JP2012024973A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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衣里子 樋村
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Abstract

【課題】インクジェット記録装置において、同じ色について浸透性の異なる複数のインクを用いて記録を行う場合の、耐マーカー性などに優れた記録を実行する。
【解決手段】エッジ部は、高浸透インク(201、203)と低浸透インク(202)の両方を用いて記録する。これにより、高い光学濃度と、耐擦過性、耐マーカー性、定着性とを両立することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、詳しくは、同じ色について浸透性の異なる複数のインクを用いて記録を行う技術に関するものである。
この種の技術として、特許文献1には、記録する画像の領域を外周領域と内部領域とに分け、内部領域には記録媒体に対する浸透性が高い高浸透インクで記録し、外周領域には記録媒体に対する浸透性が低い低浸透インクで記録することが記載されている。これにより、内部領域ではインクによって形成されるドットの隙間を目立たないようにでき、外周領域については画像の輪郭が滲まないようにすることができる。
さらに、特許文献2には、外周領域を上記と同様低浸透インクで記録するとともに、内部領域を低浸透インクと高浸透インクの混合によって記録することが記載されている。これにより、特に、内部領域について低浸透インクによる高濃度記録と高浸透インクによる速い定着(定着性)との両立を図ることができる。加えて、特許文献2には、内部領域について、上記高浸透インクと低浸透インクを交互の画素に吐出することによって記録ヘッドの走査速度を増し高速記録を図ることも記載されている。
特開2003−011337号公報 特開2002−113850号公報
しかしながら、特許文献1および2では、外周領域を低浸透インクのみで記録するため、耐マーカー性、耐擦過性あるいは定着性に問題がある。すなわち、低浸透インクは記録媒体に着弾した後、低浸透性であることから記録媒体表面に顔料などの色材が比較的多く残る。このため、マーカーで記録画像が擦られたときに色材が溶け出して他の部分に移ったり、何らかの物体で記録画像が擦られて画像の一部が欠けたりすることがある。また、外周領域に低浸透インクを用いることによってこの外周領域を含む画像全体の定着(浸透)時間が遅くなり、記録速度の向上を図る上で障害となるという問題もある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、外周領域について耐マーカー性、耐擦過性、定着性が高い記録を実行することが可能なインクジェット記録装置および記録方法を提供することを目的とする。
この問題を解決するために、本発明は、第1のインクを吐出するためのノズル列と、前記第1のインクと同系色で前記第1のインクより記録媒体に対する浸透性が低い第2のインクを吐出するノズル列とを備える記録ヘッドを記録媒体に対して走査して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドにより記録される記録領域のうち、記録が行われない非記録領域と接する外周領域を、第1のインクおよび第2のインクで記録し、前記記録領域のうち、前記外周領域と接する内部領域を、前記第2のインクを用いずに第1のインクで記録するよう、前記記録ヘッドからの第1および第2のインクの吐出を制御する記録制御手段を具えたことを特徴とする。
以上の構成によれば、記録領域を外周領域と内部領域を分割して記録する場合に、内部領域を高浸透の第1のインクで記録し、外周領域を上記高浸透の第1のインクと低浸透の第2のインクを併用して記録する。これにより、外周領域について耐マーカー性、耐擦過性、定着性が高い記録を実行することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るカラーインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る、インクの付与(吐出)順序と付与領域を説明する図である。 図1に示したインクジェット記録装置の記録制御系回路の概略構成を示すブロック図である。 上記実施形態のインクジェット記録装置とホストPCとで構成される画像処理システムにおける画像データ処理のための概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態の記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。 (a)〜(l)は、第1実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図である。 本発明の第2実施形態の記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。 第2実施形態に係るマスク処理を説明する図である。 (a)〜(l)は、第2実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図である。 (a)〜(l)は、本発明の第3実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図である。 第3実施形態の記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。 (a)〜(l)は、本発明の第4実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の第5の実施形態に係る、インクの付与(吐出)順序と付与領域を説明する図である。 第5実施形態に係る2パスのマルチパス記録を説明する図である。 第5実施形態の記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。 (a)〜(o)は、第5実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図である。 (a)および(b)は、図15および図16を用いて上述したデータ振り分けに基づくインクの付与順序を、図13(a)に示した記録ヘッドの配置と図14に示した記録媒体に対する記録ヘッドの走査順序を用いて説明する図である。 (a)〜(l)は、本発明の第6実施形態に係る振り分け処理をデータの形態で示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<装置構成およびインク付与順>
