JP2012019205A - 熱電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低熱伝導率を有する微細で高アスペクト比の熱電変換材料構造体を製造プロセスの制約を少なくして高精度で作製する製造方法の提供。
【解決手段】モールド基板に複数の孔を形成したのち、前記孔の内部にエアロゾルデポジション法を用いて熱電変換材料を充填して熱電変換材料構造体2を形成する。エアロゾルデポジション法を用いることによって柱状の熱電変換材料構造体2の内部に微細孔(ナノボイド)が形成される。柱状の熱電変換材料構造体2は、内部にナノボイドを含有することにより、高電気伝導率、低熱伝導率の特性を持つ。
【選択図】図1

Description

本発明は熱電変換素子及びその製造方法に関するものであり、例えば、高アスペクト比且つ微小な構造からなる熱電変換素子及びその製造方法に関するものである。
近年、MEMS技術の急速な発展に伴い、マイクロ熱電変換素子への関心が高まっている。通常の熱電変換素子は切断加工などの工程を経て作られるが、これは、熱電材料は全般的に脆く強度が低く、サブミリオーダー以下の機械加工が非常に困難なためである。
マイクロ熱電変換素子は、携帯型マイクロエネルギー源、局部冷却デバイス、或いは、センサ等への応用が期待されている。熱電変換素子に適切な温度差を印加するためには、電極間距離、即ち、熱電材料の厚さを適宜簡単に調節できるのが望ましい。
熱電変換素子の電極間距離を短く、即ち、熱電材料を薄くすることは比較的簡単であるが、電極間距離を長く、即ち、熱電材料を厚くすることはかなり困難である。このような、電極距離間の長い、即ち、アスペクト比の大きなマイクロ熱電変換素子を作製するために、半導体プロセス等を用いて熱電材料の微細パターニングを行うことが提案されている。
図19は、従来のマイクロ熱電変換素子の製造工程の一例の説明図である。まず、図19(a)に示すように、MEMS技術によってシリコン基板141に高アスペクト比の微細パターンからなる柱状孔142を形成してシリコンモールドを作製する。
次いで、図19(b)に示すように、圧電セラミクス粉体とバインダーを含むスラリーを、シリコンモールドに塗布して、柱状孔142をスラリーで充填することによって塗布膜143を形成する。
次いで、図19(c)に示すように、塗布膜143を乾燥させた後バインダーを除去する。次いで、バインダーを除去した試料を保護用セラミクス粉体(図示は省略)で包み込んだ後、圧電セラミクスの焼結温度下で加圧焼成して圧電セラミクス144を形成する。
次いで、図19(d)に示すように、保護用セラミクス粉体を除去したのち、シリコンモールドをエッチング除去して、圧電セラミクス144を取り出すことで、マイクロ熱電変換素子の基本構成が完成する。
ここでは、融点が高く(1414℃)、硬度も高く(ヌープ硬さKnoop Hardness:8.3GPa)、且つ、MEMS技術の発展により微細かつ高アスペクトなパターニングが可能であるシリコンをモールドとして用いている。これにより、機械加工と比較して格段に微細な構造体を形成できる。
特開平11−274592号公報
しかし、上述の方法の場合には、スラリーの充填工程において、高アスペクト比構造体内への充填工程が複雑になり、それにより、高アスペクト比構造体内への完全な充填が困難であるという問題がある。
また、加圧焼成工程において、高温・高圧が印加されるため、モールド材料・工程が制限されるという問題がある。例えば、モールド材料として加工成形が容易な樹脂やレジスト等の有機材料が使えないという問題があり、また、電極作製後に適用できないという問題がある。
したがって、本発明は低熱伝導率を有する微細で高アスペクト比の熱電変換材料構造体を製造プロセスの制約を少なくして高精度で作製することを目的とする。
開示する一観点からは、複数の熱電変換材料粒子と、前記複数の熱電変換材料粒子間の少なくとも一部を埋める前記熱電変換材料粒子と同じ成分の非晶質部分と、前記非晶質部分の存在しない空孔とからなる柱状或いは格子状の熱電変換材料構造体と前記熱電変換材料構造体の一方の端面に設けられた第1の電極と、前記熱電変換材料構造体の他方の端面に設けられた第2の電極とを有する熱電変換素子が提供される。
また、開示する別の観点からは、モールド基板に複数の孔を形成する孔製造工程と、前記孔の内部にエアロゾルデポジション法を用いて熱電変換材料を充填して熱電変換材料構造体を形成する充填工程とを有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法が提供される。
開示の熱電変換素子及びその製造方法によると、低熱伝導率を有する微細で高アスペクト比の熱電変換材料構造体を製造プロセスの制約を少なくして高精度で作製することが可能になる。
本発明の実施の形態の熱電変換素子の概念的構成図である。 本発明の実施の形態の熱電変換素子を構成する熱電変換材料構造体の概念的斜視図である。 本発明の実施の形態のエアロゾルデポジション装置の概念的構成図である。 本発明の実施の形態のモールド基板の説明図である。 本発明の実施の形態の他のモールド基板の説明図である。 本発明の実施例1の熱電変換素子の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の熱電変換素子の図6以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の熱電変換素子の図7以降の製造工程の説明図である。 本発明の実施例2の熱電変換素子の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例2の熱電変換素子の図9以降の製造工程の説明図である。 