JP2012036114A - シアン酸エステル化合物、およびその硬化物 - Google Patents

シアン酸エステル化合物、およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐熱性及び難燃性を有する硬化物を与えるシアン酸エステル化合物、該化合物を含む硬化性樹脂組成物及び該硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるシアン酸エステル化合物、該化合物を含む硬化性樹脂組成物及び該硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
【化1】

【選択図】なし

Description

本発明は、シアン酸エステル化合物に関し、さらに該化合物を含有する硬化性樹脂組成物、およびそれらの硬化物に関する。かかる硬化性樹脂組成物は、電気用絶縁材料用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、レジスト用樹脂、半導体封止用樹脂、プリント配線板用接着剤、電気用積層板及びプリプレグビルドアップ積層板、繊維強化複合材料のマトリックス樹脂、各種塗料、コーティング剤、接着剤等の広範な用途に用いることができる。
繊維強化複合材料は軽量で、高い力学特性を有しているため、航空機、自動車、スポーツ・レジャー用品等の構造体に、金属材料の代替材料として用途が拡大している。それに伴い、繊維強化複合材料には、種々の物性が要求されてきているが、その要求特性として耐熱性、および難燃性の向上が挙げられる。繊維強化複合材料にはマトリックス樹脂として、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が用途に応じて使用されているが、繊維強化複合材料の耐熱性および難燃性はマトリックス樹脂の物性に大きく依存する。
耐熱性の改良として、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンをグリシジル化したエポキシ樹脂や(例えば特許文献1参照)、トリグリシジルアミノフェノール骨格を有するエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂にジアミノジフェニルスルホンやポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドを配合した組成物が開示されている(例えば特許文献2参照)。
またシアン酸エステル樹脂は、硬化によってトリアジン環を生じ、高い弾性率や耐熱性を有するので、上記熱硬化性樹脂として好ましく、シアン酸エステル樹脂をマトリックスに用いた繊維強化複合材料の製造方法も開示されている(例えば特許文献3および特許文献4参照)。
一方、難燃性の改良としては、ハロゲンを有するエポキシ樹脂や、ハロゲンを有する単官能シアネート類の使用が開示されている(例えば、特許文献5および特許文献6参照)。
しかし、このような難燃剤を配合した樹脂組成物は、燃焼時や成形時等において、環境汚染のおそれがあるハロゲン系ガスを発生する可能性があるので、ハロゲンに代わる難燃剤としてシアン酸エステル化合物にリンや窒素原子を導入する検討がなされている。リン原子を導入したものとして、シアナト基含有ホスファゼン化合物の使用や(例えば特許文献7参照)、イソシアヌル酸骨格含有シアン酸エステル化合物が開示されている(例えば特許文献8参照)。
しかしながら、以上の樹脂組成物を用いた硬化物の耐熱性は280℃程度であり、近年これらの応用分野における要求性能に対して十分でなく、さらなる物性向上が望まれている。
特許第3573530号公報 特開昭62−297316号公報 特開2003−12819号公報 特開2006−70115号公報 特開平2−286723号公報 特開平6−122763号公報 特開2008−248066号公報 特開2006−328286号公報
本発明は、硬化物の耐熱性および難燃性が優れたものである新規なシアン酸エステル化合物、該化合物を含む硬化性樹脂組成物、および該樹脂組成物を硬化させてなる硬化物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)で表されるシアン酸エステル化合物が、優れた耐熱性を有する硬化物を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.一般式(1)で表されるシアン酸エステル化合物。
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基又はシアナト基を表す。)
2.Rがメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびt−ブチル基からなる群から選ばれるいずれか一種である前記1.に記載のシアン酸エステル化合物。
3.Rが水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基又はシアナト基である前記1.又は2.に記載のシアン酸エステル化合物。
4.Rがメチル基である前記2.又は3.に記載のシアン酸エステル化合物。
5.前記1.〜4.に記載のシアン酸エステル化合物を含んでなる硬化性樹脂組成物。
6.前記5.に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
7.前記5.に記載の硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなる繊維強化複合材料。
