JP2012013685A - エックス線ミラー、その製造方法及びエックス線装置 - Google Patents

エックス線ミラー、その製造方法及びエックス線装置 Download PDF

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康平 岡本
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Abstract

【課題】 異なるエネルギーのエックス線を反射するミラーのエックス線吸収損失を少なくする。
【解決手段】 基板と、前記基板上に存在する複数の領域からなるエックス線反射構造体とを有するエックス線ミラーにおいて、前記エックス線反射構造体は、基板の法線方向に構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜であることを特徴とするエックス線ミラー。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メソ構造材料を用いたエックス線ミラー、その製造方法およびメソ構造材料を用いたエックス線ミラーをエックス線光路の一部として有するエックス線装置に関する。
エックス線は、医療、非破壊検査、結晶構造解析等の分野で広く利用されている。エックス線の反射には、通常、全反射とブラッグ回折が用いられている。ブラッグ回折を利用した反射鏡である多層膜ミラーは、全反射を利用したミラーと比較して、実用上、高エネルギーのエックス線に対応することが可能である。一方、その反射は、ブラッグの条件で規定されるために、エックス線の広いエネルギー領域にわたって反射を得ることは困難である。これを解決するために、周期の異なる多層膜を積層したミラー(いわゆるスーパーミラー)が開発されてきた。この積層した多層膜ミラーでは、長波長のエックス線は大きな周期の多層膜で、短波長のエックス線は小さな周期の多層膜で反射されることにより広いエネルギー領域にわたるエックス線を反射することが可能となる。特許文献1公報には、周期の異なる複数の多層膜を積層したミラーについての技術が開示されている。
特開2003−255089号公報
特許文献1に例示されている多層膜の軽元素層(スペーサ層)には、多層膜として一般的なシリコンが用いられている。このような軽元素層の材料には、無視できないエックス線の吸収能があるために、ミラーの反射率を低下させる原因となる。特に、複数の多層膜を積層したミラーの場合、ミラー内を通過するエックス線の光路長が増大することが多く、この吸収損失が大きくなるために更なる改良が求められている。
そこで、本発明は、エックス線の吸収損失の少ない、異なるエネルギーのエックス線を反射することが可能なエックス線ミラー、その製造方法及びそのエックス線ミラーをエックス線光路の一部として有するエックス線装置を提供する。
上記の課題を解決するエックス線ミラーは、基板と、前記基板上に存在するエックス線反射構造体とを有するエックス線ミラーにおいて、前記エックス線反射構造体は、基板の法線方向に構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜であることを特徴とする。上記の課題を解決するエックス線ミラーの製造方法は、基板と、前記基板上に存在する複数の領域からなるエックス線反射構造体とを有するエックス線ミラーの製造方法であって、前記エックス線反射構造体の形成工程として、少なくとも、基板上に周期構造を有する第1のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜の上に、前記第1のメソ構造体膜とは構造周期の異なる周期構造を有する第2のメソ構造体膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
エックス線の吸収損失の少ない、異なるエネルギーのエックス線を反射することが可能なエックス線ミラーおよびその製造方法を提供することができる。
本発明に係るエックス線ミラーの一実施形態を示す概念図である。 軽元素層またはメソ構造体膜の孔または有機化合物部位に用いられる材料のエックス線透過率(縦軸)のエネルギー(横軸)依存性を示すグラフである。 本発明の実施例と比較例のエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性を示すグラフである。 本発明の実施例と比較例のエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線の入射角(横軸)依存性を示すグラフである。 本発明の実施例と比較例のエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性を示すグラフである。 本発明の実施例と比較例のエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性を示すグラフである。 本発明の実施例と比較例のエックス線ミラーの反射率のピーク値(縦軸)のメソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ)(横軸)依存性を示すグラフである。 本発明のエックス線ミラーをエックス線光路の一部として有する蛍光エックス線装置の一例を示す模式図である。
(本発明のエックス線ミラーについて)
本発明に係るエックス線ミラーは、基板と、前記基板上に存在するエックス線反射構造体とを有するエックス線ミラーにおいて、前記エックス線反射構造体は、基板の法線方向に構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜であることを特徴とする。
図1は、本発明に係るエックス線ミラーの一実施形態を示す概念図である。同図1において、1000は基板、1010は基板上に形成され、基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜(エックス線反射構造体)、1020は基板面の法線方向、1030は構造周期である。そして、1040は入射エックス線、1050は反射エックス線を示している。ここで、1060はメソ構造体膜の壁部、1070はメソ構造体膜の孔または有機化合物部位、1080はエックス線の入射角を示す。1090はメソ構造体膜の構造周期の異なる複数の領域を示す。
本発明においては、基板上に形成され、基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜を用いて、異なるエネルギーのエックス線を反射するエックス線ミラーを構成する。
次に、本実施形態に係るエックス線ミラーについて、以下に(1)基板、(2)基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜、(3)その効果についての3項目に分けて説明する。