本発明の実施例3の熱電変換素子の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例3の熱電変換素子の図11以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例3の熱電変換素子の図12以降の製造工程の説明図である。 本発明の実施例4の熱電変換素子の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例4の熱電変換素子の図14以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例4の熱電変換素子の図15以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例4の熱電変換素子の図16以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例4の熱電変換素子の図17以降の製造工程の説明図である。 従来のマイクロ熱電変換素子の製造工程の一例の説明図である。
ここで、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態の熱電変換素子を説明する。図1(a)は本発明の実施の形態の熱電変換素子の概念的透視斜視図であり、図1(b)は本発明の実施の形態の概念的断面図である。図1に示すように、熱電変換素子1は、柱状の熱電変換材料構造体2、補強部材3、上部電極4及び下部電極5から構成される。
柱状の熱電変換材料構造体2は、熱電材料を材質とする高アスペクト比構造体で、水平断面における最短径が5μm〜100μm、例えば、10μmで、高さが50μm〜500μm、例えば、200μmで、アスペクト比が2〜40である。
また、熱電材料としては、エアロゾルデポジション法により成膜が可能なZnO、NaCoO、BiTe、ZnOにAlをドープしたAZO、ZnOにGaをドープしたGZO、CaCo等が挙げられる。
この内、ZnOは他の酸化物熱電材料と比較して高移動度であることから、 有望な熱電材料の一つとして期待されている。一方、熱伝導率も非常に高いため、熱伝導率を悪化させる構造の作製が必要であり、熱伝導率を悪化させるために、エアロゾルデポジション法を用いることによって柱状の熱電変換材料構造体2の内部に微細孔(ナノボイド)が形成される。柱状の熱電変換材料構造体2は、内部にナノボイドを含有することにより、高電気伝導率、低熱伝導率の特性を持つ。
補強部材3は、強度の低い柱状の熱電変換材料構造体2を補強する部材であり、熱電変換材料より低電気伝導率及び低熱伝導率の材質を用いる。このような低熱伝導率の材質を用いることにより、補強部材3の熱抵抗をできる限り大きくすることができ、それによって、熱電材料に大きな温度差を印加することができる。例えば、補強部材3は、エポキシ樹脂やポリイミド或いは永久レジスト等によって構成され、樹脂や永久レジストを用いることにより、フレキシブルな構造を得ることができる。なお、図1では補強部材3は柱状の各熱電変換材料構造体2間を完全に充填しているが、柱状の各熱電変換材料構造体2の側壁を完全に被覆していれば、補強部材3が完全に密着する必要はない。また、補強部材3は、ZnOの経時劣化を防止するバリヤ層としても働く。
或いは、補強部材3の作製において、熱電変換材料構造体2と同様の手法を用いて作製することができる。即ち、ナノボイドを有し、熱電変換材料より低電気伝導率及び低熱伝導率の材料、典型的にはSiO粒子等の酸化物セラミックを補強部に適用することができ、樹脂や永久レジストと比較して耐熱性・強度に優れた構造を作製することができる。
上部電極4及び下部電極5は、柱状の熱電変換材料構造体2の上面及び底面に接するように設けられており、例えば、Au/Tiで構成される。また、ZnOからなる柱状の熱電変換材料構造体2の経時劣化を防ぐため、露呈しているZnOを完全に被覆するように設ける。但し、補強部材3は被覆する必要はない。
本発明の実施の形態においては、高アスペクト比の柱状孔を設けたモールド部材を用いて、エアロゾルデポジション法により柱状の熱電変換材料構造体2を形成しているので、上部電極4と下部電極5との間に適切な温度差を印加することができる。その結果、高性能の熱電変換素子として動作することが可能になる。
また、柱状の熱電変換材料構造体2を互いに導電型が異なるp型柱状熱電変換材料構造体とn型柱状熱電変換材料構造体とを混在させ、p型柱状熱電変換材料構造体とn型柱状熱電変換材料構造体とが交互に直列接続するように接続して熱電モジュールを作製しても良い。
図2は、本発明の実施の形態の熱電変換素子を構成する熱電変換材料構造体の概念的斜視図である。図2(a)乃至(c)に示すように頂面の形状が正方形、長方形、円形など自由に形状の柱状体に設定できるが、熱電変換材料構造体内に粒子を効率よく閉じ込めるために、水平断面の最短径dは100μm以下が好ましい。また、互いの機械強度を補うため、図2(d)に示すように格子状に連結しても良く、さらには、ハニカム状に連結しても良い。なお、図2(d)の構造は補強部に適用することができる。
図3は、本発明の実施の形態に用いるエアロゾルデポジション装置の概念的構成図である。モールド基板13を保持する基板保持部材12と、成膜ノズル14とを備えた成膜室11と、成膜室11にエアロゾル用配管15及び微粒子分級器16を介してエアロゾル粒子を供給するエアロゾル発生器17と備えている。エアロゾル発生器17には酸素ガス等のキャリアガスを供給するキャリアガスタンク18が接続されており、また、微粒子分級器16を通過したエアロゾル粒子のサイズは粒子サイズ測定器19により測定する。
