JP2012007760A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷蔵室(野菜室含む)と冷凍室を備えた複数の温度帯を有する冷蔵庫において、冷蔵庫特有の冷却運転に応じて蓄冷材を効率的に利用し、省エネ性を向上できる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷凍室ダンパ50を開状態として、冷凍サイクルによって生成した冷気を庫内ファン9で循環する冷凍運転時に蓄冷ユニットファン74を稼働させて蓄冷材に蓄冷する蓄冷運転と、冷凍室ダンパ50を開状態として、冷凍サイクルによって生成した冷気を庫内ファン9で循環する冷凍運転時に蓄冷ユニットファン74を稼働させて蓄冷材を放冷する放冷運転とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷蔵庫の冷熱エネルギを蓄熱(ここで「蓄熱」とは温度帯によらず熱を物質に蓄えることを意味する。本発明では低温度域での蓄熱を想定しているため、分かり易くするため「蓄熱」を「蓄冷」と呼ぶ。同様に蓄冷した冷熱エネルギを周囲の空気中に放出することを「放冷」と呼ぶ。)する蓄冷手段を備え、冷蔵庫の運転状況に応じて蓄冷と放冷を行える冷却手段を備えた冷蔵庫に関する。
特許文献1に記載の冷蔵庫では、庫内の温度むらや温度変動、また食品の乾燥を抑制し、食品収納後の冷却運転時間を短縮して食品の保存性を高めることを目的にしている。すなわち、対象とする保存室の天井面に冷却板と蓄冷材をセットにして設け、保存室の外側の天井面に、冷蔵庫の冷却器から庫内ファン(第一の送風機)を稼働した際に発生する冷気によって、冷却板と蓄冷材に冷熱エネルギが蓄えられるように通風ダクトが形成されている。また、保存室内の空気を循環させるために第二の送風機が設けられており、保存室内の温度むらの解消を行っている。
特許文献2に記載の冷蔵庫では、着脱自在な蓄冷材を庫内に設け、使用者が収納する食品に応じて最適な保存方法を選択できることを目的にしている。青果物の保存には、直接冷気を供給しない間接的冷却方法が、乾燥防止の観点で優れている。
以上のように庫内の負荷変動に対応するために、冷蔵庫の冷却手段に追加して蓄冷材を活用した冷蔵庫についての特許文献が複数出願されている。
特開平7−35460号公報(図3参照) 特開2009−192109号公報(図2参照)
前記特許文献1および特許文献2に記載の冷蔵庫は、いずれも保存室内の温度変動を抑えるために蓄冷材を活用した冷却方法であり、保存室内の温度むら解消や食品の低温障害防止等、保存性向上に関しての効果が期待できる。しかしながら、特許文献1および特許文献2は、冷蔵庫特有の冷却運転に応じた蓄冷方法や放冷方法についての記載はなく、蓄冷材を活用した冷蔵庫の省エネ性向上に関する運転方法については全く検討されてこなかった。
本発明は前記した課題を解決するものであり、冷蔵室(野菜室含む)と冷凍室を備えた複数の温度帯を有する冷蔵庫において、冷蔵庫特有の冷却運転に応じて蓄冷材を効率的に利用し、省エネ性を向上できる冷蔵庫を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、冷蔵室と冷凍室を備えた複数の温度帯を有する冷蔵庫において、前記冷蔵室に対する冷気の導入および遮断を行う冷蔵室冷気制御手段と、前記冷凍室に対する冷気の導入および遮断を行う冷凍室冷気制御手段と、圧縮機とともに冷凍サイクルを構成する冷却器と、前記冷却器で生成される冷気を送風する第1送風機と、前記冷凍サイクルで生成された冷熱エネルギを蓄冷および放冷する蓄冷放冷手段と、前記蓄冷放冷手段に送風を行う第2送風機と、前記冷蔵室冷気制御手段、冷凍室冷気制御手段、第1送風機および第2送風機を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。冷凍サイクルによって得られる冷熱エネルギを蓄冷材に蓄冷する手段と放冷する手段を有することにより、冷蔵庫の熱負荷が高い時間帯の熱負荷の一部を、蓄冷材を利用して負荷平準化する。
本発明によれば、冷蔵室(野菜室含む)と冷凍室を備えた複数の温度帯を有する冷蔵庫において、冷却室に設けた蓄冷材と専用ファンによって構成される蓄冷ユニットに、庫内の熱負荷が小さくなる扉開閉が少ない時間帯、あるいは冷蔵庫の周囲空気温度が低くなる夜間の時間帯に蓄冷し、蓄冷時の冷凍サイクルの効率が高い時に蓄冷することで省エネ性に配慮している。また、昼間の冷蔵庫の使用頻度が高く、庫内の熱負荷が大きい時、蓄冷材から専用ファンで冷熱エネルギを取り出すことができ、蓄冷材からの放冷運転と冷凍サイクルを併用することにより、圧縮機の低速運転により省エネ化を図ることができる。したがって、従来からの蓄冷材を使った食品の保存性向上に加えて、省エネ性にも考慮した冷蔵庫が提供できる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面外観図である。 冷蔵庫の庫内の構成を示す図1のA−A断面図である。 冷蔵庫の冷気ダクトや冷気吹き出し口の配置などを示す正面図である。 蓄冷ユニットを示す概略図の一例である。 蓄冷ユニットを示す図4のB−B断面図である。 冷蔵庫の使用者の一般的な生活パターンと、それに対応した冷蔵庫の熱負荷、冷蔵庫設置場所の気温について模式的に示した図である。 冷蔵庫の運転状況を表すモリエル線図である。 蓄冷時(凝固)の蓄冷材の温度変化を示すグラフである。 放冷時(融解)の蓄冷材の温度変化を示すグラフである。 蓄冷ユニットに蓄冷する際の概略を示すフローチャートである。 蓄冷運転時の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の動作状態図である。 冷凍運転時に放冷運転を併用する場合の概略を示すフローチャートである。 冷凍運転時に放冷運転をする際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。 冷蔵運転時に放冷運転を実施する場合の概略を示すフローチャートである。 冷蔵運転時に放冷運転を実施する際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。 圧縮機OFF中に実施する霜冷却運転中に放冷運転を実施する場合の概略を示すフローチャートである。 圧縮機OFF中に実施する霜冷却運転中に放冷運転する際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。 除霜運転中に放冷運転を実施する場合の概略を示すフローチャートである。 除霜運転中に放冷運転を実施する際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。
図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、上方から、冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6を備えている。これら冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6は、それぞれの機能に適した温度帯に設定される。なお、以下本明細書中では、製氷室3と上段冷凍室4と下段冷凍室5の総称として冷凍温度帯室(以下、冷凍室と略記する)60、冷蔵室2と野菜室6の総称として冷蔵温度帯室61と呼ぶことがある。
冷蔵室2は、前面側に、左右に分割された観音開きの冷蔵室扉2a,2bを備え、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aを備えている。以下では、冷蔵室扉2a,2b、製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aを単に扉2a,2b,3a,4a,5a,6aと称する。
