JP2012015442A - 裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池を保護し且つ発電効率を向上させつつ、配線ショートを引き起こしやすいといった問題を解消し、一度内部に入り込んだ水蒸気や内部で発生したガスを外部に放出することが可能な裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】太陽電池における受光面4Aとは反対側に位置する裏面を外部環境から保護するための裏面保護シートである。少なくとも、金属層8、上記金属層8よりも受光面4A側に配置される光透過性の保護層10と、上記金属層8よりも上記受光面4Aから離れた位置に配置される外層6と、を有し、上記金属層8は、裏面保護シートの全面積に対し10%以上95%以下の面積の範囲に存在している。
【選択図】 図2
【解決手段】太陽電池における受光面4Aとは反対側に位置する裏面を外部環境から保護するための裏面保護シートである。少なくとも、金属層8、上記金属層8よりも受光面4A側に配置される光透過性の保護層10と、上記金属層8よりも上記受光面4Aから離れた位置に配置される外層6と、を有し、上記金属層8は、裏面保護シートの全面積に対し10%以上95%以下の面積の範囲に存在している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、光の回折、散乱、拡散、屈折、あるいは反射作用によって特定方向に光を偏向するための構造を有し、本来は損失となってしまう光を再利用することを可能とする裏面保護シート、及びそれを用いた太陽電池に関する。
近年、地球温暖化問題に対する内外各方面の関心が高まる中、二酸化炭素の排出抑制のために、種々努力が続けられている。化石燃料の消費量の増大は、大気中の二酸化炭素の増加をもたらし、その温室効果により地球の気温が上昇し、地球環境に重大な影響を及ぼす。化石燃料に代替えするエネルギーとしては、いろいろ検討されているが、クリーンなエネルギー源である日光による発電に対する期待が高まっている。
日光による発電に使用される太陽電池は、光のエネルギーを直接電気に換える光電変換部として、一般にはpn接合を有する半導体が用いられており、このpn接合を構成する半導体として一般的にはシリコンが最もよく用いられている。なお、一般に太陽電池に用いられる上述のシリコンは、結晶系のものと非結晶のものに分けられる。
これらの光電変換部の上には、空気や不純物から光電変換部を保護する封止基材として、一般に透明な強化ガラス等のガラス基板が設けられている。
これらの光電変換部の上には、空気や不純物から光電変換部を保護する封止基材として、一般に透明な強化ガラス等のガラス基板が設けられている。
なお、本明細書においては、このような光電変換部を含む少なくとも1つのセルを、封止材料を用いて封止してパッケージ化したものを太陽電池という。
太陽電池は、小片サイズのセルを複数電極で接続させて構成する。シリコン結晶系の太陽電池は、隣り合うセル同士の間にはある程度間隔が空いている。また、太陽電池の端部は雨水などの浸食を防ぐため、セルを配していない余白部分を数ミリから数十ミリ設けている。これらの隙間及び余白部分にはセルが無いため、これらの領域に光が照射されても発電にはつながらず、損失となっている。
このような、セルの隙間および余白に注ぐ光が損失となっていることについて、従来、以下のような対応が提案されている。
このような、セルの隙間および余白に注ぐ光が損失となっていることについて、従来、以下のような対応が提案されている。
例えば、結晶系の太陽電池においては、裏面に配置する裏面保護シートを光反射材とすることで、光を再びセル側に戻し、前面板であるガラス板などにより全反射して、セルの受光面に再入射させ効率を上げるものがある。
さらに裏面に配す裏面保護シート上に凹凸構造を設け、凹凸構造上で反射した光を散乱し易くし、セルの受光面に導く確率を向上させることで効率を上げる構造などがある(特許文献1及び2参照)。さらに、裏面の裏面保護シートに凹凸をつけることにより光を散乱させ、さらにセルの両方の面が受光面となるものを使用し効率を上げる構成も存在する(特許文献3参照)。
また、本発明者らは裏面保護シートに特定形状の凹凸構造をつけ、その凹凸構造に金属皮膜を設けることにより、更に効率を上げることが可能となることを発見した。
一方、太陽電池の構造から分かるように、裏面に裏面保護シートが使用されてモジュールの保護機能を果たしているが、この裏面保護シートは通常プラスチックシートあるいは内容物保護を目的としたその積層体であり、一般に熱伝導は悪い。このために、太陽電池モジュール内部で発生した熱は外部に放散することが少なく、内部に蓄積して内部温度を上昇させる要因になっていた。
特許文献4では、太陽電池用裏面保護シートを、耐熱性、耐候性、防湿性その他の要求される諸機能を有し、かつ、ポリエステル樹脂からなる安価な耐熱、耐候性プラスチックフイルムを積層した構成の積層体として構成し、固有粘度が0.6(dl/g)以上で、かつ、環状三量体含有量が0.5質量%以下のポリエステル樹脂からなる耐熱、耐候性プラスチックフイルムで、金属箔をその両面からサンドイッチした構成とすることが提案されている。金属箔を太陽電池用バックシートに使う理由の一つは、内容物保護性、特に水蒸気や酸素のバリヤー性が優れているためである。また、同時に高い熱伝導率によってモジュール内部で発生した熱を外部に放散する効果が期待できる。
しかし、このような金属は電気伝導性を有することが多く、配線ショート等のトラブルを引き起こす可能性がある。また、金属膜は水蒸気を通し難いという特徴があるため、内部の保護には有用である。しかしながら、長期的に見た際に、一度内部に入り込んだ水蒸気を外部に放出する、或いは内部で発生したガスを外部に放出することが困難であるという問題がある。
上述のように、太陽電池の裏面保護シートに構造を形成し、金属反射膜を設けることにより、発電効率を向上させることが可能となる。また、裏面保護シート内に金属を用いることにより、放熱性を向上させることが出来、結果として発電効率を向上させることが可能となる。
しかし、これら金属は電気伝導性を有するため、配線ショートを引き起こしやすいといった問題がある。
しかし、これら金属は電気伝導性を有するため、配線ショートを引き起こしやすいといった問題がある。
また、上述のように金属を使用すると、一度内部に入り込んだ水蒸気が外部に放出され難く、また内部で発生したガスが放出され難いといった問題がある。
本発明においては、上記のような点に着目してなされたもので、太陽電池を保護し且つ発電効率を向上させつつ、配線ショートを引き起こしやすいといった問題を解消し、一度内部に入り込んだ水蒸気や内部で発生したガスを外部に放出することが可能な裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る裏面保護シートは、太陽電池における受光面とは反対側に位置する裏面を外部環境から保護するための裏面保護シートであって、少なくとも、金属層と、上記金属層よりも受光面側に配置される光透過性の保護層と、上記金属層よりも上記受光面から離れた位置に配置される外層と、を有し、上記金属層は、裏面保護シートの全面積に対し10%以上95%以下の面積の範囲に存在していることを特徴とするものである。
裏面保護シートの一部に金属層を形成することにより、光利用効率の向上及び放熱性の向上に伴い、発電効率を上昇させることが可能となる。また、金属層を裏面保護シートの全面に形成せず、部分的に形成することによって、配線のショートを防ぎ、水蒸気や内部で発生したガスから太陽電池を保護することが可能となる。
