JP2012038708A - 導電性に優れるSi系合金負極材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リチウムイオン2次電池やハイブリットキャパシタなど、充放電時にリチウムイオンの移動を伴う蓄電デバイスの導電性に優れるSi系合金負極材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 Si相とSiとCuとの金属間化合物であるSixCuy合金からなるSixCuy相の複合相からなる粉体であり、かつSixCuy相の組成がx<yであり、またはSiを主相とするSi相の平均粒径を10μm以下とし、該Si相の少なくとも1部をSixCuy相で取り囲んでなることを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リチウムイオン2次電池やハイブリットキャパシタなど、充放電時にリチウムイオンの移動を伴う蓄電デバイスの導電性に優れるSi系合金負極材料およびその製造方法に関するものである。
近年、携帯機器の普及に伴い、リチウムイオン電池を中心とした高性能2次電池の開発が盛んに行われている。さらには自動車用や家庭用定置用蓄電デバイスとしてリチウムイオン2次電池やその反応機構を負極に適用したハイブリットキャパシタの開発も盛んになっている。それらの蓄電デバイスの負極材料としては、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる、天然黒鉛や人造黒鉛、コークスなどの炭素質材料が用いられている。
しかし、炭素質材料はリチウムイオンをC面間に挿入するため、負極に用いた際の理論容量は372mAh/gが限界であり、高容量化を目的とした炭素質材料に代わる新規材料の探索が盛んに行われている。
一方、炭素質材料に代わる材料として、Siが注目されている。その理由は、SiはLi22Si5 で表される化合物を形成して大量のリチウムを吸蔵することができるため、炭素質材料を使用した場合に比較して負極の容量を大幅に増大でき、結果としてリチウムイオン2次電池やハイブリットキャパシタの蓄電容量を増大することができる可能性を持っているためである。
しかし、Siを単独で負極材として使用した場合には、充電時にリチウムと合金化する際の膨張、放電時にリチウムと脱合金化する際の収縮の繰返しによってSi相が微粉化され、使用中に電極基板からSi相が脱落したりSi相間の電気伝導性が取れなくなる等の不具合が生じるために蓄電デバイスとしての寿命が極めて短いといった課題があった。
また、Siは炭素質材料や金属系材料に比べて電気伝導性が悪く、充放電に伴う電子の効率的な移動が制限されているため、負極材としては炭素質材料など導電性を補う材料と組合せて使用されるが、その場合でも特に初期の充放電や高効率での充放電特性も課題となっている。
このようなSi相を負極として利用する際の欠点を解決する方法として、Siなどの親リチウム相の少なくとも一部をSiと遷移金属に代表される金属との金属間化合物で包囲した材料やその製造方法が提案されている。その一つとして、例えば、特開2001−297757号公報(特許文献1)や特開平10−312804号公報(特許文献2)などが知られている。
また、別の解決方法として、Si相を含む活物質の相をリチウムと合金化しないCuなどの導電性材料で被覆した電極やその製造方法が提案されている。例えば、特開2004−228059号公報(特許文献3)や特開2005−44672号公報(特許文献4)などが知られている。
特開2001−297757号公報 特開平10−312804号公報 特開2004−228059号公報 特開2005−44672号公報
しかしながら、上述した活物質の相をCuなどの導電性材料で被覆する方法では、Si相を含む活物質を電極に形成する工程の前または後にめっきなどの方法で被覆する必要があり、また、被覆膜厚の制御など工業的に手間がかかるという問題がある。
また、Siなどの親リチウム相の少なくとも一部を金属間化合物で包囲した材料は溶融後の凝固プロセス中に親リチウム相と金属間化合物が形成されるため、工業的に好ましいプロセスといえるが、提案されている元素の組合せではSi相と平衡する殆どの金属間化合物は電気伝導性に劣るSiリッチな化合物になるためCuめっきに比べて、特に、初期の充放電特性や高効率での充放電特性に劣る欠点があった。また、これまでの提案ではそれらの課題を解決できるような電気伝導性に優れた金属間化合物の組成に関するものはない。