また、冷蔵庫1は、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの開閉状態をそれぞれ検知する図示しない扉センサと、扉開放状態と判定された状態が所定時間(例えば1分間)以上継続された場合に、使用者に報知する図示しないアラーム、冷蔵室2や野菜室6の温度設定や冷凍温度帯室60の温度設定をする図示しない温度設定器等を備えている。
図2に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体10により隔てられている。また、冷蔵庫1の断熱箱体10は真空断熱材25を実装している。
冷蔵庫1の庫内は、断熱仕切壁28により、冷蔵室2と上段冷凍室4及び製氷室3(図1参照)とが隔てられ、断熱仕切壁29により、下段冷凍室5と野菜室6とが隔てられている。
冷蔵室2は、扉2a,2b(図1参照)の庫内側に、複数の扉ポケット32が備えられ、また複数の棚36により縦方向に複数の貯蔵スペースに区画されている。
上段冷凍室4、下段冷凍室5及び野菜室6は、各室の前方に備えられた扉4a,5a,6aと一体に引き出される、収納容器4b,5b,6bがそれぞれ設けられており、扉4a,5a,6aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより収納容器4b,5b,6bが引き出せるようになっている。図1に示す製氷室3にも同様に、扉3aと一体に、図示しない収納容器(図2中(3b)で表示)が設けられ、扉3aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより収納容器3bが引き出せるようになっている。
なお、上段冷凍室4は、急速冷凍室として使用できるように構成されている。急速冷凍性能の向上のために、上段冷凍室4の収納容器4bには図示しないアルミトレーが備えられており、冷凍速度が向上するようになっている。
また、冷蔵庫1は、冷却器7、庫内ファン9(第1送風機)、冷蔵室送風ダクト11、冷凍室送風ダクト12、冷蔵室ダンパ(冷蔵室冷気制御手段。以下、Rダンパと略記する)20、冷凍室ダンパ(冷凍室冷気制御手段。以下、Fダンパと略記する)50、蓄冷ユニット70、制御装置100などを備えている。
冷却器7は、下段冷凍室5の略背部に配置され、冷媒と空気とで熱交換を行う熱交換器(冷却器、エバポレータ)であり、冷却器収納室8内に設けられている。また、冷却器7は、その下流側に図示しない配管を介して圧縮機24が接続され、圧縮機24の下流に、凝縮器(不図示)、減圧手段(キャピラリチューブ)を介して冷却器7と接続されるように構成されている。すなわち、冷媒は、圧縮機24で圧縮されて高温高圧のガス冷媒に変化し、凝縮器で放熱しながら液化する。液化した冷媒は、減圧手段で減圧され、冷却器7によって周囲空気から熱を奪うことで、冷気が生成される。
庫内ファン9は、冷却器7の上方の冷却器収納室8に取り付けられている。庫内ファン9が作動することにより、冷却器7と熱交換して冷やされた空気(冷却器冷気、以下、冷却器7で冷やされてできた低温空気を「冷却器冷気」(冷気)と称する)が冷蔵室送風ダクト11を介して冷蔵室2に送られ、また冷凍室送風ダクト12を介して上段冷凍室4、下段冷凍室5、製氷室3の各室へ送られる。各室への送風はRダンパ20とFダンパ50の開閉により制御される。
Rダンパ20は、冷蔵室送風ダクト11の入口に設置されている。Rダンパ20は、後記する制御装置100によって閉状態となるように制御されることにより、冷却器冷気の冷蔵室2への通流が遮断される。
また、Fダンパ50は、上段冷凍室4の背部に設置されている。Fダンパ50は、後記する制御装置100によって閉状態となるように制御されることにより、冷却器冷気の製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5への通流が遮断される。
図3に示すように、冷蔵室送風ダクト11は、冷蔵室2と背面側の断熱箱体10(図2参照)との間に配置され、上下方向に延びる風路と左右方向に延びる風路とで正面視においてT字状に形成されている。また、冷蔵室送風ダクト11には、冷蔵室2内に冷気が吹き出す複数の吹き出し口2cが形成されている。
冷凍室送風ダクト12は、冷凍温度帯室60(製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5)内部の背面に形成されている。また、冷凍室送風ダクト12には、製氷室3の後方上部に吹き出し口3cが形成され、上段冷凍室4の後方上部に吹き出し口4cが形成され、下段冷凍室5の後方上部に複数の吹き出し口5cが形成されている。
Rダンパ20が開状態、Fダンパ50(図2参照)が閉状態のときには、冷却器冷気が、冷蔵室送風ダクト11を経て吹き出し口2cから冷蔵室2に送られる。冷蔵室2の冷却を終えた冷却器冷気は、冷蔵室2の背面右側下部に備えられた冷蔵室戻り口2dから流出し、冷蔵室−野菜室連通ダクト16を介して、野菜室6の背面右側上部に備えられた野菜室吹き出し口6cから野菜室6に流入して野菜室6を冷却する。野菜室6を冷却した冷却器冷気は、断熱仕切壁29の下部前方に設けられた野菜室戻り口6d(図2参照)から、野菜室戻りダクト18(図2参照)を介して、冷却器7の幅とほぼ等しい幅の野菜室戻り吹き出し口18aから冷却器7に戻る。
また、Fダンパ50が開状態のときには、冷却器7で熱交換された冷却器冷気が庫内ファン9により昇圧され、冷凍室送風ダクト12を経て各吹き出し口3c,4c,5cからそれぞれ製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5へ送風される。
なお、図2に示すように、冷却器7が収納された冷却器収納室8の下方には、除霜ヒータ22が備えられている。除霜ヒータ22は、例えば、ガラス管ヒータであり、ガラス管の外周にアルミニウム製の放熱フィン(不図示)を備えたものである。また、除霜ヒータ22の上方には、除霜水が除霜ヒータ22に滴下することを防止するための上部カバー(不図示)が設けられている。
冷却器7及びその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜は、除霜運転時に解かされ、その際に生じた除霜水は冷却器収納室8の下部に備えられた樋(トイ)23に流入した後、排水管27を介して機械室19に配置された蒸発皿21に達し、圧縮機24及び、機械室19内に配設される図示しない凝縮器の発熱により蒸発させられる。
また、冷却器7の正面から見て左上部には冷却器7に取り付けられた冷却器温度センサ35、冷蔵室2には冷蔵室温度センサ33、下段冷凍室5には冷凍室温度センサ34がそれぞれ備えられており、それぞれ、冷却器7の温度(以下、冷却器温度と称する)、冷蔵室2の温度(以下、冷蔵室温度と称する)、下段冷凍室5の温度(以下、冷凍室温度と称する)を検知できるようになっている。更に、冷蔵庫1は、庫外の温度を検知する図示しない外気温度センサを備えている。なお、野菜室6にも野菜室温度センサ(不図示)が配置されている。
図4に示すように、蓄冷ユニット70は、断熱仕切壁28の下部に位置する上段冷凍室4内に設けられている。この蓄冷ユニット70は、蓄冷材(蓄冷放冷手段)72(図5参照)を封入した蓄冷容器71、内部に蓄冷容器71を収容するダクト73、蓄冷と放冷を制御する蓄冷材専用の蓄冷ユニットファン(第2送風機)74、受け皿75、蓄冷材温度センサ(蓄冷状態検知手段)76などで構成されている。
なお、図4では、蓄冷ユニット70が上段冷凍室4内の上部に設置されているが、上段冷凍室4の収納スペースの影響を少なくするために、冷凍室前面仕切り40の投影面内に蓄冷ユニット70を組み込む構成であってもよい。また、以下の実施形態では、上段冷凍室4に蓄冷ユニット70を設けた場合を例に挙げて説明するが、冷凍温度帯室60(図1参照)に限定されるものではなく、冷蔵室2や野菜室6に蓄冷ユニット70を設けてもよい。ただし、いずれの場所に蓄冷ユニット70を設置するにしても、設置する温度帯に適合した蓄冷材、すなわち設置した場合の温度が蓄冷材の凝固点温度以下になることが必須である。
