JP2012072472A - 高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性の低下や製造コストの上昇を伴わず、高強度、低YR、および高シャルピー衝撃値を同時に達成する厚鋼板およびその製造方法を提供する
【解決手段】質量%で、C:0.04〜0.08%、Si:0.05〜0.5%、Mn:1.8〜3.0%、P:0.008%以下、S:0.0006%以下、O:0.003%以下、N:0.006%以下、Al:0.003〜0.05%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.05%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、金属組織がベイナイトを主体とし、前記ベイナイト中に第2相として島状マルテンサイトが面積率5〜15%で均一分散し、粒界フェライトの面積率が全金属組織の5%以下であって、シャルピー衝撃試験片の破面におけるセパレーション発生挙動を規定したことを特徴とする、高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板。
【選択図】図3

Description

本発明は、高張力厚鋼板およびその製造方法に関し、引張強度600MPaを超える高強度と、降伏比が80%以下の優れた変形能と、シャルピー衝撃試験やDWTT(Drop Weight Tear Test:落重引裂試験)などで評価した場合の高靭性と、を兼ね備え、かつ、パイプとしたときの延性亀裂伝播停止性能にも優れる、天然ガス輸送用の鋼管素材として好適な鋼板およびその製造方法に関する。
近年、天然ガスや原油の輸送用として使用されるラインパイプは、高圧化による輸送効率の向上や薄肉化による現地溶接施工効率の向上のため、年々高強度化している。特に、天然ガス輸送パイプラインにおいては、パイプに延性亀裂が発生した場合、亀裂部からのガス流出によるガス圧低下速度より、亀裂伝播速度の方が速い場合には、亀裂開口力が低下しないため、延々と亀裂が伝播してしまうことが想定され、亀裂伝播速度を抑えるために、ラインパイプ母材に高いシャルピー衝撃試験での吸収エネルギー(以下、単にシャルピー吸収エネルギーとも称する)を要求される。寒冷地にあるガス田からのガス輸送の場合には、−30℃といった低温でも200Jを超えるシャルピー吸収エネルギーを満足させなくてはならない場合がある。
また、大地震や凍土地帯における地盤変動によって、ラインパイプに大変形が生じても、延性亀裂発生にいたらないための、高変形能の要求もなされるようになってきた。
高変形能の指標として、降伏強度を引張強度で割った降伏比(YR)が使われ、低YR化されるほど亀裂発生の限界歪が向上する。
鋼材の金属組織を軟質なフェライトと、硬質なベイナイトやマルテンサイトなどが適度に分散した硬質相の2相組織とすることで、低YRとなることが知られており、例えば特許文献1には、上記のような軟質相の中に硬質相が適度に分散した組織を得る製造方法として、焼入れ(Q)と焼戻し(T)の中間に、フェライトとオーステナイト相の2相域からの焼入れ(Q’)を施す熱処理方法が開示されている。
また、特許文献2には、軟質相を加工フェライトとしたフェライト+ベイナイト+マルテンサイト組織により低YR化が達成されることが開示されている。
さらに、特許文献3には、ベイナイト中に島状マルテンサイトを分散させて低YRと高シャルピー吸収エネルギーを両立させることが開示されている。
特開昭55−97425号公報 特開平08―209291号公報 特開2006―265577号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では多数回の熱処理を行う必要があり、生産性が低下し、製造コストが上昇する。
特許文献2に記載の技術による高靱性化は延性−脆性破面率の改善のために、フェライトの集合組織を積極的に発達させることによって得られるもので、シャルピー衝撃試験片の破面にはセパレーションが発生し、シャルピー吸収エネルギーはむしろ低下する。
特許文献3に記載の技術による低YRと高シャルピー吸収エネルギーの両立は、上述のフェライトの集合組織に起因したセパレーションの発生を抑制するよう、圧延終了温度をAr変態点を超える高い温度としているが、近年の研究では、このようなフェライトが生成しにくい圧延終了温度としても、セパレーション生成に伴うシャルピー吸収エネルギーの低下が起こりうることが判明した。