8.前記5.に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなる封止材料。
9.前記5.に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなる接着剤。
10.前記5.に記載の硬化性樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグ。
11.前記10.に記載のプリプレグを硬化して得られる積層板又は金属張積層版。
12.前記5.に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなる絶縁材料。
本発明のシアン酸エステル化合物は、それ自体を重合させることによって又は他の樹脂と共重合させることによって、高いガラス転移温度、分解温度を有するとともに、優れた難燃性を示す硬化物を与えることから、機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的に優れた材料として電気絶縁材料、接着剤、積層材料、レジスト、ビルドアップ積層板材料のほか、土木・建築、電気・電子、自動車、鉄道、船舶、航空機、スポーツ用品、美術・工芸などの分野における固定材、構造部材、補強剤、型どり材などに好ましく使用される。これらの中でも、耐候性、難燃性および高度の機械強度が要求される航空機構造部材、衛星構造部材および鉄道車両構造部材、スポーツ用の繊維強化複合材料、すなわちゴルフクラブ用シャフト、釣り竿などの幅広い用途に使用することができる。
実施例1で得た2,4,6−トリス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)1,3,5−トリアジンのH−NMRチャート 実施例2で得た2,4−ビス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−6−(N−メチルアニリノ)1,3,5−トリアジンのH−NMRチャート
本発明のシアン酸エステル化合物は一般式(1)で表される。
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基又はシアナト基を表す。)
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基であることが樹脂組成物の溶融粘度の低下(粘度が低いほうが組成物の加工性に優れる)するため好ましく、中でもメチル基が樹脂組成物の溶融粘度の低下と硬化物の難燃性の両立が可能なので特に好ましい。
は水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基又はシアナト基であることがより難燃性の高い硬化物が得られるので好ましく、中でもシアナト基が難燃性と耐熱性に優れた硬化物が得られるので特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の製法は、特に限定されないが、例えば一般式(2)に記載されるフェノールから、シアネート合成として現存する方法を挙げることができる。なお、一般式(2)に記載されるフェノールは、定法により、塩化シアヌルとN−アルキルアミノフェノール又はN−アリールアミノフェノールを反応させることにより得ることができる。
(式中、Rは式(1)に同じ。)
本製造方法を用いる場合において、Rは使用するN−アルキルアミノフェノール又はN−アリールアミノフェノールにより定まり、例えばN−メチル−4−アミノフェノール、N−エチル−4−アミノフェノール、4−プロピルアミノフェノール、4−イソプロピルアミノフェノール、4−n−ブチルアミノフェノール、4−イソブチルアミノフェノール、p−アニリノフェノール、4−(4−メチルアニリノ)フェノール又は4−[1]ナフチルアミノ−フェノール等を使用することができる。
この中でもRがメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基となるN−アルキルアミノフェノールを使用することが前記理由により好ましい。
本製造方法においては、Rがシアナト基となる一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
一般式(1)で表される化合物を得る他の方法としては、予め塩化シアヌルとパラ位がヒドロキシル基でない所定量の芳香族2級アミンを反応させることで調製した、2,4−ジクロロ−6−(N−アルキル−N−アリールアミノ)−1,3,5−トリアジン又は2,4−ジクロロ−6−(N−アリール−N−アリールアミノ)−1,3,5−トリアジンをN−アルキルアミノフェノール又はN−アリールアミノフェノールと反応させ、一般式(3)で表されるフェノールを得て、ヒドロキシル基をシアネート化する方法が挙げられる。
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基を表す。)
本製造方法において、Rは使用するパラ位がヒドロキシ基でない芳香族2級アミンによって定まり、例えばN−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−n−プロピルアニリン、N−イソプロピルアニリン、N−t−ブチルアニリン、N−メチル−p−トルイジン、N−エチル−p−トルイジン、N−メチル−p−アニシジン、4−(メチルアミノ)ビフェニル、N−メチル−4−フェノキシアニリン等を使用することができる。
