JP2012045635A - 耐溶着性に優れた切削インサート - Google Patents
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Abstract
【課題】切屑とすくい面との摩擦抵抗を低減でき、すくい面に切削液を十分に行き渡らせることができるとともに安定して保持することができ、これにより切屑の溶着を防止でき、切屑処理性を十分に確保でき、加工精度及び生産性を向上できる切削インサートを提供する。
【解決手段】すくい面5と、前記すくい面5に交差して連なる逃げ面と、これらすくい面5及び逃げ面の交差稜線に形成された切れ刃7と、を備えた切削インサートであって、前記すくい面5には、前記切れ刃7に到達しない溝10が互いに並行するように複数形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】すくい面5と、前記すくい面5に交差して連なる逃げ面と、これらすくい面5及び逃げ面の交差稜線に形成された切れ刃7と、を備えた切削インサートであって、前記すくい面5には、前記切れ刃7に到達しない溝10が互いに並行するように複数形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば、多結晶ダイヤモンド(PCD)焼結体や立方晶窒化硼素(cBN)焼結体を切れ刃に備えた切削インサートに係るものであり、特に耐溶着性に優れた切削インサートに関する。
従来、金属材料(被削材)に旋削加工や転削加工等を施す刃先交換式切削工具が知られている。刃先交換式切削工具は、軸状や柱状をなす工具本体と、板状や棒状をなし該工具本体の先端部に着脱可能に装着される切削インサートと、を備えている。切削インサートは、多角形面や円形面などからなるすくい面と、このすくい面に交差して連なる逃げ面と、これらすくい面及び逃げ面の交差稜線に形成された切れ刃と、を備えている。
この種の切削インサートとして、例えば下記特許文献1に示されるような、超硬合金や鋼等からなる台金の角部にPCD焼結体又はcBN焼結体を含む切れ刃部材が配設されたものが知られている。一般に、切れ刃がPCDからなる切削インサートは、例えばアルミニウム等の非鉄金属の切削加工に用いられるが、このような被削材の切屑はカールしにくく分断されにくいため、切屑処理性が悪い。また、切れ刃がcBNからなる切削インサートは、例えば焼結合金等の切削加工に用いられるが、やはり切屑が延びやすく、切屑処理性が課題である。そこで、特許文献1の切削インサートでは、すくい面に凹状のブレーカ(チップブレーカ)を設け、このブレーカにおける切れ刃側とその反対側とに表面粗さの異なる領域を形成することで、切屑との摩擦抵抗を抑えつつも切屑を確実にカールさせて、切屑処理性を改善するようにしている。
しかしながら、従来の切削インサートにおいては、下記の課題があった。
すなわち、切屑が擦過するすくい面(ブレーカ)に溶着が生じやすく、このような溶着によって切屑処理性を十分に確保することができなくなり、加工精度や生産性が低減してしまっていた。
一方、切削液(クーラント)を使用してすくい面の潤滑性を高めることにより、前述の溶着を防止することが考えられるが、切削液がすくい面に十分に行き渡らず、また供給された切削液を安定して保持することができなかった。
すなわち、切屑が擦過するすくい面(ブレーカ)に溶着が生じやすく、このような溶着によって切屑処理性を十分に確保することができなくなり、加工精度や生産性が低減してしまっていた。
一方、切削液(クーラント)を使用してすくい面の潤滑性を高めることにより、前述の溶着を防止することが考えられるが、切削液がすくい面に十分に行き渡らず、また供給された切削液を安定して保持することができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切屑とすくい面との摩擦抵抗を低減でき、すくい面に切削液を十分に行き渡らせることができるとともに安定して保持することができ、これにより切屑の溶着を防止でき、切屑処理性を十分に確保でき、加工精度及び生産性を向上できる切削インサートを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、すくい面と、前記すくい面に交差して連なる逃げ面と、これらすくい面及び逃げ面の交差稜線に形成された切れ刃と、を備えた切削インサートであって、前記すくい面には、前記切れ刃に到達しない溝が互いに並行するように複数形成されていることを特徴とする。
すなわち本発明は、すくい面と、前記すくい面に交差して連なる逃げ面と、これらすくい面及び逃げ面の交差稜線に形成された切れ刃と、を備えた切削インサートであって、前記すくい面には、前記切れ刃に到達しない溝が互いに並行するように複数形成されていることを特徴とする。
