JP2012023079A - リアクトル - Google Patents

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信也 浦田
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Abstract

【課題】簡易な構成で漏れ磁束による渦電流損失を効果的に抑制できるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトルは、2つの脚部18を有するU字状またはコ字状をなすコア部材16を2つ含み、コア部材16の各脚部18の端面20を所定ギャップを介してそれぞれ対向配置して構成されるリアクトルコア12と、ギャップ24を介して対向する各コア部材16の脚部18の周囲に巻回される2つのコイル14とを備える。環状のリアクトルコア12の内周側に面する脚部18の端面辺部54が、リアクトルコア12の外周側に面する脚部18の端面辺部56に比べて大きく角落とし処理されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、リアクトルに関し、特に、2つのU字状またはコ字状のコア部材をギャップを介して環状に連結してなるリアクトルコアと、ギャップを含んで各コア部材の脚部の周囲に巻回される2つのコイルとを備えるリアクトルに関する。
従来、直流電圧を昇圧する昇圧コンバータの部品としてリアクトルが用いられている。このリアクトルは、一般に、磁性材料からなる複数のコア材を非磁性ギャップ板を介して環状に接着して連結したリアクトルコアと、コア部材の連結部の周囲に巻装されたコイルとを含んで構成される。このようなリアクトルでは、コイルに流れる電気エネルギーを磁気エネルギーとしてリアクトルコア内に一時的に蓄えることができる。
上記リアクトルにおいて、コイルに通電されてリアクトルコアが励磁されるとき、コア部材の連結部において漏れ磁束が生じ易い。この漏れ磁束は、非磁性ギャップ板の外周を回り込むようにして、一方のコア部材の端部から他方のコア部材の端部へと流れ込む。このような漏れ磁束がその周囲に巻回されたコイルと鎖交すると、コイル内に渦電流が生じ、渦電流損失が発生することになる。
上記渦電流損失を低減するため、例えば特開2008−210998号公報(特許文献1)では、エアギャップ(9)を介して対向する中央磁脚(12,12)の周囲に巻回されるコイルを分割銅材1と分割銅材2とに2分割し、分割銅材1と分割銅材2との間に空間部分である分割点(15)を設けたエアギャップ付きリアクトル素子が記載されている。
また、特開2009−32922号公報(特許文献2)には、磁性を有する複数のコア材(1,2)と、隣接するコア材(1,2)の間に介装される非磁性を有するギャップ板(3)と、から形成され、コア材(1,2)の対向面とギャップ板(3)の対向面が接着剤層(4)を介して固定されるリアクトルコアにおいて、ギャップ板の対向面以外の周面に、コア材から漏れた漏れ磁束を引き寄せて隣接するコア材に該漏れ磁束を流すための、漏れ磁束の引き寄せ伝達手段(6)を形成することが記載されており、この引き寄せ伝達手段(6)として強磁性体の無端状突起が例示されている。
特開2008−210998号公報 特開2009−32922号公報
上記特許文献1記載のように、エアギャップを介して対向する中央磁脚の周囲に巻回されるコイルを2分割すると、分割されたコイル同士を電気的に接続する構造や、各分割コイルを中央磁脚に対して個別に支持する構造が必要となり、構造が複雑になるという問題がある。
また、リアクトルコアにおいては直流成分にリプル成分が重畳した漏れ磁束が発生するが、上記特許文献2記載のように強磁性体からなる漏れ磁束引き寄せ伝達手段で漏れ磁束を引き寄せて隣接するコア部材へと流すという、いわゆる磁気シールドを設ける構成では、磁気シールドが周波数成分ごとに漏れ磁束を分離できないため、直流成分を含んだ全ての漏れ磁束についての対策が必要になる。このため、全ての漏れ磁束に効果的な磁気シールドを施すとなると磁気シールドの構造が大きくなってリアクトルコア自体が大型化する、磁気シールドの非線形磁気特性によりリアクトルの直流重畳特性の線形性が低下する、また、ギャップ板の構造が複雑になるといった問題がある。
