JP2012111651A - メソポーラス膜の製造方法およびメソポーラス膜 - Google Patents

メソポーラス膜の製造方法およびメソポーラス膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 鋳型除去によるメソ構造体膜の収縮を低減することのできるメソポーラス膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】 メソポーラス膜の製造方法は、界面活性剤と無機酸化物とを含むメソ構造体膜を調製する工程(1000)と、メソ構造体膜を式(1)の化合物を含む雰囲気中に保持する工程(1010)と、前記保持工程中及び/又は前記保持工程後にメソ構造体膜から界面活性剤を除去する工程(1020)と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メソポーラス膜の製造方法およびメソポーラス膜に関する。
2nmから50nmの孔径をもつメソポーラス材料は、大きな比表面積、低い誘電率、低い屈折率等の特徴を持ち、光学的、電気的応用への展開が期待されている材料である。メソポーラス膜は、このメソポーラス材料の持つ種々の特性を光学的、電気的に利用する上で重要な形態である。このメソポーラス膜の一般的な製造方法としては、界面活性剤を鋳型として、酸化物の前駆体を加水分解、縮重合してメソ構造体膜を製造し、その後、その鋳型を除去する方法が用いられる。ゾルゲル法は、上述のメソ構造体膜の製造方法の中でも、簡便かつ高品位の膜を製造可能なために広く用いられている方法である。一方で、このゾルゲル法を用いて調製した膜から鋳型を除去する際には、膜の収縮が起こることが知られている。特に基材上に形成したメソ構造体膜では、基材面内方向では、膜の一方の面は基材上に固定されているために、通常、膜に亀裂等が生じない限り、基材面内方向へは収縮しない。そのために、収縮は膜厚方向において現れ、周期構造を持つ膜であれば膜厚方向の構造周期が短くなる。この膜の収縮は、メソポーラス膜の持つ、大きな比表面積、低い誘電率、低い屈折率等の特性に対し悪影響を与える。そのため、これまでもこの収縮を抑制する手法が開発、報告されてきた。
特許文献1には、メソ構造体膜を有機ケイ素のアルコキサイド処理により膜の収縮を抑制する技術が示されている。
Colloids and Surfaces A 2008, 318, 84-87.
しかしながら、特許文献1に記載の技術によって製造されたメソポーラス膜は、鋳型除去前のメソ構造体膜と比較した膜厚方向の収縮、同方向の構造周期の低下、構造規則性の低下が確認されており、収縮抑制が十分ではなかった。そのため、収縮抑制法の更なる改良が求められている。
本発明は、鋳型除去によるメソ構造体膜の収縮を低減することのできるメソポーラス膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面としてのメソポーラス膜の製造方法は、メソポーラス膜の製造方法は、界面活性剤と無機酸化物とを含むメソ構造体膜を調製する工程と、前記メソ構造体膜を式(1)の化合物を含む雰囲気中に保持する工程と、前記保持工程中及び/又は前記保持工程後に前記メソ構造体膜から前記界面活性剤を除去する工程と、を有することを特徴とする。
Figure 2012111651
式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数10以下のアルキル基を示す。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
本発明のメソポーラス膜の製造方法によれば、鋳型除去によるメソ構造体膜の収縮を低減することが可能となる。
メソポーラス膜の製造工程のフローチャートである。 シリンダーの円周断面の模式図である。 二次元エックス線回折像の模式図である。 実施例1の対比図である。 実施例1の測定結果の対比図である。 実施例3の対比図である。 実施例5の対比図である。
〔用語の説明〕
本発明の好ましい実施形態について説明する前に、各形態において、共通して用いる用語について説明する。
(1)メソポーラス膜について
多孔質材料は、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)によって、その孔径により分類されており、孔径が2nm以上50nm以下の多孔質材料は、メソポーラスに分類される。近年、このメソポーラス材料についての研究が盛んに行われ、界面活性剤の集合体を鋳型とすることで、径の揃ったメソ孔が規則的に配列した構造を得ることが可能になっている。
本発明及び本明細書におけるメソポーラス膜は、孔径が2nm以上50nm以下の多孔質膜であって、壁部(すなわち、孔以外の部分)は酸化物からなる膜である。
メソポーラス膜として、構造規則性を有するメソポーラス膜が挙げられる。構造規則性を有するメソポーラス膜は、その構造に起因した特性、たとえばエックス線の反射等を示し、それを利用したデバイス、たとえばエックス線のミラー、に応用することができる。この構造規則性を有するメソポーラス膜の例としては、周期構造を持つものが挙げられる。この周期構造としては、2次元周期構造、3次元周期構造がある。2次元周期構造の例としては、2次元ヘキサゴナル構造、3次元周期構造の例としては、3次元ヘキサゴナル構造、キュービック構造が挙げられる。この構造規則性を有するメソポーラス膜の構造としては、ハニカム状に配置されたシリンダー状の構造を例示することができる。この構造は、一般には2次元ヘキサゴナル構造として記述される。また、そのシリンダー状の構造体の配向方向が、基材面内にわたってひとつの方向に制御されているものがある。この一つの方向に制御された構造は、異方性をもった特性を示すことができるために有用である。この特性の例としては、孔中に導入した分子の発光、吸収特性に異方性を与えることが挙げられ、このような特性を用いて、メソポーラス膜を、例えば異方向性発光デバイスに応用することができる。
(2)酸化物について
