JP2012045676A - レンズ保持治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズの径や厚みに関わらず正確にレンズを保持固定可能で、さらに損傷無く簡易にレンズを脱着することができるレンズ保持治具を提供する。
【解決手段】レンズ10のコバ面にその内周が嵌合する円筒部と、円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部と、を備え、円筒部の高さ方向にスリットが設けられた把持部材20と、把持部材の円筒部が挿入される挿入孔を有するリング部と、リング部の挿入孔を形成する内面から突出可能とされ、把持部材を介してレンズを固定する固定具と、を有する固定部材30と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】レンズ10のコバ面にその内周が嵌合する円筒部と、円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部と、を備え、円筒部の高さ方向にスリットが設けられた把持部材20と、把持部材の円筒部が挿入される挿入孔を有するリング部と、リング部の挿入孔を形成する内面から突出可能とされ、把持部材を介してレンズを固定する固定具と、を有する固定部材30と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、眼鏡レンズを保持する治具、特に眼鏡レンズに彫刻を施す際に用いるレンズの保持治具に関する。
レンズの製造工程において、例えばその光学面の研磨工程やスピンコート等による機能性膜の成膜工程等、レンズを確実に保持固定することが必要とされる工程が存在する。
例えば、下記特許文献1では、スピンコーティングにおいて、径や厚みの異なるレンズを保持する技術が開示されている。この特許文献1に記載された手法では、レンズの周囲を取り囲むリング状の環状体に、レンズの縁面を保持する少なくとも3つのレンズ保持手段を均等な間隔で配設している。そして、全てのレンズ保持手段を同時に作動させてレンズに押し付けることにより、偏心無く、均等な押圧力でレンズを押圧保持できるとされている。
例えば、下記特許文献1では、スピンコーティングにおいて、径や厚みの異なるレンズを保持する技術が開示されている。この特許文献1に記載された手法では、レンズの周囲を取り囲むリング状の環状体に、レンズの縁面を保持する少なくとも3つのレンズ保持手段を均等な間隔で配設している。そして、全てのレンズ保持手段を同時に作動させてレンズに押し付けることにより、偏心無く、均等な押圧力でレンズを押圧保持できるとされている。
また、完成したレンズ製品をその他の部材に組み付ける場合においても、例えばその光学機能を損なわないように精密に行う必要があり、種々の保持方法が提案されている。
例えば、下記特許文献2では、レンズ鏡筒にレンズを組み付ける際に、プラスチックなどの熱溶融材料によって形成した筒状体内に光学素子を圧入して3つの圧入代により3点保持し、レンズの偏心調整と固定を行なう偏心調整治具が開示されている。
例えば、下記特許文献2では、レンズ鏡筒にレンズを組み付ける際に、プラスチックなどの熱溶融材料によって形成した筒状体内に光学素子を圧入して3つの圧入代により3点保持し、レンズの偏心調整と固定を行なう偏心調整治具が開示されている。
この偏心調整治具は、各圧入代にそれぞれ対応して配設されている。そしてヒータによって加熱される偏心調整ピンおよびこの偏心調整ピンからの熱伝達によって加熱されるかしめピンとを備え、これらのピンによって圧入代を加熱軟化させることにより、レンズの偏心調整を行う。
筒状体にレンズを圧入して圧入代によりレンズを保持すると、レンズには応力が生じる。そこで、偏心調整ピンとかしめピンとを加熱して圧入代を軟化させると、圧入代への圧入によりレンズに発生した応力が圧入代の箇所で解放されるため、レンズは圧入代の方向へ移動し、偏心を調整できるとされている。
筒状体にレンズを圧入して圧入代によりレンズを保持すると、レンズには応力が生じる。そこで、偏心調整ピンとかしめピンとを加熱して圧入代を軟化させると、圧入代への圧入によりレンズに発生した応力が圧入代の箇所で解放されるため、レンズは圧入代の方向へ移動し、偏心を調整できるとされている。
また、下記特許文献3では、プロジェクターにおいて、レンズの外周を3つのレンズホルダによって120°ピッチで固定する技術が開示されている。この特許文献3に開示されたレンズホルダは、ホルダ本体、ローラおよびローラ支持部を備え、レンズホルダをレンズに固定するときは、取付用治具および固定用治具を用いて行う。
この下記特許文献3によれば、先ず3つのレンズホルダを取付用治具に位置決めして設置し、その上にレンズを載置する。次いで、取付用治具の上側に固定用治具を載せて、ホルダ本体のローラが設けられている側の側面を、固定用治具の内周面に当接させる。これによりレンズホルダは、径方向の位置が位置決めされ、レンズの外周面とホルダ本体の外周当接部との間に若干の隙間を形成する。そして、この隙間に接着剤を充填してレンズとレンズホルダとを固定する。この方法によると、レンズの全周を固定する場合に比べて軽量化ができるとされている。
しかし、眼鏡レンズの半製品である例えばセミフィニッシュドレンズには、そのレンズの種類や型番等の情報を凹面側に彫刻し、予め保存しておくことがある。そして、保存してある各種のセミフィニッシュドレンズの中から適したレンズを選び出し凹面側を加工することで、要求された仕様に応じた性能が付与される。なお、この凹面側の加工によって同時に、彫刻された刻印を消すこともできる。
