JP2012002889A - シースルー型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】観察者が表示画像に重ねて外界を観察している場合に、その外界のみを、観察者がその外界を観察しているときの画角と同じ画角で撮像することが可能なシースルー型画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置を、(a)画像信号に応じて表示光を出射する画像表示部10と、(b)そこから出射し表示光入射光路OP1に沿って入射した表示光と、外界から外界光入射光路OP3に沿って入射した外界光とを、共通の光路OP2,OP4上において合成してその合成光を観察者の眼に出射する合波部50と、(c)光路OP3に沿って合波部に入射し、その合波部から、光路OP1の延長上の光路O5上に出射した外界光が入射し、その入射した外界光により、外界を撮像する外界撮像部60と、(d)表示光が外界撮像部に入射することを光学的に制限する表示光制限部70とを含むものとする。
【選択図】図1
【解決手段】画像表示装置を、(a)画像信号に応じて表示光を出射する画像表示部10と、(b)そこから出射し表示光入射光路OP1に沿って入射した表示光と、外界から外界光入射光路OP3に沿って入射した外界光とを、共通の光路OP2,OP4上において合成してその合成光を観察者の眼に出射する合波部50と、(c)光路OP3に沿って合波部に入射し、その合波部から、光路OP1の延長上の光路O5上に出射した外界光が入射し、その入射した外界光により、外界を撮像する外界撮像部60と、(d)表示光が外界撮像部に入射することを光学的に制限する表示光制限部70とを含むものとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像信号に応じて画像を表示画像として表示するとともに、その表示画像を外界に重ねて観察者が観察することを可能にするシースルー型画像表示装置に関するものであり、特に、観察者が表示画像に重ねて外界を観察している場合にその外界のみを撮像する技術に関するものである。
画像を観察者に表示する画像表示装置として、表示すべき画像を表す表示光(「画像光」ともいう。)を観察者の眼球の瞳孔内に入射し、それにより、観察者に対して前記画像を表示する直視型の画像表示装置が既に知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この直視型の画像表示装置を、表示光形成方式によって分類すると、空間変調型、すなわち、光源と、その光源からの入射光を用いて前記表示光を形成する液晶であって画像信号に応じて作動するものとを含むように構成されたもの(例えば、特許文献1参照。)と、走査型、すなわち、画像信号に応じた強度を有する光を出射する光源と、その光源からの入射光を走査することによって前記表示光を形成する光走査部とを含むように構成されたものとに分類される。
また、直視型の画像表示装置を、表示画像の観察方式によって分類すると、シースルー型、すなわち、観察者が、当該画像表示装置による表示画像に重ねて、現実外界を観察することが可能にするもの(例えば、特許文献1参照。)と、密閉型、すなわち、現実外界からの入射光を遮断し、観察者が、表示画像のみを観察することを可能にするものとに分類される。
シースルー型画像表示装置として、観察者が観察している外界を撮像する外界撮像部を備えた形式が既に知られている(例えば、特許文献1参照。)。この種のシースルー型画像表示装置は、一般に、(a)画像を表示する表示光を出射する画像表示部と、(b)その画像表示部から出射した表示光と、観察者が観察している外界からの光である外界光とを、共通の光路上において合成する合波部であって、その合波部からの出射光が観察者の眼に入射するものと、(c)観察者が観察している外界を、その外界を観察者が観察するときと同じ画角で撮像する外界撮像部とを含むように構成される。
特開2000−75240号公報
本発明者は、シースルー型画像表示装置に搭載される外界撮像部の一形式として、観察者が観察している外界を、その外界を観察者が観察するときと同じ画角で撮像することが可能な外界撮像部を提案した。その外界撮像部は、具体的には、前記合波部における前記共通の光路を外界に向かって延長した光路に沿って前記合波部に入射してその合波部から出射した外界光が入射し、その入射した外界光により、観察者が観察している外界を撮像するように設計される。
