃料電池スタック100における複数の燃料電池セル40の積層方向(図示したz方向)から見て、複数の凸部413、および、複数の凸部417と重なる位置に、ガスケット450が配置される。このガスケット450は、図3,4から理解できるように、アノード側セパレータ420における凹部422と接触する。このガスケット450は、例えば、シリコーンゴム等の弾性体からなり、燃料電池スタック100において、複数の燃料電池セル40間における空気や、水素や、冷却水の漏洩を防止する機能を有する。
なお、カソード側セパレータ410において、ガスケット450が配置される位置、すなわち、燃料電池スタック100における複数の燃料電池セル40の積層方向(図示したz方向)から見て、複数の凸部413、および、複数の凸部417と重なる位置は、平滑面である。また、アノード側セパレータ420において、ガスケット450が当接する凹部422も、平滑面である。また、図示は省略しているが、燃料電池スタック100において、第1の燃料電池セル40におけるカソード側セパレータ410と、第1の燃料電池セル40と隣接する第2の燃料電池セル40におけるアノード側セパレータ420とは接触する。
A3.カソード側セパレータの製造工程:
図5は、カソード側セパレータ410の製造工程の一例を示す説明図である。まず、図5(a)に示したように、例えば、打ち抜き加工によって、カソード側セパレータ410を構成する金属板に、複数の連通孔412h,413h,416h,417hとなる貫通孔をそれぞれ形成する。次に、図5(b)に示したように、プレス加工(絞り加工)によって、複数の凸部413、複数の凹部414、複数の凸部417となる凹部をそれぞれ形成する。次に、図5(c)に示したように、例えば、抜き加工によって、折り返し部412、および、折り返し部416を形成するための切れ目をそれぞれ形成する。次に、図5(d)に示したように、金属板の一部を、紙面奥側に切り起こして折り返すことによって、空気供給用貫通孔411、折り返し部412、および、水素供給用貫通孔415、折り返し部416を形成する。以上の工程を経て、カソード側セパレータ410が製造される。なお、上述したカソード側セパレータ410の製造工程は、一例であり、打ち抜き加工や、プレス加工(絞り加工)の順序は、適宜、変更可能である。
アノード側セパレータ420は、図2〜4から容易に推測できるように、カソード側セパレータ410とは異なり、比較的簡易な打ち抜き加工や曲げ加工によって製造可能である。したがって、アノード側セパレータ420の製造工程についての図示および詳細な説明は省略する。
A4.効果:
例えば、燃料電池セル40の製造時において、複数の凸部413の内部空間413s内、および、複数の凸部417の内部空間417s内には、ガス(例えば、空気)が存在する。このため、例えば、カソード側セパレータ410とアノード側セパレータ420とを、シール剤430によって加熱して接合するときには、複数の凸部413の内部空間413s内、および、複数の凸部417の内部空間417s内に存在するガスは、熱膨張する。そして、複数の凸部413、および、複数の凸部417に、それぞれ、連通孔413h、および、連通孔417hが形成されていない場合には、上記内部空間413s,417sは密閉され、上記熱膨張したガスの圧力が、カソード側セパレータ410(折り返し部412)およびアノード側セパレータ420(凹部422)とシール剤430とのシール面に加わり、シール剤430の剥離を招く。
これに対し、第1実施例の燃料電池スタック100によれば、燃料電池セル40において、複数の凸部413、および、複数の凸部417に、それぞれ、連通孔413h、および、連通孔417hが形成されているので、複数の凸部413の内部空間413s内、および、複数の凸部417の内部空間417s内に存在するガスが熱膨張しても、この熱膨張したガスを、複数の連通孔413h,417hを通じて、それぞれ、内部流路空間412s,416sに放出することができる。したがって、上記熱膨張したガスの圧力が、カソード側セパレータ410(折り返し部412)およびアノード側セパレータ420(凹部422)とシール剤430とのシール面に加わることを防止し、シール剤430の剥離を防止することができる。
また、第1実施例の燃料電池スタック100では、燃料電池セル40を構成するカソード側セパレータ410における折り返し部412が、複数の凸部413を備えているので、空気供給マニホールドから内部流路空間412sへの空気の複数の流路を確保し、空気の分配性を向上させることができる。また、燃料電池セル40を構成するカソード側セパレータ410における折り返し部416が、複数の凸部417を備えているので、水素供給マニホールドから内部流路空間416sへの水素の複数の流路を確保し、水素の分配性を向上させることができる。
また、第1実施例の燃料電池スタック100では、燃料電池セル40において、カソード側セパレータ410が折り返し部412,416を備えており、アノード側セパレータ420が比較的加工が複雑になる折り返し部を備えていない。換言すれば、アノード側セパレータ420に対しては、比較的加工が複雑な折り返し部を形成する必要がない。したがって、燃料電池セル40、および、燃料電池スタック100の製造工程を簡易化することができる。