本発明及び本明細書における酸化物は、無機酸化物、および無機酸化物の骨格内外に有機物を含む物質の双方を含む概念である。この無機酸化物の例としては、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛等を挙げることができる。無機酸化物の骨格に有機物を含むものとしては、たとえば、酸化ケイ素のような無機酸化物を構成する酸素以外の原子(たとえばケイ素)が有機分子(より正確に言えば有機基)に結合したものが用いられる。この有機分子(有機基)の例としては、フェニル基等の芳香族化合物(芳香族基)、メチル基、メチレン基等の脂肪族化合物(脂肪族基)が挙げられる。酸化物の前駆体の例としては、ケイ素や金属元素のアルコキサイド、塩化物が挙げられる。さらに具体的な例としては、Si,Sn,Zr,Ti,Nb,Ta,Al,W,HfまたはZnのアルコキサイドまたは塩化物が挙げられる。アルコキサイドの例としては、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、または、そのアルコキシ基の一部がアルキル基に置換されたものが用いられる。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1の実施形態:メソポーラス膜の製造方法〕
本実施形態に係るメソポーラス膜の製造工程を図1に示す。
同図において、1000はメソ構造体膜を調製する工程、1010は調製したメソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する工程、1020はメソ構造体膜から界面活性剤を除去する工程を示している。
本実施形態に係る発明においては、メソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持したのちに、メソポーラス膜を調製する際の鋳型である界面活性剤を除去することにより、鋳型除去時の構造収縮を抑制することができる。
本実施形態に係る酸化物規則性メソ構造体膜の製造方法について、以下の7項目に分けて説明する。
(1)ゾルゲル法について
(2)界面活性剤について
(3)メソ構造体膜について
(4)メソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する工程について
(5)界面活性剤を除去する工程について
(6)評価方法について
(7)効果について
(1)ゾルゲル法について
本実施形態のメソポーラス膜の調製法としては、ゾルゲル法を用いる。ゾルゲル法は、無機材料の湿式合成法の一つである。具体的には、無機材料の原料となるアルコキサイド等の溶液から、加水分解反応、縮重合反応等の化学反応を経た溶液を調製し、これをゲル化させ、乾燥、焼結等することにより無機材料を得る方法である。メソポーラス膜の調製法として、このゾルゲル法は、その他の方法、たとえば水熱法等と比較して、簡便、製膜時間が短い、得られる膜が均一、構造規則性が高いといった特徴を有する。一方で、この方法は、得られる膜の収縮が大きく、その収縮に付随して構造規則性が低下するという問題点を有している。特に基材上に形成したメソ構造体膜は、基材面内方向に着目すると、膜の一方の面が基材上に固定されているために、通常、膜に亀裂等が生じない限り、基材面内方向へは収縮しない。そのために、収縮は膜厚方向において現れ、周期構造を持つ膜であれば膜厚方向の構造周期が減少する。本実施形態は、この収縮の抑制、構造規則性の保持に関するものである。
このゾルゲル法によるメソポーラス膜の調製法については、特に制限されるものではないが、たとえば、以下の方法で調製することができる。それは、界面活性剤と壁部を構成する物質の前駆体を含む溶液を調製し、溶媒の揮発と前後して、壁部を構成する物質の生成反応と界面活性剤の自己集合過程を進行させ、その後に、鋳型である界面活性剤を除去することにより、メソポーラス膜とするものである。
この前駆体を含む溶液に用いられる溶媒としては、無機酸化物の前駆体、界面活性剤を溶解できるものが用いられる。この例としては有機溶媒があげられる。用いられる有機溶媒の例としては、極性溶媒が挙げられ、その具体的な例としては、アルコール、テトラヒドロフラン等が用いられる。このアルコールの例としては、エタノール、プロパノール、メタノール、ブタノール等が挙げられる。
この溶液には、必要に応じて、その他の物質を添加することができる。たとえば、触媒の機能を担う反応溶液の酸性、塩基性を調整するための物質を添加してもよい。この酸性、塩基性を調整するための物質の例としては、塩酸等の酸や水酸化アンモニウム等の塩基が挙げられる。これらは、前駆体物質の加水分解、縮合反応速度を制御するために加えられることが多い。
ゾルゲル法を用いる製膜法の例としては、ディップコート法、スピンコート法、キャスト法等が用いられる。界面活性剤、界面活性剤を除去する工程については後の項目において記述する。
(2)界面活性剤について
用いられる界面活性剤の例としては、イオン性、非イオン性の界面活性剤を挙げることができる。このイオン性界面活性剤の例としては、アルキルトリメチルアンモニウムイオンのハロゲン化物塩を用いることができる。このアルキル鎖の鎖長は、炭素数で10以上22以下のものが一般的である。非イオン性の界面活性剤の例としては、親水部位と疎水部位とからなるブロックポリマーが挙げられる。この親水部位の例としてはポリエチレングリコール、疎水部位の例としては、アルキル鎖(側差があるものを含む)、ポリプロピレングリコール、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレートを用いることができる。ポリエチレングリコールを親水基として含む界面活性剤の具体例としては、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール‐ポリプロピレングリコール‐ポリエチレングリコールのブロックコポリマーを挙げることができる。ポリエチレングリコールアルキルエーテルのアルキル鎖が直鎖の場合、この鎖長の例としては、炭素数で10以上22以下、ポリエチレングリコールの繰返し数の例としては、2以上50以下のものが挙げられる。界面活性剤の疎水基(疎水部位)、親水基(親水部位)を変化させることによりメソ構造体膜及びメソポーラス膜の構造周期を変化させることが可能である。一般的に疎水基、親水基を大きなものとすることにより孔径と構造周期を拡大することが可能である。また、界面活性剤に加えて、構造周期を調整するための添加物を加えてもよい。この構造周期を調整するための添加物としては、疎水性物質が用いられる。この疎水性物質の例としては、アルカン類、親水性基を含まない芳香族化合物が挙げられ、その具体的な例としては、オクタン等が挙げられる。
(3)メソ構造体膜について
本発明及び本明細書において、「メソ構造体膜」とは、メソポーラス膜の孔が主に界面活性剤で充填されたものを意味する。以下に詳細な説明を行う。