しかし、この外界撮像部を採用する場合には、この外界撮像部によって外界を撮像しようとすると、この外界撮像部に、外界光のみならず、表示光も入射してしまう可能性がある。この外界撮像部においては、その入射する表示光は、撮像すべき外界光にとってノイズすなわち不要光である。そのため、外界撮像部に表示光が入射しないようにすることが、その外界撮像部によって撮像される画像の品質を向上させるために有効である。
以上説明した事情を背景として、本発明は、観察者が表示画像に重ねて外界を観察している場合に、その外界のみを、観察者がその外界を観察しているときの画角と同じ画角で撮像することが可能なシースルー型画像表示装置を提供することを課題としてなされたものである。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 画像信号に応じて画像を表示画像として表示するとともに、その表示画像を外界に重ねて観察者が観察することを可能にするシースルー型画像表示装置であって、
前記画像信号に応じ、前記表示画像を表示する表示光を出射する画像表示部と、
その画像表示部から出射し表示光入射光路に沿って入射した表示光と、観察者が観察している外界から外界光入射光路に沿って入射した外界光とを、前記外界光入射光路の延長上の光路である、前記表示光と前記外界光とに共通の光路上において合成してその合成光を観察者の眼に出射する合波部と、
前記外界光入射光路に沿って前記合波部に入射してその合波部から出射した外界光のうち、最終的に前記合波部から、前記表示光入射光路またはその延長上の光路に出射した部分が部分外界光として入射し、その入射した部分外界光を、観察者が観察している外界を表す撮像用外界光として用いることにより、観察者が観察している外界を撮像する外界撮像部と、
前記撮像用外界光および前記表示光が入射する位置に配置され、前記撮像用外界光が前記外界撮像部に入射することは許可するが、前記表示光が前記外界撮像部に入射することは光学的に制限する表示光制限部と
を含むシースルー型画像表示装置。
前記画像信号に応じ、前記表示画像を表示する表示光を出射する画像表示部と、
その画像表示部から出射し表示光入射光路に沿って入射した表示光と、観察者が観察している外界から外界光入射光路に沿って入射した外界光とを、前記外界光入射光路の延長上の光路である、前記表示光と前記外界光とに共通の光路上において合成してその合成光を観察者の眼に出射する合波部と、
前記外界光入射光路に沿って前記合波部に入射してその合波部から出射した外界光のうち、最終的に前記合波部から、前記表示光入射光路またはその延長上の光路に出射した部分が部分外界光として入射し、その入射した部分外界光を、観察者が観察している外界を表す撮像用外界光として用いることにより、観察者が観察している外界を撮像する外界撮像部と、
前記撮像用外界光および前記表示光が入射する位置に配置され、前記撮像用外界光が前記外界撮像部に入射することは許可するが、前記表示光が前記外界撮像部に入射することは光学的に制限する表示光制限部と
を含むシースルー型画像表示装置。
(2) 前記表示光は、第1偏光方向に直線偏光された第1偏光光であり、
前記表示光制限部は、第1光学素子と第2光学素子とを含み、
それら第1光学素子および第2光学素子はいずれも、入射光の一部を透過し、残りを反射し、
前記第1光学素子と前記第2光学素子との少なくとも一方は、前記第1偏光光を透過する一方、前記第1偏光方向と直交する第2偏光方向に直線偏光された第2偏光光を反射する偏光特性を有するものであり、
前記合波部は、前記表示光入射光路に沿って入射した表示光に対しては、その一部を反射して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを透過して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射し、一方、前記外界光入射光路に沿って入射した外界光に対しては、その一部を透過して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを反射して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射するものであり、
前記第1光学素子は、前記合波部を透過した外界光と前記合波部から反射した表示光とが前記共通の光路に沿って入射し、それら入射した外界光と表示光とのそれぞれのうち当該第1光学素子を透過するものを観察者の眼に出射するとともに、前記入射した外界光のうち当該第1光学素子から反射するものを前記合波部に出射し、
前記合波部は、前記第1光学素子から入射した外界光の一部を反射して前記第2光学素子に出射し、