(1)基板について
本発明に用いる基板は、メソ構造体膜を形成可能なものであれば、特に限定することなく用いることができる。材料を例示すると、シリコン、石英、ガラス、金属等が挙げられる。形状は、ミラーとして必要な特性を満たすものであれば、特に限定することなく選択できる。例として、平面、曲面が挙げられる。
(2)基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜について
(2−1)メソ構造体膜について
多孔質材料は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)によって、その孔径により分類されており、孔径が2から50nmの多孔質材料は、メソポーラスに分類される。近年、このメソポーラス材料についての研究が盛んに行われ、界面活性剤の集合体を鋳型とすることで、径の揃ったメソポアが規則的に配列した構造を得ることが可能になっている。
ここで、本発明のメソ構造体膜は、(A)メソポーラス膜、(B)メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたものを意味する。
このようなメソ構造体膜は、従来のシリコンや炭素などの比較的エックス線吸収能の高い材料と比較して、空孔や有機化合物といった、比較的にエックス線吸収能の低い材料である。したがって、メソ構造体膜を用いた本発明のエックス線ミラーは、従来のエックス線ミラーと比べて吸収損失が低減されたものになる。
以下に詳細な説明を行う。
(A)メソポーラス膜について
孔径が2から50nmの多孔質材料で、壁部の材料は特に限定されるものではないが、その例としては、製造可能性、エックス線ミラーとしての特性の観点から、無機酸化物が挙げられる。この無機酸化物の例としては、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛等が挙げられる。壁部の表面は、必要に応じて修飾されていてよい。たとえば、水の吸着を抑制するために、疎水性の分子を修飾してもよい。
メソポーラス膜の調製法は、特に制限されるものではないが、たとえば、以下の方法で調製することができる。集合体が鋳型として機能する両親媒性物質の溶液に、無機酸化物の前駆体を加え、製膜を行い、無機酸化物の生成反応を進行させる。その後に、鋳型分子を除去することにより、多孔質材料とする。
この両親媒性物質は、特に限定されるものではないが、界面活性剤が適している。界面活性剤分子の例としては、イオン性、非イオン性の界面活性剤を挙げることができる。このイオン性界面活性剤の例としては、トリメチルアルキルアンモニウムイオンのハロゲン化物塩を挙げることができる。このアルキル鎖の鎖長の例としては、炭素数で10から22が挙げられる。非イオン性の界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコールを親水基として含むものを挙げることができる。ポリエチレングリコールを親水基として含む界面活性剤の具体例としては、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール‐ポリプロピレングリコール‐ポリエチレングリコールのブロックコポリマーを挙げることができる。ポリエチレングリコールアルキルエーテルのこのアルキル鎖の鎖長の例としては、炭素数で10から22、ポリエチレングリコールの繰返し数の例としては、2から50を挙げることができる。この疎水基、親水基を変化させることによりメソ孔の径を変化させることが可能である。一般的に疎水基、親水基を大きなものとすることにより孔径を拡大することが可能である。また、界面活性剤に加えて、ミセルの径を調整するための添加物を加えてもよい。このミセルの径を調整するための添加物としては、疎水性物質が挙げられる。この疎水性物質の例としては、アルカン類、親水性基を含まない芳香族化合物が挙げられ、その具体的な例としては、オクタンが挙げられる。
無機酸化物の前駆体の例としては、ケイ素や金属元素のアルコキサイド、塩化物が挙げられる。さらに具体的な例としては、Si,Sn,Zr,Ti,Nb,Ta,Al,W,Hf,Znのアルコキサイド、塩化物が挙げられる。アルコキサイドの例としては、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、または、その一部がアルキル基に置換されたものが挙げられる。
製膜法の例としては、ディップコート法、スピンコート法、水熱合成法が挙げられる。鋳型分子の除去方法の例としては、焼成、抽出、紫外線照射、オゾン処理が挙げられる。
(B)メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたものについて
壁部の材料については、(A)メソポーラス膜の項に記載したものと同様のものを使用することができる。孔に充填する物質については、有機化合物を主とするものであれば特に制限されるものではない。この「主」の意味としては、体積比で50%以上を意味する。この有機化合物の例としては、界面活性剤や、分子集合体の形成機能を有する部位が、壁部を形成する材料または壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料が挙げられる。この界面活性剤の例としては、(A)の項で記載した界面活性剤を挙げることができる。また分子集合体の形成機能を有する部位が壁部を形成する材料、または、壁部を形成する材料の前駆体と結合している材料の例としては、アルキル基を有するアルコキシシラン、アルキル基を有するオリゴシロキサン化合物を挙げることができる。このアルキル鎖の鎖長の例としては、炭素数で10から22が挙げられる。
孔の内部には、必要に応じて、または、使用する材料、工程の結果として水、有機溶媒、塩等が含まれていてよい。この有機溶媒の例としては、アルコール、エーテル、炭化水素が挙げられる。
メソポーラス膜の孔が主に有機化合物で充填されたものの調製法は、特に制限されるものではないが、たとえば、(A)の項に記載したメソポーラス膜の調製法の鋳型の除去以前の工程を挙げることができる。
(2−2)基板面の法線方向に周期構造を持つメソ構造体膜について
本発明におけるメソ構造体膜は基板面の法線方向に周期構造を持つ。この基板面の法線方法とは、平面基板であればその平面の法線方向であり、基板が曲面基板である場合には、その曲面基板の接平面の法線方向を意味する。この構造周期の範囲としては、2nmから50nmの範囲が挙げられる。この「法線方向に周期構造を持つ」という表現は、実際の周期構造の方向が、法線方向から10度以内、好ましくは、3度以内、さらに好ましくは、1度以内の角度で存在していることを意味する。一般にメソ構造体膜は、一次元から三次元までのさまざまな周期構造を持つものが知られている。