本発明に係る切削インサートによれば、すくい面には、切れ刃に到達しない溝が互いに並行するように複数形成されているので、すくい面と該すくい面上を流れる被削材の切屑との接触面積が抑えられて、摩擦抵抗が低減される。また、切削加工時に供給される切削液が、これら溝を流れてすくい面に十分に行き渡らされるとともに、溝内に安定して保持される。これにより、すくい面の潤滑性が確保され、温度上昇が抑制されて、切屑の溶着が防止される。このように溶着が防止されることにより、切屑処理性が十分に確保されて、加工精度及び生産性が高められている。尚、ここで言う「並行するように」とは、互いに平行とされたもののみならず、互いに非平行ながらも、並んで進む(並行する)ものを含む。
また、これら溝は切れ刃に到達していないことから、下記の効果が得られる。すなわち、例えば、溝が切れ刃に到達して形成されている場合には、切れ刃が凹凸形状をなすこととなり、被削材にその形状が転写されて、加工面に切削痕が出る虞がある。また、切れ刃の強度が低下してチッピングが生じやすくなる。また、溝内に供給された切削液が、溝の切れ刃側端縁から外部へ流出しやすくなり、切削液を安定して保持できなくなる。一方、本発明によれば、溝が切れ刃に到達していないことにより、切れ刃が切削する被削材の加工精度が確保され、切れ刃のチッピングが防止され、溝内の切削液が安定して保持されるとともに潤滑性が確保される。
また、本発明に係る切削インサートにおいて、前記溝が、前記すくい面のブレーカに形成されていることとしてもよい。
本発明に係る切削インサートによれば、すくい面にブレーカが形成されているので、切屑はこのブレーカ上を流れてカールし分断させられやすくなる。そして、ブレーカには前述した溝が形成されているので、ブレーカにおける溶着が防止されて、切屑処理性が高められる。
また、本発明に係る切削インサートにおいて、前記溝は、前記切れ刃に沿うように延びており、前記溝の幅方向における最深部は、溝幅に対して、該溝の幅方向における前記切れ刃側の開口縁から1/3以下の領域に配置されていることとしてもよい。
本発明に係る切削インサートによれば、溝の幅方向における最深部が、溝幅に対して、該溝の幅方向における切れ刃側の開口縁から1/3以下の領域に配置されているので、溝の内面(壁面)のうち、最深部よりも切れ刃とは反対側に位置する部位は、最深部よりも切れ刃側に位置する部位に比べて、幅方向の単位長さあたりの溝深さ方向の変位量が小さくなり、前記幅方向に対して緩やかに傾斜するように形成される。これにより、切れ刃からすくい面に向けて流れる切屑が、溝の内面に対して滑りやすくなるとともに衝突しにくくなるので、切屑は溝内に詰まりにくくなる。よって、溶着がより確実に防止されて、切屑処理性が向上する。
また、本発明に係る切削インサートにおいて、前記溝の幅方向に沿う断面は三角形状をなしており、前記幅方向に隣り合う前記溝同士は、互いの内面が交差するように形成された稜部を介して連なっていることとしてもよい。
本発明に係る切削インサートによれば、溝が断面三角形状をなしており、幅方向に隣り合う溝同士は、互いの内面が交差するように形成された稜部を介して連なっているので、これら溝全体として断面鋸刃状に形成されることとなる。そして、切屑は、すくい面の稜部に対して点接触又は線接触するように流れることになる。すなわち、すくい面と切屑との接触面積が大幅に抑えられ、摩擦抵抗が低減されて、該すくい面の温度上昇が抑制されるとともに、溶着が防止される。
また、本発明に係る切削インサートにおいて、前記溝の幅は、1μm〜25μmの範囲内に設定され、前記溝の深さは、前記溝の幅以下に設定されることとしてもよい。
本発明に係る切削インサートによれば、溝の幅が1μm以上に設定されているので、溝内に切削液が十分に保持される。また、摩耗や溶着によって溝が容易に消失するようなことが抑制される。すなわち、溝幅が1μmよりも小さく設定された場合には、切削液を十分に保持できなくなるとともに潤滑性が低下して、すくい面に溶着が生じる虞がある。また、溝形状を初期状態のまま維持することが困難となり、溝が消失(破損)するなどして、前述の効果が安定して得られなくなる虞がある。
また、溝の幅が25μm以下に設定されているので、溝内に切屑が入り込むことが抑制され、すくい面の溶着がより確実に防止される。
また、溝の深さが、溝の幅以下に設定されているので、溝強度が確保される。すなわち、例えば、溝幅方向に隣り合う溝同士の間隔が比較的短く設定されるような場合であっても、これら溝同士の間に位置する部位の機械的強度が十分に確保されるとともに、溝の破損が防止される。
また、溝の深さが、溝の幅以下に設定されているので、溝強度が確保される。すなわち、例えば、溝幅方向に隣り合う溝同士の間隔が比較的短く設定されるような場合であっても、これら溝同士の間に位置する部位の機械的強度が十分に確保されるとともに、溝の破損が防止される。