そこで、本発明は、生産性の低下や製造コストの上昇を伴わず、高強度、低YR、および高シャルピー吸収エネルギーを兼ね備えた厚鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者等はまず、目標とする脆性亀裂伝播停止性能を得るために、許容されるセパレーション発生量を定量化した。図1に示すようなシャルピー衝撃試験片の破面上に生成するセパレーションに対し、図2に示すように、長さが1mm以上の全てのセパレーションの長さを測定し、それらの総和を破面断面積(すなわち、被検面の面積)で除した値(SI:セパレーションインデックス)を用い、シャルピー吸収エネルギーとの関係を求めたところ、図3に示すような関係が得られることがわかった。これらの結果より、試験温度が−30℃のときに200Jを超えるような高いシャルピー吸収エネルギーを得るためには、少なくともセパレーションインデックスを0.05(mm−1)以下とする必要があることを知見した。
次に、ベイナイトを主体とする母相と、前記母相中に分散して存在する第2相として島状マルテンサイトを有する二相組織鋼板を製造するにあたり、特に、圧延終了温度をAr変態点を超える高い温度としても、シャルピー衝撃試験片にセパレーションが発生してしまう原因について鋭意研究を行った。
(1)その結果、延性-脆性遷移挙動を向上させるために実施する950℃以下のオーステナイト未再結晶温度域での強圧下により、オーステナイト組織に形成された集合組織が、その後の加速冷却の際に変態して生成するベイナイトに受け継がれること、
(2)および、この強圧下により、オーステナイト粒界での拡散変態が促進され、加速冷却を開始する温度がAr変態点以上であっても一部のオーステナイト粒界で初析フェライトが生成し、この粒界上のフェライトもまたセパレーション発生の原因となること、
(3)さらに、鋼中に存在するMnSが、前記オーステナイト粒界からの初析フェライト生成を促進すること、ただしCa添加による硫化物形態制御によりMnSをCaSのようなCa系介在物とすることで無害化できること、
を見出した。
本発明は上記した知見を元に、さらに検討を加えてなされたもので、その要旨は以下の通りである。
第一の発明は、質量%で、C:0.04〜0.08%、Si:0.05〜0.5%、Mn:1.8〜3.0%、P:0.008%以下、S:0.0006%以下、O:0.003%以下、N:0.006%以下、Al:0.003〜0.05%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.05%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、金属組織がベイナイトを主体とし、前記ベイナイト中に第2相として島状マルテンサイトが面積率で5〜15%均一分散し、旧オーステナイト粒界に存在するフェライト相の面積率が全金属組織の5%以下であって、−30℃の試験温度でシャルピー衝撃試験を行った際の、シャルピー衝撃試験片の破面に存在するセパレーションが下記式(1)で定義されるセパレーションインデックスが0.05(mm−1)以下であることを特徴とする、高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板である。
第二の発明は、さらに、質量%で、Cu:0.10〜1.0%、Mo:0.01〜0.5%、V:0.003〜0.08%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする第一の発明に記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板である。
第三の発明は、さらに、質量%で、B:0.0005〜0.0030%を含有し、かつ、BとTiとNが下記式(2)を満足することを特徴とする第一または第二の発明に記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板である。
なお、上記式中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。

第四の発明は、さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0040%を含有しかつ、CaとOとSが下記式(3)を満足することを特徴とする第一乃至第三の発明の何れかに記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板である。
なお、上記式中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。
