JP4407823B2 - 新規なシアネートエステル化合物、難燃性樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents

新規なシアネートエステル化合物、難燃性樹脂組成物、およびその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、新規なシアネートエステル化合物に関し、さらに該化合物を含有する熱硬化性樹脂組成物、およびそれらの硬化物に関する。本発明のシアネートエステル化合物は、それ自体を重合させることによってまたは他の樹脂と共重合させることによって、難燃性、耐熱性および低誘電特性に優れた高分子材料を得ることができるものである。かかる熱硬化性樹脂組成物は、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体封止用樹脂、プリント配線板用接着剤、電気用積層板及びプリプレグのマトリックス樹脂、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤等の広範な用途に用いることができる。
シアネートエステル樹脂は、硬化によってトリアジン環を生じ、その高い耐熱性、優れた電気特性から、従来、構造用複合材料、接着剤、電気用絶縁材料、電気電子部品など、種々の機能性高分子材料の原料として幅広く用いられている。しかしながら、近年これらの応用分野における要求性能の高度化に伴い、機能性高分子材料として求められる物性はますます厳しくなってきている。かかる物性として、例えば、難燃性、耐熱性、低誘電率、低誘電正接、耐候性、耐薬品性、低吸水性、高破壊靭性等が挙げられるが、これまでのところ、これらの要求物性は必ずしも満足されてきたわけではない。
例えば、プリント配線板材料の分野では、通信周波数、クロック周波数の高周波化に伴い材料に対して低誘電率、低誘電正接が求められるようになっており、誘電特性に優れるシアネート樹脂が多く用いられるようになってきている。その際、火災に対する安全性の確保の見地から、難燃性を付与する必要があり、高い難燃性を有する臭素化合物が用いられている。例えば、臭素化ビスフェノールA(例えば、特許文献1参照)、臭素化フェノールノボラックのグリシジルエーテル(例えば、特許文献2参照)、臭素化マレイミド類(例えば、特許文献3参照)、ハロゲンを有する単官能シアネート類(例えば、特許文献4参照)、シアネートエステル化合物と反応性を有さない添加型の臭素化合物(例えば、特許文献5参照)が知られている。
このような臭素化合物は高い難燃性を有するが、熱分解により腐食性の臭素、臭化水素を発生する恐れがあり、臭素系難燃剤を含まない材料が求められている。
そこで、臭素に代わる難燃剤として、リン含有化合物や窒素、硫黄含有化合物が検討されている。例えば、エポキシ樹脂においてよく配合されるリン化合物としてトリフェニルフォスフェートやレゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)などが検討されているが、これらは大量に配合すると耐熱性、耐湿性、吸水性等を低下させる場合が多い。
それを改良するためにシアネート化合物にフェノール性水酸基を有するリン化合物を添加する方法が知られている(例えば、特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)が、リン化合物においても毒性の問題が懸念される。また、窒素化合物としてはメラミン、グアニジンなどが用いられるが、単独では難燃性が不十分であった。
一方、難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどのような金属水酸化物が挙げられるが、金属水酸化物の配合は、誘電特性、耐熱性、耐衝撃性、成型性の低下を招く恐れがある。また、例えば、エポキシ樹脂において用いられるごとく、球状溶融シリカなどの無機フィラーを多量に用いることにより、可燃成分を低減し、難燃性を確保しようとする場合は、成型材料の溶融粘度が上昇し、成型性の低下や基材との濡れ性低下による接着力低下を招く、誘電特性が悪化するなどの懸念がある。
また、臭素化エポキシ樹脂と併用され広く用いられている三酸化アンチモンなどのアンチモン系難燃剤においても、劇物であり慢性毒性の懸念があるなどの問題がある。以上のような見地から、熱硬化性樹脂自体の難燃性がこれまで以上に求められている。
さらに、難燃性と同時に、耐熱性、低誘電率、低誘電正接、耐候性、耐薬品性、低吸水性、高破壊靭性、成形性、接着性等などを改善するため、これまで多くの試みがなされてきた。例えば、モノシアネートとジシアネートを組み合わせることにより熱安定性に優れた硬化物を作製する方法(例えば、特許文献9参照)、単官能シアネートエステル化合物と多官能シアネートエステル化合物を組み合わせて低誘電率、低誘電正接化を図る方法(例えば、特許文献10参照)が開示されている。
また、ハロゲンを含有した単官能シアネートエステルを添加することにより、低誘電、低誘電正接化を図りながら、吸湿性が低い、難燃性シアネートエステル硬化樹脂組成物を製造する方法が記載されている(例えば、特許文献4参照)。該特許には、広い範囲にわたってシアネートエステルについて記載されているものの、難燃性を保つためには臭素を官能基として有する芳香族単官能シアン酸エステルが必須成分であり、シアネートエステル樹脂単独で難燃性を向上させることには成功していない。