壁部の材料については、メソポーラス膜の項で記載したものを使用することができる。孔を充填する物質については、界面活性剤を主とするものであれば特に制限されるものではない。この「主」の意味としては、体積比で50%以上を意味する。孔の内部には、必要に応じて、または、使用する材料、工程の結果として水、有機溶媒、塩等が含まれていてよい。この有機溶媒の例としては、アルコール、エーテル、炭化水素等が挙げられる。
(4)メソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する工程について
(4−1)化合物について
Figure 2012111651
式(1)に化合物1の構造式を示す。ここで、式中のR,R,Rは、それぞれ独立に炭素数が10以下のアルキル基である。炭素数が10以下であることは、メソ構造体膜中へ化合物を供給する観点で有利である。特に化合物を気相で導入する場合、メソ構造体膜中への化合物の供給と、その化合物のシラノール基との反応性を向上させるために、加温することが好ましい。一方で、メソ構造体膜の加温は、メソ構造体膜中に残存する未反応のシラノール基の縮合反応も促進する。このため、この加温は化合物の供給に支障の出ない範囲で低いほうがよい。この点で、アルキル基の炭素数が10以下である場合には、10を超えるのものと比較してより低い温度で揮発するために有利である。
このR,R,Rとしては、Rが炭素数10以下のアルキル基、R,Rが、メチル基の組み合わせが好ましく用いられ、さらに好ましくは、R,R,Rがすべてメチル基である組み合わせが用いられる。
(4−2)保持する手法について
メソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する手法については、とくに制限されるものではないが、例としては、メソ構造体膜を気化した化合物1に暴露する方法、メソ構造体膜を溶液の化合物1に浸漬する方法を用いることができる。本明細書では、「メソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する」とは、例えば、メソ構造体膜を気化した化合物1に暴露すること及びメソ構造体膜を溶液の化合物1に浸漬することを含み、何らかの方法でメソ構造体膜に化合物1を付着させることを意味する。なかでも、密閉容器中にメソ構造体膜と化合物1を保持し、加熱することで、メソ構造体膜を化合物1の蒸気に暴露することが好ましく用いられる。この手法は、メソ構造体膜が化合物1にほとんど溶解しないこと、得られるメソポーラス膜表面への付着物が少ないこと等の優位点を有する。
(4−3)保持する条件について
メソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する条件としては、特に制限されるものではないが、本実施形態の理解の一助として以下に例を示す。
処理温度としては、室温(たとえば10℃)以上220℃以下が好ましく、室温以上180℃以下がより好ましく、40℃以上140℃以下がさらに好ましい。
処理時間としては、1秒以上60時間以下が好ましく用いられ、6時間以上24時間以下がさらに好ましい。
用いる試薬の量は、試薬の種類、処理を行う容器、サンプルの表面積によって適宜最適化することが可能であるが、例としては、180mLの容器を用いた場合で0.01mL以上10mL以下とすることができる。
このメソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する工程に前後して、必要に応じて、他の処理を実施することができる。この、他のメソ構造体膜の処理の例としては、加熱処理、酸、塩基処理、他の試薬処理を用いることができる。他の試薬処理としては、アルコキサイド処理を挙げることができる。
(5)界面活性剤を除去する工程について
界面活性剤を除去する工程については、特に制限されるものではないが、本実施形態の理解の一助として以下に例を示す。
界面活性剤を除去する工程の例としては、溶媒抽出法や分解除去法を用いることができる。前者の例としては、溶剤や超臨界流体による方法、後者の例としては、加熱、焼成、UV照射、O処理による方法が挙げられる。前者は、後者より比較的に穏やかな除去方法であり、収縮とそれに付随して起こる構造規則性の低下を抑制する観点から有用である。後者は、前者と比較して除去後の界面活性剤の残留量を低減する観点で有用である。これらの中でも、溶媒による界面活性剤の抽出は、工程の容易性、収縮とそれに付随して起こる構造規則性の低下(ばらつき)を抑制できる点から好ましく用いられる。この溶媒としては、界面活性剤を溶解可能な溶媒が用いられる。具体的な例としては、有機溶媒が用いられ、有機溶媒の例としては、アルコール、テトラヒドロフラン、クロロホルム等を挙げることができる。必要に応じて、二種類以上の溶媒を混合して用いてもよい。また、この溶媒には、抽出を補助する等の目的でその他の物質、たとえば、酸、塩基、シランカップリング剤等をさらに加えてもよい。
なお、この界面活性剤を除去する工程は、(4)のメソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する保持工程後ではなく、その保持工程中に(またはその保持工程中から)行われてよい。たとえば、メソ構造体膜を化合物1を含む雰囲気中に保持する工程として、界面活性剤が分解脱離する温度にメソ構造体膜を保持することにより、化合物1の修飾と、界面活性剤の除去が同時に進行するようにしてもよい。
(6)評価方法について
透過型電子顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察、原子間力顕微鏡観察、エックス線回折(XRD)分析、赤外吸収スペクトル(IR)測定、紫外可視吸収スペクトル測定、蛍光スペクトル測定、エックス線光電子分光、表面粗さ計測定等でメソ構造体膜を評価できる。
本実施形態の製造方法を用いて調製した膜が、メソポーラス膜であるかは、上記の顕微鏡観察によって調べることができる。
本実施形態の製造方法を用いて調製したメソポーラス膜の構造規則性は、XRD分析を行うことで調べることができる。たとえば、メソ構造体膜及びメソポーラス膜の膜厚方向の構造周期は、Bragg−Brentano配置におけるXRD分析を行い、回折ピークを与える角度に対応する面間隔を算出することで確認することができる。
この角度、面間隔、用いるエックス線の波長の関係は、Braggの式
nλ=2dsinθ
によって表される。例示すると、波長0.1542nmのCu−Kα線を用いた測定において、θ=1°を与える回折ピークが現れた場合には、その面間隔は4.42nm、θ=2°を与える回折ピークが現れた場合には、その面間隔は2.21nm、ということになる。本明細書において、「構造規則性を有するメソ構造体膜」、「構造規則性を有するメソポーラス膜」とは、エックス線回折分析において、1nmよりも大きい面間隔に対応する角度範囲に、少なくとも1つの回折ピークを与えるものを意味する。
