JP2012073010A - 製氷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製氷装置全体の大きさの増大に対する製氷室数の増加効果に優れる製氷装置を提供すること。
【解決手段】製氷皿で製造された氷を掻き出す方式の製氷装置において、製氷皿2は、長さ方向に沿って複数の製氷室12が並ぶ製氷室12の列を幅方向に複数列有し、掻出部材3は、製氷室12の上方において製氷室12の列に沿って延びる回転軸17と、回転軸17から径方向に突出形成され、駆動部材5により回転軸17を中心に回転されて各製氷室12内に進入可能となる複数の掻出片18と、を有し、製氷室12の列数に対応して複数となるように構成した。
【選択図】図1
【解決手段】製氷皿で製造された氷を掻き出す方式の製氷装置において、製氷皿2は、長さ方向に沿って複数の製氷室12が並ぶ製氷室12の列を幅方向に複数列有し、掻出部材3は、製氷室12の上方において製氷室12の列に沿って延びる回転軸17と、回転軸17から径方向に突出形成され、駆動部材5により回転軸17を中心に回転されて各製氷室12内に進入可能となる複数の掻出片18と、を有し、製氷室12の列数に対応して複数となるように構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、製氷装置に関し、さらに詳しくは、冷蔵庫内に設置され、製造された氷を製氷皿から掻き出して冷蔵庫内の貯氷容器に補給する、いわゆる掻き出し式の製氷装置に関するものである。
従来より、家庭用冷蔵庫等の冷蔵庫において、氷を製造するとともに、製造された氷を冷蔵庫内の氷を貯めておく貯氷容器に補給する製氷機能を備えた冷蔵庫が知られている。
この種の冷蔵庫の製氷装置としては、例えば特許文献1に示されるように、固定された製氷皿に対し、製氷皿の長さ方向に延びた回転軸とこの回転軸から爪状に突出する複数の掻き出し部とを備えた掻出部材を駆動ユニットにより回転駆動させて、製氷皿の長さ方向に並んでいる複数の製氷室から氷を掻き出す構成のものが知られている。この場合、製氷皿は、掻出部材の回転軸の下方に配置される。
従来の製氷装置の構成を考えると、仮に、製氷室の大きさを変えないで単純に製氷皿の製氷室の数を増やす場合には、製氷皿および掻出部材の回転軸を長さ方向に長くすることが考えられる。しかしながら、これでは、増加される製氷室の数だけ製氷装置全体の大きさが長さ方向に増大するので、あまり製氷室の数を増やすことができない。製氷室の増加数が増大すれば、製氷装置全体の長さ方向の大きさが、これを設置する冷蔵庫内のスペースに収まらなくなり、製氷装置を冷蔵庫内に設置することが困難になる。
本発明が解決しようとする課題は、製氷装置全体の大きさの増大に対する製氷室数の増加効果に優れる製氷装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る製氷装置は、製氷皿と、該製氷皿で製造された氷を該製氷皿から掻き出す掻出部材と、該掻出部材を駆動させる駆動部材とを備えた製氷装置であって、前記製氷皿は、長さ方向に沿って複数の製氷室が並ぶ製氷室の列を幅方向に複数列有しており、前記掻出部材は、前記製氷室の上方において前記製氷室の列に沿って延びる回転軸と、該回転軸から径方向に突出形成され、前記駆動部材により前記回転軸を中心に回転されて各製氷室内に進入可能となる複数の掻出片と、を有し、前記製氷室の列数に対応して複数あることを要旨とするものである。
本発明に係る製氷装置において、隣り合った掻出部材の回転方向を反対方向にすることにより、製氷皿で製造された氷の掻き出し方向が互いに異なるため、隣り合った製氷室の列の幅方向の両外側に氷を落下させる穴を設けた場合や、隣り合った製氷室の列方向の間に氷を落下させる穴を設けた場合のいずれにおいても氷をスムーズに落下させる穴に掻き出せる。
この際、製氷室の列数に対応させて掻出部材を2本とし、掻出片により、製氷皿で製造された氷を製氷皿の幅方向の両外側に掻き出すようにすれば、製氷皿の幅方向内側に氷を落下させるための穴を設ける必要がないため、製氷皿の構成をより簡単にすることができる。また、製氷皿を一体に構成できるとともに、隣接する製氷室同士を水路により連通できる。
そして、製氷皿が一体に構成されているとともに、製氷皿の隣接する製氷室同士が水路により連通されていれば、1つの製氷室に注水することで、水路を通ってすべての製氷室に水が行き渡るので、製氷室に注水するための注水部を共通化できる。また、注水部から各製氷室までの水路の長さを短くできる。