図1は、本発明の一実施形態に係るカラーインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。インクタンク207〜212は、高浸透ブラック(Bk)インク、低浸透Bkインク、高浸透Bkインク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクの6種類のインクをそれぞれ収容している。これらBkインクは、略同一の色相を有する同系色のインクであり、記録媒体上で同一の色相として視認されるものである。高浸透Bkインクは、相対的に表面張力の低いインクであり、低浸透Bkインクは、相対的に表面張力の高いインクである。これら6種類のインクが対応するインクタンクから記録ヘッド201〜206に供給可能に構成されている。記録ヘッド201〜206は、上記6種類のインクに対応して設けられ、インクタンク207〜212から供給されるインクを吐出することができる。
搬送ローラ103は、補助ローラ104とともに記録用紙などの記録媒体107を挟持しながら回転して記録媒体107を搬送するとともに、記録媒体107を保持する。キャリッジ106は、インクタンク207〜212及び記録ヘッド201〜206を搭載可能であって、これら記録ヘッド及びインクタンクを搭載して図中X方向に往復移動可能に構成されている。このキャリッジ106の往復移動中に記録ヘッドからインクが吐出され、これにより記録媒体に画像が記録される。記録ヘッド201〜204の回復動作時等の非記録動作時には、このキャリッジ106は図中の破線で示したホームポジション位置hに待機するように制御される。
図1に示すホームポジションhに待機している記録ヘッド201〜206は、記録開始命令が入力されると、キャリッジ106と共に図中X方向に移動しつつ、インクを吐出して記録媒体107上に画像を記録する。この記録ヘッドの1回の移動(走査)によって、記録ヘッド201〜206の吐出口の配列範囲に対応した幅を有する領域に対して記録が行われる。
キャリッジ106の主走査方向(Xの正の方向)への1回の走査に伴う記録が終了すると、キャリッジ106はホームポジションhへ向かう、主走査方向の逆方向(Xの負の方向)へ走査しながら、記録ヘッド201〜206で記録を行う。前回の記録走査が終了してから続く記録走査が始まる前には、搬送ローラ103が回転して、主走査方向と交差する副走査方向(Y方向)へと記録媒体が搬送される。このように記録ヘッドの記録走査と記録媒体の搬送とを繰り返すことにより記録媒体107に対する画像の記録が完成する。記録ヘッド201〜206からインクを吐出する記録動作は、後述の制御手段による制御に基づいて行われる。
なお、上記の例では、インクタンク207〜212と記録ヘッド201〜206とを分離可能にキャリッジ106に搭載する構成を示した。しかし、インクタンク207〜212と記録ヘッド201〜206とが一体となったカートリッジをキャリッジに搭載する形態を採用してもよい。さらに、一つの記録ヘッドから複数色のインクを吐出可能な複数色一体型のヘッドをキャリッジに搭載する形態を採用してもよい。
図2(a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る、インクの付与(吐出)順序と付与領域を説明する図である。
図2(a)は、図1に示す記録ヘッド201〜206のうち、高浸透Bkインクを吐出する記録ヘッド201、203と、低浸透Bkインクを吐出する記録ヘッド202を示している。すなわち、本発明の実施形態では、同じ色のインクについて、高浸透インクを吐出する記録ヘッド2つと低浸透インクを吐出する記録ヘッド1つを、主走査方向に配列している。なお、記録ヘッドの形態は、同じ色のインクについて、高浸透インクを吐出するノズル列2つと低浸透インクを吐出するノズル列1つが主走査方向に配列するようこれらノズル列を一体に備えるものであってもよいことはもちろんである。
図2(b)および(c)は、記録する画像を外周領域(エッジ部)と内部領域(非エッジ部)とに分けたときに、それぞれの領域に対するインクの付与順序を示している。図2(b)は主走査方向の一方向であるX方向に走査するときの付与順序を示し、図2(c)は主走査方向の他の方向である-X方向に走査するときの付与順序を示している。これら図に示すように、これらの図において最も外側の両端それぞれのインク滴が対応する外周領域では、低浸透Bkインクを付与した後に高浸透Bkインクを付与する。また、上記両端以外の内部領域では、2つの高浸透Bkインクを前後して付与する。なお、これらの図において、図の縦方向に並ぶ2つのインク滴は必ずしも同じ画素に重ねて付与されるわけではなく、この付与(着弾)順序の説明は、隣接する画素に付与される場合も含んでいる。以下に説明する実施形態によって、重なる場合と隣接する場合がある。
上記の付与順序をより具体的に説明すると以下のとおりである。図2(b)に示す、X方向に記録ヘッドを走査させる場合、記録ヘッド203から高浸透Bkインクを内部領域(非エッジ部)に付与した後、記録ヘッド202から低浸透Bkインクを外周領域(エッジ部)にのみ付与し、続いて記録ヘッド201から高浸透Bkインクを外周領域(エッジ部)及び内部領域(非エッジ部)に付与する。一方、図2(c)に示す、−X方向に記録ヘッドを走査させる場合は、記録ヘッド201から高浸透Bkインクを内部領域(非エッジ部)に付与した後、記録ヘッド202から低浸透Bkインクを外周領域(エッジ部)にのみ付与し、続いて記録ヘッド203から高浸透Bkインクを外周領域(エッジ部)及び内部領域(非エッジ部)に付与する。
図2(d)および(e)は、外周領域のインク付与順を、高浸透Bkインクを付与した後低浸透Bkインクを付与する順序とする例を示している。この場合、外周領域に低浸透Bkのみを付与する従来の方法と比較して、耐マーカー性や定着性が向上し、加えて、低浸透Bkインクに引き続き高浸透Bkインクを記録する順序と比較して、画像のエッジの鮮鋭性が向上する。しかし、図2(b)および図2(c)に比べると耐マーカー性や定着性が低下する場合がある。従って、図2(b)および(c)に示した、低浸透Bkインクに引き続き高浸透Bkインクで記録する順序のほうが、耐マーカー性や定着性の観点では、より好ましい。