また、不飽和基を含有する基により結合された環を少なくとも2個含有する芳香族シアネートエステル化合物(例えば、特許文献11参照)が、フッ素含有ジシアン酸エステル化合物(例えば、特許文献12参照)が、フェノールノボラック型シアネートエステルを用いて難燃化を図る方法(例えば、特許文献13参照)等が提供されている。しかしながら、何れの場合もシアネートエステル化合物単体の硬化物で実用的に低誘電特性、難燃性、耐熱性をすべて備えた例は知られていない。
特公平4−24370号公報 特開平2−286723号公報 特開平7−207022号公報 特開平6−122763号公報 特開2000−95938号公報 特開2003−128928号公報 特開2003−128753号公報 特開2003−128784号公報 特開平6−228308号公報 特開平6−49238号公報 特表2002−531989号公報 特開昭63−250359号公報 特開2002−206048号公報
本発明は、硬化物が優れた難燃性を有し、かつ低誘電率、低誘電正接、高耐熱である新規なシアネートエステル化合物、硬化性樹脂組成物、および該樹脂組成物を硬化させてなる硬化物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)で示されるシアネートエステル化合物、好ましくは一般式(2)〜(7)で示される化合物が、難燃性に優れ、かつ低誘電率、低誘電正接、高耐熱である硬化物を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1. 一般式(1)で示されるシアネートエステル化合物。
Figure 0004407823
(式中、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表すが、Arがフェニレン基のとき、Arはナフチレン基又はビフェニレン基を表し、Arがナフチレン基又はビフェニレン基のとき、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表す。aはR の結合個数を表し、bはR の結合個数を表す。Ar がフェニレン基のときaは3であり、Ar がナフチレン基のときaは5であり、Ar がビフェニレン基のときaは7である。R は水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はビフェニル基を表わし、同一の基でも異なる基でもよい。Ar がフェニレン基のときbは4であり、Ar がナフチレン基のときbは6であり、Ar がビフェニレン基のときbは8である。R は水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はビフェニル基を表わし、同一の基でも異なる基でもよい。nは1から50までの整数を示す。)
2. 式(2)で示される上記第1項記載のシアネートエステル化合物。
Figure 0004407823
(式中、R〜Rは水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。)
3. 式(3)で示される上記第1項記載のシアネートエステル化合物。
Figure 0004407823
(式中、R〜Rは水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。)
4. 式(4)で示される上記第1項記載のシアネートエステル化合物。
Figure 0004407823
(式中、RとRは水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。)
5. 式(5)で示される上記第2項記載のシアネートエステル化合物。
Figure 0004407823
(式中、nは1から50までの整数を示す。)
6. 式(6)で示される上記第3項記載のシアネートエステル化合物。
Figure 0004407823
7. 式(7)で示される上記第4項記載のシアネートエステル化合物。
Figure 0004407823
(式中、nは1から50までの整数を示す。)
8. 上記第1項〜第7項のいずれかに記載のシアネートエステル化合物と硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物。
9. 上記第8項記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明のシアネートエステル化合物は、難燃性に優れた硬化物を与え、低誘電率、低誘電正接であり、かつ高いガラス転移温度を有することから、高機能性高分子材料として極めて有用であり、熱的、電気的に優れた材料として電気絶縁材料、接着剤、積層材料、レジスト、ビルドアップ積層板材料などの幅広い用途に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。一般式(1)で示されるシアネートエステル化合物において、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表すが、Arがフェニレン基のとき、Arはナフチレン基又はビフェニレン基を表し、Arがナフチレン基又はビフェニレン基のとき、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表す。Ar及びArとして具体的には、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,4’−ビフェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、2,3’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、1,6−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基等が挙げられる。
