JP2012083711A - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズ鏡筒は、ズーム光学系と光量調整機構とを、備えている。ズーム光学系は、被写体側から順に、第1のレンズ群と、第2のレンズ群と、第3のレンズ群とを、有している。第2のレンズ群は、第1のレンズ群の光軸と直交する方向に移動して、光学像を移動可能である。レンズ鏡筒は、撮影可能状態と沈胴状態とをとる。撮影可能状態では、第1のレンズ群と、第2のレンズ群と、第3のレンズ群とが、光軸の方向に並んでいる。この状態では、ズーム動作時に、第1のレンズ群と第3のレンズ群とが、光軸の方向に互いに独立して移動する。また、この状態では、ズーム動作時に、光量調整機構と第2のレンズ群とが、光軸の方向に一体に移動する。沈胴状態では、光軸方向から見たとき、第3のレンズ群が第1のレンズ群の光軸と直交する方向に退避する。
【選択図】図9
Description
このようなデジタルカメラにおいては、CCDやCMOSセンサに対する高画素化などだけでなく、それらの撮像素子に光学像を結像させるレンズ鏡筒に対しても高性能化が求められている。具体的には、より高倍率なズームレンズ系を搭載でき、かつ撮影時に像振れの補正ができる高性能なレンズ鏡筒が、求められている。更に、高品位な動画撮影が可能なレンズ鏡筒が、求められている。例えば、静かで長時間撮影が可能なレンズ鏡筒、すなわち静音性を有しかつ消費電力の小さいレンズ鏡筒が、求められている。
しかし、センサシフト式の振れ補正を用いた場合、補正レンズを移動させて振れ補正を行う光学式に比べて、アクチュエータが大型化するおそれがある。例えば、撮像素子は補正レンズに比べて、約3倍の重量を有している。また、撮像素子は多くの信号線を必要とするので、その信号線を撓ませながら駆動する必要がある。特に、近年においては、連写性能向上のためにCMOSイメージセンサを用いるデジタルカメラが、普及してきている。CMOSイメージセンサに接続される回路配線の本数は、CCDイメージセンサに比べて多いので、その駆動負荷は、さらに大きくなってしまう。例えば、撮像素子を駆動する場合は補正レンズを駆動する場合に比べて、約5倍以上のエネルギーが必要となる。
さらに、ズーム動作時に第1のレンズ群と第3のレンズ群とが光軸方向に別々に移動し、光量調整機構と第2のレンズ群とが光軸方向に一体に移動する。これにより、光量調整機構の開口径、およびレンズ群の径を小さくすることができ、レンズ鏡筒の小径化を図ることができる。
〔1:デジタルカメラの概要〕
ここでは、図1〜図2を用いて、デジタルカメラ1の説明が行われる。図1および図2は、デジタルカメラ1の概略斜視図を示す。図1は、レンズ鏡筒3が撮影状態(広角端)である場合を、示している。
ここで、広角端とは、光学系O(後述)の焦点距離が最短となる状態(画角が最大となる状態)を示しており、望遠端とは、光学系Oの焦点距離が最長となる状態(画角が最小となる状態)を示している。電源ON時の状態を撮影状態と定義し、電源OFF時でのレンズ鏡筒1の長さが最短となる状態を沈胴状態と定義する。また、撮影状態のレンズ鏡筒3の姿勢を、撮影可能姿勢と定義し、沈胴状態のレンズ鏡筒3の姿勢を、沈胴姿勢と定義する。
以下の説明では、デジタルカメラ1の6面を以下のように定義する。デジタルカメラ1による撮影時に被写体側を向く面を前面、その反対側の面を背面とする。被写体の鉛直方向の上下とデジタルカメラ1で撮像される長方形の像(一般には、アスペクト比(長辺対短辺の比)が3:2、4:3、16:9など)の短辺方向の上下とが一致するように撮影を行う場合に、鉛直方向上側に向く面を上面、その反対側の面を底面とする。さらに、被写体の鉛直方向上下とデジタルカメラ1で撮像される長方形の像の短辺方向上下とが一致するように撮影を行う場合に、被写体側から見て左側にくる面を左側面、その反対側の面を右側面とする。なお、以上の定義は、デジタルカメラ1の使用姿勢を限定するものではない。
また、図1に示すように、Y軸が光学系O(後述)の光軸Aに平行となるような3次元直交座標系が、定義される。この定義によれば、光軸Aに沿って背面側から前面側に向かう方向が、Y軸方向の正側である。また、光軸Aに直交し右側面側から左側面側に向かう方向が、X軸方向の正側である。さらに、X軸およびY軸に直交し底面側から上面側に向かう方向が、Z軸方向の正側である。