また、第1実施例の燃料電池スタック100では、複数の燃料電池セル40は、それぞれ、ガスケット450を介して積層されており、ガスケット450は、燃料電池セル40の積層方向から見たときに、複数の凸部413,417と重なる位置に配置されている。したがって、複数の燃料電池セル40を積層方向に締結したときに、複数の凸部413,417によって、ガスケット450から受ける押圧力をバックアップ(支持)し、カソード側セパレータ410およびアノード側セパレータ420の変形を抑制することができる。また、第1実施例の燃料電池スタック100では、ガスケット450は、カソード側セパレータ410およびアノード側セパレータ420の外側の平滑面に配置されるので、ガスケット450の交換性を向上させることができる。
B.第2実施例:
第2実施例の燃料電池システムの構成は、第1実施例の燃料電池システム1000の構成と同じである。そして、第2実施例燃料電池システムでは、燃料電池スタックが、燃料電池セル40の代わりに、燃料電池セル40Aを備えている。以下、燃料電池セル40Aについて説明する。
図6は、第2実施例の燃料電池セル40Aの一部を示す平面図である。図6では、燃料電池セル40Aを、カソード側セパレータ410A側から見たときの一部を示した。また、図7は、図6におけるA−A断面、および、B−B断面を示す説明図である。また、図8は、図6におけるC−C断面、および、D−D断面を示す説明図である。
燃料電池セル40Aは、発電モジュール400を、カソード側セパレータ410A、および、アノード側セパレータ420Aによって挟持することによって構成されている。カソード側セパレータ410A、および、アノード側セパレータ420Aは、第1実施例の燃料電池セル40におけるカソード側セパレータ410、および、アノード側セパレータ420と同様に、比較的耐食性が高いチタンやステンレス鋼等からなる金属板を加工することによって形成される。カソード側セパレータ410A、および、アノード側セパレータ420Aは、それぞれ、[課題を解決するための手段]における第1のセパレータ、および、第2のセパレータに相当する。
第2実施例の燃料電池セル40Aにおける発電モジュール400は、第1実施零の燃料電池セル40における発電モジュール400と同じである。したがって、発電モジュール400についての説明は省略する。
図6,7に示したように、カソード側セパレータ410Aにおいて、発電モジュール400と対向する領域よりも外側の領域には、複数の燃料電池セル40Aの積層方向(図示したz方向)に空気を流すための空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔411が形成されている。この空気供給用貫通孔411は、第1実施例と同様に、カソード側セパレータ410Aを構成する金属板の一部を切り起こして、発電モジュール400側に折り返すことによって形成されている。この折り返された部分である折り返し部412は、図7に示したように、発電モジュール400におけるカソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)およびカソード側多孔体流路形成部材408cの端部に連通する内部流路空間412sを形成する。
そして、この折り返し部412には、内部流路空間412sと空気供給マニホールド(空気供給用貫通孔411)とを連通する複数の連通孔412hが形成されている。したがって、空気供給マニホールドから内部流路空間412sに流入した空気は、カソード側多孔体流路形成部材408cの端部に導入され、カソード側ガス拡散層406cの表面に沿って流れる。連通孔412hは、[課題を解決するための手段]における第1の連通孔に相当する。
また、折り返し部412には、カソード側セパレータ410Aを構成する金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部413であって、内部流路空間412s内に突出するとともに、折り返し部412の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凸部413が形成されている。本実施例では、複数の凸部413は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凸部413の上面は、図7に示したように、それぞれ、カソード側セパレータ410Aの内部流路空間412s側の面に接触している。そして、複数の凸部413には、それぞれ、内部流路空間412sと上記プレス加工によって形成された複数の凸部413の内部空間413sとを連通する2つの連通孔413hが形成されている。本実施例においても、この連通孔413hは、円形形状を有するものとした。連通孔413hは、内部流路空間412sと凸部413の内部空間413sとを連通可能な任意の位置に形成可能である。連通孔413hは、[課題を解決するための手段]における第2の連通孔に相当する。
なお、本実施例においても、第1実施例と同様に、折り返し部412において、複数の連通孔412hと、複数の凸部413とは、図示したx方向について、互いにずれた位置に配置されている。