成膜室11にはメカニカルブースタポンプ22を介して真空ポンプ21が接続されており、また、エアロゾル発生器17にも配管20を介して接続されている。また、エアロゾル発生器17には超音波振動器23が設けられている。キャリアガスタンク18は、流量計(MFC)25を備えた配管24を介してエアロゾル発生器17と接続されている。また、基板保持部材12には支柱28を介してXYZθステージ29が設けられており、モールド基板13を移動させながら成膜を行う。
成膜する際には、成膜室11内を真空ポンプ21で真空引きしたのち、原料粉末26を収容したエアロゾル発生器17を超音波振動器23で振動させながらキャリアガスタンク18よりキャリアガスを送り込んでエアロゾル27を発生させる。
発生したエアロゾル27は、エアロゾル用配管15を介して成膜ノズル14に搬送され、成膜ノズル14の中において内壁に衝突して破砕されてより粒径の小さな粒子となる。破砕された粒子は成膜ノズル14のスリット状の開口部からモールド基板13に向けて噴射されて高密度な微結晶構造の膜が常温で高速に形成される。
通常エアロゾルデポジションでは粒子径を小さくすると成膜に寄与しない粒子の確率が増加して厚膜成膜が困難になる。特にZnOやMgO等の結晶面が一方向にすべる様な粒子は厚膜の成膜が困難とされている。
そこで、本発明においては、モールド基板として高アスペクト比の柱状孔を持つ基板を使用することで柱状孔内部に粒子を閉じ込めて高速充填を可能にする。さらに、通常の手法と比較して膜中の微粒子間に微小な空孔が発生して熱伝導率が低下するため、熱電変換特性の改善が期待できる。
また、成膜方法としてエアロゾルデポジション法を用いているので、常温等の低温プロセスによる成膜が可能になるとともに、加圧焼成工程が不要であるので、低温化・低圧化が可能になる。それによって、モールド材料としてはシリコン以外に、感光性ガラスやレジスト等の有機材料の使用が可能なり、材料の制約が少なくなる。また、成膜後に加熱処理を行うことにより、電気抵抗率の低減や機械的強度の増加を得ることも可能である。
図4及び図5は、本発明の実施の形態に用いるモールド基板の説明図であり、図4(a)は、単一基板を用いたモールド基板であり、シリコンやガラス等の単一基板41に直接柱状孔42を設けている。図4(b)は、貼り合わせ基板を用いたモールド基板であり、シリコンやガラス等の支持基板43に対してSiO膜44を介してシリコンやガラス等のデバイス基板45を貼り合わせたものであり、支持基板43に達する柱状孔46を形成する。
図4(c)は、有機系貼り合わせ材料を用いたモールド基板であり、シリコンやガラス等の支持基板47上にレジスト等の貼り合わせ材料48を介してシリコンやガラス等のデバイス基板49を貼り合わせたものであり、支持基板47に達する柱状孔50を形成する。
図5(d)は、テープ貼り合わせ基板を用いたモールド基板であり、支持テープ51、例えば、PETフィルム上に貼り合わせ材を設けたテープ上にシリコンやガラス等のデバイス基板52を設けたもので、支持テープ51に達する柱状孔53を形成する。
図5(e)は、シリコンやガラス等の支持基板54上にレジスト、エポキシ樹脂或いはポリイミド樹脂等の有機材料膜を塗布してデバイス基板55としたものであり、この場合も、支持基板54に達する柱状孔56を形成する。ガラスや樹脂は熱抵抗および電気抵抗が高いため、除去不要であり、そのまま保護材料として使用できる。ガラスは比較的高温に耐えるのが利点であり、樹脂やフィルムは柔軟性があるのが利点である。
なお、図4及び図5においては、柱状孔として説明しているが、格子状孔としても良いものである。これらの柱状孔の水平断面における最短径は5μm〜100μmとする。また、格子状孔の場合には、最も細い部分の幅を5μm〜100μmとする。100μmを超えると孔を充填することが困難になる。また、格子状のパターンは補強部として使用することができ、この場合の充填材料としては熱電変換材料より低電気伝導率及び低熱伝導率の材料、典型的にはSiO粒子等の絶縁体を用いる。
本発明の熱電変換素子は小型であるので、携帯型マイクロエネルギー源、局部冷却デバイス、或いは、センサ等への応用が可能である。パーソナルコンピュータの熱源に接触させることによって、パーソナルコンピュータの廃熱を利用した発電も可能になる。
以上を前提として、次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施例1の熱電変換素子の製造工程を説明する。まず、図6(a)に示すように、シリコン基板61に例えば、20μm×20μmの開口部を有するフォトレジストパターン62を形成する。例えば、AZP4620(AZエレクトロニックマテリアルズ社製商品名)を10μm塗布したのち、所定のマスクパターンを用いて露光、現像処理を行い、フォトレジストパターン62を形成する。現像には例えばAZ400K(AZエレクトロニックマテリアルズ社製商品名)の1:4希釈液を用いる。
次いで、図6(b)に示すように、フォトレジストパターン62をマスクとしてドライエッチングにより、シリコン基板61に所定の深さ、例えば、200μmの柱状孔63を形成する。この場合、例えば、SFガスを用いて行うエッチング工程と、Cガスを用いて行う側壁保護工程を交互に繰り返す所謂Boschプロセスを用いることにより良好な異方性エッチング加工を行うことができる。ドライエッチング後の残存レジストは酸素アッシングやレジスト剥離液を用いて除去する。
次いで、図6(c)に示すように、エアロゾルデポジション法を用いて、熱電変換材料構造体64を成膜する。材料には例えば、平均粒径が100nmのZnO粉末を用いる。エアロゾルデポジションによって柱状孔63が充填されると共にシリコン基板61の表面全体にZnO薄膜65が成膜される。
成膜時には、例えば、ZnO粉末をエアロゾル発生器に収容して、150℃に加熱した状態で超音波振動器により超音波を印加しながら30分間、排気系によりエアロゾル発生器内を排気して、ZnO粉末を乾燥させる。