〔2:デジタルカメラの全体構成〕
図1および図2に示すように、デジタルカメラ1は、主に、各ユニットを収容する外装部2と、被写体の光学像を形成する光学系Oと、光学系Oを移動可能に支持するレンズ鏡筒3とを、備えている。
外装部2には、CCDイメージセンサ141(撮像素子の一例、図4参照)と、画像記録部(図示せず)とが、内蔵されている。CCDイメージセンサ141は、光学像に対して光電変換を行う。画像記録部(図示せず)は、CCDイメージセンサ141により取得された画像を記録する。図2に示すように、外装部2の背面には、液晶モニタ8が設けられている。液晶モニタ8は、CCDイメージセンサ141により取得された画像を表示する。
外装部2の内部には、センサ9が内蔵されている。センサ9は、像振れを補正するためのデジタルカメラ1のピッチ方向(X軸回りの回転)、およびヨー方向(Z軸回りの回転)の振れを検出する。
ここでは、図3〜図10を用いて、レンズ鏡筒3の全体構成ついての説明が、行われる。図3(A)および(B)は、レンズ鏡筒3の概略斜視図を示す。図4〜図7は、レンズ鏡筒3の分解斜視図を示す。図3(A)は、沈胴時(収納時)におけるレンズ鏡筒3の概略斜視図を示す。図3(B)は、撮影時におけるレンズ鏡筒3の概略斜視図を示す。図8〜図10は、レンズ鏡筒3の概略断面図を示す。図8は、沈胴位置の断面図を示す。図9は、広角端における断面図を示す。図10は、望遠端における断面図を示す。
図8〜図10に示すように、光学系Oは、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、補正レンズ群G3と、退避レンズ群G4と、第5レンズ群G5とを、備えている。
第1レンズ群G1は、例えば全体として正のパワーを持つレンズ群であり、被写体からの光を取り込む。第2レンズ群G2は、例えば全体として負のパワーを持つレンズ群である。補正レンズ群G3は、第2レンズ群G2の光軸と直交する方向に移動して、光学像を移動可能である。これにより、補正レンズ群G3は、例えばデジタルカメラ1の動きに起因する、CCDイメージセンサ141における光学像の動きを、抑制する。退避レンズ群G4は、沈胴状態において、第2レンズ群G2の光軸と直交する方向に退避するレンズ群である。また、第2レンズ群G2と補正レンズ群G4とは、光軸の方向に互いに独立して移動可能である。第5レンズ群G5は、例えば焦点を調節するためのレンズ群である。これらレンズ群を備える光学系Oは、レンズ鏡筒3によりY軸方向へ相対移動可能に支持されている。
固定枠20は、外装部2に固定される。ズームモータユニット110は、固定枠20に固定され、駆動源として動作する。マスターフランジ10は、固定枠20との間において、各枠体を収容する。駆動枠30には、ズームモータユニット110の駆動力が、入力される。カメラカム枠40は、固定枠20により、Y軸方向に移動可能に支持される。回転カム枠70は、駆動枠30とともに回転する。直進枠80は、固定枠20に対して回転不能な状態で、Y軸方向に移動する。
駆動枠30および回転カム枠70は、固定枠20に対して回転可能かつY軸方向に移動可能である。その他の部材は、固定枠20に対して回転することなく、Y軸方向に移動する。マスターフランジ10には、CCDイメージセンサ141が、取り付けられている。ズームモータユニット110としては、例えば、DCモータと減速ギアからなるユニットが、挙げられる。
第1レンズ枠60は、第1レンズ群G1を支持する。第2レンズ枠190は、第2レンズ群G2を支持する。補正レンズ枠240は、補正レンズ群G3を支持する。第3レンズ枠200は、補正レンズ枠240を支持する。退避レンズ枠260は、退避レンズ群G4を支持する。第4レンズ枠250は、退避レンズ枠260を支持する。第5レンズ枠90は、第5レンズ群G5を支持する。
(3.1:固定枠)
図4および図5に示すように、固定枠20は、駆動枠30を光軸A回りに回転可能かつY軸方向へ直進可能に支持するための部材である。固定枠20は、マスターフランジ10とともに、レンズ鏡筒3において静止部材となっている。固定枠20は、例えば、マスターフランジ10に、ねじにより固定されている。固定枠20は、駆動ギア22を備えている。駆動ギア22は、固定枠20に回転可能に支持されている。