以上のとおり、内部領域については、高浸透インクを付与し、外周領域には低浸透インクと高浸透インクを付与する。内部領域に浸透性の高いインクを付与すると、浸透速度が速いため、耐擦過性、耐マーカー性は向上する。しかし、高浸透インクによるドットないし画像は光学濃度が低いため、高い光学濃度を得ようとする場合、記録密度を高くする必要がある。このため、以下に説明する一実施形態では、1つの画素に高浸透インクを重ねて付与することにより記録密度を高くする。
一方、内部領域と同様に外周領域に高浸透インクを付与する場合、高い光学濃度を得ようとすると、高い記録密度で高浸透インクを付与する必要がある。しかし、記録密度を上げるとエッジの鮮鋭性が低下する。また、外周領域を低浸透インクのみを用いて記録する方法が考えられるが、低浸透インクの場合は色材が記録媒体表面に近い部分に留まっているため、耐擦過性、耐マーカー性が低下する。そこで、本実施形態では、低浸透インクおよび高浸透インクを付与することにより、高い光学濃度と、耐擦過性、耐マーカー性、定着性とを両立するようにする。
また、この場合において、本願発明者等は、低浸透インク、高浸透インクの順序で付与すると、その逆の順序の場合より、光学濃度が高くなることがあるとの知見を得ている。その理由は以下のように推察することができる。最初に付与された低浸透インクは記録媒体の空隙を埋めるように浸透しながらも色材のほとんどは記録媒体表面に留まっている。この状態で次に高浸透インクが記録媒体に付与されると、低浸透インクと高浸透インクが記録媒体表面で混合しながら浸透して行き両者の浸透速度が平均化される。これにより、低浸透インクのみで記録した場合と比較して浸透速度が速くなる。その結果、高い光学濃度に加え、低浸透インクのみで記録する場合よりも耐マーカー性、耐擦過性、定着性を向上させることができる。
本発明の一実施形態は、さらに、同じ色ないし種類のインクについてより少ないノズル列数で高速記録を可能とするものである。すなわち、記録速度を増す1つの構成として、同じ色ないし種類のインクについて、例えば2つのノズル列を用意し、走査方向において記録すべきデータをこれら2つのノズル列に振り分けるものが知られている。これにより、それぞれのノズル列の駆動周波数を変更せずに走査速度を2倍にすることができる。本実施形態は、この構成を利用し、図2(a)に示すように、高浸透インクを吐出するノズル列(201、203)を2つとするものの、低浸透インクを吐出するノズル列(202)を1つとしながら、上記と同様2倍の走査速度を実現するものである。すなわち、図2(b)〜(e)にて上述したように、外周領域では、その記録データを低浸透インクおよび高浸透インクの2つのノズル列に振り分けることができ、他方、内部領域では、その記録データを2つの高浸透インクのノズル列に振り分けることができる。このように、記録の高速化を図る場合、本来であれば、高浸透インクおよび低浸透インクそれぞれについて、例えば各インク2つで合計4つのノズル列を用意するところ、合計3つのノズル列で2倍の走査速度を実現することができる。これは、図2(b)〜(e)にて上述したように、外周領域を高浸透インクと低浸透インクの両方を用いて記録することによって可能となるものである。この結果、ノズル列数を大幅に増すことなく走査速度の向上を図ることが可能となる。
<高浸透性インク組成物および低浸透性インク組成物>
本発明の実施形態で用いるインクに含まれる色材は、染料、顔料のいずれであってもよいが、耐水性や耐候性等の堅牢性の観点から、顔料を用いるのが好ましい。また、本発明の実施形態で使用する色材の濃度は、インクの全量に対して、重量基準で1〜10%、より好ましくは、低浸透Bkインクは1〜2%、高浸透Bkインクは3〜7%の範囲が好ましい。低浸透Bkインクを高浸透Bkインクよりも色材濃度の低いインクを用いることで耐マーカー性と定着性をより向上させることができる。
<浸透速度の制御>
本発明の実施形態で使用するインクの記録媒体に対する浸透速度の制御は表面張力を指標として制御することができる。すなわち、高浸透Bkインクは、低浸透Bkインクよりも、記録媒体に対する浸透速度が速い。この浸透速度の制御の指標とする表面張力は、界面活性剤、浸透溶剤等の浸透剤を添加によって制御することができる。特に、低浸透性インクの表面張力は、40〜60mN/mであることが好ましく、高浸透性インクの表面張力は、20〜40mN/mであることが好ましい。さらに好ましくは、高浸透性インクの表面張力は、40〜45mN/mであることが好ましく、低浸透性インクの表面張力は、30〜35mN/mである。低浸透性インクの表面張力が20mN/m未満では、記録ヘッドのノズル付近で濡れを生じる場合があり、インクの不吐出や吐出方向の偏向等の不具合が生じる恐れがある。
以下、上述した基本形態のいくつかの実施形態に係わる、主に、高浸透インクおよび低浸透インクそれぞれの記録ヘッドに対する記録データの振り分けを具体的に説明する。
(実施形態1)
図3は、図1に示したインクジェット記録装置の記録制御系回路の概略構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置600は、インターフェイス400を介して、ホストコンピュータ(以下、ホストPC)1200等のデータ供給装置に接続されている。データ供給装置から送信される各種データや記録に関連する制御信号等は、インクジェット記録装置600の記録制御部500に入力される。記録制御部500は、インターフェイス400を介して入力された制御信号に従ってモータドライバ403〜404やヘッドドライバ405を制御する。また、記録制御部500は、入力される画像データの処理やヘッド種別信号発生回路405から入力される信号の処理を行う。401は、記録媒体107の搬送のために搬送ローラ103を回転させるための搬送モータを示す。402は、記録ヘッド201〜206を搭載するキャリッジ106を往復移動させるためのキャリッジモータを示す。403、404は、搬送モータ401、キャリッジモータ402をそれぞれ駆動するためのモータドライバを示す。405は記録ヘッド201〜206を駆動するヘッドドライバを示し、記録ヘッドの数に対応して複数設けられている。また、406はヘッド種別信号発生回路を示し、キャリッジ106に搭載されている記録ヘッド201〜206の種類や数を示す信号を記録制御部500に供給する。
