JP2012083134A - 即時応答性を向上させた震央距離推定方法 - Google Patents

即時応答性を向上させた震央距離推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 地震波形のパラメータであるBおよびAの値の時間変化を見ることにより、より早いタイミングで震央距離情報を推定することができる即時応答性を向上させた震央距離推定方法を提供する。
【解決手段】
即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、観測された地震波からオフセットを除去し、データの絶対値を取り、波形の平滑化を行い、地震波到達時刻から関数y=Bt・exp(−At)をフィッティングさせることにより、前記式のパラメータの時間変化を求めて、このパラメータの時間変化の微分値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となることを条件として、前記パラメータの収束の判定を行い、この判定に基づいて前記パラメータから震央距離を求める。
【選択図】 図2

Description

本発明は、地震波形を用いる即時応答性を向上させた震央距離推定方法に関するものである。
従来、観測された地震波形からB−Δ法により震央距離を推定する場合、どのような記録であっても、地震波の到達時刻からあらかじめ決められたある一定の時間(2秒の場合が多い)を経過してから行っていた(下記特許文献1参照)。
また、本願の出願人は、特に、P波到達から1秒間のデータを用いて地震諸元(震央距離とマグニチュード)を推定する早期地震諸元推定方法を提案している(下記特許文献2参照)。
特許第3695579号公報 特許第4509837号公報
しかしながら、上記特許文献1によれば、従来のB−Δ法により震央距離を推定する場合、あらかじめ決められたある一定の時間(2秒の場合が多い)の経過を待つ必要があった。
また、上記特許文献2によれば、少なくとも1秒間のデータを用いなければ早期地震諸元推定はできなかった。
ここでは、地震の震央距離を早期に求めるには、地震波形のパラメータであるBおよびAの値が一定の値に収束していくとの知見に基づいて、この傾向をいち早く検知することにより早期に地震の震央距離を報知する。
本発明は、上記状況に鑑みて、地震波形のパラメータであるBおよびAの値の時間変化を見ることにより、より早いタイミングで震央距離情報を推定することができる即時応答性を向上させた震央距離推定方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、観測された地震波からオフセットを除去し、データの絶対値を取り、波形の平滑化を行い、地震波到達時刻から関数y=Bt・exp(−At)をフィッティングさせることにより、前記式のパラメータの時間変化を求めて、このパラメータの時間変化の微分値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となることを条件として、前記パラメータの収束の判定を行い、この判定に基づいて前記パラメータから震央距離を求めることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータが前記地震波の初動部分の最大振幅に関するパラメータAであることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータが前記波形の初動振幅の時間変化に関するパラメータBであることを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータBがlog10Bであることを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、P波検知から1秒以内の時間で震央距離推定を行うことを特徴とする。
〔6〕上記〔5〕記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータがAの場合、所定の時間Cadが0.3〜0.6秒、所定の閾値Tadが10〜50(1/s2 )であることを特徴とする。
〔7〕上記〔5〕記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータがBの場合、所定の時間Cbdが0.7秒、所定の閾値Tbdが60〜200(gal/s2 )であることを特徴とする。
〔8〕上記〔5〕記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータがlog10Bの場合、所定の時間Cldが0.2〜0.6秒、所定の閾値Tldが0.6〜2(1/s)であることを特徴とする。
本発明によれば、これまでのB−Δ法を用いた震央距離推定方法と比較して、推定震央距離の精度を落とすことなく、より早いタイミングでの震央距離情報の提供が期待できる。
