JP2013237244A - 色調補正フィルム及びこれを用いた透明導電性フィルム - Google Patents

色調補正フィルム及びこれを用いた透明導電性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】透過光の着色を抑え、且つ全光線透過率が高い透明導電性フィルム、及びその下地用の色調補正フィルムを提供する。
【解決手段】色調補正フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層が、他方の面に、第二ハードコート層、低屈折率層が順に積層され、第一ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.59、膜厚が1.3〜3.5μmであり、第一色調補正層は、屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、第二色調補正層は、屈折率が1.32〜1.52、膜厚が10〜55nmであり、第二ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.59、膜厚が1.3〜3.5μmであり、低屈折率層は、屈折率が1.32〜1.44、膜厚が50〜130nmである。この色調補正フィルムの第二ハードコード層に屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmの錫ドープ酸化インジウム層が積層する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タッチパネル用の色調補正フィルム、及び色調補正フィルム上に透明導電層を備えた透明導電性フィルムに関する。
現在、画像表示部に直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは光を透過する入力装置を液晶表示装置等のディスプレイ画面上に配置したものであり、代表的な形式として、透明電極と指との間に生じる電流容量の変化を利用した静電容量式タッチパネルがある。
タッチパネル用の透明導電性フィルムとしては、透明基材フィルム上に、酸化錫を含有するインジウム酸化物(錫ドープ酸化インジウム、ITO)や酸化亜鉛等の金属酸化物による透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。このような透明導電性フィルムは、金属酸化物層の反射及び吸収に由来する可視光短波長領域の透過率の低下により、黄色の呈色が見られることが多い。そのため、タッチパネルの下に配置される表示装置の発色を正確に表現することが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電体が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、透明基材には、一方の面上に第1色相調整層、他方の面上に第2色相調整層が設けられている。そのうえで、第1色相調整層上に、屈折率の異なる高屈折率層と低屈折率層とが積層され、両者の光学干渉により反射率の低減が図られている。そして、この高屈折率層と低屈折率層とからなる反射低減層の上に透明導電層が積層されて透明導電体が構成されている。この透明導電体では、このような積層構成において各層の厚みと屈折率を規定し、色相調整機能と反射低減機能とを適切に発揮させることで、全光線透過率を高めるとともに着色の低減が図られている。
特開2012−20425号公報
しかし、タッチパネル用の透明導電性フィルムでは、タッチパネルの下に配置される表示画像の輝度向上や、ディスプレイ光源の消費電力低減のために、更に全光線透過率の高い透明導電性フィルムが求められており、上記特許文献1記載の透明導電体では全光線透過率の向上は可能であるが、未だ不十分であった。
そこで、本発明の目的とするところは、透過光の着色を抑え、且つ全光線透過率がより高い透明導電性フィルム、及びその下地フィルムとして用いられる色調補正フィルムを提供することにある。
第1の発明は、透明基材フィルムの一方の面に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層がこの順に積層され、前記透明基材フィルムの他方の面に、第二ハードコート層、低屈折率層がこの順に積層されており、前記第一ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.59、膜厚が1.3〜3.5μmであり、前記第一色調補正層は、金属酸化物微粒子を含み、屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、前記第二色調補正層は、シリカ微粒子を含み、屈折率が1.32〜1.52、膜厚が10〜55nmであり、前記第二ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.59、膜厚が1.3〜3.5μmであり、前記低屈折率層は、屈折率が1.32〜1.44、膜厚が50〜130nmであることを特徴とする色調調整フィルムである。尚、本発明における膜厚とは、物理膜厚のことであり、光学膜厚ではない。
第2の発明は、第1の発明の色調調整フィルムの前記第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層されており、前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmであることを特徴とする透明導電性フィルムである。
本発明によれば、各層(第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層、低屈折率層及び錫ドープ酸化インジウム層)の屈折率および膜厚を適切に設定したことで、透過光の着色を押さえ、且つ全光線透過率がより高い透明導電性フィルムを提供することができる。また、その下地フィルムとして用いられる色調補正フィルムを提供することができる。
《色調補正フィルム》
本実施形態の色調補正フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に、該透明基材フィルムの側から第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層がこの順に積層され、透明基材フィルムの他方の面に、該透明基材フィルムの側から第二ハードコート層、低屈折率層が順に積層された構成である。
以下に、この色調補正フィルムの構成要素について順に説明する。
<透明基材フィルム>
透明基材フィルムは、透明性を有している限り特に制限されないが、屈折率が1.55〜1.70の範囲内のものが好ましい。このような透明基材フィルムを形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET、屈折率:1.67)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC、屈折率:1.59)、ポリアリレート(PAR、屈折率:1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、屈折率:1.65)等が好ましい。これらのうち、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが成形の容易性で好ましい。