配線のショートに関しては、最もショートの可能性が高い箇所として、裏面保護シート外部に配線を通す箇所が挙げられる。裏面保護シートに金属層が形成されている場合、配線と金属層が接触し、配線がショートする可能性がある。したがって、裏面保護シートにおいて、外部に配線を通す箇所近辺は金属層が形成されていない領域が存在することが望ましい。外部へ配線を通す領域としては、外部へ通す配線が存在している領域とその周囲に数mm分の隙間があれば充分である。その領域は、太陽電池のサイズにもよるが裏面保護シートに対して1〜2%程度あれば問題ない。一方、一度内部へ侵入した水蒸気、或いは内部で発生したガスを外部に放出し、内部を保護するためには、5%程度の領域に金属層が形成されていなければ問題ない。したがって、裏面保護シート全面に対して金属層が存在している領域が95%あれば充分に配線を通過させることが可能となり、水蒸気や内部で発生したガスによる太陽電池の保護が可能となる。一方、光利用効率の向上を考慮すると、最低でも裏面保護シートの10%が金属層で満たされている必要がある。
また、本発明の請求項2に係る裏面保護シートは、上記金属層は、少なくとも一部が網点状に形成されていることを特徴とする。
金属層の一部を網点状に形成することにより、網点となっている箇所同士は通電することがない。したがって、配線を通す必要がある箇所における金属層を網点とすることによって、配線のショートを防止することが可能となる。また、網点状に金属層を配置することにより、光利用効率を向上させるために金属層が必要な箇所に配線が存在した場合においても、金属層が存在しないことによる光利用効率の減少を抑えることが可能となる。
また、本発明の請求項3に係る発明は、太陽電池における受光面とは反対側に位置する裏面を外部環境から保護するための裏面保護シートであって、一方の面が光入射面とされ他方の面が光出射面とされた光透過性の保護層と、上記保護層の光出射面側に設けられて上記光出射面から出射した光を上記保護層に向けて反射するための反射構造層と、上記反射構造層における上記光出射面と反対側に位置する裏面側に設けられて上記反射構造層を保護する外層と、上記反射構造層の表面および裏面の少なくとも一方の面における少なくとも一部に上記金属層で形成された光反射凹凸部と、を少なくとも備え、上記光反射凹凸部を形成する金属層は、上記裏面保護シートの面積に対し10%以上95%以下の面積の範囲に存在していることを特徴とする。
裏面保護シートに反射構造層を設け、反射構造層における光反射凹凸部の少なくとも一部に金属層を用いることによって、効率よく太陽電池のセルに光を入射することが可能となる。また、金属層が上記裏面保護シートに対して10%〜95%の面積の範囲に存在していることにより、一方、一度内部へ侵入した水蒸気、或いは内部で発生したガスを外部に放出することが可能となり、且つ光利用効率が向上する。
また、本発明の請求項4に係る裏面保護シートは、上記光反射凹凸部の形状は、ファセット形状、円錐形状、ファセット形状の頂点にアールを付けた形状、円錐形状の頂点にアールを付けた形状、あるいはこれらの逆型のいずれかの形状からなることを特徴とする。
上述のようなファセット形状、円錐形状といったプリズム形状は反射率が良好である。たとえば、高アスペクト比の非球面レンズでは、散乱性はあるが構造による光の吸収が起こり、再帰反射率の低下を招く可能性がある。また、これらファセット形状の頂点にアールを付けた形状、円錐形状の頂点にアールを付けた形状は、良好な反射率を維持しつつ、製造過程における傷を防止することが可能となる。
また、本発明の請求項5に係る裏面保護シートは、上記光反射凹凸部の形状は、複数の凸部と複数の凹部とで構成され、上記凸部の頂角が、111°以上、137°以下の範囲となっていることを特徴とする。
頂角を上記の角度範囲に設定することにより、太陽電池に用いられる封止樹脂およびガラスの屈折率が約1.5とした際にガラスと空気との界面において全反射し、且つ反射光が凹凸構造へ入射することを防ぐことが可能となる。一方、頂角が137°を超える角度の場合、ガラスと空気との界面において、全反射が発生し難くなるため反射裏面保護シートに入射した光がガラスと空気との界面における全反射によってセルへ再入射する再集光効率が落ちる可能性が高くなる。また、111°を下回る角度の場合、凹凸構造で反射した光の一部が凹凸構造内で衝突する可能性が高くなり、再集光効率が落ちる可能性が高くなる。
また、本発明の請求項6に係る裏面保護シートは、上記光反射凹凸部は、上記反射構造層に設けられた凹凸形状の上に光反射性を有する金属膜からなる金属層が設けられることで構成されていることを特徴とする。
上記反射構造層を上記のように形成することにより、光反射凹凸部(凹凸構造)を
例えば押し出し成形や、凹凸構造が形成された版を用いたエンボス成形、UV成形等
により量産でき、安定して同一の凹凸構造を形成することが可能となる。その結果、
反射構造層を安定して生産することが可能となる。
例えば押し出し成形や、凹凸構造が形成された版を用いたエンボス成形、UV成形等
により量産でき、安定して同一の凹凸構造を形成することが可能となる。その結果、
反射構造層を安定して生産することが可能となる。
また、本発明の請求項7に係る太陽電池は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の裏面保護シートを裏面に設けたことを特徴とする。
請求項1から6に記載のいずれかの裏面保護シートを用いることによって、太陽電池の配線ショートを防ぐ事が可能となる。また、水蒸気や内部で発生したガスから太陽電池を保護することが可能となる。
また、本発明の請求項8に係る太陽電池は、光を入射する前面板と、上記前面板を透過した光を透過する充填層と、上記充填層内に配置されて受光面から受光することにより起電力が発生するセルと、請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の裏面保護シートと、を有し、裏面保護シートの上記金属層が形成されていない領域を、上記セルが存在する領域の直下にだけ存在するように当該裏面保護シートを配置したことを特徴とする。
請求項3から6に記載のいずれかの裏面保護シートを用いることにより、光利用効率を向上させることが可能となる。しかし、金属層が形成されていない領域をセルの直下以外に形成させてしまうと、光利用効率は幾分か減少してしまう。そこで、金属層が形成されていない領域をセルの直下にのみ存在させることにより、光利用効率を減少させること無く、配線ショートを防止することが可能となる。また、水蒸気や内部で発生したガスから太陽電池を保護することが可能となる
本発明においては、太陽電池を保護し、電気伝導体によって形成される金属層を有し、上記金属層が上記裏面保護シートにおける全面に形成されておらず、部分的に存在している。この結果、発電効率を向上させつつ配線ショートや水蒸気及び内部で発生したガスに対する耐性を有する裏面保護シート及び太陽電池を提供することが出来る。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る太陽電池について説明する。図1は、本発明の太陽電池の一様態に係る概略図である。
まず、本実施形態に係る太陽電池について説明する。図1は、本発明の太陽電池の一様態に係る概略図である。
(太陽電池)
本太陽電池は、光線1(外光とも呼ぶ。)が入射する受光側から順に、前面板2、充填層3、及び裏面保護シート5が積層して構成され、上記充填層3内に複数のセル4が配置されている。セル4の光線1の受光側の面が受光面4Aとなる。
本太陽電池は、光線1(外光とも呼ぶ。)が入射する受光側から順に、前面板2、充填層3、及び裏面保護シート5が積層して構成され、上記充填層3内に複数のセル4が配置されている。セル4の光線1の受光側の面が受光面4Aとなる。
