JP2012021499A - スタータ - Google Patents

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孝紀 守屋
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淳平 筧
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Abstract

【課題】ピニオンギヤと、フライホイールの外周に設けられたリングギヤとを円滑に係合する。
【解決手段】スタータは、モータと、モータにより回転されるとともに、正転方向側の歯面264の側端部262に面取り加工が施されたピニオンギヤ260と、面取り加工が施された側端部262から、フライホイールの外周に設けられたリングギヤと係合するようにピニオンギヤ260をリングギヤに向かって移動させるアクチュエータとを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、スタータに関し、特に、歯面に面取り加工が施されたピニオンを備えたスタータに関する。
一般的に、エンジンの始動は、たとえば実開昭56−92750号公報(特許文献1)に記載されているようなスタータを用いてクランキングすることによって行なわれる。実開昭56−92750号公報は、逆転方向側の歯面に面取り加工が施されたピニオンギヤを備えるスタータを開示する。
しかしながら、実開昭56−92750号公報に記載のように、ピニオンギヤの押し出し動作によってピニオンギヤを回転させるモータのスイッチがオンにされるスタータでは、ピニオンギヤを押し出す時点ではピニオンギヤの回転速度が零であるため、ピニオンギヤと、フライホイールまたはドライブプレートの外周に設けられたリングギヤとの係合を確実にするには、エンジンの回転速度が十分に低下するのを待つ必要がある。
したがって、車両が停止し、かつ運転者によりブレーキペダルが操作された状態においてエンジンの自動停止を行なうとともに、たとえば、ブレーキペダルの操作量が零まで減少されるなどの、運転者による再発進の動作によって自動再始動をする、いわゆるアイドリングストップ機能を搭載した車両において、エンジンを自動停止している途中のエンジンの回転速度が比較的高い状態で、エンジンの再始動が要求されても、エンジンを再始動することができない。そのため、エンジンの再始動要求から実際のエンジンのクランキングまでに時間遅れが発生してしまい、運転者に違和感を与えてしまうおそれがあった。
特開2005−330813号公報(特許文献2)には、このような課題を解決するために、ピニオンギヤの係合動作およびピニオンギヤの回転動作が独立して実行可能な構成を有するスタータを用いて、停止要求発生直後のエンジン回転降下期間中に再始動要求が発生した場合に、ピニオンギヤの係合動作に先立ってピニオンギヤの回転動作を行なうとともに、ピニオンギヤの回転速度がエンジン回転速度に同期したときに、ピニオンギヤの係合動作を行なうことによってエンジンの再始動を行なう技術を開示する。
実開昭56−92750号公報 特開2005−330813号公報
しかしながら、ピニオンギヤの逆転方向側の歯面に面取り加工が施されていると、リングギヤの歯の速度がピニオンギヤの歯の速度よりも高い場合、ピニオンギヤの面取り部において、ピニオンギヤをリングギヤから退ける方向に力が作用し得る。その結果、ピニオンギヤとリングギヤとが係合し難くなり得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ピニオンギヤと、エンジンのリングギヤの外周に設けられたリングギヤとを円滑に係合することである。
第1の発明に係るスタータは、エンジンのクランク軸に連結された第1のギヤを回転させるスタータである。スタータは、モータと、モータにより回転されるとともに、正転方向側の歯面の側端部に面取り加工が施された第2のギヤと、面取り加工が施された側端部から第1のギヤと係合するように第2のギヤを第1のギヤに向かって移動させるアクチュエータとを備える。
この構成によると、第2のギヤは、面取り加工が施された側端部から第1のギヤと係合するように第1のギヤに向かって移動する。第2のギヤの正転方向側の歯面の側端部に面取り加工が施される。そのため、第1のギヤの歯の正転方向への速度が第2のギヤの歯の正転方向への速度よりも高い状態において、第2のギヤが面取り部で第1のギヤに対して滑りながら、第2のギヤと第1のギヤとの係合が進行する。よって、第2のギヤと第1のギヤとを円滑に係合することができる。
