JP2012028154A - ワイヤーハーネスの端末構造 - Google Patents

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正人 井上
Kazunari Sakura
一成 佐倉
Hiroshi Sudo
博 須藤
Tetsuya Nakamura
哲也 中村
Hideki Imamura
秀樹 今村
Yasuyuki Otsuka
保之 大塚
Yoshiaki Yamano
能章 山野
Koji Fukumoto
康治 福本
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Abstract

【課題】腐食防止効果度合の高い車載用のワイヤーハーネスの端末構造を得る。
【解決手段】被覆電線10の端末領域において、端子金具1の一方端に形成されるかしめ部1Aが被覆電線10の被覆部分の外周に沿ってかしめられ端子金具1は被覆電線10の端末部分に固定される。少なくともかしめ部1Aの端部露出領域(破断面1r及び根元エッジ部1eを含む領域)及びその近傍領域の全外周を完全に覆って樹脂部20が形成される。樹脂部20は、JIS K6922−1に準拠して測定される190℃、21.18Nにおけるメルトフローレイトが200g/10min.以上のエチレン−αオレフィン共重合体を含有し、前記エチレン−αオレフィン共重合体におけるαオレフィンの共重合比率が10質量%以上である材料より形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車載用のワイヤーハーネスの端末構造に関する。
所定の端子金具との固定が施されるワイヤーハーネスの端末において、樹脂モールドして防水処理を施した構造として例えば特許文献1に開示された被覆電線端末接続部がある。
特許文献1に示された被覆電線端末接続部は、上下型からなる成形金型の内部に、被覆電線の先端部導体に端子金具を圧着した端末接続部を収容してセットする成型空洞のモールド空間を設け、このモールド空間に溶融状態のモールド樹脂を射出注入することにより、樹脂モールドされた被覆電線端末接続部を得ている。
このように、特許文献1に示された被覆電線端末接続部は、ワイヤーハーネスの端末部分を樹脂モールドすることにより一定の防水、腐食防止効果を発揮させている。
特許第3627846号公報
しかしながら、特許文献1に開示された被覆電線端末接続部において、端子金具を自動車ボディ等の平坦面上に設置する関係上、端子金具の裏面に関し上記モールド樹脂は端子金具の裏面の平坦性を妨げないレベルで塗布されているに過ぎなかった。
したがって、端子金具の裏面は完全に樹脂モールドされていないため、十分な腐食防止効果を発揮できていないという問題点があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、腐食防止効果度合の高い車載用のワイヤーハーネスの端末構造を得ることを目的とする。
この発明に係るワイヤーハーネスの端末構造は、車載用のワイヤーハーネスの端末構造であって、複数の裸線導体を被覆部により被覆してなる被覆電線を備え、前記複数の裸線導体は一部が露出した電線露出部を端末に有し、前記被覆電線に固定される端子金具をさらに備え、前記端子金具はその一方端に、前記電線露出部近傍における前記被覆電線の前記被覆部の外周に沿ってかしめられることにより前記被覆電線に固定されるかしめ部を有し、少なくとも前記かしめ部の端部露出領域及びその近傍領域の全外周を覆って形成される樹脂部をさらに備え、前記樹脂部は、JIS K6922−1に準拠して測定される190℃、21.18Nにおけるメルトフローレイトが200g/10min.以上のエチレン−αオレフィン共重合体を含有し、前記エチレン−αオレフィン共重合体におけるαオレフィンの共重合比率が10質量%以上である材料より形成されている。
ここで、前記αオレフィンは、ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、および、カルボキシル基含有モノマから選択された1種または2種以上であることが好ましい。
また、前記端子金具は表面がメッキ処理されたメッキ領域を有し、前記かしめ部の前記端部露出領域はメッキ処理が施されていない無メッキ領域を含んでいることが好ましい。
