JP2012004870A - 遮断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スナバ回路を用いることなく、半導体遮断器を破損させずに電流を遮断する。
【解決手段】制御部11が、電流検出部13にて検出された電流値が所定の電流値に達すると短絡や過電流が発生したと判断し、半導体遮断器12にて電流の遮断を開始するように制御する。そして、正極線51に流れる電流を半導体遮断器12よりも直流電源80側で分岐させて、コンデンサ14に流入させて半導体遮断器12を破損させないようにしている。また、半導体遮断器12にて電と流を遮断した後も、半導体遮断器12の電気的接続状態をオフ状態から一時的にオン状態に切り替えて、コンデンサ14に充電された電荷を放電させるようにして、コンデンサ14の容量が小さくてもすむようにしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、短絡が発生した際に回路を保護する遮断装置に関する。
直流電源と直流電源から給電線を介して給電される負荷とを備えた給電回路においては、短絡が発生した際に回路を保護するために、電流を遮断する遮断装置が直流電源と負荷との間に設けられている。なお、短絡には、例えば地絡が含まれる。遮断装置としては、ヒューズや、半導体を用いた遮断器、サーキットブレーカ等が利用される。
半導体を用いた遮断器を利用した給電回路に短絡が発生すると、コレクタとエミッタとからなるスイッチング素子によって電流の遮断が開始される。このとき、直流電源から流れる電流の時間変化と、給電回路のインダクタンスとに応じた起電力が半導体にかかる。
これにより、半導体のコレクタとエミッタとの間の電圧値が急激に上昇し、半導体が破損してしまう恐れがある。以降、半導体を用いた遮断器のことを「半導体遮断器」といい、コレクタとエミッタとの間の電圧値のことを「半導体遮断器の両端間の電圧値」という。
半導体が破損するのを回避するために、半導体遮断器を利用した給電回路は、スナバ回路を備えているのか一般的である。なお、スナバ回路によって半導体遮断器の両端間の電圧値の急激な上昇を抑制するための技術が例えば、非特許文献1に開示されている。
図12は、半導体遮断器を利用した給電回路の一例を示す図である。
図12に示す給電回路は、直流電源80と、遮断装置100と、負荷90とを備えている。
遮断装置100は、制御部11と、半導体遮断器12と、電流検出部13と、スナバ回路101とを備えている。
スナバ回路101においては通常、図12に示すように、抵抗とコンデンサとが直列に接続され、半導体遮断器12とスナバ回路101とは、並列に接続されている。
また、図12に示した給電回路においては、正極線51に流れる電流の電流値が電流検出部13によって検出されている。そして、検出された電流値が所定の電流値に達すると、電流検出部13は、制御部11へ信号を出力する。そして、制御部11は、電流検出部13から出力された信号を受け付けると、半導体遮断器12をオフの状態にすることにより、正極線51に流れる電流の遮断が開始される。
半導体遮断器12が電流の遮断を開始すると、電流がスナバ回路101に転流される。これにより、半導体遮断器12の両端間の電圧値の急激な上昇が抑制され、半導体が破損するのを回避することができる。
http://www.fujielectric.co.jp/fdt/scd/technical/application/
上述したように、スナバ回路を用いれば、半導体遮断器が破損するのを回避することができる。
しかし、スナバ回路を用いた場合、スナバ回路の分だけ遮断装置が大きくなる。例えば、正極線と負極線との両方に流れる電流を遮断する必要がある場合、正極線上と負極線上の両方に半導体遮断器及びスナバ回路を設けなければならず、遮断装置の大型化が避けられない。この場合、遮断装置を設置するためのスペースが増大してしまうという問題点がある。
また、スナバ回路を用いた場合、半導体に流れる電流の遮断が完了した後にもスナバ回路のコンデンサを充電するために、短絡系統には電流が流れる。そのため、直流電源から出力された電流を電流分配装置によって複数の給電系統に分岐して負荷へ給電している場合、短絡が発生した給電系統において電流を遮断することによって発生する電圧変動が、短絡が発生していない給電系統に伝播してしまうという問題点がある。
また、直流電源80側の正極線と負極線の間にコンデンサを介挿させて、半導体遮断器の遮断動作後、電源側の電流をこのコンデンサに流れるようにする方法が考えられるが、このようにすると遮断後にコンデンサの電圧が上昇するので、所定の耐電圧を満たすようにコンデンサ容量を大きくする必要がある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、スナバ回路を用いることなく、半導体遮断器を破損させずに電流の遮断を実現できる遮断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の遮断装置は、直流電源から給電線を介して給電される負荷と前記直流電源との間に設けられた遮断装置であって、
前記給電線上の第1の接続点に接続され、前記第1の接続点に流れる電流の電流値を検出する電流検出部と、
前記給電線上の第2の接続点に接続され、前記電流検出部にて検出された電流値が所定の電流値に達すると、前記第2の接続点に流れる電流の遮断を開始する半導体遮断器と、
前記給電線に流れる電流を分岐し、該分岐した電流によって電気エネルギーを蓄積し、前記給電線に流れる電流が増加し続ける場合、前記第1の接続点よりも上流で、前記蓄積した電気エネルギーを電流として前記給電線に出力し、前記半導体遮断器が電流の遮断を開始すると、前記第2の接続点よりも前記負荷側で、前記給電線を構成する正極線と負極線とを接続する電路を形成し、前記遮断の開始によって発生する起電力に応じて電流を前記電路を介して流す起電力抑制部と、を有し、
前記起電力抑制部は、
前記半導体遮断器が電流を遮断しているとき、前記半導体遮断器を一時的に通電状態にして、前記蓄積した電気エネルギーを電流として前記給電線に出力する。
本発明は以上説明したように構成されているので、短絡発生後、半導体遮断器が電流の遮断を開始したときに、直流電源から給電線を介して流れる電流が抑制される。これにより、直流電源から半導体遮断器までの間の給電線のインダクタンスに基づく起電力が抑制される。
また、半導体遮断器が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器から負荷までの間の給電線のインダクタンスに基づく起電力が半導体遮断器の両端間にかからなくなる。
