JP2012059614A - 燃料電池発電システムおよびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの受電電力の増大を抑制しつつ、燃料利用率の過度の上昇を防止する
【解決手段】燃料電池発電システムに、燃料電池スタック10と水素の流量を計測する燃料流量計測器60と水素の流量を加減する排気ガス流量調節弁12と制御装置40とを備える。制御装置40は、直流電流計測器51で測定した電流値から燃料電池スタック10で消費された水素消費量を求めて、その値を実水素流量で除して水素利用率を求める。また、制御装置40は、所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める。さらに制御装置40は、水素利用率が上限値を超えたときに、燃料電池スタック10に供給される水素の流量が理論水素流量より大きくなるように排気ガス流量調節弁12を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池発電システムおよびその制御方法に関する。
近年の省エネルギーおよびCO排出量削減への関心の高まりから、高効率なコージェネレーション発電システムである燃料電池発電システムが商用化され、家庭用を中心に普及の段階を迎えている。これらの燃料電池発電システムは、都市ガスやLPGなどの炭化水素を原燃料として、改質反応により水素を取り出して燃料電池の燃料とすることが一般的である。また、将来的に、水素を各家庭に供給するインフラの整備が進んだ場合に普及すると考えられているのが、改質器をはじめとする燃料処理装置を持たない純水素を燃料とする燃料電池発電システムであり、開発が進んできている。
燃料電池発電システムにおいて直流電力を発生する燃料電池スタックは、供給した水素を100%使用せずに、ある程度の濃度の水素が一部消費されずに排出される。供給した水素の内のどの程度の割合の水素を消費したかを示す数値が燃料利用率である。一般的には、燃料電池発電システムは、燃料利用率が80〜90%程度で運転されている。これは、100%近くまで水素を消費してしまうと、燃料電池スタック内で部分的に水素欠乏状態が発生し、燃料電池スタックのセル特性低下の原因となるためである。また、燃料処理装置を持つシステムの場合、排出された未消費の水素をバーナで燃焼させて炭化水素の改質反応に必要な熱源としている。
燃料電池発電システムが発電出力を増加させる場合、燃料電池スタックで発生した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナが出力を調整する。パワーコンディショナは電気的に直流電力から交流電力への変換を行う装置(インバータ)であるため、ミリ秒単位の高速な出力増加が可能である。一方、燃料電池スタックは、水素と空気中の酸素の化学反応で発電している。この化学反応には物質移動を伴い、燃料の量が増加するまでに秒単位の時間遅れが発生する。また、水素リッチなガスを発生させるための燃料処理装置を使用するシステムでは、原燃料から水素リッチなガスへ改質が行われ、そのガスが燃料電池へ供給されるまでの移動に要する時間遅れがプラスされる。このため、このようなシステムでは、燃料電池スタックへの水素供給量増加はさらに遅れることとなる。
よって、発電出力が急増すると、パワーコンディショナが燃料電池スタックから直流電力を急激に多く取り出す一方で、燃料電池スタックに供給される水素の量は直ぐには増加しない。このため、水素が不足気味となり、燃料利用率が100%近くまで高くなるという状況が発生する可能性がある。
このような発電出力上昇時の燃料利用率が高い状態すなわち、燃料電池スタックにおける燃料欠乏の状態の発生を防止するため、発電出力の変化速度を遅くする方法がある。これを実現するために、燃料電池発電システムの出力変化速度に制限を設けるさまざまな方法がある。
また、燃料流量または出力電流値を制御することにより燃料利用率を制御する方法もある。その他、自立運転時や受電電力一定制御のように負荷電力が常時変化する場合に、燃料電池スタックの出力を急激に変化させず、発電出力をゆっくり追従させ、急変部分はバッテリなどの電力貯蔵装置により行う方法もある。
特開平7−57753号公報 特開2009−295522号公報 特開2001−231176号公報
燃料電池発電システムは、燃料電池スタックの燃料利用率が高い状態で運転すると、セル特性が低下するなどの悪影響がある。そこで、一般的には、発電出力電力の変化レートに制限を設けたり、出力電流の変化レートを一定値に制限したりする制御が行われている。これらの方法では、出力上昇時の発電出力変化速度が遅くて負荷追従性が悪く、受電電力が増加して、外部からの受電電力すなわち商用電力系統からの購入電力量が増加する。
また、自立運転時や受電電力一定制御時においても、急激な負荷変化への対応は電力貯蔵装置によって行い、燃料電池発電システムの発電出力はゆっくりと変化させる方法がある。この場合には、システムが複雑化、大型化、高コスト化する。