第2の発明に係るスタータにおいては、アクチュエータは、エンジンの正転方向への出力軸回転速度が零よりも大きい状態において、第2のギヤが第1のギヤに向かって移動するように作動する。
この構成によると、エンジンが完全に停止する前に、第2のギヤを第1のギヤに係合せしめることができる。そのため、たとえばアイドリングストップ機能によってエンジンを自動停止している途中であっても、エンジンの再始動のためのクランキングを速やかに行なうことができる。
第3の発明に係るスタータにおいては、エンジンの正転方向への回転速度が予め定められた回転速度より大きいと、モータは、第2のギヤが回転を開始するように作動する。第2のギヤが回転を開始するようにモータが作動した後、アクチュエータは、第2のギヤが第1のギヤに向かって移動するように作動する。エンジンの正転方向への回転速度が予め定められた回転速度以下であると、アクチュエータは、第2のギヤが第1のギヤに向かって移動するように作動する。第2のギヤが第1のギヤに向かって移動するようにアクチュエータが作動した後、モータは、第2のギヤが回転を開始するように作動する。
この構成によると、エンジンの正転方向への回転速度が比較的高い場合には、第2のギヤと第1のギヤとの速度差を小さくした後で、第2のギヤが第1のギヤに向けて移動される。これにより、第2のギヤと第1のギヤとをより円滑に係合することができる。エンジンの正転方向への回転速度が比較的低い場合は、既に第2のギヤと第1のギヤとの速度差が小さいため、直ちに第2のギヤが第1のギヤに向けて移動される。その後、第2のギヤが回転される。これにより、エンジンを始動するためのクランキングを行なうことができる。
第4の発明に係るスタータは、第2のギヤの逆転方向に回転しながら、アクチュエータによって第1のギヤに向かって移動せしめられるとともに、第1のギヤに向かう方向とは逆方向に第2のギヤが摺動可能であるように第2のギヤを支持する支持部材と、第1のギヤに向かって第2のギヤを付勢するように第2のギヤと支持部材との間に設けられた付勢部材とをさらに備える。
この構成によると、第2のギヤの歯の側面と第1のギヤの歯の側面とが当接し、第2のギヤと第1のギヤとが係合しなかった場合、第2のギヤの歯の側面と第1のギヤの歯の側面とが当接した位置で第2のギヤが逆転する。そのため、第2のギヤの歯の側面と第1のギヤの歯の側面との当接が解除される。その結果、第2のギヤと第1のギヤとが係合する。
車両の全体ブロック図である。 ピニオンギヤの側面図である。 ピニオンギヤの斜視図である。 ピニオンギヤの歯およびリングギヤの歯を示す平面図(その1)である。 ピニオンギヤの歯およびリングギヤの歯を示す平面図(その2)である。 ECUの機能ブロック図である。 スタータの動作モードの遷移を説明するための図である。 エンジン始動動作時の駆動モードを説明するための図である。 ECUが実行する処理の制御構造を示すフローチャートである。 ピニオンギヤの歯およびリングギヤの歯を示す平面図(その3)である。 ピニオンギヤの歯およびリングギヤの歯を示す平面図(その4)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1を参照して、車両10は、エンジン100と、バッテリ120と、スタータ200と、制御装置(以下ECUとも称する。)300と、リレーRY1,RY2とを備える。また、スタータ200は、プランジャ210と、モータ220と、ソレノイド230と、レバー240と、駆動軸250と、スリーブ252と、ピニオンギヤ260とを含む。
エンジン100は、車両10を走行するための駆動力を発生する。エンジン100のクランク軸111は、クラッチや減速機などを含んで構成される動力伝達装置を介して、駆動輪に接続される。
エンジン100には、回転速度センサ115が設けられる。回転速度センサ115は、エンジン100の回転速度Neを検出し、その検出結果をECU300へ出力する。本実施の形態において、エンジン回転速度Neは、エンジン100の正転方向への出力軸回転速度を示す。
バッテリ120は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。バッテリ120は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電などの二次電池を含んで構成される。また、バッテリ120は、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子により構成されてもよい。