本発明のエックス線ミラーの構成要素であるメソ構造体膜としては、基板面の法線方向に周期構造を持つものを用いることができる。この記載は、基板面の法線方向以外の方向に周期構造を持つことを排除するものではない。このメソ構造体膜の構造の例としては、ラメラ構造、二次元ヘキサゴナル構造、三次元ヘキサゴナル構造、三次元キュービック構造、およびこれらが変形した構造を挙げることができる。この変形の例としては、上記の構造が膜厚方向に収縮した構造が挙げられる。
このメソ構造体膜は、基板の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有する。ここにいう複数の領域それぞれが周期構造を有する領域であり、それぞれの領域の周期構造の周期(すなわち、「構造周期」。以下、単に「周期」という場合がある)が領域ごとに互いに異なる。この領域ごとに周期が異なる複数の周期構造を有するメソ構造体膜(すなわち、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜)について、以下の2点は、エックス線ミラーの特性に影響を与える重要なパラメータである。
(a)あるひとつの構造周期(領域)に関して、その周期数(繰り返し数)。
(b)メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ)。
これらの値の範囲の例としては以下の値を挙げる。(a)の周期数について、下限は、多層膜の最小の値である2、上限は作製可能な膜厚に規定され5000程度、より実用的には、4以上、5000以下、さらに実用的には、4以上、500以下である。(b)のメソ構造体膜全体に占める孔または有機化合物部位の体積割合については、エックス線ミラーとして機能する値として、0.012以上0.997以下である。
この構造の形成は、エックス線回折分析、電子顕微鏡観察によって確認することができる。具体的には、Bragg−Brentano配置のエックス線回折分析によって、基板面の法線方向に周期構造を持つこと、またその周期を確認することができる。さらに、膜断面の透過型電子顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察により周期構造を画像として確認することができる。また、ポーラス材料の場合、孔径分布、孔径範囲について、窒素ガス吸着等温線測定結果から、Barret−Joyner−Halenda(BJH)法によって求めることができる。
(2−3)構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜について
本発明に用いられるメソ構造体膜は、基板面の法線方向に構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜である。この複数の領域とは、好ましくは3以上の領域である。この構造周期は、基本的には、段階的に変化するものを想定するが、求められる特性に応じて連続的に変化するものであっても良い。
前記構造周期の異なる複数の領域は、それぞれが層であり、それぞれの層の構造周期が互いに異なることが好ましい。
本発明のエックス線ミラーは、主にブラッグ回折によってエックス線を反射するものである。このブラッグ回折の条件は、以下の式(1)によって与えられる。
nλ=2d sinθ (1)
(n:次数、λ:入射エックス線の波長、d:構造周期、θ:入射角)
このため、本発明のエックス線ミラーでは、入射角度が一定の場合、領域の数が多いほど、ブラッグ回折に対応するエックス線の波長の範囲が増大する。また、波長を一定に考えると、領域の数が多いほど、ブラッグ回折に対応する入射角の範囲が増大するという効果がある。一方で、領域数を増大させると製造工程の複雑化とそれに伴うコスト上昇の問題が生じる。領域数はこれらを勘案し、ミラーの用途に応じて設定される。
(2−4)複数の領域の配置順序
本発明におけるメソ構造体膜の、好ましい構造周期の異なる複数の領域は、エックス線が入射する面に近づくとともに(言い換えると、基板から遠いほど)構造周期が大きくなっていることが好ましい。これは以下のように説明できる。エックス線の透過能は、そのエネルギーの増大とともに高くなる。そのため、メソ構造体膜のなかで、透過能の高い高エネルギーのエックス線を入射面から離れた位置で反射し、透過能の低い低エネルギーのエックス線を入射面に近い位置で反射する配置が、全体としての反射効率を考えた場合に有利である。(1)式より、構造周期と波長は比例関係にあるため、高エネルギーのエックス線、すなわち波長の短いエックス線は、小さな周期に対応し、低エネルギーのエックス線、すなわち波長の長いエックス線は、大きな周期に対応する。そのため、本発明のメソ構造体膜の好ましい複数の領域の配置順序は、周期がエックス線の入射する面に近づくとともに大きくなるものとなる。
(3)効果について
従来の多層膜では、軽元素層の材料として、一般にシリコン、炭素(グラファイト)が用いられている。このような軽元素層材料のエックス線吸収能は、無視できない程度に高く、ミラーの反射率を低下させる原因となる。本発明のメソ構造体膜では、この軽元素層に対応するものとして、空孔または有機化合物を使用している。このために、このエックス線の吸収による損失を低減することが可能となり、ミラーの反射率を増大させることができる。この吸収の効果の一例を図2に挙げる。図2は、軽元素層またはメソ構造体膜の孔または有機化合物部位に用いられる材料の厚さを1mmとしたときのエックス線透過率(縦軸)のエネルギー(横軸)依存性を示すグラフである。図中、2000は、空孔(窒素)、2010は、界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル、2010とほぼ重複して示される2020は、界面活性剤のポリ(エチレングリコール)(20)‐ブロック‐ポリ(プロピレングリコール)(70)‐ブロック‐ポリ(エチレングリコール)(20):(今後、EO(20)PO(70)EO(20)と記載する(カッコ内は、各ブロックの繰り返し数))、2030は炭素(グラファイト)、2040はシリコンをそれぞれ示す。ここからわかるように、本発明のメソ構造体膜の孔または有機化合物部位は、従来の多層膜の軽元素層で用いられるシリコン、炭素(グラファイト)と比較して、高い透過率を示すため、エックス線の吸収損失を低減、ミラーの反射率を増大させることができる。
また、本発明のメソ構造体膜のより好ましい態様は、有機化合物ではなく孔を有しているがゆえにさらにエックス線の吸収の小さな、メソポーラス膜である。
(3−1)異なるエネルギーのエックス線を反射するエックス線ミラー