第五の発明は、第一乃至第四の発明の何れかに記載の組成を有する鋼を、連続鋳造して鋼片を製造し、該鋼片をAc変態点以上1100℃以下に加熱後、熱間圧延を開始し、950℃以下の温度域における累積圧下率を40〜66%とする熱間圧延を行った後、Ar変態点以上の温度から冷却速度10〜80℃/sで加速冷却を開始し、400〜600℃の温度域で加速冷却を停止した後、ただちに、600〜680℃の温度範囲に再加熱し、以後、空冷することを特徴とする高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板の製造方法である。
第六の発明は、さらに、950℃以下の温度域での熱間圧延における各圧延パス1回当りの圧下率の平均が10%以下であることを特徴とする第五の発明に記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板の製造方法である。
本発明によれば、80%以下の低降伏比と試験温度:−20℃において85%以上のDWTT延性破面率、および試験温度:−30℃において200J以上のシャルピー衝撃値を達成する、高靱性かつ高変形性能を有する、天然ガス輸送用ラインパイプ用引張強度600MPa超えの厚肉高張力鋼板の製造が可能となり、産業上極めて有用である。
シャルピー衝撃試験片の破面外観を示す写真である。 セパレーションインデックス(SI)の算出方法を説明する図である。 シャルピー吸収エネルギーとセパレーションインデックスとの関係を説明する図である。
以下に本発明の成分組成、金属組織および製造方法について説明する。
[成分組成]
本発明の鋼の成分組成を規定した理由を説明する。なお、成分%は全て質量%を意味する。
C:0.04〜0.08%
Cは本発明においては、鋼のベイナイト組織中に島状マルテンサイトを分散させ、低YRを得るために重要な元素である。すなわち、ベイナイト組織より硬質な島状マルテンサイト中にCを濃化させて生成させる必要があり、かつ、低YRとするために十分な島状マルテンサイトの面積率を得るためには0.04%以上の含有が必要であるが、0.08%を超えて含有すると、板厚中央偏析部の島状マルテンサイトが増加し、シャルピー吸収エネルギーの低下を引き起こすため、C量は0.04〜0.08%の範囲とする。
Si:0.05〜0.5%
Siは固溶強化能を有する元素であり、0.05%以上含有すると母材およびHAZの強度を上昇させるので有効である。しかし、0.5%を超えて含有すると母材およびHAZにおいて島状マルテンサイトが生成しやすくなる。特に、板厚中央偏析部のような、Mn、Pが濃化した領域でこの効果は顕著であり、母材シャルピー吸収エネルギーの低下を引き起こすため、Si量は0.05〜0.5%の範囲とする。
Mn:1.8〜3.0%
Mnは焼入性向上元素として作用する。さらに、多量に添加することで、フェライトに固溶できるC量を低減する効果があり、鋼のオーステナイト域から加速冷却でベイナイト変態させる際、未変態オーステナイト領域へのC濃化を大きくするので、島状マルテンサイトの生成量を増加させることができる。
後述のように、島状マルテンサイトの面積率を5%以上とするためには、少なくとも1.8%のMn含有が必要である。一方、連続鋳造プロセスでは中心偏析部の濃度上昇が著しく、3.0%を超えて含有すると、多量な島状マルテンサイトの生成により母材吸収エネルギーの低下を招くため、Mn量は1.8〜3.0%の範囲とする。
P:0.008%以下
Pは鋼中に不可避不純物として存在する。特に板厚中心部での偏析が著しい元素であり、島状マルテンサイトの増加を引き起こし、母材のシャルピー吸収エネルギーを低下させるため、P量の上限は0.008%とする。好ましくは、0.006%以下である。
S:0.0006%以下
Sもまた鋼中に不可避不純物として存在する。特に介在物として存在し、鋼の清浄度を低下させ、母材シャルピー吸収エネルギーに悪影響を及ぼすため、S量の上限は0.0006%とする。好ましくは、0.0004%以下である。
O:0.003%以下
Oは、通常、鋼中の不可避不純物として存在し、酸化物系介在物の生成の原因となる。特に、0.003%以上存在すると、粗大な介在物が生成し、母材のシャルピー吸収エネルギー低下を低下させるため、O量の上限は0.003%とする。
N:0.006%以下
Nは、通常、鋼中の不可避不純物として存在するが、後述の通りTi添加を行うことで、TiNを形成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制する。ただし、N量が0.006%を超える場合、溶接部、特に溶融線近傍の1450℃以上に加熱された領域でTiNが分解すると固溶Nが鋼の靱性を著しく低下させるため、N量の上限は0.006%とする。
Al:0.003〜0.05%