そして、複数の掻出部材が共通の駆動部により駆動されるようにすれば、複数の掻出部材を備える構成にしても、部品点数が増大するのを抑えることができる。また、駆動部材の大きさが増大するのを抑えることができる。
また、製氷室の内面が曲面で構成され、掻出片により製氷室から氷を押し出す際の押出開始側の内面の曲率半径が、押出終了側の内面の曲率半径よりも小さければ、押出動作により、曲率半径のより小さい押出開始側にあった氷の表面は、それより曲率半径の大きい押出終了側の内面に接触するので、氷をスムーズに押し出すことができる。また、このように氷を押し出しやすくしたことで、従来よりも製氷室を深くすることができる。これにより、氷の大きさを大きくすることができる。
本発明に係る製氷装置によれば、従来の掻き出し式の製氷装置に比べて、幅方向に製氷室の列が増加するため、例えば、長さ方向の大きさを増大させずに、製氷室の数を増やすことができる。このとき、仮に、幅方向に製氷室の数が増加することに伴って幅方向に製氷皿の大きさが増大したとしても、列単位で製氷室の数を増加できるため、製氷装置全体の大きさの増大に対する製氷室数の増加効果に優れる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る製氷装置を示す斜視図であり、ヒータのみ分解した状態で示している。図2は、図1に示す製氷装置に用いた製氷皿を示す斜視図である。図3は、図2に示す製氷皿の幅方向断面図(A−A断面図)である。
本発明の一実施形態に係る製氷装置1は、家庭用冷蔵庫等の冷蔵庫において、氷を製造するとともに、製造された氷を冷蔵庫内の氷を貯めておく貯氷容器に補給する装置であり、氷を製造するための製氷皿2と、製氷皿2で製造された氷を製氷皿2から掻き出す掻出部材3と、貯氷容器内の氷の量を検氷する検氷部材4と、掻出部材3および検氷部材4を駆動させる駆動部材5と、を備えている。貯氷容器は、図示しないが、上面が開放された角形の箱で、製氷皿2よりもやや大きめに形成されており、製氷皿2の下方に配置され、製氷皿2から落下させた氷を受け入れできるようになっている。また、検氷部材4は、駆動部材5から製氷皿2の長さ方向に沿ってアーム状に延びたもので構成されている。
製氷皿2は、アルミニウムなどの熱伝導性に優れる金属材料により略矩形状に一体に構成されており、幅方向に延びる複数の仕切板11aと長さ方向に延びる仕切板11bにより複数の製氷室12が区画形成されている。製氷皿2は、長さ方向に沿って複数の製氷室12が並ぶように製氷室12の列が形成されているとともに、製氷室12の列が幅方向に2列形成されている。この製氷皿2のように、幅方向に複数の製氷室12を配置することにより、長さ方向の大きさを増大せずに、製氷室12の数を増やすことができる。
複数の製氷室12には注水部13より注水され、不図示の冷却部により製氷室12内に貯められた水が冷却されて氷が製造される。例えば、製氷皿2全体の大きさが同じ場合には、製氷室12の列が幅方向に2列であると、製氷室12の列が幅方向に1列であった従来のものと比べ、製氷皿2はより多くの製氷室12に分割されている。これにより、製造される1つの氷の大きさは小さくなる。製氷皿2全体で見れば、1つの氷を大きくするよりも、注水された水と製氷皿2との接触面積が増えるため、製氷が早くなる。また、製氷皿2は、熱伝導性に優れる金属材料により形成されているため、これによっても製氷を早くできる。
幅方向に延びる複数の仕切板11aおよび長さ方向に延びる仕切板11bのそれぞれには切り欠き状の水路14a,14bが形成されており、隣接する製氷室12同士は、この水路14a,14bにより連通されている。一の製氷室12内に注水された水は、この水路14a,14bを通って隣の製氷室12に流れるようになっている。そのため、複数の製氷室12に注水するための注水部13を共通化することができる。また、隣接する製氷室12同士が水路14a,14bで連通しているため、注水部13から注水された水を最短距離ですばやく各製氷室12に流すことができる。この際、仮に、一部の水路14a,14bに除氷されなかった氷が残っていて、一部の水路14a,14bが塞がれていても、他の水路14a,14bを通じて共通の注水部13から注水された水を各製氷室12に流すことができる。したがって、本実施形態においては、注水部13は1カ所となっており、注水部13の下部に備える注水口13aが製氷室12の開口部に臨むように、製氷皿2の上方に設けられている。
製氷皿2の幅方向内側には、製造された氷を製氷皿2から落下させるための穴が設けられている構成にはなっていない。そのため、このような穴を避けるように、注水部13から各製氷室12までの水路14a,14bが迂回されることはない。これにより、注水部13から各製氷室12までの水路14a,14bの長さを短くできる。また、製氷皿2の構成をより簡単できる。