バッテリ120は、ECU300によって制御されるリレーRY1,RY2を介して、スタータ200に接続される。そして、バッテリ120は、リレーRY1,RY2が閉成されることによって、スタータ200に駆動用の電源電圧を供給する。なお、バッテリ120の負極は車両10のボディアースに接続される。
バッテリ120には、電圧センサ125が設けられる。電圧センサ125は、バッテリ120の出力電圧VBを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
リレーRY1の一方端はバッテリ120の正極に接続され、リレーRY1の他方端はスタータ200内のソレノイド230の一方端に接続される。リレーRY1は、ECU300からの制御信号SE1により制御され、バッテリ120からソレノイド230への電源電圧の供給と遮断とを切替える。
リレーRY2の一方端はバッテリ120の正極に接続され、リレーRY2の他方端はスタータ200内のモータ220に接続される。リレーRY2は、ECU300からの制御信号SE2により制御され、バッテリ120からモータ220へ電源電圧の供給と遮断とを切替える。また、リレーRY2とモータ220とを結ぶ電力線には、電圧センサ130が設けられる。電圧センサ130は、モータ電圧VMを検出して、その検出値をECU300へ出力する。
上述のように、スタータ200内のモータ220およびソレノイド230への電源電圧の供給は、リレーRY1,RY2によってそれぞれ独立に制御することが可能である。
駆動軸250は、モータ内部のロータ(図示せず)の回転軸と、たとえば減速機などを介して連結される。スリーブ252は、駆動軸250と同心軸で、軸方向に摺動可能であるように設けられる。駆動軸250とスリーブ252とは、駆動軸250の外周面に形成されたヘリカルスプライン254を介して係合する。ヘリカルスプライン254は、スリーブ252がエンジン100のフライホイールまたはドライブプレートの外周に設けられたリングギヤ110の方向に移動しながら、スリーブ252がモータ220の逆転方向、すなわちピニオンギヤ260の逆転方向に回転するように形成される。
スリーブ252のモータ220とは反対側の端部には、ピニオンギヤ260が設けられる。ピニオンギヤ260は、スリーブ252と同心軸で、軸方向に摺動可能であるように設けられる。より具体的には、ピニオンギヤ260は、リングギヤ110に向かう方向とは逆方向に摺動可能であるように、スリーブ252によって支持される。
ピニオンギヤ260の歯面の側端部262には、面取り加工が施される。スリーブ252とピニオンギヤ260とは、スリーブ252の外周面に形成されたストレートスプライン256を介して係合する。さらに、スリーブ252とピニオンギヤ260との間には、リングギヤ110に向かってピニオンギヤ260を付勢するスプリング258が設けられる。
図2〜4を参照して、面取り加工は、ピニオンギヤ260の正転方向側の歯面264の側端部262に施される。図2〜4においては、面取り加工が施された部分を面取り部266として示す。図2および図3における矢印は、ピニオンギヤ260の正転方向を示す。図4における矢印は、ピニオンギヤ260の正転方向に加えて、リングギヤ110(エンジン100の出力軸)の正転方向を示す。
図4に示すように、リングギヤ110の逆転方向側の歯面112の側端部114に面取り加工が施され、ピニオンギヤ260の面取り部266と対応するように面取り部116が形成される。なお、図5に示すように、面取り加工を施さなくてもよい。
図1に戻って、リレーRY2が閉成されることによって、バッテリ120から電源電圧が供給されてモータ220が回転すると、駆動軸250およびスリーブ252を介して、ロータの回転動作がピニオンギヤ260に伝達され、ピニオンギヤ260が回転される。
ソレノイド230の一方端は上述のようにリレーRY1に接続され、ソレノイド230の他方端はボディアースに接続される。リレーRY1が閉成されソレノイド230が励磁されると、ソレノイド230はプランジャ210を矢印の方向に吸引する。すなわち、プランジャ210とソレノイド230とで、アクチュエータ232を構成する。
