JP2012032162A - コンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易であり良好な電気的特性を安定して得られるコンタクトプローブ等を提供する。
【解決手段】コンタクタが設けられた第1部材110と、第1部材の一部が挿入された第2部材120と、第1部材を第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段130と、第1部材と第2部材との間で導通を確保する導電部材140とを備えるコンタクトプローブ100を、導電部材は第2部材に固定された固定端、及び、第1部材に導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部142と、複数の電極部の固定端の間を連結して第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、電極部と一体に形成された環状部141とを有する構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子機器の検査等に用いられるコンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材に関し、特には製造が容易であり良好な電気的特性を安定して得られるものに関する。
コンタクトプローブは、例えばプリント基板や半導体部品等の電子・電機機器の検査工程において用いられる導電接触ピンである。
このようなコンタクトプローブは、一例として、先端に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた軸状の接触部材と、接触部材を軸方向に摺動可能に保持するバレル等の保持部材とを備えている。保持部材と接触部材との間には、接触部材を測定対象物に加圧接触させるスプリング等の付勢手段が設けられる。
上述したようなコンタクトプローブにおいては、接触部材と保持部材との間を電気的に導通可能とし、電気的信号を取り出すため、接触部材及び保持部材の一方に固定され、他方と摺動する導電部材が設けられる。
このような導電部材には、摺動部における電気抵抗が十分に低くかつ安定していることが要求される。
このようなコンタクトプローブ用導電部材に関する従来技術として、例えば、特許文献1には、先端部にコンタクタが設けられたプランジャを保持するハウジングの内周面に、摺動接触端子を嵌め込むことが記載されている。この摺動接触端子は、両端部に設けられる1対の円環部の間を、周方向に分散して配置され中央部が内径側に弧状に張り出した複数の摺動部で連結し、いわゆる鼓状に形成したものである。
また、特許文献2には、大電流用のコンタクトプローブにおいて、U字状に屈曲して形成され保持部材に固定された複数の接触線材の一方の端部を、接触部材の外周面に当接させて導通を確保することが記載されている。
特開平 7− 27788号公報 特開2005−331500号公報
しかし、特許文献1に記載されたように、摺動部の両端が環状部に固定されたもの(電極が両持ち支持されたもの)の場合には、摺動部を摺動対象物に押圧するバネ定数が高くなりすぎて、摺動不良が発生する場合があった。また、このような構成の場合、製造時に発生し得る寸法のばらつきへのバネ定数の依存性が大きく、所望のバネ特性を得るためには極めて厳格な精度管理が必要となる。
また、特許文献2に記載された技術では、上述した特許文献1の問題点はある程度解消することが可能であるが、複数の接触線材を用いるため部品点数が多く、製造工程が煩雑となる。また、線材を用いた場合、各線材と摺動対象物との接触面積が小さいため、電気的特性や摩耗に懸念が生じる。さらに、線材をU字状に曲げて構成しているため、曲げRを確保するために導電部材が径方向に占めるスペースが大きくなってしまう。
本発明の課題は、製造が容易であり良好な電気的特性を安定して得られるコンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明(第1発明)は、軸状に形成され一方の端部に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた第1部材と、筒状に形成され前記第1部材の一部が挿入されかつ前記第1部材に対して相対移動可能とされた第2部材と、前記第1部材を前記コンタクタ側が前記第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段と、前記第1部材と前記第2部材との間で導通を確保する導電部材とを備えるコンタクトプローブであって、前記導電部材は、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材との一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、前記電極部と一体に形成された環状部とを有することを特徴とするコンタクトプローブである。
請求項2の発明(第2発明)は、筒状に形成され一方の端部に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた第1部材と、軸状に形成され一部が前記第1部材に対して挿入されかつ前記第1部材に対して相対移動可能とされた第2部材と、前記第1部材を前記コンタクタ側が前記第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段と、前記第1部材と前記第2部材との間で導通を確保する導電部材とを備えるコンタクトプローブであって、前記導電部材は、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材との一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、前記電極部と一体に形成された環状部とを有することを特徴とするコンタクトプローブである。
上述した請求項1、2の発明によれば、片持ち支持される複数のプレート状の電極部を環状部で連結することによって、複数の電極部を含む導電部材を一体に形成することができ、部品点数が低減し、製造工程が簡素化されるとともに、コストも低下させることができる。