また、図6,8に示したように、アノード側セパレータ420Aにおいて、発電モジュール400と対向する領域よりも外側の領域には、複数の燃料電池セル40の積層方向(図示したz方向)に、水素を流すための水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔425が形成されている。この水素供給用貫通孔425も、カソード側セパレータ410Aにおける空気供給用貫通孔411と同様に、アノード側セパレータ420Aを構成する金属板の一部を切り起こして、発電モジュール400側に折り返すことによって形成されている。この折り返された部分である折り返し部426は、図8に示したように、発電モジュール400におけるアノード(アノード側触媒層404a、アノード側ガス拡散層406a)およびアノード側多孔体流路形成部材408aの端部に連通する内部流路空間426sを形成する。
そして、この折り返し部426には、内部流路空間426sと水素供給マニホールド(水素供給用貫通孔425)とを連通する複数の連通孔426hが形成されている。したがって、水素供給マニホールドから内部流路空間426sに流入した水素は、アノード側多孔体流路形成部材408aの端部に導入され、アノード側ガス拡散層406aの表面に沿って流れる。連通孔426hは、[課題を解決するための手段]における第1の連通孔に相当する。
また、折り返し部426には、アノード側セパレータ420Aを構成する金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部427であって、内部流路空間426s内に突出するとともに、折り返し部426の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凸部427が形成されている。本実施例では、複数の凸部427は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凸部427の下面は、図8に示したように、それぞれ、アノード側セパレータ420Aの内部流路空間426s側の面に接触している。そして、複数の凸部427には、それぞれ、内部流路空間426sと上記プレス加工によって形成された複数の凸部427の内部空間427sとを連通する2つの連通孔427hが形成されている。本実施例においても、この連通孔427hは、円形形状を有するものとした。連通孔427hは、内部流路空間426sと凸部427の内部空間427sとを連通可能な任意の位置に形成可能である。連通孔427hは、[課題を解決するための手段]における第2の連通孔に相当する。
なお、本実施例では、折り返し部426において、複数の連通孔426hと、複数の凸部427とも、カソード側セパレータ410Aの折り返し部412における複数の連通孔412h、および、複数の凸部413と同様に、図示したx方向について、互いにずれた位置に配置されている。
また、アノード側セパレータ420Aにおいて、カソード側セパレータ410Aにおける空気供給用貫通孔411と同じ位置に、空気供給用マニホールドを構成する空気供給用貫通孔421が形成されている。また、カソード側セパレータ410Aにおいて、アノード側セパレータ420Aにおける水素供給用貫通孔425と同じ位置に、水素供給用マニホールドを構成する水素供給用貫通孔415が形成されている。そして、図7,8に示したように、アノード側セパレータ420Aにおいて、カソード側セパレータ410Aにおける複数の凸部413、および、アノード側セパレータ420Aにおける複数の凸部427と対向する領域に、凹部422が形成されている。
また、燃料電池セル40Aにおいて、カソード側セパレータ410Aと、アノード側セパレータ420Aとは、両者間の絶縁が確保されるように、少なくとも、折り返し部412、および、折り返し部426における凸部413,427の裏面を含む領域において、シール剤430,440によってシールされている。また、図8に示したように、水素供給用マニホールドおよび内部流路空間426sと、発電モジュール400におけるカソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)およびカソード側多孔体流路形成部材408cの端部とは、発電モジュール400におけるカソードに水素が導入されないように、シール剤440によって隔離されている。シール剤430,440としては、ガス不透過の接着剤や、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
また、図7,8に示したように、カソード側セパレータ410Aにおいて、燃料電池スタックにおける複数の燃料電池セル40Aの積層方向(図示したz方向)から見て、複数の凸部413、および、複数の凸部427と重なる位置に、ガスケット450が配置される。このガスケット450は、図7,8から理解できるように、アノード側セパレータ420Aにおける凹部422と接触する。このガスケット450は、例えば、シリコーンゴム等の弾性体からなり、燃料電池スタックにおいて、複数の燃料電池セル40A間における空気や、水素や、冷却水の漏洩を防止する機能を有する。
なお、カソード側セパレータ410Aにおいて、ガスケット450が配置される位置、すなわち、燃料電池スタックにおける複数の燃料電池セル40Aの積層方向(図示したz方向)から見て、複数の凸部413、および、複数の凸部427と重なる位置は、平滑面である。また、アノード側セパレータ420において、ガスケット450が当接する凹部422も、平滑面である。また、アノード側セパレータ420Aにおいて、ガスケット450が当接する凹部422も、平滑面である。また、図示は省略しているが、燃料電池スタックにおいて、第1の燃料電池セル40Aにおけるカソード側セパレータ410Aと、第1の燃料電池セル40Aと隣接する第2の燃料電池セル40Aにおけるアノード側セパレータ420Aとは接触する。