さらに、直流電源側の正極線と負極線との間にコンデンサを介挿させた場合でも、半導体遮断器の電気的接続状態を一度オフ状態に切り替えた後、再度オン状態に切り替えてコンデンサに充電された電荷を放電する。これにより、遮断後にコンデンサの電圧を上昇させずに低下させることができるため、コンデンサ容量を大幅に小さくすることができる。
また、スナバ回路を用いた場合よりも遮断装置を設置するためのスペースを低減することができる。特に、正極線上と負極線上の両方に半導体遮断器を設けた場合でも、起電力抑制部をそれぞれの半導体遮断器に用いる必要がないため、遮断装置の省スペース化を実現できる。
また、スナバ回路を用いた場合よりも、電流の遮断時に、短絡が発生していない給電系統に伝搬する電圧変動を抑制することができる。
本発明の遮断装置を適用した給電回路の第1の実施形態の構成を示す図である。 図1に示した遮断装置の場合と、半導体遮断器及びスナバ回路を用いた場合とにおいて、電流の遮断時の半導体遮断器の両端間の電圧値を測定したシミュレーション結果の一例を示す図であり、(a)が図1に示した遮断装置の場合を示す図、(b)が半導体遮断器及びスナバ回路を用いた場合を示す図である。 図1に示した遮断装置を適用した場合と、半導体遮断器及びスナバ回路を適用した場合とにおいて、短絡が発生していない給電系統に伝播する電圧変動を測定したシミュレーション結果の一例を示す図であり、(a)が図1に示した遮断装置を適用した場合を示す図、(b)が半導体遮断器及びスナバ回路を適用した場合を示す図である。 図1に示した遮断装置の制御部11の動作(時間により半導体遮断器12を制御する)の流れを示すフローチャートである。 図1に示した遮断装置の制御部11の動作の流れ(半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧により半導体遮断器12を制御する)を示すフローチャートである。 本発明の遮断装置を適用した給電回路の第2の実施形態の構成を示す図である。 本発明の遮断装置を適用した給電回路の第3の実施形態の構成を示す図である。 本発明の遮断装置を適用した給電回路の第4の実施形態の構成を示す図である。 図8に示した遮断装置にさらにダイオードを備えた場合の構成の一例を示す図である。 本発明の遮断装置を適用した給電回路の第1の変形例の構成を示す図である。 本発明の遮断装置を適用した給電回路の第2の変形例の構成を示す図である。 半導体遮断器を利用した従来の給電回路の一例を示す図である。
以下に、本発明の好適な実施の形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等の構成要素は同一の符号によって示す。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の遮断装置を適用した給電回路の第1の実施形態の構成を示す図である。
本実施形態の給電回路は図1に示すように、遮断装置10と、直流電源80と、負荷90とを備えている。
また、遮断装置10と直流電源80と負荷90とは、正極線51及び負極線52から構成される給電線によって接続されている。そして、直流電源80から給電線を介して電流が流れることにより、負荷90へ給電される。
遮断装置10は、直流電源80と負荷90との間に設けられており、制御部11と、半導体遮断器12と、電流検出部13と、起電力抑制部であるコンデンサ14及びダイオード15とを備えている。
電流検出部13は、給電線上の第1の接続点に接続され、第1の接続点に流れる電流の電流値を検出する。そして、電流検出部13は、検出された電流値が所定の電流値に達すると、制御部11へ信号を出力する。
制御部11は、電流検出部13から出力された信号を受け付けると、半導体遮断器12をオンの状態からオフの状態へ切り替える。
半導体遮断器12は、給電線上の第2の接続点に接続され、制御部11によってオンの状態とオフの状態とが切り替えられる。半導体遮断器12は、オンの状態からオフの状態に切り替えられることにより、第2の接続点に流れる電流の遮断を開始する。
コンデンサ14は、第1及び第2の接続点よりも直流電源80側で正極線51及び負極線52に接続されている。コンデンサ14には、正極線51に流れる電流が分岐されて流入する。コンデンサ14は、流入した電流によって充電される。
ダイオード15は、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続され、負極線52から正極線51への方向の電流を通過させる。
以下に、上記のように構成された給電回路における遮断装置10の動作について説明する。
まず、図1に示した給電回路に短絡が発生していない場合について説明する。
図1に示した給電回路に短絡が発生していない場合には、直流電源80から給電線を介して流れる電流は、負荷90へ流れるだけではなくコンデンサ14へも流入し、コンデンサ14は充電された状態となる。また、ダイオード15には常に逆電圧がかかるため、ダイオード15には電流が流れない。従って、遮断装置10は、コンデンサ14とダイオード15とがない場合と同様に動作する。
次に、図1に示した給電回路に短絡が発生した場合について説明する。
図1に示した給電回路に短絡が発生すると、直流電源80から給電線を介して流れる電流が増加していく。また、コンデンサ14からも給電回路に電流が流れ、時間とともに増加していく。そして、第1の接続点に流れる電流の電流値が所定の電流値に達すると、電流検出部13が制御部11へ信号を出力する。
電流検出部13から出力された信号を受け付けた制御部11は、半導体遮断器12をオンの状態からオフの状態へ切り替える。これにより、半導体遮断器12が電流の遮断を開始する。
半導体遮断器12が電流の遮断を開始すると、半導体遮断器12に流れる電流が減少し、電源80と遮断装置の給電線に流れる電流はコンデンサ14に流れる。コンデンサ14は電流により充電されてコンデンサの電圧が上がると、電源80と遮断装置の給電線に流れる電流は減少する。これにより、半導体遮断器12には以下の式(1)で表される起電力Vが発生する。
V=V+(L(dI/dt))+(L(dI2/dt)) ……式(1)
上記の式(1)において、Lは直流電源80から半導体遮断器12までの間の給電線のインダクタンスであり、Lは半導体遮断器12から負荷90までの間の給電線のインダクタンスである。また、Vは直流電源80の給電電圧であり、dI/dtは直流電源80から遮断装置までの給電線に流れる電流の時間変化であり、dI2/dtは遮断装置から負荷90までの給電線に流れる電流の時間変化である。
本実施形態においては、短絡が発生していない状態では、直流電源80から給電線を介して流れる電流はコンデンサ14に分岐され、コンデンサ14は分岐された電流によって充電される。つまり、コンデンサ14は電気エネルギーを蓄積する。そして、短絡が発生すると、コンデンサ14が放電することにより、コンデンサ14と正極線51との接続点から、蓄積された電気エネルギーが電流として正極線51へ出力される。
