JP2012062870A - 内燃機関の燃料圧力制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料圧力制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料ポンプの燃料吐出量を制御して燃料噴射弁へ供給される燃料圧力を可変に制御する内燃機関の燃料圧力制御装置において、燃料圧力変動を抑制する。
【解決手段】規範応答特性で応答する規範燃圧と検出された実燃圧との偏差(規範偏差)を算出する一方、むだ時間補償器によりむだ時間を考慮しない推定燃圧と、むだ時間の大小に応じて切り換えて算出されるむだ時間を考慮した推定燃圧との偏差(むだ時間偏差)を算出し、規範偏差からむだ時間偏差を減算した最終偏差を用いてフィードバック操作量を設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料ポンプから燃料供給通路を介して燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、燃料ポンプからの燃料吐出量を制御することにより可変に制御する内燃機関の燃料圧力制御装置に関する。
特許文献1には、燃料ポンプの駆動量(燃料吐出量)を制御して燃料圧力を制御する装置において、フィードバック操作量の発散による燃料圧力の変動を抑制するため、目標燃料圧力の変化量に応じてフィードバック制御とフィードフォワード制御とを切り換える技術が開示されている。
特開2003−201895号公報
しかしながら、上記フィードバック操作量の発散は、むだ時間(操作量の変化に対する実燃料圧力変化の応答遅れ)によって生じるものであり、特許文献1では、該むだ時間を考慮した制御ではないため、フィードバック操作量の発散、ひいては、燃料圧力の変動を十分抑制できるものではなかった。
本発明は、このような従来の課題を解決するため、機関運転状態に応じて変化するむだ時間を精度よく補償した制御により、燃料圧力の変動を抑制しつつ応答良く目標燃料圧力に収束できる内燃機関の燃料圧力制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明は、
燃料ポンプから燃料供給通路を介して燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、前記燃料ポンプからの燃料吐出量を制御することにより可変に制御する内燃機関の燃料圧力制御装置であって、以下のように構成される。
燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と、前記検出される燃料圧力を目標燃料圧力に収束させるように、前記燃料ポンプに出力されるフィードバック操作量を算出するフィードバック操作量算出手段と、前記フィードバック操作量の出力変化に燃料圧力が応答するまでのむだ時間を、前記燃料ポンプからの燃料吐出量の要求増加量が大きいときは小さいときより大きい値に設定するむだ時間設定手段と、を含む。
そして、フィードバック操作量算出手段は、前記設定されたむだ時間を用いて前記フィードバック操作量を算出することを特徴とする。
燃料ポンプの要求吐出量の増加量の大小に応じて、可変に設定されたむだ時間を用いてフィードバック操作量を設定することにより、燃料圧力の変動を抑制しつつ目標燃料圧力に応答良く収束させることができる。
実施形態に係る内燃機関の燃料圧力制御装置を示す図 第1の実施形態をモデル化して示す図 同上実施形態に係る制御のブロック図 同上実施形態におけるフィードフォワード操作量演算部bの詳細を示す図 同上実施形態における規範モデル演算部cの詳細を示す図 同上実施形態におけるフィードバック操作量演算部fの詳細を示す図 同上実施形態における各推定燃圧演算部h1〜h3の詳細を示す図 同上実施形態におけるむだ時間特性切り換えフラグ演算部h4の詳細を示す図 同上実施形態におけるむだ時間フラグの切換制御の様子を示すタイムチャート 同上実施形態における目標燃圧変化に対する実燃圧の収束状態を示すタイムチャート 第2の実施形態に係る制御のブロック図 同上実施形態における推定燃圧演算部h12の詳細を示す図 同上実施形態におけるむだ時間学習の例を示すフローチャート 同上むだ時間学習のむだ時間計測の様子を示すタイムチャート