光線1は、日光や、室内灯などの人工照明の光を指す。前面板2は、外光1を入射するものであり、一般的で光線透過率が高い透明な材料が用いられる。具体的には強化ガラス、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの樹脂シートが前面板2として使用されている。前面板2の厚みは強化ガラスであれば約5mm、樹脂シートであれば数十〜数百μmである。
前面板2に入射した光1は充填層3へと入射する。充填層3は、セル4を封止する役割があり、前面板2から入射した外光1を透過させるため、光線透過率が高い材料が用いられる。例えば、充填層3として、難燃性をもつEVA(エチレン・ビニル・アセテート)が広く使用されている。
充填層3に入射した光1の一部はセル4へと入射する。セル4は、光電効果より受光部に入射した光を電気へと変換する機能を持ち、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、薄膜シリコン型、CIGS(Cu・In・Ga・Seの化合物)系薄膜型など多くの種類が存在する。このセル4は、複数個を電極で接続し、太陽電池を形成する。
充填層3を透過した光1は太陽電池の裏面に配された裏面保護シート5へ入射する。裏面保護シート5は、入射した光を後述する反射構造層11により受光面4A側へと反射する機能を有する。反射された光は前面板2と大気との界面などでさらに反射され、セル4の受光面4Aに照射されて、光電変換されることにより光利用効率が向上する効果がある。
(裏面保護シート)
図2は、本実施形態に係る太陽電池の裏面保護シート5の構成の一例を示す側面図である。この裏面保護シート5は、受光面4Aから離れた側から、外層6、中間層7、金属層8、構造層9、透過性保護層10の順に積層されて構成されている。
図2は、本実施形態に係る太陽電池の裏面保護シート5の構成の一例を示す側面図である。この裏面保護シート5は、受光面4Aから離れた側から、外層6、中間層7、金属層8、構造層9、透過性保護層10の順に積層されて構成されている。
この実施形態では、構造層9と金属層8とにより反射構造層11が構成されている。また、金属層8は、上面視で、裏面保護シート5の全面に形成されておらず、一部、金属層8が形成されていない領域が存在する。
上記構造層9は、上記保護層10の光出射面側(図2における下面)に設けられて上記光出射面から出射した光を上記保護層10に向けて反射するための反射構造層である。その構造層9の両面のうち、図2では、下面側に後述のように凹凸構造が形成されていると共に、その構造層9の凹凸構造に金属膜として金属層8が形成されている。但し、金属層8は、上記凹凸構造の全面に形成されていないで、10%以上95%以下の範囲にだけ形成されている。
図2では、凹凸構造を下面側に設けた例を図示しているが、凹凸構造を構造層9の上面側(受光面4Aに近い側)、若しくは両面に形成しても良い。また、構造層9に凹凸構造を形成することなく、金属層8自体の厚みを変えることで凹凸構造を形成しても良い。
このような構成にすることにより、裏面保護シート5に入射した光を効率良くセルに入射させることが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
このような構成にすることにより、裏面保護シート5に入射した光を効率良くセルに入射させることが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
なお、凹凸部の形状は、ファセット形状、円錐形状、ファセット形状の頂点にアールを付けた形状、円錐形状の頂点にアールを付けた形状、あるいはこれらの逆型のいずれかの形状から構成すると良い。また、凹凸部の形状は、複数の凸部と複数の凹部とで構成され、上記凸部の頂角θが、111°以上、137°以下の範囲となっていることが好ましい。
(外層)
上記外層6は、裏面保護シート5が太陽電池に配置された際に、反射構造層11より外側(受光面4Aから離れた位置)に設けられている。この外層6は、反射構造層11を保護するものである。
上記外層6は、裏面保護シート5が太陽電池に配置された際に、反射構造層11より外側(受光面4Aから離れた位置)に設けられている。この外層6は、反射構造層11を保護するものである。
外層6は、屋外に設置されることを鑑み、耐水性、紫外線に対する耐久性等の耐候性を有しているものが望ましい。外層6の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、エポキシン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
上述の樹脂の中でも、高い耐熱性、強度、耐候性、耐久性、水蒸気等に対するガスバリア性等を有したものとして、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
上述のポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステル系樹脂の中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
上述のポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステル系樹脂の中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
上述のフッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)やテトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)が特に好ましい。
上述の環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えばa)シクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)、シクロヘキサジエン(及びその誘導体)、ノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンを重合させてなるポリマー、b)当該環状ジエンとエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系モノマーの1種又は2種以上とを共重合させてなるコポリマー等が挙げられる。これらの環状ポリオレフィン系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるシクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)又はノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンのポリマーが特に好ましい。
なお、外層6の形成材料としては、上述の合成樹脂を1種又は2種以上混合して使用することができる。また、外層6の形成材料中には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。この添加剤としては、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料等が挙げられる。上述の外層6の成形方法としては、特に限定されず、例えば押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の公知の方法が採用される。