また、片持ち支持されるプレート状の電極部が導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって摺動対象物に押圧されることによって、例えば電極部の両端が支持された従来技術に対して、バネ定数を低くすることが容易となり摺動不良を防止でき、またバネ定数及び電気的特性の寸法依存性を低くして、安定した性能を発揮させることができる。
さらに、電極部がプレート状に形成されることから、例えば線材状のものに対して接触面積を増加させることが容易であり、電気的特性を改善するとともに摩耗を低減することができる。
請求項3の発明は、前記導電部材における複数の前記電極部及び前記環状部は、筒状の部材の一方の端部から軸方向にほぼ沿って伸びたスリットを周方向に分散した複数箇所に設けることによって一体に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンタクトプローブである。
これによれば、導電部材全体をほぼ円筒状に形成することによって、導電部材が径方向に占めるスペースを小さくすることができ、コンタクトプローブの外径が肥大化することを防止できる。
請求項4の発明は、前記導電部材は、HRC硬度30以上、ビッカース硬度300以上の少なくとも一方を充足する材料によって形成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブである。
これによれば、導電部材の耐摩耗性などの耐久性を確保し、コンタクトプローブの耐久性、信頼性を向上することができる。
請求項5の発明は、前記導電部材の前記電極部の厚さを100μm以下としたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブである。
これによれば、電極部の剛性を最適化し、良好な電気的特性及び摺動性を確保することができる。
請求項6の発明は、前記導電部材は、ニッケル又はニッケル系合金を電気鋳造して形成されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブである。
これによれば、サイズが小さく薄肉の導電部材であっても精度良く製作することができ、コンパクトで高性能なコンタクトプローブを提供することができる。
請求項7の発明は、前記導電部材は、SK鋼又はベリリウム銅合金によって形成されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブである。
これによれば、比較的サイズが大きい導電部材において、良好な特性を得ることができる。
請求項8の発明は、前記導電部材は、絞り加工、プレス加工、切削加工のいずれか1つによって前記電極部及び前記環状部を含む母材が形成された後にエッチングによって肉厚を低減されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項又は請求項7に記載のコンタクトプローブである。
これによれば、加工性を損なわない程度の肉厚を有する状態で母材を形成し、その後エッチングによって肉厚を低減することによって、加工性を損なうことなく所望の肉厚の導電部材を製作することができる。
請求項9の発明は、前記導電部材の環状部は、前記第1部材と前記第2部材の一方に、溶接、ロウ付け、圧接、挟み込みの少なくとも一つにより固定されることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブである。
これによれば、コンタクトプローブの使用に伴う導電部材のずれ等を防止し、コンタクトプローブの耐久性、信頼性を確保することができる。
請求項10の発明は、軸状に形成された第1部材と、筒状に形成され前記第1部材の一部が相対移動可能に挿入される第2部材との間で導通を確保するコンタクトプローブ用導電部材であって、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材の一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在する環状部とを備えることを特徴とするコンタクトプローブ用導電部材である。
これによれば、上述したコンタクトプローブに関する発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、製造が容易であり良好な電気的特性を安定して得られるコンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材を提供することができる。
本発明を適用したコンタクトプローブの第1実施形態の断面図である。図1(a)は全体を示し、図1(b)は図1(a)のb部拡大図である(図6、図9、図10、図13において同様)。 第1実施形態のコンタクトプローブにおける導電部材を示す図である。図2(a)は図2(b)のa−a部矢視図であり、図2(b)は図2(a)のb−b部矢視図である(図7、図12において同様)。 第1実施形態において、バレルに導電部材を組み込んだ状態を示す図である。 第1実施形態及び本発明の比較例の導電部材におけるゲージ外径と電気抵抗値の相関を示すグラフである。 第1実施形態及び本発明の比較例の導電部材におけるゲージ外径と挿入抵抗との相関を示すグラフである。 本発明を適用したコンタクトプローブの第2実施形態の断面図である。 第2実施形態のコンタクトプローブにおける導電部材を示す図である。 本発明を適用したコンタクトプローブの第3実施形態の断面図である。 本発明を適用したコンタクトプローブの第4実施形態の断面図である。 本発明を適用したコンタクトプローブの第5実施形態の断面図である。 本発明を適用したコンタクトプローブの第6実施形態の断面図である。 第6実施形態のコンタクトプローブにおける導電部材を示す図である。 本発明を適用したコンタクトプローブの第7実施形態の断面図である。
以下、本発明を適用したコンタクトプローブの第1乃至第6実施形態について、図面等を参照して説明する。
なお、各実施形態のコンタクトプローブは、それぞれ本発明を適用したコンタクトプローブの実施形態を備えている。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したコンタクトプローブの第1実施形態について説明する。
図1に示すように、第1実施形態のコンタクトプローブ100は、プローブ本体110、バレル120、スプリング130、導電部材140等を備えて構成されている。