また、前記複数の裸線導体の構成材料はアルミを含み、前記端子金具の構成材料は銅を含み、前記メッキ領域のメッキ材料は錫を含んでいることが好ましい。
本願発明において、樹脂部はかしめ部の端部露出領域及びその近傍領域の全外周を覆って形成されるため、上記端部露出領域から電解液が浸入し、かしめ部の構成材料が浸食され、最終的に裸線導体の一部が浸食される危険性を確実に回避することができる。さらに、上記樹脂部が、JIS K6922−1に準拠して測定される190℃、21.18Nにおけるメルトフローレイトが200g/10min.以上のエチレン−αオレフィン共重合体を含有し、前記エチレン−αオレフィン共重合体におけるαオレフィンの共重合比率が10質量%以上である材料から形成されているため、材質面からも防食性能の向上に寄与することができる。
その結果、腐食防止効果度合の高い車載用のワイヤーハーネスの端末構造を得ることができる効果を奏する。
ここで、上記αオレフィンが、ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、および、カルボキシル基含有モノマから選択された1種または2種以上である場合には、αオレフィンの極性官能基により、裸線導体および端子金具と樹脂部との親和性に優れる。そのため、特に防食性能に優れる。
また、上記端子金具の表面がメッキ処理されたメッキ領域を有し、上記かしめ部の端部露出領域がメッキ処理されていない無メッキ領域を含んでいる場合には、上記樹脂部により、上記端部露出領域から電解液が浸入し、最終的に裸線導体の一部が浸食される危険性を確実に回避することができる。
したがって、かしめ部を得るための加工処理等により、かしめ部の端部露出領域はメッキ処理が施されていない無メッキ領域となっても、改めてメッキ処理を行う必要がないため、かしめ部を有する端子金具の製造コストの低減化を図ることができる。
また、銅を構成材料とした端子金具からアルミニウムを構成材料とした複数の裸線導体にかけての浸食の連鎖の可能性が高い金属の組合せを用いた場合であっても、上記樹脂部により、上記端部露出領域から電解液が浸入し、最終的に裸線導体の一部が浸食される危険性を確実に回避することができる。
そのため、この場合には、端子金具及び裸線導体により適した銅及びアルミを用いることにより、使用勝手に優れたワイヤーハーネスの端末構造を得ることができる。
この発明の実施の形態であるの車載用のワイヤーハーネスの端末の断面構造を模式的に示す説明図である。 本実施の形態のワイヤーハーネスの端末構造の寸法特性を示す説明図である。 図2のA−A断面を示す断面図である。 本実施の形態の効果を説明するための説明図である。 本実施の形態の他の態様を模式的に示す説明図である。 実施の形態に対応する従来のワイヤーハーネスの端末構造を示す説明図である。 実施例における腐食試験方法を模式的に説明するための図である。
<実施の形態>
(構造)
図1はこの発明の実施の形態であるの車載用のワイヤーハーネスの端末の断面構造を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、複数の裸線導体11を被覆部13(図1では図示せず)により絶縁被覆してなる被覆電線10は、複数の裸線導体11からなる導体群12の一部が露出した電線露出部22を端末部分に有している。なお、裸線導体11の構成材料として例えばアルミニウムが用いられる。
そして、この被覆電線10の端末部分に端子金具1が固定される。すなわち、被覆電線10の端末領域において、端子金具1の一方端に形成されるかしめ部1Aが被覆電線10の被覆部分の外周に沿ってかしめられ、加えて、端子金具1のかしめ部1B(かしめ部1Aより内部に形成)が電線露出部22における導体群12の外周に沿ってかしめられることにより、端子金具1は被覆電線10の端末部分に固定される。なお、端子金具1の構成材料として例えば黄銅や銅合金が用いられる。
また、端子金具1は予め表面が錫メッキされることによりメッキ領域1mを有しているが、かしめ部1A及びかしめ部1Bを加工する際、表面の銅が露出した破断面1rが存在している。図1において、破断面1rの表面部分を太線で示している。