以上説明した第2実施例の燃料電池スタックによっても、第1実施例と同様に、燃料電池セル40Aにおいて、複数の凸部413、および、複数の凸部427に、それぞれ、連通孔413h、および、連通孔427hが形成されているので、複数の凸部413の内部空間413s内、および、複数の凸部427の内部空間417s内に存在するガスが熱膨張しても、この熱膨張したガスを、複数の連通孔413h,427hを通じて、それぞれ、内部流路空間412s,426sに放出することができる。したがって、上記熱膨張したガスの圧力が、カソード側セパレータ410A(折り返し部412)およびアノード側セパレータ420(凹部422)とシール剤430とのシール面、アノード側セパレータ420A(折り返し部426)およびカソード側セパレータ410Aとシール剤440とのシール面に加わることを防止し、シール剤430,440の剥離を防止することができる。
また、第2実施例の燃料電池スタックでは、第1実施例と同様に、燃料電池セル40Aを構成するカソード側セパレータ410Aにおける折り返し部412が、複数の凸部413を備えているので、空気供給マニホールドから内部流路空間412sへの空気の複数の流路を確保し、空気の分配性を向上させることができる。また、燃料電池セル40Aを構成するアノード側セパレータ420における折り返し部426が、複数の凸部427を備えているので、水素供給マニホールドから内部流路空間426sへの水素の複数の流路を確保し、水素の分配性を向上させることができる。
また、第2実施例の燃料電池スタックでは、第1実施例と同様に、複数の燃料電池セル40Aは、それぞれ、ガスケット450を介して積層されており、ガスケット450は、燃料電池セル40Aの積層方向から見たときに、複数の凸部413,427と重なる位置に配置されている。したがって、複数の燃料電池セル40Aを積層方向に締結したときに、複数の凸部413,427によって、ガスケット450から受ける押圧力をバックアップ(支持)し、カソード側セパレータ410Aおよびアノード側セパレータ420Aの変形を抑制することができる。また、第2実施例の燃料電池スタックでは、ガスケット450は、カソード側セパレータ410Aおよびアノード側セパレータ420Aの外側の平滑面に配置されるので、ガスケット450の交換性を向上させることができる。
C.第3実施例:
第3実施例の燃料電池システムの構成は、第1実施例の燃料電池システム1000の構成と同じである。そして、第3実施例の燃料電池システムでは、燃料電池スタック100が、燃料電池セル40の代わりに、燃料電池セル40Bを備えている。以下、燃料電池セル40Bについて説明する。
図9は、第3実施例の燃料電池セル40Bの一部を示す平面図である。図9では、燃料電池セル40Bを、カソード側セパレータ410B側から見たときの一部を示した。また、図10は、図9におけるA−A断面、および、B−B断面を示す説明図である。また、図11は、図9におけるC−C断面、および、D−D断面を示す説明図である。
燃料電池セル40Bは、発電モジュール400を、カソード側セパレータ410B、および、アノード側セパレータ420(第1実施例と同一)によって挟持することによって構成されている。カソード側セパレータ410B、および、アノード側セパレータ420は、第1実施例の燃料電池セル40におけるカソード側セパレータ410、および、アノード側セパレータ420と同様に、比較的耐食性が高いチタンやステンレス鋼等からなる金属板を加工することによって形成される。カソード側セパレータ410B、および、アノード側セパレータ420は、それぞれ、[課題を解決するための手段]における第1のセパレータ、および、第2のセパレータに相当する。
第3実施例の燃料電池セル40Bにおける発電モジュール400は、第1実施零の燃料電池セル40における発電モジュール400と同じである。したがって、発電モジュール400についての説明は省略する。
図9,10に示したように、カソード側セパレータ410Bにおいて、発電モジュール400と対向する領域よりも外側の領域には、複数の燃料電池セル40Bの積層方向(図示したz方向)に空気を流すための空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔411が形成されている。この空気供給用貫通孔411は、第1実施例と同様に、カソード側セパレータ410Bを構成する金属板の一部を切り起こして、発電モジュール400側に折り返すことによって形成されている。この折り返された部分である折り返し部412は、図10に示したように、発電モジュール400におけるカソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)およびカソード側多孔体流路形成部材408cの端部に連通する内部流路空間412sを形成する。