そこで、本発明は、燃料電池発電システムにおいて、外部からの受電電力の増大を抑制しつつ、燃料利用率の過度の上昇を防止することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、燃料電池発電システムにおいて、水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、単位時間当たり前記燃料電池スタックに供給された実水素流量を求める水素流量導出手段と、単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出手段と、前記水素消費量を前記実水素流量で除して水素利用率を求める水素利用率導出手段と、所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出手段と、前記水素利用率が前記目標水素利用率よりも高い所定の上限値を超えたときに前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御器と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、燃料電池発電システムにおいて、水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出手段と、所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出手段と、前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中であるか否かを判定する発電出力状態判定部と、前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中である場合に前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が前記理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御器と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、を備えた燃料電池発電システムの制御方法において、単位時間当たり前記燃料電池スタックに供給された実水素流量を求める水素流量導出工程と、単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出工程と、前記水素消費量を前記実水素流量で除して水素利用率を求める水素利用率導出工程と、所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出工程と、前記水素利用率が前記目標水素利用率よりも高い所定の上限値を超えたときに前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、を備えた燃料電池発電システムの制御方法において、単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出工程と、所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出工程と、前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中であるか否かを判定する発電出力状態判定工程と、前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中である場合に前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が前記理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池発電システムにおいて、外部からの受電電力の増大を抑制しつつ、燃料利用率の過度の上昇を防止することができる。
本発明に係る燃料電池発電システムの第1の実施の形態におけるブロック図である。 本発明に係る燃料電池発電システムの第1の実施の形態における燃料流量制御部のブロック図である。 本発明に係る燃料電池発電システムの第1の実施の形態における燃料流量の制御のフローチャートである。 本発明に係る燃料電池発電システムの第2の実施の形態における燃料流量制御部のブロック図である。 本発明に係る燃料電池発電システムの第2の実施の形態における燃料流量の制御のフローチャートである。 本発明に係る燃料電池発電システムの第3の実施の形態における燃料流量制御部のブロック図である。 本発明に係る燃料電池発電システムの第3の実施の形態における燃料流量の制御のフローチャートである。
本発明に係る燃料電池発電システムの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る燃料電池発電システムの第1の実施の形態におけるブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システム1は、燃料電池スタック10、排熱回収系30、インバータ52および制御装置40を有している。燃料電池スタック10は、電解質膜を挟んで設けられた燃料極91および空気極92を有している。燃料電池スタック10の内部には、冷却流路93が形成されている。この燃料電池発電システム1には、外部から燃料ガス導入管2および大気導入管3が延びている。また、この燃料電池発電システム1は、商用電力系統7と接続されている。外部の負荷8は、燃料電池発電システム1および商用電力系統7に接続されている。
燃料ガス導入管2は、燃料流量計測器60を介して燃料極91に延びている。水素を含有する燃料ガスは、燃料ガス導入管2によって燃料極91に供給される。大気導入管3は、空気ブロア14を介して空気極92に延びている。大気は、空気ブロア14により吸引され、燃料電池スタック10の空気極92へ供給される。燃料電池スタック10は、燃料極91に供給された水素ガスと、空気極92に供給された空気中の酸素とを用いて発電する。
燃料極91の排気は、排気ガス流量調節弁12を介してアフターバーナー20に送られる。排気ガス流量調節弁12は、燃料極91に流れる水素ガスの流量を調整する。空気極92の排気は、排気ガス流量調節弁12の下流側で燃料極91の排気と混合されてアフターバーナー20に送られる。燃料極91の排気に含まれる水素ガスは、アフターバーナー20で燃焼されて高温の燃焼ガスとなる。
排熱回収系30は、電池冷却水熱交換器17、燃焼ガス熱交換器21および凝縮器22を有している。排熱回収系30は、燃料電池スタック10での発電の際に生じた熱およびアフターバーナー20での排ガスの燃焼によって生じた熱などの燃料電池発電システム1内で発生した熱を回収し、貯湯槽4に湯として蓄える。
