JP2012059391A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池異常時に安全性の高いリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン電池には、非水電解液を形成する混合溶媒にエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの2種類の有機溶媒が用いられており、非水電解液には、ジエチルカーボネートと同様の官能基であるエトキシ基を有するホスファゼンAの液体状難燃剤が添加されている。リチウムイオン電池を長期間に亘り放置したときに、ホスファゼンAが有機溶媒と官能基置換反応を起こすことがなく、難燃剤としての性質が維持されることで、電池異常時に非水電解液の難燃性が十分に発揮され、電池の安全性を確保できる。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン電池に係り、特に、正負極板をセパレータを介して配置した電極群が有機溶媒にリチウム塩を混合した非水電解液に浸潤され電池容器に収容されたリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池は、高電圧・高エネルギー密度であり、かつ、貯蔵性能や低温作動性能に優れるため、広く民生用の携帯型電気製品に使用されている。また、この電池を大型化し、電気自動車用や家庭用の夜間電力貯蔵装置として活用するための研究、開発が盛んに行われている。
しかし、電池内に異物が混入していた場合や、電池制御部や充電器の故障で過充電等の電池異常状態に陥った場合に、電池温度が上昇し、正負極板を隔離するセパレータが溶解することで内部短絡が発生する。内部短絡が発生すると、電池温度のさらなる上昇が起こるとともに非水電解液の分解によるガス発生で電池内圧が上昇し、電池容器ないし電池蓋に設けられた開裂弁から外部へのガス噴出が起こり、さらに短絡時の火花によって破裂や発火に至る場合もある。
従来、電池異常時の対策として、分解ガスによる内圧上昇を利用して、電池缶に設けられた開裂弁や電流遮断弁を作動させることで電池の破裂前に内圧低下を図る技術(例えば、特許文献1、2参照)や、非水電解液に1種類のリン酸エステル系やホスファゼン系の難燃剤を添加する技術(例えば、特許文献3、4参照)が知られている。
特開平11−219692号公報 特開2005−108503号公報 特開平5−151971号公報 特開2001−217007号公報
しかしながら、従来技術のように非水電解液中に難燃剤を添加する方法では、電池を放置する間に難燃剤が非水電解液中の有機溶媒と官能基置換反応を起こし、難燃剤の分子構造が変化してしまうため、難燃性が徐々に低下してしまうことがある。このため、電池異常時に非水電解液の難燃性が十分に発揮されず、安全性確保の点で改善の余地があった。
本発明は上記事案に鑑み、電池異常時に安全性の高いリチウムイオン電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正負極板をセパレータを介して配置した電極群が有機溶媒にリチウム塩を混合した非水電解液に浸潤され電池容器に収容されたリチウムイオン電池において、前記有機溶媒は複数の有機溶媒が混合されたものであり、前記非水電解液には前記複数の有機溶媒のうち少なくとも1種の有機溶媒と同様の官能基を有する難燃剤が添加されていることを特徴とする。
本発明において、有機溶媒はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを含む混合有機溶媒であり、非水電解液にはジエチルカーボネートと同様のエトキシ基を有するホスファゼン系難燃剤が添加されるようにしてもよい。このとき、非水電解液に対して難燃剤の添加量は5〜35質量%の範囲とすることが好ましい。
本発明によれば、複数の有機溶媒のうち少なくとも1種の有機溶媒と同様の官能基を有
する難燃剤が添加されていることで、電池を長期間に亘り放置しても、非水電解液中で難燃剤と有機溶媒とが官能基置換反応を起こしにくく、難燃剤としての性質が維持されるため、電池異常時に電池の安全性を確保することができる、という効果を得ることができる。
本発明が適用可能な実施形態のリチウムイオン電池の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を据置電源装置用のリチウムイオン電池に適用した実施の形態ついて説明する。
(概要)
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン電池20は、ケーシングとして、無底円筒状の電池容器5と、電池容器5の両端部に配置された2つの円盤状の電池蓋4とを有している。ケーシング内には、中空円筒状でポリプロピレン製の軸芯11を中心に正極板および負極板がセパレータを介して配置された電極群6が非水電解液(不図示)に浸潤されて収容されている。
非水電解液には、詳細を後述するように、複数の有機溶媒を混合した混合有機溶媒にリチウム塩を溶解したものが用いられている。また、非水電解液には、混合有機溶媒を形成する複数の有機溶媒のうち少なくとも1種の有機溶媒と同様の官能基を有する液体状難燃剤が非水電解液に対して5〜35質量%の割合で添加されているが、この難燃剤の詳細についても後述する。
