JP2012035413A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】装置構造を複雑化させることなく、吸着孔によるインクの吸い込みの影響が出やすい記録紙の記録開始時又は記録終了時の記録領域の印刷品質を向上させる。
【解決手段】記録紙Pの記録開始時の記録領域の印刷を行う際に、下流側のヘッドユニット13に記録紙Pの記録開始時の記録領域を対向させることでプラテン45に開口する吸着孔60を塞ぎ、下流側のヘッドユニット13のみを用いて記録紙Pの記録開始時の記録領域に画像を形成させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来より、記録紙を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送される記録紙を支持するプラテンと、記録紙の搬送方向に並ぶように設けられた複数のヘッドユニットを有するプリントヘッドとを備えたインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタでは、搬送機構により記録紙を所定の搬送量で間欠的に搬送しながら、間欠搬送時における記録紙の停止時に複数のヘッドユニットからそれぞれインクを吐出させ、記録紙の所定領域内に複数回インクを着弾させることで画像を形成するようにしている。
この種のプリンタにおいては、印刷時における記録紙の平面性を確保するために、プラテン表面に吸着孔を形成するとともにその裏面側に吸引装置を配設し、吸引装置の負圧により記録紙をプラテン表面に吸着保持させるようにしている。
この場合、記録紙の搬送下流側の端部に向けてプリントヘッドから吐出されたインクが、吸引装置の負圧の影響で吸着孔に吸い込まれて、インクの着弾位置が所定の着弾位置からずれてしまう。その結果、記録紙の記録開始時の記録領域(先端部の記録領域)において、吸着孔によるインクの吸い込みの影響が顕著になって印刷品質が極端に低下するという問題がある。なお、このような問題は、記録紙の記録終了時の記録領域(後端部の記録領域)においても発生する。
この問題に対して、特許文献1,2に示すインクジェットプリンタでは、各ヘッドユニットの真下から搬送下流側に向かう所定幅の領域を設定し、各領域内にて吸着孔を塞いだり吸着孔の径を他の部分に比べて小さくしたりするようにしている。これにより、記録紙の搬送下流側の端部に向けてプリントヘッドから吐出されたインクが、吸引装置の負圧の影響で搬送下流側へと引き寄せられるのを防止している。
特開2004−216651号公報 特開2007−31007号公報
しかしながら、特許文献1,2のインクジェットプリンタでは、吸着孔の一部を閉塞するための構成が別途必要となり、装置構造が複雑化するとともにコスト増大の要因となってしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置構造を複雑化させることなく、吸着孔によるインクの吸い込みの影響が出やすい記録紙の記録開始時又は記録終了時の記録領域の印刷品質を向上させることにある。
本発明は、記録紙を搬送する搬送機構と、表面に開口する吸着孔を有するプラテンと、該搬送機構により搬送される該記録紙を該吸着孔を介して吸引することで該プラテン表面上に吸着保持させる吸引装置と、該記録紙の搬送方向に並ぶように設けられ且つインクを吐出する複数のヘッドユニットを有するプリントヘッドとを備えたインクジェットプリンタを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記搬送機構により前記記録紙を所定の搬送量で間欠的に搬送させて、該間欠搬送時における該記録紙の停止時に前記複数のヘッドユニットからそれぞれインクを吐出させることで、該記録紙の所定領域内に複数回インクを着弾させて画像を形成させるプリント制御部を備え、
前記プリント制御部は、前記記録紙の少なくとも記録開始時の記録領域又は記録終了時の記録領域に対して、それぞれ同一の前記ヘッドユニットのみを用いて画像を形成させることを特徴とするものである。
第1の発明では、記録紙の少なくとも記録開始時の記録領域又は記録終了時の記録領域に対して画像を形成する際に、それぞれ同一のヘッドユニットのみが用いられる。
このような構成とすれば、記録紙の記録開始時の記録領域又は記録終了時の記録領域に向けて吐出されたインクが、吸引装置の負圧の影響で搬送下流側又は上流側へと引き寄せられるのを抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記プリント制御部は、前記記録紙の記録開始時の記録領域に対して、前記複数のヘッドユニットのうち搬送方向の最下流側に位置するヘッドユニットのみを用いて画像を形成させることを特徴とするものである。
第2の発明では、記録紙の記録開始時の記録領域に対して画像を形成する際に、複数のヘッドユニットのうち搬送方向の最下流側に位置するヘッドユニットのみが用いられる。
このような構成とすれば、記録紙の記録開始時の記録領域に向けて吐出されたインクが、吸引装置の負圧の影響で搬送下流側へと引き寄せられるのを抑制することができる。具体的に、複数のヘッドユニットのうち上流側に位置するヘッドユニットから記録紙の記録開始時の記録領域に向けてインクを吐出させた場合には、記録紙の記録開始時の記録領域よりも搬送下流側に吸着孔が開口しているために、その吸着孔にインクが吸い込まれて、インクの着弾位置が所定の着弾位置からずれてしまう。
これに対し、本発明では、最下流側に位置するヘッドユニットに記録紙の記録開始時の記録領域を対向させ、このヘッドユニットのみを用いて記録紙の記録開始時の記録領域に画像を形成させるようにしたから、プラテンに開口する吸着孔のうち、記録紙によって塞がれていない吸着孔の数が少なくなるため、吸着孔によるインクの吸い込みの影響を最小限に抑えることができる。その結果、記録紙の記録開始時の記録領域の印刷品質を向上させることができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記プリント制御部は、前記記録紙の記録終了時の記録領域に対して、前記複数のヘッドユニットのうち搬送方向の最上流側に位置するヘッドユニットのみを用いて画像を形成させることを特徴とするものである。