また、燃料電池発電システム1は、水タンク25を有している。水タンク25に蓄えられた水は、ポンプ(図示せず)などによって燃料電池スタック10の冷却流路93に送られる。燃料電池スタック10の冷却流路93に送られた水は、燃料電池スタック10での発電の際に発生した熱を回収して温められる。冷却流路93で温められた水は、電池冷却水熱交換器17の高温側を通過して温度が低下する。温度が低下した冷却水は、水タンク25に戻る。
アフターバーナー20での燃焼により生じた高温の燃焼ガスは、燃焼ガス熱交換器21の高温側を通過して温度が低下し、凝縮器22に送られる。また、貯湯槽4から、水がポンプ(図示せず)などによって排熱回収系30に送られる。貯湯槽4から排熱回収系30に送られた水は、凝縮器22、電池冷却水熱交換器17の低温側および燃焼ガス熱交換器21の低温側を通過して温められて、再び貯湯槽4に戻る。凝縮器22に送られた排ガスは、さらに温度が低下して水分が凝縮され、水タンク25の液相部分を通過して気水分離される。水タンク25で気水分離された排ガスは、排気管5から燃料電池発電システム1の外部に排出される。回収された水は、電池冷却水として循環し、燃料電池スタック10の冷却水として用いられる。
制御装置40は、燃料電池の起動、発電運転、停止の各状態において、温度センサー、流量計、圧力計からの情報を元に、温度制御、流量制御、圧力制御を行う。
この燃料電池発電システム1は、パワーコンディショナによって直流電力を交流電力に変換し、発電出力を調整する。パワーコンディショナは、インバータ52を有している。インバータ52の直流入力部は、燃料電池スタック10に接続されている。インバータ52の直流入力部と燃料電池スタック10との間には、直流電流計測器51が設けられている。直流電流計測器51によって測定された直流電流の大きさは、直流電流検出信号81として制御装置40に伝達される。
インバータ52の交流出力部は、商用電力系統7に接続されている。インバータ52の交流出力部と商用電力系統7との間の負荷8に対してインバータ52側には交流電流計測器53が設けられている。交流電流計測器53によって測定された交流電流の大きさは、交流電流検出信号83として制御装置40に伝達される。
また、インバータ52の交流出力部と商用電力系統7との間の負荷8に対してインバータ52側には、電圧計測器54が設けられている。電圧計測器54が測定したインバータ52の交流出力電圧の大きさは、電圧検出信号84として制御装置40に伝達される。
インバータ52の交流出力部と商用電力系統7との間の負荷8に対して商用電力系統7側には、受電点電流計測器6が設けられている。受電点電流計測器6が測定した受電電流の大きさは、受電点電流検出信号80として制御装置40に伝達される。
また、制御装置40には、燃料流量計測器60が測定した燃料流量の大きさが燃料流量計測値信号61として伝達される。制御装置40は、インバータ52との間でデータ伝送ライン82を介してデータ通信を行う。制御装置40は、直流電流計測器51などから伝達された各種信号およびインバータ52から伝達されるデータに基づいて、インバータ52の発電出力を制御する。さらに、制御装置40は、排気ガス流量調節弁12の開度を制御して、燃料電池スタック10の燃料極91に供給される水素量を制御する。
次に通常時の系統連系運転における動作を説明する。
燃料電池発電システム1は、パラメータとして予め設定された内部設定値や、外部からの発電電力設定値に基づき、インバータ52が系統電圧と位相を同期させながら系統へ連系して設定値と一致した電力を発電する。インバータ52の発電電力は、制御装置40に入力される交流電流計測器53の交流電流検出信号83が示す交流電流値と、電圧計測器54の電圧検出信号84が示す電圧値とから算出される。これらから求めた発電電力が発電電力設定値と一致するように制御される。また、受電点電力が一定となるように運転する受電電力一定制御においては、受電点電流計測器6の受電点電流検出信号80が示す受電電流の値と、電圧計測器54の電圧検出信号84が示す電圧値とから算出される受電点電力が一定となるように、インバータ52の発電電力が制御される。
これらの系統連系運転では、発電電力値に応じてインバータ52の入力側の直流電流値が変化する。このため、直流電流計測器51を用いて直流電流を計測する。計測された直流電流計測値は、直流電流検出信号81として制御装置40に入力され、直流電流値に応じ、発電に必要な燃料流量および空気流量が制御される。
次に、燃料流量の制御について説明する。
図2は、本実施の形態における燃料流量制御部のブロック図である。
燃料流量制御部39は、制御装置40の一部である。燃料流量制御部39は、消費水素量算出部41、排気ガス流量算出部42、燃料利用率目標設定部43、排気ガス流量調節弁開度設定部44、燃料利用率算出部46および燃料利用率上限設定部47を有している。消費水素量算出部41には、直流電流検出信号81が伝達される。燃料利用率算出部46には、燃料流量計測値信号61が伝達される。
消費水素量算出部41は、燃料電池スタック10で消費された単位時間当たりの水素量を算出する。燃料利用率算出部46は、燃料電池スタック10に供給された水素のうち燃料電池スタック10での発電で消費された水素の割合、すなわち燃料利用率を算出する。
燃料利用率目標設定部43には、予め目標とする燃料利用率の値が格納されている。燃料利用率上限設定部47には、予め許容する燃料利用率の上限の値が格納されている。
排気ガス流量算出部42は、排気ガス流量を算出する。算出された排気ガス流量に基づいて、排気ガス流量調節弁開度設定部44は、排気ガス流量調節弁12の弁開度を算出する。算出された弁開度は弁開度設定値信号45として排気ガス流量調節弁12に伝達される。