本発明に係る震央距離推定装置のブロック図である。 本発明に係る震央距離推定の処理フローチャートである。 実際の地震波に簡易関数をフィッティングした例を示す図である。 本発明に係るパラメータAの経過時間特性図である。 本発明に係るパラメータAの経過時間に対する微分値を示すグラフである。 本発明に係るパラメータAとパラメータBそれぞれの経過時間に対する値を示すグラフである。 本発明に係るパラメータAの経過時間に対する値を示すグラフである。 本発明に係るパラメータBの経過時間に対する値を示すグラフである。 本発明に係るパラメータAの経過時間に対する微分値を示すグラフである。 本発明に係るパラメータBの経過時間に対する微分値を示すグラフである。 本発明に係るlog10Bの経過時間特性図である。 本発明に係るlog10Bの経過時間に対する微分値を示すグラフである。 本発明に係るlog10Bの経過時間に対する値を示すグラフである。 本発明に係るlog10Bの経過時間に対する微分値を示す図である。 本発明に係るパラメータAの経過時間に対する微分値と震央距離の推定との関係を示す図である。 本発明に係るパラメータBの経過時間に対する微分値と震央距離の推定との関係を示す図である。 本発明に係るパラメータlog10Bの経過時間に対する微分値と震央距離の推定との関係を示す図である。 本発明のパラメータAにおける推定震央距離の差の平均値(km)〔従来の2秒のB−Δ法と本発明のB−Δ法との差〕とある一定の時間Cad(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tadをパラメータ)である。 本発明のパラメータAにおける収束までの時間の平均値(s)〔P波検知から収束と判定されるまでに要する時間〕とある一定の時間Cad(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tadをパラメータ)である。 本発明のパラメータBにおける推定震央距離の差の平均値(km)〔従来の2秒のB−Δ法と本発明のB−Δ法との差〕とある一定の時間Cbd(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tbdをパラメータ)である。 本発明のパラメータBにおける収束までの時間の平均値(s)〔P波検知から収束と判定されるまでに要する時間〕とある一定の時間Cbd(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tbdをパラメータ)である。 本発明のパラメータlog10Bにおける推定震央距離の差の平均値(km)〔従来の2秒のB−Δ法と本発明のB−Δ法との差〕とある一定の時間Cld(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tldをパラメータ)である。 本発明のパラメータlog10Bにおける収束までの時間の平均値(s)〔P波検知から収束と判定されるまでに要する時間〕とある一定の時間Cld(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tldをパラメータ)である。
本発明の即時応答性を向上させた震央距離推定方法は、観測された地震波からオフセットを除去し、データの絶対値を取り、波形の平滑化を行ない、地震波到達時刻から関数y=Bt・exp(−At)をフィッティングさせることにより、前記式のパラメータの時間変化を求めて、このパラメータの時間変化の微分値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となることを条件として、前記パラメータの収束の判定を行い、この判定に基づいて前記パラメータからの震央距離を求める。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係る震央距離推定装置のブロック図、図2はその震央距離推定の処理フローチャートである。
これらの図において、1は地震計、2は通信回線、10は制御処理装置、11はアンチエイリアシングフィルタ(ローパスフィルタ)、12はA/D変換器、13は波形収録部、14はメモリ、15はパラメータ演算部、16はパラメータ微分値判定部、17は震央距離推定部、18は情報文送出部、19はGPS時計、20は状態表示装置、21はモデムである。
本発明による震央距離推定方法を、図2に示すフローを参照しながら説明する。
(1)地震計1からの情報を制御処理装置10に取込み、ディジタル波形データとしてメモリ14に取得する(ステップS1)。
(2)そこで、パラメータ演算部15において、オフセットの除去を行い(ステップS2)、次に、データの絶対値を取る(ステップS3)。このとき絶対値がある基準値以下の場合には、強制的に最小基準値とする。次に、スムージング(例えば、波形のエンベロープを取る)を行う(ステップS4)。次に、関数y=Bt・e-At とのフィッティングを行い、パラメータ(係数)A,Bの時間変化を求める(ステップS5)。