プランジャ210は、レバー240を介してスリーブ252と結合される。ソレノイド230が励磁されてプランジャ210が矢印の方向に吸引される。これにより、支点245が固定されたレバー240によって、スリーブ252が、図1に示された待機位置から、プランジャ210の動作方向とは逆の方向、すなわちピニオンギヤ260がモータ220の本体から遠ざかる方向に動かされる。また、プランジャ210は、図示しないスプリングによって、図1中の矢印とは逆向きの力が付勢されており、ソレノイド230が非励磁となると、待機位置に戻される。
このように、ソレノイド230が励磁されることによって、スリーブ252が軸方向にリングギヤ110に向かって移動すると、ピニオンギヤ260が、エンジン100のクランク軸111に取付けられたフライホイールまたはドライブプレートの外周に設けられたリングギヤ110と係合する。すなわち、アクチュエータ232は、面取り加工が施された側端部262からリングギヤ110と係合するようにピニオンギヤ260をリングギヤ110に向かって移動させる。ピニオンギヤ260とリングギヤ110とが係合した状態で、ピニオンギヤ260が回転動作することによって、エンジン100がクランキングされ、エンジン100が始動される。
このように、本実施の形態においては、エンジン100のフライホイールまたはドライブプレートの外周に設けられたリングギヤ110と係合するようにピニオンギヤ260(スリーブ252)を移動させるアクチュエータ232と、ピニオンギヤ260を回転させるモータ220とが個別に制御される。
なお、図1には図示しないが、リングギヤ110の回転動作によって、モータ220のロータが回転されないように、スリーブ252と駆動軸250との間にワンウェイクラッチが設けられてもよい。
ECU300は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、記憶装置と、入出力バッファとを含み、各センサの入力や各機器への制御指令の出力を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、一部を専用のハードウェア(電子回路)で構築して処理することも可能である。
ECU300は、アクセルペダル140に設けられたセンサ(図示せず)からのアクセルペダル140の操作量を表わす信号ACCを受ける。ECU300は、ブレーキペダル150に設けられたセンサ(図示せず)からのブレーキペダル150の操作量を表わす信号BRKを受ける。また、ECU300は、運転者によるイグニッション操作などによる始動操作信号IG−ONを受ける。ECU300は、これらの情報に基づいて、エンジン100の始動要求信号および停止要求信号を生成し、それに従って制御信号SE1,SE2を出力してスタータ200の動作を制御する。
図6を参照して、ECU300の機能について説明する。なお、以下に説明するECU300の機能は、ソフトウェアにより実現してもよく、ハードウェアにより実現してもよく、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現してもよい。
ECU300は、判定部302と、制御部304とを備える。判定部302は、エンジン100を始動するか否かを判定する。たとえば、運転者によるブレーキペダル150の操作量が零まで減少すると、エンジン100を始動すると判定される。より具体的には、エンジン100および車両が停止した状態において、運転者によるブレーキペダル150の操作量が零まで減少すると、エンジン100を始動すると判定される。エンジン100を始動するか否かを判定する方法はこれに限らない。エンジン100を始動すると判定した場合、ECU300は、エンジン100の始動要求信号を生成し、出力する。
制御部304は、エンジン100の始動要求信号が出力された場合、すなわち、エンジン100を始動すると判定された場合、ピニオンギヤ260がリングギヤ110に向かって移動した後、ピニオンギヤ260が回転を開始するようにアクチュエータ232およびモータ220が制御される第1のモードと、ピニオンギヤ260が回転を開始した後、ピニオンギヤ260がリングギヤ110に向かって移動するようにアクチュエータ232およびモータ220が制御される第2のモードとのうちのいずれか一方のモードで、アクチュエータ232およびモータ220を制御する。
制御部304は、エンジン回転速度Neが予め定められた第1の基準値α1(α1>0)以下であると、第1のモードでアクチュエータ232およびモータ220を制御する。エンジン回転数Neが零より大きくても、エンジン回転速度Neが第1の基準値α1以下であれば、第1のモードでアクチュエータ232およびモータ220が制御され得る。また、制御部304は、エンジン回転速度Neが第1の基準値α1より大きいと、第2のモードでアクチュエータ232およびモータ220を制御する。