各製氷室12の内面は、図3に示すように、曲面で構成されている。この内面は、曲率の同じ曲面が連続する曲面ではなく、幅方向の断面図で示すと図3のY地点(もしくはY’地点)で曲率が変わる曲面になっている。すなわち、各製氷室12の内面は、幅方向内側(X−Y区間もしくはX’−Y’区間)と、幅方向外側(Y−Z区間もしくはY’−Z’区間)とで、曲率が異なるように構成されている。より具体的には、各製氷室12は、幅方向内側の内面の曲率が、幅方向外側の内面の曲率よりも大きくなるように構成されている。いいかえれば、各製氷室12は、幅方向内側の内面の曲率半径が、幅方向外側の内面の曲率半径よりも小さくなるように構成されている。
この製氷皿2の底面には、製氷室12の下方に位置する部分に、離氷のためのヒータ15を取り付ける取付溝16が設けられている。ヒータ15は、後述する駆動部材5内に設けられているヒータ端子34から製氷室12の列に沿って延び、駆動部材5とは反対側の製氷皿端部2b側でU字状に折り返されて隣の製氷室12の列に沿って延び、その延びた先が駆動部材5内の他のヒータ端子34に接続されている。また、製氷皿2の底面のヒータ15に接触しない位置には、製氷皿2の温度を検知する不図示のサーミスタが取り付けられている。
製氷室12の列は2列であり、製氷室12の上方には、製氷室12の列数に対応して、2つの掻出部材3がある。それぞれが、製氷室12の列に沿って延びる回転軸17と、回転軸17から径方向に突出形成された爪状の複数の掻出片18とを有している。2本の掻出部材3(一対の掻出部材3)同士は、製氷皿2の表面に沿って、互いに平行に配置されている(水平方向に並んでいる)。
回転軸17の一方端17aは、後述する駆動部材5のカム歯車26,27に連結されている。回転軸17の他方端17bは、製氷皿2の他方端2bにボルト20で固定された端板21に形成された軸穴21aに回転可能に支持されている。
複数の掻出片18は、製氷室12に対して1対1の関係となるように回転軸17における位置および数が設定されている。一の掻出部材3内においては、複数の掻出片18は、互いに同一方向に突出されている。また、掻出部材3間の幅方向に隣接する掻出片18同士は、互いに面対称となるように位相が設定されている。
製氷皿2の一方端2a側には、駆動部材5が配置されている。駆動部材5は、全体として直方体形状をしたケース体22を有している。ケース体22は、製氷皿2の一方端2aに相対してこの一方端2aが取り付けられる内側ケース23と、内側ケース23と組み合わされる外側ケース24とにより構成されている。
図4は、内側ケース23を取り外した状態の駆動部材5を示す側面図である。図5は、外側ケース24を取り外した状態の駆動部材5を示す側面図である。図6は、駆動部材5内のカム歯車26の拡大図である。図7は、駆動部材5内のカム歯車26と、軸状部材29と、スイッチ31と、スイッチレバー32と、を抜き出して、カム式の動力伝達機構を説明するための模式図である。図4〜7を用いて、駆動部材5の内部構成を説明する。
図4、5に示すように、駆動部材5の内部には、掻出部材3および検氷部材4の駆動源となるモータ25と、一対の掻出部材3の回転軸17の一方端17aが内側ケース23の外側からそれぞれ接続されている一対のカム歯車26,27と、モータ25からの回転出力を一対のカム歯車26,27へ伝達する減速輪列28とを備えている。
また、カム歯車26に従動して検氷部材4を上下方向に揺動させる回転軸となる軸状部材29と、この軸状部材29を一方の回転方向に付勢する捩りコイルバネ30と、掻出部材3の原点位置を確認するための信号や氷量を確認するための信号を出力するスイッチ31と、カム歯車に従動してスイッチ31を操作するスイッチレバー32と、スイッチレバー32を一方の揺動方向に付勢する圧縮コイルバネ33とを備えている。さらに、ヒータ15が接続されるヒータ端子34と、スイッチ31が実装される基板35とを備えている。
モータ25はステッピングモータであり、図4に示すように、モータ25の出力軸は駆動部材5の外側ケース24側から内側ケース23側に向かって(駆動部材5から製氷皿2の方向に向かって)延びている。減速輪列28は、第1複合歯車37、第2複合歯車38、第3複合歯車39により構成されている。モータ25の出力軸に取り付けられたピニオン36は、第1複合歯車37の大径歯車部分と噛み合い、第1複合歯車37の小径歯車部分は、第2複合歯車38の大径歯車部分と噛み合い、第2複合歯車38の小径歯車部分は、第3複合歯車39の大径歯車部分と噛み合い、第3複合歯車39の小径歯車部分は、一方のカム歯車26と噛み合っている。