図3は、本実施の形態における燃料流量の制御のフローチャートである。
まず、直流電流計測器51が燃料電池スタック10から取り出された直流電流の大きさを測定する(S1)。次に、消費水素量算出部41は、直流電流検出信号81が示す直流電流値に基づいて、燃料電池スタック10で消費された水素流量、すなわち、単位時間当たりの水素の消費量を算出する(S2)。電流値から水素流量(リットル毎秒:l/sec)への変換は、セル枚数、電流値、ファラデー定数(F)を用いて、以下の式から求められる。
水素消費量(l/sec)
=セル枚数×電流値(C/sec)×22.4(l/mol)/F(C/mol)/2
この水素消費量は、電流値から求められる水素の消費量である。すなわち、この水素消費量と同量の水素が燃料電池スタック10に供給されている場合には、燃料利用率が100%となる。
次に、排気ガス流量算出部42は、水素消費量に基づいて、目標とする燃料利用率に対する理論水素排出量を算出する(S3)。ここで用いる水素消費量は、消費水素量算出部41から伝達される。目標燃料利用率は、予め燃料利用率目標設定部43に記憶させておく。理論水素排出量とは、燃料極91から排出される排気ガス流量、すなわち燃料極91に供給された水素のうち消費されずに排出されるべき水素の流量である。理論水素排出量は、次式で求められる。
理論水素排出量(l/sec)
=水素消費量(l/sec)×(100−燃料利用率設定(%))/100
この理論水素排出量は、目標燃料利用率に対応する理論的な水素の排出量である。
また、燃料利用率算出部46は、水素消費量と燃料流量計測器60が測定した燃料流量計測値信号61が示す燃料流量計測値とに基づいて、実際の燃料利用率を算出する(S4)。ここで用いる水素消費量は、消費水素量算出部41から伝達される。燃料利用率は以下の式から求められる。
燃料利用率(%)
=水素消費量(l/sec)×100(%)/燃料流量計測値(l/sec)
これは、電流値から求めた理論的な消費水素量と、実際に計測した水素流量から求めた実際の燃料利用率である。水素消費量は、直流電流検出信号81が示す直流電流値に基づいて、燃料利用率算出部46が算出してもよい。
さらに、排気ガス流量算出部42は、燃料利用率の上限値と燃料利用率算出部46が算出した実際の燃料利用率とを比較する(S5)。燃料利用率上限値は、予め燃料利用率上限設定部47に記憶させておく。実際の燃料利用率が燃料利用率上限値以下の場合、排気ガス流量算出部42は、目標とする燃料利用率に対する理論水素排出量そのものを水素排出量とする(S6)。
実際の燃料利用率が燃料利用率上限値を超えている場合、排気ガス流量算出部42は、理論水素排出量よりも大きな値に補正した値を水素排出量とする(S7)。実際の燃料利用率が燃料利用率上限値に対して高い方向に乖離していればいるほど、燃料電池スタック10は水素不足の状態に近い。そこで、実際の燃料利用率の燃料利用率上限値からの偏差に応じて補正量を大きくすることが好ましい。補正した水素排出量は、たとえば次式で算出する。
補正後の水素排出量
=理論水素排出量×{1+(燃料利用率−燃料利用率上限値)×K1/100}
ここで、K1は定数である。
このようにして排気ガス流量算出部42が水素排出量を決定した後、排気ガス流量調節弁開度設定部44は、排気ガス流量調節弁12の開度を決定する(S8)。排気ガス流量調節弁12の開度は、排気ガス流量調節弁12の開度と水素排出量との関係を示す排気ガス流量調節弁開度設定関数によって求められる。排気ガス流量調節弁開度設定関数は、予め排気ガス流量調節弁開度設定部44に記憶させておく。
決定された排気ガス流量調節弁12の開度を示す弁開度設定値信号45は、排気ガス流量調節弁開度設定部44によって排気ガス流量調節弁12に伝達される。これにより、排気ガス流量調節弁12は、弁開度設定値信号45が示す開度となるように開く。その結果、燃料電池スタック10からの水素排出量は、排気ガス流量算出部42が決定した量となる。
このように、本実施の形態では、排気ガス流量調節弁12が、燃料電池スタック10に供給される水素の流量を加減する燃料加減手段として機能している。また、燃料流量計測器60は、単位時間当たりに燃料電池スタック10に供給された実水素流量を求めている。消費水素量算出部41は、直流電流値に基づいて燃料電池スタック10で消費された水素消費量を求めている。燃料利用率算出部46は、水素消費量を実水素流量で除して水素利用率を求めている。排気ガス流量算出部42は、所定の目標燃料利用率に対する理論水素流量を求めている。
さらに、排気ガス流量算出部42は、目標水素利用率よりも高い燃料利用率上限値以下の水素利用率のときには、水素流量が目標水素利用率に対応した理論水素流量となるように、排気ガス流量調節弁12を制御している。また、排気ガス流量算出部42は、水素利用率が燃料利用率上限値を超えたときには、燃料電池スタック10に供給される水素流量が理論水素流量より大きくなるように、排気ガス流量調節弁12を制御している。なお、本実施の形態では、燃料極91から排出される水素排出量が理論水素排出量よりも大きくなるように排気ガス流量調節弁12を制御することによって、間接的に、燃料電池スタック10に供給される水素流量が理論水素流量より大きくなるように制御している。
負荷の急増に伴って発電出力が急増すると、インバータ52に向かって燃料電池スタック10から流れる電流が増加する。その結果、燃料電池スタック10で単位時間当たりに消費される水素量が増大し、水素利用率が上昇する。
しかし、本実施の形態の燃料電池発電システム1では、負荷の急増によって燃料利用率が上昇して燃料利用率上限値を逸脱した場合、排気ガス流量が増加するように補正を加えた結果を用いて排気ガス流量調節弁12を制御する。その結果、燃料電池スタック10の燃料極91に供給される水素流量が増加し、燃料欠乏を発生させずに安定した運転を継続することができる。