そして、少なくともかしめ部1Aの端部露出領域(図中右端の破断面1r及び根元エッジ部1eを含む領域)及びその近傍領域の全外周を完全に覆って樹脂部20が形成される。樹脂部20は、さらに、端子金具1の上方領域において、かしめ部1Aから電線露出部22及びかしめ部1Bにかけても形成される。樹脂部20は、寸法設定等を調節しやすい観点から、モールド成型法によるモールド成形体であると良い。樹脂部20は、滴下、塗布、押出などの方法を用いて形成することも可能である。
図2は本実施の形態のワイヤーハーネスの端末構造の寸法特性を示す説明図である。同図に示すように、かしめ部1Aの裏面の端部露出領域の根元エッジ部1eを起点として、端子金具1の一方端方向(被覆電線10方向)に1mm以上、他方端方向(かしめ部1B、導体群12方向)に1mm以上の幅で樹脂部20が形成されている。また、根元エッジ部1eにおける樹脂部20の膜厚は0.1mm以上に設定される。
したがって、根元エッジ部1eを完全に覆うと共に、メッキ領域1mのメッキ材料である錫が浸食されることによる悪影響も完全に回避可能にする寸法特性で樹脂部20が形成されている。
図3は図2のA−A断面の断面構造を示す断面図である。同図に示すように、図2のA−A断面(端子金具1(かしめ部1A)の一方端断面)においてかしめ部1Aの全外周を完全に覆って樹脂部20が形成される。すなわち、樹脂部20はかしめ部1Aの全外周を0.1mm以上の膜厚で覆って形成されている。なお、図3に示すように、被覆電線10は導体群12とその外周の被覆部13より構成されている。
本実施の形態のワイヤーハーネスの端末構造において、樹脂部20を形成するための樹脂部形成材料は、エチレン−αオレフィン共重合体を主に含有するものからなる。樹脂部形成材料は、エチレン−αオレフィン共重合体単独で構成されていても良いし、必要に応じて、物性を損なわない範囲で、添加剤、他のポリマを含有していても良い。
樹脂部形成材料において、エチレン−αオレフィン共重合体は、JIS K6922−1に準拠して測定される190℃、21.18Nにおけるメルトフローレイト(MFR)が200g/10min.以上である。エチレン−αオレフィン共重合体のMFRが200g/10min.未満では、流動性が低く、防食処理を行なう部分を十分に覆うことができないため、防食効果が十分に発揮できない。また、エチレン−αオレフィン共重合体のMFRとしては、より好ましくは500g/10min.以上、さらに好ましくは1000g/10min.以上である。
また、樹脂部形成材料において、エチレン−αオレフィン共重合体は、αオレフィンの共重合比率が10質量%以上である。αオレフィンの共重合比率が10質量%未満では、裸線導体および端子金具との親和性(濡れ性)が十分でなく、防食効果が十分に発揮できない。また、防食効果に優れるなどの観点から、αオレフィンの共重合比率としては、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。
エチレン−αオレフィン共重合体におけるαオレフィンとしては、好ましくは、ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、カルボキシル基含有モノマを挙げることができる。これらのαオレフィンは、特に、裸線導体および端子金具との親和性(濡れ性)を高める効果に優れる。エチレン−αオレフィン共重合体は、エチレンと1種のαオレフィンとの共重合体であっても良いし、エチレンと2種以上のαオレフィンとの共重合体であっても良い。
ビニルエステルとしては、例えば、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどを挙げることができる。
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチルなどを挙げることができる。
カルボキシル基含有モノマとしては、例えば、無水マレイン酸などを挙げることができる。
好適なエチレン−αオレフィン共重合体としては、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸変性共重合体(無水マレイン酸変性EMA)などを挙げることができる。