前記第2光学素子は、前記画像表示部から入射した表示光のうち当該第2光学素子を透過するものを前記合波部に出射するとともに、前記合波部から入射した外界光の少なくとも一部を反射して前記外界撮像部に出射する(1)項に記載のシースルー型画像表示装置。
前記表示光制限部は、第1光学素子と第2光学素子とを含み、
それら第1光学素子および第2光学素子はいずれも、入射光の一部を透過し、残りを反射し、
前記第1光学素子と前記第2光学素子との少なくとも一方は、前記第1偏光光を透過する一方、前記第1偏光方向と直交する第2偏光方向に直線偏光された第2偏光光を反射する偏光特性を有するものであり、
前記合波部は、前記表示光入射光路に沿って入射した表示光に対しては、その一部を反射して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを透過して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射し、一方、前記外界光入射光路に沿って入射した外界光に対しては、その一部を透過して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを反射して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射するものであり、
前記第1光学素子は、前記合波部を透過した外界光と前記合波部から反射した表示光とが前記共通の光路に沿って入射し、それら入射した外界光と表示光とのそれぞれのうち当該第1光学素子を透過するものを観察者の眼に出射するとともに、前記入射した外界光のうち当該第1光学素子から反射するものを前記合波部に出射し、
前記合波部は、前記第1光学素子から入射した外界光の一部を反射して前記第2光学素子に出射し、
前記第2光学素子は、前記画像表示部から入射した表示光のうち当該第2光学素子を透過するものを前記合波部に出射するとともに、前記合波部から入射した外界光の少なくとも一部を反射して前記外界撮像部に出射する(1)項に記載のシースルー型画像表示装置。
(3) 前記第1光学素子および前記第2光学素子のいずれも、前記偏光特性を有する偏光ビームスプリッタであるか、前記第1光学素子および前記第2光学素子の一方は、前記偏光特性を有する偏光ビームスプリッタであって、他方は、ハーフミラーである(2)項2に記載のシースルー型画像表示装置。
(4) 前記画像表示部は、
光源と、
その光源からの入射光を用いて前記表示光を直線偏光光として形成する液晶であって前記画像信号に応じて作動するものと
を含み、
前記第1光学素子および前記第2光学素子のうち前記偏光特性を有するものは、前記液晶によって形成される直線偏光光を透過する偏光特性を有する(2)または(3)項に記載のシースルー型画像表示装置。
光源と、
その光源からの入射光を用いて前記表示光を直線偏光光として形成する液晶であって前記画像信号に応じて作動するものと
を含み、
前記第1光学素子および前記第2光学素子のうち前記偏光特性を有するものは、前記液晶によって形成される直線偏光光を透過する偏光特性を有する(2)または(3)項に記載のシースルー型画像表示装置。
(5) 前記画像表示部は、
前記画像信号に応じた強度を有する光束を直線偏光光束として出射するレーザ光源と、
そのレーザ光源からの入射光束を走査することによって前記表示光を形成する光走査部と
を含み、
前記第1光学素子および前記第2光学素子のうち前記偏光特性を有するものは、前記レーザ光源から出射する直線偏光光束を透過する偏光特性を有する(2)または(3)項に記載のシースルー型画像表示装置。
前記画像信号に応じた強度を有する光束を直線偏光光束として出射するレーザ光源と、
そのレーザ光源からの入射光束を走査することによって前記表示光を形成する光走査部と
を含み、
前記第1光学素子および前記第2光学素子のうち前記偏光特性を有するものは、前記レーザ光源から出射する直線偏光光束を透過する偏光特性を有する(2)または(3)項に記載のシースルー型画像表示装置。
(6) 前記合波部は、前記表示光入射光路に沿って入射した表示光に対しては、その一部を反射して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを透過して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射し、一方、前記外界光入射光路に沿って入射した外界光に対しては、その一部を透過して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを反射して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射するものであり、