本発明に係る切削インサートによれば、切屑とすくい面との摩擦抵抗を低減でき、すくい面に切削液を十分に行き渡らせることができるとともに安定して保持することができ、これにより切屑の溶着を防止でき、切屑処理性を十分に確保でき、加工精度及び生産性を向上できる。
以下に、本発明に係る切削インサートの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態に係る切削インサート1は、刃先交換式切削工具の軸状又は柱状をなす工具本体の先端部に着脱可能に装着されて、金属材料からなる被削材に対して、旋削加工や転削加工等の切削加工を施すものである。
本発明の一実施形態に係る切削インサート1は、刃先交換式切削工具の軸状又は柱状をなす工具本体の先端部に着脱可能に装着されて、金属材料からなる被削材に対して、旋削加工や転削加工等の切削加工を施すものである。
切削インサート1は板状や棒状をなしており、本実施形態においては、図1に示すように、多角形板状をなしている。尚、切削インサート1の形状は切削加工の種類に応じて適宜設定されるものであり、前記多角形板状以外に、円形板状、棒状等の種々の形状に設定可能である。
切削インサート1は、超硬合金や鋼からなる菱形板状の台金3と、この台金3の角部に形成された凹状の接合部3aに、ろう材4を介して接合された三角形板状の切れ刃部材2と、を備えている。ただし、これら台金3及び切れ刃部材2の形状においても、前述した切削インサート1の形状同様に種々に選択されるものであり、本実施形態に限定されない。本実施形態では、台金3としてWC−Co系超硬合金を用いている。
切れ刃部材2は、多結晶ダイヤモンド(PCD)又は立方晶窒化硼素(cBN)を含有する硬質焼結体からなる刃先層2aが、超硬合金又はサーメットからなる支持層2b上に一体に形成された2層構造とされている。このような切れ刃部材2は、例えば、硬質材料(PCD粉末又はcBN粉末)をバインダー(結合材)を用いて混練し、支持基板(支持層2b)上に積層した状態で、超高圧高温下において焼結し得られる。
切れ刃部材2は、高硬度で耐摩耗性に優れ、ヤング率が高く、熱膨張係数が低く耐熱衝撃性に優れている。尚、切れ刃部材2に支持層2bを用いずに、該切れ刃部材2全体を硬質焼結体(刃先層2a)で形成することとしてもよい。
切れ刃部材2にPCD焼結体を用いた切削インサート1は、例えばアルミニウム等の非鉄金属の切削加工に供される。また、切れ刃部材2にcBN焼結体を用いた切削インサート1は、例えば焼結合金等の切削加工に供される。
切れ刃部材2にPCD焼結体を用いた切削インサート1は、例えばアルミニウム等の非鉄金属の切削加工に供される。また、切れ刃部材2にcBN焼結体を用いた切削インサート1は、例えば焼結合金等の切削加工に供される。
ろう材4は、切れ刃部材2を台金3にろう付け接合するために用いられるものであり、該台金3の接合部3a全体を覆うように設けられている。ろう材4は、例えば、Ag、Cu、Ti、In及び不可避不純物により形成されている。尚、図1においては、説明の都合上、ろう材4の厚さを実際よりも厚く示している。
図1、図2に示すように、切削インサート1は、多角形面又は円形面等からなり厚さ方向を向くすくい面5と、すくい面5に交差して連なる逃げ面6と、これらすくい面5及び逃げ面6の交差稜線に形成された切れ刃7と、を備えている。特に図示しないが、すくい面5には、この切削インサート1を厚さ方向(図1、図2における上下方向)に貫通する貫通孔が開口されるとともに、この貫通孔にクランプネジが挿通されることによって、該切削インサート1が工具本体に装着されるように構成されてもよい。また、切れ刃7は、少なくとも前述した切れ刃部材2の刃先層2aに形成される。図示の例では、切削インサート1において、厚さ方向のすくい面5とは反対側を向く面は、工具本体のインサート取付座(不図示)に着座される着座面8とされている。
また、図2の側断面視において、すくい面5の周縁部には、切れ刃7の内側(図2における右側)に連なるように配置されて凹状をなすブレーカ9が形成されている。図示の例では、ブレーカ9は、切れ刃7から内側へ向かうに従い漸次着座面8側へ向かって傾斜した後、凹曲線状をなすようにその向きを変えつつ厚さ方向のすくい面5側へ向けて延びている。尚、ブレーカ9の形状は、前述の断面凹曲線状に限定されるものではなく、例えばブレーカ9は、切れ刃7の内側に連なりすくい面5の上面に平行とされつつも一段後退された平坦面状のブレーカ底面と、該ブレーカ底面から前記厚さ方向に立ち上げられて前記上面に連なるブレーカ壁面と、を備えて形成されていてもよい。また、すくい面5にブレーカ9が形成されていなくても構わない。