(3)次に、パラメータ微分値判定部16において、パラメータAの時間変化の微分データの値が、予め設定した所定の時間(詳細は後述)にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値(詳細は後述)以内となったか否か、又はパラメータBの時間変化の微分データの値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となったか否かをチェックする(ステップS6)。
(4)次に、パラメータ微分値判定部16において、パラメータAの時間変化の微分データの値が、予め設定した所定の時間(詳細は後述)にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値(詳細は後述)以内となったか、又はパラメータBの時間変化の微分データの値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となった場合、震央距離推定部17において震央距離を推定し、情報文送出部18から送信する(ステップS7)。
なお、この震央距離に基づいて基準時間内の最大振幅値を、あるいは得られたパラメータAに基づいてマグニチュードMを推定することができることは言うまでもない。
図3は、実際の地震波に簡易関数をフィッティングした例を示す図であり、図3(a)は実際の初動波(P波)、図3(b)はその簡易関数のフィッティング例を示す図である。
多くの地震データに対して、同様のフィッティングを行い、初動部の形状パラメータを求める。
本発明の即時応答性を向上させた震央距離推定方法は、上記したように、観測された地震波から、オフセットを除去し、データの絶対値を取り、波形の平滑化を行い、地震波到達時刻からある一定の時間毎に関数y=Bt・exp(−At)(ここで、Bは地震波形の初動振幅の時間変化に関するパラメータ、Aは初動部分の最大振幅に関するパラメータ)をフィッティングさせることにより、前記パラメータAの時間変化を求めて、前記パラメータAの時間変化の微分データの値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となった時点で震央距離を求め、また、前記パラメータBの時間変化を求めて、前記パラメータBの時間変化の微分データの値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となった時点で早期に震央距離を求めることができる。
このパラメータBに代えて、log10Bの時間変化を求めて、このlog10Bの時間変化の微分データの値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となった時点で早期に震央距離を求めるようにしてもよい。
以下、具体例について説明する。
図4は本発明に係るパラメータAの経過時間特性図、図5はそのパラメータAの経過時間に対する微分値を示すグラフ、図6はパラメータAとパラメータBそれぞれの経過時間に対する値を示すグラフ、図7はパラメータAの経過時間に対する値を示すグラフ、図8はパラメータBの経過時間に対する値を示すグラフ、図9はパラメータAの経過時間に対する微分値を示すグラフ、図10はパラメータBの経過時間に対する微分値を示すグラフである。
これらの図から明らかなように、パラメータA及びパラメータBは両方とも、地震波が到達して略0.9秒経過するとそれらの時間変化の微分データの値が0に近い値となっており、略0.9秒経過時点で早期に震央距離を求めることができる。
図11は本発明に係るlog10Bの経過時間特性図、図12はlog10Bの経過時間に対する微分値を示すグラフ、図13はlog10Bの経過時間に対する値を示すグラフ、図14はlog10Bの経過時間に対する微分値を示すグラフである。
log10Bを指標とした場合にも、略0.9秒経過時点でlog10Bの微分値が0に近い値となり、この時点で早期に震央距離を求めることができる。
以下、本発明の特徴点であるパラメータA、パラメータB又はlog10Bの微分値と、予め設定した所定の時間と予め設定した所定の閾値との具体的な説明を行う。
図15は本発明に係るパラメータAの経過時間に対する微分値と震央距離の推定との関係を示す図である。
この図に示すように、パラメータAの微分データの絶対値が、予め設定した所定の時間(Cad)(s)にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値(Tad)(1/s2 )以内となった場合、パラメータAの変化が収束したとみなす。パラメータAおよびBの時間変化は強い相関性をもつので、パラメータBから震央距離を求めることができる。なお、図15において、t1 は微分データの絶対値の計測時点、t2 は震央距離の推定時点である。
図16は本発明に係るパラメータBの経過時間に対する微分値と震央距離の推定との関係を示す図である。
この図に示すように、パラメータBの微分データの絶対値が、予め設定した所定の時間(Cbd)(s)にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値(Tbd)(gal/s2 、つまりcm/s4 )以内となった場合、パラメータBの変化が収束したとみなし、このパラメータBから震央距離を求める。なお、図16において、t1 は微分データの絶対値の計測時点、t2 は震央距離の推定時点である。