本発明のエックス線ミラーでは、複数の周期構造を有するメソ構造体膜を用いることで、式(1)で与えられるように入射角度を一定に考えると、異なるエネルギーのエックス線を反射するエックス線ミラーとして使用することができる。これにより周期の組み合わせを選択することにより、たとえば連続した波長のエックス線を反射すること、波長の離れた特定の複数のエックス線を選択的に反射することが可能となる。
(3−2)異なる入射角度のエックス線を反射するエックス線ミラー
本発明のエックス線ミラーでは、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜を用いることで、式(1)に記載に示すように、入射エックス線の波長が一定の場合、異なる入射角のエックス線を反射するエックス線ミラーとして使用することができる。これにより周期の組み合わせを選択することにより、たとえば広い入射角範囲のエックス線を反射する、入射角の許容範囲の広いミラーとして、また特定の離れた角度で入射される複数のエックス線を選択的に反射するミラーとして使用できる。
(本発明のエックス線ミラーの製造方法について)
本発明に係るエックス線ミラーの製造方法は、基板と、前記基板上に存在する複数の領域からなるエックス線反射構造体とを有するエックス線ミラーの製造方法であって、前記エックス線反射構造体の形成工程として、少なくとも、基板上に周期構造を有する第1のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜の上に、前記第1のメソ構造体膜とは構造周期の異なる周期構造を有する第2のメソ構造体膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
次に、本発明に係るエックス線ミラーの製造方法について、(1)基板を用意する工程、(2)基板上に第1の構造周期のメソ構造体膜を形成する工程、(3)第1の構造周期のメソ構造体膜の上に、構造周期の異なる第2のメソ構造体膜を形成する工程に分けて以下に説明する。
(1)基板を用意する工程について
本発明に用いる基板は、本発明のエックス線ミラーの(1)に記載したものが用いられる。
基板を使用する際には、基板を充分に洗浄し、清浄な表面を露出させることが好ましく行われる。この洗浄方法の例としては、有機溶媒洗浄、水洗、酸、UV−オゾン処理が挙げられる。
(2)基板上に第1の構造周期のメソ構造体膜を形成する工程について
基板上に第1の構造周期のメソ構造体膜を形成する工程について説明するために、無機酸化物、または金属をメソ構造体膜の壁部とした例を、以下の工程に分けて説明する。
(2−1)無機酸化物の前駆体物質と、両親媒性物質を含有する反応溶液を準備する工程
(2−2)基板に反応溶液を接触させる工程
(2−3)細孔内に両親媒性物質の集合体を含むメソ構造体膜を形成する工程
上記の工程を経ることにより、基板上にメソ構造体膜が形成される。このような構造体が形成されるのは、両親媒性物質が自己集合し、集合体(ミセル)を形成して、孔の鋳型となるためである。
ここで、(2−2)工程は、実質的に(2−3)工程と同一工程として行われていてよい。
そして上記の工程に加えて、必要に応じて、さらに以下の工程で両親媒性物質を除去することで、中空である孔をもつ、メソポーラス膜を形成することができる。
(2−4)両親媒性物質を除去する工程
ここで、(2−4)工程は、後述する(3)の工程の前に行われていてもよく、(3)の工程を行った後にまとめて行われてもよい。
以下にこれらの工程を詳細に説明する。
(2−1)無機酸化物の前駆体物質と、両親媒性物質を含有する反応溶液を準備する工程
反応溶液は、無機酸化物の前駆体、両親媒性物質、溶媒を含有する。また、必要に応じてその他の物質を添加してもよい。この工程を構成する小工程は、特に限定されるものではないが、たとえば、溶媒にその他の反応溶液を構成する物質を投入し、攪拌することが行われる。これらの工程は、必要に応じて、雰囲気、温度、湿度、攪拌強度などを制御して行うことができる。また必要に応じて、超音波処理、ろ過等の小工程を加えることができる。
無機酸化物の前駆体、両親媒性物質としては、第1の実施形態(2−1)(A)で挙げたものを用いることができる。
反応溶液の溶媒は、無機酸化物の前駆体、両親媒性物質を溶解できるものが用いられる。この例としては、水、アルコール挙げられ、このアルコールの例としては、エタノール、プロパノール、メタノール、ブタノールが挙げられる。また、2種以上の溶媒の混合物を用いてよい。
反応溶液には必要に応じて、その他の物質を添加することができる。たとえば、無機酸化物の前駆体と反応、これを加水分解し、最終的に無機酸化物を与える水が加えられる。さらに反応溶液の酸性、塩基性を調整するための物質を添加してもよい。この酸性、塩基性を調整するための物質の例としては、塩酸等の酸や水酸化アンモニウム等の塩基が挙げられる。これらは、前駆体物質の加水分解、縮合反応速度を制御するために加えられることが多い。
(2−2)基板に反応溶液を接触させる工程
本工程で用いられる手法は、無機酸化物を生成させる手法によって実際に行われる内容が異なる。例としては、水熱合成法であれば、反応溶液に基板を浸漬すること、ゾルゲル法であれば、反応溶液を基板に塗布することがあげられる。
反応溶液を基板に塗布する工程としては、一般的な塗付方法を用いることができる。この例としては、ディップコート法、キャスト法、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ペンリソグラフィー法等が挙げられる。
中でも、ディップコート法は、簡便に均一な膜を形成できる塗布方法として有効である。ディップコート法による塗布方法は、反応溶液に基板を浸し、基板を引き上げることで基板上に溶液を塗布する。この塗布量は、塗布条件によって制御可能である。代表的な条件としては、溶液の組成、基板の引き上げ速度が挙げられる。例えば、一般的に反応溶液中の溶媒を増大させること、引上げ速度を低下させることにより、塗布量(膜の厚さ)は減少する。この塗布は周囲の環境によって影響を受ける。そのため、必要に応じて、雰囲気、温度、湿度、雰囲気中の溶媒濃度等を制御して行うことができる。
(2−3)細孔内に両親媒性物質の集合体を含むメソ構造体膜を形成する工程
本工程は、無機酸化物を生成させる手法によって、実際に行われる内容が異なる。例としては、水熱合成法であれば、反応溶液に基板を浸漬したまま保持すること、ゾルゲル法であれば、基板に塗布した反応溶液を乾燥することがあげられる。
本工程は、(2−2)の工程に続いて行われる。これらの両工程は、分けて記載はしているが、基本的には、反応溶液が基板に接触した時点から、メソ構造体膜の形成は始まっていると考えられる。