[スタータの動作モードの説明]
図7は、本実施の形態におけるスタータ200の動作モードの遷移を説明するための図である。本実施の形態におけるスタータ200の動作モードには、待機モード410、係合モード420、回転モード430、および全駆動モード440が含まれる。
前述した第1のモードは、係合モード420を経て、全駆動モード440に移行するモードである。第2のモードは、回転モード430を経て、全駆動モード440に移行するモードである。
待機モード410は、スタータ200のアクチュエータ232およびモータ220の両方が駆動されていない状態、すなわちスタータ200へのエンジン始動要求が出力されていない状態を表わす。待機モード410は、スタータ200の初期状態に相当し、エンジン100の始動動作前、エンジン100が始動完了した後、およびエンジン100の始動が失敗したときなどにおいて、スタータ200の駆動が不要となった場合に選択される。
全駆動モード440は、スタータ200のアクチュエータ232およびモータ220の両方が駆動されている状態を表わす。この全駆動モード440においては、ピニオンギヤ260とリングギヤ110が係合した状態で、モータ220によってピニオンギヤ260が回転される。これによって、実際にエンジン100がクランキングされて始動動作が開始される。
本実施の形態におけるスタータ200は、上述のように、アクチュエータ232およびモータ220の各々を、独立して駆動することができる。そのため、待機モード410から全駆動モード440に遷移する過程において、モータ220の駆動に先立ってアクチュエータ232を駆動する場合(すなわち、係合モード420に相当)と、アクチュエータ232の駆動に先立ってモータ220を駆動する場合(すなわち、回転モード430に相当)とがある。
この係合モード420および回転モード430の選択は、基本的には、エンジン100の再始動要求が発生したときの、エンジン100の回転速度Neに基づいて行なわれる。
係合モード420は、アクチュエータ232のみが駆動され、モータ220が駆動されていない状態である。このモードは、ピニオンギヤ260が停止した状態においても、ピニオンギヤ260とリングギヤ110とが係合可能である場合に選択される。具体的には、エンジン100が停止している状態、あるいはエンジン100の回転速度Neが十分に低下した状態(Ne≦第1の基準値α1)の場合に、この係合モード420が選択される。
一方、回転モード430は、モータ220のみが駆動され、アクチュエータ232が駆動されていない状態である。このモードは、たとえば、エンジン100の停止要求直後に、エンジン100の再始動要求が出力されたような場合に、エンジン100の回転速度Neが相対的に高いとき(α1<Ne≦第2の基準値α2)に選択される。
このように、エンジン100の回転速度Neが高いときには、ピニオンギヤ260を停止したままの状態では、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との間の速度差が大きく、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が困難となる可能性がある。そのため、回転モード430においては、アクチュエータ232の駆動に先立ってモータ220のみが駆動され、リングギヤ110の回転速度とピニオンギヤ260の回転速度とを同期させる。そして、リングギヤ110の回転速度とピニオンギヤ260の回転速度との差が十分に小さくなったことに応じてアクチュエータ232が駆動され、リングギヤ110とピニオンギヤ260との係合が行なわれる。そして、動作モードが回転モード430から全駆動モード440へ遷移する。
全駆動モード440の場合に、エンジン100の始動が完了し、エンジン100が自立運転を開始したことに応じて、運転モードは全駆動モード440から待機モード410へ戻される。
このように、エンジン100の始動要求信号が出力された場合、すなわち、エンジン100を始動すると判定された場合、係合モード420を経て、全駆動モード440に移行する第1のモードと、回転モード430を経て、全駆動モード440に移行する第2のモードとのうちのいずれか一方のモードで、アクチュエータ232およびモータ220が制御される。
図8は、本実施の形態において、エンジン始動動作時の2つの駆動モード(第1のモード,第2のモード)を説明するための図である。
