JP2012043693A - 色素増感太陽電池用透明導電フィルム - Google Patents

色素増感太陽電池用透明導電フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を選択的に向上した、色素増感太陽電池用透明導電フィルムを提供する。
【解決手段】透明基材フィルムの表面に、直接または一層以上の層を介して、透明基材フィルムよりも屈折率の低い低屈折率層と、錫ドープ酸化インジウム層とがこれの順に積層されている。低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.60で膜厚が5〜310nmである。透明導電フィルムの表面抵抗値は5〜50Ω/□である。透明基材フィルムと低屈折率層との間高屈折率層を積層する場合は、高屈折率層を屈折1.60〜2.10で膜厚5〜150nmとし、高屈折率層の屈折率−低屈折率層の屈折率≧0.10とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明基材上に光増感色素を含む透明導電層を積層した色素増感太陽電池用の透明導電フィルムに関する。
現在、単結晶、多結晶あるいはアモルファスのシリコン半導体を用いた太陽電池が、電卓などの電気製品や、住宅用などに用いられている。しかしながら、このようなシリコン半導体を用いた太陽電池の製造には、プラズマCVDや高温結晶成長プロセスなどの高精度プロセスが用いられるため、多大のエネルギーを必要とすると共に、真空を必要とする高価な装置が必要なために製造コストが高くなっている。
そこで、低コストで製造可能な太陽電池として、例えば、酸化チタンのような酸化物半導体にルテニウム金属錯体のような光増感色素を吸着させた材料を用いた色素増感太陽電池が提案されている。具体的には、錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)のような透明導電層を設けた透明ガラス板あるいは透明基材フィルムの透明導電層側に、例えばルテニウム錯体からなる色素を表面に吸着した酸化チタンなどを半導体層として形成した負極と、正極となる白金などの金属層あるいは導電層を設けた基板との間に電解質の液を封入したものがある。
現在、色素増感太陽電池はシリコン太陽電池に比べて照射光エネルギーに対する発電エネルギー効率が低く、その効率を上げることが実効的な色素増感太陽電池を製造する上での重要な課題となっている。色素増感太陽電池の効率は、それを構成する各要素の特性や、更にそれら要素の組み合わせによっても影響を受けると考えられており、様々な試みがなされている。光変換効率を向上させる試みとして、色素増感太陽電池に用いる透明導電層の全光線透過率向上や表面抵抗の低減が望まれてきた。これに適した透明導電層用材料として、ITOが従来から良く使われてきた。それは、一般的に、色素増感太陽電池に用いられる色素は500nm〜700nmの波長領域に極大吸収波長があり、この波長領域の透明導電層側の全光線透過率を増加させることが、光変換効率の向上へと繋がるからである。
一般的に、ITOの膜厚を調整することで、500nm〜700nmの波長領域の全光線透過率を制御することが出来る。しかし、色素増感太陽電池用の透明導電層は、表面抵抗値50Ω/□以下の低抵抗を必要とするため、透明導電層としてITOを用いる際は、低抵抗化を達成するためにITOを厚膜とする必要がある。その結果、500nm〜700nmの波長領域の透明導電層側の全光線透過率が低下して、色素への光の入射量が低下してしまい光変換効率の低下が起こることが問題となっていた。
このような問題に対して、特許文献1には、例えばITOの代わりにFTO(フッ素をドープした酸化錫)を用い、光変換効率の向上を図る方法が記されている。具体的には、透明基板上に、2層以上の層からなる透明導電膜及び増感色素吸着金属酸化物がこれの順に積層されており、各層の膜厚が0.05〜1μmであり、増感色素吸着金属酸化物と接する層にはフッ素ドープ酸化錫(FTO)からなる第一の透明導電層が設けられ、第一の透明導電層に接する層にはフッ素を含まない酸化錫からなる第二の透明導電層が設けられている。透明導電膜の可視光透過率は80%以上であり、表面抵抗が10Ω/□以下である。また、第一の透明導電層及び第二の透明導電層に含有される塩素量は0.01〜0.1wt%であり、第一の透明導電層に含有されるフッ素量は0.01〜0.1wt%とされている。即ち、特許文献1では、フッ素を含まないことで抵抗値は高いが透過率の高い第二の透明導電層を形成したうえで、表面抵抗値の低いFTO層(第1の透明導電層)を積層することで、光変換効率を向上している。
特開2006−244877号公報
特許文献1では、表面抵抗値を低下させるためにフッ素を透明導電層にドーピングしているため、従来のFTOを用いた透明導電層よりも光変換効率の向上には有効であるが、原料由来の残留塩素も共に含有しているため、光変換効率の向上効果は依然不十分であった。
上記課題に鑑み、光変換効率の向上に向け鋭意検討した結果、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を向上することが効果的であることが判明した。そこで本発明の目的は、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を選択的に向上した、色素増感太陽電池用透明導電フィルムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次の手段を採る。