また、リチウムイオン電池20は、電極群6を介して互いに上下方向反対側の位置に配置されたアルミニウム製の正極極柱13および銅製の負極極柱13’を備えている。正極極柱13は、正極板から導出された正極リード片9が周縁に接合され一面側(図1では底面側)が軸芯11に当接する鍔部7、軸芯11内に挿入された突出部18および該突出部18の反対側で電池蓋4から露出した端子部1を有し、これら鍔部7、突出部18および端子部1は一体形成されている。一方、負極極柱13’は、負極板から導出された負極リード片9’が周縁に接合され一面側(図1では上面側)が軸芯11に当接する鍔部7’、正極極柱13の突出部18とは反対側で軸芯11内に挿入された突出部18’および該突出部18’の反対側で電池蓋4から露出した端子部1’を有し、これら鍔部7’、突出部18’および端子部1’は一体形成されている。
(作製手順)
次に、本実施形態のリチウムイオン電池20についてさらに詳しく説明するとともに、リチウムイオン電池20の作製手順について説明する。
(正極板の作製)
電極群6を構成する正極板を以下の方法で作製した。正極用活物質としてマンガン酸リチウム(LiMn)粉末と、導電剤として燐片状黒鉛(平均粒径:20μm)と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを混合し、この混合物に分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加した後、混練してスラリを作製した。このスラリを厚み20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布して正極合剤層とした。スラリの塗布の際に、アルミニウム箔の長寸方向に対して、側縁の一方に幅50mmの未塗布部分を残した。その後、乾燥、プレス、裁断して幅389mm、長さが5100mmの正極板を得た。なお、正極合剤層の厚さ(ただし、集電体の厚さは含まない)を275μm、集電体片面あたりの正極活物質塗布量を350g/mとした。
正極板に形成した幅50mmの未塗布部に切り欠きを入れてその一部を除去し、矩形状(櫛状)の部分を形成して集電用の正極リード片9として用いた。なお、正極リード片9の幅を約10mm、隣り合う正極リード片9の間隔を約20mmとした。
(負極板の作製)
一方、電極群6を構成する負極板を以下の方法で作製した。負極用活物質として人造黒鉛粉末と、結着剤としてPVDFとを混合し、この混合物に分散溶媒としてNMPを添加した後、混練してスラリを作製した。このスラリを厚みが10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面に塗布して負極合剤層を形成した。スラリの塗布の際には、銅箔の長寸方向に対して、側縁の一方に幅50mmの未塗布部を残した。その後乾燥、プレス、裁断して幅395mm、長さ5290mmの負極板を得た。負極合剤層の厚さ(集電体厚さは含まない。)を201μm、集電体片面あたりの負極活物質塗布量を130.8g/mとした。
負極板に形成した幅50mmの未塗布部に切り欠きを入れてその一部を除去し、矩形状の部分を形成して集電用の負極リード片9’として用いた。なお、負極リード片9’の幅を約10mm、隣り合う負極リード片9’の間隔を約20mmとした。
なお、正極板と負極板の幅方向においても、正極用活物質の塗布部と負極用活物質の塗布部との対向に位置ズレが起きないように、負極用活物質の塗布部の幅は、正極用活物質の塗布部の幅よりも大きくした。
(電極群の作製)
正極板と負極板を厚みが36μmのポリオレフィン系のポリエチレンを主体とした2枚の多孔質セパレータで挟んだ状態で捲回して電極群6を作製した。セパレータは合計4枚使用した。また、捲回は最初にセパレータの先端部分を軸芯11に熱溶着し、正極板、負極板、セパレータの位置を合わせて巻きズレの可能性を低減させた上で、これら正極板、負極板、セパレータを捲回した。なお、正極リード片9と負極リード片9’とは、それぞれ電極群6の反対側に位置するように配置した。捲回時に正極板、負極板、セパレータを適当な長さで切断することにより、電極群6の直径を63.6±0.1mmとした。
(電池の作製)
正極板から導出されている正極リード片9を集めて束にした状態で折り曲げて変形させた後、正極極柱13の鍔部7の周縁に接触させ、正極リード片9と鍔部7の周縁とを、超音波溶接装置を用いて溶接(接合)して電気的に接続した。なお、負極板についても同様に、負極リード片9’と負極極柱13’の鍔部7’の周縁とを超音波溶接して電気的に接続した。
その後、正極極柱13の鍔部7、負極極柱13’の鍔部7’および電極群6の外周面全体を絶縁被覆8で覆った。この絶縁被覆8として、片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布したポリイミド製の粘着テープを用いた。電極群6の外周部分が絶縁被覆8で覆われ、ステンレス製の電池容器5の内径よりも僅かに小さくなるように粘着テープの巻き数を調整した後、電極群6を電池容器5内に挿入した。なお、本実施形態の電池容器5は、外径が67mm、内径が66mmである。