固定枠20の内周側には、円周方向に略等ピッチで配置された3本のカム溝23と、3本の直進溝27とが形成されている。カム溝23は、駆動枠30を案内するための溝である。カム溝23には、駆動枠30のカムピン34が挿入される。直進溝27は、カメラカム枠40をY軸方向に案内するための溝である。直進溝27には、直進突起47が挿入される。
(3.2:駆動枠)
図4および図5に示すように、駆動枠30は、カメラカム枠40を光軸A回りに回転可能かつY軸方向へ一体で移動可能に支持するための部材である。駆動枠30は、固定枠20の内周側に配置されている。
(3.3:カメラカム枠)
図4に示すように、カメラカム枠40は、回転カム枠70(後述)を光軸方向に案内するための部材である。カメラカム枠40は、駆動枠30の内周側に配置されている。
図5に示すように、カメラカム枠40は、主に、主要部を構成する略筒状のカメラカム枠本体41と、カメラカム枠本体41に形成される3本の貫通カム溝42と、3本の貫通直進溝48と、3本の第1回転突起43と、3本の第2回転突起45と、3本の直進溝46と、3本の直進突起47と、フランジ44とを、有している。
3本の直進突起47は、円周方向に略等ピッチで配置されている。3本の直進突起47は、固定枠20の直進溝27に挿入され、Y軸方向に案内される。
第1回転突起43および第2回転突起45は、位置決め用の突起である。第1回転突起43および第2回転突起45は、駆動枠30の第1回転溝36および第2回転溝37により、回転方向に案内される。これにより、カメラカム枠40は、駆動枠30とともにY軸方向へ一体で移動しながら、必要に応じて駆動枠30に対して回転する。駆動枠30が固定枠20に対して回転すると、駆動枠30は固定枠20に対してY軸方向へ移動する。このとき、カメラカム枠40は、固定枠20に対して回転することなく(つまり、駆動枠30に対して相対的に回転しながら)、駆動枠30とともに固定枠20に対してY軸方向へ移動する。
3本の貫通直進溝48には、第3レンズ枠200(後述)の直進突起203が、挿入される。これにより、第3レンズ枠200は、カメラカム枠40に対して回転方向に規制され、かつY軸方向には移動可能となっている。
(3.4:回転カム枠)
図6に示すように、回転カム枠70は、第1レンズ枠60(後述)、第2レンズ枠190(後述)および第3レンズ枠200(後述)をY軸方向へ移動可能に支持するための部材である。回転カム枠70は、固定枠20の内周側かつ第1レンズ枠60の外周側に、配置されている。具体的には、回転カム枠70は、主に、略筒状のカム枠本体71と、3本のカムピン76と、カム枠本体71のY軸方向負側端部に3つの回転突起75とを、有している。
3つの回転突起75は、カム枠本体71のY軸方向負側端部に形成されている。回転突起75は、カム枠本体71に一体成型されている。回転突起75は、回転溝77から半径方向内側に突出している。直進枠80の回転突起83は、回転突起75と回転溝77との間に挟み込まれることにより、回転カム枠70に対する直進枠80のY軸方向への移動が、規制される。
カムピン76の先端部76bは、駆動枠30の直進溝38(図5参照)に挿入されているため、回転カム枠70は、駆動枠30と一体で回転しながら駆動枠30に対してY軸方向へ移動可能である。また、カムピン76は、カメラカム枠40の貫通カム溝42を挿通しているため、駆動枠30とカメラカム枠40とが相対回転した場合、回転カム枠70とカメラカム枠40とが相対回転する。この場合、カムピン76は貫通カム溝42に沿って移動する。この結果、回転カム枠70は、駆動枠30とともに回転しながら、貫通カム溝42の形状に応じて、駆動枠30に対してY軸方向へ移動する。
〈3.4.1:第1カム溝72、第2カム溝73の構成、第3カム溝74の構成〉
図6に示すように、カム枠本体71の内周側には、3本の第1カム溝72と、3本の第2カム溝73と、3本の第3カム溝74とが、形成されている。第1カム溝72には、第1レンズ枠60のカムピン68が挿入される。これにより、回転カム枠70は、第1レンズ枠60を移動可能に支持する。これらの構成により、回転カム枠70が第1レンズ枠60に対して回転すると、カムピン68が第1カム溝72に案内される。その結果、第1レンズ枠60は、回転カム枠70に対してY軸方向に移動する。