このように、眼鏡レンズにおいては、様々な種類のセミフィニッシュドレンズに対して彫刻を行う。このため彫刻機等の装置にレンズを固定する際には、径及び厚みの異なるレンズ毎に固定治具を用意し、交換することが必要となるので、作業が煩雑になりやすいという問題があった。
また、上記特許文献1には径や厚みの異なるレンズを保持することが開示されている。この方法では、レンズにスピンコーティングを行う場合においては有効である。しかし、レンズへの彫刻のように、非常に短時間で処理が行われる工程においては、設置及び取り外しがより簡易にできることが生産効率上好ましい。
また、上記特許文献1では、レンズ保持手段を作動させる押圧装置や、回動レバー等を必要とするため装置が大きくなり、作業スペースが制限されてしまう恐れがある。
また、上記特許文献1では、レンズ保持手段を作動させる押圧装置や、回動レバー等を必要とするため装置が大きくなり、作業スペースが制限されてしまう恐れがある。
他にも、レンズを保持固定する時には、治具との接触位置において押圧が加えられるため、傷付くことのないように配慮する必要がある。
そこで本発明は上記課題に鑑み、レンズの径や厚みに関わらず正確にレンズを保持固定可能で、さらに損傷無く簡易にレンズを脱着することができるレンズ保持治具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によるレンズ保持治具は、レンズのコバ面にその内周が嵌合する円筒部と、この円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部と、を備え、円筒部の高さ方向にスリットが設けられた把持部材を含む。
さらに、把持部材の円筒部が挿入される挿入孔を有するリング部と、リング部の挿入孔を形成する内面から突出可能とされ、把持部材を介してレンズを固定する固定具と、を有する固定部材と、を含む。
さらに、把持部材の円筒部が挿入される挿入孔を有するリング部と、リング部の挿入孔を形成する内面から突出可能とされ、把持部材を介してレンズを固定する固定具と、を有する固定部材と、を含む。
本発明のレンズ保持治具によれば、レンズはそのコバ面が把持部材を介して固定具により押圧される。このため、傷を付けることなくレンズを固定することができる。
また、把持部材には、円筒部の高さ方向にスリットが設けられているため、レンズ径の大きさに合わせて変形し、レンズのコバ面に嵌合できる。
また、把持部材には、円筒部の高さ方向にスリットが設けられているため、レンズ径の大きさに合わせて変形し、レンズのコバ面に嵌合できる。
また、円筒部の内周にレンズのコバ面を嵌合させているので、円筒部に加えられた押圧力は分散され、レンズの厚さに関わらずレンズのコバ面に必ず押圧力を伝えることができる。
また、把持部材の内周に嵌合したレンズは、円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部によって光軸方向に支えられる。
また、把持部材の内周に嵌合したレンズは、円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部によって光軸方向に支えられる。
また、上述の固定部材の下面には、脚部を設けることが好ましい。この脚部を設けることにより、固定部材に固定されたレンズは、載置面に接触することが無い。このため、複数のレンズを予め固定部材に固定し、レンズ表面に傷付けることなく保管しておくことができる。
さらに、固定部材を固定する固定部と、固定部材の挿入孔内に固定されたレンズとの接触を避けるための逃げ孔と、を備えた載置板部材を有していてもよい。この載置板部材を彫刻機に取り付けておくことにより、レンズを固定部材とともに彫刻機に設置することができ、レンズの彫刻装置への着脱を容易に行うことができる。
また、載置板部材が逃げ孔を有していることにより、レンズは載置板部材表面に接触しない。したがって、レンズ表面の損傷を抑制することができる。
また、載置板部材が逃げ孔を有していることにより、レンズは載置板部材表面に接触しない。したがって、レンズ表面の損傷を抑制することができる。
また、この載置板部材には、固定部材の下面に設けられた脚部を挿通する挿通孔を設けておくことが好ましい。固定部材の脚部を挿通孔に挿入することにより、固定部材と載置板部材とを面接触させることができ、固定部材を載置板部材に確実に固定できる。
また、把持部材の円筒部の内径は、レンズの径よりも小さくすることが望ましい。これにより、レンズのコバ面を押圧する応力が把持部材に生じ、レンズをその径方向に確実に固定することができる。
また、固定部材をレンズの径に応じて複数用意し、これら複数の固定部材の外形を等しく形成することが好ましい。固定部材の外形を等しくすることにより、固定するレンズの径が異なっても同一の載置板部材に固定部材を設置することができる。
本発明によれば、レンズを傷つけることなくレンズを固定することができる。
また、レンズ径の大きさに合わせて把持部材が変形し、嵌合するので、異なる径のレンズを径方向に固定することができる。
また、レンズの厚さに関わらずレンズのコバ面に固定具による押圧力を伝えることができるので、レンズの厚さに関わらず、レンズを径方向に固定できる。
また、レンズは把持部材の円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部によって光軸方向に支えられるため、レンズの厚さやレンズ径に関わらず、レンズを光軸方向に固定することができる。
また、把持部材と固定部材といった簡易な構成でレンズを固定することができるので、作業性の向上も図ることができる。
また、レンズ径の大きさに合わせて把持部材が変形し、嵌合するので、異なる径のレンズを径方向に固定することができる。
また、レンズの厚さに関わらずレンズのコバ面に固定具による押圧力を伝えることができるので、レンズの厚さに関わらず、レンズを径方向に固定できる。