ゾルゲル法における本工程の具体的な例としては、制御された環境下で、基板上の反応溶液(特に溶媒)を蒸発させ、無機酸化物の生成を行うことが挙げられる。ディップコート法を用いた場合の一例としては、溶媒と塩化水素が基板上の塗布後の溶液から失われるにしたがって、水と無機酸化物の前駆物質との反応が進行し、無機酸化物膜が形成されるものが挙げられる。この環境の制御項目の例としては、温度、湿度が挙げられる。温度条件、湿度条件を制御することによって、前駆体物質の加水分解、縮合速度は制御され、両親媒性物質の集合体の配列の規則性が変化する。例えば、過度の温度上昇は縮合反応の著しい促進につながり、均一な薄膜形成を損なう場合がある。逆に、温度が低すぎると溶媒蒸発速度を低下させ薄膜形成に時間がかかってしまうという問題が生じる。具体的な例としては、温度は0℃から50℃の範囲、相対湿度は0%から50%が挙げられる。この温湿度条件に膜を保持する時間である保持時間は、用いる前駆体物質の反応性や温度、湿度にあわせて決定される。具体的な例としては、30分から4週間の範囲が挙げられる。
本工程を経た多孔質膜の厚さは特に限定されるものではないが、例としては、0.005μmから10μmの値が挙げられる。例えば、ディップコート法の場合は0.05μmから3μm程度の膜形成が可能である。
(2−4)両親媒性物質を除去する工程
両親媒性物質の除去の方法としては、とくに限定されるものではないが、分解除去や、抽出等の方法を用いることができる。前者の例としては、焼成、UV照射、Oによる方法、後者の例としては、溶剤や超臨界流体による方法が挙げられる。
焼成による両親媒性物質の除去は、多孔質膜からほぼ完全に両親媒性物質を除去することができる。焼成温度、時間は、内部に保持している両親媒性物質の種類によって変わる。具体的な例としては、例えば、温度として300℃から600℃、時間として15分から24時間という範囲が挙げられる。溶剤抽出法を用いると、100%の両親媒性物質の除去は困難ではあるものの、鋳型除去時の構造保持という点で有意である。
焼成工程は、上述の特長がある。一方で、メソポーラス膜の構造規則性を乱し、構造を崩壊させる可能性もある。これは焼成時の高温環境によって、無機酸化物の構造が変化するためであると考えられる。これを防止するためには、メソ構造体膜の孔の壁を強化すること、かつ、または、無機酸化物の結晶の成長を抑制することが有効であると考えられる。この具体的な方法の例としては、無機酸化物のメソ構造体膜の形成後に酸化ケイ素等の無機酸化物の前駆体を反応させ、部分的に酸化ケイ素等の無機酸化物を形成する方法が挙げられる。この方法を用いることで、焼成による界面活性剤の除去や無機酸化物の結晶化を行いながらも、メソ構造体膜の構造規則性を乱すことを抑制することができる。無機酸化物のメソポーラス膜の調製時には、必要に応じてこの手法を適用することができる。
(3)第1の構造周期のメソ構造体膜の上に、構造周期の異なる第2のメソ構造体膜を形成する工程について
本発明のエックス線ミラーの製造方法は、基板上の第1のメソ構造体膜上にさらに構造周期の異なる第2のメソ構造体膜を形成する工程を含むことを特徴とする。この第2のメソ構造体膜を形成する工程としては、基板上の第1のメソ構造体膜上に調製すること以外は、(2)に記載の第1のメソ構造体膜の調製法と同じ工程を使用することができる。また、必要に応じて、(3)の工程に先立って前処理を行うことができる。この前処理の例としては、第1のメソ構造体膜を安定化させる処理、第1のメソ構造体膜と第2のメソ構造体膜との間の密着を高める処理が挙げられる。前者の具体的な例としては、第1のメソ構造体膜を調製した後に加熱処理を行うことが挙げられる。後者の具体的な例としては、第1のメソ構造体膜を調製した後にUV−O等の表面処理を行うことが挙げられる。
また、本発明のエックス線ミラーの製造方法では、第2のメソ構造体膜を形成した後に、その第2のメソ構造体膜の上にさらに第3のメソ構造体膜を形成することが好ましく行われる。さらに目的とする性能を得るために、設計に応じて、第4、第5、さらにそれら以降の多段階の層を形成することが行われてよい。
本発明の好適な実施形態によれば、エックス線の吸収損失の少ない、異なるエネルギーのエックス線を反射することが可能なエックス線ミラーおよびその製造方法を提供することができる。
本発明のエックス線ミラーは、エックス線の吸収損失の少ない、異なるエネルギーのエックス線を反射することが可能なので、エックス線を利用した装置(エックス線装置)のエックス線エックス線光路(光源装置内のエックス線光路も含む)の一部として用いることができる。そのようなエックス線装置の例としては、エックス線を利用した分析装置や検査装置、より具体的には、蛍光エックス線分析装置、エックス線回折分析装置やエックス線CT装置などのエックス線撮像装置といった公知のエックス線装置を挙げることができる。
本発明のエックス線ミラーをエックス線光路の一部として有する蛍光エックス線装置の模式図を図8に示す。同図において、エックス線源2500から出たエックス線は、2510のエックス線光路を通って、同光路中に配置された本発明のエックス線ミラー2520によって反射され、2530の分光結晶によって単色化され、2540のサンプルに照射される。サンプルから出射される蛍光エックス線2550は、検出器2560によって検出され、データとして処理されることとなる。エックス線装置が本発明のエックス線ミラーをエックス線光路の一部として有する、というのは、このように、エックス線装置内で本発明のエックス線ミラーがエックス線を反射可能な位置に配置されていることを意味する。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明の方法は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例は、(1)異なるエネルギーのエックス線を反射するエックス線ミラーとしての機能、(2)異なる角度のエックス線を反射するエックス線ミラーとしての機能、(3)本発明と従来のエックス線ミラーとの比較、(4)構造周期の異なる領域の数の効果、(5)構造周期の異なる複数の領域の配置順序の効果、(6)メソ構造体膜の壁部位を構成する材料の効果、(7)メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ)の効果、(8)エックス線ミラーの製造方法について説明する。
(1)異なるエネルギーのエックス線を反射するエックス線ミラーとしての機能
本項目では、本発明のエックス線ミラーが異なるエネルギーのエックス線を反射する機能を有することを示す。
図3には、以下の条件の、基板面の法線方向に周期構造を持つメソ構造体膜よりなるエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性の計算値を示す。