モータ25からの回転駆動力は、減速輪列28により順次減速されながら、一方のカム歯車26に伝達される。一方のカム歯車26は他方のカム歯車27と噛み合っており、モータ25からの回転駆動力は他方のカム歯車27にも伝達され、一対のカム歯車26,27は、等速で互いに逆方向に回転する。カム歯車26,27は、内側ケース23側の端面26a,27a側が出力側であり、カム歯車26,27のDカット部41,42に、Dカットされた掻出部材3の回転軸17の一方端17aが挿入され、カム歯車26,27と掻出部材3とが同軸で一体に回転可能に連結される。したがって、一対の掻出部材3は、共通の駆動源で駆動される。そのため、駆動部材5の部品点数が増大するのを防止できるとともに、駆動部材5のサイズをコンパクトにできる。
図5〜7に示すように、カム歯車26は、出力側とは反対側(外側ケース24側)の端面26bに、軸方向の内側に凹となる第1凹部43が形成されており、この第1凹部43の径方向内周面が第1カム面44となっている。また、この第1凹部43の底面には、さらに軸方向の内側に凹となる第2凹部45が形成されており、この第2凹部45の径方向内周面が第2カム面46となっている。この第1カム面44および第2カム面46は、カム歯車26の軸方向において互いに異なる位置に形成されている。なお、他方のカム歯車27の外側ケース24側の端面27bにも一方のカム歯車26と同一形状の凹部が形成されているが、一方のカム歯車26の凹部のみが後述する検氷動作およびスイッチ動作に用いられるカム面となる。したがって、他方のカム歯車27の凹部は省略することができる。
図6を用いて第1カム面44および第2カム面46について詳細に説明すると、第1カム面44は、検氷部材4の揺動動作を行うカム面である。時計回り(CW)に連続して説明すると、円弧状に形成され、検氷部材4を揺動させない状態で維持する区間となる検氷用第1カム部44aと、検氷用第1カム部44aから径方向の外側に延びるように形成され、検氷部材4を下降させる区間となる検氷用第2カム部44bと、検氷用第2カム部44bの最外位置から円弧状に形成され、検氷部材4を最下降させた状態で維持する区間となる検氷用第3カム部44cと、検氷用第3カム部44cから径方向の内側に延びるように形成され、検氷部材4を上昇させる区間となる検氷用第4カム部44dと、を備えている。
第2カム面46は、掻出部材3の原点位置を確認するための信号や、氷量を確認するための信号を出力するためのスイッチ31をオン/オフする動作を行うカム面である。時計回り(CW)に連続して説明すると、スイッチ31をオンとして掻出部材3の原点位置を確認するための信号を出力させる区間であり、円弧状に形成されたスイッチオン用第1カム部46aと、このスイッチオン用第1カム部46aに連続してこれよりも径方向内側に凸に形成され、スイッチ31をオフとして信号を出力させない区間となるスイッチオフ用第1カム部46bと、このスイッチオフ用第1カム部46bに連続してこれよりも径方向外側に円弧状に形成され、氷量確認動作時にスイッチ31をオンとして氷量を確認するための信号を出力させる区間となるスイッチオン用第2カム部46cと、このスイッチオン用第2カム部46cに連続してこれよりも径方向内側に形成され、氷量確認動作が終了して待機状態に戻る際にスイッチ31をオフして信号を出力させない区間となるスイッチオフ用第2カム部46dと、を備えている。
軸状部材29は、外側ケース24と内側ケース23との接合部分の間に形成された軸貫通孔47を貫通してケース体22の外側から内側まで延びている。ケース体22の外側に延びている軸状部材29の一方端29aには、アーム状に構成された検氷部材4の基部であり検氷部材4の揺動中心となる取付部48が固定されている。一方、ケース体22の内側に延びている軸状部材29の他方端29b寄りの位置には、カム歯車26の第1カム面44に従動させる第1カムフォロワー49と、軸状部材29を一方の回転方向に付勢する捩りコイルバネ30の一方端が係合されるバネ係合部50とが、径方向外側に凸状に形成されている。また、軸状部材29の一方端29a寄りの位置には、軸状部材29が所定の角度以上回転したときにスイッチレバー32に当接する押下阻止部51が、径方向外側に凸状に形成されている。
軸状部材29のバネ係合部50に係合されている捩りコイルバネ30の他方端は外側ケース24に設けられた不図示のバネ係合部と係合しており、捩りコイルバネ30の伸張力により軸状部材29は矢印方向に付勢されている。そして、この捩りコイルバネ30の付勢力により、第1カムフォロワー49は第1カム面44に当接して第1カム面44に従動する。軸状部材29は軸状部材29の他方端29bの図示されない支持部と軸貫通孔47によって支持され、これにより軸線を中心として回転する。検氷部材4は、軸状部材29の回転に伴い、軸状部材29と一体となって、取付部48を中心に揺動する。