さらに、第3カム溝74には、第2レンズ枠190のカムピン192(後述)が挿入されている。これにより、回転カム枠70が第2レンズ枠190に対して回転すると、カムピン192が第3カム溝74に案内される。その結果、第2レンズ枠190は、回転カム枠70に対してY軸方向に移動する。
(3.5:直進枠)
図6示すように、直進枠80は、主に、直進枠本体81と、フランジ87と、3つの第1直進突起82と、3つの第2直進突起85と、3つの直進溝84と、3つの直進溝88と、3つの回転突起83とを、有している。直進枠80は、第1レンズ枠60と第2レンズ枠190(後述)との半径方向間に配置されている。
直進溝84は、半径方向に貫通する貫通溝であり、Y軸方向に延びている。3つの直進溝84は、円周方向に略等ピッチで配置されている。直進溝84には、第2レンズ枠190(後述)の3つの直進突起191が、挿入される。
第1レンズ枠60および第2レンズ枠190は、第1直進突起82および直進溝84により、直進枠80に対して回転せずに、直進枠80に対してY軸方向に移動可能となっている。すなわち、第1レンズ枠60および第2レンズ枠190は、固定枠20に対して回転することなく、Y軸方向に移動可能となっている。
3つの回転突起83は、回転カム枠70の回転溝77に挿入されている。回転カム枠70は、回転溝77および回転突起75により、直進枠80に対して回転可能、かつY軸方向に一体で移動可能となっている。
(3.6:第1レンズ枠)
図4、図6、および図7に示すように、第1レンズ枠60は、第1レンズ群G1を支持するための部材である。第1レンズ枠60は、カメラカム枠40の内周側に配置されている。具体的には、第1レンズ枠60は、主に、第1レンズ枠本体61と、第1レンズ群G1が固定されるフランジ部62とを、有している。フランジ部62は、第1レンズ枠本体61のY軸方向正側の端部に設けられている。フランジ部62には、Y軸方向に貫通する、1つの第1開口部67aおよび6つの第2開口部67bが、形成されている。レンズバリア50の開閉レバー(図示せず)は、沈胴時に回転方向に移動可能なように、第1開口部67aに挿入されている。第1レンズ枠60のY軸方向正側には、レンズバリア50が固定されている。図7に示すように、レンズバリア50および第1レンズ枠60は、化粧リング180により覆われている。
第1直進溝63は、直進枠80の第1直進突起82に案内されている。これにより、第1レンズ枠60は、直進枠80に対して回転することなく、Y軸方向へ移動する。すなわち、第1レンズ枠60は、固定枠20に対して回転することなく、Y軸方向へ移動可能に、直進枠80およびカメラカム枠40により支持されている。
カムピン68は、回転カム枠70の第1カム溝72により案内される。これにより、第1レンズ枠60は、回転カム枠70に対して回転しながら、Y軸方向へ移動可能なように、回転カム枠70により支持されている。
第2レンズ枠190は、第2レンズ群G2をY軸方向に移動可能に支持するための部材である。第2レンズ枠190は、直進枠80の内周側に配置されている。具体的には、図6に示すように、第2レンズ枠190は、主に、第2レンズ群G2を支持する第2レンズ枠本体193と、第2レンズ枠本体193の外周部に形成された3つの直進突起191と、直進突起191の外周側に設けられた3つのカムピン192とを、有している。
直進突起191は、Y軸方向に延びる板状の突起であり、直進枠80の直進溝84に対応する位置に配置されている。3本の直進突起191は、円周方向に略等ピッチに配置されている。第2レンズ枠190は、直進溝84および直進突起191により、直進枠80に対して回転することなく、Y軸方向に移動可能となっている。
以上の構成により、第2レンズ枠190は、固定枠20に対して回転することなく、第3カム溝74の形状に応じてY軸方向に移動可能である。
(3.8:第3レンズ枠)