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態に係る内燃機関の燃料圧力制御装置を示す図である。
図1において、燃料タンク1は、エンジン(内燃機関)10の燃料(ガソリン)を貯留するタンクであり、例えば車両の後部座席の下などに配置される。
燃料タンク1には、給油キャップ2で閉塞される給油口3が開口されており、給油キャップ2を外して前記給油口3から燃料が補給される。
燃料タンク1内には、図示省略したブラケットによって電動式の燃料ポンプ4が設置されている。
燃料ポンプ4は、燃料タンク1内のガソリンを吸い込み口から吸い込んで吐出口から吐き出す、例えばタービン式等の電動ポンプであり、前記吐出口には、燃料パイプ5aの一端が接続されている。
前記燃料パイプ5aの他端には、燃料ポンプ4から後述する燃料噴射弁9に向かう燃料の流れを通過させ、前記燃料噴射弁9から燃料ポンプ4に向かう流れ(逆流)を阻止する逆止弁7の入口側が接続される。
前記燃料パイプ5a、燃料パイプ5b、燃料ギャラリーパイプ8によって、燃料ポンプ4から燃料噴射弁9に向けた燃料供給通路が形成される。
前記燃料ギャラリーパイプ8には、その延設方向に沿って気筒数(本実施形態は4気筒)と同じ数の噴射弁接続部8aが設けられ、各噴射弁接続部8aには、燃料噴射弁9の燃料取り入れ口がそれぞれ接続される。
前記燃料噴射弁9は、電磁コイルへの通電によって磁気吸引力が発生すると、スプリングによって閉弁方向に付勢されている弁体がリフトして燃料を噴射する、電磁式燃料噴射弁である。
前記燃料噴射弁9は、エンジン10の各気筒の吸気ポート部にそれぞれ設置され、各気筒に燃料をそれぞれ噴射供給する。
また、前記燃料ギャラリーパイプ8内と燃料タンク1内とを連通させるリリーフパイプ12が設けられて、前記リリーフパイプ12の途中には、リリーフ弁(圧力調整弁)13が介装されている。
前記リリーフ弁13は、弾性体により閉弁方向に付勢されており、燃料ギャラリーパイプ8内の燃料を燃料タンク1内にリリーフする機械式のチェックバルブ(圧力調整弁)であり、燃料ギャラリーパイプ8内の燃料圧力(以下、適宜燃圧と略す)が設定開弁圧以上に増大すると開弁して余剰の燃料を燃料タンク1にリリーフする。
マイクロコンピュータを内蔵する電子制御ユニット(ECU)11は、前記燃料噴射弁9それぞれに対して個別に開弁制御パルス信号を出力して、各燃料噴射弁9による燃料噴射量及び噴射時期を制御する。
前記電子制御ユニット11には、各種センサからの検出信号が入力される。
前記各種センサとしては、エンジン10の吸入空気流量を検出するエアフローメータ21、所定クランク角位置毎に検出信号を出力するクランク角センサ22、エンジン10の冷却水温度Twを検出する水温センサ23、前記燃料ギャラリーパイプ8内における燃圧を検出する燃圧センサ24、前記燃料ギャラリーパイプ8内における燃料の温度を検出する燃温センサ25、車速を検出する車速センサ26などが設けられる。
そして、前記電子制御ユニット11は、目標空燃比の混合気を形成させることができる燃料量に見合う噴射パルス幅を、前記エアフローメータ21,クランク角センサ22,水温センサ23,空燃比センサ26などからの検出信号に基づき算出し、前記噴射パルス幅の開弁制御パルス信号を、各燃料噴射弁9に出力する。電子制御ユニット(ECU)11は、この他のエンジン制御(点火時期、スロットル制御)等も行う。
ポンプコントロールユニット(PCU)14は、前記燃料ポンプ4へのPWM信号の通電デューティ比を制御することで駆動電流(ポンプ駆動量)を変化させて、燃料ポンプ4の燃料吐出量を制御することにより燃圧を制御する。
ここで、前記通電デューティ比の制御は、燃圧センサ24で検出される実際の燃圧が目標燃圧に近づくように、フィードバック制御する。
該フィードバック制御において、燃料ポンプ4は、燃料ギャラリーパイプ8から燃料噴射弁9へ供出される燃料量、つまり燃料噴射弁9からの燃料噴射量に見合った燃料量を吐出する必要があるため、燃料噴射量の増大に応じて通電デューティ比は増大し、また、目標燃圧が高いときは、より燃料吐出量を増大して燃圧を増大させるため、燃圧の増大に応じて通電デューティ比はさらに増大するように設定される。