また、本実施形態において、コンデンサ14と正極線51との接続点は、第1の接続点よりも電流の流れに対して上流にある。これにより、直流電源80から給電線を介して流れる電流と、コンデンサ14の放電によって流れる電流とを合わせた電流の電流値が所定の電流値に達すると、電流検出部13は制御部11へ信号を出力する。
そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、直流電源80から給電線を介して流れる電流は、コンデンサ14がない場合と比べて少なくなる。また、遮断開始後にはコンデンサ14に電流が流れるため、電流の変化量はコンデンサ14がない場合と比べて少なくなる。このため、上記の式(1)において、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))は、コンデンサ14がない場合と比べて小さくなる。
さらに、本実施形態においてダイオード15は、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されている。これにより、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51と負極線52とを接続する電路が形成され、遮断装置から負荷90までの給電線に流れる電流はほぼ変化せずに流れる。
そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器12の両端間には、上記の式(1)において、インダクタンスL2に基づく起電力(L2(dI2/dt))はかからない。すなわち、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器12の両端間にかかる起電力は、直流電源80による給電電圧VとインダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))との和のみとなる。
なお、遮断装置から負荷90まででは、インダクタンスLに基づく起電力により、ダイオード15を介して電流が流れるが、この電流は、給電線の抵抗によって電気エネルギーを消費し、徐々に減少していく。
また、短絡や過電流が発生し、半導体遮断器12が電流を遮断した後、コンデンサ14の過電圧を防止するため、半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態にするのと、オフ状態にするのを交互に繰り返すようになっている。
半導体遮断器12の電気的接続状態がオフ状態であると、コンデンサ14は給電線となる正極線51と負極線52との間に接続され、直流電源80側から流れてきた電流がコンデンサ14に流れ込む。このため、コンデンサ14の電圧が上昇する。特に、コンデンサ14の容量が小さいと、この電流によってコンデンサ14が充電されて、大きな電圧が発生することとなる。本来であれば、耐圧の大きいコンデンサと半導体遮断器とを用いる必要があるが、半導体遮断器12の電気的接続状態を一度オフ状態に切り替えた後、再度オン状態に切り替えて、コンデンサ14に充電された電荷を短絡回路側に放電する。これにより、コンデンサ14の電圧を低下させる。
半導体遮断器12の電気的接続状態を切り替える方法は、オン状態とオフ状態とを交互に繰り返すようなシーケンス以外にも、例えばコンデンサ14の電圧を検出し、電圧が所定の規定値を超えたら半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態とし、電圧が規定値以下となったら半導体遮断器12の電気的接続状態をオフ状態にするようなコンデンサ14の電圧をフィードバックさせて切り替える方法等がある。給電電圧が、例えば400V給電の場合であれば、コンデンサ14の電圧が450Vでオン状態とし、420Vでオフ状態としたり、420Vでオン状態とし、390Vでオフ状態としたりすることもできる。このように、半導体遮断器12の電気的接続状態を切り替える方法は、予め定めておけば良い。
図2は、図1に示した遮断装置10の場合と、半導体遮断器及びスナバ回路を用いた場合とにおいて、電流の遮断時の半導体遮断器の両端間の電圧値を測定したシミュレーション結果の一例を示す図であり、(a)が図1に示した遮断装置10の場合を示す図、(b)が半導体遮断器及びスナバ回路を用いた場合を示す図である。
図2を参照すると、図1に示した遮断装置10の場合、半導体遮断器12による電流の遮断時の半導体遮断器12の両端間の電圧の最大値は、半導体遮断器及びスナバ回路を用いた場合と同様に抑制されていることがわかる。
このように本実施形態の遮断装置10は、第1及び第2の接続点よりも直流電源80側で正極線51及び負極線52に接続されたコンデンサ14と、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続され、負極線52から正極線51への方向の電流を通過させるダイオード15とを備えている。
コンデンサ14を備えていることにより、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))が抑制される。また、直流電源80から給電線を介して流れる電流がコンデンサ14に流入するため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときの電流が抑制され、半導体遮断器12の両端間の電圧値を抑制することができる。
また、ダイオード15を備えていることにより、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))が半導体遮断器12の両端間にかからなくなる。
従って、半導体遮断器12の両端間の電圧値の急激な上昇を抑制することができ、スナバ回路を用いなくても、スナバ回路を用いた場合と同様に、半導体遮断器12を破損させずに電流の遮断を実現できる。
また、スナバ回路を用いる必要がなくなるため、遮断装置の省スペース化を実現できる。
また、スナバ回路を用いる必要がなくなるため、電流の遮断を完了した後にスナバ回路のコンデンサを充電するための電流が流れることがない。そのため、直流電源80から出力された電流を電流分配装置によって複数の給電系統に分岐して負荷へ給電している場合、短絡が発生した給電系統において電流を遮断することによって発生する電圧変動が、短絡が発生していない給電系統に伝播するのを抑制できる。
図3は、図1に示した遮断装置10を適用した場合と、半導体遮断器及びスナバ回路を適用した場合とにおいて、短絡が発生していない給電系統に伝播する電圧変動を測定したシミュレーション結果の一例を示す図であり、(a)が図1に示した遮断装置10を適用した場合を示す図、(b)が半導体遮断器及びスナバ回路を適用した場合を示す図である。図3では、定格電圧値が380Vである場合を一例として示している。