外層6中に、紫外線安定剤又は分子鎖に紫外線安定基が結合したポリマーを含有することも可能である。この紫外線安定剤又は紫外線安定基により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、裏面保護シート5の紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤又は紫外線安定基としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤又はヒンダードアミン系紫外線安定基が好適に用いられる。
(中間層)
中間層7は、中間層7が接する2つの層との密着性が良好であることが望ましく、耐久性、クッション性などの諸特性を補うために用いられる。中間層7の材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。
中間層7は、中間層7が接する2つの層との密着性が良好であることが望ましく、耐久性、クッション性などの諸特性を補うために用いられる。中間層7の材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。
中間層7を設けることで、その他の層のみでは不足する性能を補うことができる。たとえば、耐久性、クッション性などを高めるためにシリコーン系樹脂を用いたりする。特に屋外使用の太陽電池の場合、日照時の太陽電池の熱上昇は著しく、樹脂材料から作製した裏面保護シートに反りが発生し、太陽電池の思わぬ故障を招く恐れもある。そのほか、高い発電効率を維持するために重要な高バリア性を有するために金属層を用いることもある。中間層7の厚みとしては、密着力及びコスト面から、3μm以上10μm以下であることが望ましい。
(構造層)
構造層9を形成する材料は、構造層9が金属層8よりも透過性保護層10側に位置している場合には、透過性が高いことが望まれる。構造層9に用いられる材料としては、ポリマー組成物や、金属等が挙げられる。また、構造層9にポリマー組成物を用いる場合、ポリマー組成物の他に例えば硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよい。
構造層9を形成する材料は、構造層9が金属層8よりも透過性保護層10側に位置している場合には、透過性が高いことが望まれる。構造層9に用いられる材料としては、ポリマー組成物や、金属等が挙げられる。また、構造層9にポリマー組成物を用いる場合、ポリマー組成物の他に例えば硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよい。
上述のポリマー組成物としては、特に限定されるものではなく、例えばポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。
上述のポリウレタン系樹脂の原料であるポリオールとしては、例えば水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールや、水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールなどが挙げられ、これらを単体で又は2種以上混合して使用することができる。
水酸基含有不飽和単量体としては、(a)例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、(b)例えばエチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセル化学工業株式会社製)等の2価アルコール又はエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらの水酸基含有不飽和単量体から選択される1種又は2種以上を重合してポリオールを製造することができる。
また上述のポリオールは、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、スチレン、ビニルトルエン、1−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸アリル、アジピン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソプレン等から選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和単量体と、上述の(a)及び(b)から選択される水酸基含有不飽和単量体とを重合することで製造することもできる。
水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールの数平均分子量は1000以上500000以下であり、好ましくは5000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールは、(c)例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノルA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレングリコール等の多価アルコールと、(d)例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール中の水酸基数が上記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多い条件で反応させて製造することができる。
上述の水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールの数平均分子量は500以上300000以下であり、好ましくは2000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
当該ポリマー組成物のポリマー材料として用いられるポリオールとしては、上述のポリエステルポリオール、及び、上述の水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオール又はアクリルポリオールをポリマー材料とすれば耐候性が高く、構造層9の黄変等を抑制することができる。なお、このポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
なお、上述のポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
また、構造層9を形成する材料にフィラーを含有させることによって散乱性を付与し、外光の入射角による再集光効率の影響を減少させることが可能となる。また、フィラーの含有によって耐熱性が向上させることが可能となる。
構造層9を形成する材料中にフィラーを混合する場合、構造層9の耐熱性を向上させることができ、かつ必要な散乱性に応じて適した屈折率の材料を選定することが望ましい。このフィラーを構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、酸化ケイ素等や、硫化亜鉛等の金属化合物を用いることもできるが特に、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物が望ましい。また酸化ケイ素の中空粒子を用いることもできる。このうち、酸化チタンは、屈折率が高く、分散性も得られやすいため好ましい。また、フィラーの形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
フィラーの平均粒子径は、0.1μm以上30μm以下の範囲が好ましい。平均粒子径が0.1μmより小さいと光を十分に反射しない。また、平均粒子径が30μmより大きいと成型性が悪い。