一般式(1)で示されるシアネート化合物において、R は同一の基でも異なる基でもよい。Rは水素、アルキル基又はアリール基を表す。Rの具体例としては、アルキル基としてメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、異性体ペンチル基など、アリール基としてフェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基、ビフェニル基、アルキルビフェニル基などが挙げられる。
一般式(1)で示されるシアネート化合物において、R は同一の基でも異なる基でもよい。Rは水素、アルキル基又はアリール基を表す。Rの具体例としては、アルキル基としてメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、異性体ペンチル基など、アリール基としてフェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基、ビフェニル基、アルキルビフェニル基などが挙げられる。
一般式(1)で示されるシアネートエステル化合物において、nは1から50までの整数を示す。
一般式(1)で示されるシアネートエステル化合物のうち、好ましくは、式(2)〜(4)で示されるシアネートエステル化合物、さらに好ましくは、式(5)〜(7)で示されるシアネートエステル化合物である。式(2)のシアネートエステル化合物において、R〜Rは水素又はアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。
式(3)のシアネートエステル化合物において、R〜Rは水素又はアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。
式(4)のシアネートエステル化合物において、RとRは水素又はアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。
一般式(1)で示される化合物および式(2)〜(7)で示される化合物の製法は、特に限定されず、シアネート合成として現存するいかなる方法で製造してもよい。
例えば、IAN HAMERTON,“Chemistry and Technology of Cyanate Ester Resins”,BLACKIE ACADEMIC & PROFESSIONAL には、一般的なシアネート化合物の合成法が記載されている。また、USP3553244には溶媒中、塩基の存在下ハロゲン化シアンが常に塩基より過剰に存在するようにして反応させる方法が提供されている。特開平7−53497では、塩基として3級アミンを用い、これを塩化シアンよりも過剰に用いながら合成する方法が、特表2000−501138には連続プラグフロー方式で、トリアルキルアミンとハロゲン化シアンを反応させる方法が、特表2001−504835には、フェノールとハロゲン化シアンをtert−アミンの存在化非水溶液中反応させる際、副生するtert−アンモニウムハライドをカチオン及びアニオン交換対で処理する方法が開示されている。また、特許2991054号にはフェノール化合物を水と分液可能な溶媒の存在下、3級アミンとハロゲン化シアンを同時に添加し反応させた後、水洗分液し、得られた溶液から2級もしくは3級アルコール類、炭化水素の貧溶媒を用いて沈殿精製する方法が記載されている。
例示すると、一般式(8)で示されるフェノール化合物と塩化シアンを溶媒中で、塩基性化合物存在下反応させることにより得ることができる。また、同様な一般式(8)で示されるフェノール化合物と塩基性化合物による塩を水を含有する溶液中にて形成させ、その後、塩化シアンと2相系界面反応を行い、合成する方法を採ることもできる。
Figure 0004407823
(式中、Ar、Ar、R、Rn、aおよびbは式(1)に同じ。)
ふつう、シアネートエステルの合成手順として、有機溶媒中、一般式(8)で示されるフェノール化合物を溶解させ、3級アミンなどの塩基性化合物を添加した後、過剰のハロゲン化シアンと反応させていく。この方式では、常にハロゲン化シアンが過剰に存在するため、フェノラートアニオンがシアン酸エステルと反応して生成するイミドカーボネートを抑制できるとされている。ただし、過剰のハロゲン化シアンと3級アミンが反応して、ジアルキルシアナミドを生成するため、反応温度を10℃以下、好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−10℃以下に保つ必要がある。
上記の方法以外にも、反応における注下の順序などは任意に選択することができる。例えば、フェノール化合物を溶媒に溶解させた後、3級アミンなどの塩基性化合物とハロゲン化シアンもしくはその溶液を交互に滴下していっても良いし、同時に供給しても良い。また、フェノール化合物と3級アミンなどの塩基性化合物の混合溶液とハロゲン化シアンもしくはその溶液を同時に供給することもできる。いずれの場合も大きな発熱反応であるが、副反応を抑制するなどの目的から、反応温度を10℃以下、好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−10℃以下に保つ必要がある。
反応形態はいずれの形態を用いることができ、回分式で行ってもよいし、半回分式で行っても、連続流通形式で行ってもよい。
