JP2012043979A - 回路構成体の接着剤注入装置および回路構成体の接着剤注入方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接着剤注入領域50Aを有する回路構成体50が収納されたチャンバ10Aをパージして、回路構成体50から接着剤注入領域50Aに放出されたガスをチャンバ10Aから排出する。チャンバ10A内を減圧して、回路構成体50の接着剤注入領域50Aへの接着剤44aの注入を開始させる。
【選択図】図2
Description
この場合、積層半導体ウエハの間隙の圧力は大気圧より低いので、チャンバ内を大気圧にすることにより、真空差圧と毛細管作用によって接着剤が積層半導体ウエハの間隙に注入されるのである(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明の回路構成体の接着剤注入装置は、接着剤注入領域を有する回路構成体を収納するチャンバおよび回路構成体から接着剤注入領域内に放出されたガスをチャンバの外部に導出する放出ガス排出手段を有する排気室と、排気室から搬送された回路構成体の接着剤注入領域の少なくとも一部を接着剤に接触させて接着剤を注入する接着剤注入室と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の回路構成体の接着剤注入方法は、回路構成体から接着剤注入領域に放出されたガスを第1のチャンバの外部に導出する工程と、第2のチャンバ内を減圧して回路構成体の接着剤注入領域の少なくとも一部に接着剤を接触する工程および第2のチャンバ内の圧力を上昇して回路構成体の接着剤注入領域に接着剤を注入する工程と、を含むことを特徴とする。
以下、この発明の回路構成体の接着剤注入装置および回路構成体の接着剤注入方法の第1実施形態について説明する。
図1および図2は、この発明の回路構成体の接着剤注入装置の第1実施形態を示す断面図であり、図1は、接着剤を注入する前の状態を示し、図2は接着剤を注入している状態を示す。
注入装置10は、壁部10Bを有し、壁部10Bに周囲を囲まれて外部と密閉することが可能なチャンバ10Aを有する。チャンバ10A内には、台11、軸12、昇降駆動部13からなる昇降機構15が設けられている。軸12は支持部12から繰出しおよび引込みが可能であり、軸12に一体に設けられた台11は、上昇および下降が可能である。また、チャンバ10A内には、ヒータ16が設けられている。
真空排気系20は、配管21、排気停止弁22、排気流量調整弁23および真空ポンプ24を備える。真空ポンプ24を駆動し、排気停止弁22、排気流量調整弁23を開くことにより、配管21を介してチャンバ10A内を減圧することができる。
ガス導入系30は、配管31、導入停止弁22、導入流量調整弁33を有する。導入停止弁32および導入流量調整弁33を開き、不活性ガスを外部よりチャンバ10A内に導入することができる。
45は、接着剤44が収容された接着剤槽であり、接着剤導入系40の配管41の一端41aは、接着剤槽45に収容された接着剤44の中まで延出されている。配管41の他端41bは、チャンバ10A内に導入されている。
昇降機構15の台11上には、接着剤44aが収納された接着剤容器46が搭載されている。図示はしないが、配管41にはポンプ等の供給装置が接続されており、供給停止弁42および供給流量調整弁43を開いて、接着剤槽45に収容された接着剤44を、チャンバ10A内に配置された接着剤容器46内に供給することが可能である。
回路構成体50は、図7に、その一部を拡大した平面図に図示されるように、外周のほぼ全体にシール材52が設けられ、また、外周の一部にシール材52が設けられていない注入口51が形成されている。
回路構成体50は、回路素子体53、54、55を積層して構成されている。回路素子体53は、シリコンウエハなどの半導体基板56を有し、その半導体基板56の上面側に、ゲートG、ドレインDおよびソースSを有するMOS型トランジスタ57および接続端子部57aを含む集積回路が形成されている。
回路素子体54および55は、それぞれ、シリコンウエハ等の半導体基板56A上にゲートG、ドレインDおよびソースSを有するMOS型トランジスタ57を含む集積回路が形成されている。また、回路素子体54および55には、半導体基板56Aの主面に垂直な方向に形成された複数の接続配線58が形成されている。各接続配線58は半導体基板56Aの底面より下方に突き出す接続端子部58aを有している。
そして、回路素子体53上に回路素子体54を、接続端子部57aと58aとを位置合わせして搭載して両端子部を接合し、また、回路素子体54上に回路素子体55を、両部材の接続端子部58aを位置合わせして接合する。
この後、回路構成体50の周囲に、注入口51が開口されたシール材52を形成する。封止構造は、回路構成体50を樹脂中に浸漬した後、注入口51となる部分を除去して形成する、または、印刷、インクジェット法等により、注入口51を有するシール材52を形成する、あるいは、接着剤シールを貼り付ける等、適宜な方法で形成することができる。