なお、燃料ポンプ4の通電デューティ比を算出して駆動回路に指示値を出力する制御部は、前記電子制御ユニット11に内蔵してもよいが、ポンプコントロールユニット14に内蔵してもよい。
ここで、燃圧応答の高応答化、応答バラツキの抑制のため、制御対象の物理特性を予めコントロールに設定するモデル制御の適用が考えられる。
モデル制御を実現するためには、操作量(燃料ポンプのモータ電圧)から制御量(燃圧)までを、物理法則に基づいてモデル化する必要があるが、燃圧を可変制御する本装置の場合、構成が複雑で、プログラム容量や演算負荷が大きくなり、実装が困難である。
そこで、本実施形態は、本装置の動特性が機関運転状態に応じて大きく変化するむだ時間が支配的であることに着目し、該むだ時間を物理現象に基づいて可変とするモデルを設計した。これにより、操作量(モータ電圧)から制御量(燃圧)の動特性を、図2に示すように、むだ時間+2次遅れ系伝達関数の極めて簡素化されたモデルで表現することができた。
図3は、燃料ポンプの前記モデルに対応する制御部(電子制御ユニット11またはポンプコントロールユニット14に内蔵)の第1実施形態に係るブロック図を示す。図4〜図8は、各ブロックの詳細を示す。
目標燃圧演算部aは、機関運転状態に基づいて、燃料噴射弁9に供給される燃料の目標圧力、つまり、燃料ギャラリーパイプ8内の目標燃圧を算出する。
フィードフォワード操作量演算部(フィードフォワード補償器)bは、前記目標燃圧を入力し、設計者が希望する応答特性(規範モデル)にしたがって実燃圧を応答させるように、燃料ポンプ4のフィードフォワード操作量を算出する。
図4はフィードフォワード操作量演算部bの詳細を示し、目標燃圧に対し以下のz変換による離散伝達関数を用いてフィードフォワード操作量を算出する。
(b+b・z−1+b・z−2)/(1+a・z−1+a・z−2
ただし、b〜b:フィードフォワード補償器分子係数
〜a:フィードフォワード補償器分母係数
規範モデル演算部(規範燃圧算出手段)cは、目標燃圧を入力し、前記規範モデルにしたがって、応答させたときの燃圧(規範燃圧)を算出する。
図5は規範モデル演算部cの詳細を示し、目標燃圧に対し以下の離散伝達関数を用いて規範燃圧を算出する。
(b+b・z−1+b・z−2)/(1+a・z−1+a・z−2
ただし、b〜b:規範モデル燃圧応答分子係数
〜a:規範モデル燃圧応答分母係数
規範モデル演算部cで算出された規範燃圧と、燃圧センサ24で検出された実燃圧とを、第1の加減器dに入力して、規範偏差(=規範燃圧−検出燃圧)を算出する。
規範偏差と、後述するように算出されるむだ時間偏差とを、第2の加減器eに入力して、最終偏差を算出する。
フィードバック操作量演算部fは、前記最終偏差に基づき、図6に示すようなPI(比例積分)制御等を用いて、フィードバック操作量を算出する。
前記フィードフォワード操作量とフィードバック操作量とが加算器gに入力され、両者を加算した最終の操作量が制御対象である燃料ポンプ4(のモータ駆動回路)に出力される。これにより、燃料ポンプ4からの燃料吐出量を制御することによって、燃圧を規範モデル応答で目標燃圧に収束させる。
かかる基本的なモデル制御において、図3において点線で囲んで示したむだ時間補償器hが設けられる。むだ時間補償器hは、機関運転状態に応じて変化するむだ時間に応じて上記規範偏差を修正するためのむだ時間偏差を算出する。
以下、各部機能の詳細を説明すると、まず、むだ時間を考慮しないときの推定燃圧と、むだ時間が所定値より大きいときと所定値以下の小さいときとで、それぞれに応じた推定燃圧を、各推定燃圧演算部h1〜h3で算出する。
図7は、上記各推定燃圧演算部h1〜h3の詳細を示す。まず、フィードバック操作量に対し、以下の離散伝達関数を用いてフィードバック操作量分の燃圧変化分が、むだ時間を考慮しない推定燃圧として算出される。
(b+b・z−1+b・z−2)/(1+a・z−1+a・z−2
ただし、b〜b:プラントモデル応答分子係数
〜a:プラントモデル応答分母係数
一方、むだ時間を考慮しない推定燃圧に対し、むだ時間相当分の遅延要素(z−1)を与えて、むだ時間が所定値以下の小さいむだ時間を考慮した推定燃圧と、むだ時間が所定値より大の、大きいむだ時間を考慮した推定燃圧がそれぞれ算出される。