また、レンズは把持部材の円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部によって光軸方向に支えられるため、レンズの厚さやレンズ径に関わらず、レンズを光軸方向に固定することができる。
また、把持部材と固定部材といった簡易な構成でレンズを固定することができるので、作業性の向上も図ることができる。
以下本発明の実施の形態に係るレンズ保持治具について、図1〜図9を基に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
1.レンズ保持治具の構成
まず初めに、本実施の形態におけるレンズ保持治具を用いて、彫刻機によりレンズに彫刻を行う様子について説明する。
図1は、本実施の形態によるレンズ保持治具100に例えばセミフィニッシュドレンズ等のレンズ10を固定し、彫刻機200によってレンズ10の例えば凹面側に彫刻を行う様子を示す説明図である。
図1Aは、レンズ10が固定されたレンズ保持治具100を彫刻機200にセットした様子を示す上面図であり、図1Bは正面図である。また、図1Cは、側面図である。
まず初めに、本実施の形態におけるレンズ保持治具を用いて、彫刻機によりレンズに彫刻を行う様子について説明する。
図1は、本実施の形態によるレンズ保持治具100に例えばセミフィニッシュドレンズ等のレンズ10を固定し、彫刻機200によってレンズ10の例えば凹面側に彫刻を行う様子を示す説明図である。
図1Aは、レンズ10が固定されたレンズ保持治具100を彫刻機200にセットした様子を示す上面図であり、図1Bは正面図である。また、図1Cは、側面図である。
本実施の形態によるレンズ保持治具100は、レンズ10のコバ面にその内周を嵌合させた把持部材20と、レンズ10に嵌合した把持部材20が挿入される固定部材30と、固定部材30に挿入されたレンズ10及び把持部材20を固定部材30に固定する固定具40を含む。
さらに、固定部材30を載置し、固定する載置板部材50を備えていてもよい。この載置板部材50は、図1Aに示すように、例えばネジ部57によって彫刻装置200への着脱が可能とされている。
さらに、固定部材30を載置し、固定する載置板部材50を備えていてもよい。この載置板部材50は、図1Aに示すように、例えばネジ部57によって彫刻装置200への着脱が可能とされている。
レンズ10は、彫刻を施す側の面、例えばレンズ凹面側を上面にしてレンズ保持具100に固定されている。なお、ここでは、載置板部材50には2個の固定部材30が設置可能とされており、それぞれの固定部材30に固定された2個のレンズに連続して彫刻を施すことができる。
また、ここでは、図中右側と左側とで異なる径のレンズを固定している。後述するように、本実施の形態では、異なる大きさの径や厚さのレンズを固定し、彫刻機200に設置することができる。
また、ここでは、図中右側と左側とで異なる径のレンズを固定している。後述するように、本実施の形態では、異なる大きさの径や厚さのレンズを固定し、彫刻機200に設置することができる。
彫刻機200の彫刻ヘッド210は、図1Bの矢印A2、図1Cの矢印A3に示すように、左右方向及び前後方向に移動が可能とされ、レンズ10上の任意の位置に移動することができる。また、矢印A1に示す上下方向にも移動可能である。
まず、レンズ10上の彫刻を施す箇所に彫刻ヘッド210が移動すると、今度は図1Bの矢印A1に示すように彫刻ヘッド210を下降させる。そして彫刻ヘッド210の下端に配置された彫刻工具211をレンズ10の表面に当接させ、彫刻を開始する。彫刻が終了すると、彫刻ヘッド210は次のレンズ上に移動し、同様にして彫刻を施す。
まず、レンズ10上の彫刻を施す箇所に彫刻ヘッド210が移動すると、今度は図1Bの矢印A1に示すように彫刻ヘッド210を下降させる。そして彫刻ヘッド210の下端に配置された彫刻工具211をレンズ10の表面に当接させ、彫刻を開始する。彫刻が終了すると、彫刻ヘッド210は次のレンズ上に移動し、同様にして彫刻を施す。
こうして載置板部材50上に固定された2個のレンズ10の彫刻を終えると、固定部材30を載置板部材50から取り外す。これにより、レンズ10を把持部材20と固定部材30とともに彫刻機200から取り出すことができる。
そして、別のレンズ、把持部材が同様に固定された他の固定部材を載置板部材50に設置することで、順次とレンズに彫刻を施すことが可能である。
そして、別のレンズ、把持部材が同様に固定された他の固定部材を載置板部材50に設置することで、順次とレンズに彫刻を施すことが可能である。
次に、このレンズ保持治具を構成する各部材について、図2〜図4を基に詳細に説明していく。
図2Aは、本実施の形態によるレンズ保持治具100を構成する把持部材20の上面図、図2Bは、図2Aにおける把持部材20のA−A断面図である。
図2Aは、本実施の形態によるレンズ保持治具100を構成する把持部材20の上面図、図2Bは、図2Aにおける把持部材20のA−A断面図である。
把持部材20は、円筒状の円筒部21と、円筒部21の下端から円筒部21の内側に向かって突出した第1のフランジ部23と、円筒部21の上端から円筒部21の外側に向かって突出した第2のフランジ部22によって構成されている。
把持部材20は、弾性と剛性を適度に兼ね備えた材料によって形成されることが好ましく、例えばポリプロピレンやポリアスタール等の樹脂材料を用いることができる。
把持部材20は、弾性と剛性を適度に兼ね備えた材料によって形成されることが好ましく、例えばポリプロピレンやポリアスタール等の樹脂材料を用いることができる。
また、把持部材20には、円筒部21の高さ方向に、第1のフランジ部23と、円筒部21、第2のフランジ部22にまたがって例えば幅0.5mmのスリット24が設けられている。このスリット24と把持部材20を構成する材料の弾性によって、円筒部20の内周は、径を大きくする等の変形が可能とされている。