第1実施形態において、プローブ本体110及びバレル120は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
プローブ本体110は、例えばステンレス合金や真鍮などの導電性金属を切削加工することによって、軸状に形成されている。
プローブ本体110は、スライド軸部111、コンタクタ112、ストッパリング113、接続端子114等を備えている。
スライド軸部111は、バレル120の内径側に挿入され、バレル120によって軸方向に相対変位可能に支持される部分である。スライド軸部111は、円柱状に形成され、その外径は長さ方向にわたって均一に形成されている。
コンタクタ112は、スライド軸部111の一方の端部に形成されている。コンタクタ112は、スライド軸部111よりも外径が大きい円柱状に形成されている。コンタクタ112の端面には、測定対象の被導電接触体と当接する接触面112aが形成されている。
第1実施形態においては、接触面112aは、例えばプローブ本体110の中心軸と直交する平面状に形成されているが、これに限らず凹状、凸状など仕様に応じて任意に選択可能である。
ストッパリング113は、スライド軸部111のコンタクタ112とは反対側の端部に設けられている。ストッパリング113は、プローブ本体110がバレル120から繰り出される方向のストロークを規制して脱落を防止するものである。ストッパリング113は、スライド軸部111に対して外径側につば状に張り出して形成されている。
接続端子114は、プローブ本体110に直接結線される場合に、図示しない検査装置から引き出された図示しないリード線等が接続される部分である。
接続端子114は、ストッパリング113に対してスライド軸部111とは反対側に突き出して形成されている。
接続端子114の突端部は、半球状の凸面に形成されている。
バレル120は、プローブ本体110を軸線方向に沿って相対移動可能に支持する部材である。
バレル120は、例えばステンレス合金などの導電性金属を、切削加工等によって円筒状に形成したものである。プローブ本体110は、スライド軸部111がバレル120の内径側に挿入されることによって支持される。バレル120の内周面には、例えばフッ素加工などの低摩擦処理を施してもよい。
バレル120の内周面には、導電部材140が収容される導電部材収容部121が形成されている。
導電部材収容部121は、バレル120におけるコンタクタ112側の一部の領域の内径を、他の部分に対して段状に大きくすることによって形成されている。
導電部材収容部121の内径は、中間に設けられた段部121aよりもストッパリング113側においては、コンタクタ112側に対して小さく形成されている。
このような段部121aは、後述する導電部材140の電極部142がスライド軸部111に当接するよう先窄みのテーパ状とするために設けられるものである。
また、バレル120のコンタクタ112側の端部には、外周面から外径側につば状に張り出したフランジ部122が形成されている。
スプリング130は、プローブ本体110をバレル120に対してコンタクタ112側が繰出される方向に付勢する圧縮コイルスプリングである。
スプリング130は、プローブ本体110と同軸に配置され、プローブ本体110のスライド軸部111はスプリング130の内径側に挿入されている。
スプリング130の一方の端部は、バレル120のフランジ部122に当接している。また、スプリング130の他方の端部は、プローブ本体110のコンタクタ112におけるフランジ部122と対向する面部に当接している。
なお、コンタクトプローブ100の無負荷状態(接触面112aが押されていない状態)において、ストッパリング113は、バレル120のフランジ部122とは反対側の端面と加圧接触している。
導電部材140は、バレル120に固定される環状部141及びプローブ本体110のスライド軸部111と摺動する電極部142を一体に形成し、プローブ本体110とバレル120との間を電気的に導通させるものである。
図2に示すように、導電部材140は、全体の形状がほぼ円筒状に形成されている。
環状部141は、導電部材140の軸線方向における一方の端部に設けられ、周方向にわたって連続して形成された環状の部分である。
環状部141は、図3に示すように、バレル120の導電部材収容部121内に挿入され、導電部材収容部121の内周面と例えば溶接、ロウ付け、圧接、挟み込み等の固定手法によって、バレル120と導通した状態で固定される。
また、図3に示すように、環状部141のコンタクタ112側の端面は、バレル120のフランジ部122の端面とほぼ同一平面上となるように配置されている。
電極部142は、環状部141の一方の端部から、導電部材140の軸方向にほぼ沿って突き出して形成されているプレート状の部分である。すなわち、電極部142は、環状部141によって片持ち支持されている。電極部142は、環状部141から延長されて一体に形成されることによって、導電部材140の軸方向から見た形状が、導電部材140の中心軸と同心の円弧状となっている。
電極部142は、環状部141と一体に形成され固定された固定端、及び、固定端の反対側(突端側)に設けられた摺動端を備えている。摺動端は、固定端に対して電極部142が撓むことによって揺動可能とされスライド軸部111に当接し摺動する。
図2等に示すように、電極部142は、導電部材140の周方向に等間隔に分散して、例えば4本設けられている。
隣接する電極部142の間隔には、導電部材140の軸方向にほぼ沿って直線状に伸びたスリットSが設けられている。
第1実施形態において、導電部材140は、一例として、全長L1が0.7mm、外径φ1が0.38mm、厚さT1が0.02mm、スリットSの幅W1が0.1mm、深さD1が0.4mmに設定されている。
この例において、導電部材140の厚さT1は0.02mm(20μm)であるが、この厚さT1は、少なくとも300μm以下であり、特に200μm以下であることが好ましい。特に、微弱な電気信号を取り出す場合には、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下とりわけ50μm以下であることがさらに好ましい。