この中でもRが水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基となる、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−n−プロピルアニリン、N−イソプロピルアニリン、N−t−ブチルアニリンを使用することが好ましい。
前記方法により得られた一般式(2)または(3)で表される化合物をシアネート化し、一般式(1)で表される化合物を得る方法としては、例えばIAN HAMERTON,“Chemistry and Technology of Cyanate Ester Resins”,BLACKIE ACADEMIC&PROFESSIONALに記載された方法を用いることができる。また、米国特許第3553244号明細書には溶媒中、塩基の存在下ハロゲン化シアンが常に塩基より過剰に存在するようにして反応させる方法が提供されている。特開平7−53497号公報では、塩基として3級アミンを用い、これをハロゲン化シアンよりも過剰に用いながら合成する方法が、特表2000−501138号公報には連続プラグフロー方式で、トリアルキルアミンとハロゲン化シアンを反応させる方法が、特表2001−504835号公報には、フェノールとハロゲン化シアンをtert−アミンの存在化非水溶液中反応させる際、副生するtert−アンモニウムハライドをカチオン及びアニオン交換体で処理する方法が、特許2991054号公報にはフェノール化合物を水と分液可能な溶媒の存在下、3級アミンとハロゲン化シアンを同時に添加し反応させた後、水洗分液し、得られた溶液から2級もしくは3級アルコール類、炭化水素の貧溶媒を用いて沈殿精製する方法が記載されており、これらのいずれの方法を用いることができる。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。該硬化性樹脂組成物は、上述した式(1)で表されるシアン酸エステル化合物を含有することを特徴とするものであり、本発明のシアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル化合物、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂および/又は重合可能な不飽和基を有する化合物等を添加することも可能である。
前記シアン酸エステル化合物以外のシアン酸エステル化合物としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ビスフェノールAジシアネート、ビスフェノールFジシアネート、ビスフェノールMジシアネート、ビスフェノールPジシアネート、ビスフェノールEジシアネート、フェノールノボラック型シアネート、クレゾールノボラック型シアネート、ジシクロペンタジエンノボラック型シアネート、テトラメチルビスフェノールFジシアネート、ビフェノールジシアネート等が挙げられる。これらのシアン酸エステル化合物は1種又は2種以上混合して用いることができる。
前記エポキシ樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上混合して用いることができる。
前記オキセタン樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、オキセタン、2−メチルオキセタン、2,2−ジメチルオキセタン、3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3,3’ −ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2−クロロメチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、OXT−101(東亞合成株式会社製商品名)、OXT−121(東亞合成株式会社製商品名)等が挙げられる。これらのオキセタン樹脂は1種又は2種以上混合して用いることができる。
前記重合可能な不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価又は多価アルコールの(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類、ベンゾシクロブテン樹脂、(ビス)マレイミド樹脂等が挙げられる。これらの不飽和基を有する化合物は1種又は2種以上混合して用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、シアン酸エステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、重合可能な不飽和基を有する化合物の重合を触媒する化合物を配合することができる。重合触媒としては、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、アセチルアセトン鉄等の金属塩、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール化合物、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、ホスフィン系はホスホニウム系のリン化合物、味の素ファインテクノ社製「アミキュアPN-23」、旭化成社製「ノバキュア HX-3721」、あるいは、富士化成工業社製「フジキュアFX-1000」等が挙げられるエポキシ-イミダゾールアダクト系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート等の過酸化物、又はアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、無機充填剤を配合することができる。無機充填剤としては、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。これらの中でも特に、シリカが好ましく、溶融シリカが低熱膨張性に優れる点で好ましい。また、破砕状、球状のシリカが存在するが、樹脂組成物の溶融粘度を下げる点において、球状シリカが好ましい。