次いで、成膜室を予め排気し、真空度を10Pa以下になるように設定し、エアロゾル発生器に酸素ガス(純度:99.9%、ガス圧:2kg/cm,ガス流量4000cc/分)を導入して、ノズルからエアロゾルを噴射して成膜する。なお、ZnOの導電性を向上させるために、適切な温度、例えば、400℃のアニールを追加しても良い。
次いで、図6(d)に示すように、シリコン基板61の表面のZnO薄膜65を選択除去する。ここでは、酢酸を用いたウェットエッチングで除去する。この場合、柱状孔63の部分では窪んだ状態になるので、レジストを塗布したのちエッチバックにより、柱状孔63の部分にレジストパターンを残存させた状態でウェットエッチングを行う。なお、ウェットエッチングの替わりに、CH/HプラズマによるドライエッチングやCMP(化学機械研磨)を用いても良い。
次いで、図7(e)に示すように、新たにフォトレジストパターン66を形成したのち、熱電変換材料構造体64の側壁を覆うシリコンを例えば、150μmの深さまで除去して凹部67を形成する。エッチング手法として、SFプラズマによるエッチングの他、XeFガスを用いた等方性ドライエッチングを用いることができる。熱電変換材料構造体64の下部はまだシリコン基板61と接続している。なお、フォトレジストパターン66を設けずに直接シリコンを所定深さまで除去しても良い。
次いで、図7(f)に示すように、フォトレジストパターン66を除去したのち、凹部67に熱電変換材料より低電気伝導率且つ低熱伝導率材料からなる補強部材68を充填する。シリコン基板61の表面に残存した充填材料は研磨やドライエッチング等の適切な方法で除去し、シリコン基板61の表面に熱電変換材料構造体64の頂面を露呈させる。補強部材68の形成に際しては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド等による充填、気相のパリレンのコンフォーマル成膜等を行えば良いが、ここでは、充填性に優れたパリレンを用いる。
次いで、図7(g)に示すように、上部電極69の成膜及びパターニングを行う。電極材料としては、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用い、成膜手法はスパッタリングや真空蒸着を、エッチングにはイオンミリングやリアクティブイオンエッチングを用いる。
次いで、図8(h)に示すように、シリコン基板61の素子形成面を貼り合わせ材料71を用いてサブキャリヤ70に貼り合わせる。サブキャリヤ70にはシリコン基板等を用いることができ、貼り合わせ材料71としては、例えば、フォトレジストや市販の半導体用の熱剥離テープ等を用いることができる。
次いで、図8(i)に示すように、シリコン基板61の裏面をドライエッチングやバックグラインドにより除去して、熱電変換材料構造体64及び補強部材68を露呈させる。バックグラインドには、研削やCMPを用いる。
次いで、図8(j)に示すように、露呈した熱電変換材料構造体64の底面に下部電極72を形成する。電極材料としては、上部電極69と同様に、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用い、成膜手法はスパッタリングや真空蒸着を、エッチングにはイオンミリングやウェットエッチングを用いる。
以降は、サブキャリヤ70を除去したのち、適宜ダイシングなどを実施してチップ分離を行うことによって、熱電変換素子の基本構造が完成する。この場合の素子サイズは、例えば、1cm×1cmであり、また、周辺部のシリコン基板の残部は除去しても、或いは、そのままにしても良い。残部を残した場合には機械的強度は大きくなるが、シリコンは熱伝導性が高いので、放熱によって熱電変換素子の効率が低下する。
以上の製造工程により、従来は困難であった熱電変換材料の微細化と高アスペクト比化が可能となるとともに、作製プロセスの低温・低圧化が可能となる。また、エアロゾルデポジション法により形成した熱電変換材料構造体は微小な空孔を含んでいるので、熱伝導率が低く、したがって、熱電変換効率が高くなる。
次に、図9及び図10を参照して、本発明の実施例2の熱電変換素子の製造工程を説明する。まず、図9(a)に示すように、シリコン支持基板81上に例えば、200μmの厚さの永久レジスト82を設けて、パターニングすることによりハイアスペクトな柱状孔83を形成する。永久レジスト82として例えばSU−8(化薬マイクロケム社製商品名)やTMMR−S2000(東京応化製商品名)を用いることができる。この時、適切なフォトリソグラフィー条件を用いることで、アスペクト比10以上の構造体が作製可能である。ここでは、柱状孔83の水平断面を20μm×20μmとすることによってアスペクト比は10となる。なお、樹脂の代わりに感光性ガラスを用いても良い。
次いで、図9(b)に示すように、上記の実施例1と同じ条件のエアロゾルデポジション法により柱状孔83を熱電変換材料で充填して熱電変換材料構造体84を形成する。この場合も、永久レジスト82の表面にZnO薄膜85が形成される。なお、エアロゾルデポジションにより永久レジスト82の一部が除去されるので、別途作製した貫通孔つきの金属板(ステンシルマスク)を位置合わせしつつ永久レジスト82に仮貼り合わせし、その後エアロゾルデポジションを行っても良い。それによって永久レジスト82のダメージを最小限に抑えることができる。
次いで、図9(c)に示すように、必要に応じて永久レジスト82の表面のZnO薄膜85を選択除去する。ここでは、エッチバックによりZnO薄膜85を除去する。次いで、必要に応じてCMP等により永久レジスト82の表面を平坦化する。