(共通条件)メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO)、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:空孔(窒素)、入射角:0.5度、メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
(本発明:点線)領域数:5、構造周期:エックス線入射側から5.0,4.8,4.6,4.4,4.2,4.0nm、周期数:20,21,22,23,24,25(順序は構造周期の表記順に対応)
(比較例:実線)領域数:1、構造周期:4.4nm、周期数:23
本図より、基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜を用いたときに、異なるエネルギーのエックス線、とくに連続したエネルギーのエックス線のミラーとして機能することが示される。
(2)異なる角度のエックス線を反射するエックス線ミラーとしての機能
本項目では、本発明のエックス線ミラーが異なる角度のエックス線を反射する機能を有することを示す。
図4には、(1)と同条件(本発明、比較例とも)の、基板面の法線方向に周期構造を持つメソ構造体膜よりなるエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線の入射角(横軸)依存性の計算値を示す。
(共通条件)入射エックス線のエネルギー:16keV
(本発明:点線、比較例:実線)
本図より、基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜を用いたときに、入射エックス線に対して、異なる角度のエックス線を反射するエックス線ミラーとして機能することが示される。また、その一例として、広い角度範囲においてエックス線を反射する、反射角度の許容範囲の広いエックス線ミラーとして機能することが示される。
(3)本発明と従来のエックス線ミラーとの比較
本項目では、従来の多層膜を用いたエックス線ミラーに対する、本発明のエックス線ミラーの優位性を示す。
表1には、以下の条件で、基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜よりなるエックス線ミラーの反射率のエックス線エネルギー依存性を計算した場合に、算出される反射率のピーク値を示す。
(共通条件)領域数:3、入射角:0.5度、メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7、構造周期:エックス線入射側から5.0,4.8,4.6nm、周期数:各領域につき500、入射エックス線のエネルギー:8−24keV
(本発明1)メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO)、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:空孔(窒素)
(本発明2)メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO)、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:界面活性剤(ポリエチレングリコール(10)セチルエーテル)
(本発明3)メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO)、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:界面活性剤(EO(20)PO(70)EO(20))
(比較例1)重元素層:タングステン、軽元素層:シリコン
(比較例2)重元素層:白金、軽元素層:炭素(グラファイト)
Figure 2012013685
本表1より、本発明のエックス線ミラーを用いることで、従来は、吸収損失の大きかった異なるエネルギーのエックス線を反射するエックス線ミラーの、エックス線の吸収損失を低減することができることがわかる。その効果は、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位が空孔であるメソポーラス膜(表中、本発明1)で最も大きく現れる。また、孔中に界面活性剤を含んだメソ構造体膜(表中、本発明2,3)においても、従来の多層膜を用いたエックス線ミラーに対する優位性が示される。
(4)構造周期の異なる領域の数の効果
本項目では、本発明のエックス線ミラーの周期の異なる周期構造数の効果を示す。
図5には、以下の条件の、基板面の法線方向に周期構造を持つメソ構造体膜よりなるエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性の計算値を示す。(共通条件)メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO)、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:空孔(窒素)、入射角:0.5度、メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
(本発明1:細点線)領域数:3、構造周期:エックス線入射側から5.0,4.8,4.6nm、周期数:20,21,22(順序は構造周期の表記順に対応)
(本発明2:太点線)領域数:2、構造周期:エックス線入射側から5.0,4.8nm、周期数:20,21(順序は構造周期の表記順に対応)
(比較例:実線)領域数:1、構造周期:5.0nm、周期数:20
本図より、構造周期の異なる領域の数を複数としたときに、特に領域数を3としたときに、異なるエネルギーのエックス線、特に連続したエネルギーのエックス線のミラーとして機能することが示される。
(5)構造周期の異なる複数の領域の配置順序の効果
本項目では、本発明の基板面の法線方向に、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜の、複数の領域の配置順序の効果を示す。
図6には、以下の条件の、構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜よりなるエックス線ミラーの反射率(縦軸)のエックス線エネルギー(横軸)依存性の計算値を示す。
(共通条件)領域数:3、メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO)、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:界面活性剤(EO(20)PO(70)EO(20))、入射角:0.5度、メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7