前記球状シリカは、さらに予め表面処理する処理剤で処理されたものであることが好ましい。前記処理剤は、官能基含有シラン類、環状オリゴシロキサン類、オルガノハロシラン類、およびアルキルシラザン類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物であることが好ましい。
また、前記処理剤の中でも、オルガノハロシラン類およびアルキルシラザン類を用いて球状シリカの表面処理することは、シリカ表面を疎水化するのに好適であり、前記樹脂組成物中における球状シリカの分散性に優れる点において好ましい。
前記官能基含有シラン類は、特に限定されないが、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、および2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシランなどのエポキシシラン化合物、3−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、および3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリルシラン、3−メルカトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカトプロピルトリエトキシシラン、および3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプトシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、およびビニルトリクロロシランなどのビニルシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、および3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイドシラン、(5−ノルボルネン−2−イル)トリメトキシシラン、(5−ノルボルネン−2−イル)トリエトキシシラン、および(5−ノルボルネン−2−イル)エチルトリメトキシシランなどの(5−ノルボルネン−2−イル)アルキルシラン、およびフェニルトリメトキシシランなどのフェニルシランなどを挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、シリコーンレジンパウダーを配合することができる。シリコーンレジンパウダーは、シロキサン結合が(RSiO3/2)nで表わさせる三次元網目状に架橋した構造を持つ硬化物粉末であり、その平均粒子径は、0.1〜10μmのパウダーが好適である。具体的には、KMP−590(信越シリコーン製)、KMP−701(信越シリコーン製)、X−52−854(信越シリコーン製)、X−52−1621(信越シリコーン製)、XC99−B5664(モメンティブ・パフォーアンス・マテリアルズ製)、XC99−A8808(モメンティブ・パフォーアンス・マテリアルズ製)、トスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製)などが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜混合して使用することも可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法としては、一般式(1)で表されるシアン酸エステル化合物及び必要に応じて、各種添加剤、溶媒を、公知のミキサー、例えば高速ミキサー、ナウターミキサー、リボン型ブレンダー、ミキシングロール、ニーダー、インテンシブミキサー、単軸押出機、二軸押出機、万能ミキサー、ディゾルバー、スタティックミキサーなどを用いて混合して得ることができる。その際、シアン酸エステル化合物、各種添加剤、溶媒の添加方法は、特に限定されない。
本発明の硬化物は、前述の方法で得られた本発明の硬化性樹脂組成物を、熱や光などによって硬化させることにより得られる。本発明の硬化性樹脂組成物を溶融または溶媒に溶解させた後、型内に流し込み、通常の条件で硬化させることで製造することができる。熱硬化の場合、硬化温度は、低すぎると硬化が進まず、高すぎると硬化物の劣化が起こることから、150℃から300℃の範囲内が好ましい。
また、本発明の樹脂組成物を用いて繊維強化複合材料を製造することができる。
強化繊維の形態や配列については、特に限定されず、織物、不織布、マット、ニット、組み紐、一方向ストランド、ロービング、チョップド等から適宜選択できる。また、強化繊維の形態としてプリフォーム(強化繊維からなる織物基布を積層したもの、またはこれをステッチ糸により縫合一体化したもの、あるいは立体織物・編組物などの繊維構造物)を適用することもできる。
繊維強化複合材料の製造方法として、具体的に、リキッド・コンポジット・モールディング法、レジン・フィルム・インフュージョン法、フィラメント・ワインディング法、ハンド・レイアップ法、プルトルージョン法等が挙げられる。中でも、リキッド・コンポジット・モールディング法の一つであるレジン・トランスファー・モールディング法は、金属板、フォームコア、ハニカムコア等、前記したプリフォーム以外の素材を成形型内に予めセットしておくことができることから、種々の用途に対応可能であるため、比較的、形状が複雑な複合材料を、短時間で大量生産する場合に好ましく用いられる。