(1)透明基材フィルムの一面に、該透明基材フィルムよりも屈折率の低い低屈折率層と、錫ドープ酸化インジウム層とが、前記透明基材フィルム側からこの順に積層され、
前記低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.60、且つ、膜厚が5〜310nmであり、
表面抵抗値が5〜50Ω/□である色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
(2)前記低屈折率層が前記透明基材フィルムに直接積層されている、(1)に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
(3)前記透明基材フィルムと前記低屈折率層との間に、前記低屈折率層よりも屈折率の高い高屈折率層が積層されており、
前記高屈折率層は、屈折率が1.60〜2.10、且つ、膜厚5〜150nmであり、
高屈折率層の屈折率−低屈折率層の屈折率≧0.10となる関係を満たす、(1)に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
(4)前記透明基材フィルムと前記低屈折率層との間にハードコート層が積層されている、(1)に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
(5)前記透明基材フィルムと前記低屈折率層との間に、ハードコート層と、前記低屈折率層よりも屈折率の高い高屈折率層とが、前記透明基材フィルム側からこの順で積層されている、(1)に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
(6)前記透明基材フィルムの他面に機能層が積層されており、
前記機能層が、ハードコート層、防眩層、指紋なじみ層、軟質樹脂層、反射防止層又は防眩性反射防止層から選ばれる1層以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
本発明によれば、次のような効果を発揮することが出来る。本発明の色素増感太陽電池用透明導電フィルムでは、透明基材フィルムの一面に、特許文献1のようなFTO層ではなく低屈折率層及び錫ドープ酸化インジウム層を積層していることから、透明導電フィルム全体の全光線透過率を低下させることなく、500nm〜700nmの波長領域において、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を、選択的に向上することが出来る。延いては、色素増感太陽電池における光変換効率を向上することができる。
透明基材フィルムと低屈折率層との間に高屈折率層を積層した場合、当該高屈折率層を、屈折率1.60〜2.10、且つ膜厚5〜150nmとして、高屈折率層の屈折率−低屈折率層の屈折率≧0.10とすれば、透明導電フィルム全体の全光線透過率を低下させることなく、500nm〜700nmの波長領域において、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を、より選択的に向上することが出来る。
透明基材フィルムの直上にハードコート層を積層すれば、透明導電フィルムを加熱処理する際に発生するオリゴマーの影響により生じるヘイズ値の上昇を抑えることが出来る。
透明基材フィルムの裏面に機能層も積層すれば、上記効果に加えて、透明導電フィルム全体のカール性が抑制される。
透明導電性フィルムのカール試験におけるカール状態を示す説明図。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本発明の色素増感太陽電池用透明導電フィルムは、色素増感太陽電池用のフィルムであって、透明基材フィルムの表面に、直接または一層以上の層を介して、低屈折率層と錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)とがこれの順に積層されている。
〔透明基材フィルム〕
透明基材フィルムは透明導電性フィルムの基材(ベース材)となるものであって、透明樹脂フィルムが用いられる。透明樹脂フィルムを形成する樹脂材料は、透明性を有する樹脂であれば特に制限されず、具体的には、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、汎用性などの観点からトリアセテートセルロース(TAC)系樹脂及びポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が好ましい。
透明基材フィルムの厚みは通常10〜500μm、好ましくは25〜200μmである。屈折率としては、通常1.4〜1.7、好ましくは、1.6〜1.7である。
〔低屈折率層〕