図4に示すように、第3レンズ枠200は、振れ補正装置及び光量調整機構を構成しており、直進枠80の内周側に配置されている。ここに示す振れ補正装置は、外装部2の動きにより生じる、CCDイメージセンサ141に対する光学像の動きを、抑制するためのものである。第3レンズ枠200は、補正レンズ群G3と退避レンズ群G4との間に配置され、補正レンズ群G3とともに、光軸の方向に移動する。また、第3レンズ枠200は、第2レンズ群G2と補正レンズ群G3との間に配置され、補正レンズ群G3とともに、光軸の方向に移動する。
絞りモータ232は、絞り羽根(図示せず)を駆動する。絞りモータ232は、例えばステッピングモータである。絞りモータ232は、絞り羽根(図示せず)を開方向および閉方向に駆動することで、光学系Oの絞り値を変更する。シャッターモータ233は、シャッター羽根(図示せず)を駆動する。シャッターモータ233は、シャッター羽根(図示せず)を開状態から閉状態に駆動するタイミングを変えることで、露光時間を変更する。
回転シャフト211、規制シャフト214、第1支持シャフト212、および第2支持シャフト213は、ベース枠201に固定されている。回転シャフト211は、補正レンズ枠240を回転シャフト211の軸周りに回転可能に支持している。規制シャフト214は、ベース枠201に対する補正レンズ枠240の移動範囲(より詳細には、光軸Aに直交するX軸方向およびZ軸方向の移動範囲)を、規制している。規制シャフト214は、支持枠本体241に形成された規制部247(図12(B)参照)に、挿入される。
補正レンズ枠240は、ピッチング方向(例えば、X軸方向)およびヨーイング方向(例えば、Z軸方向)へ移動可能に、ベース枠201により支持されている。具体的には、補正レンズ枠240は、支持枠本体241と、第1案内部242と、1対の第2案内部245と、第3案内部246と、規制部247とを、有している。補正レンズ枠240には、補正レンズ群G3が固定されている。
1対の第2案内部245は、第1支持シャフト212と摺動するL字型の部分である。1対の第2案内部245は、ベース枠201からX軸方向に突出している。1対の第2案内部245は、Z軸方向に間隔を空けて配置されている。支持枠本体241と第2案内部245との間には、第1支持シャフト212が挿入される。第2案内部245および第1支持シャフト212により、第3レンズ枠200に対する補正レンズ枠240のY軸方向の移動が、規制されている。
また、補正レンズ群G3を光軸Aに直交するピッチング方向(第1方向の一例)に移動させるために、第3レンズ枠200は、ピッチングコイル221と、ピッチングマグネット244と、ピッチング位置センサ223とを、さらに有している。本実施形態では、ピッチングコイル221が、ベース枠201に固定されている。ピッチングマグネット244は、補正レンズ枠240に、例えば接着固定されている。ピッチング位置センサ223は、ベース枠201に固定されている。
以上の構成により、補正レンズ群G3が光軸と直交する方向に移動することによって光学像を移動可能であるので、振れ補正を行うことができる。特に、撮像素子を移動させて振れ補正を行う場合と比較して、上記の構成では、さらなる小型化が可能となり、レンズ鏡筒の小型化を図りやすい。
図14に示すように、第4レンズ枠250は、主に、ベース枠251と、3つの直進突起252と、3本のカムピン253と、回転シャフト254と、略矩形の突起からなるストッパ255とを、有している。
3つの直進突起252は、ベース枠251の外周部から半径方向外側に延びている。直進突起252は、Y軸方向に延びる板状の突起である。直進突起252は、カメラカム枠40の貫通直進溝48に挿入されている。3本のカムピン253は、直進突起252の外周部から半径方向外側に突出している。3本のカムピン253は、駆動枠30のカム溝39に嵌め込まれている。以上の構成により、第4レンズ枠250は、固定枠20に対して回転することなく、駆動枠30のカム溝39の形状に沿ってY軸方向に移動可能である。
(3.9.1:退避レンズ枠)
図14に示すように、退避レンズ枠260は、退避レンズ群G4を、光学系Oの光軸A外に退避可能に支持している。具体的には、退避レンズ枠260は、レンズ枠本体261と、連結腕部264と、筒部262と、駆動突起265と、位置決め突起266とを、有している。