図3を参照すると、図1に示した遮断装置10を適用した場合、短絡が発生していない給電系統に伝播する電圧変動は、半導体遮断器及びスナバ回路を適用した場合と比べて抑制されていることがわかる。
また、直流電源80から出力された電流を電流分配装置によって複数の給電系統に分岐して負荷へ給電している場合、短絡が発生した給電系統からの過電圧変動が他の給電系統へ伝播するのを回避するために、電流分配装置はコンデンサを備えている必要がある。しかし、本実施形態の構成の場合、電流分配装置のコンデンサをコンデンサ14で代用できる。そのため、電流分配装置にコンデンサを備えておく必要がなくなり、電流分配装置を小型化することができる。
以下、図4及び図5を参照して、制御部11による半導体遮断器12の電気的接続状態を切り替るための制御の流れを詳細に説明する。
まず、図4に示すように、制御部11は、電流検出部13から電流値を入力する(ステップS101)。電流値から回路に短絡や過電流が発生したか判断する。制御部11は、短絡や過電流が発生していないと判断すると(ステップS102のNO)、ステップS101に戻り処理を繰り返す。また、短絡や過電流が発生したと判断すると(ステップS102のYES)、制御部11からの信号により半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS103)。
半導体遮断器12がオフ状態になると、前段のコンデンサ14には電流が流れこみ、充電される。コンデンサ14が充電されることにより、前段のコンデンサ14に流れ込む電流は徐々に減少する。後段のダイオード15には半導体遮断器12から負荷90までのインダクタンスにより、電流が流れ続ける。このとき、制御部11は、一定の時間が経過するまでは(ステップS104のNO)、半導体遮断器12をオフ状態のままにする。
そして、一定の時間が経過すると(ステップS104のYES)、制御部11は、半導体遮断器12の電気的接続状態をオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS105)。半導体遮断器12がオン状態になったことにより、前段のコンデンサ14から半導体遮断器12を経由して、短絡点(後段にコンデンサがある場合はそのコンデンサ)に電流が流れる。これにより、前段のコンデンサ14の電圧は徐々に低下する。このとき、制御部11は、一定の時間が経過するまで(ステップS106のNO)、半導体遮断器12をオン状態のままにしておく。
そして、一定の時間が経過すると(ステップS106のYES)、制御部11は、半導体遮断器12をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS107)。半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態からオフ状態に切り替える間に、通常であれば直流電源80から流れる電流は増加する。但し、直流電源80から半導体遮断器12までのインダクタンスは大きいため、半導体遮断器12の電気的接続状態を短時間でオン状態からオフ状態に切り替えれば、電流が増加量は少ない。そして、一定の時間が経過するまでの間(ステップS108のNO)、半導体遮断器12をオフ状態のままにして、直流電源80からコンデンサ14に流れ込む電流を減少させていく。
さらに、一定の時間が経過し(ステップS108のYES)、電流値が0Aになるまで(ステップS109のNO)、ステップS105に戻り、上述した処理を繰り返す。そして、電流値が0Aになると(ステップS109のYES)、遮断に係る一連の制御が完了する。
また、一定の時間で半導体遮断器12の接続状態を切り替える以外にも、半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧に応じて半導体遮断器12の接続状態を切り替えることもできる。図5に示すように、制御部11は、電流検出部13から電流値を入力する(ステップS201)。電流値から回路に短絡や過電流が発生したか判断する。制御部11は、短絡や過電流が発生していないと判断すると(ステップS202のNO)、ステップS201に戻り処理を繰り返す。また、短絡や過電流が発生したと判断すると(ステップS202のYES)、制御部11からの信号により半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS203)。
半導体遮断器12がオフ状態になると、前段のコンデンサ14には電流が流れこみ、充電される。コンデンサ14が充電されることにより、前段のコンデンサ14に流れ込む電流は徐々に減少する。後段のダイオード15には半導体遮断器12から負荷90までのインダクタンスにより、電流が流れ続ける。このとき、制御部11は、半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧を常時監視し続けており、半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧が規定値を超えるまでは(ステップS204のNO)、半導体遮断器12をオフ状態のままにする。
そして、半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧が規定値を超えると(ステップS204のYES)、制御部11は、半導体遮断器12の電気的接続状態をオフ状態からオン状態に切り替える(ステップS205)。半導体遮断器12がオン状態になったことにより、前段のコンデンサ14から半導体遮断器12を経由して、短絡点(後段にコンデンサがある場合はそのコンデンサ)に電流が流れる。これにより、前段のコンデンサ14の電圧は徐々に低下する。このとき、制御部11は、半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧が規定値以下に低下するまで(ステップS206のNO)、半導体遮断器12をオン状態のままにしておく。
そして、半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧が規定値以下に低下すると(ステップS206のYES)、制御部11は、半導体遮断器12をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS207)。半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態からオフ状態に切り替える間に、通常であれば直流電源80から流れる電流は増加する。但し、直流電源80から半導体遮断器12までのインダクタンスは大きいため、半導体遮断器12の電気的接続状態を短時間でオン状態からオフ状態に切り替えれば、電流が増加量は少ない。そして、半導体遮断器12をオフ状態のままにして、直流電源80からコンデンサ14に流れ込む電流を減少させていく。