低屈折率層は、透明基材フィルムよりも屈折率が低く、500nm〜700nmの波長領域において、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を、選択的に向上するための層であり、無機微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを含む。当該低屈折率層は、無機微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる低屈折率層用塗液を、紫外線(UV)や電子線(EB)の照射によって硬化させて形成される。低屈折率層の屈折率は1.30〜1.60になるように調整する。屈折率を1.30未満に調整することは、現在の技術では困難である。一方、屈折率が1.60よりも大きい場合、500nm〜700nmの波長領域において、特定の波長の透過率を向上することが困難となる。乾燥硬化後の膜厚は、好ましくは5〜310nmの範囲となるように形成される。膜厚が5nm未満の場合、膜厚を均一に製膜することが難しく好ましくない。一方、310nmよりも厚い場合、全光線透過率が低下するため相応しくない。
低屈折率層に用いられる無機微粒子は、例えばコロイダルシリカ、中空シリカ等が挙げられる。当該無機微粒子は、活性エネルギー線硬化型樹脂の屈折率を下げて低屈折率な層とするために含有されるものである。したがって、無機微粒子の屈折率は、1.20〜1.45が好ましい。1.45を超えると、低屈折率層の屈折率を低減させるために多量に無機微粒子を配合しなければならず、低屈折率層中の活性エネルギー線硬化型樹脂量が相対的に低減するので、塗膜強度が弱くなる。したがって、無機微粒子の屈折率は、できるだけ低い方が好ましく、具体的には1.20〜1.30程度がより好ましい。無機微粒子の平均粒子径は、10〜100nmが好ましい。10nm未満では無機微粒子の配合量が多くなり、塗膜強度が弱くなる。100nmを超えると粒子に起因した光散乱が生じ、と全光線透過率の悪化に繋がり好ましくない。なお、本発明において平均粒子径とは、レーザー光を用いた動的光散乱法によって求められる値である。
無機微粒子に混合される活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これら活性エネルギー線硬化型樹脂の屈折率は、1.30〜1.60が好ましい。
〔錫ドープ酸化インジウム層〕
錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)は、導電性を発現するための層である。当該ITO層は、膜厚5〜400nm、屈折率1.80〜2.40、表面抵抗値5〜50Ω/□の範囲となるように形成することが好ましい。なお、ITO層は透明導電フィルムの最表層にあるため、ITO層の表面抵抗値がそのまま透明導電フィルムの表面抵抗となる。ITO層は、膜厚が400nmよりも厚く、屈折率が上記範囲以外では、透明導電フィルムにした際500nm〜700nmの波長領域の特定の波長の透過率を向上することが困難となる。また、膜厚が5nmより薄い場合は、均一に製膜することが難しく安定した抵抗が得られないと共に、上記表面抵抗値を達成し難く好ましくない。
錫ドープ酸化インジウム層の形成方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を必要とする膜厚に応じて適時選択することが出来る。なお、錫ドープ酸化インジウム層を形成した後、必要に応じて、100℃〜200℃の範囲内でアニール処理を施して結晶化することが出来る。
〔低屈折率層、錫ドープ酸化インジウム層の形成〕
全光線透過率を維持したまま、500nm〜700nmの波長領域において、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を選択的に向上するためには、低屈折率層の屈折率を錫ドープ酸化インジウム層の屈折率よりも低くする。また、一定膜厚の低屈折率層に対して、錫ドープ酸化インジウム層の膜厚を調整することで、500nm〜700nmの波長領域において特定の波長の透過率を向上することが出来る。具体的には、波長500nmの透過率を向上するには、表面抵抗値が50Ω/□未満となるように膜厚を薄くすればよく、波長700nmの透過率を向上するには、表面抵抗値が5Ω/□以上となるように膜厚を厚くする方法等が挙げられる。
本発明では、基本的には上記のように透明基材フィルム上に、低屈折率層とITO層とを直接積層すればよいが、さらに、透明基材フィルムと低屈折率層との間に、高屈折率層及び/又はハードコート層を介在させることもできる。
〔高屈折率層〕
高屈折率層は、透明基材フィルムよりも屈折率の高い層であり、500nm〜700nmの波長領域において、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を、より一層選択的に向上するための層である。高屈折率層は、金属酸化物微粒子と、活性エネルギー線硬化型樹脂とからなり、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる高屈折率層用塗液を紫外線(UV)によって硬化させて形成される。高屈折率層の屈折率は、好ましくは1.60〜2.10になるように調製されることが好ましい。屈折率が1.60未満の場合、全光線透過率を維持したまま、500nm〜700nmの波長領域において、特定の波長の透過率を向上することが困難である。一方、屈折率が2.10より大きい場合、金属微粒子の含有量を多くしなければならず、高屈折率層における活性エネルギー線硬化型樹脂の量が相対的に少量となり、塗膜強度が弱くなる。