筒部262は、連結腕部264の端部に設けられている。筒部262は、連結腕部264によりレンズ枠本体261に連結されている。筒部262は、ガイド穴263を有している。ガイド穴263には、ベース枠251の回転シャフト254が挿入されている。筒部262はねじりコイルばね268が挿入されており、退避レンズ枠260は、ねじりコイルばね268により、ベース枠251に対して常にR3側に押されている。
駆動突起265は、筒部262の外周部から連結腕部264と反対方向に延びている。
位置決め突起266は、レンズ枠本体261の外周部から連結腕部264と略直交する方向に延びている。さらに、位置決め突起266はねじりコイルばね268によりストッパ255に押し付けられている。
図11は、退避レンズ枠260および直進枠80の斜視図である。直進枠本体81の内周側には、傾斜面86aおよび直進規制面86bが、設けられている。傾斜面86aは、退避レンズ枠260の駆動突起265を回転させるカム面である。直進規制面86bは、駆動突起265を更に回転させて、退避レンズ枠260の退避レンズ群を退避位置(図12(A)参照)にまで退避駆動させる。
(3.10:第5レンズ枠)
図4に示すように、第5レンズ枠90は、第5レンズ群G5をY軸方向に移動可能に支持するための部材である。第5レンズ群G5は、マスターフランジ10に形成された2本のシャフト11a,11bにより、Y軸方向に移動可能に支持されている。第5レンズ枠90の駆動は、マスターフランジ10に固定されたフォーカスモータ120により行われる。第5レンズ枠90がフォーカスモータ120により駆動されると、第5レンズ枠90は、マスターフランジ10に対してY軸方向に移動する。これにより、光学系Oにおいて、フォーカスの調節が可能となる。
(3.11:撮像素子ユニット)
図4に示すように、撮像素子ユニット140は、IR吸収ガラス(図示せず)と、CCDイメージセンサ141と、CCD板金142とを、有している。
マスターフランジ10は、固定枠20に固定されており、固定枠20のY軸方向負側に配置されている。マスターフランジ10には、矩形の開口12が形成されている。光学系Oにより形成される光学像は、開口12を通って、CCDイメージセンサ141の受光面に結像される。
〔4:デジタルカメラの動作〕
図1〜図14を用いて、デジタルカメラ1の動作について説明する。
(4.1:電源OFF時の状態)
電源スイッチ6がOFFの状態では、レンズ鏡筒3が外装部2のY軸方向の外形寸法内に収まるように、レンズ鏡筒3は沈胴状態(レンズ鏡筒3のY軸方向の寸法が最も短い状態、図8に示す状態)で停止している。この状態では、レンズ鏡筒3のレンズバリア50は閉状態である。
(4.2:電源ON時の動作)
〈4.2.1:レンズ鏡筒の動作〉
電源スイッチ6がONに切り換えられると、各部に電源が供給され、レンズ鏡筒3が沈胴状態から撮影状態へと駆動される。具体的には、ズームモータユニット110により、駆動枠30が固定枠20に対して所定角度だけ駆動される。この結果、駆動枠30は、固定枠20に対して回転しながら、カム溝23に沿って固定枠20に対してY軸方向正側に移動する。
また、駆動枠30の直進溝38には、回転カム枠70のカムピン76の先端部76bが嵌め込まれている。このため、回転カム枠70は、駆動枠30とともに、固定枠20に対して回転する。この結果、回転カム枠70とカメラカム枠40とが、相対回転する。また、回転カム枠70のカムピン76が、カメラカム枠40の貫通カム溝42を貫通している。このため、回転カム枠70がカメラカム枠40に対して回転すると、回転カム枠70は、貫通カム溝42の形状に応じて、カメラカム枠40および固定枠20に対して回転しながら、Y軸方向へ移動する(図5および図6参照)。
さらに、回転カム枠70が固定枠20に対して回転すると、第1レンズ枠60のカムピン68が、回転カム枠70の第1カム溝72により、Y軸方向に案内される。このため、第1レンズ枠60は、回転カム枠70および直進枠80に対して、Y軸方向に移動する。ここでは、第1レンズ枠60の第1直進溝63が、直進枠80の第1直進突起82に挿入されている。このため、第1レンズ枠60は、直進枠80に対して回転することなく、Y軸方向に移動する。したがって、第1カム溝72の形状に応じて、第1レンズ枠60は、固定枠20に対して回転することなく(回転カム枠70に対して回転しながら)、Y軸方向に移動する(図5および図6参照)。