Alは脱酸元素として作用する。0.003%以上の含有で十分な脱酸効果が得られるが、0.05%超えて含有すると偏析部も含めて鋼の清浄度が低下し、靭性低下の原因となるため、Al量は0.003〜0.05%の範囲とする。
Ni:0.1〜1.0%
Niは、焼入性向上元素として作用するほか、多量に添加しても靱性劣化を起こさないため、有用な元素である。この効果を得るために、0.1%以上の含有が必要であるが、高価な元素であるため、Ni量の上限は1.0%とする。
Cr:0.01〜0.5%
Crもまた0.01%以上の含有によって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、0.5%を超えて含有するとHAZ靱性が著しく劣化するため、Cr量は0.01〜0.5%の範囲とする。
Nb:0.01〜0.05%
Nbは炭化物を形成することで、特に2回以上の溶接熱サイクルを受ける溶接熱影響部(HAZ)の焼戻し軟化を防止して、引張強度600MPaを超える高強度ラインパイプ用鋼板として必要なHAZ強度を得るために必要な元素である。
また、熱間圧延時のオーステナイト未再結晶温度領域を高温側に拡大する効果もあり、特に950℃まで未再結晶温度領域とするためには0.01%以上の含有が必要である。一方、0.05%を超えて含有すると、ベイナイト中の島状マルテンサイトの生成が著しくなり、母材のシャルピー吸収エネルギーを低下させることから、Nb量は0.01〜0.05%の範囲とする。
Ti:0.005〜0.020%
Tiは窒化物を形成し、鋼中の固溶N量低減に有効であるほか、析出したTiNがピンニング効果でオーステナイト粒の粗大化を抑制することで、母材およびHAZの靱性向上に寄与する。必要なピンニング効果を得るためには0.005%以上の含有が必要であるが、0.020%を超えて含有すると炭化物を形成するようになり、その析出硬化で靱性が著しく劣化するため、Ti量は0.005〜0.020%の範囲とする。
本発明の基本成分組成は以上であるが、更に強度を上昇させる場合、Cu、Mo、Vの1種または2種以上を添加することができる。また、靭性向上の観点から、B、Caを選択元素として含有することもできる。
Cu:0.1〜1.0%
Cuは0.1%以上の含有によって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、1.0%を超えて含有すると、過飽和に固溶したCuが加速冷却後の再加熱時に析出し、特に鋼の降伏強度が析出硬化によって上昇する結果、低YRとすることが困難となるため、Cuを含有する場合は、0.1〜1.0%の範囲とすることが好ましい。
Mo:0.01〜0.5%
Moは0.01%以上の含有によって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ0.5%を超えて含有しても強度上昇は飽和するため、Moを添加する場合は、0.01〜0.5%の範囲とすることが好ましい。
V:0.01〜0.08%
VはNbとの複合添加により、多重溶接熱サイクル時に析出硬化するので、このような多層溶接時のHAZ軟化防止に寄与する。0.01%以上含有することで、軟化防止効果が発現するが、0.08%を超えて含有すると析出硬化が著しくHAZ靱性を劣化させるため、Vを含有する場合は、0.01〜0.08%の範囲とすることが好ましい。
B:0.0005〜0.0030%
Bはオーステナイト粒界に偏析し、フェライト変態を抑制することで、粒界フェライト生成に起因した母材シャルピー吸収エネルギーの低下を抑制できる。この効果は、0.0005%以上の含有により発揮されるが、0.0030%を超えて含有してもその効果は飽和するため、Bを添加する場合は、0.0005〜0.0030%の範囲とすることが好ましい。
さらに、Bは鋼中の固溶Nと結合してBNを形成しやすいため、十分な固溶B量を確保するために、固溶N量に対応する量を上回るようにしなくてはならない。一方、鋼中のNは上述の通りTiと結合してTiNを形成するため、N量と添加Ti量の化学量論比より固溶N量が計算される。よって、Bを含有する場合には、上記式(2)に示すようにB量が固溶N量(=[N]−[Ti]/3.4)以上となるようB、N、Ti量を制御することが好ましい。なお、上記式(2)中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。
Ca: 0.0005〜0.0040%
製鋼プロセスにおいて、Ca含有量が0.0005%未満の場合、脱酸反応支配でCaSの確保が難しく靱性改善効果が得られず、一方、Ca含有量が0.0040%を超えた場合、粗大CaOが生成しやすくなり、取鍋のノズル閉塞の原因となり、生産性を阻害する。このため、Ca含有量を含有する場合には0.0005〜0.0040%の範囲とすることが好ましい。