このような厚さT1は、摺動部において過大な摺動抵抗が生じたり、接触面圧が低下して導通が不安定になるなど摺動特性や電気特性に問題が生じないように設定される。
導電部材140は、例えば、HRC硬度30以上、ビッカース硬度300以上の少なくとも一方を充足するニッケル又はニッケル系合金を用いて、電気鋳造法によって形成される。
この手法においては、先ず導電部材140の内径とほぼ同じ外径を有する円柱状の芯金を作成し、その外周面部に電気鋳造法によって薄膜を形成する。その後、芯金を取り除くことによって、所望の肉厚の円筒状のワークが得られる。
そして、例えばワイヤー放電加工等によって、スリットSとなる部分を除去することによって、導電部材140は形成される。
また、導電部材140の他の製法として、例えばSK鋼やベリリウム銅合金等の金属板を例えばプレス加工、絞り加工、しごき加工等の機械加工によって導電部材と略同じ形状となるように粗加工し、その後エッチング溶液につけることによって、所望の厚さまでエッチングして導電部材を製作するようにしてもよい。
導電部材140をバレル120に組み込む際に、導電部材140がバレル120内の所定の位置まで挿入され固定されると、電極部142は、その外表面が導電部材収容部121内の段部121aと当接することによって、先端部が内径側に窄むようにくせ付けがなされる。
この状態で導電部材140の内径側にプローブ本体110が挿入されることによって、電極部142の先端部は、導電部材140自体の弾性力によって、スライド軸部111の外周面に加圧接触する。
また、電極部142の先端部は、プローブ本体110がバレル120に対して相対変位(ストローク)する際に、スライド軸部111の外周面と摺動しながら導通を維持する。
なお、導電部材140の電極部142のくせ付けは、上述したような段部121aを用いたものに限らず、導電部材140が部品単体の状態で電極部142を摺動対象物側へ曲げることによって行っても良い。
以下、第1実施形態による効果を、本発明の比較例と対比して説明する。比較例のコンタクトプローブは、第1実施形態の導電部材140に代えて、上述した特許文献1と同様の鼓状の導電部材を備えている。この比較例の導電部材においては、電極部の両端に環状部が設けられ、電極部は中央部が内径側に張出すように湾曲して形成される。
図4は、第1実施形態と比較例の導電部材における、内径側に挿入されるシャフト状のゲージの径と電気抵抗値との相関を示すグラフである。図4において、横軸はゲージの外径を示し、縦軸は電気抵抗値を示している。
図4に示すように、比較例の導電部材においては、ゲージ径が2.4−2.5mmにおいては抵抗値が十分に低く良好な特性を示すが、ゲージ径が2.3mmでは抵抗値が急増し、2.2mm以下では導通不良となって測定不可能となった。
これに対し、第1実施形態の導電部材140においては、ゲージ径が2.3−2.5mmでは抵抗値がほとんど変化せず、2.2mm以下では抵抗値こそやや増加するものの、2.0mmまで安定した抵抗値を示した。
図5は、第1実施形態と比較例の導電部材における、内径側に挿入されるシャフト状のゲージの径と挿入荷重との相関を示すグラフである。図5において、横軸はゲージの外径を示し、縦軸は挿入荷重を示しているを示している。
図5に示すように、比較例の導電部材においてはゲージ径2.3−2.5mmの範囲にわたって第1実施形態よりも挿入荷重が大きく、フリクションが大きいことがわかる。また、比較例においては、ゲージ径の拡大に伴う挿入荷重の増加率が大きい。さらに、使用に伴う変形による挿入荷重の低下が顕著であって、耐久性、信頼性に懸念が生ずる。
これに対し、第1実施形態の導電部材140においては、実用可能な全範囲にわたって比較例よりも挿入荷重が小さく、さらにゲージ径の拡大に対する挿入荷重の増加率も小さく、コンタクトプローブのストローク時におけるフリクションを小さくできることがわかる。
以上のことから、第1実施形態の導電部材においては、比較例に対して電気的特性や摺動抵抗の寸法に対する依存性が小さく、仮に比較例と同等の電気的特性、摺動特性でよいとすれば各部品の寸法許容公差を大きく設定して歩留まりを改善することができる。また、比較例と同等の寸法許容公差で製造する場合には、比較例に対して良好な電気的特性及び摺動特性が得られることがわかる。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)片持ち支持される複数のプレート状の電極部142を環状部141で連結することによって、複数の電極部142を含む導電部材140を一体に形成することができ、部品点数が低減し、製造工程が簡素化されるとともに、コストも低下させることができる。
また、片持ち支持されるプレート状の電極部142が導電部材140自体の弾性により得られる付勢力によってスライド軸部111に押圧されることによって、例えば電極部の両端が支持された従来技術に対して、バネ定数を低くすることが容易となり摺動不良を防止でき、またバネ定数及び電気的特性の寸法依存性を低くして、安定した性能を発揮させることができる。
さらに、電極部142がプレート状に形成されることから、例えば線材状のものに対して接触面積を増加させることが容易であり、電気的特性を改善するとともに摩耗を低減することができる。
(2)導電部材140全体をほぼ円筒状に形成することによって、導電部材140が径方向に占めるスペースを小さくすることができ、コンタクトプローブ100の外径が肥大化することを防止できる。
(3)HRC硬度30以上、ビッカース硬度300以上の少なくとも一方を充足する材料で導電部材140を形成することによって、導電部材140の耐摩耗性などの耐久性を確保し、コンタクトプローブ100の耐久性、信頼性を向上することができる。
(4)電極部142の厚さを20μmとしたことによって、電極部142の剛性を最適化し、良好な電気的特性及び摺動性を確保することができる。
(5)導電部材140を、ニッケル又はニッケル系合金を電気鋳造して形成したことによって、サイズが小さく薄肉の導電部材140であっても精度良く製作することができ、コンパクトで高性能なコンタクトプローブ100を提供することができる。