第3の発明では、記録紙の記録終了時の記録領域に対して画像を形成する際に、複数のヘッドユニットのうち搬送方向の最上流側に位置するヘッドユニットのみが用いられる。
このような構成とすれば、記録紙の記録終了時の記録領域に向けて吐出されたインクが、吸引装置の負圧の影響で搬送上流側へと引き寄せられるのを抑制することができる。具体的に、複数のヘッドユニットのうち下流側に位置するヘッドユニットから記録紙の記録終了時の記録領域に向けてインクを吐出させた場合には、記録紙の記録終了時の記録領域よりも搬送上流側に吸着孔が開口しているために、その吸着孔にインクが吸い込まれて、インクの着弾位置が所定の着弾位置からずれてしまう。
これに対し、本発明では、最上流側に位置するヘッドユニットに記録紙の記録終了時の記録領域を対向させ、このヘッドユニットのみを用いて記録紙の記録終了時の記録領域に画像を形成させるようにしたから、プラテンに開口する吸着孔のうち、記録紙によって塞がれていない吸着孔の数が少なくなるため、吸着孔によるインクの吸い込みの影響を最小限に抑えることができる。その結果、記録紙の記録終了時の記録領域の印刷品質を向上させることができる。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記プリント制御部は、前記最下流側のヘッドユニットから前記記録紙の記録開始時の記録領域にインクを吐出させた後、前記搬送機構により該記録紙を搬送上流側に搬送させて、該記録紙の記録開始時の記録領域に連続する余白領域を、該最下流側に位置するヘッドユニットよりも上流側に位置するヘッドユニットに対向させるとともに、該上流側に位置するヘッドユニットから該余白領域にインクを吐出させることを特徴とするものである。
第4の発明では、最下流側のヘッドユニットから記録紙の記録開始時の記録領域にインクを吐出させた後で、記録紙を搬送上流側に搬送させるようにしている。そして、記録紙の記録開始時の記録領域に連続する余白領域を、最下流側に位置するヘッドユニットよりも上流側に位置するヘッドユニットに対向させ、上流側に位置するヘッドユニットから余白領域にインクを吐出させる。
このような構成とすれば、記録紙の記録開始時の記録領域に連続する余白領域に、複数のヘッドユニットを用いて画像を形成することができる。すなわち、この余白領域は、吸着孔によるインクの吸い込みの影響を受けにくいことから、記録紙の記録開始時の記録領域のように最下流側に位置するヘッドユニットのみで印刷を行うのではなく、複数のヘッドユニットを組み合わせて印刷を行うようにすればよい。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記プラテンに形成された吸着孔のうち搬送下流側に位置する吸着孔は、前記記録紙の記録開始時の記録領域を前記最下流側に位置するヘッドユニットに対向させたときに、該記録紙の先端縁よりも搬送上流側寄りに位置するように形成されていることを特徴とするものである。
第5の発明では、プラテンに形成された吸着孔のうち搬送下流側に位置する吸着孔は、記録紙の記録開始時の記録領域を最下流側に位置するヘッドユニットに対向させたときに、記録紙の先端縁よりも搬送上流側寄りに位置している。
このような構成とすれば、最下流側に位置するヘッドユニットに記録紙の記録開始時の記録領域を対向させたときに、記録紙の先端縁よりも搬送下流側に吸着孔が開口していない状態となることから、吸着孔によるインクの吸い込みの影響をより確実に抑えることができる。
第6の発明は、第1乃至第5の発明のうち何れか1つにおいて、
前記プラテンに形成された吸着孔のうち搬送上流側に位置する吸着孔は、前記記録紙の記録終了時の記録領域を前記最上流側に位置するヘッドユニットに対向させたときに、該記録紙の後端縁よりも搬送下流側寄りに位置するように形成されていることを特徴とするものである。
第6の発明では、プラテンに形成された吸着孔のうち搬送上流側に位置する吸着孔は、記録紙の記録終了時の記録領域を最上流側に位置するヘッドユニットに対向させたときに、記録紙の後端縁よりも搬送下流側寄りに位置している。
このような構成とすれば、最上流側に位置するヘッドユニットに記録紙の記録終了時の記録領域を対向させたときに、記録紙の後端縁よりも搬送上流側に吸着孔が開口していない状態となることから、吸着孔によるインクの吸い込みの影響をより確実に抑えることができる。
本発明によれば、記録紙の記録開始時の記録領域の印刷を行う際に、最下流側に位置するヘッドユニットに記録紙の記録開始時の記録領域を対向させるようにしたから、プラテンに開口する吸着孔のうち、記録紙によって塞がれていない吸着孔の数が少なくなる。同様に、記録紙の記録終了時の記録領域の印刷を行う際に、最上流側に位置するヘッドユニットに記録紙の記録終了時の記録領域を対向させるようにしたから、プラテンに開口する吸着孔のうち、記録紙によって塞がれていない吸着孔の数が少なくなる。これにより、吸着孔によるインクの吸い込みの影響を最小限に抑えることができる。
本発明の実施形態1に係るプリンタの外観を示す、プリント前側の斜め右側から見た斜視図である。 プリンタの内部の構成を示す、プリンタ右側から見た概略図である。 印刷部のプラテンの構成を示す平面図である。 プリンタの制御系の構成を示すブロック図である。 記録紙の記録開始時の記録領域に画像を印刷する手順を説明するための側面図である。 本実施形態2に係るプリンタにおいて、記録紙の記録開始時の記録領域に画像を印刷する手順を説明するための側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式のプリンタの構成を一部省略して示す斜視図である。このプリンタAは、写真プリントシステムに用いられるものであって、例えば、画像データの取得及びオーダ情報の取得を行い必要な補正処理等を行う受付ブロック200(図4参照)から通信ケーブルを介して伝送される画像データを、オーダ情報に基づいて記録紙Pに対して印刷を行うように構成されている。