前記画像表示部は、前記表示光入射光路の延長上の光路上に位置する、前記表示光にとっての射出瞳位置に幾何光学的に関連付けられ、
前記外界撮像部は、前記表示光入射光路の延長上の光路上に位置する、前記外界光にとっての入射瞳位置に幾何光学的に関連付けられ、その入射瞳位置は、前記射出瞳位置と一致し、
前記外界光の、前記入射瞳位置に入射するときの断面である外界光断面は、前記表示光の、前記入射瞳位置に入射するときの断面である表示光断面より大きく、
前記表示光制限部は、前記入射瞳位置に設置され、前記表示光断面を実質的に覆う遮光領域を有するマスクを含む(1)項に記載のシースルー型画像表示装置。
前記画像表示部は、前記表示光入射光路の延長上の光路上に位置する、前記表示光にとっての射出瞳位置に幾何光学的に関連付けられ、
前記外界撮像部は、前記表示光入射光路の延長上の光路上に位置する、前記外界光にとっての入射瞳位置に幾何光学的に関連付けられ、その入射瞳位置は、前記射出瞳位置と一致し、
前記外界光の、前記入射瞳位置に入射するときの断面である外界光断面は、前記表示光の、前記入射瞳位置に入射するときの断面である表示光断面より大きく、
前記表示光制限部は、前記入射瞳位置に設置され、前記表示光断面を実質的に覆う遮光領域を有するマスクを含む(1)項に記載のシースルー型画像表示装置。
本発明によれば、表示光制限部が存在するおかげで、外界撮像部には、観察者が表示画像に重ねて外界を観察しているときの画角と同じ画角で外界光のみが入射する。よって、その外界撮像部は、不要光である表示光の影響を受けることなく、観察者が外界を観察しているときの画角と同じ画角でその外界を撮像することが可能となる。したがって、本発明によれば、外界撮像部によって撮像された画像中に、表示画像がノイズ画像として映り込んでしまうことがなくなり、その結果、外界を忠実に撮像することが可能となる。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に従うシースルー型のヘッドマウントディスプレイ装置(以下、「HMD」と略称する。)が概念的に光路図で示されている。このHMDは、図示しない観察者の頭部に装着されて使用される。
図1に示すように、このHMDは、画像表示部10を備えている。この画像表示部10は、画像信号に応じ、観察者に対して表示すべき画像(例えば、データによって表現される画像)を表示する表示光を出射する。そのために、この画像表示部10は、概略的には、光源部12から一斉に出射した面状の光を、表示光形成部14を用いて、各画素ごとに空間的に変調する。そのようにして形成された表示光は、接眼光学系15を経て、観察者の眼(片眼)16の瞳孔18を経て直接的に観察者の網膜20上に投影される。それにより、観察者が表示画像を虚像として観察することが可能となる。
図1に示すように、光源部12は、光源としての白色LED30と、その白色LED30から白色光が入射するフィールドレンズ32とを含むように構成されている。図1において、白色LED30上において丸印で示す位置は、画像表示部10にとっての瞳の位置(瞳孔共役位置)を示している。白色LED30は、外部から供給される駆動信号に基づき、LEDドライバ34によって駆動され、それにより、白色光を発光する。
表示光形成部14は、フラットパネルディスプレイ(空間変調素子の一例)としてのLCD(液晶ディスプレイ)40を含むように構成されている。LCD40は、フィールドレンズ32からの白色光を、各画素ごとに、3色の成分光(RGB)に分解するカラーフィルタ(RGBフィルタ)と、各成分光の透過度を制御する液晶パネルとを含むように構成されている。その液晶パネルは、複数個の画素を有しており、各画素ごとに、各成分光の透過度を制御する。
このLCD40は、LCDドライバ42によって駆動され、それにより、白色LED30から出射した白色光に対して空間変調が施される。LCDドライバ42は、外部から供給される画像信号(映像信号)に基づいてLCD40を各画素ごとに制御する。
なお付言するに、本実施形態においては、LCD40が、点光源としての白色LED30を光源として使用するが、それに代えて、例えば、LCD40をバックライト付きのLCDに変更することが可能であり、この場合には、そのバックライトがLCD40の光源として使用されることになる。