したがって、本実施の形態では、燃料利用率の過度の上昇を防止しつつ、燃料電池発電システム1の負荷追従性が良くなり、最低出力から最高出力までの負荷上昇を5秒程度で変化させることができる。従来の燃料電池発電システムの負荷上昇速度が、最低出力から最高出力まで100秒以上掛かっていたことと比較して、受電電力の増加期間を1/20程度にすることが可能である。その結果、外部からの受電電力の増大を抑制することができる。つまり、バッテリなどの電力貯蔵装置が不要で、かつ、構成が単純で小型化が可能な、負荷の急増に対する追従性が良い燃料電池発電システムが提供できる。
本実施の形態では、制御装置40とインバータ52は、データ伝送ライン82を介した通信によりデータを授受しているが、制御装置40とインバータ52とを物理的に一体型の基板に設けてもよい。また、直流電流計測器51の計測値、電圧計測器54の計測値をインバータ52に直接入力しても同様の制御が可能である。
また、水素流量の補正は上述の式以外の方法であっても、理論排水素流量よりも排気ガス流量を増加させる補正であればよい。たとえば、単純に理論排水素流量を定数倍する補正や、固定流量を加算するというオフセット補正、燃料利用率上限設定と燃料利用率の偏差に応じて乗算あるいは加算する補正量を関数として定義するという補正でもよい。さらに、たとえば固定流量を加算するというオフセット補正であれば、燃料極91の排ガス流路にバイパス流路を設け、このバイパス流路に設けたバイパス弁の開閉によって排気ガス流量を増加させてもよい。
本実施の形態の燃料電池発電システム1では、圧力調整済みの水素ガスが直接供給されることを想定している。この場合、排気ガス流量調節弁12が燃料極91の下流に設けることによって、燃料処理装置における水素生産量の上昇の遅れや、燃料極91の上流で燃料流量を増加させてから燃料極まで燃料が移動する時間遅れがない。その結果、燃料極91において燃料欠乏が生じる可能性がより低減する。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係る燃料電池発電システムの第2の実施の形態における燃料流量制御部のブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第1の実施の形態と燃料流量制御部39が異なっている。本実施の形態の燃料流量制御部39は、消費水素量算出部41、排気ガス流量算出部42、燃料利用率目標設定部43、排気ガス流量調節弁開度設定部44および発電出力状態判定部48を有している。消費水素量算出部41には、直流電流検出信号81が伝達される。発電出力状態判定部48は、インバータ52(図1参照)とデータ伝送ライン82で接続されている。発電出力状態判定部48には、データ伝送ライン82を介して、インバータ52から発電電力計測値信号および発電電力設定値信号が伝達される。
消費水素量算出部41は、燃料電池スタック10(図1参照)で消費された単位時間当たりの水素量を算出する。発電出力状態判定部48は、インバータ52での発電の状態を判定する。発電出力状態の判定結果は、排気ガス流量算出部42へ伝達される。
排気ガス流量算出部42は、排気ガス流量を算出する。算出された排気ガス流量に基づいて、排気ガス流量調節弁開度設定部44は、排気ガス流量調節弁12の弁開度を算出する。算出された弁開度は弁開度設定値信号45として排気ガス流量調節弁12に伝達される。
図5は、本実施の形態における燃料流量の制御のフローチャートである。
まず、直流電流計測器51(図1参照)が燃料電池スタック10から取り出された直流電流の大きさを測定する(S1)。次に、消費水素量算出部41は、直流電流検出信号81が示す直流電流値に基づいて、燃料電池スタック10で消費された水素流量、すなわち、単位時間当たりの水素の消費量を算出する(S2)。電流値から水素流量(リットル毎秒:l/sec)への変換は、セル枚数、電流値、ファラデー定数(F)を用いて、以下の式から求められる。
水素消費量(l/sec)
=セル枚数×電流値(C/sec)×22.4(l/mol)/F(C/mol)/2
この水素消費量は、電流値から求められる水素の消費量である。すなわち、この水素消費量と同量の水素が燃料電池スタック10に供給されている場合には、燃料利用率が100%となる。
次に、排気ガス流量算出部42は、水素消費量に基づいて、目標とする燃料利用率に対する理論水素排出量を算出する(S3)。ここで用いる水素消費量は、消費水素量算出部41から伝達される。目標燃料利用率は、予め燃料利用率目標設定部43に記憶させておく。理論水素排出量とは、燃料極91(図1参照)から排出される排気ガス流量、すなわち燃料極91に供給された水素のうち消費されずに排出されるべき水素の流量である。理論水素排出量は、次式で求められる。
理論水素排出量(l/sec)
=水素消費量(l/sec)×(100−燃料利用率設定(%))/100
この理論水素排出量は、目標燃料利用率に対応する理論的な水素の排出量である。
発電出力状態判定部48は、インバータ52から伝達された発電電力計測値信号および発電電力設定値信号に基づいて、発電出力が上昇中か否かを判定する(S15)。発電出力が上昇中ではない場合、排気ガス流量算出部42は、目標とする燃料利用率に対する理論水素排出量そのものを水素排出量とする(S6)。
発電出力が上昇中の場合、排気ガス流量算出部42は、理論水素排出量よりも大きな値に補正した値を水素排出量とする(S17)。発電出力の上昇速度が速ければ速いほど、燃料電池スタック10は水素不足の状態に近い。そこで、出力上昇速度に応じて補正量を大きくすることが好ましい。補正した水素排出量は、たとえば次式で算出する。
補正後の水素排出量
=理論排水素流量×{1+(出力上昇速度)×K2}
ここで、K2は定数である。