本実施形態の製造方法を用いて調製した構造規則性を有するメソポーラス膜の構造が、ハニカム状に配置されたシリンダー様の構造であるかは、XRD分析を行うことで調べることができる。たとえば、メソ構造体膜の二次元エックス線回折パターンを取得し、そのパターンに(01)のスポットに加えて、ハニカム状に配置されたシリンダー様の構造に特徴的な(10)(−11)のスポットが現れることによって確認できる。また、必要に応じて膜断面の顕微鏡観察を行うことによって、確認できる。
本実施形態におけるメソポーラス膜の収縮、特に膜厚方向の程度は、たとえば以下の方法で評価することができる。
(i)鋳型除去工程前のメソ構造体膜の膜厚と、同工程後のメソポーラス膜の膜厚の比較
(ii)構造規則性を有するメソポーラス膜であれば、鋳型除去工程前のメソ構造体膜の構造周期と、同工程後のメソポーラス膜の構造周期の比較
本実施形態におけるメソポーラス膜の構造規則性の程度は、たとえば以下の方法で評価することができる。
(i)Bragg−Brentano配置におけるエックス線回折プロファイルにおけるブラッグ反射に起因するピークの半値幅(狭いほうが構造規則性が高い)
(ii)逆格子空間マッピングによる反射強度の分布(狭いほうが構造規則性が高い)
また、化合物1のメソ構造体膜、メソポーラス膜への修飾の程度は、IR測定を行うことによって決定することができる。この場合に注目する波数の例としては、水酸基量の、3150−2750cm−1の領域、トリメチルシリル基の、1259cm−1,845cm−1に現れるシグナルを用いることができる。
(7)効果について
本実施形態のメソポーラス膜の製造方法は、メソ構造体膜をトリアルキルケイ素のハロゲン化物である化合物1を含む雰囲気中に保持した後に界面活性剤を除去することにより、その収縮を防止し、高いメソポーラス膜の構造規則性を保持することができる。発明者の考察に基づく、この作用機構を以下に記述する。
メソ構造体膜からの鋳型除去により、それまで、メソ構造体膜の構造を支えていた界面活性剤の集合体が膜から除かれる。この際、メソ構造体膜を構成するシリカ壁には多くの水酸基(シラノール基:Si−OH)が残存している。界面活性剤の存在時には、化学的、空間的に反応が抑制されてきたシラノール基は、界面活性剤の除去後、縮合反応を経てSi−O−Si結合を形成し、ケイ素原子間の距離を短縮することにより、膜の収縮、特に膜厚方向の収縮を引き起こすと考えられる。これを抑制するために、従来用いられていたアルキルケイ素のアルコキサイドは、このシラノール基と反応することにより、シラノール基間の縮合反応を抑制し、膜の収縮を抑制してきた。しかし、本発明者の検討によれば、このアルコキサイドによるシラノール基の低減効果は、十分とは言えないものであった。そこで、本発明では、アルコキサイドと比較して、シラノール基との反応性の高いアルキルケイ素のハロゲン化物を用いることで、さらなるシラノール基の低減をおこなった。その結果、アルコキサイドと比較して、より高いシラノール基の低減効果を発揮し、膜の収縮を抑制、さらに、それに付随して起こる構造規則性の低下を抑制することが可能となった。
〔第2の実施形態:メソポーラス膜〕
本実施形態に係るメソポーラス膜について以下の四項目に分けて記載する。
(1)基材上に形成されたメソポーラス膜について
(2)エックス線回折測定について
(3)ピークを与える角度の関係について
(4)赤外光領域おける吸光度の関係について
(1)基材上に形成されたメソポーラス膜について
本実施形態に用いる基材は、メソ構造体膜を形成可能なものであれば、特に限定されるものではない。例示すると、材料としては、シリコン、石英、ガラス、金属、ポリマー等が用いられる。形状は、特に限定することなく選択できる。例として、平面形状、曲面形状が挙げられる。
メソポーラス膜については、上述の用語の説明及び第一の実施形態に記述したものを用いることができる。本実施形態のメソポーラス膜は、基材面に対して垂直な方向に特に規則性の高い周期構造を持つことを特徴とする。この特徴を以下に記載するエックス線回折測定の値を用いて表現する。
(2)エックス線回折測定について
本実施形態のメソポーラス膜の特徴である、基材面に対して垂直な方向に特に規則性の高い周期構造は、エックス線回折測定の値を用いて表現される。
このエックス線回折測定は、ブラッグ・ブレンターノ配置のエックス線光学系で測定される。この配置は、入射エックス線ビームと試料面とのなす角度をθとしたときに、回折エックス線ビームと試料面とがθの角度をなし、入射エックス線ビームと回折エックス線ビームのなす角度が2θとなる配置を意味する。
また、このエックス線回折測定は、発散角が 3.4×10−3°以下の入射エックス線を用いて行われる。この発散角のエックス線は、たとえばCu Kα線を多層膜ミラーを用いて集光し、Ge(220)の四結晶光学系を介することで得られる。また、このエックス線回折測定は、2θ分解能を0.034°以下に設定した光学系で測定される。この分解能は、たとえば、スリットを用いて設定される。ここで、発散角、2θ分解能を定義している理由は、発散角、2θ分解能が大きい場合には、精細な周期構造の規則性の評価を行うことができないためである。発散角、分解能の値の設定に関し、「以下」の記述があるのは、これらの値(発散角: 3.4×10−3°、2θ分解能:0.034°)よりもそれぞれ小さな値であれば、より精細な周期構造の規則性の評価を行うことができるためである。
本実施形態のメソポーラス膜は、基材面に対して垂直な方向に特に規則性の高い周期構造を持つために、基材面に平行な面によるブラッグ反射の反射率の最大値が20%よりも大きく60%未満である。この値をもつメソポーラス膜の調製法は、特に制限されるものではないが、たとえば第1の実施形態に記載の製造方法で調製することができる。この高いブラッグ反射の反射率は、本実施形態によって達成される空孔/孔壁界面の高い屈折率コントラスト、および高い構造規則性保持によって初めて達成しうるものである。また、60%未満となることは、メソ構造体材料の構造規則の不完全性のためにこれ以上の反射率の達成は困難なためである。
(3)ピークを与える角度の関係について
本実施形態のメソポーラス膜のメソ構造の例としては、用語の説明の項に記載のメソ構造が用いられるが、特に好ましいメソ構造は、ハニカム状に配置されたシリンダー状の構造である。図2には、ハニカム状に配置されたシリンダー状の構造における、シリンダーの円周断面の模式図を示す。