このHMDは、接眼光学系15からの表示光を瞳孔18に誘導する光ガイドとしてのハーフミラー50を含むように構成されている。その光ガイドがハーフミラー50として構成されているため、観察者は、ハーフミラー50を通して現実外界を観察すると同時に、接眼光学系15からの表示光を、ハーフミラー50の反射によって受光して表示画像を観察することが可能である。すなわち、このHMDは、現実外界に重ねて表示画像を観察可能なシースルー型なのである。ハーフミラー50は、表示光と、外界からの光である外界光とを、共通する光路上において合成する合波部として機能する。
図1に示すように、このHMDにおいては、画像表示部10において表示光がハーフミラー50まで進行する第1光路OP1(前記(1)項における「表示光入射光路」の一例)と、表示光がハーフミラー50から反射して網膜20に到達するまでに表示光が進行する第2光路OP2(前記(1)項における「共通の光路」の一例)とが形成されている。その第2光路OP2上において丸印で示す位置は、画像表示部10にとっての射出瞳の位置(瞳孔18の位置と一致する)を示している。また、第1光路OP1および第2光路OP2上におけるそれぞれのX印はいずれも、表示光の結像位置を示している。
このHMDにおいては、さらに、外界光がハーフミラー50まで進行する第3光路OP3(前記(1)項における「外界光入射光路」の一例)と、外界光がハーフミラー50を透過して網膜20に到達するまでに外界光が進行する第4光路OP4(前記(1)項における「共通の光路」の一例)も形成されている。第4光路OP4は、第2光路OP2と一致する。この一致のおかげで、表示光と外界光とが、共通の経路上で合成されて観察者の眼16に入射することになる。したがって、このHMDによれば、観察者は、表示画像と外界とを、同じ画角で重ね合わせて同時に観察することが可能となる。
図1に示すように、このHMDは、さらに、表示画像に重ねて観察者が観察している外界を、観察者がその外界を観察するときと同じ画角でその外界を撮像する外界撮像部60を備えている。
外界光は、ハーフミラー50に入射した後、その外界光の一部は、ハーフミラー50を透過して瞳孔18に入射する一方、残りの部分は、そのハーフミラー50により、そのハーフミラー50の位置に関して画像表示部10とは反対側に向かって反射する。その反射した外界光(前記(1)項における「部分外界光」および「撮像用外界光」のそれぞれの一例)は、第1光路OP1の延長線上に位置する第5光路OP4(前記(1)項における「表示光入射光路の延長上の光路」の一例)に沿って進行し、やがて、外界撮像部60に入射する。
外界光は、第3光路OP3と第5光路OP5とを順に通過して外界撮像部60に入射する。第3光路OP3は、第4光路OP4、すなわち、第2光路OP2と一致する光路を、外界に向かって延長した光路である。したがって、外界光は、その延長した光路と、第5光路OP5とを順に通過して外界撮像部60に入射することになる。
図1において、その第5光路OP5上における丸印は、外界撮像部60にとっての入射瞳の位置を示すとともに、画像表示部10にとっての射出瞳の位置を示している。それら入射瞳の位置と射出瞳の位置とは、幾何光学的に互いに一致するとともに、いずれも、瞳孔18の位置と光学的に共役な瞳孔共役位置である。
図1に示すように、外界撮像部60は、撮像素子としてCCD(電荷結合デバイス)62を備えている。そのCCD62に外界光(すなわち、前記撮像用外界光)が入射し、それにより、外界撮像部60は、観察者が観察している外界を撮像することが可能となる。図1において、CCD62上におけるX印は、外界光の結像位置を示している。
画像表示部10から出射した表示光は、ハーフミラー50に入射すると、その入射した表示光のうちの一部は、前述のように、ハーフミラー50において反射して瞳孔18に向かうが、残りの部分は、第4光路OP1に沿って進行し、外界撮像部60に入射しようとする。
すなわち、本実施形態においては、表示光が、外界光が外界撮像部60に入射する光路と同じ光路に沿って入射瞳位置に向かって進行するのである。本実施形態においては、外界光の、入射瞳位置に入射するときの断面である外界光断面(外界光のビームウエスト)が、表示光の、入射瞳位置に入射するときの断面である表示光断面(表示光のビームウエスト)より大きいように、外界撮像部60の光学系(図示しない)が設計されている。