ここで、むだ時間が所定値より大の、大きいむだ時間を生じる運転条件、すなわち、燃料ポンプ4からの要求吐出量の増加量が大きい条件として、例えば以下のような場合がある。
A.燃料ポンプ4が停止状態[イグニッションスイッチOFFまたはアイドルストップ(自動停止中)]から、駆動を開始するとき
停止状態から駆動させるときは、燃料ポンプ4からの燃料吐出量が零から増大し、該吐出された燃料が燃料パイプ5b、燃料パイプギャラリ8を介して燃料センサ24に供給されてから燃圧上昇が開始されるため、要求吐出量の増加量が大きくなり、むだ時間が大きくなる。
B.リリーフ弁13(圧力調整弁)の閉弁状態から、設定開弁圧以上の燃圧に昇圧するとき
リリーフ弁13が閉弁して燃料がリターンしない状態から、リリーフ弁13が開弁して燃料がリターンする状態に切り換えられると、燃料パイプギャラリ8内の燃料量が急激に減少し、同一燃圧を維持するためにはリターン燃料量分をステップ的に増加する必要がある。したがって、要求吐出量の増加量が大きく、その分圧力上昇開始が遅れて、むだ時間が大きくなる。
C.加速時等、燃料噴射弁9からの燃料噴射量が急増するとき
この場合も、Bの場合と同様、燃料噴射量の急増によって燃料パイプギャラリ8内の燃料量が急激に減少し、同一燃圧を維持するためには燃料噴射量増加分をステップ的に増加する必要がある。したがって、要求吐出量の増加量が大きく、その分圧力上昇開始が遅れて、むだ時間が大きくなる。
図8は、むだ時間特性切り換えフラグ演算部h4の詳細を示す。
上記条件Aは、ポンプ操作量が所定値未満の状態から所定値を超える状態に移行してから、所定時間経過するまでの期間として判定する。
条件Bは、目標燃圧がリリーフ弁13の開弁圧未満の状態から、設定開弁圧を超える状態に移行してから、所定時間経過するまでの期間として判定する。
条件Cは、単位時間当たりの燃料噴射量(サイクル毎の燃料噴射量TP×機関回転速度NE)が所定値未満の状態から所定値を超える状態に移行してから、所定時間経過するまでの期間として判定する。
そして、これら条件A,B,Cのいずれかを判定したとき、むだ時間特性フラグは、小さいむだ時間特性のフラグ値0から、大きいむだ時間特性のフラグ値1に切り換える。
推定燃圧切換部h5は、上記むだ時間特性切り換えフラグ演算部で算出されたフラグ値に基づいて、小さいむだ時間を考慮した推定燃圧と、大きいむだ時間を考慮した推定燃圧とのいずれかを選択し、第3の加減器h6に出力する。
第3の加算器h6には、前記むだ時間を考慮しない推定燃圧と、選択されたむだ時間を考慮した推定燃圧とが入力され、両者の偏差(=むだ時間を考慮しない推定燃圧−むだ時間を考慮した推定燃圧)が、むだ時間偏差として算出される。
例えば、目標燃圧が変化し、これに伴って規範燃圧さらにはフィードバック操作量が変化しても、むだ時間の間は、実燃圧は変化しない。したがって、実燃圧がまだ規範燃圧の変化に応答しないうちに、規範偏差が拡大する誤差を生じる。このように、誤差分を含んだ規範偏差に基づいてフィードバック操作量を設定すると、フィードバック操作量が要求以上に大きな値として設定されてしまう。この結果、燃圧が過剰に上昇し、次いで逆方向に過剰に減少するハンチング現象を生じ、ひいては燃料噴射量が変動し、運転性が悪化する。
そこで、むだ時間中は、この間にむだ時間が無いと仮定したときに規範燃圧の変化によって変化すると推定される燃圧分をむだ時間偏差として算出する。そして、このむだ時間偏差を規範偏差から差し引き、この値を最終偏差として用いてフィードバック操作量を算出する。これにより、規範偏差を用いて算出されるフィードバック操作量に対し、上記むだ時間中に拡大する誤差分の影響を除去して修正されたフィードバック操作量が用いられることとなり、実燃圧を規範燃圧に応答よく追従させることができる。
そして、本実施形態では、上述したようにむだ時間が機関運転状態に応じて変化することに着目し、むだ時間の大きさに応じた適正なむだ時間偏差を算出することにより、フィードバック操作量を適正に修正しつつ、規範燃圧に対し常に応答性の良いフィードバック制御を行うことができる。