乾燥硬化後の膜厚は5〜350nmが好ましい。膜厚が5nm未満の場合、膜厚を均一に製膜することが難しく好ましくない。一方、350nmよりも厚い場合、透明導電フィルムの全光線透過率が低下するため相応しくない。
高屈折率層に用いられる金属酸化物微粒子は、例えば錫ドープ酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる。中でも、屈折率の観点から、酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好ましい。金属酸化物微粒子の屈折率は、製法によって異なるが、1.9〜3.0が好ましい。一方、金属酸化物微粒子に混合される活性エネルギー線硬化型樹脂としては、低屈折率層と同じ樹脂を使用できる。
〔低屈折率層、高屈折率層、錫ドープ酸化インジウム層の形成〕
透明導電フィルムの全光線透過率を維持したまま、500nm〜700nmの波長領域において、色素増感太陽電池用色素が有する特定の極大吸収波長の透過率を選択的に向上するためには、高屈折率層の屈折率−低屈折率層の屈折率≧0.10の関係とする。また、高屈折率層を積層する場合も、一定膜厚の低屈折率層及び高屈折率層に対して、錫ドープ酸化インジウム層の膜厚を調整することで、500nm〜700nmの波長領域において特定の波長の透過率を向上することが出来る。具体的には、波長500nmの透過率を向上するには、表面抵抗値が50Ω/□未満となるように膜厚を薄くすればよく、波長700nmの透過率を向上するには、表面抵抗値が5Ω/□以上となるように膜厚を厚くする方法等が挙げられる。
〔ハードコート層〕
ハードコート層は、この種の透明導電フィルムにおいて従来から一般的に設けられている公知のものでよく、特に制限されない。ハードコート層を形成する材料は特に限定されず、反応性珪素化合物と、活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなるハードコート用塗液を紫外線(UV)によって硬化させて形成される。反応性珪素化合物としては、テトラエトキシシランが挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、低屈折率層と同様の樹脂を使用できる。中でもこれらのうち生産性及び硬度を両立させる観点より、鉛筆硬度(評価法:JIS−K5600−5−4)がH以上となる活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物の重合硬化物であることが好ましい。そのような活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物としては特に限定されるものではない。またハードコート層には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分をさらに添加したものを用いることができる。
また、ハードコート層は、易滑性、又は、硬度向上の観点より、上記活性エネルギー線硬化型樹脂に加えて微粒子を含むことが好ましい。微粒子としては、無機微粒子としてコロイダルシリカ等が挙げられ、有機微粒子としては、例えばスチレン単量体、(メタ)アクリル単量体、スチレン及び(メタ)アクリルから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される微粒子が挙げられる。
この様な微粒子を配合することで、表面に微細な凹凸ができ、易滑性が向上すると共に、無機微粒子を配合した場合には、無機微粒子の硬度がハードコート層に付与されることで、透明導電フィルムの硬度が向上する。
ハードコート層は、屈折率が1.43〜1.58となるように調整されることが好まし
乾燥硬化後の膜厚は、好ましくは1〜10μmである。乾燥硬化後の膜厚が1μmよりも薄い場合は、透明導電フィルムはITO層を結晶化することを目的にアニール処理(加熱処理)を行うが、そのアニール処理時に原反から発生するオリゴマーの析出を抑えることが不十分となる。更に、1μmよりも薄い場合は、上層との光学干渉が生じ、全光線透過率の低下へとつながる。一方、乾燥後の膜厚が10μmよりも厚い場合は、カール性の制御が困難となると共に、不必要に厚くなり生産性が低下するため好ましくない。
〔機能層〕
さらに本発明では、透明基材フィルムの裏面に、各種の機能を備える機能層を設けることができる。この機能層は、従来公知のものでよく、特に制限されない。例えば硬度向上を目的としたハードコート層、指紋なじみ層、自己修復層、防眩層、反射防止層、防眩性反射防止層などである。
指紋なじみ層は、透明導電性フィルムの裏面に付着した指紋(生体由来脂質成分)に対してなじみ性(親和性)を示す層であり、例えばアルキレンオキシド基や(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー、アルキレンオキシド基や(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー及びアルキレンオキシド基や(メタ)アクリロイル基を有する重合体の中から1種又は2種以上が選択して使用され、それらの有機溶媒溶液を塗布、乾燥して紫外線硬化させた層である。