本発明の目的は、簡易な構成で漏れ磁束による渦電流損失を効果的に抑制できるリアクトルを提供することにある。
本発明に係るリアクトルは、2つの脚部を有するU字状またはコ字状をなすコア部材を2つ含み、前記コア部材の各脚部の端面をギャップを介してそれぞれ対向配置して構成される環状のリアクトルコアと、前記ギャップを介して対向する前記各コア部材の脚部の周囲にそれぞれ巻回される2つのコイルとを備えるリアクトルであって、前記環状のリアクトルコアの内周側(窓内側)に面する前記脚部の端面辺部が、前記リアクトルコアの外周側(窓外側)に面する前記脚部の端面辺部に比べて大きく角落とし処理されているものである。
本発明に係るリアクトルにおいて、前記角落とし処理は、前記コア部材の脚部の端面間のギャップが前記脚部の幅方向に関して前記内周側に接近するほど大きくなるように、前記コア部材の脚部の前記内周側の端面辺部が形成されることによって実施されてもよい。
また、本発明に係るリアクトルにおいて、前記角落とし処理では、前記コア部材の脚部の前記内周側の端面辺部が湾曲面として形成されるか又は前記辺部が角落とし平面として形成されてもよい。
また、本発明に係るリアクトルにおいて、前記内周側に面する前記脚部の端面辺部について前記角落とし処理が施される前記端面上の開始位置から前記コア部材の脚部の内周側面までの距離が、前記コア部材の脚部の全幅に対して15〜40%であってもよい。
また、本発明に係るリアクトルにおいて、前記コア部材は矩形状の断面形状および脚部端面形状を有し、前記環状のリアクトルコアの内周側に面する前記脚部の内周側面と前記コイルの内周部との間の距離が前記コイルの全長にわたって一定寸法となるよう前記コイルが形成される一方、前記環状のリアクトルコアの外周側に面する前記脚部の外周側面と前記コイルの内周部との間の距離について前記ギャップ近傍における寸法が前記コイルの両端部における前記一定寸法よりも大きく形成されていてもよい。
この場合には、前記内周側面と前記外周側面とを除く前記コア部材の脚部の第1および第2の側面と前記コイル内周部との間の距離のうち少なくともいずれか一方について、前記ギャップ近傍における寸法がコイル両端部における前記一定寸法よりも大きく形成されていてもよい。
また、この場合には、前記距離が大きく形成されているコイル部分は、前記ギャップ間の中心位置を対称軸として、前記ギャップの寸法の3〜6倍の長さに形成されていてもよい。
そして、この場合には、前記距離は前記ギャップに対応する位置で最大寸法となり、この最大寸法は前記コイル両端部における前記距離である最小寸法よりも20%以上大きくてもよい。
さらに、この場合には、前記距離が大きく形成されているコイル部分は、前記ギャップ間の中心位置を対称軸として前記ギャップの寸法の3〜6倍の長さに形成され、この長さの30%以下に相当する距離変化領域において前記距離が最小寸法と最大寸法との間で漸増または漸減し、前記距離変化領域以外では前記距離が前記最大寸法に設定されていてもよい。
本発明に係るリアクトルでは、コア部材について、環状のリアクトルコアの内周側に面する脚部の端面辺部が、リアクトルコアの外周側に面する脚部の端面辺部に比べて大きく角落とし処理されている。これにより、リアクトルコアの内周側では、対向する脚部端面間のギャップが外周側よりも大きく形成されて磁気抵抗が比較的大きくなる。その結果、拡大されたギャップ部分におけるコア部材からの漏れ磁束量を小さくできると共に漏れ磁束が環状リアクトルコアの内側へ膨れ出るのを抑えることができる。したがって、リアクトルコアの内周側においてコイルを通過する漏れ磁束鎖交量を減少させることができ、これにより渦電流損失を効果的に低減できる。
このように本発明に係るリアクトルによれば、コイル分割や磁気シールドを施すことなく、コア部材の脚部の内周側辺部を比較的大きく角落とし処理するという簡易な構成で、コイルに発生する渦電流損失を効果的に抑制できる。