図9は、本実施形態において、上記Aの場合のように燃料ポンプ4を停止状態から駆動させ、その後、例えば、アイドル状態で燃料ポンプの停止状態での燃料圧力から燃料圧力を上昇させた場合のむだ時間フラグの切換制御の様子を示す。停止状態から駆動させるときは、上述したようにむだ時間が大きく、フラグ値はむだ時間が大きいときの値1に切り換わる。所定時間経過後に燃料吐出量の変化量が減少するのでフラグ値はむだ時間が小さいときの値0に戻される。これに対し、燃料ポンプ4の駆動後は、目標燃圧が多少増加しても燃料ポンプ4からの燃料吐出量の増加に対して短時間で燃圧が上昇し、むだ時間が小さいのでフラグ値は0に維持される。
ただし、燃料ポンプ4の駆動後でも、上記Bのように目標燃圧がリリーフ弁13の閉弁圧未満の状態から開弁圧を超える状態に上昇した場合や、加速時に燃料噴射量が急増した場合などは、むだ時間が大きいのでフラグ値は1に設定される。
図10は、本実施形態のようにモデルむだ時間を実際のむだ時間に近づけて設定した場合の目標燃圧変化に対する実燃圧の収束状態を示す。むだ時間補償がない場合、モデルむだ時間が実際のむだ時間に対して小さく設定されている場合と比較し、燃圧変動が良好に抑制されつつ目標燃圧に収束されることが明らかである。
図11は、燃料ポンプの制御部の第2実施形態に係るブロック図を示す。
本第2実施形態では、むだ時間補償器h’にむだ時間学習部h11を備え、むだ時間が大きい条件でむだ時間を計測し、より大きい値を記憶更新(学習)する。
一方、推定燃圧演算部h12は、複数(3以上)のむだ時間を考慮した推定燃圧を算出する(図12参照)。
そして、推定燃圧切換部h13は、学習されたむだ時間に応じて、前記複数のむだ時間の中から学習値に最も近い値のむだ時間を考慮した推定燃圧を選択し、第3の加減器h14に出力する。あるいは、学習されたむだ時間を挟んで最も近い2つのむだ時間を考慮した推定燃圧を選択し、これら選択した2つの推定燃圧を補間演算して得られた値を第3の加減器h14に出力するようにしてもよい。
第3の加減器h13は、第1実施形態と同様、むだ時間を考慮しない推定燃圧から、選択されたむだ時間を考慮した推定燃圧を減算してむだ時間偏差を算出し、該むだ時間偏差を第2の加減器cに出力する。
その他の構成は、図3と同様である。
図13は、上記むだ時間の学習を、燃料ポンプ4を停止状態から駆動するときに行う例のフローを示す。
ステップS1では、イグニッションスイッチがOFFからONへ切り換え後、スタートスイッチがONに切り換えられる前の状態であるかを判定する。
ステップS1の判定がYESの場合は、ステップS2へ進み、燃料温度が所定範囲内にあるか(または、吸気温度が所定範囲内にあるか)を判定する。
ステップS2の判定がYESの場合は、ステップS3へ進み、ポンプ操作量の変化幅が所定値以上であるかを判定する。
ステップS2の判定がYESの場合は、ステップS4へ進み、該判定がYESとなってから燃圧変化幅が所定値以上となるまでの時間を計測し、この計測値をむだ時間計測値としてバックアップ(記憶)する(図14参照)。
次いでステップS5へ進み、3トリップ連続(3回連続した走行)で、むだ時間計測値がむだ時間学習値以上であるかを判定する。
上記判定がYESの場合は、ステップS6へ進んで、むだ時間計測値をむだ時間学習値として更新する。
このように、経時劣化によるむだ時間の変化(増加)を学習し、該学習されたむだ時間を用いて算出したむだ時間偏差で、フィードバック操作量を修正することにより、長期にわたって適正なフィードバック操作量を設定して、燃圧変動を抑制した良好なフィードバック制御を維持することができる。
なお、燃料ポンプ4を停止状態から駆動するとき(条件A)以外の、前記リリーフ弁13の閉弁状態から、開弁圧以上の燃圧に昇圧するとき(条件B)や、加速時等、燃料噴射弁9からの燃料噴射量が急増するとき(条件C)にも、別々にむだ時間を学習し、各条件で、それぞれの学習値に対応する推定燃圧を用いてむだ時間偏差を算出する構成としてもよいことは勿論であり、条件毎に最も適性なむだ時間を用いた最適なフィードバック制御を行うことができる。
また、以上の実施形態では、目標燃圧を規範応答特性で応答させるモデル制御を適用したことにより、所望の応答性を確保しつつ燃圧変動を抑制できるが、かかるモデル制御を適用せず、目標燃圧と実燃圧との偏差をそのまま用いてフィードバック操作量を設定する制御に本発明を適用できることは勿論である。この場合も、同様に機関運転状態に応じて可変に算出されたむだ時間偏差によって修正した偏差を用いてフィードバック操作量を設定することにより、燃圧の変動を抑制でき、運転性を安定化できる。