透明基材フィルムの厚みは、好ましくは25〜400μm、さらに好ましくは25〜188μmである。透明基材フィルムの厚みが25μmより薄い場合や400μmより厚い場合には、色調補正フィルムの製造時及び使用時における取り扱い性が低下して好ましくない。透明基材フィルムの全光線透過率は、85%以上であることが好ましい。85%未満である場合は透明導電性フィルムの全光線透過率が低くなり好ましくない。なお、透明基材フィルムには、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤として例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
<第一ハードコート層及び第二ハードコート層>
表面硬度向上及びカール低減のために透明基材フィルムの両面にそれぞれ第一ハードコート層、第二ハードコート層が設けられている。これら2つのハードコート層の材料、膜厚及び屈折率は、後述の範囲である限り相互に同一であっても良いし、異なっていても良い。
第一ハードコート層及び第二ハードコート層の材料としては従来より透明導電性フィルム等に用いられる公知のものであれば、特に制限されない。例えば、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物や、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることができ、これらを混合してもよい。そして、これらに光重合開始剤を加えて調製したハードコート層用塗液に紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させて第一ハードコート層及び第二ハードコート層を形成することができる。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとして具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。なお、本明細書では、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指す。また、同様に、後述の「(メタ)アクリル単量体」は、アクリル単量体及びメタクリル単量体を指し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を指す。
これらのうち生産性及び硬度を両立させる観点より、鉛筆硬度(評価法:JIS−K5600−5−4)がH以上となる活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物の硬化物であることが好ましい。そのような活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物としては特に限定されるものではないが、例えば、公知の活性エネルギー線硬化型樹脂、又は公知の活性エネルギー線硬化型樹脂を2種類以上混合したもの、紫外線硬化性ハードコート材として市販されているものを用いることができる。
光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により第一ハードコート層用塗液又は第二ハードコート層用塗液を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。
塗液の溶媒は、この種の色調補正フィルム等において各層形成用の塗液に従来から使用されている公知のものであれば特に制限は無く、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系の溶媒が適時選択できる。
また、第一ハードコート層及び第二ハードコート層は、透光性微粒子を含有していてもよい。透光性微粒子は、ハードコート層に表面の凹凸を形成し、製造工程上の巻き取り性を向上させるものである。前記透光性微粒子は、任意の材料を用いることが出来る。そのような透光性微粒子としては、例えばシリカのほか、塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される。
更に、第一ハードコート層及び第二ハードコート層は、その他添加剤を含有していても良い。その他の添加剤としては、表面調整剤やスリップ剤等が挙げられる。
第一ハードコート層及び第二ハードコート層の屈折率は、1.49〜1.59であることが好ましい。屈折率が1.49未満の場合、透明基材フィルムとハードコート層との屈折率差が大きくなり、干渉ジマが発生するため好ましくない。屈折率が1.59よりも大きい場合、屈折率を大きくするためにハードコート層へ高屈折率材料を多く添加する必要があるが、高屈折率材料に起因した光の吸収及び、光の散乱が発生し、ハードコート層が着色し、且つ、全光線透過率が低下するため好ましくない。また第一ハードコート層及び第二ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1.3〜3.5μmである。膜厚が1.3μmより薄い場合は、鉛筆硬度がH未満になるため好ましくない。膜厚が3.5μmより厚い場合は、硬化収縮によるカールが強くなるとともに、不必要に厚くなり、生産性や作業性が低下するため好ましくない。
<第一色調補正層>
第一色調補正層は、第二色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに協働して色調補正フィルムないし透明導電性フィルムの色調を調整(透過色の着色を抑制)する層である。第一色調補正層は、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる第一色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
金属酸化物微粒子は、屈折率を積極的に高めるために配合されるものである。このような金属酸化物微粒子としては、酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好ましい。酸化チタン及び酸化ジルコニウムの屈折率は製法によって異なるが、1.9〜3.0であることが好ましい。金属酸化物微粒子は、第一色調補正層中に30〜90wt%含まれる。金属酸化物微粒子の含有量が30wt%未満では、第一色調補正層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。一方、金属酸化物微粒子の含有量が90wt%を超えると、塗膜に対する金属酸化物微粒子の相対量が多くなり、塗膜がもろくなるため好ましくない。
また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用すればよい。活性エネルギー線硬化型樹脂は、第一色調補正層中に10〜70wt%含まれる。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が10wt%未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が70wt%を超えると、第一色調補正層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。