表示画像に重ねて観察者が観察している外界を撮像するために必要なのは外界光のみである。しかし、本実施形態においては、外界撮像部60が、ハーフミラー50を隔てて、同じ光路上において画像表示部10に対向する位置に設置されており、そのため、何ら対策を講じないと、必要光としての外界光のみならず、不要光としての表示光も、外界撮像部60に入射してしまう。よって、何ら対策を講じないと、外界を撮像した撮像画像中に表示画像が映り込んでしまう。表示画像がノイズ画像として撮像画像中に存在してしまうのである。
そこで、本実施形態においては、画像表示部10の射出瞳の位置が、外界撮像部60の入射瞳の位置に一致するように、それら画像表示部10および外界撮像部60の相対位置関係が設定されたうえで、外界撮像部60の入射瞳の位置に、マスク70(前記(1)項における「表示光制限部」の一例)が設置されている。そのマスク70は、前記表示光断面を実質的に覆う遮光領域72と、それの外側に位置する透光領域72とを有している。本実施形態においては、マスク70が、外界撮像部60の内部に設置されているが、その設置位置は、それに限定されない。
したがって、本実施形態においては、表示光がマスク70の遮光領域72によって遮断されるため、表示光が外界撮像部60に入射せずに済む。一方、外界光は、マスク70の透光領域74を透過し、外界撮像部60に入射する。
本実施形態においては、マスク70の遮光領域72により、必要光である外界光が、それの中心部において部分的に遮断される。しかし、撮像されるべき外界の位置は、入射瞳の位置からある程度離れており、また、撮像されるべき外界上の一点からは、光が複数の方向に放射しているから、それら放射光のうちの一部がマスク70の遮光領域72によって遮断されても、残りの部分がマスク70の透光領域74を通過してCCD62に入射する。したがって、マスク70の遮光領域72の存在により、外界を撮像した画像が実質的な影響を受けずに済む。
本実施形態においては、画像表示部10と、ハーフミラー50と、外界撮像部60とが、共通のフレーム(図示しない)によって支持されており、その状態で、このHMDは、観察者の頭部に装着されて使用される。ハーフミラー50は、画像表示部10および外界撮像部60の外部に設置されているが、その設置位置は、これに限定されず、例えば、画像表示部10の内部に設置してもよいし、外界撮像部60の内部に設置してもよい。
図1に示すように、画像表示部10と外界撮像部60とは、コンピュータ80を主体とするコントローラ90に電気的に接続されているか、または、無線によって通信可能となっている。コンピュータ80は、所定のプログラムを実行することにより、画像表示部10と外界撮像部60とを制御する。
本実施形態においては、外界撮像部60により、表示画像に重ねて観察者が観察している外界が撮像され、その撮像画像が撮像データとして取得される。コンピュータ80は、その撮像画像を参照したり用いることにより、種々の機能を実現することが可能である。
一例においては、コンピュータ80は、図2に概略的にフローチャートで表すように、まず、ステップS1において、撮像データに基づき、撮像画像の明るさ(例えば、撮像画像を構成する複数の画素を代表する少なくとも1個の画素(例えば、中央画素)の明るさ)を測定する。
次に、ステップS2において、その測定値から外界の明るさを推定する。続いて、ステップS3において、その推定値との関係において、表示画像の輝度を補正する。例えば、外界の明るさが標準値より明るいときには、それにもかかわらず表示画像を観察者が鮮明に観察できるようにするために、その表示画像の輝度を標準値から増加させることが可能である。
別の例においては、図3(a)に示すように、表示光によって形成され得る画像の最大領域(表示画像の最大サイズ)92のうち、第1ウインドウ(例えば、矩形領域)94内において、観察者が外界の実画像(例えば、「abc」という文字列)を観察する場合に、コンピュータ80は、図4に概略的にフローチャートで表すように、まず、ステップS21において、図3(b)に示すように、第1ウインドウ94の外形を可視化するための枠(例えば、破線の枠)を表す枠画像を表示光によって表示する。
次に、ステップS22において、撮像画像(撮像データ)のうち、第1ウインドウ94内に存在する外界の実画像(例えば、「abc」という文字列)と同じ部分画像(部分撮像データ)を対象画像として選択する。続いて、ステップS23において、その選択された対象画像を所定倍率で拡大する。その拡大された対象画像を、図3(b)に示すように、第1ウインドウ94とオーバラップしない第2ウインドウ(例えば、実線の枠)96内に表示する。これにより、観察者は、外界の実画像と、その外界の実画像が撮像画像を用いて拡大された表示画像とを同時に観察することが可能となる。このとき、観察者は、実画像(外界光による画像)と、表示画像(画像信号に基づく画像)とが合成された画像を観察する。