また、本発明の樹脂組成物を用いて封止材料を製造することができる。封止材料の製造方法は特に限定されるものでなく、前述の樹脂組成物を含む構成成分をミキサー、ブレンダー等によって均一に混合したのち、ロール、ニーダー等によって混練して製造するものである。成分の配合順序は特に制限はない。
また、本発明の樹脂組成物を用いて無機及び/又は有機繊維基材プリプレグの製造することができる。プリプレグの製造方法は、特に限定されるものではなくなく、プリント配線材料に使用される周知の方法が適用可能である。例えば、樹脂組成物ワニスを無機及び/又は有機繊維基材に含浸、乾燥してBステージ化し、プリプレグとする方法などが適用できる。
また、本発明の樹脂組成物は金属張積層板、及び多層板の製造に使用することができる。製造方法は、特に限定されるものでなく、上述のプリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。前記加熱する温度は、特に限定されないが、65〜300℃が好ましく、特に120〜270℃が好ましい。また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、2〜5MPaが好ましく、特に2.5〜4MPaが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。なお、硬化物のガラス転移温度、分解温度を下記の方法により評価した。
(1)ガラス転移温度(Tg):JIS−K7244−7−2007に準拠し、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製「AR2000」を用い、開始温度100℃、終了温度400℃、昇温速度3℃/分、測定周波数1Hzにて同定粘弾性測定を実施し、その際得られた損失正接(tanδ)の最大値をガラス転移温度とした。ガラス転移温度が高いほど、耐熱性に優れるといえる。
(2)分解温度;JIS−K7120に準拠し、示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、RTG−220)を用い、窒素気流下、昇温速度10℃/分にて熱重量測定を実施し、測定開始より5%重量が減少した温度を分解温度とした。分解温度が高温であるほど、耐熱性に優れるといえる。
(3)難燃性;UL94に基づき耐燃性試験を実施した。但し、試験片は10mm×70mm×1.5mmとした。
合成例1 2,4,6−トリス(N−メチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン(TMHT−OHと略記)の合成
N−メチル−4−アミノフェノール(J.Org.Chem.,2003,68(19), pp7374-7378に記載の方法により、4−アミノフェノールと炭酸ジメチルから調製)20.0g(162.7mmol)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)100mLに溶解させ、5℃まで冷却した。ついで塩化シアヌル(和光純薬工業株式会社製)10.0g(54.2mmol)を分割添加し、添加後100℃まで昇温し、14時間加熱撹拌した。
反応液を冷却後、1.5%水酸化ナトリウム水溶液900mLに注加し、不溶分を濾過した。濾液を1mol/L塩酸で中和後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を精製水500mLで洗浄し、クロロホルム−エタノールで再結晶することで、目的とするTMHT−OHを18.6g得た。NMRスペクトルにて構造を同定した。1H−NMR:(400MHz、ジメチルスルホキシド−d6、内部標準TMS)
δ(ppm)3.22(s,9H)、6.66(d,6H)、7.05(d,6H)、9.26(s,3H)
合成例2 2,4−ジクロロ−6−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌル10.0g(54.2mmol)をテトラヒドロフラン40mLに溶解させ、0℃に冷却した。そこに、N−メチルアニリン(和光純薬工業株式会社製)5.81g(54.2mmol)とテトラヒドロフランの溶液18gを0〜5℃にて滴下し、滴下後0℃にて2時間撹拌した。
炭酸ナトリウム2.87g(27.1mmol)の水溶液20gを滴下し、1時間撹拌した。撹拌後、反応液を40gまで減圧濃縮し、得られた残渣にクロロホルム80mLを加え有機相を分液した。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮することで粗生成物を得た。
得られた組成性物をトルエン25mLとヘキサン65mLの混合溶媒で加温溶解し、熱時濾過後冷却した。析出した結晶を濾取し、ヘキサンで洗浄した後減圧乾燥を行うことで2,4−ジクロロ−6−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジンを12.7g得た。NMRスペクトルにて構造を同定した。
1H−NMR:(400MHz、クロロホルム−d、内部標準TMS)
δ(ppm)3.55(s,3H)、7.22(d,2H)、7.35(m,1H)、7.45(m,2H)
合成例3 2,4−ビス(N−メチル−4−ヒドロキシアニリノ)−6−(N−メチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(BMHT−OHと略記)の合成