そして、この折り返し部412には、内部流路空間412sと空気供給マニホールド(空気供給用貫通孔411)とを連通する複数の連通孔412hが形成されている。したがって、空気供給マニホールドから内部流路空間412sに流入した空気は、カソード側多孔体流路形成部材408cの端部に導入され、カソード側ガス拡散層406cの表面に沿って流れる。連通孔412hは、[課題を解決するための手段]における第1の連通孔に相当する。
また、折り返し部412には、カソード側セパレータ410Bを構成する金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部413であって、内部流路空間412s内に突出するとともに、折り返し部412の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凸部413が形成されている。本実施例では、複数の凸部413は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凸部413の上面は、図10に示したように、それぞれ、カソード側セパレータ410の内部流路空間412s側の面に接触している。そして、複数の凸部413の、内部流路空間412sにおける空気の流れ方向についての下流側の壁面に、それぞれ、内部流路空間412sと上記プレス加工によって形成された複数の凸部413の内部空間413sとを連通するせん断孔413Bhが形成されている。本実施例では、このせん断孔413Bhは、凸部413の壁面が切り抜かれた台形形状を有するものとした。せん断孔413Bhは、[課題を解決するための手段]における第2の連通孔に相当する。
なお、本実施例においても、第1実施例と同様に、折り返し部412において、複数の連通孔412hと、複数の凸部413とは、図示したx方向について、互いにずれた位置に配置されている。
また、カソード側セパレータ410Bには、第1実施例の燃料電池セル40におけるカソード側セパレータ410と同様に、折り返し部412の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凹部414も形成されている。本実施例では、複数の凹部414は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凹部414の下面は、図10に示したように、それぞれ、折り返し部412の内部流路空間412s側の面に接触している。なお、複数の凹部414と、折り返し部412における複数の凸部413とは、図示したx方向について、同じ位置に配置されている。
また、図9,11に示したように、カソード側セパレータ410Bにおいて、発電モジュール400と対向する領域よりも外側の領域には、複数の燃料電池セル40Bの積層方向(図示したz方向)に、水素を流すための水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔415が形成されている。この水素供給用貫通孔415も、空気供給用貫通孔411と同様に、カソード側セパレータ410Bを構成する金属板の一部を切り起こして、発電モジュール400側に折り返すことによって形成されている。この折り返された部分である折り返し部416は、図11に示したように、発電モジュール400におけるアノード(アノード側触媒層404a、アノード側ガス拡散層406a)およびアノード側多孔体流路形成部材408aの端部に連通する内部流路空間416sを形成する。
そして、この折り返し部416には、内部流路空間416sと水素供給マニホールド(水素供給用貫通孔415)とを連通する複数の連通孔416hが形成されている。したがって、水素供給マニホールドから内部流路空間416sに流入した水素は、アノード側多孔体流路形成部材408aの端部に導入され、アノード側ガス拡散層406aの表面に沿って流れる。連通孔416hは、[課題を解決するための手段]における第1の連通孔に相当する。
また、折り返し部416には、カソード側セパレータ410Bを構成する金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部417であって、内部流路空間416s内に突出するとともに、折り返し部416の折り返し線LLに平行な方向(図示したx方向)に沿って配置された複数の凸部417が形成されている。本実施例では、複数の凸部417は、それぞれ、略四角錐台形状を有しているものとした。複数の凸部417の上面は、図11に示したように、それぞれ、カソード側セパレータ410Bの内部流路空間416s側の面に接触している。そして、複数の凸部417の、内部流路空間416sにおける水素の流れ方向についての下流側の壁面に、それぞれ、内部流路空間416sと上記プレス加工によって形成された複数の凸部417の内部空間417sとを連通するせん断孔417Bhが形成されている。本実施例では、このせん断孔413Bhは、凸部417の壁面が切り抜かれた台形形状を有するものとした。せん断孔417Bhは、[課題を解決するための手段]における第2の連通孔に相当する。
なお、本実施例においても、折り返し部416において、複数の連通孔416hと、複数の凸部417とは、折り返し部412における複数の連通孔412h、および、複数の凸部413と同様に、図示したx方向について、互いにずれた位置に配置されている。