樹脂部形成材料において、必要に応じて添加可能な添加剤としては、一般的に樹脂成形材料に使用される添加剤であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、無機充填剤、酸化防止剤、金属不活性化剤(銅害防止剤)、紫外線吸収剤、紫外線隠蔽剤、難燃助剤、加工助剤(滑剤、ワックスなど)、カーボンやその他の着色用顔料などを挙げることができる。
また、樹脂部形成材料は、必要に応じて、エチレン−αオレフィン共重合体以外の重合体成分が配合されていても良い。
エチレン−αオレフィン共重合体および必要に応じて配合される重合体成分は、耐熱性や機械的強度を上げるなどの目的で、必要に応じて架橋されていても良い。架橋方法は、熱架橋、化学架橋、シラン架橋、電子線架橋、紫外線架橋等、その手段は特に限定されるものではない。なお、樹脂部形成材料の架橋処理は、樹脂部形成材料により防食処理を行なう部分を覆った後、行なえば良い。
(従来との比較)
図4及び図6は本実施の形態の効果を説明するための説明図である。図4は実施の形態の構造を、図6は実施の形態に対応する従来の構造をそれぞれ示している。
図4の構造は図1〜図3で説明した実施の形態の内容と同様であるため説明は省略する。一方、図6で示す従来構造は、樹脂部30の形成領域は、被覆電線10の裏面を覆ってかしめ部1Aの根元エッジ部1eにまで延びている。しかしながら、樹脂部30はかしめ部1Aの裏面には形成されていないため、根元エッジ部1eを含む領域を完全に覆って形成されていない。
したがって、海水等が根元エッジ部1eから電解液として浸水し、端子金具1(かしめ部1A)の構成材料である黄銅や銅合金、及び表面の錫めっきを浸食しながら電解液混入経路R1を伝って電解液が浸入する可能性を確実に回避できていない。その結果、電解液混入経路R1を伝って上記電解液が導体群12に達すると、裸線導体11の構成材料であるアルミニウムは端子構成材料である黄銅や銅合金よりもイオン化傾向が大きいため浸食される。
このように、特許文献1等に代表される従来のワイヤーハーネスの端末構造における樹脂部30はかしめ部1Aの根元エッジ部1eを完全に覆えていないため、電解液混入経路R1を完全に遮断することができず、結果的に裸線導体11が浸食される恐れがあるという問題点があった。
一方、本実施の形態1のワイヤーハーネスの端末構造は図4(及び図1〜図3)に示すように、根元エッジ部1eを含むかしめ部1Aの端部露出領域の外周を完全に覆って樹脂部20が形成されるため、図4に示すように、端子金具1の一方端の破断面1rからの仮想電解液混入経路R2を完全に遮断することができる。
このように、本実施の形態のワイヤーハーネスの端末構造において、樹脂部20はかしめ部1Aの破断面1rとなる端部露出領域及びその近傍領域の全外周を完全に覆って形成されるため、上記端部露出領域における破断面1r(根元エッジ部1e)から電解液が浸入し、かしめ部1Aの黄銅や銅合金、及び表面の錫めっきが浸食され、最終的に裸線導体11の一部が浸食される危険性を確実に回避することができる。
さらに、上記樹脂部20が、JIS K6922−1に準拠して測定される190℃、21.18Nにおけるメルトフローレイトが200g/10min.以上のエチレン−αオレフィン共重合体を含有し、前記エチレン−αオレフィン共重合体におけるαオレフィンの共重合比率が10質量%以上である材料から形成されているため、材質面からも防食性能の向上に寄与することができる。
その結果、本実施の形態は、腐食防止効果度合の高い車載用のワイヤーハーネスの端末構造を得ることができる効果を奏する。したがって、複数の裸線導体11の電気的特性を安定性良く保持することができる。
また、かしめ部1Aの上記端部露出領域はメッキ領域1mでない無メッキ領域(破断面1r)となっているが、上述したように、樹脂部20により、上記端部露出領域から電解液が浸入し、最終的に裸線導体の一部が浸食される危険性を確実に回避することができる。
したがって、端子金具1からかしめ部1Aを得るための加工処理等により、かしめ部1Aの端部露出領域はメッキ処理が施されていない破断面1rとなっても、改めてメッキ処理を行う必要がないため、かしめ部1Aを有する端子金具1の製造コストの低減化を図ることができる。