N−メチル−4−アミノフェノール9.66g(78.4mmol)をN−メチルピロリドン50mLに溶解させた。合成例2にて調製した2,4−ジクロロ−6−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン10.0g(39.2mmol)を室温にて分割添加した。添加後100℃まで昇温し、14時間加熱撹拌した。
反応液を冷却後、1.5%水酸化ナトリウム水溶液450mLに注加し、不溶分を濾過した。濾液を1mol/L塩酸で中和後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を精製水300mLで洗浄し、酢酸エチルで再結晶することで、目的とするBMHT−OHを9.1g得た。NMRスペクトルにて構造を同定した。1H−NMR:(400MHz、ジメチルスルホキシド−d6、内部標準TMS)
1H−NMR:(400MHz、ジメチルスルホキシド−d6、内部標準TMS)
δ(ppm)3.26(m,9H)、6.67(d,4H)、7.06(d,4H)、7.07(t,1H)、7.22−7.31(m,4H)、9.27(s,2H)
合成例4 トリス(3,5−ジメチル−4−シアナートベンジル)イソシアヌレート(TDHICNと略記)の合成
トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(新日鐵化学製TDHI)0.34mol及び1.12molトリエチルアミンを3−メチルテトラヒドロフラン1260gに溶解させた(溶液1)。1.58molの塩化シアンの塩化メチレン溶液414.96gに−10℃で溶液1を2時間かけて滴下した。30分撹拌した後、0.56molのトリエチルアミンを滴下し、さらに30分撹拌して反応を完結させた。トリエチルアミンの塩酸塩をろ別した後、得られたろ液を0.2N塩酸1000mLにより洗浄した後、5%塩化ナトリウム水溶液1000mlによる洗浄を3回、水1000mLによる洗浄を1回繰り返した。硫酸ナトリウムによる乾燥後、75℃でエバポレートし、黄白色固体の結晶216gを得た。得られた結晶を、再度テトラヒドロフラン130gに95℃で溶解させた後、再結晶を行った。得られた結晶をn−ヘキサン300mlにて洗浄した後、減圧乾燥することにより、黄白色結晶のトリス(3,5−ジメチル−4−シアナートベンジル)イソシアヌレート173g(TDHICN)を得た。このようにして得られたシアン酸エステル化合物がトリス(3,5−ジメチル−4−シアナートベンジル)イソシアヌレートであることを赤外吸収スペクトル測定、融点により確認した。
合成例5 シアナト基含有ホスファゼンの合成
[工程1:環状ホスホニトリル置換体の製造]
温度計、撹拌機、冷却管および滴下ロートを取り付けた1リットルの4つ口フラスコに、窒素気流下、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(86.9g,0.75unit mol)を仕込み、クロロベンゼン(MCB、581g)を加えて溶解した。これにナトリウムフェノキシド(87g,0.75mol)のテトラヒドロフラン(THF、160g)溶液を5時間以上かけてゆっくりと滴下した後、25℃にて24時間撹拌した。得られた反応液を予め調製した4−ヒドロキシベンズアルデヒドカリウム塩(140.5g,0.975mol)のMCB(813g)懸濁液に投入後、臭化テトラブチルアンモニウム(1.5g,0.0047mol)を添加し、110℃にて3時間還流した。反応混合物を室温に冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液(700g)、水(100g)、MCB(111g)を加えて分液ロートに移した。水層を分離後、MCB層を2%水酸化ナトリウム水溶液(500g)にて2回洗浄後、希硝酸にて中和し、水洗した。MCB層を減圧濃縮し、187.7g(収率:96.5%)の生成物を得た。
[工程2:環状ホスホニトリル置換体とフェノール類との縮合工程によるシアナト基含有ホスファゼンの製造]
温度計、撹拌機、冷却管を取り付けた2リットルの4つ口フラスコに工程1にて得られた化合物(187.1g,0.241mol)、フェノール(274.5g,2.89mol)、MCB(1,327g)、p−トルエンスルホン酸(5.92g,0.028mol)を仕込み、60℃にて2時間撹拌した。その後、脱水装置(ディーンスターク)を取り付けて、さらに130℃に加熱し、生じた水を系外に除いた。反応終了後、室温まで冷却して4−メチル−2−ペンタノン(MIBK、801g)を加え、3回水洗浄した。MIBK層を減圧濃縮後、濃縮残渣をメタノール−水混合溶媒にて結晶化し、232g(収率75%)の赤色の生成物を得た。得られた生成物についてNMR、元素分析を行い、[N=P(OCCHO)(OC]、[N=P(OCCHO)(OC]、[N=P(OCCHO)(OC]、[N=P(OCCHO)(OC]の混合物であり、その平均組成が[N=P(OCCHO)2.7(OC3.3]であることを確認した。
実施例1 2,4,6−トリス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−1,3,5−トリアジン(TMHT−CNと略記)の合成