(6)導電部材140の環状部141は、バレル120の導電部材収容部121に溶接、ロウ付け、圧接、挟み込みの少なくとも一つにより固定されることによって、コンタクトプローブ100の使用に伴う導電部材140のずれ等を防止し、コンタクトプローブ100の耐久性、信頼性を確保することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第2実施形態について説明する。
なお、以下説明する各実施形態において、従前の実施形態の構成要素と実質的に共通するものについては下2桁が同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図6に示す第2実施形態のコンタクトプローブ200は、スプリング230をバレル220の内部に収容したものである。
コンタクトプローブ200は、例えば、全長が9.5mm、直径0.5mmの針状に形成されている。
コンタクトプローブ200は、プローブ本体210、バレル220、スプリング230、導電部材240等を備えている。
第2実施形態において、プローブ本体210及びバレル220は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
プローブ本体210は、スライド軸部211、コンタクタ212、小径部215、テーパ部216を備えて構成されている。
スライド軸部211は、バレル220の内径側に挿入され、バレル220によって軸方向に相対変位可能に支持される部分である。
コンタクタ212は、スライド軸部211の一方の端部に形成されている。コンタクタ212は、スライド軸部211よりも外径が大きい円柱状に形成されている。
小径部215は、スライド軸部211の中間部分に設けられ、スライド軸部211の他の部分よりも段状に凹まされて小径に形成されている。この小径部215は、後述するバレル220の小径部と協働して、プローブ本体210のストロークを規制するものである。
テーパ部216は、プローブ本体210のコンタクタ212とは反対側の端部に設けられ、コーン状に突出して形成されている。
バレル220は、プローブ本体210が挿入されるとともに、そのスライド軸部211を軸方向に相対変位可能に支持するものである。
バレル220には、第1実施形態の導電部材収容部121と実質的に同様の導電部材収容部221が形成されている。
バレル220のプローブ本体210が挿入される側とは反対側の端部223は、例えば絞り加工等によって内径側に丸められ、中心部に開口が設けられたほぼ半球状に形成されている。
バレル220の中間部には、部分的に内径及び外径を小さく絞り込まれた小径部224が形成されている。
小径部224は、プローブ本体210の小径部215と協働してプローブ本体210のストロークを規制するものである。
図6に示すように、無負荷状態において、プローブ本体210の小径部215のコンタクタ212から離れた側の端部は、バレル220の小径部224と当接した状態となっている。
スプリング230は、バレル220の内径側に、バレル220とほぼ同心となるように挿入された圧縮コイルスプリングである。
スプリング230の一方の端部は、バレル220の端部223に当接し、他方の端部は、プローブ本体210のテーパ部216に当接している。
導電部材240は、バレル220の導電部材収容部221に固定されるとともに、プローブ本体210のスライド軸部211と摺動し導通を確保するものである。
導電部材240は、第1実施形態の導電部材140と実質的に同様の環状部241及び電極部242を備えている。
第2実施形態の導電部材240においては、例えば、全長L2が1.5mm、外径φ2が0.45mm、厚さT2が0.02mm、スリットSの幅W2が0.1mm、深さD2が1.0mmに設定されている。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第3実施形態について説明する。
図8に示す第3実施形態のコンタクトプローブ300は、プローブ本体310、バレル320、スプリング330、導電部材340等を備えて構成されている。
第3実施形態において、プローブ本体310及びバレル320は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
プローブ本体310は、スライド軸部311、コンタクタ312、ストッパ部313、テーパ部316を備えて構成されている。
スライド軸部311は、バレル320の内径側に挿入され、バレル320によって軸方向に相対変位可能に支持される部分である。
コンタクタ312は、スライド軸部311の一方の先端部を半球状に形成した部分である。
ストッパ部313は、スライド軸部311のコンタクタ312とは反対側の端部に設けられ、スライド軸部311に対して段状に径を拡大した円柱状の部分である。ストッパ部313は、バレル320の小径部324と協働してプローブ本体310のストロークを規制するものである。
テーパ部316は、ストッパ部313のスライド軸部311側とは反対側の端部に設けられ、スプリング330と当接する部分である。
バレル320は、プローブ本体310が挿入されるとともに、そのスライド軸部311を軸方向に相対変位可能に支持するものである。
バレル320は、第1実施形態の導電部材収容部121と実質的に同様の導電部材収容部321が形成されている。
また、バレル320は、第2実施形態の端部223、小径部224と実質的に同様の端部323、小径部324が形成されている。
スプリング330は、バレル320の端部323とプローブ本体310のテーパ部316との間に配置された圧縮コイルスプリングである。
導電部材340は、第1実施形態の導電部材140の環状部141及び電極部142と実質的に同様の環状部341及び電極部342を備えている。
環状部341は、バレル320の導電部材収容部321に固定されている。
電極部342はスライド軸部311に対して摺動可能となっている。
以上説明した第3実施形態によれば、上述した第2実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第4実施形態について説明する。
図9に示すように、第4実施形態のコンタクトプローブ400は、両端部にコンタクタが設けられた2端子型のものである。
コンタクトプローブ400は、一対のプローブ本体410A,410B、バレル420、スプリング430、導電部材440A,440B等を備えて構成されている。