上記構成においてカム歯車26が回転すると、第1カムフォロワー49は捩りコイルバネ30の付勢力により第1カム面44上を摺動し、カム歯車26の回転角度に応じてカム歯車26の径方向に変位する。これにより、軸状部材29は軸を中心に所定の角度の範囲内で回転する。これに伴い、軸状部材29の一方端29aに取り付けられたアーム状の検氷部材4は、取付部48を中心に所定の角度の範囲内で揺動する。なお、本実施形態においては、軸状部材29は30度の角度範囲で回転するように設定されている。
軸状部材29が最大範囲(本実施形態においては30度)まで回転すると、検氷部材4は最下点まで下降されるので、それよりも小さい所定の回転角度(本実施例においては20度)に達したときに、軸状部材29の一方端29a寄りに形成された押下阻止部51がスイッチレバー32に当接する。
スイッチレバー32は、外側ケース24の不図示の支持部により回転可能に支持され、スイッチレバー32の揺動中心となるレバー軸部52と、レバー軸部52からカム歯車26の第2カム面46を形成している第2凹部45に向かってカム歯車26の軸線方向に延びる第2カムフォロワー53と、レバー軸部52からカム歯車26の径方向外側に向かって延びるスイッチ操作部54と、を備えている。スイッチ操作部54の先端には圧縮コイルバネ33の一方端が係合しており、圧縮コイルバネ33の他方端は内側ケース23に設けられた不図示のバネ係合部と係合している。
スイッチ操作部54を挟んで圧縮コイルバネ33の反対側にはスイッチ31が配置されている。スイッチ31はタクトスイッチであり、スイッチ操作部54に相対する面に不図示のスイッチボタンが設けられている。スイッチ31は、氷量確認の信号や原点位置確認の信号を出力するためのものである。圧縮コイルバネ33の伸張力によりスイッチレバー32のスイッチ操作部54はスイッチ31を押下する方向(スイッチ31に接触する方向)に付勢されており、この圧縮コイルバネ33の付勢力により、第2カムフォロワー53は第2カム面46に当接して第2カム面46に従動する。
上記構成においてカム歯車26が回転すると、第2カムフォロワー53は圧縮コイルバネ33の付勢力により第2カム面46上を摺動し、カム歯車26の回転角度に応じてカム歯車26の径方向に変位する。これにより、スイッチレバー32は、レバー軸部52を中心に所定の角度範囲で揺動する。第2カムフォロワー53が径方向外側に変位すると、スイッチ操作部54はスイッチ31に接近し、スイッチ31のボタンを押下する。これにより、スイッチ31はオンとなり、氷量確認の信号や原点位置確認の信号が出力された状態となる。一方、第2カムフォロワー53が径方向内側に変位すると、スイッチ操作部54はスイッチ31から離れる。これにより、スイッチ31はオフとなり、信号は出力されない。なお、本実施形態においては、スイッチレバー32は10度の角度範囲で回転するように設定されている。
次に、製氷動作について説明する。
製氷装置1は不図示の制御部によって駆動制御される。この制御部は、製氷装置1が備えている場合もあるが、製氷装置1が搭載された冷蔵庫の制御部の一部として構成されている場合もある。
電源オンまたは初期化する旨の信号のいずれかが制御部に入力されると、制御部は、検氷部材4および掻出部材3の掻出片18を原点位置にセットする初期化動作を行う(ステップST1)。
初期化動作では、制御部は、まず、モータ25を駆動してカム歯車26を時計回り(CW方向)に回転させる。そして、スイッチオン用第1カム部46aにスイッチレバー32が従動してスイッチ31から原点位置確認用の信号が出力されるのを監視する。原点位置確認用の信号が出力されると、モータ25を停止する。この動作により、カム歯車26は、原点位置で停止する。
カム歯車26が原点位置にあるときには、軸状部材29の第1カムフォロワー49は第1カム面44の検氷用第1カム部44aに当接しており、検氷部材4は貯氷容器の上方に上昇した状態にある。また、スイッチレバー32の第2カムフォロワー53はスイッチオン用第1カム部46aに当接しており、スイッチ31はオンの状態となっており、氷量検出用の信号が出力される。
初期化動作が終了すると、製氷皿2への給水が行われ、タイマーがセットされる(ステップST2)。
タイマーにセットされた所定時間において、制御部は、サーミスタで製氷皿2の温度を検知する。製氷皿2の温度が所定以下であり、製氷皿2内に氷が製造されると、制御部は、モータ25を駆動して氷掻き出し動作を開始する。氷掻き出し動作が開始されると、氷掻き出し動作に同期して氷量確認動作が開始される(ステップST3)。