さらに、第一色調補正層は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤も第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。光重合開始剤は、第一色調補正層中に0.1〜10wt%含まれる。光重合開始剤の含有量が0.1wt%未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10wt%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。第一色調補正層用塗液の溶媒も、第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
第一色調補正層は、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.59〜1.82になるように形成される。さらに、第一色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は25〜90nmであることが必要である。第一色調補正層の屈折率が1.59未満の場合は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b*表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されるようになる。また、第一色調補正層の屈折率が1.82より大きい場合は、塗膜中の粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまうため全光線透過率が低下する。第一色調補正層の膜厚が上記の範囲外では、b*の値が大きくなり、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<第二色調補正層>
第二色調補正層は、第一色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに協働して色調補正フィルムないし透明導電性フィルムの色調を調整(透過色の着色を抑制)する層である。第二色調補正層は、シリカ微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる第二色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。シリカ微粒子としては、コロイダルシリカや中空シリカ微粒子が好ましい。コロイダルシリカ及び中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.50であることが好ましい。シリカ微粒子は、第二色調補正層中に20〜90wt%含まれることが好ましい。シリカ微粒子の含有量が20wt%未満では、第二色調補正層の屈折率を後述の範囲とすることが出来ない。一方、シリカ微粒子の含有量が90wt%より多いと、塗膜強度が弱くなるため好ましくない。
また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用すればよい。活性エネルギー線硬化型樹脂は、第二色調補正層中に10〜80wt%含まれる。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が10wt%未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が80wt%を超えると、第二色調補正層の屈折率が後述後の範囲外となるため好ましくない。
さらに、第二色調補正層は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤も第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。光重合開始剤は、第二色調補正層中に0.1〜10wt%含まれる。光重合開始剤の含有量が0.1wt%未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10wt%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。第二色調補正層用塗液の溶媒も、第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
第二色調補正層は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.32〜1.52になるように形成される。さらに、第二色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は10〜55nmであることが必要である。第二色調補正層の屈折率が1.32未満の場合は、塗膜中の粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまうため全光線透過率が低下する。また、第二色調補正層の屈折率が1.52より大きい場合は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b*表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されるようになる。第二色調補正層の膜厚が上記の範囲外では、b*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<低屈折率層>
低屈折率層は、第二ハードコート層との屈折率の相対関係によって、反射を低減することで透過率を向上する層である。低屈折率層は、中空シリカ微粒子と、活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる低屈折率層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
中空シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.40であることが好ましい。中空シリカ微粒子は、低屈折率層中に20〜90wt%含まれることが好ましい。シリカ微粒子の含有量が20wt%未満では、低屈折率層の屈折率を後述の範囲とすることが出来ない。一方、シリカ微粒子の含有量が90wt%より多いと、塗膜強度が弱くなるため好ましくない。
また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する活性エネルギー線硬化型樹脂と同種のものを使用すればよい。活性エネルギー線硬化型樹脂は、低屈折率層中に10〜80wt%含まれる。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が10wt%未満では、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が80wt%を超えると、低屈折率層の屈折率が後述の範囲外となるため好ましくない。ここで、中空シリカ微粒子は、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤等により表面が修飾されることが望ましい。(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤等で中空シリカ微粒子表面を修飾することにより、活性エネルギー線硬化型樹脂との共有結合が生じ、塗膜強度が強くなる傾向が見られる。