本パラメータ式(3)は、母材のシャルピー吸収エネルギーを低下させる鋼中非金属介在物であるMnSを、Ca添加によって無害なCaO・CaSに形態制御するための鋼中O、S含有量とCa含有量との関係を規定したものである。式(3)を満たすことにより、粗大で靱性に悪影響を及ぼすMnS系の介在物生成を抑制するとともに、過剰なCa添加により生成するCaO・CaSの粗大化を抑制することにより、シャルピー吸収エネルギーの低下を防止する。なお、上記式中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。
上記パラメータ式(3)を、より具体的に、以下に説明する。
Caは硫化物形成能を持ち、添加されると製鋼時の溶鋼中でシャルピー吸収エネルギーを低下させるMnSの生成を抑制し、代わりに比較的靱性に無害なCaSを形成する。ただし、Caは酸化物形成元素でもあるため、まず酸化物として消費される分を見込んだ量を添加する必要がある。すなわち、粗大で靱性に悪影響を及ぼす介在物生成抑制の観点から、O:0.003%以下、S:0.001%以下とした上で、CaO生成分を除いた有効CaO量(以下Ca*と記す)を実験結果の回帰による下記式(a)のように規定し、さらに下記式(b)に示すように、CaとSの化学量論比1.25で有効Ca*を割った値が鋼中S量になるようにCaを添加した場合、鋼中Sが全てCaSの生成に費やされる。
なお、下記式(a)、(b)、(c)中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。
一方、Ca含有量が過剰になると、生成するCaO・CaSの粗大化が生じ、シャルピー吸収エネルギーが低下することも判明した。実験室的な検討結果より、このCa粗大化を抑制するには、下記式(c)を満たすことが求められる。
以上より、上記式(b)と式(c)で挟まれる範囲として上述したパラメータ式(3)が規定される。
本発明の鋼材において、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記以外の成分を含有することができる。
[金属組織]
金属組織はベイナイトを主体とし、この母相(第1相)であるベイナイト中に、第2相として、島状マルテンサイトが面積率で5〜15%均一分散し、旧オーステナイト粒界に存在するフェライト相の面積率が全金属組織の5%以下とする。
加速冷却の冷却速度不足等でフェライト主体の組織となった場合、600MPaを超える引張強度の達成が困難となる。一方、マルテンサイト主体の組織とすると、強度は十分確保できるものの、靱性が低下する。このため、金属組織はベイナイトを主体とした組織とする。ベイナイトの面積率は、85%以上が好ましく、90%以上がさらに好ましい。
島状マルテンサイトの面積率:5〜15%
低降伏比を達成するため、ベイナイト中に母相となるベイナイトより硬い第2相として、島状マルテンサイトを均一に分散生成させる。島状マルテンサイトの面積率が5%未満では、降伏比が十分に低くならないため、島状マルテンサイトの面積率の下限を5%とする。
一方、面積率が15%を超えると、母材靱性が著しく劣化するため、島状マルテンサイトの面積率は5〜15%の範囲とする。なお、島状マルテンサイト面積率が15%以下であっても、例えば、旧オーステナイト粒界上にのみ存在するといったような、特定の箇所に偏在してしまうと、靱性低下をもたらすため、ベイナイトの中に均一に分散していることが好ましい。
旧オーステナイト粒界から生成したフェライトの面積率:5%以下
さらに、旧オーステナイト粒界から生成したフェライト(以下、粒界フェライトとも記す)の面積率が5%を超えると、シャルピー吸収エネルギーが著しく低下する。これは、未再結晶温度域圧延等、低温域での圧延によって、オーステナイト粒が圧延方向に伸長し、オーステナイト粒界が圧延面(鋼板面)に平行に並ぶようになり、これらのオーステナイト粒界からフェライト変態が生じると、圧延面(鋼板面)に平行にフェライト粒が並び、シャルピー衝撃試験時に延性破壊する際、主亀裂の進行に先立ち、鋼板面に平行な方向でへき開破壊を生じるため、延性亀裂伝播時のエネルギーが低下するからである。逆に、これらの鋼板面に平行に並ぶ粒界フェライトがなければ、鋼板面に平行な方向のへき開破壊が抑制されて、高い吸収エネルギーを得ることができる。従って、粒界フェライトの面積率は5%以下とする。