自己修復層は、透明導電性フィルムの裏面へペン入力する際、筆記感を向上させ、自己修復性、すなわち一度生じた凹み痕が経時的に消失して元の形状に戻る性質を有する軟質樹脂からなる層である。自己修復層を形成する樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性の不飽和アクリル系樹脂、ウレタン変性(メタ)アクリレート等の不飽和ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が用いられる。
防眩層は、蛍光灯などの外部光源から照射された光線を表面凹凸により散乱させ、光の反射を低減する層である。防眩層は、熱硬化性樹脂や、紫外線硬化性樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂に粒径が数μmの球形または不定形の無機又は有機微粒子を分散した塗液を、または、粒子を用いないで凹凸を形成することが可能なポリマーを含有した塗液を、塗布、硬化させた層である。
反射防止層は、蛍光灯などの外部光源から照射された光線を、光の干渉により低減する層である。反射防止層を一層で形成する際は、反射防止層を形成する支持体よりも屈折率が低い、例えば、屈折率が1.3〜1.5の低屈折率層を一層積層し形成される。二層で形成する際は、反射防止層を形成する支持体よりも屈折率が高い、例えば、屈折率が1.6〜1.8の高屈折率層、更にその上層に、高屈折率層よりも屈折率が低い低屈折率層をそれぞれ積層し形成される。
防眩性反射防止層は、防眩性と反射防止性の機能を合わせ持った層であり、上記防眩層上に反射防止層を積層することにより形成される。
これらの機能層は、各種単独で用いることも出来、適時、組み合わせて積層することも出来る。例えば、カール性の抑制に対しては、表面のハードコート層と同じ材料からなるハードコート層を機能層の一層目(透明基材フィルム側から)として用い、その上に、視認性の改良を目的に反射防止層等を積層することが出来る。
本発明の透明導電フィルムを縦50mm、横100mmにカットし、150℃で1時間アニール処理した後、機能層を下にして平滑な面に透明導電性フィルムを静置した場合、四隅の反りあがりの平均値が0.5〜15.0(mm)となることが好ましい。すなわち、機能層を下にしたときには、四隅が平滑な面に接することが好ましい。四隅の反りあがりの平均値を上述の範囲とするための具体的な手段としては、透明基材フィルム裏面の機能層の総膜厚aと、表面のハードコート層の膜厚bとの関係を、好ましくは2.0a≧b≧0.6a、より好ましくは2.0a≧b≧0.9a、特に好ましくは1.1a≧b≧0.9aに設定する。上記範囲外では、アニール処理された透明導電フィルムのカールの度合いが強くなり、色素増感太陽電池を組み立てる際の作業性が悪くなり好ましくない。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の透明導電フィルムを更に具体的に説明する。なお、以下の実施例は、色素増感太陽電池に用いられる色素として、546nmに極大吸収波長を有するルテニウム錯体〔商品名:Z−907、シグマアルドリッチジャパン(株)製〕を想定し、波長546nmの透過率を選択的に向上する例を示したが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
〔ハードコート層用塗液(HC−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート80質量部、トリアクリル酸テトラメチロールメタン20質量部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシー2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン20質量部、光重合開始剤〔商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕4質量部、イソブチルアルコール100質量部を混合してハードコート層用塗液(HC−1)を調製した。
〔ハードコート層用塗液(HC−2)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、シリカゲル微粒子分散液〔商品名:XBA−ST、日産化学(株)製〕50質量部、光重合開始剤〔商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕4質量部、イソプロピルアルコール100質量部を混合してハードコート層用塗液(HC−2)を調製した。
〔屈折率1.30用塗液(N−1)の調製〕