図17は本発明に係るパラメータlog10Bの経過時間に対する微分値と震央距離の推定との関係を示す図である。
この図に示すように、パラメータlog10Bの微分データの絶対値が、予め設定した所定の時間(Cld)(s)にわたって継続的に、かつ0に近い値であり予め設定した所定の閾値(Tld)(l/s)以内となった場合、パラメータBの変化が収束したとみなし、このパラメータBから震央距離を求める。なお、図17において、t1 は微分データの絶対値の計測時点、t2 は震央距離の推定時点である。
図18は本発明のパラメータAにおける推定震央距離の差の平均値(km)〔従来の2秒のB−Δ法と本発明のB−Δ法との差〕と所定の時間Cad(s)との関係を示す図(所定の閾値Tadをパラメータとする)である。
このデータは、1996〜2009年の間に発生した2,552地震(K−NETの波形記録)によっている。縦軸は、従来の2秒のB−Δ法と、本発明の方法によるB−Δ法との差の平均値を示している。
図19は本発明のパラメータAにおける収束までの時間の平均値(s)〔P波検知から収束と判定されるまでに要する時間〕と所定の時間Cad(s)との関係を示す図(所定の閾値Tadをパラメータとする)である。
このデータは、図18と同様に、1996〜2009年の間に発生した2,552地震(K−NETの波形記録)によっている。縦軸は、P波検知から収束したと判定されるまでに要する時間の平均値を示している。
図18と図19から明らかなように、パラメータAの収束の判定条件を厳しくするほど(即ち、Tadの値を小さくするほど)、図18に示すように本発明の可変B−Δ法と従来の2秒B−Δ法の差は小さくなるが、図19に示すように収束までに要する時間が長くなる。そこで、仮に、Tad=15(1/s),Cad=0.4sを判定基準とすると、2秒B−Δ法の推定値に対する差を十分に小さく保ったままで、0.8〜0.9秒程度で震央距離の推定が可能である。
上記からして、従来の2秒のB−Δ法による震央距離と本発明による方法との差が20km以下で、かつ収束までに要する時間が1.0秒以内となるパラメータを示すと表1のようになる。
この表1に示されるように、パラメータAにおける微分データの絶対値の計測時間である所定の時間Cadを0.3〜0.6秒、所定の閾値Tadを10〜50(1/s)とするのが好適であることがわかる。
次に、パラメータBでの収束の判定を行う時の適切な値について説明する。
図20は本発明のパラメータBにおける推定震央距離の差の平均値(km)〔従来の2秒のB−Δ法と本発明のB−Δ法との差〕とある一定の時間Cbd(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tbdをパラメータ)である。
このデータは、1996〜2009年の間に発生した2,552地震(K−NETの波形記録)によっている。縦軸は、従来の2秒のB−Δ法と、本発明の方法によるB−Δ法との差の平均値を示している。
図21は本発明のパラメータBにおける収束までの時間の平均値(s)〔P波検知から収束と判定されるまでに要する時間〕とある一定の時間Cbd(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tbdをパラメータ)である。
このデータは、図20と同様に、1996〜2009年の間に発生した2,552地震(K−NETの波形記録)によっている。縦軸は、P波検知から収束したと判定されるまでに要する時間の平均値を示している。
図20と図21から明らかなように、パラメータBの収束の判定条件を厳しくするほど(即ち、Tbdの値を小さくするほど)、図20に示すように本発明の可変B−Δ法と従来の2秒B−Δ法の差は小さくなるが、図21に示すように収束までに要する時間が長くなる。
上記からして、従来の2秒のB−Δ法による震央距離と本発明による方法との差が20km以下で、かつ収束までに要する時間が1.0秒以内となるパラメータを示すと表2のようになる。
表2に示されるように、パラメータBにおける微分データの絶対値の計測時間である所定の時間Cbdを0.7秒、所定の閾値Tbdを60〜200(gal/s2 )とするのが好適であることがわかる。
図22は本発明のパラメータlog10Bにおける推定震央距離の差の平均値(km)〔従来の2秒のB−Δ法と本発明のB−Δ法との差〕とある一定の時間Cld(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tldをパラメータ)である。
このデータは、1996〜2009年の間に発生した2,552地震(K−NETの波形記録)によっている。縦軸は、従来の2秒のB−Δ法と、本発明の方法によるB−Δ法との差の平均値を示している。