また、コア部材の端面の外周側については比較的小さく角落とし処理されるか又は角落とし処理無しとすることにより磁路面積が確保され、これによりコイルに通電される直流電流に対するリアクトルコアのインダクタンスの線形性を維持することができる。
本発明の一実施の形態(以下、実施形態という)であるリアクトルの平面図である。 図1に示すリアクトルの一部断面図(ボビンを省略)である。 ボビンの平面図である。 図2中のA部拡大図である。 図2中のB部拡大図である。 図2におけるC−C線断面図(コア端面を含む)である。 角落とし平面により角落とし処理したコア部材の脚部の内周側辺部を示す、図5と同様の図である。 従来例との比較において本実施形態のリアクトルの渦電流損失低減の確認結果を示す図である。 本発明の別の実施形態であるリアクトルを示す、図2と同様の図である。
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1は本発明の一実施形態であるリアクトル10の上面を示し、図2は図1のリアクトル10の上面と平行な平面で切断したときの断面の一部を示す。図2においてボビン26の図示が省略されている。
リアクトル10は、リアクトルコア12と2つのコイルとを備える。リアクトルコア12は、略U字状または略コ字状の上面形状をなす2つのコア部材16から構成されている。コア部材16は、平行に突出した2つの脚部18,18を有する。各脚部18の端面20は、矢印X方向からコア部材16を見たとき、長方形や正方形等に代表される矩形状に形成されている。また、コア部材16は、一方の脚部18の端面から他方の脚部18の端面に至るまで、端面20と同一または同様の矩形状の断面を有する。
コア部材16は、線形性の高い磁気特性を有する磁性材料から形成されており、焼結磁心、圧粉磁心、電磁鋼板の積層体等で構成されている。コア部材16が例えば珪素鋼板等の電磁鋼板の積層体で構成されるとき、略U字状に打ち抜き加工された複数の電磁鋼板を積層して溶接、接着、カシメ等の締結方法によって一体に固定するか、あるいは、リアクトルコア12の中央に形成される窓部22にほぼ相当する外形の巻型の周囲に帯状の電磁鋼板を所定回数だけ巻回して端部を巻回体の外周に溶接等で固定し、巻型から上記巻回体を取り外して2分割することによって、各コア部材16が形成されてもよい。以下、環状のリアクトルコア12を構成するコア部材16に関し、窓部22に面する内側を内周または内周側といい、その反対側である外側を外周または外周側という。
2つのコア部材16は、各脚部18の端面20が所定幅gのギャップ24を介してそれぞれ対向するように配置され、各ギャップ24に介装される非磁性のギャップ板(図示せず)を挟んで接着固定されることにより環状に連結される。非磁性のギャップ板は、例えばセラミックスにより好適に形成されることができる。リアクトル10では、コア部材16の長さおよび2つのギャップ24の幅gが精密に設定されて、所望の磁路長およびインダクタンスが実現されている。
2つのコイル14は、ギャップ24を介して対向する各コア部材16の脚部18の周囲にそれぞれ巻回されている。各コイル14の一端部は互いに電気的に接続され、各コイル14の他端部はリアクトル10の外部端子(図示せず)にそれぞれ接続されている。コイル14は、帯状の銅線等からなる導線が巻回されてなるエッジワイズコイルにより構成されている。コイル14の隣接する各ターン間は、それ自身に被覆形成されたエナメル等の絶縁材料によって電気的絶縁が確保されている。また、コイル14の各ターン間に絶縁紙等の絶縁部材を介在させて密着巻きすることによって、各ターン間の電気的絶縁が一層強化されてもよい。さらに、コイル14の隣接するターン間に隙間を形成して巻回し、リアクトルコア12に対して施される樹脂モールドのモールディング材料が上記隙間に充填されることによって、各ターン間の電気的絶縁がより一層強化されてもよい。