中空シリカゾル〔触媒化成工業(株)製、商品名;ELCOM NY-1001SIV、イソプロピルアルコールによる中空シリカゾルの25質量%分散液、平均粒子径:60nm〕2000質量部、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン〔信越化学工業(株)製、商品名;KBM5103〕70質量部及び蒸留水80質量部を混合して変性中空シリカ微粒子(ゾル)(平均粒子径:60nm)を調製した。次いで、変性中空シリカ微粒子55質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー〔1分子中にアクリロイル基を6個有するウレタンアクリレート(6官能ウレタンアクリレート)、分子量1400、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕45質量部、光重合開始剤〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名;イルガキュア907〕2質量部と、イソプロピルアルコール2000質量部とを混合して塗液(N−1)を得た。N−1の硬化物の屈折率は1.30であった。
〔屈折率1.50用塗液(N−2)の調製〕
ウレタンアクリレートオリゴマー〔1分子中にアクリロイル基を6個有するウレタンアクリレート(6官能ウレタンアクリレート)、分子量1400、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕100質量部、光重合開始剤〔商品名「IRGACURE 184」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕5質量部、メチルエチルケトン2000質量部とを混合し塗液(N−2)を調製した。N−2の硬化物の屈折率は1.50であった。
〔屈折率1.60用塗液(N−3)の調製〕
平均粒径が0.02〜0.03μmの酸化ジルコニウム微粒子分散液〔商品名「ZRMEK25WT%−F47」、CIKナノテック(株)製〕67質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー〔1分子中にアクリロイル基を6個有するウレタンアクリレート(6官能ウレタンアクリレート)、分子量1400、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕33質量部、光重合開始剤〔商品名「IRGACURE 184」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕5質量部、メチルエチルケトン2000質量部とを混合し塗液(N−3)を調製した。N−3の硬化物の屈折率は1.60であった。
〔屈折率1.70用塗液(N−4)の調製〕
平均粒径が0.02〜0.03μmの酸化ジルコニウム微粒子分散液〔商品名「ZRMEK25WT%−F47」、CIKナノテック(株)製〕77質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー〔1分子中にアクリロイル基を6個有するウレタンアクリレート(6官能ウレタンアクリレート)、分子量1400、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕23質量部、光重合開始剤〔商品名「IRGACURE 184」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕5質量部、メチルエチルケトン2000質量部とを混合し塗液(N−4)を調製した。N−4の硬化物の屈折率は1.70であった。
〔屈折率1.80用塗液(N−5)の調製〕
平均粒径が0.02〜0.03μmの酸化ジルコニウム微粒子分散液〔商品名「ZRMEK25WT%−F47」、CIKナノテック(株)製〕86質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー〔1分子中にアクリロイル基を6個有するウレタンアクリレート(6官能ウレタンアクリレート)、分子量1400、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕14質量部、光重合開始剤〔商品名「IRGACURE 184」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕5質量部、メチルエチルケトン2000質量部とを混合し塗液(N−5)を調製した。N−5の硬化物の屈折率は1.80であった。
〔屈折率2.10用塗液(N−6)の調製〕
ルチル型酸化チタン微粒子90.6質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー〔1分子中にアクリロイル基を6個有するウレタンアクリレート(6官能ウレタンアクリレート)、分子量1400、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕9.4質量部、光重合開始剤〔商品名「IRGACURE 184」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製〕5質量部、メチルエチルケトン2000質量部とを混合し塗液(N−6)を調整した。N−6の硬化物の屈折率は2.10であった。
(実施例1−1)
厚さ125μmのPETフィルム上に、低屈折率層用塗液としてN−1をロールコーターにて乾燥膜厚が5nmとなるよう塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させた。次に、低屈折率層(L層)上に、インジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行い、膜厚150nmのITO層を形成し、色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。ITO層の屈折率は1.94であった。