(本発明1:点線)領域数:3、構造周期:エックス線入射側から10,7,4nm、周期数:30,43,75(順序は構造周期の表記順に対応)
(本発明2:実線)領域数:3、構造周期:エックス線入射側から4,7,10nm、周期数:75,43,30(順序は構造周期の表記順に対応)
本図において、7.6keV付近において、本発明1の反射率は本発明2の反射率と比較して大きな値を示す。一方で、14.5keV付近では、本発明2の反射率は本発明1の反射率と比較して大きな値を示す。この7.6,14.5keV付近の反射率の((小さな方の値)/(大きな方の値))の比は、それぞれ0.680,0.940であり、少なくとも単純に比から判断すると、7.6keV付近において高い値をしめす本発明1の配置のほうが有利であることが示される。
図2に示すようにエックス線の透過能は、そのエネルギーの増大とともに高くなる。そのため、エックス線の入射面より近い側に低エネルギーに対応する長い周期(この例では10nm)を持つ構造を、遠い側に高エネルギーに対応する短い周期(この例では4nm)を持つ構造とする配置が効果的となる。
(6)メソ構造体膜の壁部位を構成する材料の効果
本項目では、本発明のX線ミラーに用いられるメソ構造体膜の壁部を構成する材料の効果を示す。
表2には、以下の条件で基板面の法線方向に周期構造を持つメソ構造体膜よりなるエックス線ミラーの反射率のエネルギー依存性を計算したときに、算出されるピークの値を示す。(共通条件)領域数:3、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:空孔(窒素)、入射角:0.5度、メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ):0.7、構造周期:エックス線入射側から10,7,4nm、周期数:各周期につき4,入射エックス線のエネルギー:5−24keV
(本発明1)メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO
(本発明2)メソ構造体膜の壁部位:酸化チタン(TiO
(本発明3)メソ構造体膜の壁部位:酸化スズ(SnO
Figure 2012013685
物質のエックス線との相互作用は、物質の電子密度とともに大きくなる。ここで使用した物質のなかでは、酸化スズがその密度(電子密度にほぼ比例)の高さから高い反射率を示す。本実施例の条件のように、周期数が少ないときには、メソ構造体膜の壁部の材質が、反射率に大きく影響する。このような条件の場合には、密度の高い壁材料を使用することが有効である。
(7)メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ)の効果
図7には、以下の条件の、基板面の法線方向に周期構造を持つメソ構造体膜よりなるエックス線ミラーの反射率のピーク値(縦軸)のメソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ)(横軸)依存性の計算値を示す。
(条件)領域数:3、構造周期:エックス線入射側から5.0,4.8,4.6nm、メソ構造体膜の壁部位:酸化ケイ素(SiO)、メソ構造体膜の孔または有機化合物部位:空孔(窒素)、入射エックス線のエネルギー:8−24keV、周期数:5000
本図より、メソ構造体膜に占める孔または有機化合物部位の割合(厚さ)を0.012以上0.997以下としたときに高い反射率を示すことが示される。
(8)エックス線ミラーの製造方法
(8−1)本項目では、領域数が3である平面基板上に調製した2次元ヘキサゴナル構造を持つメソポーラス酸化ケイ素の製造方法について説明する。
(a)溶液調製
2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜は、ディップコート法で調製される。ディップコート溶液は、エタノール溶媒にブロックポリマーを溶解した後、エタノール、水、塩酸、テトラエトキシシランを加え、70℃で1時間攪拌することで調製される。エタノールにかえてメタノール、プロパノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトにトリルを使用することも可能である。混合比(モル比)は、テトラエトキシシラン:1、ブロックポリマー:0.001、水:8、塩酸:0.01、エタノール:40とする。
ブロックポリマーは、第1のメソ構造体膜:EO(20)PO(30)EO(20)、第2のメソ構造体膜:EO(26)PO(39)EO(26)、第3のメソ構造体膜:EO(20)PO(70)EO(20)をそれぞれ用いる。
(b)製膜
シリコン基板を洗浄した後に、ディップコート装置を用いて0.5から2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は25℃、相対湿度は40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で24時間保持される。その後に領域を重ねる場合には、さらに60℃で24時間、130℃で24時間、200℃で2時間保持した後に、同様の工程で第2、第3のメソ構造体膜を形成する。
(c)焼成
第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、メソ構造体膜を空気中400℃で10時間焼成し、孔内部のブロックポリマーを除去する。
(d)評価
焼成後のメソポーラス膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソポーラス膜は、基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その構造周期は、7.8,8.8,9.6nmであることが確認される。第1から第3のメソ構造体膜を形成したものと同様の溶液から、それぞれ単領域を形成したものと比較することで、この7.8nmの構造周期は、第1の領域、8.8nmは第2の領域、9.6nmは第3の領域に対応することが確認される。
このメソポーラス酸化ケイ素に、入射角0.5度で白色エックス線を入射したところ、9.2,8.1,7.4keVをピークとするエックス線の反射が確認される。ここから、本実施例のメソポーラス酸化ケイ素膜が、異なるエネルギーのエックス線に対応するミラーとして機能することが示される。
(8−2)本項目では、領域数が4で曲面基板上に調製したラメラ構造を持つメソ構造体膜の製造方法について説明する。
(a)溶液調製
ラメラ構造を持つメソ構造体膜は、スピンコート法で調製される。前駆体溶液は、テトラヒドロフラン溶媒にn−デシルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、水、塩酸を溶解、室温で所定の時間攪拌することで調製される。混合比(モル比)は、n−デシルトリメトキシシラン:1、テトラメトキシシラン:4、水:19、塩酸:0.01、テトラヒドロフラン:20とする。