次いで、図9(d)に示すように、上部電極86の成膜及びパターニングを行う。電極材料としては、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用い、成膜手法はスパッタリングや真空蒸着を、エッチングにはイオンミリングやリアクティブイオンエッチングを用いる。
次いで、図10(e)に示すように、永久レジスト82を貼り合わせ材料88を用いてサブキャリヤ87に貼り合わせる。サブキャリヤ87にはシリコン基板等を用いることができ、貼り合わせ材料88としては、例えば、フォトレジストや市販の半導体用の熱剥離テープ等を用いることができる。
次いで、図10(f)に示すように、シリコン支持基板81をエッチバックにより完全に除去して、熱電変換材料構造体84及び永久レジスト82の底面を露呈させる。エッチング手法として、SFプラズマによるエッチングの他、XeFガスを用いた等方性ドライエッチングを用いることができる。
次いで、図10(g)に示すように、露呈した熱電変換材料構造体84の底面に下部電極89を形成する。電極材料としては、上部電極86と同様に、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用い、成膜手法はスパッタリングや真空蒸着を、エッチングにはイオンミリングやウェットエッチングを用いる。
次いで、図10(h)に示すように、サブキャリヤ87を除去したのち、適宜ダイシングなどを実施してチップ分離を行うことによって、熱電変換素子の基本構造が完成する。永久レジスト82は、熱抵抗および電気抵抗が高いため除去不要であり、そのまま補強部材として使用することができる。
次に、図11乃至図13を参照して、本発明の実施例3の熱電変換素子の製造工程を説明する。まず、図11(a)に示すように、厚さが、例えば、525μmのシリコン支持基板91に、厚さが500nmのSiO層92を介して厚さが100μmのシリコン層93を貼り合わせたSOI基板を用意する。
次いで、図11(b)に示すように、例えば、20μm×20μmの開口部を有するフォトレジストパターン94を形成する。例えば、AZP4620(AZエレクトロニックマテリアルズ社製商品名)を10μm塗布したのち、所定のマスクパターンを用いて露光、現像処理を行い、フォトレジストパターン94を形成する。現像には例えばAZ400K(AZエレクトロニックマテリアルズ社製商品名)の1:4希釈液を用いる。
次いで、フォトレジストパターン94をマスクとしてドライエッチングにより、シリコン層93をエッチングしたのち、SiO層92の露呈部を除去して柱状孔95を形成する。この場合も、例えば、SFガスを用いて行うエッチング工程と、Cガスを用いて行う側壁保護工程を交互に繰り返す所謂Boschプロセスを用いることにより良好な異方性エッチング加工を行うことができる。また、SiO層92の除去工程は、バッファードフッ酸を用いたウェットエッチングやCF系プラズマ等を用いたドライエッチングを用いることができる。ドライエッチング後の残存レジストは酸素アッシングやレジスト剥離液を用いて除去する。
次いで、図11(c)に示すように、エアロゾルデポジション法を用いて、n型の熱電変換材料構造体96を成膜する。材料には例えば、平均粒径が100nmのAZO(AlをドープしたZnO)粉末を用いる。なお、実施例1と同様に、エアロゾルデポジションによって柱状孔95が充填されると共にシリコン層93の表面全体にAZO薄膜(図示は省略)が成膜されるので、ウェットエッチング等により除去する。
次いで、図11(d)に示すように、隣接する熱電変換材料構造体96の間に開口部がくるように20μm×20μmの開口部を有するフォトレジストパターン97を形成する。
次いで、フォトレジストパターン97をマスクとしてドライエッチングにより、シリコン層93をエッチングしたのち、SiO層92の露呈部を除去して柱状孔98を形成する。
次いで、図12(e)に示すように、エアロゾルデポジション法を用いて、p型の熱電変換材料構造体99を成膜する。材料には例えば、NaCoO粉末を用いる。なお、この場合も、エアロゾルデポジションによって柱状孔98が充填されると共にシリコン層93の表面全体にNaCoO薄膜(図示は省略)が成膜されるので、ウェットエッチング等により除去する。
次いで、図12(f)に示すように、シリコン層93を完全にエッチング除去して熱電変換材料構造体96,99を露呈させる。エッチング手法として、SFプラズマによるエッチングの他、XeFガスを用いた等方性ドライエッチングを用いることができる。
次いで、図12(g)に示すように、補強部材100で熱電変換材料構造体96,99を完全に被覆する。補強部材100としては、例えば、パリレンを用いてコンフォーマル成膜を行う。
次いで、図12(h)に示すように、補強部材100の表面をエッチバックして、熱電変換材料構造体96,99の頂面を露呈させる。補強部材100がパリレンの場合には、Oプラズマを用いてエッチバックを行う。
次いで、図13(i)に示すように、上部電極101の成膜及びパターニングを行う。この時、上部電極101は、n型の熱電変換材料構造体96とp型の熱電変換材料構造体99を交互に接続するように設ける。電極材料としては、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用いる。
次いで、図13(j)に示すように、上部電極101を形成した面を貼り合わせ材料103を用いてサブキャリヤ102に貼り合わせる。サブキャリヤ102には熱伝導率に優れるシリコン基板等を用いることができ、貼り合わせ材料103としては、電気抵抗の高い、例えば、永久レジスト等を用いることができる。
次いで、図13(k)に示すように、SiO層92をエッチングストッパとして、例えば、SFを用いたドライエッチングによりシリコン支持基板91を完全に除去して、熱電変換材料構造体96,99の底面を露呈させる。