(実施例1−2)
低屈折率層の膜厚が310nmとなるように塗布した以外は、実施例1−1と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例1−3)
低屈折率用塗液としてN−2を用い、乾燥膜厚が50nmとなるよう塗布した以外は、実施例1−1と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例2−1)
厚さ125μmのPETフィルム上に、高屈折率層用塗液としてN−3をロールコーターにて乾燥膜厚が350nmとなるよう塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させた。次に、高屈折率層(H層)上に、低屈折率層用塗液としてN−1をロールコーターにて乾燥膜厚が50nmとなるよう塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させた。次いで、低屈折率層上に、インジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行い、膜厚150nmのITO層を形成し、色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例2−2)
高屈折率層の膜厚が5nmとなるように形成した以外は、実施例2−1と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例2−3)
高屈折率層の膜厚が100nmとなるように形成した以外は、実施例2−1と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例2−4)
高屈折率層用塗液としてN−6を用い膜厚が20nmとなるように形成し、低屈折率層の膜厚が75nmとなるように形成した以外は、実施例2−3と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例2−5)
高屈折率層用塗液としてN−4を用い、低屈折率層用塗液としてN−3を用いた以外は、実施例2−3と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例2−6)
高屈折率層用塗液としてN−6を用いた以外は、実施例2−5と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例2−7)
高屈折率層の膜厚が50nm、低屈折率層の膜厚が15nm、ITO層の膜厚が75nmとなるように形成した以外は、実施例2−6と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例3)
ハードコート層用塗液としてHC−1をロールコーターにて、厚さ125μmのPETフィルムの表面上に、乾燥膜厚が4μmになるように塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより、片面ハードコート処理PETフィルムを作製した。本ハードコート処理PETフィルムを用い、低屈折率層の膜厚を75nmとなるように形成した以外は、実施例1−1と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例4)
実施例3と同じ片面ハードコート処理PETフィルムを用いた以外は、実施例2−3と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例5−1)
厚さ125μmのPETフィルムの表面及び裏面に、ハードコート層用塗液としてHC−2をロールコーターにて乾燥膜厚が4μmになるように塗布した以外は、実施例3と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(実施例5−2)
実施例5−1と同じ両面ハードコート処理PETフィルムを用いた以外は、実施例2−3と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(比較例1)
厚さ125μmのPETフィルム上に、低屈折率層を設けずに、インジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行い、膜厚150nmのITO層を形成し、色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(比較例2)
高屈折率層用塗液としてN−2を用いた以外は、実施例2−5と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
(比較例3)
低屈折率層用塗液としてN−5を用いた以外は、実施例2−5と同様の方法にて色素増感太陽電池用透明導電フィルムを作製した。
上記各実施例及び比較例の構成を、表1及び表2にまとめて示す。
Figure 2012043693
Figure 2012043693