図4は、上述したインクジェット記録装置とホストPCとで構成される画像処理システムにおける画像データ処理のための概略構成を示す機能ブロック図である。インクジェット記録装置の記録制御部500は、インターフェイス400を介して、プリンタドライバがインストールされたホストPC1200より転送されるデータ処理を行う。
ホストPC1200では、アプリケーションから入力画像データ1000を受け取り、受け取った入力画像データ1000を1200dpiの解像度でレンダリング処理1001を行う。これによって、記録用多値RGBデータ1002が生成される。本実施形態では、記録用多値RGBデータ1002は256値のデータである。生成された記録用多値RGBデータ1002は、記録制御部500に転送される。
記録制御部500では、多値のR、G、Bデータ1002を、多値(256値)のK、C、M、Yデータ1008に変換するための色変換処理1007を行う。次いで、多値のK、C、M、Yデータ1008を量子化処理1009(例えば、誤差拡散)によって量子化(2値化)する。これにより、解像度1200dpiの2値のK、C、M、Yデータ1010が生成される。このうちの2値Kデータに対して、エッジ処理1011を行う。ここで、Kデータは、高浸透Bkインクおよび低浸透Bkインクの記録データに対応し、以下で説明されるように、Kデータに基づいて高浸透Bkインクおよび低浸透Bkインクの記録データが生成される。また、C、M、Yデータは、C、M、Yインクの記録データにそれぞれ対応する。
図5は、記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。同図に示されるように、先ず、2値Kデータに対してエッジ部検出処理2001を行う。2値Kデータのうちの、エッジ部(外周領域)のデータ、つまり、エッジ部データ2003が生成される。2値Kデータのうちの、エッジ部データに該当しなかったデータを、非エッジ部(内部領域)データ2103とする。本実施形態では、画像の最外郭を構成する1画素をエッジ部の画素とする。
エッジ部データ2003を、低浸透インクを吐出する記録ヘッド202と、高浸透インクを吐出する記録ヘッド203または記録ヘッド201に振り分け、非エッジ部のデータ2103を、高浸透インクを吐出する記録ヘッド201と記録ヘッド203に振り分ける。
図6(a)〜(l)は、この振り分け処理をデータの形態で示す図である。これらの図において、中央部横方向に示される破線は、記録ヘッドの走査方向が変化する位置を示す。破線より上部は、走査方向がX方向(図2(a)参照:図6においての右方向)で記録されるデータであり、破線より下部は、走査方向が−X方向(図6において左方向)で記録されるデータである。
図6(a)に示す2値のKデータは、先ず、非エッジ部検出処理2001によって、図6(f)に示す非エッジ部データ2103と、図6(b)に示すエッジ部データ2003とに分割される。
次に、図6(f)の非エッジ部データ2103は、図6(g)に示す記録ヘッド201用データと、図6(i)に示す記録ヘッド203用データに振り分けられる。すなわち、図6(g)および(i)から明らかなように、本実施形態では、非エッジ部の記録を1画素当り2滴の高浸透インクを付与する。これにより、高浸透インクによるドット密度を増して光学濃度を高くすることができる。
一方、図6(b)に示すエッジ部データ2003については、走査方向がX方向である上部の記録データは、図6(c)に示す記録ヘッド201用データと図6(d)に示す記録ヘッド202用のデータに振り分けられる。また、走査方向が−X方向である下部の記録データは、図6(e)に示す記録ヘッド203用データと図6(d)に示す記録ヘッド202用のデータに振り分けられる。すなわち、エッジ部は、高浸透インクと低浸透インクの両方を用いて記録する。これにより、高い光学濃度と、耐擦過性、耐マーカー性、定着性とを両立することができる。
以上のエッジ部および非エッジ部の記録データ振り分けによって、各記録ヘッド用の記録データは次のようになる。
高浸透インクを吐出する記録ヘッド201で記録するデータは、エッジ部データ(図6(c))と非エッジ部データ(図6(g))の論理和データ(図6(j))となる。低浸透インクを吐出する記録ヘッド202で記録するデータは、エッジ部データ(図6(d))と非エッジ部データ(図6(h))の論理和データ(図6(k))となる。さらに、高浸透インクを吐出する記録ヘッド203で記録するデータは、エッジ部データ図6(e)と非エッジ部データ図6(i)の論理和(図6(l))となる。
なお、高浸透インクを吐出する記録ヘッドが1つだけの場合でも上述した記録することも可能である。その場合は、非エッジ部データ2103は、走査方向がX方向であるときは記録ヘッド201を用いて記録し、―X方向であるときは、記録ヘッド203を用いて記録することができる。
本実施形態で使用するインクの組成は以下の通りである。なお、以下の記載で「%」とあるものは、特に断りがない限り重量基準であり重量%である。
(高浸透Bkインク)
顔料分散液 26.6%(顔料濃度4%) (CAB−O−JET300:顔料濃度15%水溶液/Cabot Corporation社製)
グリセリン 10%
ポリエチレングリコール1000 1%
2−ピロリドン 5%
アセチレノールE100 0.3% (川研ファインケミカル社製)
イオン交換水 残部
上記、各成分を十分混合、攪拌し、5μmのフィルターを通過させることにより、目的とする低浸透Bkインクを得ることができる。
以上の組成を有するインクの表面張力は、34.8mN/mである。
(低浸透Bkインク)
顔料分散液 13.3%(顔料濃度2%) (CAB−O−JET300:顔料濃度15%水溶液/Cabot Corporation社製)
グリセリン 10%
ポリエチレングリコール1000 1%
2−ピロリドン 5%
アセチレノールE100 0.1% (川研ファインケミカル社製)
イオン交換水 残部
上記、各成分を十分混合、攪拌し、5μmのフィルターを通過させることにより、目的とする高浸透Bkインクを得ることができる。
以上の組成を有するインクの表面張力は、41.0mN/mである。