なお、本実施形態ではコイル14がエッジワイズコイルにより構成されるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、コイルは円形断面を有する導線を巻回して構成されてもよい。
コイル14は、絶縁樹脂製のボビン26の周囲に巻回されて形成される。ボビン26は、図3に示すように、略矩形筒状の胴部28と、胴部28の両端にそれぞれ一体形成されたフランジ部30,30とを有する。ボビン26は、胴部28およびフランジ部30を貫通して延伸する収容穴32を含む。収容穴32は、コア部材16の脚部18の外形にほぼ対応した矩形状に形成されている。また、胴部28の外周部は、後述するようにコイル14の内周部とコア部材16の側面との間の隙間がコイル中央部分においてコイル端部側部分よりも大きく形成されるように、例えば三方へ膨出した形状に形成されている。ここで、図3における上記「三方」とは、右側と、図3の紙面に関して手前側および奥側とである。
なお、ボビン26において一方または両方のフランジ部30が胴部28と別部材として形成されてもよいし、あるいは、フランジ部が省略されてもよいし、あるいは、ボビン自体が省略されてもよい。
図4は図2中のA部の拡大図であり、図5は図2中のB部の拡大図であり、図6は図2においけるC−C線断面図(コア部材16の端面20を含む)である。図4〜6においてはボビン26の図示が省略されている。
図6に示すように、コア部材16の脚部18は矩形状をなすことから、端面20に接続する4つの側面を有する。具体的には、上記4つの側面は、内周側面36と、外周側面38と、これら内周側面36および外周側面38とそれぞれ接続される互いに平行な第1および第2の側面40,42とである。以後、内周側面36および外周側面38と直交する方向を幅方向といい、第1および第2の側面40,42と直交する方向を厚さ方向といい、端面20と直交する方向を長さ方向という。また、上記第1および第2の側面40,42を上側面40および下側面42と便宜上いうこととする。ただし、コア部材16の端面20が例えば鉛直方向と直交するような姿勢などでリアクトルコア12が設置される場合には、上記第1および第2の側面は上側面および下側面とはいえないことに留意されたい。
図4に示すように、コイル14は、コイル内周部44とコア部材16の脚部18の外周側面38との間の距離または寸法がコイル両端部側よりもギャップ24近傍で大きく形成されている。具体的には、長さ方向に関してコイル14は、両端部に位置するコイル端部部分46と、ギャップ24の近傍に位置するコイル中央部分48とを有する。そして、コイル端部部分46におけるコイル内周部44とコア部材16の外周側面38との間の距離よりも、コイル中央部分48におけるコイル内周部44とコア部材16の外周側面38との間の距離が大きく形成されている。
本実施形態に即してより詳細に記述すれば、コイル中央部分48は、外周側面38との間の距離が最大寸法Dで一定となっているギャップ対向領域50と、外周側面との間の距離が最小寸法dから最大寸法Dへと、または、この逆へと漸増または漸減する距離変化領域52とからなっている。上記コイル両端部分46におけるコイル内周部44とコア部材16の外周側面38との間の距離dは、ボビン26の胴部28の厚み寸法にほぼ相当し、コイル14とコア部材16との間の電気絶縁を確保できる寸法に設定されている。
言い換えれば、コイル端部部分46と比較すると、距離変化領域52ではコイル14を構成する導線15がコア部材16の脚部18から徐々に遠ざかる方向にずれて巻かれており、ギャップ対向領域50ではコイル14を構成する導線15がコア部材16の脚部18から遠ざかる方向に最大寸法Dだけずれた位置で例えば数ターン分巻かれている。このようなコイル14は、ボビン26の胴部28の外形寸法(ボビンが省略される場合には、コイル14を巻回して成形するための巻型の外形寸法)を規定しておくことにより容易に形成されることができる。