さらに別の例においては、コンピュータ80は、図5に概略的にフローチャートで表すように、まず、ステップS41において、例えば外界撮像部60内においてCCD62を撮像方向に移動させて撮像画像のピント合わせ(例えば、上下方向および左右方向における画角範囲の中心方向におけるピント合わせ)を行い、そのピント合わせの結果を用いることにより、外界撮像部60と外界との距離を測定する。
次に、ステップS42において、その測定された距離を用いることにより、表示画像のピントが外界の位置においてちょうど合うように、例えば画像表示部10内のレンズなどの光学機器を移動させる。これにより、観察者は、外界と表示画像とを同じピント位置において同時に観察することが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、画像表示部10からの表示光が、ハーフミラー50を透過した後、外界光と同じ光路(第4光路OP4)に沿って外界撮像部60のCCD62に入射しようとするにもかかわらず、マスク70の遮光領域72により、その表示光が外界撮像部60のCCD62に入射することが阻止される。それにより、同じ光路上において合成された外界光(必要光)と表示光(不要光)との合成光から、外界光のみが、マスク70によって分離される。
その結果、外界撮像部60のCCD62には、外界光のみが入射し、よって、外界撮像部60は、不要光である表示光の影響を受けることなく、外界を撮像することが可能となる。したがって、本実施形態によれば、撮像画像中に表示画像がノイズ画像として映り込んでしまうことなくなり、よって、外界を忠実に撮像することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対して、画像表示部の構成についてのみ異なり、他の要素については共通するため、画像表示部についてのみ説明する。
図6には、本実施形態に従うシースルー型のHMDが概念的に光路図で示されている。このHMDは、第1実施形態とは構成が異なる画像表示部100と、各々、第1実施形態と構成が共通するハーフミラー50、外界撮像部60およびマスク70を備えている。
画像表示部100は、概略的には、光源部152から入射したビーム状の光であって各画素ごとに強度変調されたものを、表示光形成部154のスキャナを用いて、面状の表示光に変換し、そのようにして形成された表示光を観察者の瞳孔18を経て直接的に観察者の網膜20上に投影するように構成されている。すなわち、このHMDは、第1実施形態とは異なり、走査型なのである。
光源部152は、赤色レーザビームを発するレーザ160と、緑色レーザビームを発するレーザ162と、青色レーザビームを発するレーザ164とを備えている。それらレーザ160,162,164はそれぞれ、外部から供給される画像信号に基づき、個別のレーザドライバ170,172,174により、発するレーザビームの強度が変調される。それらレーザ160,162,164から出射する3色のレーザビームは、対応する画素の色を反映する1つのレーザビームとして合成される。その合成されたレーザビームは、表示光形成部154に入射する。
表示光形成部154は、光源部152から入射したレーザビームを主走査方向に走査するために駆動される主走査ミラー180(例えば、共振ミラー)と、その主走査ミラー180から入射したレーザビームを今度は、主走査方向に対して直角である副走査方向に走査するために駆動される副走査ミラー182(例えば、ガルバノミラー)とを備えている。図6において、主走査ミラー180上において丸印で示す位置は、画像表示部300にとっての瞳の位置(瞳孔共役位置)を示している。主走査ミラー180は、外部から供給される駆動信号に基づき、主走査ミラードライバ190によって駆動され、また、副走査ミラー182は、外部から供給される駆動信号に基づき、副走査ミラードライバ192によって駆動される。
表示光形成部154は、さらに、前段リレーレンズ200と、後段リレーレンズ202と、接眼光学系204とを備えている。前段リレーレンズ200は、主走査ミラー180と副走査ミラー182との間の中間像面と同じ位置に配置されている。後段リレーレンズ202から出射したレーザビームは、接眼光学系204を通過してハーフミラー50に入射する。