−全体構成−
図2は、プリンタAの構成を示す概略図である。図2に示すように、このプリンタAは、ロール状の記録紙Pを収容するためにプリンタ下部に設けられた記録紙収容部1と、記録紙収容部1から引き出された記録紙Pに対して画像データの記録印刷を行うようにプリンタ上部に設けられた印刷部2とを備えている。
前記プリンタAの上部で且つ印刷部2の搬送下流側には、印刷後の記録紙Pを所定のプリントサイズに切断するカッター部4、切断後の記録紙Pをスイッチバックさせることで印刷面の向きを変更するスイッチバック部5、記録紙Pの裏面に整理番号等を印字するための裏面印字ユニット6、記録紙Pの印刷面を乾燥させるための乾燥ユニット7、ロール状に巻かれていた記録紙Pのカールを取り除いて排出するためのデカールユニット8、排出された記録紙Pをそのサイズに応じてプリンタ左右方向(図2の紙面に垂直な方向)の一側に振り分けるためのコンベア装置150、振り分けられたB5サイズやA4サイズ等の大判の記録紙Pを受け止めるための大判トレイ104(図1参照)、及びL版等の写真サイズの記録紙Pを受け止めてオーダ毎に集積するための集積装置210が配設されている。そして、プリンタAは、大判トレイ104や集積装置210以外が筐体3によって覆われており、筐体3の下面には移動用のキャスター3aが取り付けられている。
前記記録紙収容部1は、印刷部2のほぼ真下に位置していて、記録紙Pを収容するための2つのマガジンM1,M2を収容可能になっている。マガジンM1,M2は、上下方向に並んで配設されており、各マガジンM1,M2内には、ロール状の記録紙Pが、巻芯Rにより保持された状態で収容されている。
また、本実施形態では、記録紙収容部1から記録紙Pを供給する以外にも、手差しトレイ102から手差し供給ローラ対27を介して単票状の記録紙Pを供給できるように構成された手差し供給ユニット9を備えている。
−記録紙搬送機構−
図2に示すように、前記プリンタAには、記録紙収容部1から記録紙Pを引き出して所定の搬送経路に沿って搬送しつつ画像の印刷や切断等の各種処理を行う記録紙搬送機構が収容された搬送機構収容部20がプリンタ上部に設けられている。
なお、以下の説明において、手差しトレイ102が設けられる側をプリンタ前側と定義し、その反対側をプリンタ後側と定義する。また、プリンタ前側から見て左側をプリンタ左側と定義し、右側をプリンタ右側と定義する。
前記記録紙収容部1には、2つのマガジンM1,M2が収容されており、マガジンM1,M2内に収容された記録紙Pのうち一方が、その先端部から引き出されてガイドローラ21によりガイドされながらマガジンローラ対22によりマガジン外へと送り出される。
ここで、マガジンM1から送り出された記録紙Pは、上流側が2つに分岐するガイド部23のプリンタ後側の分岐部23bを通って、記録紙搬送機構をなす供給ローラ24と供給ローラ24に対向配置された一対の圧着ローラ24a,24bとの間に挟み込まれる。一方、マガジンM2から送り出された記録紙Pは、ガイド部23のプリンタ前側の分岐部23aを通って、供給ローラ24と一対の圧着ローラ24a,24bとの間に挟み込まれる。なお、一対の圧着ローラ24a,24bのうちの一方のみを設けるようにしてもよい。
前記供給ローラ24の回転により搬送された記録紙Pは、搬送下流側の印刷部2に供給され、プリントヘッドHによって記録紙Pに対して画像の印刷が行われる。
印刷後の記録紙Pは、印刷後搬送ローラ対25によりカッター部4に送られて所定のプリントサイズに切断される。切断後の記録紙Pは、3つの切断後搬送ローラ対26によりスイッチバック部5へと受け渡される。なお、これら3つの切断後搬送ローラ対26は、記録紙Pをスイッチバック部5へと受け渡した後に、同時に圧着解除して次に搬送されてくる記録紙Pの受け入れに備える。
前記スイッチバック部5では、切断後の記録紙Pを、その先端側から受け入れてスイッチバックローラ対73により引き込んだ後に、搬送方向を水平方向から垂直方向(図2の左右方向から上下方向)に変更して後端側から排出する。
前記スイッチバック部5から排出された記録紙Pは、供給ローラ対75により裏面印字ユニット6に送られて記録紙Pの裏面に整理番号等が印字された後、乾燥ユニット7へと搬送される。
前記乾燥ユニット7では、記録紙Pを搬送ローラ対28によって搬送しながらその印刷面の乾燥処理が行われる。乾燥処理が終了した記録紙Pは、搬送ローラ対29によってデカールユニット8に送られる。
前記デカールユニット8では、ロール状に巻かれた記録紙Pのカールを取り除くために、駆動搬送ローラ81とデカールローラ82とで記録紙Pを挟持搬送しながら、デカールローラ82を駆動搬送ローラ81の外周面に沿って図2の時計回り方向に移動させる。これにより、記録紙Pはそのカール方向とは反対方向に曲げられた状態でデカールされて、排出口90からコンベア装置150の搬送ベルト151上に排出される。
−各構成要素の詳細−
以下、プリンタAの各構成要素について詳細に説明する。記録紙収容部1には、マガジンM1,M2をそれぞれ載置するためのスライド台30,30が設けられている。スライド台30は、筐体3内の左右両側に設けられてプリンタ前後方向に延びる図示しないリニアガイド等により、プリンタ前後方向にスライド自在に構成されている。これにより、スライド台30をスライド移動させることで、マガジンM1,M2を筐体3内から出し入れできるようになっている。このスライド台30の前面は、筐体3の一部をなすとともに開閉可能な扉部材31によって覆われており、この扉部材31を開放状態にすることで、記録紙Pの取り替え作業が行えるようになっている。
なお、以下の説明において、図2の左側をマガジン前側と定義し、右側をマガジン後側と定義する。また、図2の紙面に垂直な方向をマガジン長さ方向(プリンタ左右方向に一致する方向)と定義する。
前記マガジンM1,M2は、持ち運び可能に構成された略密閉状の箱型容器とされている。マガジンM1,M2の上面におけるマガジン前側の端部には、マガジンM1,M2内に収容された記録紙PをマガジンM1,M2外へと引き出すための開口部111が形成されている。開口部111は、マガジン長さ方向に延びる略矩形状をなしている。