ここで、コイル14に関し、上記最大寸法Dは、上記最小寸法dよりも20%以上大きいことが好ましい。また、コイル14に関し、上記距離が大きく形成されているコイル中央部分48は、ギャップ24間の中心位置34を対称軸として上記ギャップ24の寸法gの3〜6倍の長さLに形成されているのが好ましい。さらに、コイル14に関し、上記距離変化領域52の長さは、コイル中央部分48の長さLの30%以下に相当するのが好ましい。コイル14に関するこれらの数値は、後述するように渦電流損失を効果的に低減することと、導線15が外側へ膨らんで巻かれることによってコイル14の体格が大型化することとのバランスを考慮して、好適に選択されたものである。
また、コア部材16の脚部18において、端面20と外周側面38とによって規定される外周側辺部56は、欠け防止のために曲率半径rの湾曲面として形成されている。この曲率半径rは、後述する内周側辺部54の曲率半径Rに比べてかなり小さいものである。極端には、上記曲率半径r=0、すなわち外周側辺部は角落とし処理が施されていない直角の角部として形成されてもよい。このような欠け防止のための曲率半径rの湾曲面による角落とし処理、または、角落とし処理無しは、コア部材16の脚部18の端面20と上側面40とによって規定される上辺部、および、端面20と下側面42とによって規定される下辺部についても適用される。
なお、本実施形態では、コイル内周部44とコア部材16の脚部18の外周側面38との間の距離が台形状プロファイルに沿って変化するように説明および図示したが、これに限定されるものではなく、例えば、コイル内周部と外周側面との間の距離が円弧状プロファイルに沿って変化するようにコイルが形成されてもよい。
図6を参照すると、コイル14のコイル内周部44とコア部材16の脚部18の上側面40との間の距離、および、コイル14のコイル内周部44とコア部材16の脚部18の下側面42との間の距離も、上述したコイル内周部44とコア部材16の脚部18の外周側面38との間の距離と同様に設定されている。
一方、図5,6を参照すると、コイル14は、コイル内周部44とコア部材16の脚部18の内周側面36との間の距離は、コイル14の全長にわたって一定寸法となるように形成されている。この一定寸法は上記最小寸法dと同じであり、ボビン26の胴部28の厚み寸法に相当する。このようにコイル14の内側部分を形成するのは、リアクトルコア12の窓部22においては2つのコイル14が近接して配置されていることから、外側部分と同様にコア部材16から遠ざかる方向へずらして巻回したコイル形状にすると隣接するコイル14,14間で干渉することとなるからである。また、このようなコイル14,14間の干渉を避けるためにコア部材16の2つの脚部18,18間を広げることが考えられるが、そうするとリアクトルコア12の体格が大型化すると共にコア部材を形成するための新たな成形型が必要になるという不都合が生じる。
コイル内周部44とコア部材16の脚部18の内周側面36との間の距離をコイル全長にわたって最小距離dで一定とする一方で、コア部材16の脚部18の端面20間のギャップ24が幅方向に関して内周側面36に接近するほど大きくなるように、コア部材16の脚部18における端面20と内周側面36とによって規定される辺部54が角落とし処理されている。
具体的には、この角落とし処理では、脚部18の内周側辺部54が曲率半径Rの湾曲面として形成されている。この曲率半径Rは、端面20と外周側面とによって規定される外周側の辺部56に欠け防止のために形成される曲率半径rの湾曲面(または角落とし平面)(図5参照)と比較して、かなり大きく設定されている。このようにギャップ24を内周側面36に向かって拡大することで、この部分についてコア部材16の脚部18間の磁気抵抗を大きくしている。このような曲率半径Rの湾曲面により角落とし処理した場合、端面20上における角落とし処理の開始位置からコア部材16の脚部18の内周側面36までの距離が上記曲率半径Rに相当する。
ここで、上記曲率半径Rは、コア部材16の脚部18の全幅に対して15〜40%であることが好ましい。この数値範囲よりも大きくなると、コア端面20のうち平坦部分での磁束密度が過度に大きくなって磁気飽和が発生し、コイル14に通電される直流電流に対するリアクトルコア12のインダクタンスの線形性が確保できなくなるからである。一方、上記数値範囲よりも小さいと、内周側辺部54でのギャップ拡大による磁気抵抗の増加が不十分となり、後述する渦電流損失の低減効果が限定されるからである。