また、図3の上面視に示すように、すくい面5には、切れ刃7に到達しない溝10が、互いに並行するように複数形成されている。尚、ここで言う「並行するように」とは、互いに平行とされたもののみならず、互いに非平行ながらも、並んで進む(並行する)ものを含む。本実施形態においては、詳しくは、これら溝10のうち、すくい面5の最も外側(切れ刃7側)に配置された溝10aが、切れ刃7に間隔をあけて該切れ刃7に沿うように延びているとともに、すべての溝10が切れ刃7に対して平行に延びて形成されている。すなわち、これら溝10同士も互いに平行に延在している。尚、このような溝10の成形(製造)においては、平滑な仕上げ面を得るため、波長が紫外域に設定されたレーザを用いて加工することが望ましい。
図4に示す例では、すくい面5にブレーカ9が形成されておらず、溝10は、該すくい面5における周縁部(切れ刃7の内側)に形成されている。図示するように、溝10は、その幅方向(図4における左右方向)に沿う断面が三角形状をなしており、該溝10の幅方向における最深部11でその深さが最も大きくなるような断面凹状とされている。そして、この最深部11は、溝幅Wに対して、該溝10の幅方向における切れ刃7側の開口縁12から1/3以下の領域に配置されている。すなわち、図4において、溝10の幅方向に沿う開口縁12から最深部11までの距離Lは、溝幅Wの1/3以下に設定されている。
これにより、溝10の内面(壁面)のうち、最深部11よりも切れ刃7とは反対側に位置する傾斜面13aは、最深部11よりも切れ刃7側に位置する傾斜面13bに対して、幅方向の単位長さあたりの溝深さ方向の変位量が小さくなるように形成される。すなわち、溝10において切れ刃7側を向く傾斜面13aは、切れ刃7とは反対側を向く傾斜面13bに比べて、溝幅W方向(図4における左右方向)に対する傾斜が緩やかになるように形成されている。
また、図4において、溝幅W方向に隣り合う溝10、10同士は、互いの内面(傾斜面13a、13b)同士が交差するように形成された凸状の稜部14を介して連なっている。稜部14は、溝10、10間において、これら溝10の延在方向に沿うように延びて形成されている。尚、溝幅W方向に隣り合う溝10、10同士が、互いに間隔をあけて形成されているとともに、稜部14が形成されていなくても構わない。
また、溝10の幅Wは、1μm〜25μmの範囲内に設定されており、溝10の深さD(すなわち最深部11の深さD)は、溝の幅W以下に設定されている。また、溝10aにおける切れ刃7側の開口縁12と切れ刃7との距離は、例えば溝幅Wの2倍以上に設定されており、本実施形態では50μm程度とされている。
また、図5に示す例では、すくい面5の周縁部における切れ刃7の内側にブレーカ9が形成されており、溝10は、該ブレーカ9内に形成されている。図5においては、複数の溝10が、ブレーカ9内の略全体(詳しくは、ブレーカ9内において最も切れ刃7側に位置する溝10aと該切れ刃7との間を除く領域)に形成されている。尚、溝10は、ブレーカ9内の略全体に形成されていなくてもよく、例えばその一部以上に形成されていてもよい。また、溝10は、ブレーカ9内のみならず、該ブレーカ9の外部(例えばブレーカ9よりもすくい面5の内側に位置する領域)に形成されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る切削インサート1によれば、すくい面5には、切れ刃7に到達しない溝10が互いに並行するように複数形成されているので、すくい面5と該すくい面5上を流れる被削材の切屑との接触面積が抑えられて、摩擦抵抗が低減される。また、切削加工時に供給される切削液(クーラント)が、これら溝10を流れてすくい面5に十分に行き渡らされるとともに、溝10内に安定して保持される。これにより、すくい面5の潤滑性が確保され、温度上昇が抑制されて、切屑の溶着が防止される。このように溶着が防止されることにより、切屑処理性が十分に確保されて、加工精度及び生産性が高められている。
また、これら溝10は切れ刃7に到達していないことから、下記の効果が得られる。すなわち、例えば、溝が切れ刃に到達して形成されている場合には、切れ刃が凹凸形状をなすこととなり、被削材にその形状が転写されて、加工面に切削痕が出る虞がある。また、切れ刃の強度が低下してチッピングが生じやすくなる。また、溝内に供給された切削液が、溝の切れ刃側端部から外部へ流出しやすくなり、切削液を安定して保持できなくなる。一方、本実施形態によれば、溝10が切れ刃7に到達していないことにより、切れ刃7が切削する被削材の加工面精度が確保され、切れ刃7のチッピングが防止され、溝10内の切削液が安定して保持されるとともに潤滑性が確保される。
また、図5に示す切削インサート1によれば、すくい面5にブレーカ9が形成されているので、切屑はこのブレーカ9上を流れてカールし分断させられやすくなる。そして、ブレーカ9には前述した溝10が形成されているので、ブレーカ9における溶着が防止されて、切屑処理性が高められる。