図5に示すように、蓄冷容器71は、蓄冷材72が充填される扁平な箱型のケース71aと、複数のフィン71bとで構成されている。なお、蓄冷容器71は、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた金属材料で形成されている。フィン71bは、ケース71aの表面(上面および下面)から突出して形成されることで、伝熱面積が拡大され、蓄冷容器71と周囲空気との伝熱促進を図っている。なお、フィン71bは、左右方向に間隔を開けて配置され、かつ、前後方向に延びて形成されている。
ダクト73は、蓄冷容器71を収容する箱型に形成され、背部に空気(冷気)が導入される導入口73a(図4参照)が形成され、前部に空気(冷気)が排出される排出口73b(図4参照)が形成されている。また、ダクト73は、その内壁と各フィン71bの先端とが接するように構成されることで、隣り合うフィン71b,71bとダクト73の壁面とで囲まれる空間が、冷気が通流する風路Sとして機能するように構成されている。
蓄冷ユニットファン74は、蓄冷と放冷を制御する蓄冷材専用のものであり、ダクト73の導入口73aに取り付けられている。蓄冷ユニットファン74が稼動(作動)することにより、冷凍温度帯室60(図1参照)内の冷気が導入口73aを介してダクト73内に導入される。なお、蓄冷材72を蓄冷する制御および放冷する制御については後記する。
なお、蓄冷容器71内に充填する蓄冷材72は、冷蔵庫1内のいずれの温度帯に設置するかによってその融点(凝固点)が決まる。蓄冷材72は、相変化を伴う潜熱蓄冷材であり、冷凍温度帯室60で使用する場合の蓄冷材としては、例えば、水に塩化カルシウムなどを混合したものが使用される。
また、蓄冷容器71内の蓄冷材72と周囲空気との伝熱を促進させるために蓄冷容器71としては金属を用いることが望ましいが、蓄冷材72に塩類を使用した場合、金属に対する腐食性を考慮して、蓄冷材72と直接接する金属容器表面(内壁面)に樹脂等を用いたコーティングを施すことが好ましい。
受け皿75は、蓄冷容器71が腐食などで破損した場合に漏れ出た蓄冷材72を受け止めるものであり、ダクト73(蓄冷容器71)の下側に配置されている。これにより、漏れ出た蓄冷材72が上段冷凍室4内などの食品に接触するのを防止できる。
温度センサ76は、蓄冷材72の状態(液体か固体の状態)を検出することができるものである。なお、以下では、温度センサ76によって検出された温度は、蓄冷ユニット温度とする。
なお、前記蓄冷ユニット70の構成は一例であり、本実施形態に限定されるものではない。例えば、蓄冷容器71の全体が樹脂製材料で形成されたものでもよい。また、蓄冷容器71の形状についても、フィン形状に限定されず、凹凸形状であってもよい。すなわち、冷蔵庫1の省エネ運転に必要な蓄冷ユニット70の蓄冷速度、あるいは放冷速度に応じた蓄冷ユニット70の形態が存在する。
制御装置(制御手段)100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、インターフェース回路等が搭載され、冷蔵庫1の天井壁上面側に配置されている(図2参照)。この制御装置100は、温度センサ33,34,35,76と接続され、また、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの各扉の開閉状態をそれぞれ検知する前記した扉センサ、冷蔵室2の内壁に設けられた図示しない温度設定器等と接続されている。
また、制御装置100は、前記ROMに予め搭載されたプログラムにより、圧縮機24のON,OFF等の制御、Rダンパ20及びFダンパ50を個別に駆動する図示省略のそれぞれのアクチュエータの制御、庫内ファン9および蓄冷ユニットファン74のON/OFF制御や回転速度制御、前記した扉開放状態を報知するアラームのON/OFF等の制御を行う。
図6は冷蔵庫の使用者の一般的な生活パターンと、それに対応した冷蔵庫の熱負荷、冷蔵庫設置場所の気温について模式的に示した図である。冷蔵庫1の使用者の生活パターンの一例を以下に示す。すなわち、朝6時から8時頃に起床と朝食の準備、11時〜13時頃に昼食の準備、夕方にかけて買い物に出かけ、帰宅後食品を冷蔵庫に保管して夕食の準備、家族だんらん、就寝となる。一般的に、食事の準備時間帯と買い物後の食品収納時間帯に冷蔵庫1の扉開閉回数が多くなる傾向にあり、それに応じて冷蔵庫1の熱負荷が高くなる。特に、家族全員が揃う夕食から家族だんらんにかけて、冷蔵庫1の使用者が増えるため扉開閉の回数が増えて熱負荷が一番大きくなると予想され、その結果、圧縮機24の回転速度が高くなり消費電力が増える。
これに対して、夜間の睡眠時間帯には扉の開閉は行われないため、冷蔵庫1の熱負荷は低く、庫外からの熱侵入だけで圧縮機24の回転速度が低い定常運転を行っている。冷蔵庫1はキッチン(台所)に置かれていることが多く一般的には空調された空間であるが、年間を通じて夜間の気温は低くなる傾向にある(夏場は夜間の外気が下がり、また冬場は暖房を緩めるため夜間の気温は一般的に低くなる)。
ところで、図7のモリエル線図に示すように、冷凍サイクルを使用した冷蔵庫1において、冷蔵庫1の周囲温度が低い環境下(夜間)では、冷蔵庫1の凝縮器(不図示)からの放熱が促進されるため凝縮温度が昼間の凝縮温度と比べて低くなり(白抜き矢印A参照)、その結果、圧縮機24の入力が低減されて(白抜き矢印B参照)省エネ運転が実現できる。
また、冷蔵庫1の冷却能力は夏場の冷蔵庫1の扉開閉が多くなる時間帯で、食品を一度にたくさん入れる場合を想定して決めているため、冷蔵庫1の熱負荷が少ない夜間の時間帯では、冷却能力が余剰になっている。冷蔵庫1の周囲温度が高く、また冷蔵庫1の熱負荷が高くなる昼間の時間帯に、圧縮機24の回転速度を高くして冷却能力を上げた運転を行うことは、省エネの観点から良いとは言えない。
そこで、以上のように冷蔵庫1の使用者の生活パターンと冷蔵庫の周囲の気温を勘案し、冷蔵庫1の熱負荷が高くなる昼間の時間帯の熱負荷の一部を、冷蔵庫1の熱負荷が少ない時間帯、すなわち使用者が就寝している時間帯にシフトして負荷の平準化を行うことが考えられる。前記のとおり、就寝時間帯の冷蔵庫1の周囲の気温は低くなるので、この冷凍サイクルの効率が高いときに蓄冷ユニット70に冷熱エネルギを蓄冷することで、蓄冷による負荷平準化と省エネ性向上を両立することが可能になる。
図8は蓄冷時(液体→固体)の蓄冷材の温度変化である。蓄冷材72の温度は蓄冷ユニット70に設けた温度センサ76によって測定される。ちなみに、蓄冷材72には相変化を伴う潜熱蓄冷材と相変化を伴わない顕熱蓄冷材の2種類がある。潜熱蓄冷材は相変化時に潜熱を放出するため蓄冷密度が高く、そのため蓄冷材72の容量を少なくすることができ、省スペース化が求められる冷蔵庫での使用に適している。
蓄冷材72に冷熱エネルギを蓄える場合、すなわち液体の蓄冷材72を冷却して凝固させる場合、冷凍温度帯室60を冷却する冷気の一部を利用して蓄冷材72を凝固させるため、蓄冷材72がない場合に比べて冷凍温度帯室60の熱負荷は大きくなる。しかし、夜間の時間帯を利用して蓄冷させることで、同じ熱量を昼間の時間帯に蓄冷するよりも冷凍サイクルの効率がよい分だけ蓄冷する際のエネルギは少なくて済む(図7参照)。また、夜間の電力は一般に安価である。
また、蓄冷材72の温度が時間と共に低下し、図8において符号s1で示すように、一時的に凝固温度T1よりも低下する過冷却現象が生じる場合があるが、過冷却が解除すると潜熱を放出するため蓄冷材の温度が上昇し、図8において符号s2で示すように、その後は相変化が進行するためほぼ一定温度で推移する。この間、蓄冷材72は液体から固体へと相変化するため、蓄冷材72から放出した熱は冷凍温度帯室60を循環する冷気によって冷却器7に送られ、冷却器7で吸熱される。時刻t1で示すように、相変化が終了すると、蓄冷ユニット70が設置された上段冷凍室4の庫内温度に漸近する。蓄冷ユニット70には蓄冷ユニットファン74が設けられており、冷凍運転時には蓄冷速度を速めるために蓄冷ユニットファン74を運転し、また冷凍温度帯室60に冷気が供給されない冷蔵運転の時には蓄冷ユニットファン74を停止する。蓄冷完了温度T2に到達した時点で蓄冷ユニットファン74を停止する。なお、図8は相変化に至るまでの蓄冷時の温度変化が直線的になっているが、実際の冷蔵庫では例えば、冷凍室の冷却、圧縮機OFF、冷蔵室の冷却の順番で冷気の送風が行われているため、蓄冷材72の温度低下は必ずしも直線的にはならない。