合成例1にて調製したTMHT−OH15.0g(33.7mmol)とトリエチルアミン17.6g(222.8mmol)をテトラヒドロフラン100mLに溶解させた(溶液1)。臭化シアン21.5g(202.5mmol)のクロロホルム135mLを−10℃に冷却し、そこに溶液1を1.5時間かけて滴下した。30分撹拌し、反応の完結を確認した後、反応液を0.2mol/L塩酸、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮することで17.9gの固体を得た。得られた固体をn−ヘキサンで再洗浄を実施し、目的とするTMHT−CNを16.7g得た。NMRスペクトルにて構造を同定した(図−1)。
1H−NMR:(400MHz、クロロホルム−d、内部標準TMS)
δ(ppm)3.35(s,9H)、7.21(d,6H)、7.32(d,6H)
実施例2 2,4−ビス(N−メチル−4−シアナトアニリノ)−6−(N−メチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(BMHT−CNと略記)の合成
TMHT−OHの代わりに、合成例3にて調製したBMHT−OHを用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた結晶をNMRスペクトルにて構造を同定した(図−2)。
1H−NMR:(300MHz、クロロホルム−d6、内部標準TMS)
δ(ppm)3.37(s,9H)、7.16−7.35(m,13H)
実施例3
実施例1で得られたTMHT−CN100重量部を加熱溶融させて真空ポンプで脱気し、ガラス板(120mm×120mm×5mmt)、ポリイミドフィルム(カプトン200H:東レデュポン株式会社製)、フッ素ゴム製Oリング(S−100:株式会社森清化工製)で作製した型に注型し、オーブンで250℃、4時間加熱して硬化させた。冷却後、ポリイミドフィルムを研磨により除去して、硬化物を得た。得られた硬化物についてガラス転移温度、分解温度、難燃性を評価した。物性の評価結果を表1に示した。
実施例4
TMHT-CNを100重量部用いる代わりに実施例2で得られたBMHT−CNを100重量部用いた以外は実施例3と同様に行った。
実施例5
TMHT−CNを100重量部用いる代わりにTMHT−CN55重量部とビスフェノールA型シアン酸エステル(DCBAと略記、三菱ガス化学株式会社製)45重量部用いた以外は実施例3と同様に行った。
実施例6
TMHT−CNを100重量部用いる代わりにBMHT−CNを77重量部とDCBAを23重量部用いる以外は実施例3と同様に行った。
比較例1
TMHT−CNを100重量部用いる代わりにDCBAを100重量部用いる以外は
実施例3と同様に行った。
比較例2
THMT−CNを100重量部用いる代わりに合成例4で合成したTDHICNを100重量部用いる以外は実施例3と同様に行った。
比較例3
THMT−CNを100重量部用いる代わりに合成例5で合成した含シアナト基ホスファゼンを100重量部用いる以外は実施例3と同様に行った。
*配合量の単位は重量部、「−」の記載部分は該当する原料の配合がないことを意味する。
*1 実施例1で得られたシアン酸エステル化合物
*2 実施例2で得られたシアン酸エステル化合物
*3 合成例4で得られたシアン酸エステル化合物
*4 合成例5で得られたシアン酸エステル化合物
表1より、実施例3〜6の硬化物は、比較例1〜3に比較してガラス転移温度、ならびに分解温度が高く、耐熱性、難燃性に優れた結果となった。

Claims (12)

  1. 一般式(1)で表されるシアン酸エステル化合物。
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。Rは、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、又はシアナト基を表す。)
  2. がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびt−ブチル基からなる群から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする請求項1に記載のシアン酸エステル化合物。
  3. が水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基又はシアナト基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシアン酸エステル化合物。
  4. がメチル基であることを特徴とする請求項2又は3に記載のシアン酸エステル化合物。
  5. 請求項1〜4に記載のシアン酸エステル化合物を含んでなる硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  7. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなる繊維強化複合材料。
  8. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなる封止材料。
  9. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなる接着剤。
  10. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグ。
  11. 請求項10に記載のプリプレグを硬化して得られる積層板又は金属張積層版。
  12. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を含んでなる絶縁材料。
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