フィラーのポリマー組成物100部に対する配合量の下限としては固形分換算で30部が好ましい。一方、フィラーの上述の配合量の上限としては100部が好ましい。これは、フィラーの配合量が30部より少ないと光を十分に反射することができない為である。逆に、配合量が上述の範囲を越えると、成型性が悪い。
上述のフィラーとしては、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマー固定のフィラーを用いることで、ポリマー組成物での分散性やポリマー組成物との親和性の向上が図られる。この有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
上述の有機ポリマーを構成する具体的な樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し好適である。他方、上述のポリマー組成物と相溶性を有する樹脂が好ましく、従って構造層9を形成する材料と同じ組成であるものが最も好ましい。
上述の構造層9を形成する材料としてはシクロアルキル基を有するポリオールが好ましい。ポリマー組成物としてのポリオール中にシクロアルキル基を導入することで、ポリマー組成物の撥水性、耐水性等の疎水性が高くなり、高温高湿条件下での構造層9耐撓み性、寸法安定性等が改善される。また、構造層9の耐候性、硬度、肉持感、耐溶剤性等の塗膜基本性能が向上する。さらに、表面に有機ポリマーが固定されたフィラーとの親和性及びフィラーの分散性がさらに良好になる。
また、ポリマー組成物中には硬化剤としてイソシアネートを含有するとよい。このようにポリマー組成物中にイソシアネート硬化剤を含有することで、より一層強固な架橋構造となり、構造層9の被膜物性がさらに向上する。このイソシアネートとしては上述の多官能イソシアネート化合物と同様の物質が用いられる。中でも、被膜の黄変色を防止する脂肪族系イソシアネートが好ましい。
なお、フィラーは、内部に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、フィラーのコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
なお、フィラーは、内部に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、フィラーのコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
上述の有機ポリマーにはアルコキシ基を含有するものを用いるとよく、その含有量は特に限定されないが、フィラー1g当たり0.01mmol以上50mmol以下が好ましい。アルコキシ基により、ポリマー組成物との親和性や、ポリマー組成物中での分散性を向上させることができる。
上述のアルコキシ基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。フィラーを構成する金属と同一の金属アルコキシ基を用いるのが好ましく、フィラーがコロイダルシリカである場合には、シリコンを金属とするアルコキシ基を用いるのが好ましい。
有機ポリマーを固定したフィラーの有機ポリマーの含有率については、特に制限されないが、フィラーを基準にして0.5質量%以上50質量%以下が好ましい。
また、構造層9と、金属層8から形成される光反射凹凸部11Aとは、入射してきた光を特定の方向へと反射するための構造であり、好適に反射することが出来る形状として、V字溝、多角錘形状等のファセット形状や、円錐形状、及びファセット形状の頂点にアールを付けた形状、円錐形状の頂点にアールを付けた形状、及びこれらの逆型が挙げられる。
また、構造層9と、金属層8から形成される光反射凹凸部11Aとは、入射してきた光を特定の方向へと反射するための構造であり、好適に反射することが出来る形状として、V字溝、多角錘形状等のファセット形状や、円錐形状、及びファセット形状の頂点にアールを付けた形状、円錐形状の頂点にアールを付けた形状、及びこれらの逆型が挙げられる。
また、構造層9の形成方法としては、プラスチック原料をスクリュまたはプランジャで、加熱シリンダ内で送り込み、加熱流動化させ、先端のダイを通過させて形を与え、これを水または空気で冷却固化させて、長尺品を作る押出成形法がある。
また、別の構造層9の形成方法としては、例えば樹脂等に電子ビームによって凹凸パターンを描画、或いはバイト切削等により凹凸パターンを形成し、このように形成した凹凸パターンを、電鋳によって金属版に起こすなどして原版を作製し、その原版からエンボス成形法でパターンを転写することで、大量に凹凸パターンを複製できる。また、エンボス成形法で転写する代わりに、紫外線硬化樹脂を用いる成形法によってパターンを転写してもよい。
また、別の構造層9の形成方法としては、例えば樹脂等に電子ビームによって凹凸パターンを描画、或いはバイト切削等により凹凸パターンを形成し、このように形成した凹凸パターンを、電鋳によって金属版に起こすなどして原版を作製し、その原版からエンボス成形法でパターンを転写することで、大量に凹凸パターンを複製できる。また、エンボス成形法で転写する代わりに、紫外線硬化樹脂を用いる成形法によってパターンを転写してもよい。
(金属層)
金属層8は金属によって構成され、入射してきた光を反射する機能を有する層である。金属層8に用いられる材料としては、反射性を有しかつ蒸着が可能であれば特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、プラチナ(Pt)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)等の金属や、これらの合金等が挙げられる。反射率の観点から見ると、紫外、可視、近赤外の領域で良好な反射率を示すアルミニウム及び銀が望ましい。また、可視から近赤外の領域で良好な反射率を示す、金及び銅も次いで望ましい。また、耐食性の観点からすると、安定なアルミニウム、金、プラチナ、ニッケル、クロム、ジルコニウムが望ましい。また、コストの観点からすると、アルミニウム及び銅が望ましい。
金属層8は金属によって構成され、入射してきた光を反射する機能を有する層である。金属層8に用いられる材料としては、反射性を有しかつ蒸着が可能であれば特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、プラチナ(Pt)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)等の金属や、これらの合金等が挙げられる。反射率の観点から見ると、紫外、可視、近赤外の領域で良好な反射率を示すアルミニウム及び銀が望ましい。また、可視から近赤外の領域で良好な反射率を示す、金及び銅も次いで望ましい。また、耐食性の観点からすると、安定なアルミニウム、金、プラチナ、ニッケル、クロム、ジルコニウムが望ましい。また、コストの観点からすると、アルミニウム及び銅が望ましい。
金属層8は、構造層9に沿って金属を蒸着することで形成される。この金属層8の蒸着手段としては、構造層9に収縮、黄変等の劣化を招来することなく金属が蒸着できれば特に限定されるものではない、蒸着方法としては、例えば、(a)真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法;PVD法)、(b)プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法;CVD法)を採用すればよい。これらの蒸着法の中でも、生産性が高く良質な光反射層が形成できる真空蒸着法やイオンプレーティング法が好ましい。