図9は放冷時(固体→液体)の蓄冷材の温度変化である。蓄冷材72に蓄えられた冷熱エネルギの利用方法については後記するが、冷熱エネルギを使いたいときに使えるように、蓄冷ユニットファン74を運転して蓄冷容器71とその周囲空気との熱交換を制御し、冷凍温度帯室60内の熱負荷を蓄冷材72に吸熱させ(これにより蓄冷材の温度は上昇する)、冷凍温度帯室60内の空気温度を低下させることが基本的な使い方である。蓄冷材72に蓄えられている冷熱エネルギを使い周囲空気を冷却する場合、冷凍温度帯室60内の温度に保たれていた蓄冷材72は温度上昇し、融点(融解温度)T3に達すると融解潜熱の放出より、図9において符号s3で示すように、蓄冷材72の温度はほぼ一定に保たれる。融解が終了すると蓄冷材72の温度は上昇するが、放冷完了温度T4を設けることにより冷凍温度帯室60への熱負荷増加を防止している。
次に、蓄冷材72の蓄冷運転と放冷運転について、蓄冷ユニット70を冷凍温度帯室(以下、冷凍室と略記する)60に設置した場合を想定して説明する。まず、蓄冷ユニット70(蓄冷材72)に蓄冷する際の運転方法(蓄冷運転)について図10および図11を参照して説明する。図10は蓄冷ユニットに蓄冷する際の概略を示すフローチャート、図11は蓄冷運転時の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の動作状態図である。このフローは、タイマなどにより、毎夜(深夜)に行われる。
図10に示すように、冷凍運転(F運転)時、ステップS100において、制御装置100は、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉、庫内ファン9をONにすることで、冷却器7で生成した冷気(冷却器冷気)によって冷凍室60を冷却する。このとき、冷凍室60に設置した蓄冷材72に蓄冷するために、冷凍運転と連動して蓄冷ユニットファン74をONする(作動させる)。つまり、冷凍室60に冷気を送り込みながら蓄冷ユニットファン74を運転して、蓄冷材72に冷気(冷熱エネルギ)を蓄冷する蓄冷運転を行う。
そして、ステップS110に進み、制御装置100は、冷凍室60に設けた冷凍室温度を検知する冷凍室温度センサ34によって、冷凍室温度が下限値に到達したか否かを判断する。なお、下限値は、冷凍室60内の食品の保存に適した温度範囲内の最低温度に設定される。
ステップS110において、制御装置100は、冷凍室温度が下限値に到達していないと判断した場合には(S110、No)、ステップS110の処理を繰り返し、冷凍室温度が下限値に到達したと判断した場合には(S110、Yes)、ステップS120に進む。
ステップS120において、制御装置100は、蓄冷ユニット70に設置した蓄冷ユニット温度を検知する温度センサ76によって、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度より高いか否かを判断する。なお、蓄冷完了温度は、例えば冷凍室温度の下限値よりも若干高い温度に設定される。
ステップS120において、制御装置100は、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度よりも高いと判断した場合には(Yes)、ステップS130に進み、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度以下であると判断した場合には(No)、ステップS180に進む。
蓄冷ユニット温度がまだ蓄冷完了温度よりも高い場合には、ステップS130において、制御装置100は、圧縮機24をOFFにすると共に、庫内ファン9および蓄冷ユニットファン74をOFF(停止)し、さらにFダンパ50を閉にする。
そして、ステップS140に進み、制御装置100は、冷凍室温度が、圧縮機24がONとなる温度(閾値)に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達していないと判断した場合には(S140、No)、ステップS140の処理を繰り返し、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達したと判断した場合には(S140、Yes)、ステップS150に進む。
冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達すると、ステップS150において、制御装置100は、冷蔵運転(R運転)を開始する。このとき、Rダンパ20を開、圧縮機24および庫内ファン9をONにする。これにより、冷却器7からの冷気によって冷蔵室2が冷却される。
そして、ステップS160に進み、制御装置100は、冷蔵室2に設置した冷蔵室温度を検知する冷蔵室温度センサ33によって、冷蔵室温度が下限値に到達したか否かを判断する。なお、下限値は、冷蔵室2内の食品の保存に適した温度の最低温度に設定される。
ステップS160において、制御装置100は、冷蔵室温度が下限値に到達していないと判断した場合には(No)、ステップS160の処理を繰り返し、冷蔵室温度が下限値に到達したと判断した場合には(Yes)、ステップS170に進む。
そして、ステップS170において、制御装置100は、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度より高いか否かを判断する。制御装置100は、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度よりも高い、つまり蓄冷ユニット温度が十分に低下していないと判断した場合には(S170、Yes)、ステップS100に戻り、冷凍運転、すなわちFダンパ50を開、Rダンパ20を閉とし、蓄冷運転を再び開始するため蓄冷ユニットファン74をONにする。
また、ステップS170において、制御装置100は、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度以下、つまり蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度まで低下したと判断した場合には(S170、No)、ステップS180に進む。
ステップS180において、制御装置100は、蓄冷運転を終了する。なお、ステップS100の冷凍運転に戻って蓄冷運転をしている場合において、冷凍室温度が下限値に到達し(S110、Yes)、かつ、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度以下となったときには(S120、No)、蓄冷ユニットファン74を停止して、蓄冷運転を終了する。
そして、ステップS190において、制御装置100は、冷凍運転(S100)、圧縮機24をOFF(庫内ファン9をOFF)、冷蔵運転(S150)を繰り返す。
また、図11を参照しながら説明すると、冷凍運転時(S100)、時刻t10において冷凍室温度が下限値に到達すると(S110、Yes)、圧縮機24、蓄冷ユニットファン74および庫内ファン9をOFFにし、Fダンパ50を閉とする(S130)。これにより、冷却器7が停止するので、冷凍室温度が上昇する。また、蓄冷ユニットファン74が停止するので、蓄冷ユニット温度が低下しなくなる。
そして、時刻t11において、冷凍室温度が、予め設定された圧縮機24をONにする温度に到達すると(S140、Yes)、圧縮機24および庫内ファン9をON、Rダンパ20を開として、冷蔵運転(S150)に移行する。これにより、冷蔵室温度が低下するが、Fダンパ50は閉であり、冷凍室60に冷気が供給されないので、冷凍室温度は上昇する。