制御部81は、真空排気系20の真空ポンプ24の駆動をする真空駆動部82の動作タイミングを制御する。さらに、排気停止弁22を開閉し、排気流量調整弁23の開閉量を調整する真空排気系83を制御してチャンバ10A内を所定の真空度にする。また、ガス導入系40の導入停止弁32を開閉し、導入流量調整弁33の開閉量を調整するガス導入系調整部84を制御する。また、制御部81は、ヒータ16による加熱温度を制御するヒータ温度制御部85を制御する。
また、制御部81は、後述するが、真空排気系20の動作回数をカウントとするカウンタ91を駆動する。
先ず、図1に図示されるように、チャンバ10A内には、昇降機構15の台11上に、接着剤44aが収納された接着剤容器46が搭載されている。この注入装置10の壁面10Bを開口して形成された導入口(図示せず)を開いて、チャンバ10A内に、回路構成体50を配置する(ステップS11)。ホルダ17を、チャンバ10A内に設置しておき、予め外周部にシール材52が形成された回路構成体50を該チャンバ10A内に設置されたホルダ17に取付けても良いし、チャンバ10Aの外部で回路構成体50をホルダ17に取り付け、チャンバ10A内で、ホルダ17を注入装置10の壁面10Bに固定された固定部材に取付けてもよい。
ステップS12〜ステップS15の処理でチャンバ10A内の圧力が減圧される。ステップS15でチャンバ10A内の圧力が所定の圧力に達したと判断されると、ステップS16においてパージが開始され、チャンバ内圧力10Aが上昇し大気圧に近づく。チャンバ10A内の圧力が所定の高気圧に達したら、再び、減圧処理が開始され、以降、減圧とパージとが繰り返される。この作用により、回路構成体50から接着剤注入領域50Aに放出されたガスはチャンバ10Aの外部に排出される。
図9では、パージは、チャンバ10A内の圧力が大気圧(ATM)よりも低い状態で、真空引きに切り替えられるように図示されている。しかし、真空引きに切り替えるチャンバ10A内の圧力は、図10に図示されるように、大気圧とほぼ同じ圧力に設定したり、図11に図示されるように大気圧よりも高い圧力に設定したりすることができる。
なお、図8に示すフローチャートにおいて、ステップS12〜ステップS23を制御部81で制御して行い、回路構成体50の外周部をシール材52により封止する工程は別途、行うこととした。しかし、後述するように、回路構成体50の外周部をシール材52により封止する封止処理およびステップS21〜ステップS23の接着剤注入領域50A内への接着剤の注入処理は、それぞれ、例えば、インライン型の装置(図19参照)を構成して行うようにしてもよい。
図12は、第1実施形態の変形例を示す接着剤注入手順のフローチャートである。変形例の回路構成体の接着剤注入手順では、先ず、ステップS31において、回路構成体50内のガス出しが行われる。
回路構成体50に吸収される成分のうち、水分等は加熱により水蒸気となって、他のガスと共に放出される。そこで、予め、注入装置10の外部で、あるいは別の装置内で回路構成体50を加熱し、ガス放出処理を行う。そして、回路構成体50の周囲が不活性ガスで覆われるようにカセット内に収納し、この状態で注入装置10のチャンバ10A内に導入する(ステップS32)。なお、回路構成体50を加熱し、ガスを放出させる処理は、図1における注入装置内のヒータ16を用いて行ってもよい。この場合には、ステップS32とステップS31の順序は逆になる。
第1実施形態では、回路構成体から放出されるガスの放出をパージ及び真空排気によって注入装置の外部に導出するものであった。これに対し、第2実施形態では、回路構成体を加熱、真空排気することにより、回路構成体からの放出ガスを外部に導出する。
以下、図15のフローチャートに沿って、第2実施形態を説明する。
チャンバ内圧力は、ステップS42の処理により減圧されて真空状態に維持される。ステップS43の処理によって、回路構成体50の温度(またはヒータ16の温度)は、65℃〜95℃の範囲になるように制御され、回路構成体50から接着剤注入領域50Aに放出されたガスは、真空排気系20によりチャンバ10Aから排出される。
図13では、加熱の開始が、ステップS42の真空引き工程の後工程となっている。しかし、図14に示されるように、加熱の開始をステップS42の真空引き工程の前工程としてもよい。
また、図13および図14では、加熱による回路構成体50の温度は直線的に上昇するように図示されているが、PID制御とすれば、初期は急峻で、到達温度付近では緩やかな曲線になる。
図18は、第2実施形態の変形例のフローチャートを示す。この変形例は、ガスの排出を、繰り返しパージと加熱の両方で行う方法である。
以下、第2実施形態の変形例の方法を説明する。
ステップS51で、回路構成体50をチャンバ10A内に配置する。ステップS52で真空引きが開始される。