また、円筒部21の内周に沿って例えば緩衝材としてゴム材26が配設されている。
そして、この円筒部21の内周に、ゴム材26を介して図示しないレンズのコバ面が嵌め込こまれる。これにより、レンズが把持部材20に固定される。
また、円筒部21の内周に沿って例えば緩衝材としてゴム材26が配設されている。
そして、この円筒部21の内周に、ゴム材26を介して図示しないレンズのコバ面が嵌め込こまれる。これにより、レンズが把持部材20に固定される。
また、把持部材20の第2のフランジ部22の上面には、例えばスリット24と対向する位置にラベル25や刻印等を設け、固定するレンズの径を明示してあってもよい。
図2Aでは、径が80mmのレンズを嵌め込む場合の例を示してある。径が80mmの把持部材においては、公差等を含めて例えば79〜82mmの径のレンズに確実に嵌合し、固定できることが好ましい。したがって、この場合には、把持部材20の円筒部21の内径は例えば77mm〜78mmとする。
図2Aでは、径が80mmのレンズを嵌め込む場合の例を示してある。径が80mmの把持部材においては、公差等を含めて例えば79〜82mmの径のレンズに確実に嵌合し、固定できることが好ましい。したがって、この場合には、把持部材20の円筒部21の内径は例えば77mm〜78mmとする。
円筒部21の内周は、レンズを嵌め込まない初期の状態において、その形状が略真円となっている。そして、この内周の径と同じか、もしくは径の大きいレンズを嵌め込むと、把持部材20を構成する材料の弾性とスリット24により、円筒部21の内周はレンズのコバ面に追随して変形し、密着することが可能である。このため、レンズ径の公差等に関わらず安定してレンズを固定することができる。
レンズ10をその内周に固定した把持部材20は、固定部材30に固定される。
図3Aは、固定部材30の上面図である。また、図3Bは固定部材30の正面図であり、図3Cは、図3AにおけるB−B断面図である。
図3Aは、固定部材30の上面図である。また、図3Bは固定部材30の正面図であり、図3Cは、図3AにおけるB−B断面図である。
固定部材30は、把持部材20を挿入する挿入孔38が形成されたリング部31を備える。
リング部31の挿入孔34には、レンズ10をその内周に嵌め込んだ把持部材20が挿入される。そして本実施の形態では、把持部材20の円筒部21の上端から外側に突出する第2のフランジ部22の下面がストッパーとなってリング部31の上面に接触し、把持部材20が挿入孔38内に配置される。
リング部31の挿入孔34には、レンズ10をその内周に嵌め込んだ把持部材20が挿入される。そして本実施の形態では、把持部材20の円筒部21の上端から外側に突出する第2のフランジ部22の下面がストッパーとなってリング部31の上面に接触し、把持部材20が挿入孔38内に配置される。
また、本実施の形態においては、固定部材30のリング部31には、その側面から突出した取っ手部33が設けられている。作業者は、この取っ手部33を把持して、固定部材30の載置板部材50への脱着を行うことができる。また、リング部31の外周面において、例えば取っ手部33に対向する側には、リング部31の外周面から突出する突出部32が設けられている。
なお、挿入孔38を形成するリング部31の内周面において、取っ手部33と対向する側には、図3A及び図3Cに示すように段差34が設けられている。図3Cに示すように、段差34を形成する内周面34aと34bにおいて、内周面34aは、レンズ10を嵌め込んだ把持部材20の外周面にほぼ沿った形状をしている。
したがって、内周面34aの外側に形成されている内周面34bは、把持部材20の外周面20の径よりも大きい。このように、リング部材31の内周面に段差34を設け、リング部材31の挿入孔38の開口径を把持部材20の外周面の径よりも大きくしてある。この段差34により、把持部材20を挿入孔38内に容易に挿入することが可能となる。
したがって、内周面34aの外側に形成されている内周面34bは、把持部材20の外周面20の径よりも大きい。このように、リング部材31の内周面に段差34を設け、リング部材31の挿入孔38の開口径を把持部材20の外周面の径よりも大きくしてある。この段差34により、把持部材20を挿入孔38内に容易に挿入することが可能となる。
また、本実施の形態においては、固定部材30の例えば取っ手部33の上面にも、把持部材20と同様に、ラベル37や刻印等を設け、固定部材30に固定するレンズの径を明示してある。
本実施の形態においては、レンズ径が80mmの場合について例示してあるが、例えば65mm、70mm、75mm等のように、レンズ径毎にそれぞれ把持部材20及び固定部材30を用意しておくことが好ましい。
すなわち、レンズの径毎に、把持部材20の内周面の径や固定部材30の挿入孔38の径が異なるものを準備しておく。ただし、固定部材30においては、挿入孔38の径の大きさのみがレンズの径毎に異なり、リング部31や突出部32、取っ手部33の外形は、固定するレンズ径に関わらず同一とする。
本実施の形態においては、レンズ径が80mmの場合について例示してあるが、例えば65mm、70mm、75mm等のように、レンズ径毎にそれぞれ把持部材20及び固定部材30を用意しておくことが好ましい。
すなわち、レンズの径毎に、把持部材20の内周面の径や固定部材30の挿入孔38の径が異なるものを準備しておく。ただし、固定部材30においては、挿入孔38の径の大きさのみがレンズの径毎に異なり、リング部31や突出部32、取っ手部33の外形は、固定するレンズ径に関わらず同一とする。