上述のような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、Si相を包囲する金属間化合物として、Si相との多くの金属間化合物のなかでもCu元素との金属間化合物が特に電気伝導性に優れたSiCu3 を形成することと、Si相とSiCu3 合金からなる複合相とすることで、Siの大きな放電容量を活かし、かつSi本来の低い導電性を導電性に優れたSiCu3 が補う効果によって、さらにSi相の平均粒径を10μm以下とすることによって放電容量とサイクル寿命のいずれも良好であることを見出し発明に至った。
その発明の要旨は、
(1)Si相とSiとCuとの金属間化合物であるSixCuy合金からなるSixCuy相の複合相からなる粉体であり、かつSixCuy相の組成がx<yであり、また、Siを主相とするSi相の平均粒径を10μm以下とし、該Si相の少なくとも1部をSixCuy相で取り囲んでなることを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
(2)前記(1)で、SixCuy合金である金属間化合物の組成がSiCu3 であることを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
(3)前記(1)または(2)で、Si相を構成するSiの一部をC,Ge,Sn,Pb,AlおよびPからなる群から選ばれた1種または2種以上の元素で置換し、Siを主とするSi相としたことを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項で、初期放電容量が1000mAh/g以上であり、かつ100サイクル目の放電容量が372mAh/g以上であることを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の合金を溶解して溶湯を形成し、該溶湯をガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法および液体急冷法により急冷することを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料の製造方法にある。
以上述べたように、本発明による電気伝導性に優れたSiCu3 を使用することによりSiの導電性を補い、かつ、Si相の平均粒径を10μm以下とすることで、良好なサイクル寿命を示す負極材料を確実に得ることができ、放電容量とサイクル寿命のいずれも良好で、2次負極材料の提供を可能とする優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図1は、Si−Cu二元系の状態図を示す。この図に示すように、Si−Cu合金溶融物を冷却すると液相線温度(例えば、Si:64原子%−Cu:36原子%の場合は1200℃)に達した時に初晶としてSiが析出し始める。この初晶は液体急冷法やアトマイズ法のように冷却速度が大きければ粒状晶として析出し、温度が固相線温度(802℃)に達するとSiとSiCu3 の共晶反応が起こり凝固が完了する。このように、Siリッチ側の状態図ではSi相とSiCu3 相との共晶反応であり、Si相をSiCu3 相が取り囲む組織になる。
一方、Cu以外とSiとを合金化させる元素の組合せとして、例えばFe−Si、Ni−Si、Mn−Si、Co−Si、Cr−Si、Si−W、Mo−Si、Nb−Si、Si−Ti、Si−V等が考えられる。しかし、これらは、いずれもFeSi2 、NiSi2 、CoSi2 、CrSi2 、WSi2 、MoSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TiSi2 、VSi2 と金属元素よりもSiリッチな組成が残ることになる。
上記のSiと遷移元素との組合せで唯一Cuが金属リッチな化合物(SiCu3 )としてSi相と平衡する。このCuリッチな化合物(SiCu3 )の抵抗値を調べると、SiCu3 :16.3×10-4Ω・m、同様に、FeSi2 :1000×10-4Ω・m、NiSi2 :50×10-4Ω・m、CoSi2 :18×10-4Ω・mとSiCu3 が他のシリサイド化合物に比べて抵抗値の低いことが分かる。