また、第3レンズ枠200のカムピン203は、回転カム枠70の第2カム溝73に嵌め込まれている。第3レンズ枠200の直進突起202が直進枠80の直進溝88に挿入されているため、第3レンズ枠200は、直進枠80に対して回転することなく、Y軸方向に移動する。これらの構成により、第3レンズ枠200は、直進枠80、カメラカム枠40および固定枠20に対して回転することなく、第2カム溝73の形状に応じてY軸方向に移動する(図5および図6参照)。
図8および図9に示すように、沈胴状態から撮影状態までズームモータユニットによる駆動が行われると、駆動枠30は、固定枠20に対して回転しながら、Y軸方向正側に移動する。一方で、第4レンズ枠250は、駆動枠30に対してY軸方向負側に移動する。このため、第4レンズ枠250は、固定枠20に対してY軸方向正側に移動するものの、固定枠20に対する第4レンズ枠250の移動量は抑えられている。
(4.3:撮影時のズーム動作)
〈4.3.1:望遠側の動作〉
ズーム調節レバー7が望遠側に操作されると、ズーム調節レバー7の回転角度および操作時間に応じて、ズームモータユニット110により駆動枠30が固定枠20に対して駆動される。この結果、回転カム枠70が、駆動枠30とともに回転しながら駆動枠30に対してY軸方向正側へ移動する。このとき、駆動枠30は、固定枠20に対して回転しながら、カム溝23に沿ってY軸方向へ若干移動する。
なお、以上の動作においては、直進枠80の傾斜面86aが駆動突起265と離れた状態が保たれているので、退避レンズ枠260は挿入位置で停止した状態となる。
〈4.3.2:広角側の動作〉
ズーム調節レバー7が広角側に操作されると、ズーム調節レバー7の回転角度および操作時間に応じて、ズームモータユニット110により駆動枠30が固定枠20に対してR1側へ駆動される。この結果、回転カム枠70が、駆動枠30とともに回転しながら、駆動枠30に対してY軸方向負側へ移動する。このとき、駆動枠30は、固定枠20に対して回転しながら、カム溝23に沿ってY軸方向へ若干移動する。
なお、望遠側の動作と同様に、以上の動作においては、直進枠80の傾斜面86aが駆動突起265と離れた状態が保たれているので、退避レンズ枠260は挿入位置で停止した状態となる。
以上に説明したレンズ鏡筒3の特徴を以下にまとめる。
レンズ鏡筒3は、ズーム光学系Oと第3レンズ枠200(光量調整機構)とを、備えている。ズーム光学系Oは、被写体側から順に、第2レンズ群G2と、補正レンズ群G3と、退避レンズ群G4とを、有している。補正レンズ群G3は、第2レンズ群G2の光軸と直交する方向に移動して、光学像を移動可能である。第3レンズ枠200は、ズーム光学系Oを通る光量を調整する。レンズ鏡筒3は、撮影可能状態と沈胴状態とをとる。撮影可能状態では、第2レンズ群G2と、補正レンズ群G3と、退避レンズ群G4とが、光軸の方向に並んでいる。この状態では、ズーム動作時に、第2レンズ群G2と補正レンズ群G4とが、光軸の方向に互いに独立して移動する。また、この状態では、ズーム動作時に、第3レンズ枠200と補正レンズ群G3とが、光軸の方向に一体に移動する。沈胴状態では、光軸方向から見たとき、退避レンズ群G4が第2レンズ群G2の光軸と直交する方向に退避する。
さらに、ズーム動作時に第2レンズ群G2と退避レンズ群G4とが光軸方向に独立して移動し、第3レンズ枠200と補正レンズ群G3とが光軸方向に一体に移動する。これにより、第3レンズ枠200の開口径、およびレンズ群の径を小さくすることができ、レンズ鏡筒の小径化を図ることができる。
〔6:他の実施形態〕
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正および変更が可能である。なお、前述の実施形態の構成と実質的に同じ機能を有する構成については、前述の実施形態と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
光学系Oの構成は前述の構成に限定されない。例えば、各レンズ群は、単一のレンズから構成されていてもよく、複数のレンズから構成されていてもよい。
(6.2)
前述の実施形態では、補正レンズ群G3に対して光量調整機構はCCDイメージセンサ141側にあったが、被写体側にあってもよい。
(6.3)