フェノール化合物のフェノール性水酸基に対して3級アミンなどの塩基性化合物及びハロゲン化シアンは0.1〜8倍モル、好ましくは1倍〜3倍モル加え、反応させる。特にヒドロキシル基のオルト位に立体障害のある置換基を有する場合は、置換基が存在しない場合に比べ、3級アミンなどの塩基性化合物及びハロゲン化シアン必要量が増加する。
用いるハロゲン化シアンとしては、塩化シアン、臭化シアンなどを用いることができる。
用いるフェノール化合物としては、一般式(8)で示されるフェノール化合物において、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表すが、Arがフェニレン基のとき、Arはナフチレン基又はビフェニレン基を表し、Arがナフチレン基又はビフェニレン基のとき、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表す。Ar及びArとして具体的には、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,4’−ビフェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、2,3’−ビフェニレン基、3,3’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、1,6−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基等が挙げられる。R は同一の基でも異なる基でもよい。Rは水素、アルキル基又はアリール基を表す。Rの具体例としては、アルキル基としてメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、異性体ペンチル基など、アリール基としてフェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基、ビフェニル基、アルキルビフェニル基などが挙げられる。R は同一の基でも異なる基でもよい。Rは水素、アルキル基又はアリール基を表す。Rの具体例としては、アルキル基としてメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、異性体ペンチル基など、アリール基としてフェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基、ビフェニル基、アルキルビフェニル基などが挙げられる。また、nは1から50までの整数を示す。
一般式(8)の化合物は、例えば、特許3122834号、特許2866747号に記載の方法で得ることができる。具体的には、Ar−(CHX)で表されるようなビスハロゲノメチル化合物とフェノール化合物を酸性触媒もしくは無触媒で反応させる方法や、Ar−(CHOR)で表されるようなビス(アルコキシメチル)化合物やAr−(CHOH)で表されるようなビス(ヒドロキシメチル)化合物とフェノール化合物を酸性触媒下反応させる方法である。
用いる塩基性化合物としては、有機、無機塩基いずれでもかまわないが、有機溶媒を使用する場合、溶解度の高い、有機塩基が好ましい。中でも副反応の少ない3級アミンが好ましい。3級アミンとしては、アルキルアミン、アリールアミン、シクロアルキルアミンいずれでもよく、具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、メチルジブチルアミン、ジノニルメチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどが挙げられる。
反応に用いる溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ジエチルエーテル、ジメチルセルソルブ、ジグライム、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メチルソルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶剤、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶剤、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ系溶剤、酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル系溶剤、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤などいずれも用いることができ、反応基質に合わせて、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応後の後処理としては、ふつう、副生した3級アミンなどの塩基性化合物の塩化水素塩をろ過するか、または、水洗により除去する。水洗を考慮して、反応には水と混和しない溶媒を用いるのが好ましい。また、洗浄工程の際に過剰のアミン類を除去するため、うすい塩酸などの酸性水溶液を用いる方法も採られる。充分に洗浄された反応液から水分を除去するために、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウムなどの一般的な方法を用いて乾燥操作をすることができる。
それらの操作の後、濃縮、沈殿化または晶析操作を施す。濃縮の際には、シアネートエステル化合物が不安定な構造であることから、150℃以下に抑制しながら、減圧する方法が採られる。沈殿化または晶析の際には、溶解度の低い溶媒を用いることができ、例えば、エーテル系の溶剤やヘキサン等の炭化水素系溶剤、もしくはアルコール系溶剤を反応溶液に滴下する、または逆注下する方法を採ることができる。