このような補正により、出力上昇速度が速いほど補正後の水素排出量は大きくなる。たとえば、50W/secの上昇速度と定数K2=0.01の場合、理論排水素流量の1.5倍が補正排気ガス流量となる。このとき、出力上昇速度が100W/secに倍増すると、補正排気ガス流量は2.0倍に増加し、水素流量をより多く増加させることが可能である。
このようにして排気ガス流量算出部42が水素排出量を決定した後、排気ガス流量調節弁開度設定部44は、排気ガス流量調節弁12の開度を決定する(S8)。排気ガス流量調節弁12の開度は、排気ガス流量調節弁12の開度と水素排出量との関係を示す排気ガス流量調節弁開度設定関数によって求められる。気ガス流量調節弁開度設定関数は、予め排気ガス流量調節弁開度設定部44に記憶させておく。
決定された排気ガス流量調節弁12の開度を示す弁開度設定値信号45は、排気ガス流量調節弁開度設定部44によって排気ガス流量調節弁12に伝達される。これにより、排気ガス流量調節弁12は、弁開度設定値信号45が示す開度となるように開く。その結果、燃料電池スタック10からの水素排出量は、排気ガス流量算出部42が決定した量となる。
このように、本実施の形態では、排気ガス流量調節弁12が、燃料電池スタック10に供給される水素の流量を加減する燃料加減手段として機能している。また、消費水素量算出部41は、直流電流値に基づいて燃料電池スタック10で消費された水素消費量を求めている。排気ガス流量算出部42は、所定の目標燃料利用率に対する理論水素流量を求めている。発電出力状態判定部48は、インバータ52の発電出力が上昇中であるか否かを判定することによって、燃料電池スタックの発電出力が上昇中であるか否かを判定する。
さらに、排気ガス流量算出部42は、燃料電池スタックの発電出力が上昇中でないときには、水素流量が目標水素利用率に対応した理論水素流量となるように、排気ガス流量調節弁12を制御している。また、排気ガス流量算出部42は、燃料電池スタックの発電出力が上昇中のときには、燃料電池スタック10に供給される水素流量が理論水素流量より大きくなるように、排気ガス流量調節弁12を制御している。なお、本実施の形態では、燃料極91から排出される水素排出量が理論水素排出量よりも大きくなるように排気ガス流量調節弁12を制御することによって、間接的に、燃料電池スタック10に供給される水素流量が理論水素流量より大きくなるように制御している。
負荷の急増に伴って発電出力が急増すると、インバータ52に向かって燃料電池スタック10から流れる電流が増加する。その結果、燃料電池スタック10で単位時間当たりに消費される水素量が増大し、水素利用率が上昇する。
しかし、本実施の形態の燃料電池発電システム1では、そのように負荷の増加に伴ってインバータ52の発電出力が上昇中である場合、排気ガス流量が増加するように補正を加えた結果を用いて排気ガス流量調節弁12を制御する。その結果、燃料電池スタック10の燃料極91に供給される水素流量が増加し、燃料欠乏を発生させずに安定した運転を継続することができる。
したがって、本実施の形態では、燃料利用率の過度の上昇を防止しつつ、燃料電池発電システム1の負荷追従性が良くなる。その結果、外部からの受電電力の増大を抑制することができる。つまり、バッテリなどの電力貯蔵装置が不要で、かつ、構成が単純で小型化が可能な、負荷の急増に対する追従性が良い燃料電池発電システムが提供できる。
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る燃料電池発電システムの第3の実施の形態における燃料流量制御部のブロック図である。
本実施の形態の燃料電池発電システムは、第1の実施の形態と燃料流量制御部39が異なっている。本実施の形態の燃料流量制御部39は、消費水素量算出部41、排気ガス流量算出部42、燃料利用率目標設定部43、排気ガス流量調節弁開度設定部44、燃料利用率算出部46、燃料利用率上限設定部47、発電出力状態判定部48および燃料利用率上限設定判定処理部49を有している。消費水素量算出部41には、直流電流検出信号81が伝達される。発電出力状態判定部48は、インバータ52(図1参照)とデータ伝送ライン82で接続されている。発電出力状態判定部48には、データ伝送ライン82を介して、インバータ52から発電電力計測値信号および発電電力設定値信号が伝達される。
消費水素量算出部41は、燃料電池スタック10(図1参照)で消費された単位時間当たりの水素量を算出する。燃料利用率算出部46は、燃料電池スタック10に供給された水素のうち燃料電池スタック10での発電で消費された水素の割合、すなわち燃料利用率を算出する。発電出力状態判定部48は、インバータ52での発電の状態を判定する。発電出力状態の判定結果は、排気ガス流量算出部42へ伝達される。
燃料利用率目標設定部43には、予め目標とする燃料利用率の値が格納されている。燃料利用率上限設定部には、予め許容する燃料利用率の上限の値が格納されている。
発電出力状態判定部48の判定結果と、燃料利用率上限設定部47に記憶された燃料利用率上限値とは、燃料利用率上限設定判定処理部49に伝達される。燃料利用率上限設定判定処理部49の判定結果は、排気ガス流量算出部42に伝達される。
排気ガス流量算出部42は、排気ガス流量を算出する。算出された排気ガス流量に基づいて、排気ガス流量調節弁開度設定部44は、排気ガス流量調節弁12(図1参照)の弁開度を算出する。算出された弁開度は弁開度設定値信号45として排気ガス流量調節弁12に伝達される。
図7は、本実施の形態における燃料流量の制御のフローチャートである。
まず、直流電流計測器51(図1参照)が燃料電池スタック10から取り出された直流電流の大きさを測定する(S1)。次に、消費水素量算出部41は、直流電流検出信号81が示す直流電流値に基づいて、燃料電池スタック10で消費された水素流量、すなわち、単位時間当たりの水素の消費量を算出する(S2)。電流値から水素流量(リットル毎秒:l/sec)への変換は、セル枚数、電流値、ファラデー定数(F)を用いて、以下の式から求められる。