チャンバ10Aの減圧とパージが繰り返し行われ、同時にヒータ16より回路構成体50の加熱が行われる。この場合、パージ回数の設定値M=3とされている。減圧とパージとがそれぞれM回行われた後(図16では3回目以降)は、チャンバ10A内を真空引きして、接着剤44aの注入を開始することができる。つまり、図中、○印以降は、接着剤の注入の開始を任意に設定することができる。
図16では、加熱開始のタイミングを最初の真空引きの後工程としている。しかし、図17の如く、加熱開始のタイミングを最初の真空引きの前工程とすることもできる。
図19に示す第3実施形態は、図1に示す注入装置100をインライン方式としたものである。注入装置100は、前処理室105、シール塗布室110、シール硬化室120、排気室130、第1注入室140、接着剤脱泡室150、第2注入室160、接着剤段取室170、拭取室180、接着剤硬化室185の各室を備えている。各室の境界は、出入口弁101で仕切られている。
接着剤脱泡室150には、昇降機構15が設けられ、昇降機構15の台11にヒータ151が設けられている。また、台11上には接着剤44aが収納された接着剤容器46が搭載されている。また、接着剤脱泡室150には、真空ポンプ155が真空引きするように設けられている。真空ポンプ155により、制御弁156を介して接着剤脱泡室150を真空にして、接着剤44a内に含有されているガスを脱泡した後、出入口弁101を開いて昇降機構15により、接着剤容器46を上昇させて第1注入室140内に搬送する。
先ず、図5に図示された回路構成体50が、前処理室105にロードされて、ホルダ17に回転可能に軸支される。静電除去イオナイザを用いて、静電気除去を行った後、出入口弁101を開いて、回路構成体50およびホルダ17は、シール塗布室110に搬送される。
減圧およびパージは図8のステップS12〜ステップS17のように複数回繰り返される。但し、回路構成体50から放出されるガスが少ない場合には、それぞれ、一度ずつ行うようにしてもよい。次に、出入口弁101を開放して回路構成体50が第1注入室140に搬送される。搬送時の状況は、真空状態を保った搬送とするが大気圧に戻した状況にて搬送することもできる。
なお、接着剤注入領域50Aへの接着剤44aの注入を、第1注入室140と第2注入室160とにおいて分担して行う実施形態としているが、接着剤注入領域50Aへの接着剤44aの注入を1つの注入室で行うようにすることもできる。
脱泡された接着剤44aが収納された接着剤容器46は、出入口弁101を開き、昇降機構15によって上昇されて第1注入室140に移動され、排気室130から搬送される回路構成体50の注入口51に接触する。
接着剤44aを収納した接着剤容器46は、このように、接着剤段取室170−接着剤脱泡室150−第1注入室140−第2注入室160を循環する。
また、積層回路基板により、多層配線基板を形成する場合にも適用が可能である。
15 昇降機構
16 ヒータ
20 真空排気系
30 ガス導入系
40 接着剤導入系
44、44a 接着剤樹脂層
46 接着剤容器
50 回路構成体
50A 接着剤注入領域
51 注入口
52 シール材
53〜55 回路素子体
81 制御部
105 前処理室
110 シール塗布室
120 シール硬化室
130 排気室
140 第1注入室
150 接着剤脱泡室
160 第2注入室
170 接着剤段取室
180 拭取室
185 接着剤硬化室
Claims (15)
- 接着剤注入領域を有する回路構成体および接着剤が収納された接着剤容器を収納するチャンバと、
前記回路構成体から前記接着剤注入領域内に放出されたガスをチャンバ内から外部に導出する放出ガス排出手段と、
前記チャンバ内を減圧する減圧手段と、
前記回路構成体の接着剤注入領域への前記接着剤の注入を行う接着剤注入手段と、
前記放出ガス排出手段によりチャンバ内から前記ガスを排出し、前記減圧手段によりチャンバ内を減圧した後、前記回路構成体の接着剤注入領域への前記接着剤の注入を開始させる制御手段と、
を具備することを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。 - 請求項1に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、前記放出ガス排出手段は、前記チャンバ内に不活性ガスを導入して前記回路構成体から前記接着剤注入領域内に放出されたガスをパージするパージ手段を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。
- 請求項1に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、前記放出ガス排出手段は、前記回路構成体を加熱する加熱手段および前記加熱手段を、前記回路構成体が前記前記接着剤注入領域内にガスを放出するに適した温度範囲に制御する温度制御手段を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。