SiCu3 の抵抗値が最も低かった要因は二つあり、一つ目はSiCu3 が他のシリサイド化合物に比べて金属リッチな組成であることである。二つ目として、原料の遷移金属元素に注目すると、Cu:1.73×10-4Ω・m、Fe:10×10-4Ω・m、Ni:11.8×10-4Ω・m、Co:9.71×10-4Ω・m、と単体Cuは他の遷移金属元素と比較しても極めて抵抗値が低く、Siと最も抵抗値が低くなる遷移金属の組合せであったことである。
上述のことからも分かるように、遷移金属シリサイド化合物の中で最も低い抵抗値をとるSiと遷移金属元素の組合せはSiとCuである。これは遷移金属シリサイド化合物の原料である単体Cuが他の単体遷移金属元素と比較しても極めて抵抗値が低く、かつSi相とSiとの遷移金属元素の組合せでは決して得られないSiとCu元素との金属リッチな化合物相(SixCuy(x<y))、例えば、SiCu3 相の形成が可能であることからである。このように最も抵抗値が低いことから、SiCu3 は上記したSiリッチな金属間化合物(FeSi2 、NiSi2 、CoSi2 、CrSi2 、WSi2 、MoSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TiSi2 、VSi2 )よりも高い電気伝導性を示すことが分かる。
上記のことより、Siとの遷移金属元素との組合せで唯一CuだけがSi相と金属リッチな化合物(SiCu3 )相を共晶反応により析出することが分かり、かつこのSiCu3 はSi−Cu二元系状態図からSiリッチな組成(例えば、Si:64原子%−Cu:36原子%)においてはSi相をSiCu3 相が取り囲む組織になっていることも分かっている。このことによりSiと他の遷移金属元素との組合せをはるかに上回る電気伝導性を持つSiCu3 相をSi相の回りに析出させることで、SiCu3 相がSiの乏しい電気伝導性を補う役割を果してくれる。
さらに、SiCu3 相はリチウムと合金化しないことにより、SiCu3 相自身は充電(負極にリチウムが入る)−放電(負極からリチウムが出ていく)が繰り返されても体積膨張・収縮はせず、それどころかSiCu3 相はSiに比べて硬度が低いためSiとリチウムとの反応により生じるSiの大きな体積膨張・収縮の変化による応力を緩和する相とも成り得る。
また、Si相またはSiを主相とするSi相の平均粒径としては、10μm以下、好ましくは5μm以下とする。これは平均粒径が大きければサイクル寿命が低下するからである。Siとリチウムの反応は電解液の接触部で起こる。最大粒径が10μmを超える大きなSi粒子では、初期充電反応の間にリチウムとの反応が電解液の接触するSi粒子表層部のみの反応に止まり、電解液が染み込むまでに時間がかかるリチウムとSi内部の反応が行なわれなくなってしまう。
そして、初期のSiへのリチウムの挿入反応により起こるSi表面と内部の体積膨張・収縮差により生じる応力に耐え切れなくなり、表層Siが割れ、そのSiが集電体から剥離したり、集電性がとれない電気的に孤立したSiアイランドになってしまうことで次のサイクルからそれらのSiが利用できなくなってしまう。また、その時、割れ方によっては未反応のSiを含んだまま集電体から剥離したり、集電のとれない電気的に孤立した状態になってしまう恐れもある。さらに、表層のSiがなくなり、新たな未反応Si面が出てくることで上記の現象の繰り返しになり、初期数サイクルのうちに容量が急激に低下してしまう。
上記のことから、Si相の平均粒径が大きいと、初期充電反応の間にリチウムとの反応が電解液の接触するSi粒子表層部のみの反応に止まってしまうことが分かっている。そこで、Si相を微細化し、反応するSiの比表面積を大きくすることであらかじめ電解液が接触するSi表面積を増やす対策を行なう。これにより、初期のリチウムとSiの反応率を増やし、未反応Siがなくなるサイズまで微細化し、Siが集電体から剥離したり、集電性がとれない電気的に孤立したSiアイランドを防ぎ、上述したSiの剥離・電気的孤立現象の繰り返しによる初期数サイクルの容量の急激な低下を改善する。したがって、その上限を10μmとした。平均粒径の下限値は小さい程好ましい。
また、Siは主相であり、Liと可逆的に化合・隔離することができる1または2以上の元素から構成される相の群である。このような元素である、C,Ge,Sn,Pb,AlおよびPからなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を、Siの一部として置換しても良く、これら元素が置換型の固溶体をなすとき、その組成比は特に限定しないが、C,Ge,Sn,Pb,Al,Pの割合はこれらをMとすると、Siを1とした場合、Siに置換するMの合計は0.5未満が好ましい。