上記各実施例及び比較例の色素増感太陽電池用透明導電フィルムについて、透過率、ヘイズ値、カール平均値、表面抵抗値を測定し、それらの結果を表3に示す。なお、屈折率、透過率、ヘイズ値、全光線透過率、カール平均値、表面抵抗値は以下のように測定した。
<屈折率>
(1)錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率1.63のPETフィルム〔商品名「A4100」、東洋紡績(株)製〕上に、膜厚20nmとなるようスパッタリングにより作製した。
錫ドープ酸化インジウム層以外の層は、屈折率1.63のPETフィルム〔商品名「A4100」、東洋紡績(株)製〕上に、バーコーターにより、各層用塗液をそれぞれ乾燥硬化後の膜厚で100〜500nmになるように層の厚さを調製して塗布した。乾燥後、紫外線照射装置〔岩崎電気(株)製〕により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射し硬化し作製した。
(2)作製したフィルムの裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計〔「FE-3000」、大塚電子(株)製〕により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn-Cauchyの波長分散式(式1)の定数を求め、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ+b/λ+c (式1)
a、b、c:波長分散定数
<透過率>
分光光度計〔「UV−1600PC」(株)島津製作所製〕を用いて透過スペクトルを測定した。透過スペクトルより、各波長における透過率をよみとり、色素の極大吸収波長の透過率とした。
<ヘイズ値・全光線透過率>
ヘイズメーター〔日本電色工業(株)製、NDH2000〕を用いてヘイズ値・全光線透過率を測定した。
<カール平均値>
縦50mm、横100mmにカットしたサンプルを150℃の恒温槽に1時間静置してアニール処理(前処理)を行う。この前処理後、図1に示すように、透明導電フィルムを平坦面に機能層又はITO層を下にして置き、四隅の反り上がり量を測定し、それらの平均値(カール平均値)を測定する。機能層を下にした場合に反り上がる場合は+(プラス)表記、ITO層を下にした場合に反り上がる場合は−(マイナス)表記とする。
<表面抵抗値>
低抵抗率計〔(株)三菱化学アナリテック製、ロレスターGP〕を用いて表面抵抗値を測定した。
Figure 2012043693
表1に示した結果より、実施例1−1〜5−2では、透明導電フィルムの全光線透過率の低下を避けながら、500nm〜700nmの波長領域において、特定の波長の透過率が優れる結果となった。しかも、実施例3,4では、上記効果に加えて、ヘイズ値が低くなった。さらに実施例5−1,5−2では、上記効果に加えて、よりヘイズ値が低くなると共に、カールを抑制できた。その一方、比較例1〜3では、500nm〜700nmの波長領域において、特定の波長の透過率を向上することが出来ていない。

Claims (6)

  1. 透明基材フィルムの一面に、該透明基材フィルムよりも屈折率の低い低屈折率層と、錫ドープ酸化インジウム層とが、前記透明基材フィルム側からこの順に積層され、
    前記低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.60、且つ、膜厚が5〜310nmであり、
    表面抵抗値が5〜50Ω/□である色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
  2. 前記低屈折率層が前記透明基材フィルムに直接積層されている、請求項1に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
  3. 前記透明基材フィルムと前記低屈折率層との間に、前記低屈折率層よりも屈折率の高い高屈折率層が積層されており、
    前記高屈折率層は、屈折率が1.60〜2.10、且つ、膜厚5〜150nmであり、
    高屈折率層の屈折率−低屈折率層の屈折率≧0.10となる関係を満たす、請求項1に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
  4. 前記透明基材フィルムと前記低屈折率層との間にハードコート層が積層されている、請求項1に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
  5. 前記透明基材フィルムと前記低屈折率層との間に、ハードコート層と、前記低屈折率層よりも屈折率の高い高屈折率層とが、前記透明基材フィルム側からこの順で積層されている、請求項1に記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。
  6. 前記透明基材フィルムの他面に機能層が積層されており、
    前記機能層が、ハードコート層、防眩層、指紋なじみ層、軟質樹脂層、反射防止層又は防眩性反射防止層から選ばれる1層以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の色素増感太陽電池用透明導電フィルム。

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