そして、時刻t12において、冷蔵室温度が、予め設定された下限値に到達し(S160、Yes)、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度よりも高い場合には(S170、Yes)、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉、蓄冷ユニットファン74をONにして、再び冷凍運転(S100)に移行し、同時に蓄冷運転を行う。
そして、時刻t13において、冷凍室温度が下限値に到達すると(S120、Yes)、圧縮機24、庫内ファン9および蓄冷ユニットファン74をOFF、Fダンパ50を閉にする。
なお、冷凍運転中の時刻t14において、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度まで低下しているが、ここで蓄冷ユニットファン74をOFFにせず、冷凍室温度が下限値に到達したときに蓄冷ユニットファン74をOFFにして、蓄冷運転を終了する。ただし、冷凍運転中であっても、蓄冷ユニット温度が蓄冷完了温度まで低下したときに、蓄冷ユニットファン74をOFFにするようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、冷凍運転とともに蓄冷運転を行うと、蓄冷ユニット温度が除々に低下し、相変化現象を経て(図8参照)、予め決められた蓄冷完了温度(蓄冷完了温度は、蓄冷材の凝固温度以下とする)、すなわち蓄冷ユニット70の周囲の冷凍室温度に概ね到達した時点で蓄冷完了と判断する。通常の冷却運転と同時に蓄冷運転を行うタイミングは、図6で説明したように冷蔵庫1の使用者による使用頻度が少なくなる就寝時間帯に行うことが望ましい。また、周囲温度が低くなる夜間(定常運転時)に蓄冷運転を行うことにより省エネ運転を実施でき、更に使用者にとっては深夜の電力割引制度を利用することも可能になる。
次に蓄冷ユニットから放冷する際の運転方法(放冷運転)について図12および図13を参照して説明する。図12は冷凍運転時に放冷運転を併用する場合のフローチャート、図13は冷凍運転時に放冷運転をする際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。なお、このフローは、タイマにより、例えば夕方に行われる。
図12に示すように、冷凍運転(F運転)時、ステップS200において、制御装置100は、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉、庫内ファン9をONにすることで、冷却器7で生成した冷気(冷却器冷気)によって冷凍室60を冷却する。このとき、冷凍室60に設置した蓄冷材72を放冷させるために、冷凍運転と連動して蓄冷ユニットファン74をONする(運転させる)。ちなみに、従来では冷凍サイクルを運転(圧縮機を運転)することによって冷凍室60を冷却するが、本実施形態では、冷凍室60の冷却を蓄冷材72に蓄えた冷熱エネルギも利用することで、冷凍室60の熱負荷の一部を蓄冷材72で補う蓄冷材併用運転を行う。すなわち、冷凍室60に冷気を送り込んで冷却するときに合わせて蓄冷ユニットファン74を運転し、蓄冷材72も利用して冷凍室60の冷却を行うものである。
そして、ステップS210において、制御装置100は、冷凍室温度が下限値に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷凍室温度が下限値に到達していないと判断した場合には(S210、No)、ステップS210の処理を繰り返し、冷凍室温度が下限値に到達したと判断した場合には(S210、Yes)、ステップS220に進む。
ステップS220において、制御装置100は、圧縮機24、庫内ファン9および蓄冷ユニットファン74をすべてOFFにし、Fダンパ50を閉じる。
そして、ステップS230に進み、制御装置100は、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達していないと判断した場合には(S230、No)、ステップS230の処理を繰り返し、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達したと判断した場合には(S230、Yes)、ステップS240に進む。
ステップS240において、制御装置100は、冷蔵運転(R運転)に移行する。このとき、圧縮機24および庫内ファン9をONにし、Rダンパ20を開にする。これにより、冷却器7からの冷気が冷蔵室2に送られ、冷蔵室2が冷却される。
そして、ステップS250に進み、制御装置100は、冷蔵室温度が下限値に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷蔵室温度が下限値に到達していないと判断した場合には(S250、No)、ステップS250の処理を繰り返し、冷蔵室温度が下限値に到達したと判断した場合には(S250、Yes)、ステップS260に進む。
ステップS260において、制御装置100は、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度よりも低いか否かを判断する。制御装置100は、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度よりも低いと判断した場合には(S260、Yes)、ステップS200に戻り、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉とし、蓄冷材72からの放冷運転を再び開始するため蓄冷ユニットファン74をONにする。また、制御装置100は、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度よりも低くない、つまり蓄冷ユニット温度が放冷完了温度以上であると判断した場合には(S260、No)、ステップS270に進む。
ステップS270において、制御装置100は、放冷運転を終了する。なお、図示していないが、ステップS200(冷凍運転および放冷運転)の後段において、ステップS260と同様にして、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度よりも低いか否かを判断して、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度以上であるときに、放冷運転を終了するようにしてもよい。
そして、ステップS280において、制御装置100は、冷凍運転(S200)、圧縮機24をOFF(庫内ファン9もOFF)、冷蔵運転(S250)を繰り返す。
また、図13を参照して説明すると、冷凍運転時(S200)、時刻t20において冷凍室温度が下限値に到達すると(S210、Yes)、圧縮機24、蓄冷ユニットファン74および庫内ファン9をOFFにし、Fダンパ50を閉とする(S220)。これにより、冷却器7による吸熱が停止するので、冷凍室温度が上昇する。
そして、時刻t21において、冷凍室温度が、予め設定された圧縮機24をONにする温度に到達すると(S230、Yes)、圧縮機24および庫内ファン9をON、Rダンパ20を開として、冷蔵運転(S240)に移行する。このとき、冷蔵室温度が低下するが、Fダンパ50はOFFであり、冷凍室60に冷気(冷却器冷気)が供給されないので、冷凍室温度は上昇する。
そして、時刻t22において、冷蔵室温度が、予め設定された下限値に到達し(S250、Yes)、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度よりも低い場合には(S260、Yes)、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉、蓄冷ユニットファン74をONにして、再び冷凍運転に移行し、同時に放冷運転を行う(S200)。
そして、時刻t23において、冷凍室温度が下限値に到達すると(S210、Yes)、圧縮機24、庫内ファン9および蓄冷ユニットファン74をOFF、Fダンパ50を閉にする。
そして、冷凍運転終了後の時刻t24において、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度以上となったときに(S260、No)、放冷運転を終了する。