第4実施形態において、プローブ本体410A,410B及びバレル420は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
プローブ本体410Aは、第2実施形態におけるプローブ本体210と実質的に同様に構成されている。
プローブ本体410Bは、プローブ本体410Aのコンタクタに代えて、スライド軸部の端部を半球上に形成した第3実施形態と同様のコンタクタとしたものである。
プローブ本体410A、410Bは、コンタクタと反対側の端部(テーパ部)が間隔を隔てて対向するようにして、同心に配置されている。
バレル420は、両端部が開放された円筒状に形成され、プローブ本体410A,410Bそれぞれの小径部と係合してこれらのストロークを規制する小径部424A、424Bが形成されている。
また、バレル420には、プローブ本体410A,410Bにそれぞれ設けられた導電部材440A,440Bがそれぞれ収容される導電部材収容部421A,421Bが形成されている。
スプリング430は、バレル420の内径側に挿入された圧縮コイルスプリングであって、その両端部は、プローブ本体410A、410Bそれぞれの対向する端部(テーパ部)と当接している。
導電部材440A,440Bは、第1実施形態の導電部材140と実質的に同様に形成され、それぞれ導電部材収容部421A,421Bに収容、固定され、プローブ本体410A,410Bと摺動しつつ電気的導通を確保する。
以上説明した第4実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第5実施形態について説明する。
図10に示すように、第5実施形態のコンタクトプローブ500は、スライド軸510とコンタクタ520とが別体に形成され、さらに、スプリング530、導電部材540等を備えて構成されている。
第5実施形態において、コンタクタ520及びスライド軸510は、本発明(第2発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
スライド軸510は、円柱状に形成され、一方の端部はコンタクタ520の開口内に挿入されている。
スライド軸510のコンタクタ520側と反対側の端部には、スプリング固定部511、フランジ部512が形成されている。
スプリング固定部511は、スライド軸510に対して段状に径が大きく形成された部分である。
フランジ部512は、スプリング固定部511のコンタクタ520側と反対側の端部における外周面から、つば状に外径側に張り出して形成されている。
また、第5実施形態のコンタクトプローブ500は、両端部に導電接触部が設けられたタイプのものであり、スライド軸510のコンタクタ520側とは反対側の端部にもコンタクタ部513が形成されている。コンタクタ部513は、フランジ部512に対してコンタクタ520側とは反対側に突き出して形成された円柱状の部分であり、その先端部は半球状に形成されている。
コンタクタ520は、スライド軸510と同心の円柱状に形成され、一方の端部から中心軸に沿ってスライド軸510が挿入される開口520aが形成されている。
このような構成により、コンタクタ520は、スライド軸510が挿入される側と反対側(後述する接触部522側)の端部が閉塞された円筒状に形成されている。
開口520aの内周面部には、第1実施形態の導電部材収容部121と実質的に同様の導電部材収容部521が形成されている。
また、コンタクタ520の他方の端部には、測定対象物と当接する接触部522が設けられている。接触部522は、例えば、半球状に形成されている。
また、コンタクタ520の接触部522側と反対側の端部近傍には、外周面からつば状に外径側に張り出したフランジ部523が形成されている。
スプリング530は、スライド軸510のフランジ部512とコンタクタ520のフランジ部523との間にわたして設けられた圧縮コイルスプリングであって、コンタクタ520の接触部522が軸方向に押されてコンタクタ520がスライド軸510に対して相対変位すると、その変位に応じたバネ反力を発生する。
また、スプリング530は、スライド軸510のスプリング固定部511及びコンタクタ520の外周面にそれぞれ固定され、コンタクタ520がスライド軸510から脱落することを防止する。
導電部材540は、第1実施形態の導電部材140と実質的に同様に形成され、コンタクタ520に設けられた導電部材収容部521内に収容される。
導電部材540の環状部541は導電部材収容部521に固定されている。
また、電極部542は、環状部541から接触部522側へ突き出して配置されるとともに、先端部(摺動端)が内径側にすぼめられ、スライド軸510の外周面と摺動しつつ電気的導通を確保する。
以上説明した第5実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第6実施形態>
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第6実施形態について説明する。
図11に示すように、コンタクトプローブ600は、プローブ本体610、バレル620、スプリング630、導電部材640等を備えて構成されている。
第6実施形態において、プローブ本体610及びバレル620は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
第6実施形態のコンタクトプローブ600は、導電部材640をプローブ本体610に固定し、バレル620の内周面と摺動させる構成としている。
プローブ本体610は、バレル620に挿入されるスライド軸部611を備えている。
スライド軸部611の中間部には、段状に径が小さくされ、導電部材640が取り付けられる小径部615が形成されている。
スライド軸部611の一方の端部には、スライド軸部611よりも径が小さい連結軸部611aが突き出して形成されている。連結軸部611aは、バレル620の開口部から外部へ突き出している。
連結軸部611aの先端部には、第1実施形態のコンタクタ112と実質的に同様のコンタクタ612が設けられている。
また、スライド軸部611のコンタクタ612側とは反対側の端部には、テーパ部616が形成されている。
バレル620は、円筒状に形成され、プローブ本体610のスライド軸部611はその全体がバレル620の内部に収容される。