半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧が規定値を超えている間(ステップS208のYES)、ステップS205に戻り上述した処理を繰り返す。さらに、半導体遮断器12のコレクタ−エミッタ間電圧が規定値以下となり(ステップS208のNO)、電流値が0Aになるまで(ステップS209のNO)、半導体遮断器12をオフ状態のままでコンデンサ14に流れ込む電流を減少させていく。そして、電流値が0Aになると(ステップS209のYES)、遮断に係る一連の制御が完了する。
上述したように制御部11が、半導体遮断器12の電気的接続状態を一度オフ状態に切り替えた後、再度オン状態に切り替えてコンデンサ14に充電された電荷を放電するように動作を制御することで、直流電源80側の正極線51の負極線52との間にコンデンサ14を介挿させた場合であっても、遮断後にコンデンサ14の電圧を上昇させずに低下させることができる。このため、コンデンサ容量を大幅に小さくすることができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の遮断装置を適用した給電回路の第2の実施形態の構成を示す図である。
本実施形態の給電回路において遮断装置20は、上述した第1の実施形態における遮断装置10と比べると、ダイオード15の代わりにコンデンサ16を備えている点が異なる。つまり、本実施形態においては、第1のコンデンサであるコンデンサ14と第2のコンデンサであるコンデンサ16との2つのコンデンサによって起電力抑制部を構成することとなる。他の構成は第1の実施形態と同様であるため、ここでは他の構成についての詳細な説明を省略する。
コンデンサ16は、第1の接続点よりも直流電源80側、かつ、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されている。
以下に、上記のように構成された給電回路における遮断装置20の動作について説明する。
まず、図6に示した給電回路に短絡が発生していない場合について説明する。
図6に示した給電回路に短絡が発生していない場合には、上述した第1の実施形態と同様に、コンデンサ14は充電された状態となる。また、直流電源80から給電線を介して流れる電流は、コンデンサ16へも流入し、コンデンサ16も充電された状態となる。つまり、コンデンサ14,16は電気エネルギーを蓄積する。充電後はコンデンサ14、16には電流が流れないため、、遮断装置20は、コンデンサ14,16がない場合と同様に動作する。
次に、図6に示した給電回路に短絡が発生した場合について説明する。
短絡が発生すると、充電されているコンデンサ14,16は、コンデンサ14,16と正極線51との接続点から、蓄積された電気エネルギーを電流として正極線51へ出力する。
また、本実施形態において、コンデンサ14,16と正極線51との接続点は、第1の接続点よりも電流の流れに対して上流にある。これにより、直流電源80から給電線を介して流れる電流と、コンデンサ14,16の放電によって流れる電流とを合わせた電流の電流値が所定の電流値に達すると、電流検出部13は制御部11へ信号を出力する。
コンデンサ14に加えてコンデンサ16を備えていることにより、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、直流電源80から給電線を介して流れる電流は、第1の実施形態の場合よりも、さらに少なくなる。この場合、上記の式(1)において、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))は、第1の実施形態の場合よりもさらに小さくなる。
また、本実施形態においてコンデンサ16は、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されている。これにより、第2の接続点よりも負荷90側の正極線51と負極線52とを接続する電路が形成される。また、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、コンデンサ16には充電電圧が保持されている。この充電電圧は、半導体遮断器12の両端間の電圧値を抑制する効果を持つ。
そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときの半導体遮断器12の両端間の電圧値は、直流電源80による給電電圧VとインダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))との和から、さらに、コンデンサ16の充電電圧を差し引いた値となる。
また、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器12に流れる電流は、直流電源80から流れる電流とコンデンサ14から流れる電流との和になり、コンデンサ16から流れる電流は含まれない。そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始するときに、半導体遮断器12に流れる電流は、第1の実施形態の場合よりも抑制される。
なお、インダクタンスLに基づいた起電力により、コンデンサ16を介して、負荷90側の給電線には電流が流れる。この電流によってコンデンサ16は充電と放電とを繰り返す。つまり、コンデンサ16としては、プラス側とマイナス側とが固定されていない無極性のコンデンサを用いる必要がある。そして、負荷90側の給電線に流れる電流は、給電線の抵抗によって電気エネルギーが消費されるため徐々に減少していく。
このように本実施形態の遮断装置20は、第1及び第2の接続点よりも直流電源80側で正極線51及び負極線52に接続されたコンデンサ14と、第1の接続点よりも直流電源80側、かつ、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されたコンデンサ16とを備えている。
コンデンサ14に加えてコンデンサ16を備えていることにより、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))が、第1の実施形態の場合よりもさらに抑制される。また、直流電源80から給電線を介して流れる電流がコンデンサ14に流入するため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときの電流が抑制される。そのため、半導体遮断器12の両端間の電圧値が、第1の実施形態の場合よりもさらに抑制される。