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態は、上述した基本形態において記録ヘッドの走査速度を上げることを可能とする記録データの各記録ヘッドへの振り分けに関するものである。
記録ヘッドでインクを吐出するのに利用する電気エネルギーを印加するために必要な時間や、吐出後に個々のノズルにインクを補給するためのリフィル時間や、電気的にデータを送信するための時間などによって、記録ヘッドの駆動周波数が制限される。本実施形態は、記録ヘッドの駆動周波数を変更することなく、1つの記録ヘッドに関する走査方向の記録解像度(以下、走査解像度)低くすることによって記録ヘッドの走査速度を増す。
図7は、本実施形態の記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。本実施形態では、画像の最外郭から2画素をエッジ画素とする。
図7に示すように、エッジ部データ2003は、マスク処理に応じて、3つの記録ヘッド201、202、203のいずれかに振り分けられる。エッジ部は、X方向に走査する場合、記録ヘッド202で先に記録した後、記録ヘッド201で記録する。−X方向に走査する場合には、記録ヘッド202で記録した後、記録ヘッド203で記録する。記録ヘッドを走査方向に応じて振り分けることにより、走査方向が変わっても、必ず低浸透Bkインクを付与した後に高浸透Bkインクを付与することができる。一方、非エッジ部データ2103は、マスク処理に応じて、2つの記録ヘッド201、203のいずれかに振り分けられる。非エッジ部は、X方向に走査する場合、記録ヘッド203で記録した後、記録ヘッド201で記録する。一方、−X方向に走査する場合には、記録ヘッド201で記録した後、記録ヘッド203にて記録する。
図8は、本実施形態に係るマスク処理を説明する図である。マスク処理では、記録ヘッド201〜203のノズル(吐出口)列と同じサイズのマスク(a)及びマスク(b)を用いる。すなわち、このマスク(a)及び(b)を用いることにより、記録データを2つの記録ヘッドに振り分け、これにより、1つの記録ヘッドの走査解像度を低下させることができる。なお、これらマスクは黒塗りつぶし部分に対応する記録データをOFFする(出力しないようにする)。本実施形態のマスク(a)及び(b)は、千鳥、逆千鳥の補完関係を有するにあるパターンを有するものであるが、以下に説明する走査解像度を実現できるパターンであれば上記のパターンに限定されない。
図9(a)〜(l)は、本実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図である。なお、これら図の中央部横方向に示される破線は、図6の場合と同様、記録ヘッドの走査方向が変化する位置を示す。
図9(a)に示す画像データに対してエッジ部検出処理2001を行うことにより、図9(f)に示す非エッジ部データ2103と図9(b)に示すエッジ部データ2003が生成される。
図9(f)の非エッジ部データ2103は、走査方向がX方向である上部では、マスク(a)によって間引かれた、図9(i)に示す記録ヘッド203用データと、マスク(b)によって間引かれた、図9(g)に示す記録ヘッド201用データに振り分けられる。一方、走査方向が−X方向である上部では、マスク(b)によって間引かれた、図9(i)に示す記録ヘッド203用データと、マスク(a)によって間引かれた、図9(g)に示す記録ヘッド201用データに振り分けられる。
図9(b)に示すエッジ部データ2003は、走査方向がX方向である上部では、マスク(a)によって間引かれた、図9(d)に示す記録ヘッド202用データと、マスク(b)によって間引かれた、図9(c)に示す記録ヘッド201用データに振り分けられる。走査方向が−X方向である下部では、マスク(a)によって間引かれた、図9(d)に示す記録ヘッド202用データと、マスク(b)によって間引かれた、図9(e)に示す記録ヘッド203用データに振り分けられる。
以上のエッジ部および非エッジ部の記録データ振り分けによって、各記録ヘッド用の記録データは次のようになる。
高浸透インクを吐出する記録ヘッド201で記録するデータは、エッジ部データ(図9(c))と、非エッジ部データ(図9(g))との論理和データ(図9(j))である。記録ヘッド202で記録するデータは、エッジ部データ(図9(d))と、非エッジ部データ(図9(h))の論理和データ(図9(k))である。さらに、記録ヘッド203で記録するデータは、エッジ部データ(図9(e))と、非エッジ部データ(図9(i))の論理和データ(図9(l))である。
図9から分かるように、本実施形態によれば、それぞれの記録ヘッド201〜203が記録するデータは主走査方向(図1のX方向、図9での横方向)に間引かれており、各走査では記録データ解像度の半分のデータを記録すればよい。これにより、記録ヘッドの駆動周波数を高くすること(変更すること)なく、記録ヘッドの走査速度を2倍にすることができる。例えば、走査解像度が1200dpiである場合において走査速度が25ipsである系において、走査解像度を600dpiへ下げることができることから、走査速度を50ipsまで増すことが可能となる。この結果、記録全体にかかる時間も短くなりスループットが向上する。
なお、本実施形態では、外周領域(エッジ部)へは先行の記録ヘッド(−X方向の記録ヘッド201、X方向の記録203)から吐出をしないが、吐出をさせても良い。但し、光学濃度は向上するが、フェザリングが若干生じる可能性がある。先行の記録ヘッドからインクを付与するかしないかは、製品や記録媒体ごとに調整すれば良い。いずれにしろ、高浸透Bkインクと低浸透Bkインクを併用することにより、エッジ部の耐擦過性や耐マーカー性を向上させることができる。
(実施形態3)
本発明の第3の実施形態は、間引き処理の他の方法に関するものである。すなわち、本実施形態は、記録データのカラム位置に対応して、奇数カラムのデータと偶数カラムのデータを2つの記録ヘッドへ振り分ける。なお、この方法を用いる場合、エッジ部の画素数が1画素の場合に、高浸透Bkインクと低浸透Bkインクを混合して記録することが困難となるため、2画素以上で行うことが望ましい。
図10(a)〜(l)は、本実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図であり、また、図11は、本実施形態の記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。