このとき、光の入射方向からみて、金属層8が形成されていない領域を作る。これによって、金属層8の有するガスバリア性によって生じる、一度内部に侵入した水蒸気や、内部で発生したガスが、外部へ放出されないという問題を改善することが可能となる。
金属層8が形成されていない領域を作る方法として、構造層9上にマスクをした上で蒸着を施す方法や、金属層8を形成した後に、金属層8を残したい領域に保護層を形成した後に、アルカリ等で金属層8を除去する方法がある。
金属層8が形成されていない領域を作る方法として、構造層9上にマスクをした上で蒸着を施す方法や、金属層8を形成した後に、金属層8を残したい領域に保護層を形成した後に、アルカリ等で金属層8を除去する方法がある。
ここで、金属層8は、単層構造でもよく、2層以上の多層構造でもよい。このように金属層8を多層構造とすることで、蒸着の際に掛かる熱負担が軽減される結果、構造層9の劣化が低減され、さらに構造層9と金属層8との密着性等を改善することができる。また、上述の物理気相成長法及び化学気相成長法における蒸着条件は、構造層9の樹脂種類、金属層8の厚さ等に応じて適宜設計される。
また、金属層8を網点状に形成することにより、光利用効率を向上させるために金属層が必要な箇所に配線が存在した場合においても、金属層が存在しないことによる光利用効率の減少を抑えることが可能となるため望ましい。
また、先にも述べたとおり、太陽電池の隣り合うセル同士の間にはある程度間隔が空いている。また、太陽電池の端部は雨水などの浸食を防ぐため、セルを配していない余白部分を数ミリから数十ミリ設けている。光利用効率の向上の観点からすると、この余白部分を金属層8が充分に満たす事が望ましい。セルサイズを156mm角、隙間を5mm程度と考えると、最低でも10%は金属層8を有することが望ましい。
また、先にも述べたとおり、太陽電池の隣り合うセル同士の間にはある程度間隔が空いている。また、太陽電池の端部は雨水などの浸食を防ぐため、セルを配していない余白部分を数ミリから数十ミリ設けている。光利用効率の向上の観点からすると、この余白部分を金属層8が充分に満たす事が望ましい。セルサイズを156mm角、隙間を5mm程度と考えると、最低でも10%は金属層8を有することが望ましい。
金属層8の厚さの下限としては、10nmが好ましく、20nmが特に好ましい。一方、金属層8の厚さの上限としては、200nmが好ましく、100nmが特に好ましい。金属層8の厚さが10nmより小さいと、金属層8に入射する光を十分に反射することができない。また、20nm以上の厚さであっても、金属層8で反射される光は増えないため、20nmであれば十分な厚さといえる。一方、金属層8の厚さが200nmの上限を超えると、金属層8に目視でも確認できるクラックが発生し、100nm以下であれば、目視で確認できないようなクラックも発生しない。
また、金属層8を形成する下地の厚みとしては、最も薄い箇所の厚さが100μm以上であることが望ましい。100μm未満の場合、基材が撓みやすく、反射膜にクラックが入りやすい。本例では透過性保護層10と構造層9が金属層8を形成する下地となるため、両者の厚みの合計100μm以上であることが望ましい。
(金属層のトップコート処理)
また、金属層8の外面には、トップコート処理を施すとよい。このように金属層8の外面にトップコート処理を施すことで、金属層8が封止及び保護され、経年劣化を抑えることが可能となる。
また、金属層8の外面には、トップコート処理を施すとよい。このように金属層8の外面にトップコート処理を施すことで、金属層8が封止及び保護され、経年劣化を抑えることが可能となる。
上述のトップコート処理に用いるトップコート剤としては、例えばポリエステル系トップコート剤、ポリアミド系トップコート剤、ポリウレタン系トップコート剤、エポキシ系トップコート剤、フェノール系トップコート剤、(メタ)アクリル系トップコート剤、ポリ酢酸ビニル系トップコート剤、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系トップコート剤、セルロース系トップコート剤などが挙げられる。かかるトップコート剤の中でも、金属層8との接着強度が高く、金属層8の表面保護、欠陥の封止等に寄与するポリエステル系トップコート剤が特に好ましい。
上述のトップコート剤のコーティング量(固形分換算)は、3g/m2以上、7g/m2以下が好ましい。トップコート剤のコーティング量が3g/m2より小さいと、金属層8を封止及び保護する効果が小さくなるおそれがある。一方、当該トップコート剤のコーティング量が上7g/m2を超えても、上述の金属層8の封止及び保護効果があまり増大せず、かえって裏面保護シート5の厚さが増大してしまう。
なお、上述のトップコート剤中には、密接着性向上のためのシランカップリング剤、耐候性等を向上させるための紫外線吸収剤、耐熱性等を向上させるための無機フィラー等の各種添加剤を適宜混合することができる。かかる添加剤の混合量としては、添加剤の効果発現とトップコート剤の機能阻害とのバランスから0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。上述の添加剤が、0.1質量%未満では、密接着性、耐候性、耐熱性が十分に得られず、10質量%より多いと、トップコート剤の機能を阻害してしまう。
裏面保護シート5において、金属層8を用いる場合にはその密接着性等を向上させるため、金属層8の蒸着対象面である構造層9の表面に表面処理を施すとよい。このような表面処理としては、例えば(a)コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いた酸化処理、及び(b)プライマーコート処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理、蒸着アンカーコート処理などが挙げられる。これらの表面処理の中でも、構造層9との接着強度が向上し、緻密かつ均一な金属層8の形成に寄与するコロナ放電処理及びアンカーコート処理が好ましい。
上述のアンカーコート処理に用いるアンカーコート剤としては、例えばポリエステル系アンカーコート剤、ポリアミド系アンカーコート剤、ポリウレタン系アンカーコート剤、エポキシ系アンカーコート剤、フェノール系アンカーコート剤、(メタ)アクリル系アンカーコート剤、ポリ酢酸ビニル系アンカーコート剤、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系アンカーコート剤、セルロース系アンカーコート剤などが挙げられる。これらのアンカーコート剤の中でも、金属層8の接着強度をより向上することができるポリエステル系アンカーコート剤が特に好ましい。
上述のアンカーコート剤のコーティング量(固形分換算)は、1g/m2以上、3g/m2以下が好ましい。アンカーコート剤のコーティング量が1g/m2より少ないと、金属層8の密着性向上効果が小さくなる。一方、当該アンカーコート剤のコーティング量が3g/m2より多いと、裏面保護シート5の強度、耐久性等が低下するおそれがある。
なお、上述のアンカーコート剤中には、密接着性向上のためのシランカップリング剤、ブロッキングを防止するためのブロッキング防止剤、耐候性等を向上させるための紫外線吸収剤等の各種添加剤を適宜混合することができる。
(保護層)
透過性保護層10は、耐熱、耐湿性、電気的特性(特に全面耐電圧)、機械的特性が優れていることが望ましい。具体的にはフッ素樹脂フィルム、フッ素樹脂塗膜、電気絶縁用PETなどが挙げられる。また、透過性保護層10の厚みに関しては、電気絶縁性とコストの観点から、180μm以上350μm以下の範囲であることが望ましい。