また、溝10の幅方向における最深部11が、溝幅Wに対して、該溝10の幅方向における切れ刃7側の開口縁12から1/3以下の領域に配置されているので、溝10の内面(壁面)のうち、最深部11よりも切れ刃7とは反対側に位置する部位(傾斜面13a)は、最深部11よりも切れ刃7側に位置する部位(傾斜面13b)に比べて、前記幅方向に対して傾斜が緩やかとなるように形成される。これにより、切れ刃7からすくい面5の内側へ向かう切屑が、溝10の内面のうち傾斜面13a上を滑るように流れるとともに該傾斜面13aに衝突されにくくなり、切屑は溝10内に詰まりにくくなる。よって、溶着がより確実に防止されて、切屑処理性が向上する。
尚、最深部11が溝10の幅方向中央よりも切れ刃7側に偏倚して配置されることにより前述の効果を得ることができるが、本実施形態で説明したように、該最深部11が溝10の幅方向における切れ刃7側の開口縁12から溝幅Wの1/3以下の領域に配置されることによって、その効果が確実に得られることとなるので、望ましい。
また、溝10が断面三角形状をなしており、幅方向に隣り合う溝10、10同士は、互いの内面が交差するように形成された稜部14を介して連なっているので、図4及び図5に示すように、これら溝10全体として断面鋸刃状に形成されることとなる。そして、切屑は、すくい面5の稜部14に対して点接触又は線接触するように流れることになる。すなわち、すくい面5と切屑との接触面積が大幅に抑えられ、摩擦抵抗が低減されて、該すくい面5の温度上昇が抑制されるとともに、溶着が防止される。
また、溝10の幅Wが1μm以上に設定されているので、溝10内に切削液が十分に保持される。また、摩耗や溶着によって溝10が容易に消失するようなことが抑制される。すなわち、溝幅Wが1μmよりも小さく設定された場合には、切削液を十分に保持できなくなるとともに潤滑性が低下して、すくい面5に溶着が生じる虞がある。また、溝10の形状を初期状態のまま維持することが困難となり、溝10が消失(破損)するなどして、前述の効果が安定して得られなくなる虞がある。
また、溝10の幅Wが25μm以下に設定されているので、溝10内に切屑が入り込むことが抑制され、すくい面5の溶着がより確実に防止される。
また、溝10の深さDが、溝10の幅W以下に設定されているので、溝10の強度が確保される。すなわち、例えば本実施形態のように、溝幅W方向に隣り合う溝10、10同士の間隔が比較的短く設定されるような場合であっても、これら溝10、10同士の間に位置する部位(頂点に稜部14を有する壁部)の機械的強度が十分に確保されるとともに、溝10の破損が防止される。
また、溝10の深さDが、溝10の幅W以下に設定されているので、溝10の強度が確保される。すなわち、例えば本実施形態のように、溝幅W方向に隣り合う溝10、10同士の間隔が比較的短く設定されるような場合であっても、これら溝10、10同士の間に位置する部位(頂点に稜部14を有する壁部)の機械的強度が十分に確保されるとともに、溝10の破損が防止される。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、前述の実施形態では、溝10の幅方向に沿う断面が三角形状をなしていることとしたが、これに限定されるものではない。
例えば、前述の実施形態では、溝10の幅方向に沿う断面が三角形状をなしていることとしたが、これに限定されるものではない。
図6は、前述した実施形態の変形例を示している。尚、以下の説明においては、前述の実施形態と同一部位には同一の符号を付し、その説明を省略する。図示の例では、断面三角形状をなす溝10の代わりに、断面凹曲線状をなし、切れ刃7に到達しない溝20が、溝幅W方向に沿って並行するように複数形成されている。そして、これら溝20全体として、断面波状をなしている。また、溝20の最深部11は、該溝20の幅方向中央よりも切れ刃7側に偏倚して配置されている。
また、図7に示す変形例のように、前述した溝10、20の最深部11とは異なり、溝幅方向(図7における左右方向)の幅方向中央よりも切れ刃7とは反対側(すくい面5の内側)に偏倚して配置された最深部31を有する溝30が、互いに並行するように複数形成されていてもよい。この場合、これら溝30のうち、すくい面5の最も外側(切れ刃7側)に配置された溝30aにおける最深部31が、切れ刃7から離間するように配置されるので、該最深部31から切れ刃7側(逃げ面6側)へ向けてクラックが入りにくくなり、切れ刃7のチッピングを抑制する効果が高められる。
尚、図6及び図7においては、すくい面5にブレーカ9が形成されていない例を用いて説明したが、図5で説明したように、溝20、30が、すくい面5に形成されたブレーカ9内に配置されていてもよい。
尚、図6及び図7においては、すくい面5にブレーカ9が形成されていない例を用いて説明したが、図5で説明したように、溝20、30が、すくい面5に形成されたブレーカ9内に配置されていてもよい。