2値Kデータ1010Kに対してエッジ処理を行う。先ず、エッジ部検出処理2001を行う。2値Kデータのうちの、エッジ部のデータ、つまり、エッジ部データ2003が生成される。2値Kデータのうちの、エッジ部データに該当しなかったデータを、非エッジ部データ2103とする。本実施形態では、エッジ画素として2画素を選択する。
非エッジ部データ2103は、そのデータのカラム位置に応じて、2つの記録ヘッドへ振り分けられる。奇数カラムのデータを記録ヘッド203に、偶数カラムのデータを記録ヘッド201にそれぞれ振り分ける。エッジ部データ2003は、そのデータのカラム位置だけでなく、記録ヘッド201〜206の走査方向に応じて、3つの記録ヘッドへ振り分ける。走査方向がX方向である場合には、奇数カラムのデータをヘッド202、偶数カラムのデータを記録ヘッド201で記録するデータとする。走査方向が−X方向である場合には、奇数カラムのデータを記録ヘッド203で、偶数カラムのデータを記録ヘッド202でそれぞれ記録するデータとする。
図10(a)に示す記録データに対して、非エッジ部検出処理2001を行うことにより、図10(f)に示す非エッジ部データ2103と、図10(b)に示すエッジ部データ2003を生成する。
図10(f)の非エッジ部データ2103は、そのカラム位置に応じて、図10(i)に示す奇数カラムのデータを記録する記録ヘッド203用データと、図10(g)に示す偶数カラムのデータを記録する記録ヘッド201用データに振り分けられる。一方、図10(b)のエッジ部データ2103は、走査方向Xの上部では、図10(d)に示す奇数カラムのデータを記録する記録ヘッド202用データと、偶数カラムのデータを記録する記録ヘッド201用データに振り分けられる。走査方向−Xの下部では、奇数カラムのデータに対応する記録ヘッド203用データと、偶数カラムのデータに対応する記録ヘッド202用データに振り分けられる。
以上のエッジ部および非エッジ部の記録データ振り分けによって、各記録ヘッド用の記録データは次のようになる。
記録ヘッド201で記録するデータは、エッジ部データ(図10(c))と非エッジ部データ(図10(g))の論理和データ(図10(j))である。記録ヘッド202で記録するデータは、エッジ部データ(図10(d))と非エッジ部データ(図10(h))の論理和データ(図10(k))である。さらに、記録ヘッド203で記録するデータは、エッジ部データ(図10(e))と非エッジ部データ(図10(i))の論理和データ(図10(l))である。
図10から分かるように、それぞれの記録ヘッド201〜203が記録するデータは主走査方向(図1のX方向、図10での横方向)に間引かれており、上述の第2実施形態と同様、走査速度を2倍に上げることができる。これにより、記録全体にかかる時間も短くなり、スループットを向上させることができる。
(実施形態4)
本発明の第4の実施形態は、上述した第2実施形態の構成において、エッジ画素として4画素を選択したものである。
図12(a)〜(l)は、第4実施形態に係る記録データ振り分け処理をデータの形態で示す図である。第2実施形態に係る図9(a)〜(l)との対比から分かるように、本実施形態は、より高解像度とした記録データの振り分けに関するものである。記録データが高い解像度の場合、エッジ画素数をそれに応じて増やすことが望ましい。これは、解像度によっておおよそ設定される記録ヘッドの吐出量に依存するからである。例えば、600dpi×600dpiの画像を記録する構成では、一般に記録ヘッドのインク吐出量は、15〜30pl程度に設定される。この場合の普通紙でのドット径は60um程度となる。これに対して、より高い解像度の1200dpi×1200dpiで画像を記録する場合には、インク吐出量は、4〜15pl程度に設定される。この場合の普通紙におけるドット径は30um程度となる。この状況において、内部領域のインクが外周領域を超えてはみ出ることは望ましくないため、解像度が異なっても、外周領域の幅を同程度に保つことが望ましい。この点から、上例の600dpi×600dpiと1200dpi×1200dpiの例では、1200dpi×1200dpiの解像度の画像におけるエッジ画素数は600dpi×600dpiの解像度の場合の2倍に設定する。これにより、外周領域の幅を同程度に保つことができる。また、エッジ画素数(外周領域の幅)はインクの浸透性の差に応じて設定することもでき、以上で説明した画素数に限定されないことはもちろんである。
(実施形態5)
本発明の第5の実施形態は、Bkインクについて、高浸透インクおよび低浸透インクを吐出する2つの記録ヘッドを用い、また、同一の記録領域の記録を2回の走査で完成させる形態に関する。この形態は、第2実施形態などと比較して、スループットが低下するが記録ヘッドの数が少なくて済むため、記録装置のコストを下げることができる。
図13(a)〜(c)は、第5の実施形態に係る、インクの付与(吐出)順序と付与領域を説明する図である。
図13(a)は、C、M、YインクおよびBkインクの記録ヘッド301〜305のうち、Bkインクの2つの記録ヘッド301および302を示している。記録ヘッド301、302それぞれのノズル配列を上下に分け、記録ヘッド301の上半分を301b、下半分を301a、記録ヘッド302の上半分を302b、下半分を302aとする。図13(b)は、X方向の走査におけるインクの付与順序を示している。一方、図13(c)は、−X方向の走査におけるインクの付与順序を示している。また、記録ヘッド301から吐出されるインクは高浸透Bkインクであり、記録ヘッド302から吐出されるインクは低浸透Bkインクである。