図23は本発明のパラメータlog10Bにおける収束までの時間の平均値(s)〔P波検知から収束と判定されるまでに要する時間〕とある一定の時間Cld(s)との関係を示す図(ある一定の閾値Tldをパラメータ)である。
このデータは、図22と同様に、1996〜2009年の間に発生した2,552地震(K−NETの波形記録)によっている。縦軸は、P波検知から収束したと判定されるまでに要する時間の平均値を示している。
図22と図23から明らかなように、パラメータlog10Bの収束の判定条件を厳しくするほど(即ち、Tldの値を小さくするほど)、図22に示すように本発明の可変B−Δ法と従来の2秒B−Δ法の差は小さくなるが、図22に示すように収束までに要する時間が長くなる。
上記からして、従来の2秒のB−Δ法による震央距離と本発明による方法との差が20km以下で、かつ収束までに要する時間が1.0秒以内となるパラメータを示すと表3のようになる。
表3に示されるように、パラメータ10Bにおける微分データの絶対値の計測時間である所定の時間Cldを0.2〜0.6秒、所定の閾値Tldを0.6〜2(1/s)とするのが好適であることがわかる。
本発明によれば、B−Δ法の係数AおよびBの値の時間変化に着目することにより、現状の2秒B−Δ法の性能を保ったまま即時応答性を大きく向上させることができる、震央距離推定方法を提供することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の震央距離推定方法は、P波到達から1秒に満たない時間で震央距離を求めることができる即時応答性を向上させた震央距離推定方法として利用可能である。
1 地震計
2 通信回線
10 制御処理装置
11 アンチエイリアシングフィルタ(ローパスフィルタ)
12 A/D変換器
13 波形収録部
14 メモリ
15 パラメータ演算部
16 パラメータ微分値判定部
17 震央距離推定部
18 情報文送出部
19 GPS時計
20 状態表示装置
21 モデム

Claims (8)

  1. 観測された地震波からオフセットを除去し、データの絶対値を取り、波形の平滑化を行い、地震波到達時刻から関数y=Bt・exp(−At)をフィッティングさせることにより、前記式のパラメータの時間変化を求めて、該パラメータの時間変化の微分値が、予め設定した所定の時間にわたって継続的に、かつ、0に近い値であり予め設定した所定の閾値以内となることを条件として、前記パラメータの収束の判定を行い、該判定に基づいて前記パラメータから震央距離を求めることを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
  2. 請求項1記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータが前記地震波の初動部分の最大振幅に関するパラメータAであることを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
  3. 請求項1記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータが前記波形の初動振幅の時間変化に関するパラメータBであることを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
  4. 請求項3記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータBがlog10Bであることを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
  5. 請求項1記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、P波検知から1秒以内の時間で震央距離推定を行うことを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
  6. 請求項5記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータがAの場合、所定の時間Cadが0.3〜0.6秒、所定の閾値Tadが10〜50(1/s)であることを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
  7. 請求項5記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータがBの場合、所定の時間Cbdが0.7秒、所定の閾値Tbdが60〜200(gal/s2 )であることを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
  8. 請求項5記載の即時応答性を向上させた震央距離推定方法において、前記パラメータがlog10Bの場合、所定の時間Cldが0.2〜0.6秒、所定の閾値Tldが0.6〜2(1/s)であることを特徴とする即時応答性を向上させた震央距離推定方法。
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