次いで、図13(l)に示すように、露呈した熱電変換材料構造体96,99の底面に下部電極104を形成する。この時、下部電極104は、n型の熱電変換材料構造体96とp型の熱電変換材料構造体99を交互に接続するように設けるとともに、周辺端部におけるn型の熱電変換材料構造体96とp型の熱電変換材料構造体99とに引出電極105,106を設ける。電極材料としては、上部電極101と同様に、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用いる。
以降は、適宜ダイシングなどを実施してチップ分離を行うことによって、熱電変換素子の基本構造が完成する。この場合、サブキャリヤ102は除去しても良いが、サブキャリヤ102に熱伝導率に優れるシリコン基板を用い、且つ、貼り合わせ材料103としては、電気抵抗の高い永久レジストを用いた場合には強度を確保するために除去しなくても良い。
本発明の実施例3においては、熱電変換材料としてp型とn型の2種類の熱電変換材料を用いてそれらを直列接続になるように交互に接続しているので、高電圧を出力することが可能になる。
次に、図14乃至図18を参照して、本発明の実施例4の熱電変換素子の製造工程を説明する。まず、図14(a)に示すように、厚さが、例えば、525μmのシリコン支持基板111に、厚さが2μmのSiO層112を介して厚さが100μmのシリコン層113を貼り合わせたSOI基板を用意する。
次いで、シリコン層113の表面に熱酸化やプラズマCVD法を用いて厚さが2μmのSiO膜を形成したのち、SiO膜をパターニングしてSiOパターン114を形成する。なお、このSiO膜のパターニング工程においては、所定のレジストパターンを作製した後に、フッ酸によるウェットエッチングやCHF等を用いたRIEによって作製する。
次いで、図14(b)に示すように、SiOパターン114と位置合わせを行いつつ、例えば、幅20μmの格子状の開口部116を有するフォトレジストからなるレジストパターン115を形成する。レジストパターン115で覆われた部分が後にn型及びp型の熱電変換材料構造体となり、開口部116が補強部となる。
次いで、図14(c)に示すように、SiOパターン114とレジストパターン115の両方をハードマスクとして、シリコン層113のエッチングを行って格子状溝117を形成する。この場合も、例えば、SFガスを用いて行うエッチング工程と、Cガスを用いて行う側壁保護工程を交互に繰り返す所謂Boschプロセスを用いることにより良好な異方性エッチング加工を行うことができる。この場合、シリコン層113のエッチングはSOI基板のSiO層112で停止するため、均一な深さに加工できる。
次いで、図15(d)に示すように、レジスト剥離液などを用いて残存するレジストパターン115を除去したのち、エアロゾルデポジション法を用いて格子状溝117に補強材料となるSiO粒子を充填して補強部118を形成する。なお、充填後に、強度補強を目的としたアニール処理を用いても良く、アニール処理は、例えば窒素雰囲気で1000℃、2時間等を実施する。なお、シリコン層113の表面にSiO粒子が残存している場合は適切な手法で除去する。
次いで、図15(e)に示すように、再び、SiOパターン114と位置合わせをしてレジストパターン119を形成する。この時、n型またはp型の熱電変換材料の一方のみを充填する部分のみ開口とする。
次いで、図15(f)に示すように、レジストパターン119をハードマスクとして、図14(c)と同様のシリコンエッチングを行って柱状孔120を形成する。上述のBoschプロセスの他、XeFガスを用いたガスエッチングを用いることも可能である。この時も、シリコン層113のエッチングは、SOI基板のSiO層112で停止する。
次いで、図16(g)に示すように、レジスト剥離液などを用いて残存するレジストパターン119を除去したのち、エアロゾルでポジション法を用いて柱状孔120に、例えば、p型熱電変換材料を充填してp型の熱電変換材料構造体121を形成する。この場合のp型熱電変換材料としては、例えば、CaCoを用いる。また、充填工程において、SOI基板上にステンシルマスク122を位置あわせ配置することで、他部分のダメージを低減することができる。
次いで、図16(h)に示すように、柱状孔120の形成工程と同様に、再び、SiOパターン114と位置合わせをしてレジストパターン123を形成したのち、レジストパターン123をハードマスクとして、エッチングを行って柱状孔124を形成する。
次いで、図16(i)に示すように、レジスト剥離液などを用いて残存するレジストパターン123を除去したのち、エアロゾルでポジション法を用いて柱状孔124に、n型熱電変換材料を充填してn型の熱電変換材料構造体125を形成する。この場合の熱電変換材料としては、例えば、AZOを用いる。この場合も、充填工程において、SOI基板上にステンシルマスク126を位置あわせ配置することで、他部分のダメージを低減することができる。
次いで、図17(j)に示すように、SiOパターン114を除去したのち、シリコン層113の表面をエッチバックして、熱電変換材料構造体121,125の頂面を露呈させる。
次いで、図17(k)に示すように、上部電極127の成膜及びパターニングを行う。この時、上部電極127は、n型の熱電変換材料構造体125とp型の熱電変換材料構造体121を交互に接続するように設ける。電極材料としては、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用いる。
次いで、図17(l)に示すように、上部電極127を形成した面を貼り合わせ材料129を用いてサブキャリヤ128に貼り合わせる。サブキャリヤ128には熱伝導率に優れるアルミナ等を用いることができ、貼り合わせ材料129としては、電気抵抗の高い、例えば、永久レジスト等を用いることができる。