また、図14は、本実施形態に係る2パスのマルチパス記録を説明する図である。2パスの双方向記録の場合、記録ヘッドの走査が終わるごとに、記録ヘッドが記録できる幅の半分の距離だけ、図中矢印方向に記録媒体を搬送する。記録ヘッドをX方向に走査して領域(1)を記録した後、上記矢印方向の記録媒体の搬送によって記録媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係が変わり、これによって記録ヘッドを−X方向に走査して領域(1)および(2)を記録することができる。同様に、記録媒体の搬送を介在させることにより、記録ヘッドをX方向に走査して領域(2)および(3)を記録することができる。これを繰り返し、画像データ全体を記録媒体上へ記録していく。ここで、領域(1)に着目すると、X方向に走査された記録ヘッドによる記録に引き続いて−X方向に走査された記録ヘッドによる記録が行われる。一方、領域(2)に着目すると、−X方向に走査された記録ヘッドによる記録に引き続いてX方向に走査された記録ヘッドによる記録が行われる。このように、ある箇所を始めに記録するときの記録ヘッドの走査方向が、領域によって異なる。領域(1)や(3)のように、始めに記録する際の記録ヘッドの走査方向がX方向である場合、本明細書では、「走査開始方向がX方向である」と表現する。また、領域(2)や(4)のように、始めに記録する際の記録ヘッドの走査方向がX方向である場合、本明細書上では、「走査開始方向が−X方向である」と表現する。
図15は、本実施形態の記録データ振り分け処理の手順を示すブロック図である。先ず、エッジ部検出処理3001を行う。2値Kデータのうち、エッジ部のデータ、つまり、エッジ部データ3003が生成される。2値Kデータのうちの、エッジ部データに該当しないデータを、非エッジ部データ3103とする。本実施形態では、エッジ画素として2画素を選択する。
上述した第2実施形態と異なる点は、記録ヘッドの上述した走査開始方向によって、記録データを振り分ける記録ヘッドを変える点である。
非エッジ部データ3103は、記録ヘッド走査開始方向がX方向のときは、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド301bで記録し、マスク(b)で間引かれたデータは記録ヘッド301aで記録する。記録ヘッド走査開始方向が−X方向のときは、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド301aで記録し、マスク(b)で間引かれたデータは記録ヘッド301bで記録する。一方、エッジ部データ3003は、記録ヘッド走査開始方向がX方向のときは、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド302aで記録し、マスク(b)で間引かれたデータは記録ヘッド301aで記録する。記録ヘッド走査開始方向が−X方向のときは、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド302bで記録し、マスク(b)で間引かれたデータは301bで記録する。
図16(a)〜(o)は、本実施形態の振り分け処理をデータの形態で示す図である。これら図において、中央部横方向に示される破線は、記録ヘッドの走査開始方向が変化する位置を示す。破線より上部は、図14に示した領域(1)、(3)のような記録ヘッド走査開始方向がX(図16において右方向)であり、破線より下部は、図14に示した領域(2)、(4)のような記録ヘッド走査開始方向が−X(図16での左方向)である。
図16(a)に示す記録データに対して、エッジ部検出処理2001を行うことにより、図16(g)に示す非エッジ部データ3103と、図16(b)に示すエッジ部データ3003を生成する。
図16(b)のエッジ部データ3003は、記録ヘッド走査開始方向がX方向の領域(破線より上部)では、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド302aで記録するデータ(図16(c))とされる。また、マスク(b)で間引かれたデータは記録ヘッド301aで記録するデータ(図16(d))とされる。一方、記録ヘッド走査開始方向が−X方向の領域(破線より下部)では、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド302bで記録するデータ(図16(e))とされ、マスク(b)で間引かれたデータは記録ヘッド301bで記録するデータ図16(f)とされる。
図16(g)の非エッジ部データ3103は、記録ヘッド走査開始方向がX方向の領域(破線より上部)では、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド301bで記録するデータ(図16(k))とされ、マスク(b)で間引かれたデータは記録ヘッド301aで記録するデータ(図16(i))とされる。一方、記録ヘッド走査開始方向が−X方向の領域(破線より下部)では、マスク(a)で間引かれたデータは記録ヘッド301aで記録するデータ(図16(i))とされ、マスク(b)で間引かれたデータは記録ヘッド301bで記録するデータ(図16(k))とされる。
以上のエッジ部および非エッジ部の記録データ振り分けによって、各記録ヘッド用の記録データは次のようになる。
記録ヘッド301aで記録するデータは、図16(d)に示すデータと図16(i)に示すデータとの論理和データ(図16(m))である。記録ヘッド302aで記録するデータは、図16(c)に示すデータと図16(h)に示すデータとの論理和データ(図16(l))である。記録ヘッド301bで記録するデータは、図16(f)に示すデータと図16(k)に示すデータとの論理和データ(図16(o))である。さらに、記録ヘッド302bで記録するデータは、図16(e)に示すデータと図16(j)に示すデータとの論理和データ(図16(n))である。
図16から分かるように、それぞれの記録ヘッド301〜302が記録するデータは主走査方向(図1のX方向、図16での横方向)に間引かれており、データ解像度の半分のデータを記録すれば済むようになっている。これにより、記録ヘッドの走査速度を2倍に上げることができ、記録全体にかかる時間も短くなり、若干スループットが向上する。
図17(a)および(b)は、図15および図16を用いて上述したデータ振り分けに基づくインクの付与順序を、図13(a)に示した記録ヘッドの配置と図14に示した記録媒体に対する記録ヘッドの走査順序を用いて説明する図である。なお、図17(a)および(b)では、インクの付与順序が分かりやすいようにエッジ、非エッジのデータはマスク処理を行っていないものを示している。また、図17(a)及び図17(b)において、走査開始方向は領域(1)、(3)ではX方向、領域(2)では−X方向である。
走査方向がX方向か−X方向かに関わらず、全ての非エッジ部には、記録ヘッド301b及び301aを用いて記録を行う。記録ヘッド301b及び記録ヘッド301aにより記録を行うことにより、走査解像度は実施形態2と比較して下がるもののデータの補完をすることができる。