透過性保護層10は、耐熱、耐湿性、電気的特性(特に全面耐電圧)、機械的特性が優れていることが望ましい。具体的にはフッ素樹脂フィルム、フッ素樹脂塗膜、電気絶縁用PETなどが挙げられる。また、透過性保護層10の厚みに関しては、電気絶縁性とコストの観点から、180μm以上350μm以下の範囲であることが望ましい。
(裏面保護シートの作製例)
図2に示すような裏面保護シート5を作製する方法の例としては、次の方法がある、すなわち、透過性保護層10上に金属版を用いたUV成形法により凹凸構造を有する構造層9を作製し、その上に金属層8をマスク蒸着等により形成する。凹凸構造上に金属層8が形成された部分が光反射凹凸部11Aとなる。さらに、金属層8と外層6を、中間層7を用いて接着する。
図2に示すような裏面保護シート5を作製する方法の例としては、次の方法がある、すなわち、透過性保護層10上に金属版を用いたUV成形法により凹凸構造を有する構造層9を作製し、その上に金属層8をマスク蒸着等により形成する。凹凸構造上に金属層8が形成された部分が光反射凹凸部11Aとなる。さらに、金属層8と外層6を、中間層7を用いて接着する。
以上説明したように、本実施の形態の裏面保護シート5は、光透過性を有する透過性保護層10と、金属によって形成された金属層8を有する反射構造層11と、反射構造層11を保護する外層6とを有している。
(光反射凹凸部の例)
図3は、光反射凹凸部11Aの一例を示す斜視図である。
光反射凹凸部11Aは構造層9の少なくとも片面に設けられ、光線1を調光する機能がある。太陽電池の種類及び設置場所にもよるが、図3(a)に示すようなピラミッド型が2方向に配列した構造、図3(b)に示すV溝型が一方向に配列した構造、図3(c)に示す円錐型が2方向に配列した構造などが効果的な形状の例として挙げられる。
図3は、光反射凹凸部11Aの一例を示す斜視図である。
光反射凹凸部11Aは構造層9の少なくとも片面に設けられ、光線1を調光する機能がある。太陽電池の種類及び設置場所にもよるが、図3(a)に示すようなピラミッド型が2方向に配列した構造、図3(b)に示すV溝型が一方向に配列した構造、図3(c)に示す円錐型が2方向に配列した構造などが効果的な形状の例として挙げられる。
また、主に太陽電池の光源となるのは、日光である。日光は太陽電池から無限遠に位置する光源に近似されるので、日光は、太陽電池が設置されるような屋上、屋根などでは平行光として太陽電池へ入射することになる。ただし、全て平行光ということではなく、周辺物に当たり反射する散乱光も存在するが、大部分が平行光として入射する。平行光の調光には、光反射凹凸部の形状として、平面をもつプリズム形状が有効である。
また、V溝型やピラミッド型はマイクロレンズなどの球面、非球面の形状と比べ、作製しやすい利点がある。
また、V溝型やピラミッド型はマイクロレンズなどの球面、非球面の形状と比べ、作製しやすい利点がある。
図4は、本実施形態に係る光反射凹凸部11Aの一例の頂角を示す側面図である。
光反射凹凸部11Aの頂角θは、光反射凹凸部11Aを形成する2つの対向する側面において直線状に形成された領域にそれぞれ平行な線L1およびL2に挟まれる角度を指す。図4(b)のように頂点にアールがついた形状でも同様である。
光反射凹凸部11Aの頂角θは、光反射凹凸部11Aを形成する2つの対向する側面において直線状に形成された領域にそれぞれ平行な線L1およびL2に挟まれる角度を指す。図4(b)のように頂点にアールがついた形状でも同様である。
言い換えると、光反射凹凸部11Aの形状は複数の凸部と複数の凹部とで構成されており、凸部の頂角θが111°以上、137°以下の範囲に含まれていることが好ましい。
次に本発明の実施例について説明する。
本実施例においては、裏面保護シートの構成を図2に示した構成とする。また、光の入射方向からみた(上面視)図5(a)(b)に示すように、裏面保護シート5の一部に金属層8が形成されていない領域が存在する。また、光反射凹凸部11Aの高さが約58μmであり、隣接する凸部の平均間隔が200μmの裏面保護シートとした。
そして、その裏面保護シートについて再集光効率に関する測定を行った。
本実施例においては、裏面保護シートの構成を図2に示した構成とする。また、光の入射方向からみた(上面視)図5(a)(b)に示すように、裏面保護シート5の一部に金属層8が形成されていない領域が存在する。また、光反射凹凸部11Aの高さが約58μmであり、隣接する凸部の平均間隔が200μmの裏面保護シートとした。
そして、その裏面保護シートについて再集光効率に関する測定を行った。
(測定方法)
図6に測定方法の模式図を示す。
光源として正午の日光を想定し、入射角度は約0度の平行光を測定光源として採用した。また、再集光効率の測定にはパワーメーター14を用いた。太陽電池の構成を想定し、図6のように、裏面保護シート5、パワーメーター14、ガラス13を順に積層した。また、各層の間には屈折率を合わせる為、グリセリン15を用いて液浸した。
図6に測定方法の模式図を示す。
光源として正午の日光を想定し、入射角度は約0度の平行光を測定光源として採用した。また、再集光効率の測定にはパワーメーター14を用いた。太陽電池の構成を想定し、図6のように、裏面保護シート5、パワーメーター14、ガラス13を順に積層した。また、各層の間には屈折率を合わせる為、グリセリン15を用いて液浸した。
本実施例は、反射構造層11は透過性保護層10であるPETフィルムを成形基材として、紫外線硬化型のアクリル系樹脂を用いて作製し、金属層8としてアルミ蒸着を施した。また、外層6にはPETフィルムを用いた。
上述のように作製したサンプルに関して、透過性保護層側から光を入射させ、測定した。その結果を表1に示す。
上述のように作製したサンプルに関して、透過性保護層側から光を入射させ、測定した。その結果を表1に示す。
比較として、反射が無い場合を想定した黒紙、及び現行の裏面保護シートを想定した白PETを保護シートに見立てて、同様な条件で測定を行った。
なおこのとき、本実施例として、パワーメーター14が存在する領域の直下にのみ、金属層8が存在しない領域を形成した図5(a)と、パワーメーター14が存在する領域の直下にのみ金属層8が存在する図5(b)の2種を作製した。
なおこのとき、本実施例として、パワーメーター14が存在する領域の直下にのみ、金属層8が存在しない領域を形成した図5(a)と、パワーメーター14が存在する領域の直下にのみ金属層8が存在する図5(b)の2種を作製した。
表1から分かるように、本実施例の裏面保護シートの測定結果は、黒紙と比較すると全てのサンプルにおいて再集光効率が向上することが確認された。
しかし、図5(a)においては白PETと比較しても再集光効率が向上しているのに対し、図5(b)においては、黒紙とほぼ同じ値を示していることがわかる。したがって、発電源であるパワーメーター14の存在する領域の直下にのみ金属層8が存在している方が良好な発電効率が得られることが確認された。
しかし、図5(a)においては白PETと比較しても再集光効率が向上しているのに対し、図5(b)においては、黒紙とほぼ同じ値を示していることがわかる。したがって、発電源であるパワーメーター14の存在する領域の直下にのみ金属層8が存在している方が良好な発電効率が得られることが確認された。
本実施例においては構成を図2に示した構成から、中間層7、外層6を除去した構成とし、図5(a)(b)(c)に示すように裏面保護シート5の一部に金属層8が形成されていない領域が存在する場合の実施例である。
図5(a)(b)(c)に示した3種のサンプルにおける金属層8にテスターを接触させ、通電するか確認を行った。図5(a)(b)のサンプルにおいては、金属層8が形成されている箇所同士に関してテスターを接触させたときにのみ、通電することが確認された。一方、図5(c)のサンプルに関しては、網点状になっている金属層8の同じ点の間で接触させない限り通電しない事が確認された。