図8の横軸には時間が示され、縦軸には、エンジン100の回転速度Ne、第1のモード時および第2のモード時における、アクチュエータ232およびモータ220の駆動状態が示される。
時刻t0において、たとえば車両が停止し、かつ運転者によりブレーキペダル150が操作されているという条件が満たされたことによってエンジン100の停止要求が生成され、エンジン100の燃焼が停止された場合を考える。この場合に、エンジン100が再始動されなければ、実線の曲線W0のように、徐々にエンジン100の回転速度Neが低下し、最終的にエンジン100の回転が停止する。
次に、エンジン100の回転速度Neの低下中に、たとえば、運転者によるブレーキペダル150の操作量が零になったことによってエンジン100の再始動要求が生成された場合について考える。この場合には、エンジン100の回転速度Neによって3つの領域に分類される。
第1の領域(領域1)は、エンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2よりも高い場合であり、たとえば、図8中の点P0において再始動要求が生成されたような状態である。
この領域1は、エンジン100の回転速度Neが十分に高いので、燃料噴射および点火動作によって、スタータ200を用いなくともエンジン100が始動な領域である。すなわち、エンジン100が自立復帰可能な領域である。したがって、領域1においては、スタータ200の駆動が禁止される。なお、上述の第2の基準値α2については、モータ220の最高回転速度によって制限される場合もある。
第2の領域は(領域2)は、エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1および第2の基準値α2の間にある場合であり、図8中の点P1において再始動要求が生成されたような状態である。
この領域2は、エンジン100は自立復帰できないが、エンジン100の回転速度Neが比較的高い状態の領域である。この領域においては、図7で説明したように、回転モードが選択される。
時刻t2において、エンジン100の再始動要求が生成されると、時刻t3において、モータ220が駆動される。これによって、ピニオンギヤ260が回転し始める。そして、時刻t4において、アクチュエータ232が駆動される。そして、リングギヤ110とピニオンギヤ260とが係合されると、エンジン100がクランキングされて、破線の曲線W1のようにエンジン100の回転速度Neが増加する。その後、エンジン100が自立運転を再開すると、アクチュエータ232およびモータ220の駆動が停止される。
第3の領域(領域3)は、エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1よりも低い場合であり、たとえば、図8中の点P2において再始動要求が生成されたような状態である。
この領域3は、エンジン100の回転速度Neが低く、ピニオンギヤ260を同期させなくても、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が可能な領域である。この領域においては、図7で説明したように、係合モードが選択される。
時刻t5において、エンジン100の再始動要求が生成されると、時刻t6において、アクチュエータ232が駆動される。これによって、ピニオンギヤ260がリングギヤ110側に押し出される。その後、モータ220が駆動される(図8中の時刻t7)。これによってエンジン100がクランキングされて破線の曲線W2のように、エンジン100の回転速度Neが増加する。その後、エンジン100が自立運転を再開すると、アクチュエータ232およびモータ220の駆動が停止される。
このように、アクチュエータ232とモータ220とが独立して駆動可能なスタータ200を用いて、エンジン100の再始動制御を行なうことによって、従来のスタータでは、エンジン100の自立復帰が不可能となる回転速度(図8中の時刻t1)から、エンジン100が停止するまで(図8中の時刻t8)の期間(Tinh)中エンジン100の再始動動作が禁止されていた場合に比べて、より短時間でエンジン100を再始動することが可能となる。すなわち、本実施の形態においては、エンジン回転速度Neが零よりも大きい状態において、ピニオンギヤ260がリングギヤ100に向かって移動するようにアクチュエータ232が作動し、エンジン回転速度Neが零になる前にピニオンギヤ260をリングギヤ100と係合せしめてクランキングを開始することができる。これによって、運転者に対して、エンジン再始動が遅れてしまうことによる違和感を低減することができる。