前記マガジンM1,M2内部の記録紙収容室S1,S2に設けられたマガジンローラ対22は、マガジン駆動ローラ32及びマガジン従動ローラ33からなる圧着型ローラ対で構成されている。
前記供給ローラ24は、モータ(図示省略)によって駆動され、記録紙Pを記録紙収容部1から引き出して印刷部2側へ搬送する正方向の回転と、記録紙Pを記録紙収容部1内へ戻す逆方向の回転とが切換可能に構成されている。これにより、供給ローラ24よりも搬送下流側のカッター部4で記録紙Pの印刷済みの部分を所定サイズに切断した後、長尺の記録紙Pを上流側に戻して記録紙Pの先頭から印刷を行う場合や、長尺記録紙Pではなく手差し供給ユニット9から記録紙Pを供給する場合等において、長尺の記録紙Pを記録紙収容部1内に戻すことができるようになっている。
前記供給ローラ24の下流側には、供給ローラ24より送り出された記録紙Pの先端を検出するセンサ42(投光部と受光部とからなる)が配設されている。このセンサ42による記録紙P先端の検出から、記録紙Pの印刷開始部分がプリントヘッドHの下側位置に達するような量だけ供給ローラ24により記録紙Pを搬送したときに、当該記録紙Pへの印刷を開始する。また、センサ42による記録紙Pの先端の検出から、記録紙Pの先端が印刷後搬送ローラ対25のところに達するような量だけ供給ローラ24により記録紙Pを搬送したときに、供給ローラ24を圧着状態から圧着解除状態にし且つ印刷後搬送ローラ対25を圧着解除状態から圧着状態にして、今度は印刷後搬送ローラ対25で記録紙Pを搬送する。
一方、前記主搬送ローラ対100よりも搬送上流側(プリンタ前側)には、手差し供給ローラ対27が配設されている。この手差し供給ローラ対27は、手差しトレイ102にセットされた単票状の記録紙Pを引き出して主搬送ローラ対100まで搬送するためのものであり、記録紙Pにおける印刷部2による印刷面に接触する手差し駆動ローラ27aと、印刷面とは反対側の面に接触する手差し従動ローラ27bとを備えている。
前記手差し駆動ローラ27aは、ローラ面の一部がカットされた、いわゆる半月型ローラで構成されている。そして、手差し駆動ローラ27aをモータ(図示省略)により駆動すると、手差しトレイ102の記録紙Pがローラ面に圧着されて主搬送ローラ対100に向かって送り出される。そして、記録紙Pの先端部が主搬送ローラ対100に受け渡されたときに、ローラ面のカット部分と手差し従動ローラ27bとが対向することで、手差し供給ローラ対27の圧着状態が解除される。
前記印刷部2は、記録紙Pに対してインクを吐出し、それによって多数のインクドットからなる画像を形成するプリントヘッドHと、プリントヘッドHの下方に設けられ記録紙Pを印刷位置に吸着保持する記録紙保持部Dとを備えている。記録紙保持部Dの下流側には、圧着型の印刷後搬送ローラ対25が配設されている。
前記プリントヘッドHは、主走査方向Xに延びるガイドレール(図示省略)に沿って移動可能に構成されている。さらに、プリントヘッドHは、副走査方向(記録紙搬送方向)Yに並ぶ2つのヘッドユニット13を有している。ここで、主走査方向Xは、プリンタ左右方向(記録紙Pの幅方向でもある)に相当し、副走査方向Yは、プリンタ前後方向に相当する。
前記各ヘッドユニット13は全て同一構成であり、それぞれ、主走査方向Xに配設された各インクを吐出する複数のノズルアレイから構成されている。各ヘッドユニット13には、インク吐出ノズル13a〜13dが副走査方向Yに列状に配設されている(図5参照)。具体的に、上流側のヘッドユニット13には、その上流側から順にインク吐出ノズル13a,13bが設けられている。下流側のヘッドユニット13には、その上流側から順にインク吐出ノズル13c,13dが設けられている。
そして、これらのヘッドユニット13に設けられているインク吐出ノズル13a〜13dからインクを吐出することで、記録紙Pに対して所定の画像や文字等を印刷できるようになっている。
ここで、前記各ヘッドユニット13の構成としては特に限定されるものではないが、本実施形態における各ヘッドユニット13は、インク吐出ノズル毎に設けられ、且つインクの充填された圧力室の容積を圧電素子(ピエゾ素子)によって変動させることでインクを吐出する一般的なピエゾ方式とされている。
前記インクジェットプリンタAの左右両側の下部には、それぞれ、互いに色相の異なるインクが封入された4つのインクカートリッジ(図示省略)が着脱可能に収容されている。したがって、これらのインクカートリッジをケースから着脱することにより、使用中又は使用済みのものを新しいものに交換できるようになっている。
なお、これらのインクカートリッジには、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各インクが封入されている。
そして、前記記録紙保持部D上の記録紙Pは、記録紙保持部Dの上流側に設けられた供給ローラ24により一定の単位搬送量で間欠的に(ステップ状に)副走査方向Yに搬送され、この間欠搬送時における記録紙Pの各停止時に、プリントヘッドHが主走査方向に一走査(一往動作又は一復動作)されて、この走査時に、主走査方向の各位置で、各ヘッドユニット13のインク吐出ノズル13a〜13d(図5参照)からインクが吐出される。
また、プリントヘッドHの主走査方向Xのプリント領域外の位置には、印刷を行っていない場合にプリントヘッドHが待機するためのヘッド待機位置が設定されており、このヘッド待機位置には、プリントヘッドHを使用しないときに、インクの増粘を防止すべくプリントヘッドHのヘッドユニット13に密着させるキャップ部(図示省略)が設けられている。
図3に示すように、記録紙保持部Dは、プリントヘッドHのプリント領域に対応して表面(上面)に開口する複数の吸着孔60が形成され且つフラッシング領域に対応してフラッシング孔61が形成されたプラテン45と、プラテン45におけるプリントヘッドHのプリント領域下方に設けられ吸着孔60と連通する空間内の空気を吸引排気することで吸着孔60を介して記録紙Pをプラテン45の表面上に吸着保持する吸引装置としての吸引ファン47(図2参照)とを備えている。