次いで、図18(m)に示すように、SiO層112をエッチングストッパとして、例えば、SFを用いたドライエッチングによりシリコン支持基板111を完全に除去して、熱電変換材料構造体121,125の底面を露呈させる。
次いで、図18(n)に示すように、露呈した熱電変換材料構造体121,125の底面に下部電極130を形成する。この時、下部電極130は、n型の熱電変換材料構造体125とp型の熱電変換材料構造体121を交互に接続するように設けるとともに、周辺端部におけるn型の熱電変換材料構造体125とp型の熱電変換材料構造体121とに引出電極131,132を設ける。電極材料としては、上部電極127と同様に、例えば、Au(50nm)/Ti(10nm)を用いる。
最後に、図18(o)に示すように、シリコン層113を除去したのち、下部電極130を形成した面を貼り合わせ材料134を用いてアルミナ基板133に貼り合わせる。
本発明の実施例4においては、モールド基板となるSOI基板に格子状の溝を形成して補強部を形成しているので、複雑なセラミック構造においても、微細・高アスペクト比の加工が可能となる。これによりマイクロ熱電変換素子の機械的強度を飛躍的に向上させることができ、加えて、補強部にも微細ボイドを形成することが可能なので、熱伝導率の抑制が見込める。
なお、本発明の各実施例においては、電極の形成工程において、イオンミリングやリアクティブイオンエッチングを用いているが、このような方法に限られるものではない。例えば、ステンシルマスクを介したスパッタリングや真空蒸着、またはナノメタルインクを用いたインクジェット法でパターンを作製しても良い。また、この場合のナノメタルインクは金や銀を用いることができる。
ここで、実施例1乃至実施例4を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を開示する。
(付記1)複数の熱電変換材料粒子と、前記複数の熱電変換材料粒子間の少なくとも一部を埋める前記熱電変換材料粒子と同じ成分の非晶質部分と、前記非晶質部分の存在しない空孔とからなる柱状或いは格子状の熱電変換材料構造体と前記熱電変換材料構造体の一方の端面に設けられた第1の電極と、前記熱電変換材料構造体の他方の端面に設けられた第2の電極とを有する熱電変換素子。
(付記2)前記熱電変換材料構造体は、高さが50μm乃至500μmであり、水平断面の最短径が5μm乃至100μmであり、且つ、アスペクト比が2以上であることを特徴とする付記1に記載の熱電変換素子。
(付記3)前記熱電変換材料が、金属酸化物半導体からなることを特徴とする付記2または付記3に記載の熱電変換素子。
(付記4)前記熱電変換材料構造体の側壁の少なくとも一部が、電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料で被覆されることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1に記載の熱電変換素子。
(付記5)前記補強部材が、電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料粒子と、前記複数の補強部材間の少なくとも一部を埋める前記補強部材と同じ成分の非晶質部分と、前記非晶質部分の存在しない空孔とからなることを特徴とする付記4に記載の熱電変換素子。
(付記6)前記複数の熱電変換材料構造体が互いに導電型の異なった二種類の熱電変換材料構造体からなり、前記熱電変換材料構造体の一方の端面において、一導電型の前記熱電変換材料構造体と反対導電型の前記熱電変換材料構造体を第1の電極で交互に接続するとともに、前記熱電変換材料構造体の他方の端面において、一導電型の前記熱電変換材料構造体と反対導電型の前記熱電変換材料構造体を第2の電極で交互に接続して、前記第1の導電型の熱電変換材料構造体と前記第2の熱電変換材料構造体を交互に直列接続することを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1に記載の熱電変換素子。
(付記7)モールド基板に複数の孔を形成する孔製造工程と、前記孔の内部にエアロゾルデポジション法を用いて熱電変換材料を充填して熱電変換材料構造体を形成する充填工程とを有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
(付記8)前記熱電変換材料構造体を形成したのち、前記モールド基板の少なくとも一部を除去して前記熱電変換材料構造体の少なくとも一部の側壁を露呈する工程と、前記露呈した熱電変換材料構造体の側壁を、電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料で被覆する工程とを有することを特徴とする付記7に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記9)前記孔形成工程の前に、前記モールド基板に格子状の開口を形成する開口形成工程と、前記開口の内部にエアロゾルデポジッション法を用いて電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料を充填して補強部を形成する充填工程とを有し、前記孔形成工程において、格子状に充填された前記補強部の内部に孔を形成することを特徴とする付記7に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記10)前記モールド基板が、シリコン基板、シリコン基板上に絶縁膜を介してシリコン層を設けたシリコン複合基板、或いは、シリコン基板上に有機物層を設けた複合基板のいずれかであることを特徴とする付記7乃至付記9のいずれか1に記載の熱電変換素子の製造方法。