また、固定部材30には、例えばリング部31の下面から下方に伸びる脚部35を設けておくことが好ましい。脚部35を設けることにより、挿入孔38内にレンズ10を挿入した固定部材30を予め複数準備し、レンズの光学面を傷つけることなく保管しておくことが可能になる。
また、この脚部35は、例えばネジ切り等を設けることにより、長さを可変としてあってもよい。
また、この脚部35は、例えばネジ切り等を設けることにより、長さを可変としてあってもよい。
また、固定部材30には、把持部材20を固定する固定具40が配置されている。固定具40は、リング部31の内周面から突出可能とされ、挿入孔38に挿入された把持部材の外周面を押圧することにより、把持部材20とレンズ10とを挿入孔38内に固定する。この固定具には、例えば弾性を有するバネ材を用いて構成されたスプリングプランジャ等を用いることができる。また、この固定方法に限らず、ネジによって押圧する等その他の既知の方法により固定してもよい。
次に、図4Aに載置板部材50の上面図を示す。また、図4Bは図4Aにおける載置板部材50のC−C断面図である。レンズ10が固定された固定部材30は、次いで載置部材50に固定され、そして彫刻機200に設置される。
載置板部材50は、平板状のベースプレート51に逃げ孔52を設けた構成とされている。これにより、レンズ10を固定した固定部材30を載置板部材50上に載置しても、レンズ10の下面はベースプレート51に接触しない。したがってレンズの光学面の損傷を防止できる。
載置板部材50は、平板状のベースプレート51に逃げ孔52を設けた構成とされている。これにより、レンズ10を固定した固定部材30を載置板部材50上に載置しても、レンズ10の下面はベースプレート51に接触しない。したがってレンズの光学面の損傷を防止できる。
また、ベースプレート51には挿通孔53を設けてあり、この挿通孔53には、固定部材30の下面に配置された脚部35が挿通される。
本実施の形態では、挿通孔53は逃げ孔52に連通されている。このため、固定部材30の脚部35を逃げ孔52に通しながら挿通することで、例えば斜め上方からでも容易に脚部35を挿通孔53に挿通可能である。したがって、固定部材30を載置板部材50に載置する作業性を向上できる。
本実施の形態では、挿通孔53は逃げ孔52に連通されている。このため、固定部材30の脚部35を逃げ孔52に通しながら挿通することで、例えば斜め上方からでも容易に脚部35を挿通孔53に挿通可能である。したがって、固定部材30を載置板部材50に載置する作業性を向上できる。
また、ベースプレート51の上面には、一対の第1の突起部54と、逃げ孔52に対して第1の突起部54と対向する側にもう一対の第2の突起部55とが設けられている。一対の第1の突起部54の間の空隙54aには、固定部材30の取っ手部33を嵌め込み、もう一対の第2の突起部55の間の空隙55aには、固定部材30の突出部32を嵌め込むことができる。
また、第2の突起部55には、逃げ孔52側の側面から突出可能とされた第2の固定具56が配置されている。この第2の固定具56によってベースプレート51上に載置された固定部材30の側面を押圧することで、固定部材30を載置板部材50に固定することができる。固定部材30の側面に例えば溝等による凹部を設けておき、突出させた固定具56の凸部をこの凹部に嵌め込むようにしてもよい。
また、この固定具56も、例えばスプリングプランジャー等のバネ材を備えた部材によって構成することができるが、固定方法はこれに限らず、その他の方法を用いてもよい。
また、この固定具56も、例えばスプリングプランジャー等のバネ材を備えた部材によって構成することができるが、固定方法はこれに限らず、その他の方法を用いてもよい。
また、載置板部材50は、例えばネジ部57等によって彫刻機200への取り付け、取り外しが可能とされている。
なお、ここでは載置板部材50の片側半分側のみを図示してあるが、図中省略された左半分側にも同様の構成にて逃げ孔52、挿通孔53、突起部54,55、第2の固定具56が配置されている。したがって、本実施の形態において載置板部材50は、例えば2枚のレンズを同時に固定する例とされている。
なお、ここでは載置板部材50の片側半分側のみを図示してあるが、図中省略された左半分側にも同様の構成にて逃げ孔52、挿通孔53、突起部54,55、第2の固定具56が配置されている。したがって、本実施の形態において載置板部材50は、例えば2枚のレンズを同時に固定する例とされている。
2.レンズの固定方法
以上説明したレンズ保持具100を用いてレンズを固定し、彫刻機200にレンズ10を設置する手順について、図5〜図7を基に説明する。
まず、図5に示すように、把持部材20にレンズ10を嵌め込み、レンズ10のコバ面11を把持部材20の内周面に嵌合させる。ここで、図5Aはレンズ10を嵌め込んだ把持部材20の上面図、また図5Bは、図5AのD−D断面図である。
以上説明したレンズ保持具100を用いてレンズを固定し、彫刻機200にレンズ10を設置する手順について、図5〜図7を基に説明する。
まず、図5に示すように、把持部材20にレンズ10を嵌め込み、レンズ10のコバ面11を把持部材20の内周面に嵌合させる。ここで、図5Aはレンズ10を嵌め込んだ把持部材20の上面図、また図5Bは、図5AのD−D断面図である。
図5Bに示すように、レンズ10の凸面側を把持部材20の第2のフランジ部22側から、把持部材20の内径内にゴム材26を介して嵌め込んでいく。そして、レンズ10の凸面の周縁部が第1のフランジ部23に接触することで、レンズ10は把持部材20内に固定される。
また、把持部材20の内周面の径は、レンズ10の径よりもわずかに小さいので、レンズ10を嵌め込むと、図5Aに示すようにスリット24の幅が広がる。そしてスリット24の幅が広がったことによる応力は、把持部材20の弾性によってレンズ10のコバ面11への押圧力となり、レンズ10のコバ面11に対して把持部材20の内周面を嵌合させ、固定することが可能となる。