また、コンデンサ16を備えていることにより、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))が半導体遮断器12の両端間にかからなくなる。また、コンデンサ16には充電電圧を保持されているため、半導体遮断器12の両端間の電圧値は、その充電電圧の分だけ、第1の実施形態の場合よりも抑制される。
従って、本実施形態においては、半導体遮断器12の両端間の電圧値の急激な上昇を、第1の実施形態の場合よりもさらに抑制することができる。
(第3の実施形態)
上述した第2の実施形態において遮断装置20は、無極性のコンデンサ16を備えていた。この場合、インダクタンスLに基づく起電力による電流が流れる際に、コンデンサ16に過放電が発生し、逆電圧によって半導体遮断器12にその逆電圧に応じた過電圧がかかる可能性がある。
本実施形態では、コンデンサ16に過放電が発生するのを回避できる遮断装置について説明する。
図7は、本発明の遮断装置を適用した給電回路の第3の実施形態の構成を示す図である。
本実施形態の給電回路において遮断装置30は、上述した第2の実施形態における遮断装置20と比べると、ダイオード15を備えている点が異なる。つまり、本実施形態においては、第1のコンデンサであるコンデンサ14と第2のコンデンサであるコンデンサ16とダイオード15とによって起電力抑制部を構成することとなる。他の構成は第2の実施形態と同様であるため、ここでは他の構成についての詳細な説明を省略する。
ダイオード15は、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続され、負極線52から正極線51への方向の電流を通過させる。
以下に、上記のように構成された給電回路における遮断装置30の動作について説明する。
まず、図7に示した給電回路に短絡が発生していない場合について説明する。
図7に示した給電回路に短絡が発生していない場合には、上述した第2の実施形態の場合と同様に、コンデンサ14,16は充電された状態となる。また、上述した第1の実施形態の場合の同様に、ダイオード15には常に逆電圧がかかるため、ダイオード15には電流が流れない。従って、遮断装置30は、コンデンサ14,16とダイオード15とがない場合と同様に動作する。
次に、図7に示した給電回路に短絡が発生した場合について説明する。
短絡が発生し、半導体遮断器12が電流の遮断を開始すると、第1及び第2の実施形態の場合と同様に、上記の式(1)で表される起電力Vが半導体遮断器12に発生する。
本実施形態においては、第2の実施形態と同様に、コンデンサ14,16が備えられている。また、コンデンサ14,16と正極線51との接続点は、第1の接続点よりも電流の流れに対して上流にある。
そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、直流電源80から給電線を介して流れる電流は、第2の実施形態の場合と同様に、第1の実施形態の場合よりもさらに少なくなる。この場合、第2の実施形態の場合と同様に、上記の式(1)において、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))は、第1の実施形態の場合よりもさらに小さくなる。
また、本実施形態においてコンデンサ16は、第2の実施形態と同様に、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されている。これにより、第2の接続点よりも負荷90側の正極線と負極線52とを接続する電路が形成される。また、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、コンデンサ16には充電電圧が保持されている。
そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器12の両端間にかかる起電力は、第2の実施形態と同様に、直流電源80による給電電圧VとインダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))との和から、さらに、コンデンサ16の充電電圧を差し引いた値となる。
また、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器12に流れる電流は、コンデンサ16から流れる電流を含まないため、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態の場合よりも抑制される。
このように本実施形態の遮断装置30は、上述した第2の実施形態における遮断装置20と比べ、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続され、負極線52から正極線51への方向の電流を通過させるダイオード15をさらに備えている。
コンデンサ14に加えてコンデンサ16を備えていることにより、第2の実施形態と同様に、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))が、第1の実施形態の場合よりもさらに抑制される。また、直流電源80から給電線を介して流れる電流がコンデンサ14に流入するため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときの電流が抑制される。そのため、第2の実施形態の場合と同様に、半導体遮断器12の両端間の電圧値が、第1の実施形態の場合よりもさらに抑制される。
また、コンデンサ16を備えていることにより、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))が半導体遮断器12の両端間にかからなくなる。また、第2の実施形態と同様に、コンデンサ16には充電電圧が保持されているため、半導体遮断器12の両端間の電圧値は、その充電電圧の分だけ、第1の実施形態の場合よりも小さくなる。
さらに、ダイオード15を備えていることにより、インダクタンスLに基づく起電力による電流が流れる際に、コンデンサ16に過放電が発生するのを回避できる。
従って、本実施形態においては、第2の実施形態において発生する可能性のある問題を回避しつつ、半導体遮断器12の両端間の電圧値の急激な上昇を、第1の実施形態の場合よりもさらに抑制することができる。
なお、本実施形態のような構成にすることにより、コンデンサ16としては、無極性でないコンデンサを利用することも可能となる。
(第4の実施形態)
上述した第2及び第3の実施形態においては、コンデンサ16が充電される際、正極線51からコンデンサ16へ電流が急激に流入した場合、コンデンサ16が故障して、ショートしてしまう可能性がある。
本実施形態では、コンデンサ16がショートするのを回避できる遮断装置について説明する。