次に、電池蓋4の外側の面と当接する部分に第2のセラミックワッシャ3’を、(正極)端子部1および(負極)端子部1’のそれぞれの先端に嵌め込んだ。そして、平板状の第1のセラミックワッシャ3を電池蓋4に載置し、端子部1、端子部1’のそれぞれを第1のセラミックワッシャ3に通した。
その後、電池蓋4の周縁を電池容器5の開口部に嵌合させ、電池蓋4と電池容器5の接触部分の全域をレーザ溶接した。このとき、端子部1、端子部1’は、電池蓋4の中心に形成された穴を貫通して外部に突出している。そして、第1のセラミックワッシャ3に当接するように、金属製のナット2の底面よりも平滑な金属ワッシャ14を端子部1、端子部1’のそれぞれ嵌め込んだ。一方(図1の上側)の電池蓋4には、電池の内部圧力の上昇に応じて開裂する開裂弁10が設けられており、その開裂圧力は13〜18kg/cmに設定されている。なお、本実施形態のリチウムイオン電池20には、いわゆる小型民生用リチウムイオン電池のように電池内部の圧力上昇に応じて作動する電流遮断機構は設けられていない。
ナット2を、端子部1、端子部1’、にそれぞれ螺着し、金属ワッシャ14、第2のセラミックワッシャ3’、第1のセラミックワッシャ3を介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付けて固定した。このときの締め付けトルク値は、6.86N・mとした。電池蓋4の裏面と突出部18の間に介在させたゴム製(EPDM製)のOリング16を締め付け時に圧縮することにより、電池容器内部の発電要素等は外気から遮断される。
次いで、他方(図1の下側)の電池蓋4に形成された注液口から、所定量の非水電解液を電池容器5内に注入した後、注液口を注液栓15で封止することにより円筒形リチウムイオン電池を完成させた。
(非水電解液)
本実施形態では、非水電解液に、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積比が2:3で混合した後、電解質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものを用いた。また、非水電解液には難燃剤が添加されており、難燃剤には、エトキシ基を官能基として持つホスファゼンA(沸点194°C)を用いた。
(効果等)
次に、本実施形態のリチウムイオン電池20の効果等について説明する。
本実施形態のリチウムイオン電池20では、非水電解液を形成する混合有機溶媒にECとDECとの2種類の有機溶媒を用い、非水電解液には、DECと同様のエトキシ基を有するホスファゼンAの液体状難燃剤が添加されている。リチウムイオン電池20を長期間に亘り放置した場合、非水電解液中で難燃剤と有機溶媒との官能基置換反応が起りにくくなるので、難燃剤としての性質を維持することができる。このため、リチウムイオン電池20によれば、電池異常時に非水電解液の難燃性を十分に発揮することができ、電池の安全性を確保することができる。
また、本実施形態のリチウムイオン電池20では、非水電解液には、DECと同様のエトキシ基を有するホスファゼンAが非水電解液に対して5〜35質量%範囲の割合で添加されている。このため、通常時(電池異常時以外の状態時)において、活物質と非水電解液との間のリチウムイオンの移動が阻害されることがなく、充放電動作を適正に行うことができる。ホスファゼンAの添加量が35質量%以上になると、活物質と非水電解液との間のリチウムイオンの移動が阻害され、充放電動作を適正に行うことができなくなる。反対に、ホスファゼンAの添加量が5質量%未満になると、難燃剤の割合が小さくなるため電池異常時に難燃性を発揮しづらくなる。
なお、本実施形態では、非水電解液として、ECとDECの混合溶媒中にLiPFを1モル/リットル溶解したものを用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解して用いることができる。用いられるリチウム塩や有機溶媒にも特に制限はない。例えば、電解質としては、LiC1O、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いてもよい。また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等、またはこれら2種以上の混合溶媒を用いてもよい。このとき、混合溶媒に用いられた有機溶媒のうち少なくとも1種が、使用する難燃剤が有する官能基と同様の官能基を有していればよい。本例では、ホスファゼンAが有する官能基と同様のエトキシ基を有するDECが混合有機溶媒に含まれている。また、混合有機溶媒の組み合わせや混合配合比についても制限されるものではない。
また、本実施形態では、添加する難燃剤としてエトキシ基を有するホスファゼンAを用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、混合有機溶媒を構成している有機溶媒の持つ官能基と同様の官能基を有していれば、他の難燃剤を用いてもよい。例えば、混合有機溶媒と同様の官能基として、メトキシ基やアルコキシ基、フェノキシ基やメチルフェノキシ基等のアリールオキシ基、メチル基やエチル基等のアルキル基、フェニル基やトリル基等のアリール基、メチルアミノ基等の置換型アミノ基を含むアミノ基、メチルチオ基やエチルチオ基等のアルキルチオ基、および、フェニルチオ基等のアリールチオ基等を含む難燃剤を使用してもよい。