燃料電池セル40Bを構成するアノード側セパレータ420は、第1実施例の燃料電池セル40におけるアノード側セパレータ420と同一である。そして、燃料電池セル40Bにおいて、カソード側セパレータ410Bと、アノード側セパレータ420とは、両者間の絶縁が確保されるように、少なくとも、折り返し部412,417における凸部413,417の裏面を含む領域において、シール剤430によってシールされている。また、図11に示したように、水素供給用マニホールドおよび内部流路空間416sと、発電モジュール400におけるカソード(カソード側触媒層404c、カソード側ガス拡散層406c)およびカソード側多孔体流路形成部材408cの端部とは、発電モジュール400におけるカソードに水素が導入されないように、シール剤440によって隔離されている。シール剤430,440としては、ガス不透過の接着剤や、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
また、図10,11に示したように、カソード側セパレータ410Bにおいて、燃料電池スタックにおける複数の燃料電池セル40Bの積層方向(図示したz方向)から見て、複数の凸部413、および、複数の凸部417と重なる位置に、ガスケット450が配置される。このガスケット450は、図10,11から理解できるように、アノード側セパレータ420における凹部422と接触する。このガスケット450は、例えば、シリコーンゴム等の弾性体からなり、燃料電池スタックにおいて、複数の燃料電池セル40B間における空気や、水素や、冷却水の漏洩を防止する機能を有する。
なお、カソード側セパレータ410Bにおいて、ガスケット450が配置される位置、すなわち、燃料電池スタックにおける複数の燃料電池セル40Bの積層方向(図示したz方向)から見て、複数の凸部413、および、複数の凸部417と重なる位置は、平滑面である。また、アノード側セパレータ420において、ガスケット450が当接する凹部422も、平滑面である。また、図示は省略しているが、燃料電池スタックにおいて、第1の燃料電池セル40Bにおけるカソード側セパレータ410Bと、第1の燃料電池セル40Bと隣接する第2の燃料電池セル40Bにおけるアノード側セパレータ420とは接触する。
以上説明した第3実施例の燃料電池スタックによっても、第1実施例と同様に、燃料電池セル40Bにおいて、複数の凸部413、および、複数の凸部417に、それぞれ、せん断孔413Bh、および、せん断孔417Bhが形成されているので、複数の凸部413の内部空間413s内、および、複数の凸部417の内部空間417s内に存在するガスが熱膨張しても、この熱膨張したガスを、複数のせん断孔413Bh,417Bhを通じて、それぞれ、内部流路空間412s,416sに放出することができる。したがって、上記熱膨張したガスの圧力が、カソード側セパレータ410(折り返し部412)およびアノード側セパレータ420(凹部422)とシール剤430とのシール面に加わることを防止し、シール剤430の剥離を防止することができる。
また、第3実施例の燃料電池スタックでは、カソード側セパレータ410Bの製造時に、複数の凸部413,417を形成する加工とせん断孔413Bh,417Bhを形成する加工とを同時に行うことができるため、加工が比較的容易である。また、せん断孔413Bh,417Bhについて、比較的大きな開口面積を確保することができるので、上記熱膨張したガスの内部流路空間412s,416sへの放出を容易に行うことができる。また、一般に、発電によって生成された生成水に含まれるイオンが、セパレータを腐食させることがあり得るが、第3実施例の燃料電池スタックでは、せん断孔413Bh,417Bhが、内部流路空間412s,416sにおける各反応ガス(空気、水素)の流れ方向についての下流側の壁面に形成されるので、せん断孔413Bh,417Bhから複数の凸部413,417の内部空間413s,417sに生成水が流入・滞留して生じ得るカソード側セパレータ410B、および、アノード側セパレータ420の腐食を抑制することができる。また、せん断孔413Bh,417Bhが水溜りの起点となることを抑制し、連通孔412h,416hからの内部流路空間412s,416sへの各反応ガスの流路を効果的に確保することができる。また、第1実施例のように、連通孔413h,417hの開口面積が比較的小さい場合には、金属板に連通孔を形成する時に用いる型の磨耗が比較的激しいが、せん断孔413Bh,417Bhの開口面積を比較的大きくすることによって、上記型の磨耗を抑制することができる。
また、第3実施例の燃料電池スタックでは、第1実施例と同様に、燃料電池セル40Bを構成するカソード側セパレータ410Bにおける折り返し部412が、複数の凸部413を備えているので、空気供給マニホールドから内部流路空間412sへの空気の複数の流路を確保し、空気の分配性を向上させることができる。また、燃料電池セル40Bを構成するアノード側セパレータ420における折り返し部416が、複数の凸部417を備えているので、水素供給マニホールドから内部流路空間416sへの水素の複数の流路を確保し、水素の分配性を向上させることができる。