図2において、2000はシリカ壁、2010は空孔、2020は基材面(2030)に平行な(01)面、2040は(10)面を示す。このような構造を持つメソ構造体膜の二次元エックス線回折像の模式図を図3に示す。同図において、3000は基材面外方向(2θ方向)、3010は、基材面内方向(2θχ方向)、を表す。3020は(01)面によるブラッグ反射のスポット、3030は(10)面によるブラッグ反射のスポットを表す。3040は(01)面によるブラッグ反射の基材面外方向のピーク角度B、3050は(10)面によるブラッグ反射の基材面内方向のピーク角度Aを表す。
以下に、本実施形態のメソポーラス膜のとりうるひとつの構造を特徴付ける(A/B)の絶対値について説明する。この値は、ハニカム状に配置されたシリンダー状の構造をもつメソポーラス膜の膜厚方向の収縮について表現するために用いる。基材上に形成したメソ構造体膜は、鋳型除去の際に収縮を起こすことが多い。しかし、基材面内方向では、膜の一方の面は基材上に固定されているために、通常、膜に亀裂等が生じない限り、基材面内方向へは収縮しない。そのために、収縮は膜厚方向においてのみ現れることになる。一般的に、ハニカム状に配置されたシリンダー状の構造をもつ、メソ構造体膜(鋳型の除去前)では、この(A/B)の絶対値は0.60より大きく0.63以下程度(最大で0.70)の値をとる。メソ構造体膜の鋳型除去時に膜が収縮すると、この膜の周期構造は面内方向には変化せず、面外方向において収縮するために、Aの値は変化せずに、Bの絶対値が大きくなることになる。その結果、一般的に膜の収縮が生じると、(A/B)の絶対値は0.6以下となる。ここで、(A/B)の絶対値が0.6よりも大きいということは、鋳型除去の際に膜がほとんど収縮していないことを意味する。この二次元エックス線回折像は、たとえば、メソポーラス膜に対するエックス線の入射角を0.2°に設定し、二次元検出器を用いて測定される。
(4)赤外光領域おける吸光度の関係について
本実施形態のメソポーラス酸化ケイ素膜は、赤外光領域おける吸光度において、1070cm−1±5cm−1における最大の吸光度を1と規格化した場合に、845cm−1±5cm−1における最大の吸光度が0.08以上であることを特徴とする。酸化ケイ素膜において、1070cm−1±5cm−1に出現するピークは、Si−O−Si伸縮に帰属され、酸化ケイ素膜において、通常最も大きな吸光度を示すピークとなる。845cm−1±5cm−1に出現するピークは、トリメチルシリル基に特徴的なロッキングモードを意味する。この赤外光領域おける吸光度は、たとえば、メソポーラス膜を両面研磨のシリコン基材上に形成し、市販の赤外吸光光度計を利用して、吸光度を測定することによって得られる。
酸化ケイ素膜の赤外吸収スペクトルにこのトリメチルシリル基に帰属されるピークを出現させる方法としては、以下の二種類の方法が用いられる。
(i)トリメチルシリル基を与える試薬処理を行う
(ii)酸化ケイ素膜の原料として、トリメチルシリル基を与える原料を使用する
(i)を行うことで酸化ケイ素膜にトリメチルシリル基に特徴的なピークを出現させることができる。このときに現れる吸光度のピークは、トリメチルシリル基の結合量に比例している。先述した規格化吸光度において、このピーク強度が0.08を超える結合量は、iの方法では、本実施形態に最も好ましく用いられるトリメチルクロロシラン処理でしか得られていない。そしてこの結合量をもつメソポーラス膜は、鋳型除去の際にほとんど収縮することなく、高い構造規則性を持ち、高いブラッグ反射強度を与える。
(ii)を行うことで、酸化ケイ素膜の赤外吸収スペクトルにトリメチルシリル基に特徴的なピークを出現させることができる。しかし、この手法で調製したメソ構造体膜には、未反応のシラノール基が多数残存しており、鋳型除去の際に膜厚方向の収縮が発生する。そのために、iiの方法を用いてピークを出現させた場合には、膜厚方向の収縮は抑制されず、(3)のピークを与える角度の関係についての項に記載のA,Bの関係は実現されない。また、この場合には、構造規則性の低下も抑制されない。
以下に実施例を用いて以上の実施形態を更に詳しく説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例は、以下の項目に分けて記載する。
(1)各実施例に共通する事項
(1−1)メソ構造体膜の調製工程
(1−2)試薬処理工程
(1−3)鋳型の除去工程
(1−4)評価
(2)各実施例
(1)各実施例に共通する事項
(1−1)メソ構造体膜の調製工程
(1−1−1)ポリエチレンオキサイド―ポリプロピレンオキサイド―ポリエチレンオキサイドを鋳型に用いた酸化ケイ素メソ構造体膜の調製
(a)メソ構造体膜の前駆体溶液調製
2Dヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜を、ディップコート法で調製した。
まず、メソ構造体の前駆体溶液は、エタノール、0.01M塩酸、テトラエトキシシランを20分間混合した溶液にブロックポリマーのエタノール溶液を加え、3時間攪拌することで調製した。ブロックポリマーとしては、Pluronic P123(商品名、BASF社製)を用いた。Pluronic P123(商品名)は、エチレンオキサイド(20)プロピレンオキサイド(70)エチレンオキサイド(20)であり、以後、EO(20)PO(70)EO(20)と記載する(ただし、カッコ内は、各ブロックの繰り返し数である)。なお、エタノールにかえてメタノール、プロパノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルを使用することも可能である。混合比(モル比)は、テトラエトキシシラン:1.0、塩酸:0.0011、エタノール:5.2、ブロックポリマー:0.0096、エタノール:3.5とした。溶液は、膜厚調整の目的で適宜希釈して使用した。
(b)メソ構造体膜の製膜
洗浄した基材に、ディップコート装置を用いて0.5−2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行った。製膜後、得られたメソ構造体膜を、25℃、相対湿度40%の恒温恒湿槽で24時間保持した。
(1−1−2)ポリエチレンオキサイドアルキルエーテルを鋳型に用いた酸化ケイ素メソ構造体膜の調製
(a)メソ構造体膜の前駆体溶液調製