図8は、本発明の遮断装置を適用した給電回路の第4の実施形態の構成を示す図である。
本実施形態の給電回路において遮断装置40は、上述した第2の実施形態における遮断装置10と比べると、ダイオード15と抵抗17とからなる並列回路41を備えている点が異なる。つまり、本実施形態においては、第1のコンデンサであるコンデンサ14と第2のコンデンサであるコンデンサ16と並列回路41とによって起電力抑制部を構成することとなる。他の構成は第2の実施形態と同様であるため、ここでは他の構成についての詳細な説明を省略する。
並列回路41は正極線51に接続され、コンデンサ16は負極線52に接続されている。
並列回路41とコンデンサ16とは、直列に接続され、第1の接続点よりも直流電源80側、かつ、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されている。
ダイオード15は、コンデンサ16から正極線51への方向の電流を通過させる。
以下に、上記のように構成された給電回路における遮断装置40の動作について説明する。
まず、図8に示した給電回路に短絡が発生していない場合について説明する。
図8に示した給電回路に短絡が発生していない場合には、上述した第1〜第3の実施形態と同様に、コンデンサ14は充電された状態となる。また、直流電源80から給電線を介して流れる電流は、抵抗17を介してコンデンサ16にも流入し、コンデンサ16も充電された状態となる。さらに、ダイオード15には常に逆電圧がかかるため、ダイオード15には電流が流れない。従って、遮断装置40は、コンデンサ14,16及び並列回路41がない場合と同様に動作する。
次に、図8に示した給電回路に短絡が発生した場合について説明する。
短絡が発生し、半導体遮断器12が電流の遮断を開始すると、第1〜第3の実施形態の場合と同様に、上記の式(1)で表される起電力Vが半導体遮断器12に発生する。
本実施形態においては、第2及び第3の実施形態と同様に、コンデンサ14,16が備えられている。また、コンデンサ14及び並列回路41と正極線51との接続点は、第1の接続点よりも電流の流れに対して上流にある。
そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、直流電源80から給電線を介して流れる電流は、第2及び第3の実施形態の場合と同様に、第1の実施形態の場合よりもさらに少なくなる。この場合、第2及び第3の実施形態の場合と同様に、上記の式(1)において、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))は、第1の実施形態の場合よりもさらに小さくなる。
また、本実施形態において並列回路41及びコンデンサ16は、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されている。これにより、第2の接続点よりも負荷90側の正極線と負極線52とを接続する電路が形成される。また、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、コンデンサ16には充電電圧が保持されている。
そのため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器12の両端間にかかる起電力は、第2及び第3の実施形態と同様に、直流電源80による給電電圧VとインダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))との和から、さらに、コンデンサ16の充電電圧を差し引いた値となる。
また、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、半導体遮断器12に流れる電流は、コンデンサ16から流れる電流を含まないため、第2及び第3の実施形態と同様に、第1の実施形態の場合よりも抑制される。
なお、短絡が発生すると並列回路41のコンデンサ16とダイオード15を介して、負荷90側の給電線には電流が流れる。コンデンサ16の電圧が0Vに後も、インダクタンスLに基づく起電力により、放電が続きコンデンサ16ダイオード15を介して放電電流が0になる放電が終了する。放電後は、抵抗17を介して緩やかに充電される。つまり、コンデンサ16は無極性のコンデンサである必要がある。
このように本実施形態の遮断装置40は、第1及び第2の接続点よりも直流電源80側で正極線51及び負極線52に接続されたコンデンサ14と、正極線51に接続され、ダイオード15と抵抗17とからなる並列回路41と、負極線52に接続されたコンデンサ16を備えている。そして、並列回路41とコンデンサ16とは、直列に接続され、並列回路41及びコンデンサ16は、第1の接続点よりも直流電源80側、かつ、第2の接続点よりも負荷90側で正極線51及び負極線52に接続されている。また、ダイオード15は、コンデンサ16から正極線51への方向の電流を通過させる。
コンデンサ14に加えてコンデンサ16を備えていることにより、第2及び第3の実施形態と同様に、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))は、第1の実施形態の場合と比べさらに小さくなる。また、直流電源80から給電線を介して流れる電流がコンデンサ14に流入するため、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときの電流が抑制される。そのため、第2及び第3の実施形態の場合と同様に、半導体遮断器12の両端間の電圧値が、第1の実施形態の場合よりもさらに抑制される。
また、並列回路41及びコンデンサ16を備えていることにより、半導体遮断器12が電流の遮断を開始したときに、インダクタンスLに基づく起電力(L(dI/dt))が半導体遮断器12の両端間にかからなくなる。また、第2及び第3の実施形態と同様に、コンデンサ16には充電電圧が保持されているため、半導体遮断器12の両端間の電圧値は、その充電電圧の分だけ、第1の実施形態の場合よりも小さくなる。
さらに、コンデンサ16には、正極線51から抵抗17を介して電流が流入するため、コンデンサ16に急激に電流が流入することがなくなり、コンデンサ16がショートするのを回避できる。
従って、本実施形態においては、第2及び第3の実施形態において発生する可能性のある問題を回避しつつ、半導体遮断器12の両端間の電圧値の急激な上昇を、第1の実施形態の場合よりも抑制することができる。
なお、インダクタンスLに基づく起電力による電流が流れる際に、コンデンサ16に過放電が発生するのを回避するために、第3の実施形態の場合と同様にダイオードをさらに備えるようにしてもよい。
図9は、図8に示した遮断装置40にさらにダイオードを備えた場合の構成の一例を示す図である。