更に、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料圧力制御装置であって、
前記燃料圧力を規範応答特性で応答させるための前記燃料ポンプのフィードフォワード操作量を算出するフィードフォワード操作量算出手段と、
前記燃料圧力を前記規範モデル応答特性で応答させたときの規範燃料圧力を算出する規範燃圧算出手段と、
を含んで構成され、
前記フィードバック操作量算出手段は、前記規範燃料圧力と前記燃料圧力検出手段によって検出される燃料圧力とに基づいて設定されるフィードバック操作量を、前記むだ時間設定手段で設定されたむだ時間に基づいて修正して算出する。
かかる構成とすれば、所望の応答性を確保しつつ燃圧変動を抑制できる。
(ロ)前記(イ)に記載の内燃機関の燃料圧力制御装置であって、
前記フィードバック操作量算出手段は、前記フィードバック操作量に基づいて、むだ時間を考慮しない推定燃圧と前記むだ時間設定手段で設定されたむだ時間を考慮した推定燃圧を算出し、これら推定燃圧相互の偏差によって、前記規範燃圧と検出された燃料圧力との偏差を修正し、該修正された偏差を用いてフィードバック操作量を算出する。
かかる構成とすれば、むだ時間中に拡大する偏差の誤差分を除去した偏差を用いて適正なフィードバック操作量を算出することができる。
1…燃料タンク、4…燃料ポンプ、5a,5b…燃料パイプ、7…逆止弁、8…燃料ギャラリーパイプ、9…燃料噴射弁、10…内燃機関、11…電子制御ユニット、12…リリーフパイプ、13…リリーフ弁、14…ポンプコントロールユニット、24…燃圧センサ、26…電流センサ

Claims (3)

  1. 燃料ポンプから燃料供給通路を介して燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を、前記燃料ポンプからの燃料吐出量を制御することにより可変に制御する内燃機関の燃料圧力制御装置であって、
    前記燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と、
    前記検出される燃料圧力を目標燃料圧力に収束させるように、前記燃料ポンプに出力されるフィードバック操作量を算出するフィードバック操作量算出手段と、
    前記フィードバック操作量の出力変化に燃料圧力が応答するまでのむだ時間を、前記燃料ポンプからの燃料吐出量の要求増加量が大きいときは小さいときより大きい値に設定するむだ時間設定手段と、
    を含んで構成され、
    前記フィードバック操作量算出手段は、前記設定されたむだ時間を用いて前記フィードバック操作量を算出することを特徴とする内燃機関の燃料圧力制御装置。
  2. 前記内燃機関は、電動式の燃料ポンプと、該燃料ポンプと前記燃料噴射弁との間に接続された燃料供給通路と、該燃料供給通路内に介装され、設定開弁圧以上で開弁して余剰燃料を燃料タンクに戻す圧力調整弁と、を含む燃料供給系を備え、
    前記むだ時間設定手段は、
    前記燃料ポンプが停止状態から駆動を開始したとき、
    または、前記目標燃料圧力が、前記圧力調整弁の設定開弁圧未満から設定開弁圧以上の値に変化したとき、
    または、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量の増加量が所定値以上のとき、
    のいずれかの場合に、前記燃料ポンプからの燃料吐出量の要求増加量が大きいと判定し、これら以外のときよりむだ時間を大きい値に設定する請求項1に記載の内燃機関の燃料圧力制御装置。
  3. 前記むだ時間設定手段は、前記要求増加量が大きいと判定されるときのむだ時間を計測し、該計測したむだ時間が現在設定されているむだ時間より大きいときは、該大きいむだ時間に更新して設定する請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料圧力制御装置。
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