さらに、Siと金属間化合物を形成するCuとの合金であるSixCuy合金において、SixCuy相の組成がx<yであることが必要である。例えば、FeSi2 では、Feリッチとはならない。Fe元素とSiとの合金では、Siリッチな化合物相を形成してしまうことから、電気伝導性が劣り、かつ、充放電の繰り返しで生じるSiの微細化によるSi相間の電気伝導性の低下防止を十分に発揮させることができないため、SixCuy相の組成がx<yであることにした。好ましくはx=1、y=3とする。
図2は、Si−Cu合金粉末の断面SEM画像を示す。この図に示すように、黒色の部分が埋め込み樹脂1、灰色の部分がSi相2、白色の部分がSiCu3 相3である。特に中央のSi−Cu粒子に注目すると、粒子内部のA部分では灰色のSi相2が白色のSiCu3 相に取り囲まれた状態になっている。しかし、粒子表面部分のB部分では灰色のSi相2が粒子表面に剥ぎ出しになっている様子がわかる。このように、Si相の少なくとも1部がSixCuy相で取り囲んでいることにある。
以下、本発明について実施例により具体的に説明する。
表1に示す組成の負極材料粉末を、以下に述べるような液体急冷法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法により作製した。液体急冷法については、所定組成の原料を底部に細孔を設けた石英管内に入れ、Ar雰囲気中で高周波溶解して溶湯を形成し、この溶湯を回転する銅ロール表面に出湯後、銅ロールにより急冷効果により急冷リボンを作製した。その後、作製リボンをジルコニアポット容器内にジルコニアボールとともにAr雰囲気中にて密閉し、メカニカルミリングにより粉末化した。
ガスアトマイズ法については、所定組織の原料を底部に細孔を設けた石英坩堝内に入れ、Arガス雰囲気中で高周波誘導溶解炉により加熱溶融後、Arガス雰囲気中、ガス噴射させるとともに出湯させ、急冷凝固することで目的とするガスアトマイズ微粉末を得た。ディスクアトマイズ法については、所定組織の原料を底部に細孔を設けた石英坩堝内に入れ、Arガス雰囲気中で高周波誘導溶解炉により加熱溶融後、Arガス雰囲気中、回転ディスク上(40000〜60000r.p.m.)に出湯させ、急冷凝固することで目的とするディスクアトマイズ微粉末を得た。
上記負極の単極での電極性能を評価するために、対極にリチウム金属を用いた、いわゆる二極式コイン型セルを用いた。まず、負極活物質(Si−Cuなど)・導電材(アセチレンブラック)・結着材(ポリフッ化ビニリデン)を電子天秤で秤量し、分散液(N−メチルピロリドン)と共に混合スラリー状態とした後、集電体(Cu箔)上に均一に塗布した。塗布後、真空乾燥機で減圧乾燥し溶媒を蒸発させた後、コインセルにあった形状に打ち抜いた。対極のリチウムも同様に金属リチウム箔をコインセルにあった形状に打ち抜いた。
リチウムイオン電池に使用する電解液(エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの3:7混合溶媒を用い、支持電解質にはLiPF6 (六フッ化リン酸リチウム)を用い、電解液に対して1モル溶解した)は露点管理された不活性雰囲気中で取り扱う必要があるため、セルの組立ては全て不活性雰囲気のグローブボックス内で行った。セパレータはコインセルにあった形状に切り抜いた後、セパレータ内に電解液を十分浸透させるために、減圧下で数時間電解液中に保持した。その後、前工程で打ち抜いた負極・セパレータ・対極リチウムの順に組合せ、電池内部を電解液で十分満たした形で構築した。
充電容量、放電容量の測定として、上記二極式セルを用い、温度25℃、充電は0.50mA/cm2 の電流密度で、金属リチウム極と同等の電位(0V)になるまで行い、同じ電流値(0.50mA/cm2 )で放電を1.5Vまで行い、この充電−放電を1サイクルとした。このときの1サイクル目の充電容量を初期容量値として評価した。また、サイクル寿命として、上記1サイクル目の放電容量を測定すると共に、その負極材料を用いた負極の放電容量とし、100サイクル目の放電容量を測定して、サイクル寿命の目安とした。
Figure 2012038708
Figure 2012038708