前述の実施形態では、第4レンズ枠250に対して退避レンズ枠260を回転させることによって退避レンズ枠260を退避させていたが、退避レンズ枠260を回転させた後にY軸方向へさらに移動させてもよい。この場合、退避レンズ枠260は、第2レンズ群G2の外周側に配置される。この場合においても、レンズ鏡筒3のさらなる小型化は可能である。
前述の実施形態では、第3レンズ枠200は、絞り機構以外にシャッター機構を備えているが、シャッター機構は絞り機構と一体ではなく、別の場所に独立して配置されていてもよい。
(6.5)
絞り機構は、開口径を変更できる光彩絞りではなく、固定絞りであってもよい。或いは、薄膜のフィルムからなる減光用のND(Neutral Density)フィルタを挿入し、減光させるタイプであってもよい。
(6.6)
前述の実施形態では、レンズ鏡筒3が搭載される装置として、デジタルスチルカメラを例に説明しているが、レンズ鏡筒3が搭載される装置は、光学像の形成が必要な装置であればよい。レンズ鏡筒3が搭載される装置としては、例えば、静止画のみを撮影可能な撮像装置、動画のみを撮影可能な撮像装置、および静止画および動画の両方を撮影可能な撮像装置であってもよい。
2 外装部
3 レンズ鏡筒
4 レリーズボタン
5 操作ダイアル
6 電源スイッチ
7 ズーム調節レバー
8 液晶モニタ
9 センサ
10 マスターフランジ
20 固定枠
22 駆動ギア(駆動部の一例)
30 駆動枠
40 カメラカム枠
50 レンズバリア
60 第1レンズ枠
70 回転カム枠(第2枠体の一例)
80 直進枠(退避駆動機構の一例、第1枠体の一例)
86a 傾斜面
86b 直進規制面
90 第5レンズ枠
110 ズームモータユニット(駆動部の一例)
141 CCDイメージセンサ
190 第2レンズ枠
191 直進案内突起
192 カムピン
193 第2レンズ枠本体
200 第3レンズ枠(光量調節機構の一例)
201 ベース枠
202 直進突起
203 カムピン
211 回転シャフト
212 第1支持シャフト
213 第2支持シャフト
214 規制シャフト
220 ピッチングコイル
221 ヨーイングコイル
222 ピッチングセンサ
223 ヨーイングセンサ
232 絞りモータ
233 シャッターモータ
240 補正レンズ枠
241 支持枠本体
242 第1案内部
243 ピッチングマグネット
244 ヨーイングマグネット
245 第2案内部
246 第3案内部
247 規制部
260 退避レンズ枠
261 レンズ枠本体
262 筒部
263 ガイド穴
264 連結腕部
265 駆動突起
266 位置決め突起
268 ねじりコイルばね
A 光軸
B 中心軸
C 光軸
G1 第1レンズ群(第1のレンズ群の一例)
G2 第2レンズ群(第2のレンズ群の一例)
G3 補正レンズ群(第3のレンズ群の一例)
G4 退避レンズ群(第4のレンズ群の一例)
G5 第5レンズ群(第5のレンズ群の一例)
Claims (3)
- 被写体側から順に、第1のレンズ群と、前記第1のレンズ群の光軸と直交する方向に移動して光学像を移動可能である第2のレンズ群と、第3のレンズ群とを、有するズーム光学系と、
前記ズーム光学系を通る光量を調整する光量調整機構と、
を備え、
前記第1のレンズ群と、前記第2のレンズ群と、前記第3のレンズ群とが、前記光軸の方向に並び、ズーム動作時に前記第1のレンズ群と前記第3のレンズ群とが前記光軸の方向に互いに独立して移動し、ズーム動作時に前記光量調整機構と前記第2のレンズ群とが前記光軸の方向に一体に移動する撮影可能状態と、
前記光軸方向から見たとき、前記第3のレンズ群が前記第1のレンズ群の前記光軸と直交する方向に退避する沈胴状態とをとる、
レンズ鏡筒。 - 前記光量調整機構は、前記第2のレンズ群と前記第3のレンズ群との間に配置され、前記第2のレンズ群とともに、前記光軸の方向に移動する、
請求項1に記載のレンズ鏡筒。 - 前記光量調整機構は、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に配置され、前記第2のレンズ群とともに、前記光軸の方向に移動する、
請求項1に記載のレンズ鏡筒。
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