[動作モード設定制御の説明]
図9は、本実施の形態において、ECU300で実行される動作モード設定制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図9に示すフローチャートは、ECU300に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100において、エンジン100の始動要求があるか否かを判定する。すなわち、エンジン100を始動するか否かが判定される。
エンジン100の始動要求がない場合(S100にてNO)は、エンジン100の始動動作は不要であるので、処理がS190に進められて、ECU300は、待機モードを選択する。
エンジン100の始動要求がある場合(S100にてYES)は、処理がS110に進められ、ECU300は、次にエンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2以下であるか否かを判定する。
エンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2より大きい場合(S110にてNO)は、エンジン100の自立復帰が可能な図8における領域1に対応するので、ECU300は、処理をS190に進めて待機モードを選択する。
エンジン100の回転速度Neが第2の基準値α2以下の場合(S110にてYES)は、ECU300は、さらにエンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1以下であるか否かを判定する。
エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1以下の場合(S120にてYES)は、図8における領域3に対応するので、処理がS145に進められ、ECU300は、係合モードを選択する。そして、ECU300は、制御信号SE1を出力してリレーRY1を閉成することによってアクチュエータ232を駆動する。このとき、モータ220は駆動されない。
その後、S170に処理が進められ、ECU300は、全駆動モードを選択する。そして、スタータ200によって、エンジン100のクランキングが開始される。
次に、ECU300は、S180にて、エンジン100の始動が完了したか否かを判定する。エンジン100の始動完了の判定については、たとえば、モータ220の駆動開始から所定時間が経過した後に、エンジン回転速度が、自立運転を示すしきい値γより大きいか否かによって判定するようにしてもよい。
エンジン100の始動が完了していない場合(S180にてNO)は、S170に処理が戻され、エンジン100のクランキングが継続される。
エンジン100の始動が完了した場合(S180にてYES)は、S190に処理が進められて、ECU300は、待機モードを選択する。
一方、エンジン100の回転速度Neが第1の基準値α1より大きい場合(S120にてNO)は、処理がS140に進められ、ECU300は、回転モードを選択する。そして、ECU300は、制御信号SE2を出力してリレーRY2を閉成することによってモータ220を駆動する。このとき、アクチュエータ232は駆動されない。
そして、ECU300は、S170にて、全駆動モードを選択する。これによって、アクチュエータ232が駆動されて、ピニオンギヤ260とリングギヤ110が係合し、エンジン100がクランキングされる。
[スタータの作用の説明]
以下、本実施の形態に係るスタータ200の作用について説明する。図10を参照して、エンジン100が停止する前、すなわち、エンジン回転速度Neが零よりも大きい場合を想定する。このような場合、図10に示すように、リングギヤ110の歯の移動速度が、ピニオンギヤ260の歯の移動速度よりも相対的に大きくなり得る。この状態で、ピニオンギヤ260をリングギヤ110と係合せしめるべく、ピニオンギヤ260をリングギヤ110に向かって移動させると、面取り部266がピニオンギヤ260の正回転側の歯面264の側端部262に設けられているため、ピニオンギヤ260が面取り部266においてリングギヤ110に対して滑りながら、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が進行する。
