JP2012004355A - パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミックス基板2の下面側に回路層用金属層5、上面側に放熱層用金属層6をろう材11を介してそれぞれ配設し、放熱層用金属層6の上に、厚さ方向に沿う孔14を面方向に分散させて設けた当て板部材13を孔14が放熱層用金属層6に対向するように載置するとともに、当て板部材13の孔14の中に、孔14の深さよりも小さい金属部材7を放熱層用金属層6の間にろう材15を介在させた状態に配置し、当て板部材13を介して厚さ方向に加圧しつつ加熱することにより、セラミックス基板2及び両金属層5,6を接合し、かつ金属部材7を放熱層用金属層6に接合する。
【選択図】図1
Description
なお、金属部材を金属層とは別に設けているため、金属部材の形状をピン状、球状、線状などの任意の形状とし、当て板部材の孔又は凹部をこれら金属部材の形状に合わせて形成しておくことで、種々の形状の金属部材を接合することができる。
この場合、両金属層と金属部材とを何れも高い熱伝導性のアルミニウムとしていることで優れた放熱特性を発揮し、特に、金属層は、アルミニウム純度が高いので、熱伸縮による応力の発生が緩和され、一方、金属部材は高強度となり、水冷、空冷等の冷却流体の圧力に対する優れた耐力を発揮する。
図3に示すパワーモジュール1は、セラミックス等からなるセラミックス基板2を有するパワーモジュール用基板3と、このパワーモジュール用基板3の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品4とから構成されている。
両金属層5,6は、何れも純度99.9wt%以上のアルミニウムにより形成され、JIS規格では、1N90(純度99.9wt%以上:いわゆる3Nアルミニウム)又は1N99(純度99.99wt%以上:いわゆる4Nアルミニウム)を用いることができる。
また、両金属層5,6は、それぞれプレス加工により所望の外形に打ち抜いたものをセラミックス基板2に接合するか、或いは、平板状のものをセラミックス基板2に接合した後に、エッチング加工により所望の外形に形成するか、何れの方法も採用することができる。
一方、回路層用金属層5と電子部品4との接合には、Sn−Ag−Cu系、Zn−Al系若しくはPb−Sn系等のはんだ材が用いられる。符号8がはんだ接合層を示す。また、電子部品4と回路層用金属層5の図示しない端子部との間は、アルミニウムからなるボンディングワイヤ(図示略)により接続される。
まず、セラミックス基板2の両面にろう材箔11を介して金属層5,6をそれぞれ積層する。このとき、回路層用金属層5を下方に向けてセラミックス基板2の上に放熱層用金属層6が配置されるようにする。また、両金属層5,6の表面に、後述するろう付け時の加圧力を面方向に均等に作用させるために緩衝部材となる当て板部材12,13をそれぞれ配置する。これら当て板部材12,13はカーボン等によって形成され、金属層5,6よりも大きく、図示例ではセラミックス基板2とほぼ同じ大きさの平板状に形成されている。このうち、回路層用金属層5に接する当て板部材12は平板のままであるが、放熱層用金属層6に接する当て板部材13は、平板状のものに多数の孔14が貫通状態に設けられている。
そして、各孔14の中に金属部材7が1本ずつ挿入される。これら金属部材7は、孔14内に起立した状態に挿入されるとともに、先端にろう材15が塗布されており、このろう材15を孔14の中で金属層6に接触させるように配置される。
なお、両当て板部材12,13において、金属層5,6に接する表面及び孔14の内周面には、BN(ボロンナイトライド)等の剥離剤が塗布される。
一方、当て板部材13の孔14内に配置されている金属部材7は、自重が下方に向けて作用し、その自重より放熱層用金属層6に押圧され、先端のろう材15が溶融して固着する。
このようなろう付け工程後、両当て板部材12,13を金属層5,6から剥がすことにより、セラミックス基板2の両面に金属層5,6が接合されるとともに、放熱層用金属層6に多数の金属部材7が立設状態に固着されたパワーモジュール用基板3が完成する。
また、金属部材7に対しては、当て板部材12の孔14により、ろう付け時の加圧力が作用しないので、変形等が防止されるとともに、その自重によって金属層6に適切に接合される。
この第3実施形態のように、金属層6の表面に金属部材26によって方向性が付与される場合には、空冷又は水冷のための流体の流れ方向を金属部材26と平行にするとよい。
その他、放熱用の金属部材については、図9に示すように、ワイヤを短尺に切断してなる金属部材31を放熱層用金属層6の上に複数の直線状の列をなすように並べて接合したもの、図10に示すように、円弧状に湾曲させた金属部材32を放熱層用金属層6の表面に渦巻き状に並べて接合したものなどの形状としてもよい。
例えば、当て板部材に金属部材を配置するための孔を貫通状態に設けたが、金属部材が配置可能であれば、孔に代えて凹部としてもよい。
また、上記の実施形態では、セラミックス基板、金属層、金属部材の組み合わせを一組のみ示したが、いずれの実施形態においても、セラミックス基板、金属層、金属部材の組み合わせを複数用意し、これらを当て板部材を介して複数組積層させた状態でろう付けするようにしてもよい。
また、金属部材を金属層に固着するためのろう材としては、ペースト状のもの、粉末状のもの、箔状のものなど、適宜のものを用いることができる。
2 セラミックス基板
3 パワーモジュール用基板
5,6 金属層
7 金属部材
8 はんだ接合部
11 ろう材箔
12,13 当て板部材
14 孔
15 ろう材
21 パワーモジュール用基板
22 金属部材
26 金属部材
27 孔
31 金属部材
32 金属部材
Claims (2)
- セラミックス基板の下面側に回路層用金属層、上面側に放熱層用金属層をろう材を介してそれぞれ配設し、前記放熱層用金属層の上に、複数の孔又は凹部を設けた当て板部材を前記孔又は凹部が前記放熱層用金属層に対向するように載置するとともに、前記当て板部材の孔又は凹部の中に、該孔又は凹部の深さよりも小さい金属部材を前記放熱層用金属層との間にろう材を介在させた状態に配置し、前記当て板部材により前記セラミックス基板と両金属層とを厚さ方向に加圧しつつ加熱することにより、前記セラミックス基板及び両金属層を接合し、かつ前記金属部材を前記放熱層用金属層に接合することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
- 前記両金属層は、純度99.9wt%以上のアルミニウムであり、前記金属部材は、純度99wt%以下のアルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法。
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