- 請求項1に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、前記放出ガス排出手段は、前記チャンバ内に不活性ガスを導入して前記回路構成体からチャンバ内に放出されたガスをパージするパージ手段と、前記回路構成体を加熱する加熱手段および前記加熱手段を、前記回路構成体が前記接着剤注入領域内にガスを放出するに適した温度範囲に制御する温度制御手段と、を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。
- 請求項3または4のいずれか1項に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、前記温度制御手段により制御する温度範囲は、65℃よりも高く、95℃よりも低く設定されていることを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、
前記制御手段は、少なくとも、前記減圧手段によるチャンバ内の減圧と、前記放出ガス排出手段によるチャンバ内ガスの排出とのいずれかを複数回実行した後、前記回路構成体の接着剤注入領域への前記接着剤の注入を開始させる手段を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。 - 接着剤注入領域を有する回路構成体を収納するチャンバおよび前記回路構成体から前記接着剤注入領域内に放出されたガスを前記チャンバの外部に導出する放出ガス排出手段を有する排気室と、
前記排気室から搬送された前記回路構成体の接着剤注入領域の少なくとも一部を接着剤に接触させて接着剤を注入する接着剤注入室と、
を具備することを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。 - 請求項7に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、前記接着剤注入室は、
前記回路構成体の接着剤注入領域の少なくとも一部を接着剤に接触させて注入を開始する第1の接着剤注入室と、第1の接着剤注入室における接着剤の注入処理に引き続いて前記接着剤注入領域の未注入領域への接着剤注入を行う第2の接着剤注入室を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。 - 請求項7に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、さらに、前記接着剤を脱泡し、脱泡後に前記接着剤を前記接着剤注入室に搬送するための接着剤脱泡室を備えていることを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。
- 請求項9に記載の回路構成体の接着剤注入装置において、さらに、前記接着剤が収納された容器に、接着剤を供給して前記接着剤脱泡室に搬送するための接着剤段取室を備えていることを特徴とする回路構成体の接着剤注入装置。
- チャンバ内に配置された回路構成体の接着剤注入領域内を、チャンバ内と共に減圧した後、接着剤注入領域への接着剤の注入を開始する回路構成体の接着剤注入方法において、
チャンバ内を減圧して接着剤の注入を開始する前の工程であって、回路構成体から前記接着剤注入領域内に放出されたガスをチャンバの外部に導出する放出ガス排出工程を備えていることを特徴とする回路構成体の接着剤注入方法。 - 請求項11に記載の回路構成体の接着剤注入方法において、前記放出ガス排出工程は、前記チャンバ内に不活性ガスを導入して前記回路構成体から前記接着剤注入領域内に放出されたガスをパージするパージ工程を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入方法。
- 請求項12に記載の回路構成体の接着剤注入方法において、前記パージ工程の前の工程であって、前記チャンバ内を減圧する減圧工程を備えていることを特徴とする回路構成体の接着剤注入方法。
- 請求項11に記載の回路構成体の接着剤注入方法において、前記放出ガス排出工程は、前記回路構成体を前記接着剤注入領域内にガスを放出するに適した温度範囲に加熱する加熱工程を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入方法。
- 回路構成体から接着剤注入領域に放出されたガスを第1のチャンバの外部に導出する工程と、
第2のチャンバ内を減圧して前記回路構成体の接着剤注入領域の少なくとも一部に接着剤を接触する工程および前記第2のチャンバ内の圧力を上昇して前記回路構成体の接着剤注入領域に接着剤を注入する工程と、
を含むことを特徴とする回路構成体の接着剤注入方法。
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