ステップST3についてより詳細に説明すると、モータ25の回転駆動力によりカム歯車26は反時計回り(CCW方向)に回転し、スイッチレバー32の第2カムフォロワー53はスイッチオフ用第1カム部46bに当接し、スイッチ31はオフの状態となる。これに伴い、掻出部材3の回転軸17は軸回転し、掻出片18は図1に示す位置から製氷室12内の氷表面に向かって回転し始める。また、カム歯車26が原点位置から回転して第1カムフォロワー49が検氷用第2カム部44bを摺動し、これに伴い、軸状部材29が回転して検氷部材4のアームが下降し始める。
カム歯車26がさらに回転し、氷量確認位置に達したときに、制御部は、スイッチ31から信号が出力されたか否かを確認する(ステップST4)。この氷量確認位置では、スイッチレバー32の第2カムフォロワー53は、氷量確認の信号を出力する区間となるスイッチオン用第2カム部46cに当接可能な位置に至っている。
ここで、ステップST4において、貯氷容器内に氷が貯まっていなければ、検氷部材4の下降は妨げられない。そのため、軸状部材29の第1カムフォロワー49は、検氷部材4を最下降させた状態で維持する区間となる検氷用第3カム部44cまでカム面を摺動する。軸状部材29は最大範囲となる30度まで回転し、検氷部材4は最下降位置まで下降する。この際、軸状部材29の回転角度が20度に達すると、軸状部材29の押下阻止部51はスイッチレバー32に当接し、スイッチレバー32がスイッチ31を押下するのを阻止する。したがって、スイッチ31はオフの状態のままで維持される。
モータ25が駆動されてから所定時間経過する前にスイッチ31から氷量確認の信号が出力されなかった場合には、制御部は、貯氷容器が満杯ではないと判断する。この場合、制御部は、モータ25の駆動を継続して、カム歯車26を反時計回り(CCW方向)に回転させる氷掻き出し動作を継続する(ステップST5)。また、モータ25が駆動されてから所定時間経過後に、ヒータ15の通電を行う。ヒータ熱により製氷室12の内面から離氷された氷は、掻出片18により製氷皿2の幅方向外側へ掻き出されて製氷皿2下方の貯氷容器内に落下する。
モータ25の駆動がさらに継続され、カム歯車26がさらに回転し、原点位置になると、スイッチレバー32はスイッチオン用第1カム部46aに従動してスイッチ31から信号が出力される。制御部は、スイッチ31から信号が出力されたことを確認すると原点位置と判断してモータ25を停止させる。
カム歯車26が原点位置に戻るまでの間に、軸状部材29の第1カムフォロワー49は、検氷用第4カム部44dから検氷用第1カム部44aまで摺動する。検氷部材4は、図1に示す原点位置に戻り(ステップST6)、掻出部材3の掻出片18も、図1に示す原点位置に戻る(ステップST7)。
一方、ステップST4において、貯氷容器内に氷が所定量以上貯まっていれば、検氷部材4の下降が妨げられる。この場合、検氷部材4は最下降位置まで下降できないため、軸状部材29の回転は、ある角度で停止される。
このとき、軸状部材29の回転角度が20度に達していれば、軸状部材29の押下阻止部51はスイッチレバー32に当接し、スイッチレバー32がスイッチ31を押下するのを阻止する。したがって、スイッチ31はオフの状態のままで維持される。この場合には、所定時間経過する前に氷量確認の信号が出力されないため、制御部は、貯氷容器が満杯ではないと判断する。これに対し、軸状部材29の回転角度が20度に達していなければ、押下阻止部51はスイッチレバー32に当接せず、スイッチレバー32の揺動は妨げられない。そうすると、スイッチレバー32の第2カムフォロワー53は、スイッチオフ用第1カム部46bからスイッチオン用第2カム部46cまで摺動する。これにより、スイッチ操作部54はスイッチ31を押下してスイッチ31がオンにされ、氷量確認の信号が出力される。
モータ25が駆動されてから所定時間経過する前にスイッチ31から氷量確認の信号が出力された場合には、制御部は、貯氷容器が満杯であると判断する。この場合、制御部は、次にスイッチ31からの信号が出力されるまで、すなわち、スイッチレバー32の第2カムフォロワー53がスイッチオン用第1カム部46aを摺動するまで、カム歯車26を時計回り(CW方向)に回転させる(ステップST8)。そして、信号が出力されるとモータ25を停止する。この動作により、カム歯車26は原点位置で停止する。
制御部が、貯氷容器が満杯であると判断した場合には、所定時間経過後に、ステップST2〜ステップST8の動作が繰り返される。