前記吸着孔60は、プラテン45の表面における記録紙Pの通過領域に多数形成されている。ここで、記録紙Pの記録開始時の記録領域を下流側に位置するヘッドユニット13に対向させたときには、プラテン45に開口する吸着孔60のうち、記録紙Pによって塞がれていない吸着孔60の数が少なくなる。また、記録紙Pの記録終了時の記録領域を上流側に位置するヘッドユニット13に対向させたときにも同様に、プラテン45に開口する吸着孔60のうち、記録紙Pによって塞がれていない吸着孔60の数が少なくなる。これにより、吸着孔60によるインクの吸い込みの影響を最小限に抑えることができる。
なお、プラテン45の最下流側に位置する吸着孔60は、記録紙Pの記録開始時の記録領域を下流側に位置するヘッドユニット13に対向させたときに、記録紙Pの先端縁よりも搬送上流側寄りに位置させるようにすればより好ましい。すなわち、下流側のヘッドユニット13に記録紙Pの記録開始時の記録領域を対向させたときに、記録紙Pの先端縁よりも搬送下流側に吸着孔が開口していない状態となることから、吸着孔60によるインクの吸い込みの影響をより確実に抑えることができる。
また、プラテン45の最上流側に位置する吸着孔60についても同様に、記録紙Pの記録終了時の記録領域を上流側に位置するヘッドユニット13に対向させたときに、記録紙Pの後端縁よりも搬送下流側寄りに位置させるようにするのが好ましい。
前記フラッシング孔61は、インクの増粘を防止するために印刷開始時にプリントヘッドHのインク吐出ノズルから吐出される少量のインクを受け止めるためのものであり、フラッシング孔61に吐出された廃インクは、廃棄管を介して廃液タンク(図示省略)に貯留される。
前記プラテン45の支持面45aには、さらに、副走査方向Yに延びる凹部45bが主走査方向Xに間隔をあけて複数形成されている(図3では14箇所)。この凹部45bには、インク吸収材72が収容されている。このインク吸収材72は、記録紙P全体に画像を印刷する縁なし印刷を行う際に、プリントヘッドHの各ヘッドユニット13より吐出したインクの一部が支持面45a上の記録紙Pの幅方向の端縁から外側に外れてはみ出したとしても、その外側に外れたインクによりプラテン45の支持面45aが汚れるのを防止するために設けられたものである。このため、凹部45bは、支持面45aにおいて支持面45a上の記録紙Pの幅方向の端縁に対応する位置で且つ副走査方向YにおけるプリントヘッドHに対応する位置において、端縁に沿って延びる(つまり副走査方向Yに延びる)ように形成されている。
前記インク吸収材72は、凹部45bに沿って副走査方向Yに延びる略直方体状に形成されている。そして、インク吸収材72は、凹部45bに着脱可能に収容されている。インク吸収材72が凹部45bに収容された状態では、インク吸収材72の長手方向は副走査方向Yに一致している。
前記カッター部4は、記録紙Pの搬送経路の下側に配置された固定刃4aと、記録紙Pの搬送経路の上側に配置され、モータ(図示省略)により固定刃4aに対して上下方向に移動する可動刃4bとで構成され、可動刃4bが記録紙Pの上側から下側に移動することで記録紙Pを切断する。この切断による切り屑は、筐体3の下部に配設された屑箱(図示省略)に落下して収容される。
前記スイッチバック部5は、記録紙Pをスイッチバックさせて、コンベア装置150の搬送ベルト151上で記録紙Pの印刷面が上面を向くように、記録紙Pの後端側から搬送経路に排出させるものである。
図2に示すように、前記スイッチバック部5には、下側の駆動ローラ73aと上側の従動ローラ73bとからなる圧着型のスイッチバックローラ対73と、このスイッチバックローラ対73の上流側において搬送路を挟むように設けられ、切断後搬送ローラ対26より搬送されてきた記録紙Pをスイッチバックローラ対73へ導く一対の第1ガイド部材74と、スイッチバックした記録紙Pを裏面印字ユニット6へ供給する圧着型の供給ローラ対75と、スイッチバックローラ対73と供給ローラ対75との間において搬送路を挟むように設けられ、スイッチバックした記録紙Pを供給ローラ対75へ導く一対の第2ガイド部材76とが設けられている。
前記スイッチバックローラ対73の駆動ローラ73aは、モータ(図示省略)により、記録紙Pを挟持してプリンタ前側へ搬送する正回転と、記録紙Pを挟持してプリンタ後側へ搬送する逆回転とが可能に構成されている。
前記スイッチバックローラ対73及び第1ガイド部材74は、モータ(図示省略)により、スイッチバックローラ対73の駆動ローラ73aの回転軸周りに一体的に移動可能になっており、これにより、スイッチバックローラ対73の駆動ローラ73aに対する従動ローラ73bの相対位置が、駆動ローラ73aに対してほぼ真上に位置して、記録紙Pをプリンタ後側へ搬送する第1の位置(図2に実線で記載)と、駆動ローラ73aに対してプリンタ後側に位置して、スイッチバックされた記録紙Pを後端側から裏面印字ユニット6へ供給する第2の位置(図2に仮想線で記載)とに切り換えられるようになっている。
前記スイッチバック部5の下側には、上側に開放する記録紙回収箱83が設けられている。この記録紙回収箱83は、エラー(例えば紙詰まりエラー等)が発生した場合に、搬送経路に残された記録紙Pを回収するためのものである。エラー発生時には、搬送経路に残された記録紙Pは、記録紙搬送機構によってスイッチバック部5へと搬送される。スイッチバック部5では、当該記録紙Pを受け取って記録紙回収箱83へと排出する。これにより、エラー発生時に、搬送経路に残された記録紙Pを、プリンタカバー(筐体3)の必要な箇所を開けたりすることなく容易に取り除くことができる。
前記裏面印字ユニット6は、ドットインパクト式のサーマルプリンタからなるものであって、記録紙Pの裏面側(搬送経路に対してプリンタ後側)に配設されている。
前記裏面印字ユニット6の搬送下流側には、裏面印字後の記録紙Pを送り出す搬送ローラ対28が配設されている。そして、搬送ローラ対28の回転により、記録紙Pが搬送下流側の乾燥ユニット7へと搬送される。