2Dヘキサゴナル構造を持つ酸化ケイ素メソ構造体膜を、ディップコート法で調製した。メソ構造体の前駆体溶液は、界面活性剤、塩酸、水、エタノール溶液にテトラエトキシシランを加え2時間混合した。界面活性剤には、Brij56(商品名、SIGMA CHEMICAL社製)を使用した。混合比(モル比)は、テトラエトキシシラン:1.0、塩酸:0.0040、水:5.0、エタノール:22、界面活性剤:0.080とした。溶液は、膜厚調整の目的で適宜希釈して使用した。
(b)メソ構造体膜の製膜
洗浄した基材に、ディップコート装置を用いて0.5−2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行った。製膜後、得られたメソ構造体膜を、25℃、相対湿度40%の恒温恒湿槽で24時間保持した。
(1−1−3)ポリエチレンオキサイド―ポリプロピレンオキサイド―ポリエチレンオキサイドを鋳型に用いた酸化チタンメソ構造体膜の調製
(a)メソ構造体膜の前駆体溶液調製
2Dヘキサゴナル構造を持つ酸化チタン素メソ構造体膜を、ディップコート法で調製した。メソ構造体の前駆体溶液は、テトラエトキシチタンを濃塩酸に加え5分間混合した溶液にブロックポリマーEO(20)PO(70)EO(20)のエタノール溶液を加え、3時間攪拌することで調製した。エタノールにかえてメタノール、プロパノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルを使用することも可能である。混合比(モル比)は、テトラエトキシチタン:1.0、塩酸:1.8、ブロックポリマー:0.021、エタノール:14とした。溶液は、膜厚調整の目的で適宜希釈して使用した。
(b)メソ構造体膜の製膜
洗浄した基材に、ディップコート装置を用いて0.5−2mms−1の引き上げ速度でディップコートを行った。このときの温度は、25℃、相対湿度は、40%である。製膜後、得られたメソ構造体膜を、25℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽で2日間保持した。
(1−2)試薬処理
試薬処理は、フッ素樹脂の容器(180mL)中にメソ構造体膜を保持し、容器に試薬(1mL)を注入した後に密閉、所定の温度に所定の時間保持した後、取り出すことで行った。試薬処理は、メソ構造体膜を試薬中に1秒間浸漬し、その後エタノールで洗浄することによって行うこともできる。
(1−3)鋳型の除去
鋳型の除去は、試薬処理後の膜を、密閉容器中、所定の溶媒中に浸漬し、80℃、2時間保持することによって行った。鋳型の除去は、試薬処理後の膜を400℃で10時間焼成することによって行うこともできる。
(1−4)評価
調製された膜をブラッグ−ブレンターノ配置のエックス線回折分析を行った。エックス線のビームとしては、発散角が3.4×10−3°の入射エックス線を用いた。2θの分解能は0.034°に設定した。
今回の実施例で用いたサンプルは、基材面と平行な(01)面によるブラッグ反射のピークを与えた。この周期構造に起因するエックス線のブラッグ反射のピーク値から算出される構造周期を用いて収縮の程度を評価した。
(2)各実施例
本実施例では、試薬処理の有無、処理試薬の違いによるエックス線反射率プロファイルへの影響とその原因について考察する。サンプル条件は以下のとおりである。
・実施例サンプル1
メソ構造体膜:(1−1−1)項に記載のメソ構造体膜
処理試薬:クロロトリメチルシラン
処理温度:80℃
処理時間:14時間
鋳型除去方法:エタノール抽出
・比較サンプル1
比較サンプル1が実施例サンプル1と異なる点:処理試薬としてメトキシトリメチルシランを使用。
・比較サンプル2
比較サンプル2が実施例サンプル1と異なる点:試薬処理なし、未加熱、鋳型除去なし(界面活性剤残存)。
本実施例の対比図を、図4に示す。同図において、横軸は、入射エックス線に対する検出器の角度(2θ)であり、縦軸は、反射率(相対値)を示す。図中の符号1で示されるグラフは実施例サンプル1、符号2で示されるグラフは比較サンプル1、符号3で示されるグラフは比較サンプル2を、それぞれ意味する。
実施例サンプル1は、比較サンプル1,2と比較して、基材に平行な(01)面によるブラッグ反射ピークが大きく、ブラッグ反射のピーク角度が小さく、ブラッグ反射ピークの半値幅が小さいことが示された。
ここから、本実施例のメソポーラス膜の製造方法は、鋳型除去時の構造規則性を低下させず、膜厚方向の収縮の抑制が行われ、場合によっては構造周期が拡大したメソポーラス膜の製造を可能とすることが確認できた。
また、ここから、本実施例のメソポーラス膜は、20%を超える高いブラッグ反射強度、小さなブラッグ反射ピークの半値幅に表現される、高い構造規則性を持つことが確認できた。また、この高いブラッグ反射強度は、界面活性剤の除去による屈折率のコントラストの増大によって達成されたものである。
処理法によるエックス線反射率プロファイルへの影響について、その原因を調べるために、IR測定を行い、各膜の水酸基、トリメチルシリル基の量についての情報を得た。
本測定結果の対比図は、図5にしめす。同図において、縦軸は、水酸基、およびトリメチルシリル基の量を表し、黒斜線ハッチングの棒は水酸基の量、白抜きの棒はトリメチルシリル基の量を意味する。
ここで、水酸基の量と記載しているのは、IRスペクトルにおける水酸基に対応する3150-3750cm−1の波数領域における吸光度の規格化された積分値を意味する。また、トリメチルシリル基の量と記載しているのは、トリメチルシリル基に対応する830-880cmの波数領域における吸光度の規格化された積分値を意味する。ここで、規格化の基準値は、水酸基については未処理のサンプルの水酸基の量を1とし、トリメチルシリル基については、クロロトリメチルシラン処理を行い鋳型除去前の量を1とした。
実施例サンプル1は、比較サンプル1,2と比較して、トリメチルシリル基の量が多く、また、処理によって水酸基の量が大幅に低下している。そして、鋳型の除去によって水酸基の量がほとんど変化していない。これらのことから、本実施例の製造方法を用いることで、効果的に、縮合に寄与する水酸基を低減できることが確認できた。
本実施例では、メソ構造体膜調製条件の違いによるエックス線回折パターンの影響について考察する。また、本実施例では、メソ構造体膜の調製時にケイ素源として、テトラエトキシシランのみを用いた実施例サンプル1と、テトラエトキシシランに加えてエトキシトリメチルシランを用いた比較サンプル3における前述のA,Bの関係について記載する。サンプル条件は以下のとおりである。
・実施例サンプル1(実施例1と同じ)
・比較サンプル3
比較サンプル3が実施例サンプル1と異なる点は以下の2点である。
1.メソ構造体膜の調製法において、テトラエトキシシラン量の3%(モル比)をエトキシトリメチルシランに置換して調製