さらに、低屈折率層は光重合開始剤も含む。当該光重合開始剤も第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する光重合開始剤と同種のものを使用すればよい。光重合開始剤は、低屈折率層中に0.1〜10wt%含まれる。光重合開始剤の含有量が0.1wt%未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の含有量が10wt%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。低屈折率層用塗液の溶媒も、第一ハードコート層及び第二ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
低屈折率層はその他添加剤を含有していても良い。その他の添加剤としては、表面調整剤や防汚剤、スリップ剤等が挙げられる。
低屈折率層は、中空シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、屈折率が1.32〜1.44になるように形成される。さらに、低屈折率層の乾燥硬化後の膜厚は50〜130nmであることが必要である。低屈折率層の屈折率が1.32未満の場合は、塗膜中の中空シリカ微粒子の混合量が相対的に多量、即ち活性エネルギー線硬化型樹脂の混合量が相対的に少量となり、塗膜強度が弱くなり、耐擦傷性が悪くなる傾向が見られる。また、低屈折率層の屈折率が1.44より大きい場合は、反射低減機能が落ちるため全光線透過率が低くなってしまう。更に、低屈折率層の膜厚が上記の範囲外でも、反射低減機能が落ちるため全光線透過率が低くなってしまう。
<第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層及び低屈折率層の形成>
第一ハードコート層は、透明基材フィルムに第一ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。第二ハードコート層は、第一ハードコート層とは反対側の面に、第二ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。
一方、第一色調補正層は、形成された第一ハードコート層上に第一色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。また、第二色調補正層は、形成された第一色調補正層上に第二色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。更に、低屈折率層は、形成された第二ハードコート層上に低屈折率層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成することができる。第一ハードコート層用塗液、第二ハードコート層用塗液、第一色調補正層用塗液、第二色調補正層用塗液、低屈折率層用塗液の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、各ハードコート層の透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。
《透明導電性フィルム》
透明導電性フィルムは、色調補正フィルムの第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層を積層した構成である。すなわち、透明導電性フィルムは、上(表側)から錫ドープ酸化インジウム層、第二色調補正層、第一色調補正層、第一ハードコート層、透明基材フィルム、第二ハードコート層、低屈折率層が順に積層した構成である。
透明導電性フィルムの透過光の着色は、JIS Z 8729に規定されるLab表色系のb*で評価でき、好ましくは−2≦b*≦2、より好ましくは−1≦b*≦1である。b*>2の場合、透明導電性フィルムが黄色に着色して見えるため好ましくない。一方、b*<−2の場合、透明導電性フィルムが青色に着色して見えるため好ましくない。
透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは93%以上である。全光線透過率が93%未満の場合、タッチパネルなどの部材に使用した時に輝度が悪化するため好ましくない。また、ヘイズ値は、好ましくは1%未満である。ヘイズ値が1%以上の場合、白化し、タッチパネルなどの部材に使用した時に表示画像の視認性が悪化するため好ましくない。
<錫ドープ酸化インジウム層>
第二色調補正層の上に積層される錫ドープ酸化インジウム層(以下、ITO層と略することがある)は、透明導電層であり、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである。屈折率がこの範囲を外れると、第一色調補正層及び第二色調補正層との光学干渉が適切に作用しなくなるため、透明導電性フィルムの透過色が着色を呈し、全光線透過率も低下する。膜厚が5nmより薄い場合は、均一に成膜することが難しく、安定した抵抗が得られないため好ましくない。また、膜厚が50nmより厚い場合は、ITO層自身による光の吸収が強くなり、透過色の着色低減効果が薄れると共に、全光線透過率が小さくなる傾向があるため好ましくない。
<錫ドープ酸化インジウム層の形成>
錫ドープ酸化インジウム層の製膜方法は、特に限定されず、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法を採用できる。これらの中では、層の厚み制御の観点より蒸着法及びスパッタリング法が特に好ましい。尚、錫ドープ酸化インジウム層を形成した後、必要に応じて、100℃〜200℃の範囲内でアニール処理を施して結晶化することができる。具体的には、高い温度で結晶化すると錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は小さくなる傾向を示す。従って、錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は、アニール処理の温度と時間を制御することで調整可能である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
まず、第一ハードコート層及び第二ハードコート層用塗液、第一色調補正層用塗液、第二色調補正層用塗液、低屈折率層用塗液を調製し、各液を用いて形成される層の屈折率を次の方法にて測定した。
<屈折率(ITO層以外の層)>
(1)屈折率が1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、各層用塗液をそれぞれ乾燥硬化後の膜厚で100〜1000nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した。
(2)乾燥後、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して硬化した。硬化後のPETフィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn-Cauchyの波長分散式(式1)の定数を求め、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ+b/λ+c (式1)
(N:屈折率、λ:波長、a、b、c:波長分散定数)