表1および表2に示すように、No.1〜14は本発明例であり、No.15〜26は比較例を示す。
本発明例No.1〜14はSi相とSiとCuとの金属間化合物であるSixCuy合金からなるSixCuy相の複合相からなる粉体であり、かつSixCuy相の組成がx<yであり、またSiを主相とするSi相の平均粒径が10μm以下であるため、本発明の条件を満たす。また、1サイクル目の放電容量が1000mAh/g以上を示した。また、x<yである金属間化合物相SixCuy相による導電性改善により、100サイクル後の放電容量は現状のグラファイト電極の容量である372mAh/g以上示した。
比較例No.15〜16は、本発明例No.1〜2と同じくSi相とSiとCuとの金属間化合物であるSixCuy合金からなるSixCuy相の複合相からなる粉体であり、かつSixCuy相の組成がx<yであるが、Siを主相とするSi相の平均粒径が比較例No.15で12μm、比較例No.16で20μmと10μmを超えるため、本発明の条件を満たさない。また、充放電容量においても、1サイクル目の放電容量は比較例No.15で1080mAh/g、比較例No.16で1090mAh/gと1000mAh/g以上を示したが、100サイクル後の放電容量は比較例No.15で200mAh/g、比較例No.16で170mAh/gと現状のグラファイト電極の容量である372mAh/gを下回った。
比較例No.17〜26は、Siを主相とするSi相の平均粒径が10μm以下ではあるが、Si相とSiとCuとの金属間化合物であるSixCuy合金からなるSixCuy相の複合相からなる粉体でないため、本発明の条件を満たさない。また、1サイクル目の放電容量が1000mAh/g未満を示した。また、x>yである金属間化合物相SixMy相(M=Ni、Fe、Mn、Co、Cr、W、Mo、Nb、Ti、V)により導電性が劣り、100サイクル後の放電容量は現状のグラファイト電極の容量である372mAh/g未満を示した。
以上のように、金属リッチなSiCu3 相は電気伝導性に優れており、さらに、Si相の平均粒径を10μm以下とする相乗効果で充放電容量や充放電寿命ともに向上する極めて優れた効果を奏するものである。加えて、合金を溶解して溶湯を形成し、該溶湯をガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法および液体急冷法により急冷することで、導電性に優れるSi系合金負極材料の製造方法が可能になる。
Si−Cu二元系の状態図を示す図である。 Si−Cu合金粉末の断面SEM画像を示す図である。
1 埋め込み樹脂
2 Si相
3 SiCu3



特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (5)

  1. Si相とSiとCuとの金属間化合物であるSixCuy合金からなるSixCuy相の複合相からなる粉体であり、かつSixCuy相の組成がx<yであり、また、Siを主相とするSi相の平均粒径を10μm以下とし、該Si相の少なくとも1部をSixCuy相で取り囲んでなることを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
  2. 請求項1で、SixCuy合金である金属間化合物の組成がSiCu3 であることを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
  3. 請求項1または2で、Si相を構成するSiの一部をC,Ge,Sn,Pb,AlおよびPからなる群から選ばれた1種または2種以上の元素で置換し、Siを主とするSi相としたことを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項で、初期放電容量が1000mAh/g以上であり、かつ100サイクル目の放電容量が372mAh/g以上であることを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の合金を溶解して溶湯を形成し、該溶湯をガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法および液体急冷法により急冷することを特徴とする導電性に優れるSi系合金負極材料の製造方法。
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