(付記11)前記モールド基板に複数の孔を形成する孔製造工程及び前記孔の内部にエアロゾルデポジション法を用いて熱電変換材料を充填して熱電変換材料構造体を形成する充填工程が、前記モールド基板に複数の第1の孔を形成する第1の孔製造工程及び前記第1の孔の内部に一導電型の熱電変換材料構造体を設ける第1の充填工程と、前記モールド基板の前記一導電型の熱電変換材料構造体の存在しない領域に複数の第2の孔を形成する第2の孔製造工程及び前記第2の孔の内部に反対導電型の熱電変換材料構造体を設ける第2の充填工程と、からなることを特徴とする付記7乃至付記10のいずれか1に記載の熱電変換素子の製造方法。
1 熱電変換素子
2 熱電変換材料構造体
3 補強部材
4 上部電極
5 下部電極
11 成膜室
12 基板保持部材
13 モールド基板
14 成膜ノズル
15 エアロゾル用配管
16 微粒子分級器
17 エアロゾル発生器
18 キャリアガスタンク
19 粒子サイズ測定器
20,24 配管
21 真空ポンプ
22 メカニカルブースタポンプ
23 超音波振動器
25 流量計
26 原料粉末
27 エアロゾル
28 支柱
29 XYZθステージ
41 単一基板
42,46,50,53,56,120,124 柱状孔
43,47,54 支持基板
44 SiO
45,49,52,55 デバイス基板
48 貼り合わせ材料
51 支持テープ
61 シリコン基板
62,66,94,97 フォトレジストパターン
63,83,95,98 柱状孔
64,84,96,99,121,125 熱電変換材料構造体
65,85 ZnO薄膜
67 凹部
68,100 補強部材
69,86,101,127 上部電極
70,87,102,128 サブキャリヤ
71,88,103,129,134 貼り合わせ材料
72,89,104,130 下部電極
81,91,111 シリコン支持基板
82 永久レジスト
92,112 SiO
93,113 シリコン層
105,106,131,132 引出電極
114 SiOパターン
115,119,123 レジストパターン
116 開口部
117 格子状溝
118 補強部
122,126 ステンシルマスク
133 アルミナ基板
141 シリコン基板
142 柱状孔
143 塗布膜
144 圧電セラミクス

Claims (7)

  1. 複数の熱電変換材料粒子と、
    前記複数の熱電変換材料粒子間の少なくとも一部を埋める前記熱電変換材料粒子と同じ成分の非晶質部分と、
    前記非晶質部分の存在しない空孔と
    からなる柱状或いは格子状の熱電変換材料構造体と
    前記熱電変換材料構造体の一方の端面に設けられた第1の電極と、
    前記熱電変換材料構造体の他方の端面に設けられた第2の電極と
    を有する熱電変換素子。
  2. 前記熱電変換材料構造体の側壁の少なくとも一部が、電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料で被覆されることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 前記補強部材が、
    電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料粒子と、
    前記複数の補強部材粒子間の少なくとも一部を埋める前記補強部材粒子と同じ成分の非晶質部分と、
    前記非晶質部分の存在しない空孔と
    からなることを特徴とする請求項2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記複数の熱電変換材料構造体が互いに導電型の異なった二種類の熱電変換材料構造体からなり、前記熱電変換材料構造体の一方の端面において、一導電型の前記熱電変換材料構造体と反対導電型の前記熱電変換材料構造体を第1の電極で交互に接続するとともに、前記熱電変換材料構造体の他方の端面において、一導電型の前記熱電変換材料構造体と反対導電型の前記熱電変換材料構造体を第2の電極で交互に接続して、前記第1の導電型の熱電変換材料構造体と前記第2の熱電変換材料構造体を交互に直列接続することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  5. モールド基板に複数の孔を形成する孔形成工程と、
    前記孔の内部にエアロゾルデポジション法を用いて熱電変換材料を充填して熱電変換材料構造体を形成する充填工程と
    を有することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  6. 前記熱電変換材料構造体を形成したのち、前記モールド基板の少なくとも一部を除去して前記熱電変換材料構造体の少なくとも一部の側壁を露呈する工程と、
    前記露呈した熱電変換材料構造体の側壁を、電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料で被覆する工程と
    を有していることを特徴とする請求項5に記載の熱電変換素子の製造方法。
  7. 前記孔形成工程の前に、
    前記モールド基板に格子状の開口を形成する開口形成工程と、
    前記開口の内部にエアロゾルデポジッション法を用いて電気抵抗及び熱抵抗が前記熱電変換材料の電気抵抗及び熱抵抗より高い補強材料を充填して補強部を形成する充填工程とを有し、
    前記孔形成工程において、格子状に充填された前記補強部の内部に孔を形成することを特徴とする請求項5に記載の熱電変換素子の製造方法。
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