また、把持部材20の内周面の径は、レンズ10の径よりもわずかに小さいので、レンズ10を嵌め込むと、図5Aに示すようにスリット24の幅が広がる。そしてスリット24の幅が広がったことによる応力は、把持部材20の弾性によってレンズ10のコバ面11への押圧力となり、レンズ10のコバ面11に対して把持部材20の内周面を嵌合させ、固定することが可能となる。
また、レンズ10は第1のフランジ部23によってその光軸方向に支えられ、レンズ10の径方向には、コバ面11が把持部材20の内周面に配設されたゴム材26に接触することによって固定される。すなわち、いかなるレンズ10の厚みであろうと、必ずレンズ10の凸面の周縁は第1のフランジ部23に接触し、そのコバ面11は把持部材の内周面に配設されたゴム材26に接触する。したがって、レンズ10の厚さに関わらず、レンズ10を把持部材20に固定することができる。
また、把持部材20にレンズ10を嵌め込んだ状態で、スリット24からレンズ10のコバ面11側を視認することにより、レンズ10凸面が把持部材20の第1のフランジ部23に接触し、確実に固定できているかどうかを確認することができる。
次に、レンズ10を固定した把持部材20を固定部材30に固定する。図6Aは、レンズ10及び把持部材20を固定した固定部材30の上面図であり、図6Bは、この固定部材30のE−E断面図である。また、図6Cは、図6Aにおける固定部材30の正面図であり、図7は、図6CにおけるF−F水平断面図である。
図6A,Bに示すように、ゴム材26を介して、レンズ10のコバ面をその内周に嵌合させた把持部材20を、固定部材30の挿入孔38に挿入する。この時、図6Aに示すように、固定部材30のラベル37と、把持部材20のラベル25との位置が、挿入孔38の同一径方向に揃うように挿入する。したがって、把持部材20のスリット24は、挿入孔38を形成する固定部材30の内周面の突出部32側に配置されることになる。
図7に示すように、把持部材20のスリット24の位置においては、点P3、点P4に示すように、把持部材20の外周面とスリット24を形成する端面との境界において角部を形成する場合がある。すると、把持部材20を固定部材30の挿入孔38に挿入する際に、この角部が固定部材30の内周にひっかかり、スムーズな作業の妨げとなる恐れがある。しかし、本実施の形態においては、段差34上にスリット24が配置されるようにすることで、ひっかかりなく、容易に把持部材20を挿入孔38内に挿入することができる。
また、挿入された把持部材20は、第2のフランジ部22が固定部材30に接触することで、ストッパーとなり、レンズ10の光軸方向に対して、レンズ10及び把持部材20を固定部材30に固定する。
この時、スリット24における第2のフランジ部22の端面を観察することにより、第2のフランジ部22が固定部材30の表面に接触しているかどうか識別でき、把持部材20が挿入孔38内に確実に挿入され、固定されていることを確認することができる。
この時、スリット24における第2のフランジ部22の端面を観察することにより、第2のフランジ部22が固定部材30の表面に接触しているかどうか識別でき、把持部材20が挿入孔38内に確実に挿入され、固定されていることを確認することができる。
なお、本実施の形態においては、第2のフランジ部22によって、レンズ10の光軸方向に対して把持部材20を固定部材30に固定する例としている。
しかし、例えば挿入孔38を形成する固定部材30の内周面から突出するフランジ部等を固定部材30に設け、このフランジ部によって把持部材20の第1のフランジ部23を支えるようにしてもよい。
しかし、例えば挿入孔38を形成する固定部材30の内周面から突出するフランジ部等を固定部材30に設け、このフランジ部によって把持部材20の第1のフランジ部23を支えるようにしてもよい。
そして、把持部材20の外周面から固定具40によって押圧することで、レンズ10及び把持部材20をその径方向に固定する。特に、レンズ10は把持部材20やゴム材26を介して押圧されるので、レンズ10を傷つけたりすることなく固定することが可能である。
また、レンズ10は、把持部材20の第1のフランジ部23によってその光軸方向に支えられ、把持部材20は、第2のフランジ部22によって固定部材30に支えられている。このため、光軸方向においては、レンズ10の厚さに関わらずレンズ10を固定することができる。
また、レンズ10は、把持部材20の第1のフランジ部23によってその光軸方向に支えられ、把持部材20は、第2のフランジ部22によって固定部材30に支えられている。このため、光軸方向においては、レンズ10の厚さに関わらずレンズ10を固定することができる。
また、レンズ10のコバ面は、ゴム材26を介して把持部材20の内周面に嵌合している。特に、固定具40によって加えられた押圧は、把持部材20の剛性によって、ゴム材26に分散して伝えることができる。また、レンズ10のコバ面がゴム材26に接触していれさえすれば、分散された押圧がゴム材26を介してレンズコバ面に伝えられる。これにより、レンズ10はその厚さに関わらず、径方向に固定される。
また、押圧を分散することにより、レンズ10のコバ面の損傷も抑制される。
また、押圧を分散することにより、レンズ10のコバ面の損傷も抑制される。
また、図7に示すように、固定具40と把持部材20との接点をP1,P2とし、スリット24を形成する把持部材20の端面における点をP3,P4、挿入孔38の中心を点Oとすると、線分O−P1と線分O−P3とがなす角θ1及び線分O−P2と線分O−P4とがなす角θ2は、少なくとも90度より大きくなるように、固定具40が配置されている。