前記乾燥ユニット7は、乾燥装置53内に空気を取り込むための吸入ファン54と、この吸入ファン54で取り込んだ空気を加熱する加熱ヒータ55と、加熱ヒータ55で加熱された空気を乾燥風として記録紙Pの印刷面に吹き付ける排気ノズル部56とで構成されている。
前記デカールユニット8は、駆動搬送ローラ81と、駆動搬送ローラ81の周りに移動可能に構成されたデカールローラ82とを有している。デカールユニット8は、記録紙Pの種類(ロール紙/単票紙)に応じて、デカールローラ82の位置を搬送位置とデカール位置とに切り換える。
前記搬送位置は、デカールローラ82が駆動搬送ローラ81の真上に存在する位置として定義される。この搬送位置では、記録紙Pは、両ローラ81,82によってデカールされることなく搬送される。
前記デカール位置は、デカールローラ82を搬送位置から駆動搬送ローラ81周りに時計回り方向に回動させた位置として定義される。このデカール位置では、記録紙Pは、両ローラ81,82によってデカールされつつ搬送される。
前記デカールユニット8は、乾燥ユニット7から搬送されてきた記録紙Pが、手差し供給ユニット9から供給された単票状の記録紙Pである場合には、デカールローラ82を搬送位置に制御する一方、記録紙PがマガジンM1,M2から引き出されたロール状の記録紙Pである場合には、デカールローラ82をデカール位置に制御するようになっている。これにより、手差し供給ユニット9から供給された記録紙Pを不必要にカールさせることなく、マガジンM1,M2から引き出された記録紙Pを確実にデカールすることができる。
前記集積装置210は、コンベア装置150から搬送された記録紙Pを集積するためのものであり、プリンタ前側が開口した箱型の集積本体部211と、集積本体部211内の上下両端に配設されたローラ対(図示省略)に適当なテンションを有した状態で巻き掛けられた無端状の集積ベルト213と、集積ベルト213の外周面に略等間隔に設けられた集積プレート212とを備えている。ローラ対は、集積ベルト213を回転させて集積プレート212を搬送方向に移動させるための駆動モータ(図示省略)に接続されている。
前記複数枚の集積プレート212のうち、集積本体部211外部に露出している集積プレート212は、集積ベルト213の回転動作に追従して下方に移動する一方、集積本体部211内部に収容されている集積プレート212は、集積ベルト213の回転動作に追従して上方に移動するように構成されている。すなわち、集積プレート212は、集積ベルト213とともに、ローラ対の周囲を連続して回転可能に構成されている。
前記集積プレート212は、搬送ベルト151の下流側の記録紙Pの受け渡し位置において、プレート表面が水平で且つ搬送ベルト151のベルト面と略面一になるように待機しており、所定のプリントオーダに対応した枚数が集積された後、次のオーダの記録紙Pが搬送される前に、集積ベルト213により下方に搬送される。
−制御系の構成−
本実施形態に係るインクジェットプリンタAは、制御系として、図4に示すように、マイクロプロセッサ201(以下、CPUという)と、このCPU201とデータバスを介して接続された搬送制御部202、ヘッド制御部203、プリント制御部204、半導体メモリRAM/ROM205、通信インタフェース206とを備えている。
前記搬送制御部202は、記録紙搬送機構の動作制御を行う。ヘッド制御部203は、プリントヘッドHを主走査方向に往復移動させるとともに、各圧電素子に所定波形の電圧を供給することによってプリントヘッドHの制御を行うものである。通信インタフェース206は、受付ブロック200との間で情報の送受信を行うためのものである。搬送制御部202及びヘッド制御部203はそれぞれプリント制御部204からの指令を受けて必要な制御信号を出力する。プリント制御部204は、受付ブロック200から通信インタフェース206を介して受信した画像データに基づき、記録紙Pに対して画像データの印刷を実現するための制御を行う。ここで、オーダ情報には印刷を行う記録紙Pの大きさ等を特定するためのプリントチャンネル情報と、印刷枚数等を特定するためのプリントフォーム情報とが含まれている。
−記録紙の記録領域の印刷制御−
前記プリント制御部204は、搬送機構により記録紙Pを一定の単位搬送量で間欠搬送しながら、間欠搬送時における記録紙Pの停止時に、プリントヘッドHを主走査方向Xに一走査させ、プリントヘッドHの2つのヘッドユニット13からそれぞれインクを吐出させる。プリントヘッドHは、往動作と復動作を交互に実行している。
ここで、記録紙Pに印刷される画像は、プリントヘッドHの2つのヘッドユニット13の各インク吐出ノズル13a〜13dからそれぞれ吐出されるインクを、記録紙Pの所定領域内に着弾させることにより形成される。
具体的に、各インク吐出ノズル13a〜13dでは、解像度が180dpiのドット画像を印刷することが可能となっている。そして、最上流側に位置するインク吐出ノズル13aにおいて解像度が180dpiの画像を記録紙Pの所定領域内に印刷した後、続くインク吐出ノズル13bにおいて解像度が180dpiの画像を該所定領域内に重ね合わせて印刷する。そして、下流側のヘッドユニット13のインク吐出ノズル13c,13dにおいても同様の印刷を行うことで、記録紙Pの所定領域内に複数回(本実施形態では4回)インクを着弾させる。これにより、解像度が720dpi(=180dpi×4回)の画像を形成することができる。
ところで、上述した手順によって記録紙Pの記録開始時の記録領域、すなわち先端部の記録領域を印刷すると、記録紙Pの記録開始時の記録領域の印刷品質が劣化するおそれがある。これは、上流側のヘッドユニット13のインク吐出ノズル13a,13bで記録紙Pの記録開始時の記録領域に向けてインクを吐出すると、記録紙Pの先端縁よりも搬送下流側に開口している吸着孔60にインクが吸い込まれて、インクの着弾位置が所定の着弾位置からずれてしまうからである。そこで、本実施形態では、記録紙Pの記録開始時の記録領域を印刷する場合には、以下のような手順で行うようにしている。
図5は、記録紙の記録開始時の記録領域に画像を印刷する手順を説明するための側面図である。なお、図5に示す例では、記録紙Pの所定領域内に複数回インクを吐出させた場合に、その吐出回数を視覚的に分かりやすくするために、吐出回数分だけインクを積層させた図面としているが、実際にインクが積層されているわけではない。