図7に示すように、コア部材16の脚部18の内周辺部54に施される角落とし処理は、角落とし辺面59によって実施されてもよい。この場合、端面20上における角落とし処理の開始位置から内周側面36までの距離または寸法Eは、上記曲率半径Rの場合と同様の理由から、コア部材16の脚部18の全幅に対して15〜40%であることが好ましい。また、角落とし平面59によって切り落とされる三角形部分60の長さ方向の距離または寸法Fは、上記距離Eと同じであることが好ましいが、異なる値に設定されてもよい。
なお、本実施形態では、コア部材16の脚部18の内周側辺部54が曲率半径Rによって規定される湾曲面、または、角落とし平面59として形成されると説明したが、これに限定されるものではなく、上記内周側辺部は、内周側面36に向かってギャップ24が拡大する形状であれば如何なる形状の湾曲面または平面によって形成されてもよい。
続いて、上記構成からなるリアクトル10の作用および効果について説明する。
リアクトル10のコイル14に通電されると、リアクトルコア12が通電により励磁されて、コア部材16の内部および各脚部18間のギャップ24が磁路となる。このとき、図4に示すように、コア部材16の脚部18のギャップ24近傍において漏れ磁束Mが生じる。この漏れ磁束Mは、外周辺部56付近から外側へ膨れだすように漏れて、一方のコア部材16の脚部18から他方のコア部材16の脚部18へと流れ込む。
このような漏れ磁束Mがその周囲に巻回されたコイル14と交差すると、コイル14内に渦電流が生じ、これにより渦電流損失が発生する。しかし、本実施形態のリアクトル10では、コイル14について、コイル内周部44とコア部材16の外周側面38との間の距離がコイル両端部46側に比べて大きく形成されている。また、この距離は、漏れ磁束Mが最も膨れだす領域に対応するコイル14のギャップ対向領域50において最大寸法Dとなるように形成されている。これにより、漏れ磁束Mのコイル14との鎖交面積を小さくすることができ、渦電流損失を低減できる。この効果は、図6に示されるように、コイル内周部44とコア部材16の脚部18の外周側面38との間の距離だけでなく、コイル内周部44とコア部材16の脚部18の上側面40との間の距離、および、コイル内周部44とコア部材16の下側面42との間の距離についても、大きくなるようにコイル14が形成されていることによって一層顕著となる。
また、コイル内周部44とコア部材16の外周側面38との間の距離をコイル全長にわたって最大寸法Dに広げてしまうと、コイル両端部46とコア部材16の外周側面38との間を通る磁束が増えるため、その磁束がコイル14に鎖交しやすくなり渦電流損失が却って大きくなるが、本実施形態のリアクトルではそのような問題も生じない。
さらに、コイル内周部44とコア部材16の脚部18との間の距離をコイル全長にわたって一様に大きくするとコイル14を構成する導線15が長くなるのに伴って抵抗損失が増加するが、本実施形態では上記距離がコア部材16間のギャップ24近傍においてコイル両端部46よりも大きくなるようにコイル14が形成されているので、コイル導線長の増加による抵抗損失の増大を最小限に抑制することができる。
一方、図6に示すように、リアクトルコア12の窓部22内に位置するコイル14の内周部分については、隣接する2つのコイル14間での干渉を避けるために、コイル内周部44とコア部材16の脚部18の内周側面36との間の距離がコイル全長にわたって最小寸法dで一定となるように形成されている。ただし、コア部材16の脚部18の端面20間のギャップ24が幅方向に関して内周側面36に接近するほど大きくなるように、コア部材16の脚部18における端面20と内周側面36とによって規定される辺部54が角処理されており、これによりギャップ24が内周側面36に向かって拡大することで、この拡大部分についてコア部材16の脚部18間の磁気抵抗が大きくなっている。その結果、上記角処理された辺部54付近から流れ出る漏れ磁束Mの量を減少させることができ、かつ、漏れ磁束Mが窓部22側へ膨れ出るのを抑えることができる。これにより、コイル内周部についても漏れ磁束Mのコイル14との鎖交面積を小さくすることができ、渦電流損失を低減できる。