図9に示す遮断装置50のような構成にすることにより、第3の実施形態の場合と同様に、コンデンサ16に過放電が発生するのを回避することができる。
また、上述した第1〜第4の実施形態において、電流検出部13が所定の電流値を検出してから、半導体遮断器12が電流の遮断を開始するまでの間の電流の増加を抑制するために、給電線上にインダクタを備えるようにしてもよい。
(変形例)
また、上述した第1〜第4の実施形態おいては、半導体遮断器12及び電流検出部13が正極線51上に接続される場合を一例として説明したが、半導体遮断器12及び電流検出部13は、負極線52上に接続されていてもよい。また、半導体遮断器12と電流検出部13との一方が正極線51上に接続され、他方が負極線52上に接続されていてもよい。例えば、図10に示すような箇所に、電流検出部13と同様の電流検出部13b,13cを接続することができる。また、コンデンサ14の電圧を検出して半導体遮断器12の電気的接続状態を切り替える場合には、図11に示すようにコンデンサ14の電圧を検出する電圧検出部63を接続すれば良い。さらに、短絡や過電流を検出するのに際しても、電流検出部13を用いる以外の方法によって短絡や過電流を検出することもできる。
(まとめ)
スナバ回路を用いることなく、半導体遮断器12を破損させずに電流を遮断することができる。また、短絡や過電流が発生し、半導体遮断器12の電気的接続状態をオフ状態にした後、制御部11が半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態にするのと、オフ状態にするのを繰り返すための制御を行う。半導体遮断器12の電気的接続状態をオン状態に切り替えることにより、コンデンサ14の電荷を放電して、コンデンサ14が過電圧になる前に電圧を低下させることができる。
本発明は、直流電源で動作する様々な負荷を短絡や過電流から保護するための遮断装置として用いることができる。
10,20,30,40,50,61,62 遮断装置
11 制御部
12 半導体遮断器
13 電流検出部
14,16 コンデンサ
15 ダイオード
17 抵抗
41 並列回路
51 正極線
52 負極線
63 電圧検出部
80 直流電源
90 負荷

Claims (8)

  1. 直流電源から給電線を介して給電される負荷と前記直流電源との間に設けられた遮断装置であって、
    前記給電線上の第1の接続点に接続され、前記第1の接続点に流れる電流の電流値を検出する電流検出部と、
    前記給電線上の第2の接続点に接続され、前記電流検出部にて検出された電流値が所定の電流値に達すると、前記第2の接続点に流れる電流の遮断を開始する半導体遮断器と、
    前記給電線に流れる電流を分岐し、該分岐した電流によって電気エネルギーを蓄積し、前記給電線に流れる電流が増加し続ける場合、前記第1の接続点よりも上流で、前記蓄積した電気エネルギーを電流として前記給電線に出力し、前記半導体遮断器が電流の遮断を開始すると、前記第2の接続点よりも前記負荷側で、前記給電線を構成する正極線と負極線とを接続する電路を形成し、前記遮断の開始によって発生する起電力に応じた電流を前記電路を介して流す起電力抑制部と、を有し、
    前記起電力抑制部は、
    前記半導体遮断器が電流を遮断しているとき、前記半導体遮断器を一時的に通電状態にして、前記蓄積した電気エネルギーを電流として前記給電線に出力する遮断装置。
  2. 請求項1に記載の遮断装置において、
    前記起電力抑制部は、
    前記第1及び第2の接続点よりも前記直流電源側で前記正極線及び前記負極線に接続された第1のコンデンサと、
    前記第2の接続点よりも前記負荷側で前記正極線及び前記負極線に接続され、前記負極線から前記正極線への方向の電流を通過させるダイオードと、からなる遮断装置。
  3. 請求項1に記載の遮断装置において、
    前記起電力抑制部は、
    前記第1及び第2の接続点よりも前記直流電源側で前記正極線及び前記負極線に接続された第1のコンデンサと、
    前記第1の接続点よりも前記直流電源側、かつ、前記第2の接続点よりも前記負荷側で前記正極線及び前記負極線に接続された無極性の第2のコンデンサと、からなる遮断装置。
  4. 請求項3に記載の遮断装置において、
    前記起電力抑制部は、
    前記第1及び第2のコンデンサと、
    前記第2の接続点よりも前記負荷側で前記正極線及び前記負極線に接続され、前記負極線から前記正極線への方向の電流を通過させるダイオードと、からなる遮断装置。
  5. 請求項1に記載の遮断装置において、
    前記起電力抑制部は、
    前記第1及び第2の接続点よりも前記直流電源側で前記正極線及び前記負極線に接続された第1のコンデンサと、
    前記正極線に接続され、第1のダイオードと抵抗とからなる並列回路と、
    前記負極線に接続された無極性の第2のコンデンサと、からなり、
    前記並列回路と前記第2のコンデンサとは、直列に接続され、
    前記並列回路及び第2のコンデンサは、前記第1の接続点よりも前記直流電源側、かつ、前記第2の接続点よりも前記負荷側で前記正極線及び前記負極線に接続され、
    前記第1のダイオードは、前記第2のコンデンサから前記正極線への方向の電流を通過させる遮断装置。
  6. 請求項5に記載の遮断装置において、
    前記起電力抑制部は、
    前記第1及び第2のコンデンサと、
    前記並列回路と、
    前記第2の接続点よりも前記負荷側で前記正極線及び前記負極線に接続され、前記負極線から前記正極線への方向の電流を通過させる第2のダイオードと、からなる遮断装置。
  7. 請求項2〜6のいずれか1項に記載の遮断装置において、
    前記半導体遮断器のコレクタ−エミッタ間の電圧を検出する電圧検出部を有し、
    前記起電力抑制部は、
    前記半導体遮断器が電流を遮断しているとき、前記電圧検出部にて検出された前記半導体遮断器のコレクタ−エミッタ間の電圧が所定の基準電圧を超える場合、前記半導体遮断器を一時的に通電状態にして、前記蓄積した電気エネルギーを電流として前記給電線に出力する遮断装置。
  8. 請求項2〜6のいずれか1項に記載の遮断装置において、
    前記第1のコンデンサの両端子間の電圧を検出する電圧検出部を有し、
    前記起電力抑制部は、
    前記半導体遮断器が電流を遮断しているとき、前記電圧検出部にて検出された前記第1のコンデンサの両端子間の電圧が所定の基準電圧を超える場合、前記半導体遮断器を一時的に通電状態にして、前記蓄積した電気エネルギーを電流として前記給電線に出力する遮断装置。
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