水素消費量(l/sec)
=セル枚数×電流値(C/sec)×22.4(l/mol)/F(C/mol)/2
この水素消費量は、電流値から求められる水素の消費量である。すなわち、この水素消費量と同量の水素が燃料電池スタック10に供給されている場合には、燃料利用率が100%となる。
次に、排気ガス流量算出部42は、水素消費量に基づいて、目標とする燃料利用率に対する理論水素排出量を算出する(S3)。ここで用いる水素消費量は、消費水素量算出部41から伝達される。目標燃料利用率は、予め燃料利用率目標設定部43に記憶させておく。理論水素排出量とは、燃料極91(図1参照)から排出される排気ガス流量、すなわち燃料極91に供給された水素のうち消費されずに排出されるべき水素の流量である。理論水素排出量は、次式で求められる。
理論水素排出量(l/sec)
=水素消費量(l/sec)×(100−燃料利用率設定(%))/100
この理論水素排出量は、目標燃料利用率に対応する理論的な水素の排出量である。
また、燃料利用率算出部46は、水素消費量と燃料流量計測器60が測定した燃料流量計測値信号61が示す燃料流量計測値とに基づいて、実際の燃料利用率を算出する(S4)。ここで用いる水素消費量は、消費水素量算出部41から伝達される。燃料利用率は以下の式から求められる。
燃料利用率(%)
=水素消費量(l/sec)×100(%)/燃料流量計測値(l/sec)
これは、電流値から求めた理論的な消費水素量と、実際に計測した水素流量から求めた実際の燃料利用率である。水素消費量は、直流電流検出信号81が示す直流電流値に基づいて、燃料利用率算出部46が算出してもよい。
発電出力状態判定部48は、インバータ52から伝達された発電電力計測値信号および発電電力設定値信号に基づいて、発電出力が上昇中か否かを判定する(S15)。発電出力が上昇中ではない場合、燃料利用率上限設定判定処理部49は、燃料利用率上限設定部47に記憶された値そのものを燃料利用率上限値とする(S21)。
発電出力が上昇中である場合、燃料利用率上限設定判定処理部49は、燃料利用率上限設定部47に記憶された値を補正して燃料利用率上限値を算出する(S22)。発電出力の上昇速度が速ければ速いほど、水素不足の状態に近い。そこで、出力上昇速度に応じて補正量を大きくすることが好ましい。補正した燃料利用率上限値は、たとえば次式で算出する。
補正後の燃料利用率上限値
=燃料利用率上限設定−(出力上昇速度)×K3
ここで、K3は定数である。
このような補正により、出力上昇速度が速いほど補正後の燃料利用率上限値は小さくなる。たとえば、50W/secの上昇速度と定数K3=0.1の場合、補正後の燃料利用率上限値は5%低下する。このとき、出力上昇速度が100W/secに倍増すると、燃料利用率上限値が10%低下する。
さらに、排気ガス流量算出部42は、燃料利用率の上限値と燃料利用率算出部46が算出した実際の燃料利用率とを比較する(S5)。実際の燃料利用率が燃料利用率上限値以下の場合、排気ガス流量算出部42は、目標とする燃料利用率に対する理論水素排出量そのものを水素排出量とする(S6)。
実際の燃料利用率が燃料利用率上限値を超えている場合、排気ガス流量算出部42は、理論水素排出量よりも大きな値に補正した値を水素排出量とする(S7)。実際の燃料利用率が燃料利用率上限値に対して高い方向に乖離していればいるほど、燃料電池スタック10は水素不足の状態に近い。そこで、実際の燃料利用率の燃料利用率上限値からの偏差に応じて補正量を大きくすることが好ましい。補正した水素排出量は、たとえば次式で算出する。
補正後の水素排出量
=理論水素排出量×{1+(燃料利用率−燃料利用率上限値)×K1/100}
ここで、K1は定数である。
このようにして排気ガス流量算出部42が水素排出量を決定した後、排気ガス流量調節弁開度設定部44は、排気ガス流量調節弁12の開度を決定する(S8)。排気ガス流量調節弁12の開度は、排気ガス流量調節弁12の開度と水素排出量との関係を示す排気ガス流量調節弁開度設定関数によって求められる。排気ガス流量調節弁開度設定関数は、予め排気ガス流量調節弁開度設定部44に記憶させておく。
決定された排気ガス流量調節弁12の開度を示す弁開度設定値信号45は、排気ガス流量調節弁開度設定部44によって排気ガス流量調節弁12に伝達される。これにより、排気ガス流量調節弁12は、弁開度設定値信号45が示す開度となるように開く。その結果、燃料電池スタック10からの水素排出量は、排気ガス流量算出部42が決定した量となる。
負荷の急増に伴って発電出力が急増すると、インバータ52に向かって燃料電池スタック10から流れる電流が増加する。その結果、燃料電池スタック10で単位時間当たりに消費される水素量が増大し、水素利用率が上昇する。
しかし、本実施の形態の燃料電池発電システム1では、負荷の急増によって燃料利用率が上昇して燃料利用率上限値を逸脱した場合、排気ガス流量が増加するように補正を加えた結果を用いて排気ガス流量調節弁12を制御する。その結果、燃料電池スタック10の燃料極91に供給される水素流量が増加し、燃料欠乏を発生させずに安定した運転を継続することができる。
さらに本実施の形態では、発電出力の上昇速度が速いほど燃料利用率上限値が低下する。このため、発電出力の上昇速度が速い、すなわち、水素欠乏が発生する危険が大きいほど、低い燃料利用率をしきい値として水素排出量の補正が開始される。このため、燃料利用率上限値を発電出力の上昇速度によらず一定としている場合に比べて、燃料電池スタック10での水素欠乏の防止動作がより早く開始される。