また、図8、図9に示す変形例のように、切れ刃7に到達しない溝40が、互いに並行するように複数形成されつつも、互いに又は/及び切れ刃7に対して、非平行に延びていることとしてもよい。図8の例では、複数の溝40及び切れ刃7が、互いに非平行に延びて形成されている。図9の例では、複数の溝40同士が互いに平行に形成されている一方で、これら溝40と切れ刃7とは非平行とされている。
また、前述の実施形態では、すくい面5にブレーカ9が形成されていなくてもよく、すなわちブレーカ9を有しないすくい面5に、前述の溝10、20、30、40が直接形成されていてもよいとしたが、すくい面5にブレーカ9が形成されていることにより、前述のように切屑処理性がより高められることから、望ましい。
また、ブレーカ9を形成する場合において、その形状は、前述の実施形態で説明したものに限定されるものではない。
また、ブレーカ9を形成する場合において、その形状は、前述の実施形態で説明したものに限定されるものではない。
また、前述の実施形態では、台金3の角部に凹状の接合部3aが形成されているとともに、該接合部3aにPCD焼結体又はcBN焼結体を含む切れ刃部材2がろう付け接合されていることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、切削インサート1は、そのインサート本体における少なくとも切れ刃7近傍にTiN、TiAlN、TiAlSiN、CrAlNの内、1膜あるいは2膜以上の膜でコーティングがなされたものであっても構わない。また、切削インサート1の各構成要素の材質は、前述の実施形態に限定されるものではない。
その他、前述した実施形態及び変形例の構成要素を適宜組み合わせても構わない。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述の構成要素を周知の構成要素に置き換えることが可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[切削インサートの作製]
まず、平均粒径5μmのダイヤモンド粉末を用意し、これとバインダーとを混練したものを支持基板(支持層2b)上に積層して、ジルコニウム製カプセルに封入した。尚、前記支持基板としては、コバルト含有量約15重量%のWC−Co系超硬合金を用いた。
まず、平均粒径5μmのダイヤモンド粉末を用意し、これとバインダーとを混練したものを支持基板(支持層2b)上に積層して、ジルコニウム製カプセルに封入した。尚、前記支持基板としては、コバルト含有量約15重量%のWC−Co系超硬合金を用いた。
次いで、このカプセルを、圧力5.5GPa、温度1500℃、保持時間30分の条件で超高圧高温処理し、PCD焼結体素材を得た。
また、このPCD焼結体素材の上下面をダイヤモンド砥石にて研磨し、厚さ1.5mmの円板形状とした。
次いで、ワイヤ放電加工機を用いて、前記PCD焼結体素材を所定形状・寸法に切断し、切れ刃部材2を得た。
また、このPCD焼結体素材の上下面をダイヤモンド砥石にて研磨し、厚さ1.5mmの円板形状とした。
次いで、ワイヤ放電加工機を用いて、前記PCD焼結体素材を所定形状・寸法に切断し、切れ刃部材2を得た。
一方、WC−Co系超硬合金からなる台金3のコーナ部に、切れ刃部材2の形状に対応するように凹状の接合部3aを形成し、この接合部3aにろう材4を介して前記切れ刃部材2を配設し、700〜730℃でろう付け接合して、切削インサート1を得た(図1参照)。尚、前記ろう材4としては、Ag−Cu−Ti−In系のものを用いた。
次いで、インサート加工用研削盤を用いて、前記切削インサート1の外周形状を整え、呼び記号TPMH160304に仕上げた。
次いで、放電加工機を用いて、この切削インサート1のすくい面5における周縁部(切れ刃7の内側部分)に、凹状のブレーカ9を形成した(図2参照)。
次いで、放電加工機を用いて、この切削インサート1のすくい面5における周縁部(切れ刃7の内側部分)に、凹状のブレーカ9を形成した(図2参照)。
次いで、YAGレーザの4倍波を用いて、出力1W、走査速度10mm/sec、繰り返し10kHzの条件で、切削インサート1のブレーカ9に、下記表1に示す実施例1〜16及び比較例1〜10の溝をそれぞれ形成した。尚、溝は、図3に示すように切れ刃7に平行で、かつ、複数の溝同士が平行になるように形成した。また、これら溝は、図5に示すようにブレーカ9内の略全体に形成し、溝形状(寸法)の確認・測定には、レーザ顕微鏡を用いた。詳しくは、溝の測定箇所を5点設定して、溝幅W・溝深さDについてはこれら5点のうち最大のものが所定の値となるように、また、溝幅に対する溝の切れ刃側開口縁から最深部までの距離(L/W)については5点の平均値が所定の値となるように、溝を形成した。
また、切削インサート1のすくい面5にブレーカ9を形成せずに、該すくい面5の周縁部に溝を直接形成したものを用意した(実施例17、18及び比較例11、12)。尚、溝の配置及び形成領域については、上面視で実施例1〜16、比較例1〜10と略同等の面積になるように設定し、溝の形成方法、溝形状(寸法)の確認・測定については、前述同様とした。