〔第一ハードコート層及び第二ハードコート層用塗液(HC1−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)100質量部、光重合開始剤[商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]5質量部及びイソブチルアルコール150質量部を混合して第一ハードコート層及び第二ハードコート層用塗液(HC1−1)を調製した。ハードコート層用塗液(HC1−1)を用いて形成されるハードコート層の屈折率は1.51であった。
〔第一ハードコート層及び第二ハードコート層用塗液(HC1−2)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100質量部、光重合開始剤[商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]5質量部、アクリル系有機微粒子[商品名:MX−80H3wT、綜研化学(株)製]5質量部及びイソブチルアルコール150質量部を混合して第一ハードコート層及び第二ハードコート層用(HC1−2)を調製した。ハードコート層用塗液(HC1−2)を用いて形成されるハードコート層の屈折率は1.51であった。
〔第一色調補正層用塗液の調製〕
第一色調補正層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表1に記載した組成にて、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:1000の割合で混合し、第一色調補正層用塗液C1−1〜C1−5を調製した。得られた第一色調補正層用塗液C1−1〜C1−5を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
各原料としては、金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)または酸化チタン微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 RTTMIBK15WT%−N24)を使用した。活性エネルギー線硬化型樹脂として、6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B)を使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)を使用した。また溶媒としてメチルイソブチルケトンを使用した。
Figure 2013237244
〔第二色調補正層用塗液の調製〕
第二色調補正層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表2に記載した組成にて、微粒子成分(シリカ微粒子又は金属酸化物微粒子)及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:4000の割合で混合して、第二色調補正層用塗液C2−1〜C2−5を調製した。得られた第二色調補正層用塗液C2−1〜C2−5を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表2に示す。
各原料としては、シリカ微粒子として、日揮触媒化成(株)製 アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリアNAUまたは扶桑化学工業(株)製PL−1を使用した。また金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)を使用した。また活性エネルギー線硬化型樹脂として、日本化薬(株)製DPHAを使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)を使用した。そして溶媒として、イソプロピルアルコールを使用した。
Figure 2013237244
〔低屈折率層用塗液の調製〕
低屈折率層用塗液として次の原料を使用し、各原料を下記表3に記載した組成にて、中空シリカ微粒子成分及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、質量比で100:5:4000の割合で混合して、低屈折率層用塗液L1−1〜L1−5を調製した。得られた低屈折率層用塗液L1−1〜L1−5を用いて形成される低屈折率層の屈折率を測定した。その結果を表3に示す。
各原料としては、中空シリカ微粒子として、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリアNAUを使用した。また活性エネルギー線硬化型樹脂:日本化薬(株)製 DPHAを使用した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)を使用した。そして溶媒として、イソプロピルアルコールを使用した。
Figure 2013237244
(実施例1−1)
屈折率が1.67、全光線透過率が91.5%、厚さ125μmのPETフィルムの一面に、第一ハードコート層用塗液(HC1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一ハードコート層を形成した。続いて、PETフィルムの他面に第二ハードコート層用塗液(HC1−2)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二ハードコート層を形成した。
上記第一ハードコート層上に、第一色調補正層用塗液(C1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一色調補正層を形成した。上記第一色調補正層上に、第二色調補正層用塗液(C2−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二色調補正層を形成した。
上記第二ハードコート層上に、低屈折率層用塗液(L−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより低屈折率層を形成し、色調補正フィルム(S1−1)を作製した(各層の膜厚は下記表4を参照)。
(実施例1−2〜実施例1−15)
第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層、低屈折率層を下記表4に記載した材料及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S1−2〜S1−15)を作製した。
Figure 2013237244

(比較例1−1〜比較例1−12)
第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層、低屈折率層を下記表5に記載した材料及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S’1−1〜S’1−12)を作製した。
Figure 2013237244
(実施例2−1)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムについて、巻き取り性、透過色b*、全光線透過率、ヘイズ値を次の方法で測定した。その結果を下記表6に示す。
<透過色>
色差計(「SQ−2000」、日本電色工業株式会社製)を用いて透明導電性フィルムの透過色、b*を測定した。このb*は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b*表色系における値である。