このように本実施形態のリアクトル10によれば、コア部材16について、環状のリアクトルコア12の内周側に面する脚部18の端面辺部54を、リアクトルコア12の外周側に面する脚部18の端面辺部56に比べて大きく角落とし処理するという簡易な構成で、リアクトルコア12の内周側においてコイル14を通過する漏れ磁束鎖交量を減少させることができ、これにより渦電流損失を効果的に低減することができる。
加えて、本実施形態のリアクトル10では、コイル内周部44とコア部材16の外周側面38との間の距離がコア部材16間のギャップ24近傍で大きくなるようにコイル14を形成することでも、コイル14に発生する渦電流損失を効果的に抑制できる。
図8に、本実施形態のリアクトル10におけるコイル14の渦電流損失を低減する効果を検証した解析結果を示す。図8中の下側の図において、右側は、コア部材16の内周辺部54に角落とし処理を施した場合のコイル14を構成する半分(9つ)の導線断面における渦電流損失(kw/m3)の発生状態を示し、左側が角落とし処理無しのコア部材16を用いた場合の従来例のコイル(コイル内周部とコア部材の脚部の全側面との間の距離が最小寸法dで一定であるコイル)14bを構成する半分(9つ)の導線断面における渦電流損失の発生状態を示す。図8から明らかなように、ドット密度で示される渦電流損失が本実施形態におけるコイル14でかなり低減されていることがわかり、数値としては従来例のコイル14bと比べて渦電流損失を約20%程度低減できることが確認された。
次に、図9を参照して別の実施形態のリアクトル11について説明する。この実施形態のリアクトル11は、上述したリアクトル10とほぼ同様の構成を有しているため、ここでは主として異なる点についてのみ説明することとし、同一または類似の構成については同一または類似の符合を付して重複することとなる説明を援用により省略する。
この別の実施形態のリアクトル11では、コイル14aの外周部分についても、リアクトルコア12の窓部22内に位置する内周部分と同様に、コイル内周部44とコア部材16の外周側面38との間の距離がコイル全長にわたって最小寸法dで一定となるようにコイル14aが形成されている。また、コア部材16の脚部18の外周側辺部56については、上記内周側辺部54の曲率半径Rよりも小さいが上記欠け防止用の曲率半径rよりも大きい曲率半径を有する湾曲面(または、同等の角落とし平面)によって角落とし処理されている。このように外周側辺部56についての曲率半径を規定するのは、脚部18の端面20の平坦部分が外周側で減少することによる磁気飽和の発生を抑えながら、コイル14aの外周部分についての渦電流損失を効果的に低減させるためである。これら以外の構成については、上記リアクトル10と同様である。
本実施形態のリアクトル11によれば、コイル14aの内周部分に加えて外周部分についても渦電流損失を効果的に低減できる。また、コイル14aの外周部分を外側へ膨れ出さずに形成するので、コイル14aを含むリアクトル11の幅方向の小型化を図れると共に、コイル導線長の増加が抑えられて抵抗損失をより最小限に抑えられる。
なお、上記各実施形態においては、コイル内周部44とコア部材16の脚部18の上側面40との間の距離、および、コイル内周部44とコイル内周部44とコア部材16の脚部18の下側面42との間の距離の両方についてもギャップ24近傍において大きくなるようにコイル14,14aを形成したが、本発明に係るリアクトルはこれに限定されるものではなく、いずれか一方の距離だけがギャップ近傍で拡大するようにコイル14,14aが形成されてもよい。