バレル620のコンタクタ612側とは反対側の端部623は、ほぼ半球状に形成されている。
また、バレル620のコンタクタ612側の端部は、連結軸部611aは通過可能であるが、スライド軸部611本体の通過は規制されるよう、内径側に折り返したストッパ部624が形成されている。このストッパ部624は、プローブ本体610のストロークを規制してプローブ本体610の脱落を防止するために設けられている。
スプリング630は、バレル620の内径側に挿入され、バレル620の端部623とプローブ本体610のテーパ部616との間にわたして設けられた圧縮コイルスプリングである。
導電部材640は、図12に示すように、環状部641、電極部642、小径部643等を一体に形成して構成されている。
環状部641は、リング状に形成され、その内周面がスライド軸部611に形成された小径部615の外周面と密着する状態で、溶接や圧入等によって固定されている。
電極部642は、環状部641の軸方向におけるコンタクタ612側の端部から、コンタクタ612側へ突き出して形成されている。電極部642は、第1実施形態等と同様に、例えば4個が設けられており、その間隔にはスリットSが設けられている。
電極部642の先端部は、バレル620の内周面に当接し、摺動する。
なお、電極部642には、このような接触力を得るために、バレル620に組み込む前の状態において、先端部が外径側に開くようクセ付けが施されている。
小径部643は、環状部641と電極部642との接続部において、導電部材640の外周面を段状に凹ませて周方向に延在する環状溝を形成した部分である。小径部643は、例えば、導電部材640の内径側に軸を挿入した状態で外周面の一部を切削又は研削することによって形成される。
このような小径部643は、環状部641と電極部642との接続部の剛性を調整するために設けられる。したがって、このような小径部643がなくても所望の剛性が得られる場合には、小径部643は省略することができる。
なお、このような導電部材640の組込は、例えば、スライド軸部611を小径部615の内部あるいは端部で分割する2ピース構成とすることによって可能となる。
以上説明した第6実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第7実施形態>
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第7実施形態について説明する。
図13に示すように、第7実施形態のコンタクトプローブ700は、スライド軸710とコンタクタ720とが別体に形成され、されに、スプリング730、導電部材740等を備えて構成されている。
第7実施形態において、コンタクタ720及びスライド軸710は、本発明(第2発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
スライド軸710は、円柱状に形成され、一方の端部はコンタクタ720の開口内に挿入されている。
スライド軸710には、上述した第5実施形態と実質的に同様のスプリング固定部711、フランジ部712、コンタクタ部713が形成されている。
また、スライド軸710のコンタクタ720側の端部には、他の部分に対して外径を段状に小さく形成された円柱軸状の小径部710aが形成されている。
コンタクタ720は、スライド軸710と同心の円柱状に形成され、上述した第5実施形態と実質的に同様の開口720a、接触部722、フランジ部723が形成されているが、導電部材収容部521に相当する拡径部は設けられておらず、開口720aの内径はそのほぼ全長にわたって均一かつスライド軸710の小径部710a以外の部分の外径とほぼ同じに形成されている。このような構成により、開口720aの内周面とスライド軸710の小径部710aの外周面との間には、導電部材740が収容される隙間が形成される。
スプリング730は、第5実施形態のスプリング530と実質的に同様に形成され、スライド軸710のフランジ部712とコンタクタ720のフランジ部723との間に設けられている。
導電部材540は、スライド軸710の小径部710aにおける突端部近傍に固定された環状部741、及び、環状部741からコンタクタ部713側に突き出して形成された電極部742を備えている。
電極部742は、先端部が外径側に開くようくせ付けがなされ、この先端部はコンタクタ720の開口720aの内周面に加圧接触しつつ摺動するようになっている。
以上説明した第7実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)上述した各実施形態においては、導電部材は例えばニッケル又はニッケル系合金を電気鋳造法によって円筒状に形成して製作しているが、導電部材の材質や製法はこれに限定されず、適宜変更することができる。
例えば、材料として、例えばSK鋼、ベリリウム銅合金等、ニッケル等以外の金属を用いることができる。
また、製法も、例えば、絞り加工、プレス加工、切削加工等のように、電気鋳造法以外の製法を用いることができる。さらに、このようにして加工したワークに対してエッチング処理を施し、肉厚を低減させて用いることもできる。
(2)コンタクトプローブを構成する各部材の形状、構造、材質、製法も、上述した各実施形態のものに限定されず、適宜変更することができる。
例えば、導電部材に設けられる電極の本数や配置も適宜変更することができる。例えば、3個以下の電極部や5個以上の電極部を、周方向に等ピッチ又は不等ピッチに配置することもできる。
また、導電部材の環状部は必ずしも全周にわたって連続している必要はなく、一部に非連続部を有する構成としてもよい。
100 コンタクトプローブ(第1実施形態)
110 プローブ本体 111 スライド軸部
112 コンタクタ 112a 接触面
113 ストッパリング 114 接続端子
120 バレル 121 導電部材収容部
121a 段部 122 フランジ部
130 スプリング 140 導電部材
141 環状部 142 電極部
S スリット
200 コンタクトプローブ(第2実施形態)
210 プローブ本体 211 スライド軸部
212 コンタクタ 215 小径部
216 テーパ部 220 バレル
221 導電部材収容部 223 端部
224 小径部 230 スプリング
240 導電部材 241 環状部
242 電極部