更に、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを、負極活物質に人造黒鉛をそれぞれ例示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、正極活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム遷移金属複酸化物であればよく、複数種の遷移金属を含む複合酸化物としてもよい。また、リチウムやマンガンの一部をそれら以外の元素で置換またはドープした材料を用いることもできる。本実施形態以外で用いることのできる負極活物質としては、例えば、非晶質炭素、天然黒鉛、コークス等の炭素材を挙げることができ、その形状としても、球状、鱗片状、繊維状、塊状等特に制限されるものではない。
また更に、本実施形態では正負極極柱が電池蓋をそれぞれ貫通し無底円筒状の電池容器内で軸芯を介して押し合っている構造のリチウムイオン電池20を例示したが、本発明は電池形状に制限されるものではなく、例えば、角形、その他の多角形の電池にも適用可能である。さらに、電池構造にも制限されるものではなく、本実施形態以外の電池構造としては、例えば、有底円筒状で正極板に接続された集電リングと電池蓋を溶接して正極端子とし、負極板に接続された集電リングと電池缶底を溶接して電池缶を負極端子とする構造や扁平電池缶内に発電要素を収容した電池を挙げることができる。また、本発明は、本実施形態のように電極群が捲回式の構造のものの他、積層式のものにも適用可能である。
次に、本実施形態に従って作製したリチウムイオン電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例および比較例の電池)
実施例1の電池は、非水電解液としてEC、DECの混合有機溶媒にLiPF、ホスファゼンAを添加したものを用いた上記実施形態と同じリチウムイオン電池20である。一方、比較例の電池は、非水電解液にEC、ジメチルカーボネート(DMC)の混合有機溶媒を用いたこと以外は実施例1の電池と同様に作製した。
(試験)
実施例及び比較例の各電池について、以下の測定、試験を行った。室温下で充電後に放電して放電容量を測定した。充電条件は、4.1V低電圧、制限電流50A、5時間とした。放電条件は、100A定電流、終止電圧3Vとした。その後、室温下にて50A定電流で充電状態(SOC)100%から150%まで連続充電試験を行った。電池は室温下で放置し、それぞれ30日後、100日後に同様に連続充電試験を行い、電池内部温度が上昇した際の非水電解液の分解ガスへの引火の有無をそれぞれ観察した。結果を表1に示す。
Figure 2012059391
表1に示すように、非水電解液にEC、DMCの混合有機溶媒を用いた比較例1の電池では、放置日数が100日となったときに、非水電解液の分解ガスへの引火が見られた。このことから、比較例1の電池では、非水電解液中のホスファゼンAが、100日間に亘り放置されることで、ECないしDMCと官能基置換反応を起こし、難燃性が低下したためと考えられる。これに対して、非水電解液にEC、DECの混合有機溶媒を用いた実施例1の電池では、ホスファゼンAがDECと同様のエトキシ基を有することから、100日間に亘り放置されても官能基置換反応を起こさないため、難燃性を持続することができたと考えられる。
本発明は電池異常時に安全性の高いリチウムイオン電池を提供するものであるため、リチウムイオン電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
5 電池容器
6 電極群
20 リチウムイオン電池

Claims (3)

  1. 正負極板をセパレータを介して配置した電極群が有機溶媒にリチウム塩を混合した非水電解液に浸潤され電池容器に収容されたリチウムイオン電池において、前記有機溶媒は複数の有機溶媒が混合されたものであり、前記非水電解液には前記複数の有機溶媒のうち少なくとも1種の有機溶媒と同様の官能基を有する難燃剤が添加されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記有機溶媒はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを含む混合有機溶媒であり、前記非水電解液には前記ジエチルカーボネートと同様のエトキシ基を有するホスファゼン系難燃剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記非水電解液に対して前記難燃剤の添加量が5〜35質量%の範囲であることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池。
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