10 リアクトル、12 リアクトルコア、14,14a コイル、15 導線、16 コア部材、18 脚部、20 端面、22 窓部、24 ギャップ、26 ボビン、28 胴部、30 フランジ部、32 収容穴、34 中心位置、36 内周側面、38 外周側面、40 上側面、42 下側面、44 コイル内周部、46 コイル端部部分、48 コイル中央部分、50 ギャップ対向領域、52 距離変化領域、54 内周側辺部,56 外周側辺部、58 角落とし平面、D 最大寸法、d 最小寸法、M 漏れ磁束、R,r 曲率半径。

Claims (9)

  1. 2つの脚部を有するU字状またはコ字状をなすコア部材を2つ含み、前記コア部材の各脚部の端面をギャップを介してそれぞれ対向配置して連結される環状のリアクトルコアと、前記ギャップを介して対向する前記各コア部材の脚部の周囲にそれぞれ巻回される2つのコイルとを備えるリアクトルであって、
    前記環状のリアクトルコアの内周側に面する前記脚部の端面辺部が、前記リアクトルコアの外周側に面する前記脚部の端面辺部に比べて大きく角落とし処理されていることを特徴とするリアクトル。
  2. 請求項1に記載のリアクトルにおいて、
    前記角落とし処理は、前記コア部材の脚部の端面間のギャップが前記脚部の幅方向に関して前記内周側に接近するほど大きくなるように、前記コア部材の脚部の前記内周側の端面辺部が形成されることによって実施されることを特徴とするリアクトル。
  3. 請求項2に記載のリアクトルにおいて、
    前記角落とし処理では、前記コア部材の脚部の前記内周側の端面辺部が湾曲面として形成されるか又は前記辺部が角落とし平面として形成されることを特徴とするリアクトル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトルにおいて、
    前記内周側に面する前記脚部の端面辺部について前記角落とし処理が施されるときの前記端面上における角落とし処理の開始位置から前記コア部材の脚部の内周側面までの距離が、前記コア部材の脚部の全幅に対して15〜40%であることを特徴とするリアクトル。
  5. 請求項1に記載のリアクトルにおいて、
    前記コア部材は矩形状の断面形状および脚部端面形状を有し、前記環状のリアクトルコアの内周側に面する前記脚部の内周側面と前記コイルの内周部との間の距離が前記コイルの全長にわたって一定寸法となるよう前記コイルが形成される一方、前記環状のリアクトルコアの外周側に面する前記脚部の外周側面と前記コイルの内周部との間の距離について前記ギャップ近傍における寸法が前記コイルの両端部における前記一定寸法よりも大きく形成されていることを特徴とするリアクトル。
  6. 請求項5に記載のリアクトルにおいて、
    前記内周側面と前記外周側面とを除く前記コア部材の脚部の第1および第2の側面と前記コイル内周部との間の距離のうち少なくともいずれか一方について、前記ギャップ近傍における寸法がコイル両端部における前記一定寸法よりも大きく形成されていることを特徴とするリアクトル。
  7. 請求項5または6に記載のリアクトルにおいて、
    前記距離が大きく形成されているコイル部分は、前記ギャップ間の中心位置を対称軸として、前記ギャップの寸法の3〜6倍の長さに形成されていることを特徴とするリアクトル。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載のリアクトルにおいて、
    前記距離は前記ギャップに対応する位置で最大寸法となり、この最大寸法は前記コイル両端部における前記距離である最小寸法よりも20%以上大きいことを特徴とするリアクトル。
  9. 請求項5〜8のいずれか一項に記載のリアクトルにおいて、
    前記距離が大きく形成されているコイル部分は、前記ギャップ間の中心位置を対称軸として前記ギャップの寸法の3〜6倍の長さに形成され、この長さの30%以下に相当する距離変化領域において前記距離が最小寸法と最大寸法との間で漸増または漸減し、前記距離変化領域以外では前記距離が前記最大寸法に設定されていることを特徴とするリアクトル。
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