この攪拌時間は、第1のメソ構造体膜:6時間、第2のメソ構造体膜:3時間、第3のメソ構造体膜:1時間、第4のメソ構造体膜:0.5時間とする。
(b)製膜
曲率半径の大きな凸レンズ基板を洗浄した後に、スピンコート装置を用いて3000rpm、10秒の条件でコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で4週間保持される。その後に領域を重ねる場合には、上述の基板上に同様の工程で上領域を形成する。
(c)評価
このメソ構造体膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソ構造体膜は、基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その構造周期は、3.46,3.56,3.76,3.88nmであることが確認される。第1から第4のメソ構造体膜を形成したものと同様の溶液から、それぞれ単領域を形成したものと比較することで、この3.46nmの構造周期は、第1の領域、3.56nmは第2の領域、3.76nmは第3の領域、3.88nmは第4の領域にそれぞれ対応することが確認される。
このメソポーラス酸化ケイ素に、8keVのエックス線を入射したところ、1.28,1.25,1.18,1.14度をピークとするエックス線の反射が確認される。ここから本実施例のメソ構造体膜が、異なる角度のエックス線を反射するエックス線ミラーとして機能することが確認される。
(8−3)本項目では、平面基板上に調製した2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体からなる2つの領域を持つ膜上に、3次元キュービック構造を持つ酸化チタンのメソ構造体膜を形成した、合計3領域のメソ構造体膜の製造方法について説明する。
(a)酸化ケイ素メソ構造体膜の製造
2次元ヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜は、(8−1)の第2のメソ構造体膜、第3のメソ構造体膜の溶液、手法を用いて調製される。
(b)酸化チタンメソ構造体膜前駆体溶液の調製
エタノール溶媒にブロックポリマーを溶解した後、塩化チタン(IV)を滴下する。さらに水を加え攪拌することで調製する。混合比(モル比)は、塩化チタン(IV):1、ブロックポリマー:0.005、水:10、エタノール:40とする。ブロックポリマーは、EO(106)PO(70)EO(106)を用いる。
(c)製膜
(8−1)の条件を用いて調製した酸化ケイ素からなる第1、第2のメソ構造体膜上に、ディップコート装置を用いて0.5から2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行う。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、膜は、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で2週間保持、さらに60,100,130℃それぞれの温度で24時間保持する。
(d)焼成
第1から第3のメソ構造体膜を形成した後に、メソ構造体膜を空気中400℃で10時間焼成し、孔内部のブロックポリマーを除去する。
(e)評価
焼成後のメソポーラス膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行う。その結果、このメソポーラス膜は、基板面の法線方向に高い秩序性をもち、その構造周期は、8.8,9.6,10.1nmであることが確認される。第1から第3のメソ構造体膜を形成したものと同様の溶液から、それぞれ単領域を形成したものと比較することで、この8.8nmの構造周期は、第1の領域、9.6nmは第2の領域、10.1nmは酸化チタンからなる第3の領域に対応することが確認される。
このメソ構造体膜に、入射角0.5度で白色エックス線を入射したところ、8.1,7.4,7.0keVをピークとするエックス線の反射を確認される。ここから、本実施例のメソ構造体膜が、異なるエネルギーのエックス線に対応するミラーとして機能することが示される。
1000 基板
1010 メソ構造体膜
1020 基板面の法線方向
1030 構造周期
1040 入射エックス線
1050 反射エックス線
1060 メソ構造体膜の壁部
1070 メソ構造体の孔または有機化合物部位
1080 エックス線の入射角
1090 構造周期の異なる複数の領域
2500 エックス線源
2510 エックス線光路
2520 エックス線ミラー
2530 分光結晶
2540 サンプル
2550 サンプルから出射される蛍光エックス線
2560 検出器

Claims (7)

  1. 基板と、前記基板上に存在するエックス線反射構造体とを有するエックス線ミラーにおいて、前記エックス線反射構造体は、基板の法線方向に構造周期の異なる複数の領域を有するメソ構造体膜であることを特徴とするエックス線ミラー。
  2. 前記複数の領域が3以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載のエックス線ミラー。
  3. 前記構造周期の異なる複数の領域は、前記基板から遠い領域ほど構造周期が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のエックス線ミラー。
  4. 前記構造周期の異なる複数の領域は、それぞれが層であり、それぞれの層の構造周期が互いに異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のエックス線ミラー。
  5. 前記メソ構造体膜がメソポーラス膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のエックス線ミラー。
  6. 基板と、前記基板上に存在する複数の領域からなるエックス線反射構造体とを有するエックス線ミラーの製造方法であって、前記エックス線反射構造体の形成工程として、少なくとも、基板上に周期構造を有する第1のメソ構造体膜を形成する工程と、前記第1のメソ構造体膜の上に、前記第1のメソ構造体膜とは構造周期の異なる周期構造を有する第2のメソ構造体膜を形成する工程とを有することを特徴とするエックス線ミラーの製造方法。
  7. エックス線の光路を装置内に有するエックス線装置であって、前記光路中に請求項1ないし5に記載のエックス線ミラーを有するエックス線装置。
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