得られた粗生成物を洗浄するために、反応液の濃縮物や沈殿した結晶をエーテル系の溶剤やヘキサン等の炭化水素系溶剤、またはアルコール系の溶剤で洗浄する方法を採ることができる。また、反応溶液を濃縮して得られた結晶を再度溶解させた後、再結晶させることもできる。また、晶析する場合は、反応液を単純に濃縮もしくは冷却して行なっても良い。このようにして得られた生成物から、減圧乾燥などの方法で揮発分を除去することにより、高純度なシアネートエステル化合物を得ることができる。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物について説明する。該硬化性樹脂組成物は、上述した本発明のシアネートエステル化合物を含有することを特徴とするものであり、本発明のシアネートエステル化合物以外のシアネートエステル化合物、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、および/または重合可能な不飽和基を有する化合物等を添加することも可能である。
本発明のシアネートエステル化合物以外のシアネートエステル化合物としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ビスフェノールAジシアネート、ビスフェノールFジシアネート、ビスフェノールMジシアネート、ビスフェノールPジシアネート、ビスフェノールEジシアネート、フェノールノボラック型シアネート、クレゾールノボラック型シアネート、ジシクロペンタジエンノボラック型シアネート、テトラメチルビスフェノールFジシアネート、ビフェノールジシアネート等が挙げられる。これらのシアネートエステル化合物は1種または2種以上混合して用いることができる。
シアネートエステル化合物を硬化させる際には、公知の硬化触媒を用いることができる。例えば、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、アセチルアセトン鉄等の金属塩、フェノール、アルコール、アミン等の活性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、キシレンノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種または2種以上混合して用いることができる。
オキセタン樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、オキセタン、2−メチルオキセタン、2,2−ジメチルオキセタン、3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3,3’ −ジ(トリフルオロメチル)パーフルオキセタン、2−クロロメチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、OXT−101(東亞合成製商品名)、OXT−121(東亞合成製商品名)等が挙げられる。これらのオキセタン樹脂は1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物にエポキシ樹脂および/またはオキセタン樹脂を使用する場合にはエポキシ樹脂硬化剤および/またはオキセタン樹脂硬化剤を使用することができる。該エポキシ樹脂硬化剤としては、一般に公知のものが使用でき、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、ホスフィン系はホスホニウム系のリン化合物を挙げることができる。該オキセタン樹脂硬化剤としては公知のカチオン重合開始剤が使用できる。例えば、市販のものではサンエードSI60L、サンエードSI−80L、サンエードSI100L(三新化学工業製)、CI−2064(日本曹達製)、イルガキュア261(チバスペシャリティーケミカル製)、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−150(旭電化製)、サイラキュアーUVI−6990(UCC製)等が挙げられる。カチオン重合開始剤はエポキシ樹脂硬化剤としても使用できる。これらの硬化剤は1種または2種以上組み合わせて使用される。
重合可能な不飽和基を有する化合物としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1価または多価アルコールの(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類、ベンゾシクロブテン樹脂、(ビス)マレイミド樹脂等が挙げられる。これらの不飽和基を有する化合物は1種または2種以上混合して用いることができる。
重合可能な不飽和基を有する化合物を使用する際には、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、一般に公知のものが使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート等の過酸化物、またはアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物を製造する際には、必要に応じて、熱可塑性樹脂、無機充填剤、着色顔料、消泡剤、表面調整剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、流動調整剤等の公知の添加剤を添加することができる。無機充填剤としては、例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ等のシリカ類、ホワイトカーボン、チタンホワイト、アエロジル、アルミナ、タルク、天然マイカ、合成マイカ、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、E−ガラス、A−ガラス、NE−ガラス、C−ガラス、L−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、M−ガラスG20等が挙げられる。このようにして得られた硬化性樹脂組成物は、電気用絶縁材料、レジスト用樹脂、半導体封止用樹脂、プリント配線板用接着剤、ビルドアップ積層板材料、繊維強化プラスチック用樹脂、液晶表示パネルの封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤等の各種用途に有用である。