<全光線透過率・ヘイズ値>
ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業株式会社製)により透明導電性フィルムの全光線透過率(%)及びヘイズ値を測定した。
<擦傷性>
消しゴム摩耗試験機((株)本光製作所製)の先端に、#0000のスチールウールを固定し、2.5N(255gf)の荷重をかけて、被擦傷体であるフィルムの低屈折率層面、又は第二ハードコート面を10往復摩擦した後の表面の傷を目視で観察し、下記の3段階で評価した。
◎:傷なし
○:ほぼ傷なし(傷5本以下)
×:多数の傷あり(傷5本以上)
(実施例2−2〜実施例2−15)
表6に記載された各色調補正フィルム(S2−1〜S15−1)を用い、実施例2−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
(実施例2−16)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、2時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(実施例2−17)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、100℃、1時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(実施例2−18)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が50nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
得られた実施例2−2〜実施例2−18の透明導電性フィルムについて、実施例2−1と同様に巻き取り性、透過色b*、全光線透過率、ヘイズ値を測定した。その結果を下記表6に示す。
Figure 2013237244
(比較例2−1〜比較例2−12)
表7に記載された各色調補正フィルム(S’1−1〜S’1−12)を用い、実施例2−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。実施例2−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−13)
上記色調補正フィルム(S’1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、2時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−14)
上記色調補正フィルム(S’1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、100℃、1時間のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
(比較例2−15)
上記色調補正フィルム(S’1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が50nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。
得られた比較例2−1〜実施例2−15の透明導電性フィルムについて、実施例2−1と同様に巻き取り性、透過色b*、全光線透過率、ヘイズ値を測定した。その結果を下記表7に示す。
Figure 2013237244
また、実施例2−1〜実施例2−18及び比較例2−1〜比較例2−15の透明導電性フィルムについて、ITO層の屈折率を次の方法にて測定し、その結果を上記表6,7に併記する。
<屈折率(ITO層)>
(1)屈折率が1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行い、実膜厚20nmの透明導電層としての錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、下記実施例および比較例のそれぞれの条件でアニーリングを施し、透明導電性フィルムを作製した。
(2)上記透明導電性フィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、上記(式1)を用いて、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
なお、各表(後述)に記載の各層の屈折率は、上記屈折率測定用サンプルから求めた屈折率である。
(結果および考察)
実施例2−1〜実施例2−18(表4、表6)の結果から明らかなように、第一及び第二ハードコート層の屈折率を1.49〜1.59とし、第一色調補正層の屈折率を1.59〜1.82、膜厚を25〜90nmとし、第二色調補正層の屈折率を1.32〜1.52、膜厚を10〜55nmとし、低屈折率層の屈折率を1.32〜1.44、膜厚が50〜130nmとし、且つITO層の屈折率を1.32〜1.52、膜厚を55nm以下とすると、透過色b*の値が小さく、透明導電性フィルムの着色を十分に抑え、更に、優れた全光線透過率を実現することが出来た。
その一方、比較例2−1〜2−7比較例2−12〜2−15(表5、表7)では、各色調補正層、又は錫ドープ酸化インジウム層の屈折率、及び膜厚のいずれかが上記範囲を外れており、透過色b*の値が大きく透明導電性フィルムが着色する、若しくは、全光線透過率が低くなった。
比較例2−10では、低屈折率層の屈折率が上記範囲の上限を超過した1.46であり、低屈折率層の無い比較例2−12に比べれば全光線透過率は高いものの不十分であった。これに対し、比較例2−11では、低屈折率層の屈折率が1.30であって上記範囲を外れていたが、着色を抑制し、優れた全光線透過率を実現することができた。しかしながら、低屈折率層中の中空シリカの割合が多くなっているため、耐擦傷性が悪かった。

Claims (2)

  1. 透明基材フィルムの一方の面に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層がこの順に積層され、前記透明基材フィルムの他方の面に、第二ハードコート層、低屈折率層がこの順に積層されており、
    前記第一ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.59、膜厚が1.3〜3.5μmであり、
    前記第一色調補正層は、金属酸化物微粒子を含み、屈折率が1.59〜1.82、膜厚が25〜90nmであり、
    前記第二色調補正層は、シリカ微粒子を含み、屈折率が1.32〜1.52、膜厚が10〜55nmであり、
    前記第二ハードコート層は、屈折率が1.49〜1.59、膜厚が1.3〜3.5μmであり、
    前記低屈折率層は、屈折率が1.32〜1.44、膜厚が50〜130nmである、色調補正フィルム。
  2. 請求項1に記載の色調補正フィルムの前記第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層されており、前記錫ドープ酸化インジウム層は、屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである、透明導電性フィルム。
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