まず、図5(a)に示すように、記録紙Pの記録開始時の記録領域に連続する余白領域が上流側のヘッドユニット13のインク吐出ノズル13aに対向するように記録紙Pを搬送させる。そして、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13aからインクを吐出させる。
そして、図5(b)に示すように、記録紙Pを単位搬送量(つまり送りピッチ)だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13a,13bからそれぞれインクを吐出させる。
そして、図5(c)に示すように、記録紙Pを単位搬送量だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13bからインクを吐出させる。
次に、図5(d)に示すように、記録紙Pの記録開始時の記録領域が下流側のヘッドユニット13に対向するように記録紙Pを搬送させる。そして、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13c,13dからそれぞれインクを吐出させる。このとき、インク吐出ノズル13a,13bからもそれぞれインクを吐出させる。
また、図5(e)に示すように、プリントヘッドHの復動作時にもインク吐出ノズル13a〜13dからそれぞれインクを吐出させる。
次に、図5(f)に示すように、プリントヘッドHを再度、主走査方向に往復走査させつつ、インク吐出ノズル13c,13dからそれぞれインクを吐出させる。これにより、記録紙Pの記録開始時の記録領域には、下流側のヘッドユニット13のみから4回インクが着弾することとなり、所望の解像度の画像が形成される。
その後、図5(g)に示すように、記録紙Pを単位搬送量だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13a,13cからそれぞれインクを吐出させる。
そして、図5(h)に示すように、記録紙Pを単位搬送量だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、全てのインク吐出ノズル13a〜13dからそれぞれインクを吐出させる。このような印刷動作を、記録紙Pの全面について繰り返し行うことで、記録紙Pの印刷が完了する。
なお、記録紙Pの記録終了時の記録領域、すなわち後端部の記録領域に画像を印刷する際には、まず、記録紙Pの記録終了時の記録領域が上流側のヘッドユニット13に対向するように記録紙Pを搬送させる。そして、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13a,13bからそれぞれインクを吐出させる。そして、記録紙Pの記録開始時の記録領域に対して、上流側のヘッドユニット13のみから4回インクを着弾させる。
以上のように、本実施形態に係るインクジェットプリンタAによれば、記録紙Pの記録開始時の記録領域の印刷を行う際に、下流側に位置するヘッドユニット13に記録紙Pの記録開始時の記録領域を対向させるようにしたから、プラテン45に開口する吸着孔60のうち、記録紙Pによって塞がれていない吸着孔60の数が少なくなる。また、記録紙Pの記録終了時の記録領域の印刷を行う際に、上流側に位置するヘッドユニット13に記録紙Pの記録終了時の記録領域を対向させるようにしたから、プラテン45に開口する吸着孔60のうち、記録紙Pによって塞がれていない吸着孔60の数が少なくなる。これにより、吸着孔60によるインクの吸い込みの影響を最小限に抑えることができる。
さらに、下流側のヘッドユニット13のみから4回インクを吐出させることで、記録紙Pの記録開始時の記録領域に所望の解像度の画像を形成することができる。また、上流側のヘッドユニット13のみから4回インクを吐出させることで、記録紙Pの記録終了時の記録領域に所望の解像度の画像を形成することができる。
なお、図5に示す印刷手順は、あくまでも一例であり、これに限定するものではない。例えば、図5(a)〜図5(c)の手順を省略して、最初に記録紙Pの記録開始時の記録領域を下流側のヘッドユニット13に対向させた状態から印刷を開始してもよい。
《実施形態2》
図6は、本実施形態2に係るプリンタにおいて、記録紙の記録開始時の記録領域に画像を印刷する手順を説明するための側面図である。前記実施形態1との違いは、下流側のヘッドユニット13から記録紙Pの記録開始時の記録領域にインクを吐出させた後で、記録紙Pを搬送上流側に搬送させる制御を行うようにした点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
まず、図6(a)に示すように、記録紙Pの記録開始時の記録領域が下流側のヘッドユニット13と対向するように記録紙Pを搬送させる。そして、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、全てのインク吐出ノズル13a〜13dからそれぞれインクを吐出させる。このとき、プリントヘッドHの復動作時にもインク吐出ノズル13a〜13dからそれぞれインクを吐出させる。
そして、図6(b)に示すように、記録紙Pを搬送上流側に搬送させる。具体的には、記録紙Pの記録開始時の記録領域に連続する余白領域が、上流側のヘッドユニット13のインク吐出ノズル13aに対向する位置まで搬送させる。そして、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13aからインクを吐出させる。
そして、図6(c)に示すように、記録紙Pを単位搬送量だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13a,13bからそれぞれインクを吐出させる。
その後、図6(d)に示すように、記録紙Pを単位搬送量だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13bからインクを吐出させる。このようにすれば、記録紙Pの先端から所定領域(6ピッチ分)に亘って2回ずつインクが着弾されることとなる。
