JP2012052522A - 多気筒圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密閉容器1内に電動機部および電動機部と連結される圧縮機構部を備え、圧縮機構部が、複数のシリンダ3,5と、それぞれのシリンダ3,5内に配置されるピストン8,11と、シリンダ8,11間を仕切る中板4とを有する多気筒圧縮機であって、ピストン8の内周面8aの両端部には、ピストン端面8d,8eと異なる高さの面を形成し、中板4と反対側の端部8bに形成する面の面積を、中板4側の端部8cに形成する面の面積よりも大きくしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
一つの圧縮室は、主軸受2と中板4との間で、上シリンダ3とピストン8とによって形成される。また他の圧縮室は、副軸受6と中板4との間で、下シリンダ5とピストン11とによって形成される。
密閉容器1内の底部にはオイル溜め12が形成され、シャフト7の下端部にはオイルピックアップ13を設けている。
また、シャフト7の内部には軸方向に給油路7aが形成されている。また、給油路7aには、圧縮機構部の摺動面にオイルを供給するための連通路7b、7cが形成されている。
シャフト7の回転によって、ピストン8及びピストン11は、圧縮室内で公転運動を行う。
また、シャフト7の回転によって、オイル溜め12から吸い上げたオイルを連通路7b、7cから圧縮機構部に供給し、摺動面の潤滑を行う。
このようにオイル溜め12のオイルを圧縮機構部に導くため、ピストン8、11の内周面には、吐出圧力Pdが作用する。
ピストン8及びピストン11の内周面の端部には、面取りが設けられ、その面取り量は、一般的にピストンの上端部と下端部とで同じである(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、多気筒圧縮機では、ピストン8の内周面の端部に形成した面取り量が、ピストン8の上端部と下端部とで同じ場合、中板4側のピストン端面には、中板4からはみ出る部分(S1)に吐出圧力Pdがかかり、中板4と反対側のピストン端面に対しP1×S1だけ大きい荷重がかかる。従って、ピストン8には、主軸受2を押しつける力(P1×S1)が働き、摺動損失増加による効率低下や、主軸受2端面の異常磨耗などの信頼性面の課題がある。この荷重バランスの不均一はピストン11についても同様となり、ピストン11には、副軸受6を押しつける力が働く。
これによって、中板と反対側のピストン端面と中板側のピストン端面との荷重バランスが均一になり、ピストンが主軸受あるいは副軸受に押しつけられる力が低減する。
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮機構部の断面図、図2は同圧縮機構部を構成するピストンの拡大断面図、図3は同ピストンの端面に加わる圧力を説明する図である。以下の説明では、ピストン8について説明する。
上端部8bに形成する面取り量D1は、下端部8cに形成する面取り量d1よりも大きくしている。ピストン11においても、ピストン8と同様に、中板4と反対側の面取り量D1を、中板4側の面取り量d1よりも大きくする。これにより、ピストン11においても、中板4側のピストン11端面と中板4と反対側のピストン11端面との荷重バランスが均一になり、さらに性能向上と信頼性向上を図ることができる。
また、D1/d1は、1.5以上2以下とすることが好ましい。D1/d1が1.5未満であると、中板4と反対側の空間が小さくなり過ぎて、中板4と反対側空間へのオイル放出量を十分に確保できない。またD1/d1が2を超えると、主軸受2及び副軸受6内に設けられた吐出穴とかぶってしまい性能低下につながる。
図4は、本発明の実施の形態2におけるピストンの断面図を示したものである。内周面8aの上端部8bと下端部8cには、ピストン端面8d、8eと異なる高さの面をフィレットによって設けている。中板4と反対側の上端部8bに形成するフィレット幅D2は、中板4側の下端部8cに形成するフィレット幅d2よりも大きくしている。ここで、フィレット幅の差(D2−d2)は、荷重P1×S1とP2×S2が等しくなるように決められている。なお、中板4側のピストン端面8eに作用するP1と、中板4と反対側のピストン端面8dに作用するP2は、吐出圧力Pdのピストン端面8e、8dに垂直方向の成分であり、S2はフィレット幅の差(D2−d2)によって生じるリング状の面積である。
また、フィレット幅の差(D2−d2)を、ピストン11に適用した場合には、ピストン11が副軸受6を押しつける力が低減する。
また、D2/d2は、1.5以上2以下とすることが好ましい。D2/d2が1.5未満であると、中板4と反対側の空間が小さくなり過ぎて、中板4と反対側空間へのオイル放出量を十分に確保できない。またD2/d2が2を超えると、主軸受2及び副軸受6内に設けられた吐出穴とかぶってしまい性能低下につながる。
図5は、本発明の実施の形態3におけるピストンの断面図を示したものである。内周面8aの上端部8bと下端部8cには、ピストン端面8d、8eと異なる高さの面を段差によって設けている。中板4と反対側の上端部8bに形成する段差の幅D3は、中板4側の下端部8cに形成する段差の幅d3よりも大きくしている。ここで、段差の幅の差(D3−d3)は、荷重P1×S1とP2×S2が等しくなるように決められている。なお、中板4側のピストン端面8eに作用するP1と、中板4と反対側のピストン端面8dに作用するP2は、吐出圧力Pdのピストン端面8e、8dに垂直方向の成分であり、S2は段差の幅の差(D3−d3)によって生じるリング状の面積である。
また、段差の幅の差(D3−d3)を、ピストン11に適用した場合には、ピストン11が副軸受6を押しつける力が低減する。
また、D3/d3は、1.5以上2以下とすることが好ましい。D3/d3が1.5未満であると、中板4と反対側の空間が小さくなり過ぎて、中板4と反対側空間へのオイル放出量を十分に確保できない。またD3/d3が2を超えると、主軸受2及び副軸受6内に設けられた吐出穴とかぶってしまい性能低下につながる。
2 主軸受
3 上シリンダ
4 中板
5 下シリンダ
6 副軸受
7 シャフト
7x 偏心部
7y 偏心部
7a 給油路
7b 連通路 7c 連通路
8 ピストン
8a 内周面
8b 上端部(中板と反対側の端部)
8c 下端部(中板側の端部)
8d ピストン端面(中板と反対側のピストン端面)
8e ピストン端面(中板側のピストン端面)
9 固定子
10 回転子
11 ピストン
Claims (4)
- 密閉容器内に電動機部および前記電動機部と連結される圧縮機構部を備え、前記圧縮機構部が、複数のシリンダと、それぞれの前記シリンダ内に配置されるピストンと、前記シリンダ間を仕切る中板とを有する多気筒圧縮機であって、前記ピストンの内周面の両端部には、ピストン端面と異なる高さの面を形成し、前記中板と反対側の前記端部に形成する前記面の面積を、前記中板側の前記端部に形成する前記面の面積よりも大きくしたことを特徴とする多気筒圧縮機。
- 前記面を、面取りによって形成したことを特徴とする請求項1に記載の多気筒圧縮機。
- 前記面を、フィレットによって形成したことを特徴とする請求項1に記載の多気筒圧縮機。
- 前記面を、段差よって形成したことを特徴とする請求項1に記載の多気筒圧縮機。
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