以上説明したように、冷凍運転とともに放冷運転を繰り返し行うと、蓄冷ユニット温度が除々に上昇し、相変化現象を経て(図9参照)、予め決めた放冷完了温度、すなわち冷凍室60の上限温度に概ね到達した時点で放冷完了と判断する。通常の冷却運転に加え、冷凍室60の冷却を蓄冷材72を使って併用運転する時間帯は、図6で説明したように冷蔵庫1の使用者が冷蔵庫1を使う頻度が多くなる時間帯に行うことが望ましい。冷凍サイクル効率が高い時間帯に蓄冷した冷熱を取り出す運転(すなわち放冷運転)が実現できるので、冷蔵庫1を使う頻度が多くなる時間帯に冷凍サイクルだけで冷却する運転に比べて圧縮機24の回転速度を低くした運転を行うことが可能となり、省エネ運転が実施可能となる。
図14は冷蔵運転時に放冷運転を実施する場合の概略を示すフローチャート、図15は冷蔵運転時に放冷運転を実施する際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。なお、図14のステップS350〜S380は、図12のステップS250〜S280と同様であるので、その説明を省略し、以下では、ステップS300〜S340について説明する。
図14に示すように、冷凍運転(F運転)時、ステップS300において、制御装置100は、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉、庫内ファン9をONに設定して冷凍サイクルによって冷凍室60を冷却する。このとき、蓄冷ユニットファン74はOFFである。
そして、ステップS310に進み、制御装置100は、冷凍室温度が下限値に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷凍室温度が下限値に到達していないと判断した場合には(S310、No)、ステップS310の処理を繰り返し、冷凍室温度が下限値に到達したと判断した場合には(S310、Yes)、ステップS320に進む。
ステップS320において、制御装置100は、圧縮機24および庫内ファン9をOFFにし、Fダンパ50を閉にする。
そして、ステップS330に進み、制御装置100は、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達していないと判断した場合には(S330、No)、ステップS330の処理を繰り返し、冷凍室温度が圧縮機24がONとなる温度に到達したと判断した場合には(S330、Yes)、ステップS340に進む。
ステップS340において、制御装置100は、冷蔵運転(R運転)に移行する。このとき、圧縮機24、蓄冷ユニットファン74および庫内ファン9をON、Rダンパ20を開にし、冷蔵運転中に蓄冷材72を利用した放冷運転を実施する。これにより、冷蔵運転中の冷凍室60の温度上昇が蓄冷材72の放冷運転により抑制される。
また、図15を参照して説明すると、時刻t30において圧縮機24がOFFにされた後の時刻t31において、冷凍室温度が予め設定された圧縮機24をONにする温度に到達すると(S330、Yes)、圧縮機24、庫内ファン9および蓄冷ユニットファン74をONにし、Rダンパ20を開にして冷蔵運転に移行する。このように冷蔵運転中に、Fダンパ50を閉じた状態において、蓄冷ユニットファン74をONにすることにより、冷凍室温度が上昇するのを抑制することができる(時刻t31〜t32の冷凍室温度参照)。
ところで、図6で説明したように、冷蔵庫1の熱負荷が高い時間帯には冷蔵室2の扉開閉が多くなることがあり、それに応じて冷蔵室2を冷却する時間が長くなる。前記したように、冷蔵運転中に蓄冷ユニットファン74を運転することにより、冷凍室側では蓄冷材72の放冷運転により温度上昇が抑制されるので(t31〜t32における冷凍室温度参照)、冷蔵室2を優先的に冷却しながら、冷凍室60も冷却することが可能となる。
図16は圧縮機OFF中に実施する霜冷却運転中に放冷運転を実施する場合の概略を示すフローチャート、図17は圧縮機OFF中に実施する霜冷却運転中に放冷運転する際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。なお、ステップS450〜S480は、図12のステップS250〜S280と同様であり、その説明を省略し、以下では、ステップS400〜S440について説明する。また、図17では蓄冷ユニット温度の図示を省略している。
図16に示すように、冷凍運転(F運転)時、ステップS400において、制御装置100は、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉、庫内ファン9をONにして冷凍サイクルによって冷凍室60を冷却する。またこのとき、蓄冷ユニットファン74はOFFである。
そして、ステップS410に進み、制御装置100は、冷凍室温度が下限値に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷凍室温度が下限値に到達していないと判断した場合には(S410、No)、ステップS410の処理を繰り返し、冷凍室温度が下限値に到達したと判断した場合には(S410、Yes)、ステップS420に進む。
ステップS420において、制御装置100は、Fダンパ50を閉、Rダンパ20を開にした状態で圧縮機24をOFFにする。また、制御装置100は、ステップS420において、庫内ファン9の運転を継続し、霜冷却運転を行う。さらに、制御装置100は、ステップS420において、蓄冷ユニットファン74をONにして、蓄冷材72の放冷運転を行い、冷凍室60を冷却する。
そして、ステップS430に進み、制御装置100は、冷凍室温度が圧縮機24をONにする温度に到達したか否かを判断する。制御装置100は、冷凍室温度が圧縮機24をONにする温度に到達したと判断した場合には(S430、Yes)、ステップS440に進み、到達していないと判断した場合には(S430、No)、ステップS430の処理を繰り返す。
ステップS440において、制御装置100は、圧縮機24をONにして、冷蔵運転(R運転)に移行する。またこのとき、蓄冷ユニットファン74をOFFにする。
なお、ステップS420における、圧縮機24のOFF中の「霜冷却運転」とは、冷却器7やその周辺の冷却器収納室8に成長した霜の冷熱エネルギを利用した運転のことであり、前記したようにRダンパ20を開、Fダンパ50を閉、庫内ファン9をONにして冷蔵室2の庫内の熱負荷の一部を霜にシフトさせる運転である(このとき、霜によって冷蔵室2は冷却される)。したがって、霜冷却運転中には冷蔵室2の温度が低下し、霜が解けるに伴い冷却器7の温度は上昇する。冷凍サイクルでは蒸発温度を高めた方がサイクル効率を高めることができるため、霜冷却運転後の冷蔵運転の蒸発温度が高くなることで、従来の冷蔵運転よりも省エネ運転が実施可能となる。
ところで、霜に蓄冷された冷熱エネルギを十分に使いこなすために霜冷却時間を長くすると、冷凍室60を冷却しない時間が長くなるため、冷凍室60の温度上昇が課題となる。しかし、本実施形態では、Fダンパ50を閉状態で、霜冷却運転中に蓄冷ユニットファン74をONにして放冷運転を実施することで、冷凍室60の温度上昇を抑えることが可能になる。霜冷却運転中の蓄冷材72の放冷運転は、蓄冷ユニット温度が冷凍室60を冷却するために必要な上限温度、すなわち放冷完了温度まで実施することができる。
また、図17を参照して説明すると、時刻t40において冷凍室温度が下限値に到達すると(S410、Yes)、庫内ファン9をONにしたまま、圧縮機24をOFF、Fダンパ50を閉、Rダンパ20を開にする(S420)。これにより、冷却器7などに付着した霜によって冷却された空気(冷気)が冷蔵室2に送られ、冷蔵室2が冷却される。このように、霜による冷却運転が行われることにより、霜が解けることで、冷却器7の温度(冷却器温度)が上昇する。
また、霜冷却運転時に、蓄冷ユニットファン74をONにすることにより(S420)、蓄冷材72の放冷運転により、冷凍室60が冷却される。したがって、冷凍室温度が大きく上昇するのを抑えることができる。