エッジ部は、走査開始方向がX方向の場合、まず、X方向に走査する時に記録ヘッド302aで記録を行い、続いて記録ヘッド301aで記録を行う。走査開始方向が−X方向の場合、X方向に走査する時に、記録ヘッド302bで記録を行い、続いて記録ヘッド301bで記録を行う。走査開始方向が−X方向の場合、記録ヘッドを−X方向に走査する時に、記録ヘッド302aで記録を行わない。これは記録302aで記録する以前に、記録ヘッド301aが通過してしまうためであり、低浸透Bkインクに続いて高浸透Bkインクの記録が行えないため、鮮鋭性が低下する可能性があるためである。
(実施形態6)
以上の第1〜第5の実施形態ではBkインクが高浸透インクと低浸透インクに該当する場合について説明したが、本発明の適用はこの形態に限られないことはもちろんである。例えば、カラー画像が隣接している場合には、エッジ部検出処理を行わずに非エッジ部として記録することが行われる。
図18(a)〜(l)は、この場合の振り分け処理をデータの形態で示す図である。図18(a)に示す記録データのうち、斜線部はカラー画像の記録データであり、黒塗り部は、図9(a)と同様、2値Kデータである。図18(f)は、非エッジ部データ2103を示し、図18(b)はエッジ部データ2003を示している。図9に示す形態と比較すると、カラーが隣接しているために、Bk単独ではエッジと考えられる右端が非エッジデータとして生成される。
以上の各実施形態から明らかなように、本発明は、高浸透の第1のインクを吐出する記録ヘッドと、第1のインクと同一の色相であって第1のインクより記録媒体に対する浸透性が低い低浸透の第2のインクを吐出する記録ヘッドを用いて記録を行う。その際に、記録領域のうち、記録が行われない非記録領域と接する外周領域を、第1のインクおよび第2のインクで記録し、内部領域を、第1のインクで記録するよう、それぞれの記録ヘッドからの第1および第2のインクの吐出を制御するものである。また、一実施形態では、外周領域を、第1のインクを吐出する第1のノズル列、またはこのノズル列とは別の、第1のインクを吐出する第3のノズル列と、前記第2のインクを吐出する第2のノズル列とを用いて記録する。さらに、記録ヘッドの走査の方向に第1記録ヘッド、第2記録ヘッド、第3記録ヘッドをこの順に配置することにより、記録ヘッドを往復走査させて記録する際、いずれの方向の走査においてもエッジ部を低浸透インク、高浸透インクの順に記録を行うことができる。また、低浸透インクの記録ヘッドと高浸透インクの記録ヘッドをノズル配列方向(副走査方向)に配置することで、エッジ部に対して低浸透インク、高浸透インクの順に記録が行われるようにすることもできる。さらに、一実施形態では、第1のインクは前記第2のインクより表面張力が低く、かつ第1のインクは第2のインクより色材量の割合が高いものである。
201〜206 記録ヘッド
301 記録制御部
407 2値KCMYデータ
408 エッジ処理部

Claims (9)

  1. 第1のインクを吐出するためのノズル列と、前記第1のインクと同系色で前記第1のインクより記録媒体に対する浸透性が低い第2のインクを吐出するためのノズル列とを備える記録ヘッドを記録媒体に対して走査して記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドにより記録される記録領域のうち、記録が行われない非記録領域と接する外周領域を、第1のインクおよび第2のインクで記録し、前記記録領域のうち、前記外周領域と接する内部領域を、第2のインクを用いずに第1のインクで記録するよう、前記記録ヘッドからの第1および第2のインクの吐出を制御する記録制御手段
    を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1のインクは前記第2のインクより表面張力が低く、かつ前記第1のインクは前記第2のインクより色材量の割合が高いことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録制御手段は、前記外周領域を、前記第1のインクを吐出する第1のノズル列または前記第1のインクを吐出する第3のノズル列と、前記第2のインクを吐出する第2のノズル列とを用いて記録することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録制御手段は、前記内部領域を、前記第1のノズル列および前記第3のノズル列を用いて記録することを特徴とする請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第1のインクと前記第2のインクはブラックのインクであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1のインクおよび前記第2のインクの色材は顔料であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第1のインクの表面張力が20〜40mN/mであり、前記第2のインクの表面張力が40〜60mN/mであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第1のインクおよび前記第2のインクの色材量の割合(重量%)が、
    前記第1のインクの色材量≧3
    前記第2のインクの色材量≦2
    であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 第1のインクを吐出するノズル列と、前記第1のインクと同系色で前記第1のインクより記録媒体に対する浸透性が低い第2のインクを吐出するノズル列とを備える記録ヘッドを記録媒体に対して走査して記録を行うためのインクジェット記録方法であって、
    前記記録ヘッドにより記録される記録領域のうち、記録が行われない非記録領域と接する外周領域を、第1のインクおよび第2のインクで記録し、前記記録領域のうち、前記外周領域と接する内部領域を、前記第2のインクは用いずに第1のインクで記録するよう、前記記録ヘッドからの第1および第2のインクの吐出を制御する記録制御工程
    を有したことを特徴とするインクジェット記録方法。
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