本発明の金属組織においては、母相であるベイナイト、および第2相である島状マルテンサイト以外の組織の面積率は小さいほどよい。ただし、前述のように、粒界フェライトは面積率が5%以下であれば許容されるほか、セメンタイトや残留オーステナイトについても、合計の面積率で10%未満であれば、強度、靭性を損なわないので許容される。
セパレーションインデックス(SI):0.05(mm−1)以下
さらに、シャルピー衝撃試験片の破面上におけるセパレーションの指標として、本発明においては、セパレーションインデックス(SI)を用いる。その定義を図2に示す。そして、式(1)で計算されるセパレーションインデックスを0.05(mm−1)以下とする。セパレーションの発生により、シャルピー吸収エネルギーの低下が生じるが、図3に示すシャルピー吸収エネルギーとセパレーションインデックスとの相関関係より、セパレーションインデックスが0.05(mm−1)以下であれば、試験温度:−30℃のシャルピー衝撃試験において、目標とする200J以上の高い吸収エネルギーを得ることができることが判る。
[製造方法]
本発明の鋼管用鋼板は、以下の製造方法により製造することができる。
以下、本発明において規定される鋼の温度条件は、鋼片あるいは鋼板板厚方向平均温度を指すものとする。
鋳造方法:連続鋳造法
ラインパイプ用鋼管素材としての経済性、生産性の観点から鋼管用鋼板の素材用である鋼片の製造は連続鋳造法とすることが好ましい。なお、鋼の製鋼方法については特に限定しないが、ラインパイプ用鋼としての経済性を確保するため、転炉法による製鋼プロセスが望ましい。
鋼片加熱温度:Ac変態点以上1100℃以下
熱間圧延を行う際、鋼片をオーステナイト化するため、鋼のオーステナイト化温度であるAc変態点以上に加熱する。なお、Ac変態点は鋼の成分組成の値を用いて、例えば下記式(4)を用いて計算することができる。一方、1100℃を超えて加熱を行うと、結晶粒粗大化が著しく、母材DWTT性能の劣化が生じるため鋼片加熱温度は、Ac変態点以上1100℃以下の範囲とする。
ただし、各元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
熱間圧延:950℃以下での累積圧下率40〜66%
本発明において、オーステナイト再結晶温度域での熱間圧延は実施してもよいし、しなくてもよい。しかし、オーステナイト未再結晶温度域における熱間圧延は必須である。すなわち、オーステナイト未再結晶温度域である950℃以下で、熱間圧延を行い、オーステナイト粒を伸展させ、その後の加速冷却で変態生成するベイナイトを微細化する。ただし、本発明においては、シャルピー衝撃試験時の破面上へのセパレーション発生を抑制するため、950℃以下での累積圧下率の上限を66%とする。950℃以下での66%を超えるような累積圧下率で熱間圧延を施した場合、セパレーションインデックスが0.05を超え、シャルピー吸収エネルギーが著しく低下する。なお、低温で所望のDWTT性能を達成するため、950℃以下での累積圧下率を40%以上とすることが必要であり、50%以上とすることが好ましい。
熱間圧延:950℃以下の圧延における各圧延パス圧下率10%以下
上記オーステナイト未再結晶温度域における熱間圧延において,シャルピー衝撃試験時の破面上へのセパレーションを抑制するため、累積圧下率の上限を制限する必要があるが、さらに、各圧延パスの圧下率を低減することで、さらにセパレーションの発生を抑制する上で有効である。すなわち、各圧延パス圧下率を10%以下にすると、セパレーションの発生やこれに伴うシャルピー吸収エネルギーの低下を抑制することができるので好ましい。
冷却開始温度:Ar変態点温度以上
引張強度600MPa超の高強度を達成するため、金属組織をベイナイト主体の組織にする必要がある。このため、熱間圧延後加速冷却を実施する。熱間圧延をAr変態点温度以上で終了させた上で、Ar変態点温度以上の温度から加速冷却を開始する。冷却開始温度がフェライト変態開始温度であるAr変態点を下回ると、熱間圧延後、冷却開始までの空冷過程においてオーステナイト粒界から初析フェライトが生成し、母材強度が低下するため、加速冷却を開始する温度をAr変態点以上とする。なお、Ar変態点は鋼の成分組成の値を用いて式(5)により計算することができる。
ただし、各元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
冷却速度: 10〜80℃/s
冷却速度が10℃/s未満の場合、比較的高温で変態が進行するので、十分な強度を得ることができない。一方、80℃/sを超えた冷却速度の場合、後述の冷却停止温度に制御することが難しく、特に表面近傍でマルテンサイト変態が生じ、母材靱性が著しく低下する。このため、冷却速度は10〜80℃/sの範囲とする。