また、切削インサート1のすくい面5にブレーカ9を形成せずに、該すくい面5の周縁部に溝を直接形成したものを用意した(実施例17、18及び比較例11、12)。尚、溝の配置及び形成領域については、上面視で実施例1〜16、比較例1〜10と略同等の面積になるように設定し、溝の形成方法、溝形状(寸法)の確認・測定については、前述同様とした。
[切削試験]
前述のように作製された各切削インサート1、及び、アルミ合金を用いて、湿式で連続切削試験を行った。尚、切削条件は下記の通りとした。被削材:アルミ合金A5052丸棒、切削速度:300m/min、送り:0.1mm/rev、切込み:0.2mm。そして、上記試験における切屑処理性を目視により評価した。評価結果を表1に示す。
尚、評価の基準(A、B、C、D)は、下記の通りとした。
A:優良。切屑処理性に特に優れており、溶着や切れ刃・溝の破損は全く見受けられない。
B:良。切屑処理性が良く、溶着や切れ刃・溝の破損は特に見受けられない。
C:可(改善効果あり)。Bよりはやや劣るものの、切屑処理性が良く、溶着や切れ刃・溝の破損は特に見受けられない。
D:不可。溶着や切れ刃・溝の破損が生じており、切屑処理性が悪い。
前述のように作製された各切削インサート1、及び、アルミ合金を用いて、湿式で連続切削試験を行った。尚、切削条件は下記の通りとした。被削材:アルミ合金A5052丸棒、切削速度:300m/min、送り:0.1mm/rev、切込み:0.2mm。そして、上記試験における切屑処理性を目視により評価した。評価結果を表1に示す。
尚、評価の基準(A、B、C、D)は、下記の通りとした。
A:優良。切屑処理性に特に優れており、溶着や切れ刃・溝の破損は全く見受けられない。
B:良。切屑処理性が良く、溶着や切れ刃・溝の破損は特に見受けられない。
C:可(改善効果あり)。Bよりはやや劣るものの、切屑処理性が良く、溶着や切れ刃・溝の破損は特に見受けられない。
D:不可。溶着や切れ刃・溝の破損が生じており、切屑処理性が悪い。
[評価]
表1に示す通り、溝が切れ刃に到達しない形状とされた実施例1〜18では、評価がすべてC以上(A〜C)となり、溶着や切れ刃・溝の破損が見受けられず、良好な結果となった。尚、これら実施例1〜18のうち、溝がブレーカ9内に形成されているとともに、溝断面形状が三角形に設定された実施例4〜9、12、13、16においては、評価がすべてB以上(A、B)となり、また、溝がブレーカ9内に形成されているとともに、溝幅に対する溝の切れ刃側開口縁から最深部までの距離(L/W)が1/3以下に設定された実施例2、5、7〜9、12、13、16も、評価がすべてB以上となった。特に、これらを組み合せたもの(すなわち溝がブレーカ9内に形成され、溝断面形状が三角形とされるとともに前記L/Wが1/3以下に設定されたもの)のうち、溝幅Wが1μm〜25μmの範囲内に設定され、かつ、溝深さDが溝幅W以下に設定された実施例5、7〜9においては、評価がすべてAとなり、優れた切屑処理性が得られることがわかった。
表1に示す通り、溝が切れ刃に到達しない形状とされた実施例1〜18では、評価がすべてC以上(A〜C)となり、溶着や切れ刃・溝の破損が見受けられず、良好な結果となった。尚、これら実施例1〜18のうち、溝がブレーカ9内に形成されているとともに、溝断面形状が三角形に設定された実施例4〜9、12、13、16においては、評価がすべてB以上(A、B)となり、また、溝がブレーカ9内に形成されているとともに、溝幅に対する溝の切れ刃側開口縁から最深部までの距離(L/W)が1/3以下に設定された実施例2、5、7〜9、12、13、16も、評価がすべてB以上となった。特に、これらを組み合せたもの(すなわち溝がブレーカ9内に形成され、溝断面形状が三角形とされるとともに前記L/Wが1/3以下に設定されたもの)のうち、溝幅Wが1μm〜25μmの範囲内に設定され、かつ、溝深さDが溝幅W以下に設定された実施例5、7〜9においては、評価がすべてAとなり、優れた切屑処理性が得られることがわかった。
ここで、溝幅Wが1μm〜25μmの範囲内に設定されたもの(例えば実施例5、実施例8)と、これに対し溝幅W以外の条件が同一ではあるものの該溝幅Wが前述の範囲外に設定されたもの(例えば実施例12、実施例13)とを対比すると、溝幅Wが1μm〜25μmの範囲内に設定されることで切屑処理性が確実に高められていることが分かる。尚、溝深さD以外が互いに同一の条件とされた実施例1と実施例14(或いは実施例7と実施例16)の対比からは、溝深さDが溝幅W以下とされることにより切屑処理性が確実に高められていることが分かる。詳しくは、例えば溝深さDが溝幅Wよりも大きく設定された実施例14においては、評価がCとなり、溝深さDが溝幅W以下とされた実施例1(評価B)よりも切屑処理性が劣っていた。