本発明の硬化物は、前述の方法で得られた本発明の硬化性樹脂組成物を、熱によって硬化させることにより得られる。硬化温度は、低すぎると硬化が進まず、高すぎると硬化物の劣化が起こることから、150℃から300℃の範囲内が好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。
実施例A1
ビフェニルノボラックのシアネートエステル(式(9):G65Cと略す)の合成
Figure 0004407823
OH基として1.1molを有する ビフェニルノボラック(日本化薬製KAYAHARD−GPHG65)及び1.6molトリエチルアミンを3−メチルテトラヒドロフラン900mLに溶解させた(溶液1)。2.2molの塩化シアンの塩化メチレン溶液2500gに−10℃で溶液1を1.5時間かけて滴下した。30分撹拌した後、0.4molのトリエチルアミンと塩化メチレン100gの混合溶液を滴下し、さらに30分撹拌して反応を完結させた。トリエチルアミンの塩酸塩をろ別した後、得られたろ液を0.1N塩酸 1000mLにより洗浄した後、水1000mLによる洗浄を4回繰り返した。硫酸ナトリウムによる乾燥後、75℃でエバポレートし、黄色固体の結晶を得た。得られた結晶をジエチルエーテル及びヘキサンにて洗浄した後、減圧乾燥することにより、ビフェニルノボッラクのシアネートエステルG65Cを得た。IRスペクトル測定により同定した。
実施例B1−1
硬化物作製
実施例1で得たビフェニルノボラックのシアネートエステルG65Cを表1の割合でナス型フラスコに秤量し、150℃に加熱溶融させて真空ポンプで脱気した後、オクチル酸亜鉛を加え1分間攪拌混合した。これをガラス板(120mm × 120mm × 5mmt)、ポリイミドフィルム(カプトン200H:東レデュポン)、フッ素ゴム製Oリング(S−100:モリセイ)で作製した型に注型し、オーブンで170℃1時間、230℃9時間加熱して硬化させた。冷却後、ポリイミドフィルムを研磨により除去して、シアネートエステル化合物の硬化物を得た。
得られた硬化物の特性を以下の方法により評価した。
ガラス転移温度(Tg):動的粘弾性測定(DMA)により求めた。振動周波数10GHzで測定を行なった。
誘電率、誘電正接:空洞共振摂動法により求めた。
難燃性:UL94に基づき耐燃性試験を実施した。ただし、サンプルサイズは10mm×70mm×1.5mmとした。
物性の評価結果を表1に示した。
実施例B1−2
実施例1で得たG65Cと三菱ガス化学製ビスフェノールAジシアネートskylexを50重量部ずつ混合した以外は実施例B1−1と同様に行なった。
得られた硬化物の物性の評価結果を表1に示した。
比較例B1
G65Cの代わりに三菱ガス化学製ビスフェノールAジシアネートskylexを単独で用いた以外は実施例B1−1と同様に行なった。
得られた硬化物の物性の評価結果を表1に示した。
比較例B2
G65Cの代わりにロンザ製フェノールノボッラクシアネートPT30を用いた以外は実施例B1−1と同様に行なった。
得られた硬化物の物性の評価結果を表1に示した。
Figure 0004407823
実施例A2
ビフェニルノボラック単量体のシアネートエステル(下式(10):BPN−CNと略す)の合成
Figure 0004407823
OH基として0.4molを有する ビフェニルノボラック単量体及び0.4molトリエチルアミンを3−メチルテトラヒドロフラン600mLに溶解させた(溶液1)。0.8molの塩化シアンの塩化メチレン溶液220gと3−メチルテトラヒドロフラン400gを混合させた溶液に、−10℃で溶液1を1.5時間かけて滴下した。30分撹拌した後、0.32molのトリエチルアミンと3−メチルテトラヒドロフラン80gの混合溶液を滴下し、さらに30分撹拌して反応を完結させた。トリエチルアミンの塩酸塩をろ別した後、得られたろ液を0.1N塩酸 1000mLにより洗浄した後、水1000mLによる洗浄を4回繰り返した。硫酸ナトリウムによる乾燥後、75℃でエバポレートし、黄色固体の結晶を得た。得られた結晶をジエチルエーテル及びヘキサンにて洗浄した後、減圧乾燥することにより、ビフェニルノボラック単量体のシアネートエステルBPN−CNを得た。IRスペクトル測定により同定した。
実施例A3
2,6―ビス(4−シアナート−3,5−ジメチルフェニルメチル)ナフタレン(下式(11):以下、26XNDCと略す)
Figure 0004407823