300 コンタクトプローブ(第3実施形態)
310 プローブ本体 311 スライド軸部
312 コンタクタ 313 ストッパ部
316 テーパ部 320 バレル
321 導電部材収容部 323 端部
324 小径部 330 スプリング
340 導電部材 341 環状部
342 電極部
400 コンタクトプローブ(第4実施形態)
410A,410B プローブ本体 420 バレル
421A,421B 導電部材収容部 424A,424B 小径部
430 スプリング 440A,440B 導電部材
500 コンタクトプローブ(第5実施形態)
510 スライド軸 511 スプリング固定部
512 フランジ部 513 コンタクタ部
520 コンタクタ 520a 開口
521 導電部材収容部 522 接触部
523 フランジ部 530 スプリング
540 導電部材 541 環状部
542 電極部
600 コンタクトプローブ(第6実施形態)
610 プローブ本体 611 スライド軸部
611a 連結軸部 612 コンタクタ
615 小径部 616 テーパ部
620 バレル 623 端部
624 ストッパ部
630 スプリング 640 導電部材
641 環状部 642 電極部
643 小径部
700 コンタクトプローブ(第7実施形態)
710 スライド軸 710a 小径部
711 スプリング固定部 712 フランジ部
713 コンタクタ部 720 コンタクタ
720a 開口 722 接触部
723 フランジ部 730 スプリング
740 導電部材 741 環状部
742 電極部

Claims (10)

  1. 軸状に形成され一方の端部に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた第1部材と、
    筒状に形成され前記第1部材の一部が挿入されかつ前記第1部材に対して相対移動可能とされた第2部材と、
    前記第1部材を前記コンタクタ側が前記第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段と、
    前記第1部材と前記第2部材との間で導通を確保する導電部材と
    を備えるコンタクトプローブであって、
    前記導電部材は、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材との一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、前記電極部と一体に形成された環状部とを有すること
    を特徴とするコンタクトプローブ。
  2. 筒状に形成され一方の端部に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた第1部材と、
    軸状に形成され一部が前記第1部材に対して挿入されかつ前記第1部材に対して相対移動可能とされた第2部材と、
    前記第1部材を前記コンタクタ側が前記第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段と、
    前記第1部材と前記第2部材との間で導通を確保する導電部材と
    を備えるコンタクトプローブであって、
    前記導電部材は、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材との一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、前記電極部と一体に形成された環状部とを有すること
    を特徴とするコンタクトプローブ。
  3. 前記導電部材における複数の前記電極部及び前記環状部は、筒状の部材の一方の端部から軸方向にほぼ沿って伸びたスリットを周方向に分散した複数箇所に設けることによって一体に形成されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンタクトプローブ。
  4. 前記導電部材は、HRC硬度30以上、ビッカース硬度300以上の少なくとも一方を充足する材料によって形成されること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
  5. 前記導電部材の前記電極部の厚さを100μm以下としたこと
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
  6. 前記導電部材は、ニッケル又はニッケル系合金を電気鋳造して形成されること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
  7. 前記導電部材は、SK鋼又はベリリウム銅合金によって形成されること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
  8. 前記導電部材は、絞り加工、プレス加工、切削加工のいずれか1つによって前記電極部及び前記環状部を含む母材が形成された後にエッチングによって肉厚を低減されること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項又は請求項7に記載のコンタクトプローブ。
  9. 前記導電部材の環状部は、前記第1部材と前記第2部材の一方に、溶接、ロウ付け、圧接、挟み込みの少なくとも一つにより固定されること
    を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。
  10. 軸状に形成された第1部材と、筒状に形成され前記第1部材の一部が相対移動可能に挿入される第2部材との間で導通を確保するコンタクトプローブ用導電部材であって、
    前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材の一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、
    複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在する環状部と
    を備えること
    を特徴とするコンタクトプローブ用導電部材。
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