したがって、本実施の形態では、燃料利用率の過度の上昇を防止しつつ、燃料電池発電システム1の負荷追従性が良くなる。その結果、外部からの受電電力の増大を抑制することができる。つまり、バッテリなどの電力貯蔵装置が不要で、かつ、構成が単純で小型化が可能な、負荷の急増に対する追従性が良い燃料電池発電システムが提供できる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
1…燃料電池発電システム、2…燃料ガス導入管、3…大気導入管、4…貯湯槽、5…排気管、6…受電点電流計測器、7…商用電力系統、8…負荷、10…燃料電池スタック、12…排気ガス流量調節弁、14…空気ブロア、17…電池冷却水熱交換器、20…アフターバーナー、21…燃焼ガス熱交換器、22…凝縮器、25…水タンク、30…排熱回収系、39…燃料流量制御部、40…制御装置、41…消費水素量算出部、42…排気ガス流量算出部、43…燃料利用率目標設定部、44…排気ガス流量調節弁開度設定部、45…弁開度設定値信号、46…燃料利用率算出部、47…燃料利用率上限設定部、48…発電出力状態判定部、49…燃料利用率上限設定判定処理部、51…直流電流計測器、52…インバータ、53…交流電流計測器、54…電圧計測器、60…燃料流量計測器、61…燃料流量計測値信号、80…受電点電流検出信号、81…直流電流検出信号、82…データ伝送ライン、83…交流電流検出信号、84…電圧検出信号、91…燃料極、92…空気極、93…冷却流路

Claims (5)

  1. 水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、
    単位時間当たり前記燃料電池スタックに供給された実水素流量を求める水素流量導出手段と、
    単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出手段と、
    前記水素消費量を前記実水素流量で除して水素利用率を求める水素利用率導出手段と、
    所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出手段と、
    前記水素利用率が前記目標水素利用率よりも高い所定の上限値を超えたときに前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御器と、
    を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中であるか否かを判定する発電出力状態判定部と、
    前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中である場合に前記上限値を小さくする燃料利用率上限設定判定処理部と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、
    単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出手段と、
    所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出手段と、
    前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中であるか否かを判定する発電出力状態判定部と、
    前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中である場合に前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が前記理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御器と、
    を有することを特徴とする燃料電池発電システム。
  4. 水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、を備えた燃料電池発電システムの制御方法において、
    単位時間当たり前記燃料電池スタックに供給された実水素流量を求める水素流量導出工程と、
    単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出工程と、
    前記水素消費量を前記実水素流量で除して水素利用率を求める水素利用率導出工程と、
    所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出工程と、
    前記水素利用率が前記目標水素利用率よりも高い所定の上限値を超えたときに前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
  5. 水素を供給されて発電する燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに供給される水素の流量を加減する燃料加減手段と、を備えた燃料電池発電システムの制御方法において、
    単位時間当たり前記燃料電池スタックで消費された水素消費量を求める水素消費量導出工程と、
    所定の目標水素利用率に対する理論水素流量を求める理論水素流量導出工程と、
    前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中であるか否かを判定する発電出力状態判定工程と、
    前記燃料電池スタックの発電出力が上昇中である場合に前記燃料電池スタックに供給される水素の流量が前記理論水素流量より大きくなるように前記燃料加減手段を制御する燃料加減手段制御工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。
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