また、本実施の形態のように、黄銅や銅合金を構成材料とした端子金具1からアルミニウムを構成材料とした複数の裸線導体11にかけての浸食の連鎖の可能性が高い金属の組合せを用いても、樹脂部20により、上記端部露出領域から電解液が浸入し、最終的に裸線導体11の一部が浸食される危険性を確実に回避することができる。
このため、端子金具1及び裸線導体11により適した銅及びアルミニウムを用いることにより、使用勝手に優れたワイヤーハーネスの端末構造を得ることができる。
(他の態様)
図5は本実施の形態の他の態様を模式的に示す説明図である。同図に示すように、他の態様は、樹脂部21を端子金具1の他方端部1sの破断面1r上に延長して形成している。なお、樹脂部21の他の領域の形成内容は図1〜図4で示した樹脂部20と同様である。また、樹脂部30が樹脂部21に置き換わった以外の構造は図1〜図4で示した本実施の形態の構造と同様である。
同図に示すように、端子金具1の先端部1sにおける破断面1r上にも樹脂部21を形成することにより、先端部1sの破断面1rからの電解液浸入に伴う裸線導体11の浸食をも確実に回避することができるという効果をさらに奏する。
このように、他の態様のワイヤーハーネスの端末構造は、端子金具1における全ての破断面1r(無メッキ領域)上に樹脂部21を設けることにより、端子金具1の構成材料である黄銅や銅合金の浸食に伴う裸線導体11の浸食をより確実に回避することができる効果を奏する。
以下に本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
1.被覆電線の作製
ポリ塩化ビニル(重合度1300)100質量部に対して、可塑剤としてジイソノニルフタレート40質量部、充填剤として重炭酸カルシウム20質量部、安定剤としてカルシウム亜鉛系安定剤5質量部をオープンロールにより180℃で混合し、ペレタイザーにてペレット状に成形することにより、ポリ塩化ビニル組成物を調製した。
次いで、50mm押出機を用いて、上記得られたポリ塩化ビニル組成物を、アルミ合金線を7本撚り合わせたアルミニウム合金撚線よりなる導体群(断面積0.75mm)の周囲に0.28mm厚で押出被覆した。これにより被覆電線(PVC電線)を作製した。
2.端子金具の圧着及び樹脂部の形成
上記作製した被覆電線の端末を皮剥して導体群を露出させた後、自動車用として汎用されている黄銅製のオス形状の圧着端子金具(タブ幅0.64mm、導体群のかしめ部及び被覆部のかしめ部を有する)を被覆電線の端末にかしめ圧着した。
次いで、圧着端子金具の被覆部のかしめ部から電線露出部及び導体群のかしめ部にかけて、被覆部のかしめ部の端部露出領域およびその近傍領域の外周を覆うようにして、下記の各種の樹脂部形成材料を塗布し、樹脂部を形成した。なお、各種の樹脂部形成材料は、230℃に加熱して液状にし、厚さ0.1mmで塗布し、固化させた。
(実施例1)
EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)[三井デュポンポリケミカル製、エバフレックスEV205W(コモノマー14質量%、MFR800)]
(実施例2)
EEA(エチレン−アクリル酸エチル共重合体)[日本ユニカー製、NUC−6090(コモノマー30質量%、MFR1250)]
(実施例3)
EMA<1>(エチレン−アクリル酸メチル共重合体)[三井デュポンポリケミカル製、ニュクレル N2050H(コモノマー20質量%、MFR500)]
(実施例4)
EMMA(エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体)[住友化学製、アクリフト CM5021(コモノマー28質量%、MFR450)]
(実施例5)
変性EMA(エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体)[アルケマ製、ボンダイン HX8210(コモノマー10質量%、MFR200)]
(比較例1)
EMA<2>(エチレン−アクリル酸メチル共重合体)[日本ポリエチレン製、レクスパールEMA EB440H(コモノマー20質量%、MFR18)]
(比較例2)
EAA(エチレン−アクリル酸共重合体)[三井デュポンポリケミカル製、ニュクレル N1560(コモノマー15質量%、MFR60)]