したがって、把持部材20は、固定具40の押圧によって、スリット24の配置された突起部32側に向かって押力を受ける。このため、把持部材20は、点P3,P4に示す把持部材20の外周面とスリット24を形成する端面との稜線において、挿入孔38を形成する固定部材30の内周面に接している。
したがって、把持部材20は、固定具40の押圧によって、スリット24の配置された突起部32側に向かって押力を受ける。このため、把持部材20は、点P3,P4に示す把持部材20の外周面とスリット24を形成する端面との稜線において、挿入孔38を形成する固定部材30の内周面に接している。
すなわち、本実施の形態においては、固定具40と把持部材20との接点である点P1,P2と、把持部材20と固定部材30との接点であるP3,P4との4点によってレンズ10及び把持部材20とが固定部材に固定されている。このため、より確実にレンズ10を固定部材30に固定することが可能である。
また、これらの4点において把持部材20には押圧が加えられることになるが、レンズ10のコバ面は全面においてゴム材26の内周面に接している。したがって、4点において押圧された力はまず把持部材20により分散されてゴム材26に伝わる。また、ゴム材26はその弾性により、レンズ10のコバ面に均一に押力を伝える。これにより、レンズに傷が付くのを抑制できる。
また、これらの4点において把持部材20には押圧が加えられることになるが、レンズ10のコバ面は全面においてゴム材26の内周面に接している。したがって、4点において押圧された力はまず把持部材20により分散されてゴム材26に伝わる。また、ゴム材26はその弾性により、レンズ10のコバ面に均一に押力を伝える。これにより、レンズに傷が付くのを抑制できる。
また、図6B,Cに示すように、固定部材30の下面に脚部35を設けているので、固定部材30の挿入孔38に挿入したレンズ10の凸面が下に接触することなく載置、保管することができる。これにより、予めレンズ10を固定した固定部材30を複数準備しておくことができる。
次に、図8に示すように、彫刻機200に設置された載置板部材50に固定部材30を固定する。図8Aは、固定部材30を載置板部材50に固定した様子を示す上面図であり、図8Bはその正面図である。
まず、固定部材30の取っ手部33を手に取り、載置部材50の一対の第2の突起部55間の空隙55aに固定部材30の突出部32を手前側から奥側へ押し込む。そして、取っ手部33側を倒し、取っ手部30を一対の第1の突起部54間の空隙54aに嵌め込む。
このとき、固定部材30の脚部35は、載置部材50に設けられた挿通孔53に挿通されるので、固定部材30の下面をベースプレート51の上面に面接触させることができ、固定部材30を安定して固定することができる。
また、載置部材50のベースプレート51には、既述のように逃げ孔52(図4参照)が設けてあるので、レンズ10の凸面がベースプレート51に接触しない。したがって、レンズの凸面の損傷を防止できる。
また、載置部材50のベースプレート51には、既述のように逃げ孔52(図4参照)が設けてあるので、レンズ10の凸面がベースプレート51に接触しない。したがって、レンズの凸面の損傷を防止できる。
また、固定部材30におけるリング部31の側面30a、30bは、取っ手部33に向かって段になっている。
そして、第1の突起部54は、固定部材30の側面30a,30b及び、取っ手部33の側面に接触している。
このため、第2の突起部55に設けられた固定具56によって、固定部材30の側面を取っ手部33側の方向に押圧すると、その押力は固定部材30の面30a,30bと第2の突起部54との接触面において、取っ手部33の中心軸Cに向かう分力を生じる。面30a,30bにおいて生じるこの分力が釣り合うことにより、より強固に固定部材30を固定できるので好ましい。
そして、第1の突起部54は、固定部材30の側面30a,30b及び、取っ手部33の側面に接触している。
このため、第2の突起部55に設けられた固定具56によって、固定部材30の側面を取っ手部33側の方向に押圧すると、その押力は固定部材30の面30a,30bと第2の突起部54との接触面において、取っ手部33の中心軸Cに向かう分力を生じる。面30a,30bにおいて生じるこの分力が釣り合うことにより、より強固に固定部材30を固定できるので好ましい。
そして、この状態において図示しない彫刻機200を作動させ、レンズ10の凹面側に彫刻を施す。
本実施の形態においては、固定部材30の下面に脚部35を設けていることから、予めレンズ10を固定した固定部材30を複数用意しておくことができる。したがって、一つのレンズの彫刻が終了すると、取っ手部33を掴んで固定部材30を載置板部材50から取り外し、別のレンズを固定した固定部材を載置板部材50に固定するだけで、複数のレンズに容易に連続して彫刻を行うことができる。
本実施の形態においては、固定部材30の下面に脚部35を設けていることから、予めレンズ10を固定した固定部材30を複数用意しておくことができる。したがって、一つのレンズの彫刻が終了すると、取っ手部33を掴んで固定部材30を載置板部材50から取り外し、別のレンズを固定した固定部材を載置板部材50に固定するだけで、複数のレンズに容易に連続して彫刻を行うことができる。
このように、本実施の形態によるレンズ保持治具100は、把持部材20の内周面にレンズ10のコバ面11(図5参照)を嵌合させ、把持部材20を介して固定具40により押圧している。このため、押圧によるレンズ10の損傷を抑制できる。
また、レンズ10を把持部材20に嵌め込み、そして把持部材20を固定部材30の挿入孔38に挿入し、固定部材38を載置板部材50に固定するといった簡単な作業によって、レンズ10を彫刻機200に設置できるため、作業性を向上させることもできる。