2.処理時の試薬なし、加温のみ
Figure 2012111651
表1は、サンプルのエックス線測定結果におけるA,Bの関係を表す。表1より実施例サンプル1は、下記の式(2)の条件を満たすことが確認された。
Figure 2012111651
これは、鋳型除去工程における膜厚方向の収縮がないことを意味する。一方で、比較サンプル3は、上記の式(2)の条件を満たしておらず、これは、鋳型除去工程により収縮することを意味する。この収縮は、規格化構造周期の値((鋳型除去工程後の構造周期)/(試薬処理前の構造周期))からも確認できる。
ここから酸化ケイ素膜の原料として、トリメチルシリル基を与える原料を使用し、膜中のトリメチルシリル基を増大させたとしても、そのメソ構造体膜には、未反応のシラノール基が多数残存しており、鋳型除去の際に膜の膜厚方向の収縮が発生することが示される。
そして比較サンプル3では、収縮とそれに伴う構造規則性の低下のために、高い構造規則性、ブラッグ反射強度を与えることが困難であることが確認された。
本実施例では、IR測定において、Si−O−Si結合のピーク値で規格化したトリメチルシリル基に関する吸光度について考察する。サンプル条件は以下のとおりである。
・実施例サンプル1(実施例1と同じ)
・比較サンプル1
比較サンプル1が実施例サンプル1と異なる点:処理試薬としてメトキシトリメチルシランを使用。
・比較サンプル2
比較サンプル2が実施例サンプル1と異なる点:試薬処理なし、未加熱、鋳型除去なし(界面活性剤残存)
本実施例の対比図は、図6にしめす。同図において、横軸は波数、縦軸は規格化された吸光度を表す。図中の符号1で示されるグラフは実施例サンプル1、符号2で示されるグラフは比較サンプル1、符号3で示されるグラフは比較サンプル2を意味する。
ここから、本実施例のメソポーラス膜では、1070cm−1±5cm−1の最大の吸光度を1と規格化した場合に、845cm−1±5cm−1の最大の吸光度が0.08以上(0.10)であることが示された。一方で、対応する比較サンプル2のメソポーラス膜では、1070cm−1±5cm−1の最大の吸光度を1として規格化した場合に、845cm−1±5cm−1の最大の吸光度が0.08未満(0.063)であることが示された。これは、実施例サンプル1で使用した塩化物と、比較例サンプル2で使用したアルコキサイドの反応性の違いによって説明される。
本実施例では、規格化構造周期に対する処理試薬の効果について考察する。また、本実施例では、実施例サンプル1のクロロトリメチルシランを基礎として、処理試薬を変化させたときの規格化構造周期への影響について記載する。処理試薬については、以下の表2に記載する。表2は、サンプルの規格化構造周期に対する処理試薬の効果を表す。
Figure 2012111651
表2より、本実施例のサンプルは、比較サンプルよりも大きな規格化構造周期を示し、効果的に収縮を抑制していることが確認された。また、処理に用いる試薬のアルキル鎖の炭素数は、10以下、反応試薬としては、ケイ素1原子に塩素が1原子結合しているものが効果的であることが確認された。
本実施例では、処理温度の規格化構造周期に対する効果(処理試薬の比較)について考察する。また、本実施例では、実施例1の実施例サンプル1を基礎として、処理試薬、処理温度を変化させたときの規格化構造周期への影響について記載する。処理試薬、処理温度は以下のとおりである。
処理温度:25−220℃
処理試薬:
クロロトリメチルシラン(実施例サンプルとして)
メトキシトリメチルシラン(比較サンプルとして)
試薬使用なし(温度処理のみ)(比較サンプルとして)
本実施例の対比図は、図7にしめす。同図において、横軸は温度、縦軸は規格化構造周期を表す。図中の符号1で示されるグラフは処理試薬としてクロロトリメチルシランを用いたもの、符号2で示されるグラフはメトキシトリメチルシランを用いたもの、符号3で示されるグラフは試薬使用なし(温度処理のみ)のサンプルを意味する。
ここから、本実施例のサンプルは、比較対象の試薬未処理のサンプル、アルコキサイド処理を行ったサンプルと比較して、いずれの温度範囲においても大きな規格化構造周期を示し、効果的に収縮を抑制していることが確認された。
本実施例では、処理時間の規格化構造周期に対する効果について考察する。また、本実施例では、実施例サンプル1を基礎として、処理時間を変化させたときの規格化構造周期への影響について記載する。処理時間は表3のとおりである。
Figure 2012111651
処理時間を0としたサンプル(試薬処理なし)の膜は、溶媒抽出時に溶解して失われた。表3より本実施例のサンプルは、いずれの時間領域においても効果的に収縮を抑制していることが確認された。
本実施例では、界面活性剤の拡張性について考察する。また、本実施例では、実施例サンプル1を基礎として、用いるメソ構造体膜(の界面活性剤)を変化させたときの規格化構造周期への影響について記載する。サンプル条件は下記のとおりである。
・実施例サンプル2
実施例サンプル1と異なる点:メソ構造体膜の調製方法として(1−1−2)項に記載のポリエチレンオキサイドアルキルエーテルを鋳型に用いたメソ構造体膜の調製法を使用
Figure 2012111651
表4は、異なる界面活性剤を用いた時の規格化構造周期を表す。表4より、ポリエチレンオキサイドアルキルエーテルを用いたサンプルにおいても、本実施例の製造方法は、効果的に収縮を抑制していることが確認され、界面活性剤の拡張性があることが確認された。
本実施例では、鋳型除去条件の規格化構造周期に対する効果について考察する。また、本実施例では、実施例サンプル1を基礎として以下の2点について記載する。
1.用いる抽出溶媒を変化させたときの規格化構造周期への影響
2.異なる鋳型除去方法(焼成)を用いた時の処理試薬の規格化構造周期への影響
1.用いる抽出溶媒を変化させたときの規格化構造周期への影響
サンプル条件は以下のとおりである。
・実施例サンプル1
・実施例サンプル3
実施例サンプル3が実施例サンプル1と異なる点:抽出溶媒としてテトラヒドロフランを使用
Figure 2012111651
表5は抽出溶媒の規格化構造周期への影響を表す。表5よりテトラヒドロフランを用いたサンプルにおいても、本実施例の製造方法は、効果的に収縮を抑制していることが確認され、抽出溶媒の拡張性があることが示された。
2.異なる鋳型除去方法(焼成)を用いた時の処理試薬の規格化構造周期への影響
サンプル条件は以下のとおりである。
・実施例サンプル4
実施例サンプル4が実施例サンプル1と異なる点:鋳型除去方法として(1−3)項に記載の焼成を使用
・比較サンプル4:
比較サンプル4が実施例サンプル4と異なる点:処理試薬としてメトキシトリメチルシランを使用
Figure 2012111651
表6は抽出とは異なる鋳型除去方法を用いた際の処理試薬の規格化構造周期への影響を表す。表6より、実施例サンプル4は比較サンプル4より大きな規格化構造周期を示し、効果的に収縮を抑制していることがわかり、本発明の実施例の製造方法は、鋳型除去方法が変化しても、効果的に収縮を抑制していることが確認される。
本実施例では、酸化ケイ素以外の酸化物への適用性について考察する。また、本実施例では、酸化物として、酸化ケイ素以外の酸化物を用いた例として、(1−1−3)項に記載の酸化チタンメソ構造体膜を用いた。そしてこの膜に、異なる試薬を処理した際の規格化構造周期への影響について記載する。サンプル条件は以下のとおりである。
・実施例サンプル5
実施例サンプル5が実施例サンプル1と異なる点:メソ構造体膜として(1−1−3)項に記載の酸化チタンメソ構造体膜を使用
・比較サンプル5
比較サンプル5が実施例サンプル5と異なる点:処理試薬としてメトキシトリメチルシランを使用
Figure 2012111651
表7は実施例9の規格化構造周期を表す。表7より、本実施例の製造方法は、酸化チタンを用いたサンプルにおいても、効果的に収縮を抑制していることが確認された。
本実施例では、試薬処理法を変化させた場合における、処理試薬の規格化構造周期への影響について考察する。サンプル条件は以下のとおりである。
・実施例サンプル6
実施例サンプル6が実施例サンプル1と異なる点:処理試薬方法として、(1−2)項に記載の浸漬処理を使用
・比較サンプル6
比較サンプル6が実施例サンプル6と異なる点:処理試薬としてメトキシトリメチルシランを使用
Figure 2012111651
表8は実施例24の規格化構造周期を表す。表8より実施例サンプル6は、比較サンプル6よりも大きな規格化構造周期を示し、効果的に収縮を抑制していることが確認されら。ここから、本発明の実施例の製造方法は、試薬処理法が変化しても、有効に機能することが確認される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本発明のメソポーラス膜の製造方法は、従来の製造方法と比較して鋳型除去時のメソポーラス膜の収縮、とくに膜厚方向の収縮と、それに付随する構造規則性の低下を抑制することが可能となる。また、本発明のメソポーラス膜は、製造時の膜厚方向の収縮が抑制され、高い構造規則性を示す。
この収縮、特に膜厚方向収縮の抑制効果は、例えば、メソポーラス膜の持つ大きな比表面積、低い誘電率、屈折率等の特徴を担保し、その特徴を利用した産業上の応用に有用である。
具体例としては、以下のものを用いることができる。
・高い比表面積を利用したものとしては、触媒としての応用、電極として電池等の電気化学デバイスへの応用。
・低い屈折率を利用したものとしては、反射防止膜等の光学デバイスへの応用。
・低い誘電率を利用したものとしては、電子デバイスの低誘電率材料としての応用。
・高い構造規則性を利用したものとしては、エックス線ミラーへの応用。

Claims (10)

  1. 界面活性剤と無機酸化物とを含むメソ構造体膜を調製する工程と、
    前記メソ構造体膜を下記の式(1)の化合物を含む雰囲気中に保持する保持工程と、
    前記保持工程中及び/又は前記保持工程後に前記メソ構造体膜から前記界面活性剤を除去する工程と、を有する
    ことを特徴とするメソポーラス膜の製造方法。
    Figure 2012111651

    式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数10以下のアルキル基を示す。
  2. 前記Rは、炭素数10以下のアルキル基であり、
    前記Rおよび前記Rは、メチル基である
    ことを特徴とする請求項1に記載のメソポーラス膜の製造方法。
  3. 前記R、前記Rおよび前記Rは、メチル基である
    ことを特徴とする請求項1に記載のメソポーラス膜の製造方法。
  4. 前記メソポーラス膜は、周期構造を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメソポーラス膜の製造方法。
  5. 前記周期構造は、シリンダー状の空孔がハニカム状に配置された構造である
    ことを特徴とする請求項4に記載のメソポーラス膜の製造方法。
  6. 前記無機酸化物は、酸化ケイ素または酸化チタンである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のメソポーラス膜の製造方法。
  7. 溶媒抽出法を用いて前記メソ構造体膜から前記界面活性剤を除去する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のメソポーラス膜の製造方法。
  8. 基材上に形成されたメソポーラス膜であって、
    ブラッグ・ブレンターノ配置におけるエックス線回折測定において、発散角が3.4×10−3°以下の入射エックス線を用い、2θ分解能を0.034°以下に設定した場合に、前記基材の表面に平行な面によるブラッグ反射の反射率の最大値が、20%よりも大きく60%未満である
    ことを特徴とするメソポーラス膜。
  9. シリンダー状の空孔がハニカム状に配置された構造を持ち、
    エックス線回折における(10)面によるブラッグ反射の前記基材の面内方向のピーク角度をAとし、エックス線回折における(01)面によるブラッグ反射の前記基材の面外方向のピーク角度をBとした場合に下記の式(2)を満たす
    ことを特徴とする請求項8に記載のメソポーラス膜。
    Figure 2012111651
  10. 基材上に形成されたメソポーラス酸化ケイ素膜であって、
    シリンダー状の空孔がハニカム状に配置された構造を持ち、
    エックス線回折における(10)面によるブラッグ反射の前記基材の面内方向のピーク角度をAとし、エックス線回折における(01)面によるブラッグ反射の前記基材の面外方向のピーク角度をBとした場合に、下記の式(2)を満たし、
    赤外光領域おける吸光度において、1070cm−1±5cm−1における最大の吸光度を1と規格化した場合に、845cm−1±5cm−1における最大の吸光度が0.08以上である
    ことを特徴とするメソポーラス酸化ケイ素膜。
    Figure 2012111651
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