図5(a)(b)(c)に示した3種のサンプルにおける金属層8にテスターを接触させ、通電するか確認を行った。図5(a)(b)のサンプルにおいては、金属層8が形成されている箇所同士に関してテスターを接触させたときにのみ、通電することが確認された。一方、図5(c)のサンプルに関しては、網点状になっている金属層8の同じ点の間で接触させない限り通電しない事が確認された。
したがって、図5(a)(b)に関しては、金属層8が存在しない領域に配線を通すことにより、図5(c)に関しては、どの領域でも配線を通すことにより、配線ショートの可能性が抑えられることが確認された。
また、実施例3は、図2に示した構成とし、図5(a)に示すような形状で裏面保護シート5の一部に金属層8が形成されていない領域が存在する実施例である。
以上の構成で、金属層が形成されている領域が全体の100%、95%、74%、62%、32%、0%としたサンプルに関してJIS K 0208 カップ法を用いて水蒸気透過度の測定を実施した。
以上の構成で、金属層が形成されている領域が全体の100%、95%、74%、62%、32%、0%としたサンプルに関してJIS K 0208 カップ法を用いて水蒸気透過度の測定を実施した。
本実施例は、反射構造層11は透過性保護層10である厚み250μmのPETフィルムを成形基材として、紫外線硬化型のアクリル系樹脂を用いて作製し、金属層8としてアルミ蒸着を100nm施した。また、外層6には厚み50μmのPETフィルムを用いた。
水蒸気透過度の測定結果を表2に示す。
水蒸気透過度の測定結果を表2に示す。
表2から分かるように、金属層8が全体の100%の場合、水蒸気透過度の値は0.9(g/m2・d)であるのに対して、金属層8が形成されていない0%のサンプルに関しては、5(g/m2・d)であった。
一方、一部に金属層が形成されているサンプルに関しては、金属層8が全体の95%を占めているサンプルであっても、4.3(g/m2・d)の値を示しており、金属層8が占める領域が、95%あれば、内部に存在している水蒸気を外部へ放出することが出来る性能が、金属層8が形成されていない場合と比較して同等程度にあることが確認された。
1 光線(外光)
2 前面板
3 充填層
4 セル
4A 受光面
5 裏面保護シート
6 外層
7 中間層
8 金属層
9 構造層
10 保護層
11 反射構造層
11A 光反射凹凸部
θ 頂角
2 前面板
3 充填層
4 セル
4A 受光面
5 裏面保護シート
6 外層
7 中間層
8 金属層
9 構造層
10 保護層
11 反射構造層
11A 光反射凹凸部
θ 頂角
Claims (8)
- 太陽電池における受光面とは反対側に位置する裏面を外部環境から保護するための裏面保護シートであって、
少なくとも、金属層と、上記金属層よりも受光面側に配置される光透過性の保護層と、上記金属層よりも上記受光面から離れた位置に配置される外層と、を有し、
上記金属層は、裏面保護シートの全面積に対し10%以上95%以下の面積の範囲に存在していることを特徴とする裏面保護シート。 - 上記金属層は、少なくとも一部が網点状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の裏面保護シート。
- 太陽電池における受光面とは反対側に位置する裏面を外部環境から保護するための裏面保護シートであって、
一方の面が光入射面とされ他方の面が光出射面とされた光透過性の保護層と、
上記保護層の光出射面側に設けられて上記光出射面から出射した光を上記保護層に向けて反射するための反射構造層と、
上記反射構造層における上記光出射面と反対側に位置する裏面側に設けられて上記反射構造層を保護する外層と、
上記反射構造層の表面および裏面の少なくとも一方の面における少なくとも一部に上記金属層で形成された光反射凹凸部と、を少なくとも備え、
上記光反射凹凸部を形成する金属層は、上記裏面保護シートの面積に対し10%以上95%以下の面積の範囲に存在していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の裏面保護シート。 - 上記光反射凹凸部の形状は、ファセット形状、円錐形状、ファセット形状の頂点にアールを付けた形状、円錐形状の頂点にアールを付けた形状、あるいはこれらの逆型のいずれかの形状からなることを特徴とする請求項3に記載の裏面保護シート。
- 上記光反射凹凸部の形状は、複数の凸部と複数の凹部とで構成され、上記凸部の頂角が、111°以上、137°以下の範囲となっていることを特徴とする請求項4に記載の裏面保護シート。
- 上記光反射凹凸部は、上記反射構造層に設けられた凹凸形状の上に光反射性を有する金属膜からなる金属層が設けられることで構成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の裏面保護シート。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の裏面保護シートを裏面に設けたことを特徴とする太陽電池。
- 光を入射する前面板と、
上記前面板を透過した光を透過する充填層と、
上記充填層内に配置されて受光面から受光することにより起電力が発生するセルと、
請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の裏面保護シートと、を有し、
裏面保護シートの上記金属層が形成されていない領域を、上記セルが存在する領域の直下にだけ存在するように当該裏面保護シートを配置したことを特徴とする太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010152916A JP2012015442A (ja) | 2010-07-05 | 2010-07-05 | 裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池 |
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---|---|
JP (1) | JP2012015442A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016183456A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-20 | 富士通株式会社 | 太陽光発電装置、センシング装置及び情報処理システム |
JP2017501584A (ja) * | 2013-12-27 | 2017-01-12 | ビーワイディー カンパニー リミテッドByd Company Limited | デュアルガラス光電池モジュール |
KR20230078884A (ko) * | 2021-11-26 | 2023-06-05 | 한국전자기술연구원 | 내오염층을 갖는 태양광 기판 및 그의 제조 방법 |
-
2010
- 2010-07-05 JP JP2010152916A patent/JP2012015442A/ja active Pending
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KR102677868B1 (ko) * | 2021-11-26 | 2024-06-25 | 한국전자기술연구원 | 내오염층을 갖는 태양광 기판 및 그의 제조 방법 |
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