一方、たとえば、エンジン回転速度Neが零である場合、すなわちリングギヤ110が停止している場合を想定する。また、ピニオンギヤ260の回転速度も零であると想定する。この場合、図11に示すように、ピニオンギヤ260をリングギヤ110と係合せしめるべく、ピニオンギヤ260をリングギヤ110に向かって移動させる際、ピニオンギヤ260の位相とリングギヤ110の位相とが一致していないと、ピニオンギヤ260の歯が側端部262においてリングギヤ110の側端部114と当接し得る。
ピニオンギヤ260の歯が側端部262においてリングギヤ110の側端部114と当接した場合、スリーブ252のストレートスプライン256において、リングギヤ110に向かう方向とは逆方向にピニオンギヤ260が摺動することにより、スリーブ252がリングギヤ110に向かってさらに移動しつつ、ピニオンギヤ260はリングギヤ110と当接した位置に留まる。
一方、スリーブ252がリングギヤ110に向かってさらに移動するため、駆動軸250のヘリカルスプライン254によりスリーブ252がピニオンギヤ260の逆転方向に回転せしめられる。そのため、ピニオンギヤ260が逆転方向に回転する。
このとき、面取り部266がピニオンギヤ260の正回転側の歯面264の側端部262に設けられているため、ピニオンギヤ260が面取り部266においてリングギヤ110に対して滑りながら、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が進行する。
このように、いずれの場合においても、ピニオンギヤ260が面取り部266でリングギヤ110に対して滑りながら、ピニオンギヤ260とリングギヤ110との係合が進行する。よって、ピニオンギヤ260とリングギヤ110とを円滑に係合することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、100 エンジン、110 リングギヤ、111 クランク軸、112 歯面、114 側端部、115 回転速度センサ、116 面取り部、120 バッテリ、125,130 電圧センサ、140 アクセルペダル、150 ブレーキペダル、160 動力伝達装置、170 駆動輪、200 スタータ、210 プランジャ、220 モータ、230 ソレノイド、232 アクチュエータ、240 レバー、245 支点、250 駆動軸、252 スリーブ、254 ヘリカルスプライン、256 ストレートスプライン、258 スプリング、260 ピニオンギヤ、262 側端部、264 歯面、266 面取り部、300 ECU、302 判定部、304 制御部、410 待機モード、420 係合モード、430 回転モード、440 全駆動モード、RY1,RY2 リレー。

Claims (4)

  1. エンジンのクランク軸に連結された第1のギヤを回転させるスタータであって、
    モータと、
    前記モータにより回転されるとともに、正転方向側の歯面の側端部に面取り加工が施された第2のギヤと、
    前記面取り加工が施された側端部から前記第1のギヤと係合するように前記第2のギヤを前記第1のギヤに向かって移動させるアクチュエータとを備える、スタータ。
  2. 前記アクチュエータは、前記エンジンの正転方向への出力軸回転速度が零よりも大きい状態において、前記第2のギヤが前記第1のギヤに向かって移動するように作動する、請求項1に記載のスタータ。
  3. 前記エンジンの正転方向への回転速度が予め定められた回転速度より大きいと、前記モータは、前記第2のギヤが回転を開始するように作動し、前記第2のギヤが回転を開始するように前記モータが作動した後、前記アクチュエータは、前記第2のギヤが前記第1のギヤに向かって移動するように作動し、
    前記エンジンの正転方向への回転速度が前記予め定められた回転速度以下であると、前記アクチュエータは、前記第2のギヤが前記第1のギヤに向かって移動するように作動し、前記第2のギヤが前記第1のギヤに向かって移動するように前記アクチュエータが作動した後、前記モータは、前記第2のギヤが回転を開始するように作動する、請求項2に記載のスタータ。
  4. 前記第2のギヤの逆転方向に回転しながら、前記アクチュエータによって前記第1のギヤに向かって移動せしめられるとともに、前記第1のギヤに向かう方向とは逆方向に前記第2のギヤが摺動可能であるように前記第2のギヤを支持する支持部材と、
    前記第1のギヤに向かって前記第2のギヤを付勢するように前記第2のギヤと前記支持部材との間に設けられた付勢部材とをさらに備える、請求項1に記載のスタータ。
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