また、第3実施例の燃料電池スタックでは、第1実施例と同様に、燃料電池セル40Bにおいて、カソード側セパレータ410Bが折り返し部412,416を備えており、アノード側セパレータ420が比較的加工が複雑になる折り返し部を備えていない。換言すれば、アノード側セパレータ420に対しては、比較的加工が複雑な折り返し部を形成する必要がない。したがって、燃料電池セル40B、および、燃料電池スタックの製造工程を簡易化することができる。
また、第3実施例の燃料電池スタックでは、第1実施例と同様に、複数の燃料電池セル40Bは、それぞれ、ガスケット450を介して積層されており、ガスケット450は、燃料電池セル40Bの積層方向から見たときに、複数の凸部413,417と重なる位置に配置されている。したがって、複数の燃料電池セル40Bを積層方向に締結したときに、複数の凸部413,417によって、ガスケット450から受ける押圧力をバックアップ(支持)し、カソード側セパレータ410Bおよびアノード側セパレータ420の変形を抑制することができる。また、第3実施例の燃料電池スタックでは、第1実施例と同様に、ガスケット450は、カソード側セパレータ410Bおよびアノード側セパレータ420の外側の平滑面に配置されるので、ガスケット450の交換性を向上させることができる。
D.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
D1.変形例1:
図12は、第1実施例の燃料電池セル40の変形例としての燃料電池セルの断面構造を示す説明図である。図12(a)に、第1の変形例としての燃料電池セルの、図2のB−B断面に相当する断面図を示した。また、図12(b)に、第2の変形例としての燃料電池セルの、図2のB−B断面に相当する断面図を示した。
第1の変形例としての燃料電池セルの構造は、第1実施例の燃料電池セル40の構造とほぼ同じである。ただし、第1の変形例の燃料電池セルでは、図12(a)に示したように、カソード側セパレータ410Cにおいて、カソード側セパレータ410Cと折り返し部412に設けられた複数の凸部413との接触部の一部をかしめ接合したかしめ接合部410bが設けられている。かしめ接合部410bにおけるかしめ方向は、任意に設定可能である。これは、図示は省略しているが、折り返し部416に設けられた複数の凸部417についても同様である。こうすることによって、折り返し部412,416のスプリングバック、すなわち、折り返し部412,416の弾性によるシール剤430を押しつぶす作用が規制され、カソード側セパレータ410Cとアノード側セパレータ420との短絡を防止することができる。
第2の変形例としての燃料電池セルの構造も、第1実施例の燃料電池セル40の構造とほぼ同じである。ただし、第2の変形例の燃料電池セルでは、図12(b)に示したように、カソード側セパレータ410Dにおいて、カソード側セパレータ410Dと折り返し部412に設けられた複数の凸部413との接触部に、貫通孔410hが設けられる。また、第2の変形例の燃料電池セルでは、ガスケット450の代わりに、樹脂からなるガスケット450Dが用いられる。そして、ガスケット450Dの形成時に、樹脂の一部を、貫通孔410hから凸部413の内部空間413sに流し込み、はみ出し部450iを設けて硬化させることによって、上記接触部を固定する。これは、図示は省略しているが、折り返し部416に設けられた複数の凸部417についても同様である。こうすることによっても、折り返し部412,416のスプリングバック、すなわち、折り返し部412,416の弾性がシール剤430を押しつぶす作用が規制され、カソード側セパレータ410Dとアノード側セパレータ420との短絡を防止することができる。
D2.変形例2:
上記各実施例の燃料電池セル40,40A,40B、あるいは、図12に示した変形例としての燃料電池セルにおいて、カソード側の構成とアノード側の構成とを逆にしてもよい。すなわち、例えば、第1実施例の燃料電池セル40では、カソード側セパレータ410が折り返し部412,416を備えるものとしたが、この代わりに、アノード側セパレータ420が折り返し部412,416に相当する折り返し部を備えるようにしてもよい。
D3.変形例3:
上記実施例では、発電モジュール400は、アノード側多孔体流路形成部材408aと、カソード側多孔体流路形成部材408cとを備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。アノード側多孔体流路形成部材408aと、カソード側多孔体流路形成部材408cとのうちの少なくとも一方を省略するようにしてもよい。この場合、例えば、カソード側セパレータ410や、アノード側セパレータ420に、ガス流路を設けるようにすればよい。
1000…燃料電池システム
100…燃料電池スタック
10a,10b…エンドプレート
20a,20b…絶縁板
30a,30b…集電板
40,40A,40B…燃料電池セル
50…水素タンク
51…シャットバルブ
52…レギュレータ
53…配管
54…循環配管
55…ポンプ
56…排出配管
57…排気バルブ
60…エアコンプレッサ
61…配管
62…排出配管
70…ポンプ
71…ラジエータ
72…配管
80…制御ユニット
400…発電モジュール
402…電解質膜
404a…アノード側触媒層
404c…カソード側触媒層
406a…アノード側ガス拡散層
406c…カソード側ガス拡散層
408a…アノード側多孔体流路形成部材
408c…カソード側多孔体流路形成部材