2,6―ビス(4−フェノキシ−3,5−ジメチルフェニルメチル)ナフタレン0.4molおよび1.3molトリエチルアミンを3−メチルテトラヒドロフラン600mLに溶解させた(溶液1)。2molの塩化シアンの塩化メチレン溶液2500gとクロロホルム1000gを混合させた液に−10℃で溶液1を1.5時間かけて滴下した。30分撹拌した後、0.6molのトリエチルアミンと塩化メチレン100gの混合溶液を滴下し、さらに30分撹拌して反応を完結させた。反応液をろ過した後、得られたろ液を0.1N塩酸 1000mLにより洗浄した後、水1000mLによる洗浄を4回繰り返した。硫酸ナトリウムによる乾燥後、75℃にて濃縮操作をしていくうち、白色結晶が析出した。白色結晶をジエチルエーテル及びヘキサンにて洗浄した後、減圧乾燥することにより、白色結晶の2,6―ビス(4−シアナート−3,5−ジメチルフェニルメチル)ナフタレン(26XNDC)を得た。IRスペクトル測定により同定した。
実施例A4
ナフトールアラルキルのシアネートエステルの合成(下式(12):SN485CNと略す)の合成
Figure 0004407823
OH基として0.47molを有する ナフトールアラルキル(新日鐵化学製SN485N)及び0.7molトリエチルアミンをクロロホルム500mLに溶解させた(溶液1)。0.93molの塩化シアンのクロロホルム溶液300gに−10℃で溶液1を1.5時間かけて滴下した。30分撹拌した後、0.1molのトリエチルアミンとクロロホルム30gの混合溶液を滴下し、さらに30分撹拌して反応を完結させた。得られた反応液を0.1N塩酸 500mLにより洗浄した後、水500mLによる洗浄を4回繰り返した。硫酸ナトリウムによる乾燥後、75℃でエバポレートし、褐色の固形物を得た。得られた固形物をジエチルエーテル及びヘキサンにて洗浄した後、減圧乾燥することにより、ナフトールアラルキルのシアネートエステルを得た。IRスペクトル測定により同定した。
実施例B2
G65Cの代わりに実施例A2で得られたBPN-CNを用いた以外は実施例B1−1と同様に行なった。
得られた硬化物の物性の評価結果を表2に示した。
実施例B3
G65Cの代わりに実施例A3で得られた26XNDCと三菱ガス化学製ビスフェノールAジシアネートskylexを50重量部ずつ混合して用いた以外は実施例B1−1と同様に行なった。
得られた硬化物の物性の評価結果を表2に示した。
実施例B4
G65Cの代わりに実施例A4で得られたSN485CNを用いた以外は実施例B1−1と同様に行なった。
得られた硬化物の物性の評価結果を表2に示した。
Figure 0004407823

Claims (9)

  1. 一般式(1)で示されるシアネートエステル化合物。
    Figure 0004407823
    (式中、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表すが、Arがフェニレン基のとき、Arはナフチレン基又はビフェニレン基を表し、Arがナフチレン基又はビフェニレン基のとき、Arはフェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基を表す。aはR の結合個数を表し、bはR の結合個数を表す。Ar がフェニレン基のときaは3であり、Ar がナフチレン基のときaは5であり、Ar がビフェニレン基のときaは7である。R は水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基またはビフェニル基を表わし、同一の基でも異なる基でもよい。Ar がフェニレン基のときbは4であり、Ar がナフチレン基のときbは6であり、Ar がビフェニレン基のときbは8である。R は水素、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基またはビフェニル基を表わし、同一の基でも異なる基でもよい。nは1から50までの整数を示す。)
  2. 式(2)で示される請求項1記載のシアネートエステル化合物。
    Figure 0004407823
    (式中、R〜Rは水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。)
  3. 式(3)で示される請求項1記載のシアネートエステル化合物。
    Figure 0004407823
    (式中、R〜Rは水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。)
  4. 式(4)で示される請求項1記載のシアネートエステル化合物。
    Figure 0004407823
    (式中、RとRは水素又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、同一の基でも異なる基でも良い。nは1から50までの整数を示す。芳香環の置換基は任意の位置を選択できる。)
  5. 式(5)で示される請求項2記載のシアネートエステル化合物。
    Figure 0004407823
    (式中、nは1から50までの整数を示す。)
  6. 式(6)で示される請求項3記載のシアネートエステル化合物。
    Figure 0004407823
  7. 式(7)で示される請求項4記載のシアネートエステル化合物。
    Figure 0004407823
    (式中、nは1から50までの整数を示す。)
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のシアネートエステル化合物と硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項8記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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