(比較例3)
LDPE(低密度ポリエチレン)[東ソ−製、ペトロセン 354(コモノマー0質量%、MFR200)]
3.評価方法
各種の樹脂部を形成した被覆電線を用い、防食性能の評価を以下のようにして行った。
(防食性能)
図7に示すように、作製した端子付き被覆電線100を12V電源200の+極につなぐとともに、純銅板300(幅1cm×長さ2cm×厚み1mm)を12V電源200の−極につなぎ、端子付き被覆電線100の導体群と端子金具とのかしめ部および純銅板300を300ccのNaCl5%水溶液400に浸漬し、12Vで2分間通電した。通電後、NaCl5%水溶液400のICP発光分析を行ない、端子付き被覆電線100の導体群からのアルミニウムイオンの溶出量を測定した。溶出量が0.1ppm未満であった場合を「○」とし、溶出量が0.1ppm以上であった場合を「×」とした。
樹脂部形成材料の種類、MFRの値、コモノマーの共重合比率、および、防食試験結果を表1に示す。なお、MFRは、JIS K6922−1に準拠して測定される190℃、21.18Nにおける値である。
Figure 2012028154
表1によれば、以下のことが分かる。すなわち、比較例1、2では、樹脂部形成材料のエチレン−αオレフィン共重合体のMFRが比較的小さいため、流動性が悪く、露出している裸線導体および端子金具のかしめ部を覆うように塗布することができなかった。そのため、防食性に劣っていた。また、比較例3は、樹脂部形成材料が低密度ポリエチレンからなるため、金属表面への塗れ性あるいは密着性が悪い。そのため、防食性に劣っていた。
これに対し、実施例は、防食性に優れていることが確認できた。また、樹脂部形成材料がエチレン−αオレフィン共重合体を含むため、ベタつきがないことも確認できた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 端子金具
1A,1B かしめ部
1e 根元エッジ部
1m メッキ領域
1r 破断面
10 被覆電線
11 裸線導体
12 導体群
13 被覆部
20,21,30 樹脂部

Claims (4)

  1. 車載用のワイヤーハーネスの端末構造であって、
    複数の裸線導体を被覆部により被覆してなる被覆電線を備え、前記複数の裸線導体は一部が露出した電線露出部を端末に有し、
    前記被覆電線に固定される端子金具をさらに備え、前記端子金具はその一方端に、前記電線露出部近傍における前記被覆電線の前記被覆部の外周に沿ってかしめられることにより前記被覆電線に固定されるかしめ部を有し、
    少なくとも前記かしめ部の端部露出領域及びその近傍領域の全外周を覆って形成される樹脂部をさらに備え、
    前記樹脂部は、
    JIS K6922−1に準拠して測定される190℃、21.18Nにおけるメルトフローレイトが200g/10min.以上のエチレン−αオレフィン共重合体を含有し、前記エチレン−αオレフィン共重合体におけるαオレフィンの共重合比率が10質量%以上である材料より形成されていることを特徴とするワイヤーハーネスの端末構造。
  2. 前記αオレフィンは、ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、および、カルボキシル基含有モノマから選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネスの端末構造。
  3. 前記端子金具は表面がメッキ処理されたメッキ領域を有し、
    前記かしめ部の前記端部露出領域はメッキ処理が施されていない無メッキ領域を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤーハーネスの端末構造。
  4. 前記複数の裸線導体の構成材料はアルミを含み、
    前記端子金具の構成材料は銅を含み、
    前記メッキ領域のメッキ材料は錫を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のワイヤーハーネスの端末構造。
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