氷掻き出し動作について、図8を用いてより詳細に説明すると、ステップST3において、氷掻き出し動作が開始される際には、図8(a)に示すように、掻出部材3の掻出片18は原点位置にセットされている。この状態から制御部がモータ25の駆動を継続し、氷掻き出し動作が開始されると、掻出部材3は回転軸17を中心に回転される。一対の掻出部材3は一対のカム歯車26により等速で連動しており、回転軸17を中心に互いに逆回転する。これに伴い、掻出片18は製氷室12内に進入する。図8(b)〜(f)に順に示すように、掻出片18は、製氷室12の幅方向内側で氷55に接触し、そこから製氷室12の幅方向外側に氷55を押し出すように、幅方向内側から幅方向外側に向かって内回りに回転する。
カム歯車26が原点位置から59.5度回転したときには、掻出片18は図8(b)に示すように、氷の表面と平行の位置(水平)に配置される。このタイミングで、制御部によりヒータ15が通電され、製氷皿2が加熱される。これにより、製氷室12の内面から離氷される(製氷室12の内面に接する氷の表面が溶ける)。さらにカム歯車26が回転し、90.5度回転したときには、掻出片18は氷55の表面に当接する。この時点で離氷されていれば、さらにカム歯車26が回転することにより、掻出片18により氷55は幅方向外側に運ばれる。一方、この時点で十分に離氷されていなければ、十分に離氷されるまでステッピングモータが脱調することで掻出片18に所定のトルクを与え続ける。この動作により、氷55を必要以上に溶かさないようにすることができる。
さらにカム歯車26が回転し、掻出片18の先端が製氷室12の幅方向外側端部の位置に達したときには、図8(f)に示すように、氷55は、平らな上面が掻出片18上に乗るように反転されている。このとき、この平らな上面は、掻出片18上で、幅方向外側に向かって下方に傾いている。そのため、氷55は掻出片18の傾斜に沿って幅方向外側に滑り落ちることができる。これにより、氷55は掻き出される。滑り落ちた氷55は、製氷皿2の下方にある貯氷容器内に収容される。
このとき、上述するように、各製氷室12の内面は、氷55を押し出す際の押出開始側の内面となる幅方向内側の内面の曲率半径が、押出終了側の内面となる幅方向外側の内面の曲率半径よりも小さくなるように構成されている。氷掻き出し動作前に幅方向内側の内面に接触していた氷55の表面は、掻き出し動作(押し出し動作)により、それよりも曲率半径の大きい、よりなだらかな幅方向外側の内面に接触されるので、よりスムーズに氷55を押し出すことができる。
また、このように氷55を押し出しやすくすれば、製氷室12をより深くしたときに氷55が出にくくなるのを改善できるため、製氷室12をより深くして、得られる氷55の大きさをより大きくすることができる。
また、氷55の落下時には氷55は掻出片18上で反転されているので、曲率半径の小さい幅方向内側の内面に接触していた部分はより幅方向外側に位置される。すなわち、図8(f)に示す状態の氷55の落下時には、氷55の重心はより幅方向外側にあるので、掻出片18上で反転された氷55は幅方向内側に移動しにくく、氷55は確実に幅方向外側に落下できる。
そして、このように、一対の掻出部材3を逆回転させて、製造された氷55を幅方向の両外側に落下させるようにしたので、幅方向に隣接する氷55同士が落下時に互いに干渉しない。そのため、氷55の移動方向が安定する。また、製造された氷55を幅方向の両外側に落下させるようにしたので、貯氷容器内において氷55が集中するのを避けることができる。これにより、検氷動作による満氷か否かの判断を正しく行うことができる。さらに、幅方向の両外側に落下させる構成においては、製氷皿2の幅方向内側に氷落下専用の穴を設ける必要がないため、製氷皿2を一体に構成でき、部品点数の削減もできる。
また、一対の掻出部材3の回転軸17は水平方向に並んでいるため、落下する氷55が他の製氷室12に干渉しない。また、掻出部材3間の掻出片18同士は互いに面対称となるように位相が設定されているので、掻き出し動作時において、力のバランスが良い。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したように、製氷装置全体の大きさの増大に対する製氷室数の増加効果に優れる製氷装置であるため、冷蔵庫の冷凍室(製氷室)や扉に設置するスペースが小さくなるので、スペース効率の高い冷蔵庫を構成できる。