410,410A,410B,410C,410D…カソード側セパレータ
410b…かしめ接合部
410h…貫通孔
411…空気供給用貫通孔
412…折り返し部
412h…連通孔
412s…内部流路空間
413…凸部
413h…連通孔
413s…内部空間
413Bh…せん断孔
414…凹部
415…水素供給用貫通孔
416…折り返し部
416h…連通孔
416s…内部流路空間
417…凸部
417h…連通孔
417s…内部空間
417Bh…せん断孔
420,420A…アノード側セパレータ
421…空気供給用貫通孔
422…凹部
425…水素供給用貫通孔
426…折り返し部
426h…連通孔
426s…内部流路空間
427…凸部
427h…連通孔
427s…内部空間
430,440…シール剤
450,450D…ガスケット
450i…はみ出し部
LL…折り返し線

Claims (7)

  1. 複数の燃料電池セルを積層してなる燃料電池スタックに用いられる前記燃料電池セルであって、
    電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、該膜電極接合体の両面を挟むように積層された多孔体流路形成部材と、を備える発電モジュールと、
    金属板を加工することによって形成され、前記発電モジュールの両面を挟むように配置された第1および第2のセパレータであって、前記発電モジュールと対向する領域よりも外側の領域に、前記複数の燃料電池セルの積層方向に反応ガスを流すための反応ガス流路を構成する貫通孔を備える前記第1および第2のセパレータと、を備え、
    前記第1および第2セパレータの少なくとも一方は、前記金属板の一部が切り起こされて、前記発電モジュールと対向する領域側に折り返されることによって、前記貫通孔を形成するとともに、前記発電モジュールにおけるいずれかの前記電極および前記多孔体流路形成部材の端部に連通する内部流路空間を形成する折り返し部を備えており、
    前記折り返し部は、
    前記内部流路空間と前記反応ガス流路とを連通する第1の連通孔と、
    前記金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部であって、前記内部流路空間内に突出するとともに、前記折り返し部の折り返し線に略平行な方向に沿って配置された前記複数の凸部と、
    を備えており、
    前記第1のセパレータと前記第2のセパレータとは、前記折り返し部における前記複数の凸部の裏面を含む領域において、シール剤によってシールされており、
    前記複数の凸部には、それぞれ、前記内部流路空間と前記プレス加工によって形成された前記複数の凸部の内部空間とを連通する第2の連通孔が形成されている、
    燃料電池セル。
  2. 請求項1記載の燃料電池セルであって、
    前記第2の連通孔は、前記複数の凸部において、前記内部流路空間における前記反応ガスの流れ方向についての下流側の壁面が切り抜かれたものである、
    燃料電池セル。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池セルであって、
    前記第1のセパレータ、および、前記第2のセパレータのいずれか一方のみが、前記折り返し部を備えている、
    燃料電池セル。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池スタック。
  5. 請求項4記載の燃料電池スタックであって、
    前記複数の燃料電池セルは、それぞれ、ガスケットを介して積層されており、
    前記ガスケットは、前記積層方向から見たときに、前記複数の凸部と重なる位置に配置されている、
    燃料電池スタック。
  6. 金属板を加工することによって形成され、燃料電池セルに用いられるセパレータであって、
    電解質膜の両面に電極を接合してなる膜電極接合体と、該膜電極接合体の両面を挟むように積層された多孔体流路形成部材と、を備える発電モジュールと対向する領域よりも外側の領域に、前記金属板の一部が切り起こされて、前記発電モジュールと対向する領域側に折り返されることによって、前記金属板の表面に対して垂直な方向に反応ガスを流すための反応ガス流路を構成する貫通孔を形成するとともに、前記発電モジュールにおけるいずれかの前記電極および前記多孔体流路形成部材の端部に連通する内部流路空間を形成する折り返し部を備え、
    前記折り返し部は、
    前記内部流路空間と前記反応ガス流路とを連通する第1の連通孔と、
    前記金属板のプレス加工によって形成された複数の凸部であって、前記内部流路空間内に突出するとともに、前記折り返し部の折り返し線に略平行な方向に沿って配置された前記複数の凸部と、
    を備えており、
    前記複数の凸部には、それぞれ、前記内部流路空間と前記プレス加工によって形成された前記複数の凸部の内部空間とを連通する第2の連通孔が形成されている、
    セパレータ。
  7. 請求項6記載のセパレータであって、
    前記第2の連通孔は、前記複数の凸部において、前記内部流路空間における前記反応ガスの流れ方向についての下流側の壁面が切り抜かれたものである、
    セパレータ。
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