そして、時刻t41において、冷凍室温度が、予め設定された圧縮機24をONにする温度に到達すると(S430、Yes)、圧縮機24をON、蓄冷ユニットファン74をOFFにして、冷蔵運転(S440)に移行する。このとき、圧縮機24が駆動することにより、冷蔵室2内の水分が冷却器7に霜となって付着することで、冷却器温度が低下する。
そして、時刻t42において、冷蔵室温度が、予め設定された下限値に到達し(S450、Yes)、蓄冷ユニット温度が放冷完了温度より低いときには、Fダンパ50を開、Rダンパ20を閉とし、庫内ファン9を短時間だけOFFにして、冷凍運転に移行する(S400)。なお、庫内ファン9は、冷凍運転に移行した直後の短時間のみOFFにする。
なお、一時的に庫内ファン9をOFFにするのは、冷却器7の温度を下げることにより庫内に供給する冷気の温度が下がり、冷凍室60の冷却に適した温度になるからである。ちなみに、庫内ファン9をOFFにしないと、高い温度の空気が冷凍室60に供給されてしまう。
本実施形態では、冷凍室60に蓄冷ユニット70を設け、必要に応じて冷凍室60の温度上昇が問題になるときに蓄冷材72を放冷運転させ、冷凍室60の温度上昇を抑制させている。一方、冷蔵室2側には新たに設けた蓄冷ユニットはないが、冷却器7には冷蔵庫1内(主に冷蔵室2)の水分が凍結して霜となって存在している。霜は水が相変化して氷(霜)になったものであり、庫内の水分を有効に使った潜熱蓄冷材として扱うことができる。霜の融点は0℃であるため、冷蔵室2の冷却には十分である。冷凍室60に新たに設けた潜熱蓄冷材の蓄冷過程と放冷過程を同じように考えてみると、冷却器7に霜として蓄冷する過程は、庫内空気の水分量が多い冷蔵運転時に行われる。冷凍室60に設けた蓄冷材72の蓄冷運転は、冷蔵庫1の周囲空気の温度が低い夜間の時間帯に行うことで省エネ性が高まることはすでに説明したが、冷却器7に霜として蓄冷する過程は、昼夜を問わず主に冷凍サイクルの効率が高い冷蔵運転時に行われる。また、放冷過程においては、圧縮機24がOFFの状態で実施する霜冷却運転により、冷却器7の温度を上昇させ、次の冷蔵運転のサイクル効率を高めた運転に導いている。したがって、霜を冷却器7に蓄冷する過程、放冷する過程、いずれの場合であっても省エネ性を考慮した運転となる。
また、図6で説明したように一般家庭における生活パターンを見ると、夕食の準備や家族のだんらんが行われる時間帯に冷蔵庫1の扉開閉の回数が多くなり、特に冷蔵室2内の熱負荷が高くなる傾向がある。冷蔵室2の熱負荷が高くなると、通常の冷蔵庫では圧縮機の回転速度を上げて冷蔵室の冷却を行うが、霜冷却運転が可能な本実施形態の冷蔵庫1では、圧縮機24を止めた状態で冷蔵室2の熱負荷を有効利用しながら霜冷却運転を実施することができる。冷却器7に成長した霜を融解するまでの長い時間、霜冷却運転を実施できると、冷蔵室2内の熱負荷を庫外に排出することができ、霜冷却運転が終了した後の冷蔵運転の熱負荷が少なくなり、省エネ性が更に高まることになる。
図18は除霜運転中に放冷運転を実施する場合の概略を示すフローチャート、図19は除霜運転中に放冷運転を実施する際の冷蔵庫の運転状況とそれに関する機器の状態図である。ちなみに、冷蔵庫1は通常1日に一回程度の除霜運転が実施される。なお、本実施形態のように、前記した霜冷却運転が可能な冷蔵庫1では、除霜運転は霜冷却運転と同様な考え方で実施される。なお、霜の冷熱エネルギを冷蔵室2の冷却に有効利用し、除霜しながら冷蔵室2を冷却するものであるが、除霜ヒータ22を併用して除霜時間を短くする方式も含まれている。
図18に示すように、除霜運転開始時、ステップS500において、制御装置100は、Fダンパ50を閉、Rダンパ20を開、庫内ファン9をONに設定して、冷蔵室2を冷却する。また、ステップS500において、制御装置100は、蓄冷ユニットファン74をONにし、蓄冷ユニット70を放冷運転して、冷凍室60を冷却することで、除霜運転中の冷凍室60の温度上昇を抑制する。
そして、ステップS510において、制御装置100は、冷凍室温度が閾値TF1に到達したか否かを判断する。なお、閾値TF1は、除霜ヒータ22をONに切り換える際の温度であり、例えば予め実験やシミュレーションなどによって決められる。制御装置100は、冷凍室温度が閾値TF1よりも低いと判断した場合には(S510、No)、ステップS510の処理を繰り返し、冷凍室温度が閾値TF1以上であると判断した場合には(S510、Yes)、ステップS520に進む。
ステップS520において、制御装置100は、庫内ファン9をONに維持したまま、除霜ヒータ22をONにして、冷蔵室2を冷却する。また、ステップS520において、制御装置100は、蓄冷ユニットファン74をONにして、蓄冷ユニット70を放冷運転させて、冷凍室60を冷却する。
そして、ステップS530において、制御装置100は、蓄冷ユニット温度がTF2に到達したか否かを判断する。なお、温度TF2は、蓄冷ユニット70の放冷運転を終了させる際の判断となる温度、つまり蓄冷ユニットファン74をOFFにする温度であり、蓄冷ユニット温度が冷凍室温度以上となる温度である。制御装置100は、蓄冷ユニット温度がTF2に到達していないと判断した場合には(S530、No)、ステップS530の処理を繰り返し、蓄冷ユニット温度がTF2に到達したと判断した場合には(S530、Yes)、ステップS540に進む。
ステップS540において、制御装置100は、庫内ファン9および除霜ヒータ22をそれぞれONに維持したまま、蓄冷ユニットファン74をOFFにする。これにより、蓄冷ユニット70の放冷運転が停止する。
そして、ステップS550に進み、制御装置100は、冷却器温度が第3閾値TD1に到達したか否かを判断する。なお、第3閾値TD1は、庫内ファン9をOFFとし、Rダンパ20を閉にする際の判断となる温度であり、予め行われた実験やシミュレーションなどによって決められる。制御装置100は、冷却器温度が第3閾値TD1に到達していないと判断した場合には(S550、No)、ステップS550の処理を繰り返し、冷却器温度が第3閾値TD1に到達したと判断した場合には(S550、Yes)、ステップS560に進む。
ステップS560において、制御装置100は、庫内ファン9をOFFにすると共に、Rダンパ20を閉にする。これにより、温度の高い冷気が冷蔵室2に供給されるのを防止できる。
そして、ステップS570に進み、制御装置100は、冷却器温度が閾値TD2に到達したか否かを判断する。なお、閾値TD2は、除霜運転を終了する温度であり、閾値TD1よりも高い温度であり、予め行われた実験やシミュレーションなどによって決められる。制御装置100は、冷却器温度が第4閾値TD2に到達していないと判断した場合には(S570、No)、ステップS570の処理を繰り返し、冷却器温度が閾値TD2に到達したと判断した場合には(S570、Yes)、ステップS580に進み、除霜運転を終了する。
また、図19に示すように、時刻t50において、Fダンパ50を閉じ、Rダンパ20を開いた状態において、庫内ファン9および蓄冷ユニットファン74をONにして、除霜運転を開始する(S500)。これにより、除霜時の冷気によって冷蔵室2が冷却されるので(S500)、冷蔵室温度が低下する。また、冷蔵室2の熱負荷によって冷却器温度が急激に上昇する。また、蓄冷ユニット70を放冷運転させることで冷凍室60を冷却するが(S500)、冷凍室温度が蓄冷ユニット温度とともに徐々に上昇する。
そして、時刻t51において、冷凍室温度が閾値TF1に到達すると(S510、Yes)、除霜ヒータ22がONに切り換えられる。これにより、除霜ヒータ22の熱によって冷却器7に付着した霜が解かされる。なお、このときも冷凍室温度および蓄冷ユニット温度ともに上昇する。
そして、時刻t52において、蓄冷ユニット温度が冷凍室温度まで上昇したときに蓄冷ユニットファン74をOFFにする。これは、蓄冷ユニット温度が冷凍室温度よりも高くなると、冷凍室を冷却できなくなるからである。