冷却停止温度: 400〜600℃
本発明において、加速冷却の冷却停止温度の規定は、所望の金属組織(ミクロ組織)を得るために重要である。加速冷却の停止後に行う後述の再加熱処理によりCの濃縮した未変態オーステナイトを生成させ、この未変態オーステナイトをその後の空冷時に島状マルテンサイトへと変態させるため、ベイナイト変態途中で未変態オーステナイトが存在する温度域で冷却を停止する必要がある。
冷却停止温度が400℃未満では、ベイナイト変態が完了するため、後述の再加熱後の空冷時に島状マルテンサイトが生成せず低降伏比化が達成できない。一方、冷却停止温度が600℃を超えると冷却中に析出するパーライトにCが消費され、その後に再加熱してから冷却しても島状マルテンサイトが生成しない。このため、冷却停止温度は400〜600℃の範囲とする。
再加熱温度:600〜680℃
加速冷却後ただちに再加熱することで、未変態オーステナイトにCを濃縮させその後の空冷過程で島状マルテンサイトを生成させることができる。加速冷却停止後、再加熱開始までの時間が長い場合、その間の温度低下によって未変態オーステナイトが減少し、加熱後の空冷過程で生成する島状マルテンサイト量が少なくなるため、加速冷却停止から300秒以内で再加熱を開始することが望ましい。好ましくは100秒以内である。
さらに、再加熱温度が600℃未満では、オーステナイトへのC濃化が十分に起こらず、必要とする島状マルテンサイト量を確保することができない。一方、再加熱温度が680℃を超えると、島状マルテンサイト量が15%の上限を超えやすく、シャルピー吸収エネルギーの低下につながるため、再加熱温度を600℃以上、680℃以下とする。
昇温速度が2.0℃/s未満では、目的の再加熱温度に達するまでに長時間を要するため製造効率が悪化し、またMAの粗大化を招く場合があり、十分な低降伏比、一様伸びを得ることができない。この機構は必ずしも明確ではないが、再加熱の昇温速度を2℃/s以上と大きくすることにより、C濃縮領域の粗大化を抑制し、再加熱後の冷却過程で生成するMAの粗大化が抑制されるものと考えられる。
なお、再加熱において、加熱保持時間を設定する必要はない。また、再加熱後の冷却過程においては、冷却速度によらず島状マルテンサイトが生成するため、再加熱後の冷却条件は特に規定しないが、基本的には空冷とすることが好ましい。
加速冷却後の再加熱を行うための設備として、加速冷却を行うための冷却設備の下流側に加熱装置を設置することができる。加熱装置としては、鋼板の急速加熱が可能であるガス燃焼炉や誘導加熱装置を用いることが好ましい。
表1に示す化学組成の鋼を用い、表2に示す熱間圧延・加速冷却・再加熱条件で鋼種A〜Hに対してNo.1〜16の鋼板を作製した。
鋼種A〜Eは発明例、鋼種F〜Hは比較例である。比較例EはCが、比較例FはMnが、比較例GはNbがそれぞれ本発明の範囲外となっている。
作製された鋼板のうち、No.1〜9は発明例を、No.10〜16は比較例を示しており、比較例No.10〜13は製造条件のいずれかが、また、比較例No.14〜16は鋼種成分がそれぞれ発明の範囲外である。
表2の製造方法により得られた鋼板の板幅中央部より金属組織観察用サンプルを採取し、圧延長手方向と平行な板厚断面を鏡面研磨したあと、2段エッチング法を用いて島状マルテンサイトを出現させた。
その後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、2000倍の倍率で無作為に10視野について金属組織写真を撮影し、写真中の島状マルテンサイトの面積率を画像解析装置にて測定した。
さらに、同試料を再鏡面研磨し、ナイタールエッチングを行ってから、光学顕微鏡を用いて400〜1000倍の範囲の倍率で無作為に5視野写真撮影を行い、画像解析処理によって粒界フェライト組織の面積率を算出した。
次に、それぞれの鋼板より圧延方向と直交する方向が、試験片長手方向となるようにAPI−5Lに準拠した全厚引張試験片およびDWTT試験片、および板厚中央位置からJIS Z2202(1980改訂版)のVノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、鋼板の引張試験、DWTT試験、およびシャルピー衝撃試験(JIS Z2242)を実施して、強度と靱性を評価した。
次に、シャルピー衝撃試験後の残片より破面部の外観写真を10倍の倍率で撮影し、その画像から、破面中に存在する、1mm以上の長さを持つ個々のセパレーション長さを計測し、これを元にしてセパレーションインデックスを求めた。
母材の金属組織の画像解析結果および強度・靱性調査結果をまとめて表3に示す。