また、ブレーカ9の有無以外が互いに同一の条件とされた実施例2と実施例17(或いは実施例9と実施例18)の対比からは、溝がブレーカ9内に形成されることで、切屑処理性が大幅に高められることが確認された。
一方、溝が切れ刃に到達する形状とされた比較例1〜12においては、ブレーカ9の有無、溝断面形状、溝幅W、溝深さD、距離L/Wの設定に係わらず、評価がすべてDとなり、溶着や切れ刃・溝の破損等が見受けられ、切屑処理性が悪かった。
一方、溝が切れ刃に到達する形状とされた比較例1〜12においては、ブレーカ9の有無、溝断面形状、溝幅W、溝深さD、距離L/Wの設定に係わらず、評価がすべてDとなり、溶着や切れ刃・溝の破損等が見受けられ、切屑処理性が悪かった。
尚、前述の実施例では、溝は、図3に示すように切れ刃7に平行で、かつ、複数の溝同士が平行となるように形成したが、この実施例(本発明)で得られた切屑処理性の傾向(評価C以上)は、溝が切れ刃に到達せず、かつ、溝同士が互いに並行するように形成された配置であれば、図3の溝の配置に限定されず得られるものであることが確認された。
すなわち、図8に示すように、切れ刃7に到達しない複数の溝40が、切れ刃7に非平行で、かつ、互いにも非平行に配置された場合であっても、それ以外が実施例1〜18と同一の条件であればすべて評価C以上となることがわかった。
また、図9に示すように、切れ刃7に到達しない複数の溝40が、切れ刃7に非平行とされつつも、互いには平行に配置された場合においても、それ以外が実施例1〜18と同一の条件であればすべて評価C以上となることがわかった。
一方、溝が切れ刃に到達する形状とされた比較例においては、どのような溝の配置によっても、評価がすべてDとなった。
すなわち、図8に示すように、切れ刃7に到達しない複数の溝40が、切れ刃7に非平行で、かつ、互いにも非平行に配置された場合であっても、それ以外が実施例1〜18と同一の条件であればすべて評価C以上となることがわかった。
また、図9に示すように、切れ刃7に到達しない複数の溝40が、切れ刃7に非平行とされつつも、互いには平行に配置された場合においても、それ以外が実施例1〜18と同一の条件であればすべて評価C以上となることがわかった。
一方、溝が切れ刃に到達する形状とされた比較例においては、どのような溝の配置によっても、評価がすべてDとなった。
1 切削インサート
5 すくい面
6 逃げ面
7 切れ刃
9 ブレーカ
10、10a、20、30、30a、40 溝
11、31 溝の幅方向における最深部
12 溝の幅方向における切れ刃側の開口縁
13a 溝の内面のうち最深部よりも切れ刃とは反対側に位置する部位(傾斜面)
13b 溝の内面のうち最深部よりも切れ刃側に位置する部位(傾斜面)
14 稜部
D 溝の深さ
L 溝の幅方向における切れ刃側の開口縁から最深部までの距離
W 溝幅
5 すくい面
6 逃げ面
7 切れ刃
9 ブレーカ
10、10a、20、30、30a、40 溝
11、31 溝の幅方向における最深部
12 溝の幅方向における切れ刃側の開口縁
13a 溝の内面のうち最深部よりも切れ刃とは反対側に位置する部位(傾斜面)
13b 溝の内面のうち最深部よりも切れ刃側に位置する部位(傾斜面)
14 稜部
D 溝の深さ
L 溝の幅方向における切れ刃側の開口縁から最深部までの距離
W 溝幅
Claims (5)
- すくい面と、前記すくい面に交差して連なる逃げ面と、これらすくい面及び逃げ面の交差稜線に形成された切れ刃と、を備えた切削インサートであって、
前記すくい面には、前記切れ刃に到達しない溝が互いに並行するように複数形成されていることを特徴とする切削インサート。 - 請求項1に記載の切削インサートであって、
前記溝が、前記すくい面のブレーカに形成されていることを特徴とする切削インサート。 - 請求項1又は2に記載の切削インサートであって、
前記溝は、前記切れ刃に沿うように延びており、
前記溝の幅方向における最深部は、溝幅に対して、該溝の幅方向における前記切れ刃側の開口縁から1/3以下の領域に配置されていることを特徴とする切削インサート。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の切削インサートであって、
前記溝の幅方向に沿う断面は三角形状をなしており、
前記幅方向に隣り合う前記溝同士は、互いの内面が交差するように形成された稜部を介して連なっていることを特徴とする切削インサート。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の切削インサートであって、
前記溝の幅は、1μm〜25μmの範囲内に設定され、
前記溝の深さは、前記溝の幅以下に設定されることを特徴とする切削インサート。
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