次に、図6(e)に示すように、記録紙Pの記録開始時の記録領域が下流側のヘッドユニット13に対向するように記録紙Pを搬送させる。そして、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13c,13dからそれぞれインクを吐出させる。このとき、プリントヘッドHの復動作時にもインク吐出ノズル13a〜13dからそれぞれインクを吐出させる。これにより、記録紙Pの記録開始時の記録領域には、下流側のヘッドユニット13のみから4回インクが着弾することとなり、所望の解像度の画像が形成される。
その後、図6(f)に示すように、記録紙Pを単位搬送量だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、インク吐出ノズル13a,13cからそれぞれインクを吐出させる。
そして、図6(g)に示すように、記録紙Pを単位搬送量だけ搬送させ、記録紙Pの停止後にプリントヘッドHを主走査方向に走査させつつ、全てのインク吐出ノズル13a〜13dからそれぞれインクを吐出させる。このような印刷動作を、記録紙Pの全面について繰り返し行うことで、記録紙Pの印刷が完了する。
《その他の実施形態》
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。例えば、前記実施形態では、プリントヘッドHは、2つのヘッドユニット13を有するものとされているが、これに限ったものではなく、3つ以上のヘッドユニット13を有するものであってもよい。また、インク吐出ノズル13a〜13dの個数についても特に限定するものではなく、例えば、1つのヘッドユニット13に1つ又は3つ以上設けてもよい。
なお、本実施形態では、記録紙Pの記録開始時の記録領域の印刷を行う際に、記録紙Pの記録開始時の記録領域が下流側のヘッドユニット13のインク吐出ノズル13dに対向する位置まで記録紙Pを搬送し、インク吐出ノズル13c,13dからそれぞれインクを吐出させるようにしているが、吸着孔60による吸い込みの影響がそれほど顕著でない場合には、1つ手前のインク吐出ノズル13cに対向する位置まで記録紙Pを搬送し、このインク吐出ノズル13cで記録紙Pの記録開始時の記録領域の印刷を開始するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、装置構造を複雑化させることなく、吸着孔によるインクの吸い込みの影響が出やすい記録紙の記録開始時又は記録終了時の記録領域の印刷品質を向上させることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
A インクジェットプリンタ
H プリントヘッド
P 記録紙
13 ヘッドユニット
24 供給ローラ(搬送機構)
45 プラテン
47 吸引ファン(吸引装置)
60 吸着孔
204 プリント制御部

Claims (6)

  1. 記録紙を搬送する搬送機構と、表面に開口する吸着孔を有するプラテンと、該搬送機構により搬送される該記録紙を該吸着孔を介して吸引することで該プラテン表面上に吸着保持させる吸引装置と、該記録紙の搬送方向に並ぶように設けられ且つインクを吐出する複数のヘッドユニットを有するプリントヘッドとを備えたインクジェットプリンタであって、
    前記搬送機構により前記記録紙を所定の搬送量で間欠的に搬送させて、該間欠搬送時における該記録紙の停止時に前記複数のヘッドユニットからそれぞれインクを吐出させることで、該記録紙の所定領域内に複数回インクを着弾させて画像を形成させるプリント制御部を備え、
    前記プリント制御部は、前記記録紙の少なくとも記録開始時の記録領域又は記録終了時の記録領域に対して、それぞれ同一の前記ヘッドユニットのみを用いて画像を形成させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1において、
    前記プリント制御部は、前記記録紙の記録開始時の記録領域に対して、前記複数のヘッドユニットのうち搬送方向の最下流側に位置するヘッドユニットのみを用いて画像を形成させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1又は2において、
    前記プリント制御部は、前記記録紙の記録終了時の記録領域に対して、前記複数のヘッドユニットのうち搬送方向の最上流側に位置するヘッドユニットのみを用いて画像を形成させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
    前記プリント制御部は、前記最下流側のヘッドユニットから前記記録紙の記録開始時の記録領域にインクを吐出させた後、前記搬送機構により該記録紙を搬送上流側に搬送させて、該記録紙の記録開始時の記録領域に連続する余白領域を、該最下流側に位置するヘッドユニットよりも上流側に位置するヘッドユニットに対向させるとともに、該上流側に位置するヘッドユニットから該余白領域にインクを吐出させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
    前記プラテンに形成された吸着孔のうち搬送下流側に位置する吸着孔は、前記記録紙の記録開始時の記録領域を前記最下流側に位置するヘッドユニットに対向させたときに、該記録紙の先端縁よりも搬送上流側寄りに位置するように形成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 請求項1乃至5のうち何れか1つにおいて、
    前記プラテンに形成された吸着孔のうち搬送上流側に位置する吸着孔は、前記記録紙の記録終了時の記録領域を前記最上流側に位置するヘッドユニットに対向させたときに、該記録紙の後端縁よりも搬送下流側寄りに位置するように形成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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