なお、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、本実施形態においては、製氷皿2の幅方向の両外側に氷55を掻き出すようにしているが、製氷皿2の幅方向内側に氷落下用の穴を設け、氷落下用の穴を挟んで対向する掻出部材3の回転方向を反対方向(逆方向)として、製氷皿2の幅方向内側に向かって内回りに回転させることにより、製氷皿2の幅方向内側に設けた氷落下用の穴に氷55を落下させるようにすることもできる。この場合、氷55を押し出す際の、押出開始側の内面は幅方向外側の内面であり、押出終了側の内面は幅方向内側の内面であるので、製氷室12の内面は、押出開始側の内面となる幅方向外側の内面の曲率半径が、押出終了側の内面となる幅方向内側の内面の曲率半径よりも小さくなるように構成することが好ましい。また、氷落下用の穴を挟んで対向する掻出部材3の回転方向を適宜調整して、製氷皿2の幅方向外側と内側に氷55を落下させるようにすることもできる。
また、製氷皿2の幅方向の両外側に氷55を掻き出す場合であっても、掻出部材3の掻出片18の回転方向がそれぞれ製氷室12の幅方向内側から外側に内回りであることには限られず、それぞれ幅方向内側から外側に外回りであっても良い。この場合には、掻出片18は、製氷室12の幅方向外側で氷55に当接した後、幅方向内側で製氷室12から氷55を押し出すことになる。すなわち、押出開始側は幅方向外側であり、押出終了側は幅方向内側になる。この場合には、幅方向外側の内面の曲率半径が幅方向内側の内面の曲率半径よりも小さくなるように構成すれば良い。また、製氷皿2の幅方向に隣接する氷55同士が押し出し時に干渉しないように、製氷皿2の幅方向に隣接する製氷室12間に、製氷皿2の表面から立設するように隔壁を設けても良い。また、一対のカム歯車26,27間に歯車を介在させるなどして、一対のカム歯車26,27の回転方向が同方向になるようにしても良い。
また、一の掻出部材3内において、複数の掻出片18は互いに同一方向に突出されていなくても良い。例えば長さ方向に沿って1つ飛びの位置にある掻出片18同士は互いに同一方向に突出されており、長さ方向に隣接する掻出片18同士の位相が周方向にずれている構成であっても良い。また、掻出部材3間の幅方向に隣接する掻出片18同士は、力のバランスを考えれば互いに面対称となるように位相が設定されているほうが良いが、互いに面対称となるように位相が設定されていなくても良い。また、掻出部材3は、2本である場合に限られず、製氷室12の列数に対応させて、幅方向に3本以上設けた構成であっても良い。この場合には、製氷皿2の幅方向内側に氷落下用の穴を設けて、製氷皿2の幅方向内側にも氷55を落下させる必要がある。
駆動源としては、ステッピングモータに代えてDCモータを用いることもできる。また、上記実施形態では駆動源が1つであるが、駆動源を2つ以上用いることもできる。
1 製氷装置
2 製氷皿
3 掻出部材
4 検氷部材
5 駆動部材
12 製氷室
17 回転軸
18 掻出片
2 製氷皿
3 掻出部材
4 検氷部材
5 駆動部材
12 製氷室
17 回転軸
18 掻出片
Claims (6)
- 製氷皿と、該製氷皿で製造された氷を該製氷皿から掻き出す掻出部材と、該掻出部材を駆動させる駆動部材とを備えた製氷装置であって、
前記製氷皿は、長さ方向に沿って複数の製氷室が並ぶ製氷室の列を幅方向に複数列有しており、
前記掻出部材は、前記製氷室の上方において前記製氷室の列に沿って延びる回転軸と、該回転軸から径方向に突出形成され、前記駆動部材により前記回転軸を中心に回転されて各製氷室内に進入可能となる複数の掻出片と、を有し、前記製氷室の列数に対応して複数あることを特徴とする製氷装置。 - 隣り合う前記掻出部材の回転方向は互いに反対方向であることを特徴とする請求項1に記載の製氷装置。
- 前記掻出部材は前記製氷室の列数に対応して2本であり、前記掻出片により前記製氷皿で製造された氷を前記製氷皿の幅方向の両外側に掻き出すようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の製氷装置。
- 前記製氷皿は一体に構成されているとともに、前記製氷皿の隣接する製氷室同士が水路により連通されていることを特徴とする請求項3に記載の製氷装置。
- 前記複数の掻出部材は、共通の駆動源により駆動されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の製氷装置。
- 前記製氷室の内面は曲面で構成されており、前記掻出片により該製氷室から氷を押し出す際の押出開始側の内面の曲率半径が、押出終了側の内面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製氷装置。
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