そして、時刻t53において、冷却器温度が閾値TD1に到達すると(S550、Yes)、庫内ファン9をOFF、Rダンパ20を閉じる。これにより、冷蔵室温度が上昇するとともに、冷却器温度も徐々に上昇する。
そして、時刻t54において、冷却器温度が閾値TD2に到達すると(S570、Yes)、除霜ヒータ22をOFFにして、除霜運転を終了する。なお、時刻t53〜t54の区間において、閾値TD1から閾値TD2まで上昇するように加熱して、冷却器7に付着した霜を完全に取り除く処理が行われる。
ところで、時刻t53からt54においては、除霜ヒータ22で冷却器7を加熱することになるので、冷却器温度が上昇し、その間、冷蔵室2と冷凍室60の温度も上昇することになる。除霜ヒータ22で加熱している時刻t53とt54の間において、除霜ヒータ22で加熱された冷却器7の周囲の加熱空気が、Rダンパ20、Fダンパ50を通じて冷蔵室2、冷凍室60に流入しないようにRダンパ20を閉、Fダンパ50を閉にしている(図19参照)。一方、この間にRダンパ20、Fダンパ50を開にして、冷却器7の周囲の加熱空気を冷却器上部へ上昇し易くさせることにより、除霜運転終了温度TD2に速く到達させることも可能であるが、除霜時間短縮の効果と除霜後の庫内温度復帰運転の両方を考慮して、時刻t53からt54におけるRダンパ20とFダンパ50の開閉を決めることが好ましい。
ところで、冷蔵室2の熱負荷のみ、すなわち庫内ファン9をONにして冷蔵室2の熱負荷(庫外からの熱浸入に起因する冷蔵室2内の熱負荷)で霜を融解するのがよいが、冷凍室60の温度上昇を抑制するためには冷却器7に設けた除霜センサの温度が予め決められた閾値TF1に到達した時点で、除霜ヒータ22をONにし、冷蔵室2の熱負荷に加えて除霜終了までの時間を短縮させることで、除霜運転時の省エネ化を図ることができる。
また、除霜運転中、蓄冷材72は蓄冷ユニットファン74の稼働によって放冷が継続され、蓄冷ユニット温度が冷凍室温度以上となる温度TF2に到達した時点で蓄冷ユニットファン74をOFFにして放冷運転を終了させる。その後、冷却器温度が第3閾値TD1に到達した時点で、庫内ファン9をOFFにして、除霜ヒータ22のみによる除霜運転に移行する。このときの除霜運転は予め決めた冷却器温度が第4閾値TD2になった時点で終了する。
以上のように、除霜運転では冷却器7の霜の冷熱エネルギを有効活用するために、冷蔵室2の熱負荷を利用して霜の一部を融かしながら冷蔵室2を冷却する。このとき除霜運転時間を短くし、冷凍室60の温度上昇を抑えるために除霜ヒータ22を投入するのが一般的であるが、冷凍室60に対しては蓄冷材72による放冷運転を行うことで冷凍室60の温度上昇を抑制でき、庫内ファン9のみによる除霜運転時間を従来よりも長くすることが可能となり、除霜ヒータ22をONするタイミングを遅らせることができる。その結果、除霜ヒータ22の入力が低減されて省エネ性を高めることができる。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3 製氷室(冷凍室)
3a 製氷室扉
3b 収納容器
4 上段冷凍室(冷凍室)
4a 上段冷凍室扉
4b 収納容器
5 下段冷凍室(冷凍室)
5a 下段冷凍室扉
5b 収納容器
6 野菜室
7 冷却器
8 冷却器収納室
9 庫内ファン(第1送風機)
10 断熱箱体
11 冷蔵室送風ダクト
12 冷凍室送風ダクト
16 冷蔵室−野菜室連通ダクト
17 冷凍室戻り口
18 野菜室戻りダクト
18a 野菜室戻り吹き出し口
19 機械室
20 冷蔵室ダンパ(冷蔵室冷気制御手段)
21 蒸発皿
22 除霜ヒータ
23 樋
24 圧縮機
27 排水管
28,29 断熱仕切壁
33 冷蔵室温度センサ(温度センサ)
34 冷凍室温度センサ(温度センサ)
35 冷却器温度センサ(温度センサ)
40 冷凍室前面仕切り
41 冷凍室中央仕切り
50 冷凍室ダンパ(冷凍室冷気制御手段)
60 冷凍温度帯室
61 冷蔵温度帯室
70 蓄冷ユニット
71 蓄冷容器
72 蓄冷材(蓄冷放冷手段)
73 ダクト
74 蓄冷ユニットファン(第2送風機)
75 受け皿
76 蓄冷材温度センサ(蓄冷状態検知手段、温度センサ)
100 制御装置(制御手段)
S 風路

Claims (9)

  1. 冷蔵室と冷凍室を備えた複数の温度帯を有する冷蔵庫において、
    前記冷蔵室に対する冷気の導入および遮断を行う冷蔵室冷気制御手段と、
    前記冷凍室に対する冷気の導入および遮断を行う冷凍室冷気制御手段と、
    圧縮機とともに冷凍サイクルを構成する冷却器と、
    前記冷却器で生成される冷気を送風する第1送風機と、
    前記冷凍サイクルで生成された冷熱エネルギを蓄冷および放冷する蓄冷放冷手段と、
    前記蓄冷放冷手段に送風を行う第2送風機と、
    前記冷蔵室冷気制御手段、冷凍室冷気制御手段、第1送風機および第2送風機を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記蓄冷放冷手段は、相変化を伴う潜熱蓄冷材であって、
    前記蓄冷放冷手段の凝固点よりも少なくとも低い温度帯の冷却室に前記蓄冷放冷手段と前記第2送風機を設置したことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記制御手段は、前記冷凍室冷気制御手段を前記冷凍室に冷気を導入する状態として、前記冷凍サイクルによって生成した冷気を前記第1送風機で循環するとともに前記第2送風機を稼働させて前記蓄冷放冷手段に蓄冷する蓄冷運転を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記制御手段は、前記冷凍室冷気制御手段を前記冷凍室に冷気を導入する状態として、前記冷凍サイクルによって生成した冷気を前記第1送風機で循環するとともに前記第2送風機を稼働させて前記蓄冷放冷手段を放冷する放冷運転を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  5. 前記制御手段は、前記冷凍室冷気制御手段を前記冷凍室への冷気を遮断する状態として前記冷凍サイクルによって生成した冷気を前記第1送風機で循環するとともに、前記第2送風機を稼動させて前記冷蔵室冷気制御手段を前記冷蔵室へ冷気を導入する状態として前記冷蔵室の冷却時に前記蓄冷放冷手段を放冷する放冷運転を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  6. 前記制御手段は、前記圧縮機の運転を停止し、前記冷凍室冷気制御手段を前記冷凍室への冷気を遮断する状態且つ前記冷蔵室冷気制御手段を前記冷蔵室へ冷気を導入する状態とし、前記第1送風機を稼働させて前記冷却器に生成した霜を冷却源として前記冷蔵室の冷却を行うとともに、前記第2送風機を稼働させて前記蓄冷放冷手段を放冷する放冷運転を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  7. 前記制御手段は、前記冷凍室冷気制御手段を前記冷凍室への冷気を遮断する状態且つ前記冷蔵室冷気制御手段を前期冷蔵室へ冷気を導入する状態としたまま、前記冷却器の除霜運転中に前記第2送風機を稼働させて前記蓄冷放冷手段を放冷する放冷運転を行うことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
  8. 前記蓄冷放冷手段の蓄冷状態を検知する蓄冷状態検知手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  9. 前記蓄冷運転および前記放冷運転の実施は、前記蓄冷放冷手段の蓄冷状態を検知する温度センサと、前記蓄冷放冷手段を設置した冷却室の温度を検知する温度センサと、前記冷却器に設けた温度センサとで検知される温度によって制御されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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