本発明例であるNo.1〜9は、いずれも本発明の鋼板化学組成、ミクロ組織(金属組織)、圧延・加速冷却・再加熱条件範囲内であり、目標とする引張強度600MPa以上、降伏比80%以下、−20℃でのDWTT延性破面率85%以上、および−30℃でのシャルピー吸収エネルギー200J以上を満足した。
一方、スラブ加熱温度が、本発明の範囲の上限を上回った比較例であるNo.10は、DWTT性能が目標を下回った。950℃以下の熱間圧延での累積圧下率が上限を超えた比較例であるNo.11は、セパレーションの発生が著しく、シャルピー吸収エネルギーが目標を下回った。逆に、950℃以下の熱間圧延での累積圧下率が下限を下回った比較例であるNo.12は、DWTT性能が目標を下回った。加速冷却の冷却開始温度が下限を下回った比較例であるNo.13は、旧オーステナイト粒界上に多量のフェライトが生成した結果、セパレーションの発生が著しく、シャルピー吸収エネルギーが目標を下回った。
また、母材成分のC量が本発明の下限を下回った比較例であるNo.14は、金属組織中の島状マルテンサイト分率が必要量確保できなかったため、低降伏比が得られなかった。逆に、母材成分のMn量、Nb量が本発明の範囲の上限を上回った比較例であるNo.15およびNo.16は、島状マルテンサイト分率が上限を超えたため、母材シャルピー吸収エネルギーが目標を下回った。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.04〜0.08%、Si:0.05〜0.5%、Mn:1.8〜3.0%、P:0.008%以下、S:0.0006%以下、O:0.003%以下、N:0.006%以下、Al:0.003〜0.05%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.05%、Ti:0.005〜0.020%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、金属組織がベイナイトを主体とし、前記ベイナイト中に第2相として島状マルテンサイトが面積率5〜15%で均一分散し、旧オーステナイト粒界に存在するフェライトの面積率が全金属組織の5%以下であって、−30℃の試験温度でシャルピー衝撃試験を行った際の、シャルピー衝撃試験片の破面に存在するセパレーションが下記式(1)で定義されるセパレーションインデックスが0.05(mm−1)以下であることを特徴とする、高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板。
  2. さらに、質量%で、Cu:0.10〜1.0%、Mo:0.01〜0.5%、V:0.003〜0.08%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板。
  3. さらに、質量%で、B:0.0005〜0.0030%を含有し、かつ、BとTiとNが下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板。
    なお、上記式中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。
  4. さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0040%を含有し、かつ、CaとOとSが下記式(3)を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板。
    なお、上記式中の[M]は、鋼中に含有される元素Mの量(質量%)を示す。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の組成を有する鋼を、連続鋳造して鋼片を製造し、該鋼片をAc変態点以上1100℃以下に加熱後、熱間圧延を開始し、950℃以下の温度域における累積圧下率を40〜66%とする熱間圧延を行った後、Ar変態点以上の温度から冷却速度10〜80℃/sで加速冷却を開始し、400〜600℃の温度域で加速冷却を停止した後、ただちに、600〜680℃の温度範囲に再加熱し、以後、空冷することを特徴とする高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板の製造方法。
  6. さらに、950℃以下の温度域での熱間圧延における各圧延パス1回当りの圧下率の平均が10%以下であることを特徴とする請求項5に記載の高靱性かつ高変形性高強度鋼管用鋼板の製造方法。
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