また、レンズ10を把持部材20に嵌め込み、そして把持部材20を固定部材30の挿入孔38に挿入し、固定部材38を載置板部材50に固定するといった簡単な作業によって、レンズ10を彫刻機200に設置できるため、作業性を向上させることもできる。
また、把持部材20と、固定部材30と、固定具40という非常に簡易な構成によってレンズ10を保持固定することが可能なため、レンズ保持治具100の小型化を図ることができ、占有スペースを削減することができる。
特に、図9に示すように、径が大きく異なる複数種のレンズの彫刻を行う場合には、レンズの径毎に把持部材や固定部材を用意しておくことが好ましい。また、固定部材においては、レンズの径に合わせて挿入孔の径のみを変えることが好ましい。
図9においては、固定部材30A、30Bの取っ手側から見て載置部材50の左側には、例えば径が80mmのレンズ10Aを固定し、図中右側には例えば径が65mmのレンズ10Bが固定されている。
把持部材20Aの内周面の径は、レンズ10Aを嵌合させる前の状態において例えば77mm〜78mmのものを用いることができる。
また、把持部材10Bの内周面の径は、レンズ10Bを嵌合させる前の状態において例えば62mm〜63mmのものを用いることができる。
把持部材20Aの内周面の径は、レンズ10Aを嵌合させる前の状態において例えば77mm〜78mmのものを用いることができる。
また、把持部材10Bの内周面の径は、レンズ10Bを嵌合させる前の状態において例えば62mm〜63mmのものを用いることができる。
固定部材30A,30Bの挿入孔は、レンズ10A,10Bの径の大きさに合わせて異なる。しかし、固定部材30A,30Bの外形寸法は、固定するレンズの径の大きさに関わらず同じである。このため、固定部材30A、30Bを、同じ載置部材50に設置、固定することができる。
このように、固定部材の外形は、固定するレンズの径に関わらず全て同一とすることにより、あらゆる大きさの径のレンズを保持固定し、彫刻機200に設置することができる。また、レンズの径が異なっても、固定部材30A,30Bを載置板部材50に設置する手順、方法は一切変わらず同じであるので、異なる径のレンズを容易に固定することができる。
このように、固定部材の外形は、固定するレンズの径に関わらず全て同一とすることにより、あらゆる大きさの径のレンズを保持固定し、彫刻機200に設置することができる。また、レンズの径が異なっても、固定部材30A,30Bを載置板部材50に設置する手順、方法は一切変わらず同じであるので、異なる径のレンズを容易に固定することができる。
以上、本発明によるレンズ保持治具の実施の形態について説明した。本発明は上記実施の形態にとらわれることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、考えられる種々の形態を含むものであることは言うまでもない。
10,10A,10B・・・レンズ、20,20A,20B・・・把持部材、21・・・円筒部、22,23・・・フランジ部、24・・・スリット、25,37・・・ラベル、26・・・ゴム材、30,30A,30B・・・固定部材、31・・・リング部、32・・・突出部、33・・・取っ手部、34・・・段差、30a,30b,34a,34b・・・面、35・・・脚部、38・・・挿入孔、40・・・固定具、50・・・載置板部材、51・・・ベースプレート、52・・・逃げ孔、53・・・挿通孔、54,55・・・突起部、54a,55a・・・空隙、57・・・ネジ部、100・・・レンズ保持治具、200・・・彫刻機、210・・・彫刻ヘッド、211・・・彫刻工具
Claims (5)
- レンズのコバ面にその内周が嵌合する円筒部と、前記円筒部の下端から内側に向かって突出したフランジ部と、を備え、前記円筒部の高さ方向にスリットが設けられた把持部材と、
前記把持部材の前記円筒部が挿入される挿入孔を有するリング部と、前記リング部の前記挿入孔を形成する内面から突出可能とされ、前記把持部材を介して前記レンズを固定する固定具と、を有する固定部材と、
を含む
レンズ保持治具。 - 前記固定部材は、その下面に設けられた脚部を備える請求項1に記載のレンズ保持治具。
- 前記固定部材を固定する突起部と、前記固定部材の前記挿入孔内に固定された前記レンズとの接触を避けるための逃げ孔と、前記固定部材の前記脚部を挿通する挿通孔と、を備えた載置板部材を含む請求項2に記載のレンズ保持治具。
- 前記把持部材の前記円筒部の内径は、前記レンズの径と同じか、もしくはそれよりも小さい請求項1〜3に記載のレンズ保持治具。
- 前記固定部材は、前記レンズの径に応じて複数用意され、複数の前記固定部材は、外形が等しく形成される請求項3〜4に記載のレンズ保持治具。
Priority Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103673606A (zh) * | 2013-11-30 | 2014-03-26 | 临海市劳尔机械有限公司 | 全自动上盘炉 |
CN105922101A (zh) * | 2016-06-20 | 2016-09-07 | 苏州华徕光电仪器有限公司 | 一种用于透镜的抛光装置 |
JP2020159816A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 株式会社クリアテック | ハイパースペクトル撮像装置及びその方法 |
-
2010
- 2010-08-27 JP JP2010190608A patent/JP2012045676A/ja active Pending
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