第1実施形態と同様に、本実施形態によれば、画像表示部100からの表示光が、ハーフミラー50を透過した後、マスク70の遮光領域72により、外界撮像部60のCCD62に入射することが阻止され、その結果、外界撮像部60のCCD62には、外界光のみが入射する。よって、外界撮像部60による撮像画像中に表示画像がノイズ画像として映り込んでしまうことなく、外界を忠実に撮像することが可能となる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素があるため、共通する要素については、同一の符号を使用して引用することにより、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ、詳細に説明する。
図7には、本実施形態に従うシースルー型のHMDが概略的に光路図で示されている。このHMDは、画像表示部300と、外界撮像部302とを備えている。画像表示部300は、第1実施形態と同様に、光源部12を有するとともに、LCD40を主体とする表示光形成部310を有しており、それにより、このHMDは空間変調型に分類される。LCD40は、よく知られているように、複数の画素からの複数の画素光を、偏光方向が互いに共通する複数の直線偏光光として出射する。
画像表示部300は、さらに、接眼光学系312を有しており、その接眼光学系312は、第1実施形態とは異なり、接眼レンズ314のみならず、合波部としてハーフミラー50および表示光制限部として機能する第1および第2偏光ビームスプリッタ320,322をも有している。この接眼光学系312には、表示光も外界光も入射するが、表示光は、直線偏光光(図7において、矢印で示す方向に平行な第1偏光方向を有する)として入射するのに対し、外界光は、通常は、非偏光光(ランダム光)として入射する。外界撮像部302は、第1実施形態と同様に、CCD62を有している。
接眼光学系312をまず概略的に説明するに、LCD40から出射した表示光(前記第1偏光方向を有する直線偏光光)L1は、第2偏光ビームスプリッタ322を透過してハーフミラー50に入射し、そこで反射して第1偏光ビームスプリッタ320を透過して瞳孔18に入射する。これに対し、外界光L2は、ハーフミラー50を透過し、続いて、その透過した外界光のうち、前記第1偏光方向を有する成分のみが第1偏光ビームスプリッタ320を透過して瞳孔18に入射する。
接眼光学系312をさらに具体的に説明するに、第1偏光ビームスプリッタ320は、ハーフミラー50から入射した表示光(前記第1偏光方向を有する直線偏光光)L1に対しては、透過のみを実質的に行う。第1偏光ビームスプリッタ320は、ハーフミラー50から入射した外界光L2のうち、前記第1偏光方向を有する成分L2Aに対しては、透過のみを実質的に行うが、それ以外の成分L2Bに対しては、反射のみを実質的に行う。
第1偏光ビームスプリッタ320に入射した外界光のうち前記L2A以外の成分L2B(前記第1偏光方向に略直交する第2偏光方向を有する直線偏光光)は、その第1偏光ビームスプリッタ320において反射され、再度、ハーフミラー50において反射された後、第2偏光ビームスプリッタ322に入射するが、再度、反射されて外界撮像部302に入射する。第1偏光ビームスプリッタ320に入射した表示光L1は、その第1偏光ビームスプリッタ320から反射しないため、第2偏光ビームスプリッタ322に入射せず、外界撮像部302にも入射しない。
第2偏光ビームスプリッタ322は、LCD40から入射した表示光(前記第1偏光方向を有する直線偏光光)L1に対しては、透過のみを実質的に行う。その透過した表示光(前記第1偏光方向を有する直線偏光光)L1は、ハーフミラー50において反射した後、第1偏光ビームスプリッタ320に入射する。LCD40から第2偏光ビームスプリッタ322に入射した表示光L1は、その第2偏光ビームスプリッタ322において実質的に反射しないから、光のロスが発生せずに済む。
第2偏光ビームスプリッタ322は、第1偏光ビームスプリッタから入射した外界光(前記第1偏光方向を有しない偏光光)L2Bに対しては、反射のみを実質的に行い、その反射した外界光L2Bは、外界撮像部302に入射する。第1偏光ビームスプリッタから入射した外界光L2Bは、第2偏光ビームスプリッタ322を透過してLCD40に入射しないから、光のロスや迷光が発生せずに済む。
したがって、本実施形態によれば、画像表示部300からの表示光L1が、第1および第2偏光ビームスプリッタ320,322の存在により、外界撮像部302に入射することが阻止され、その結果、外界撮像部302には、外界光L2B(前記(1)項における「部分外界光」および「撮像用外界光」のそれぞれの一例)のみが入射する。よって、外界撮像部302による撮像画像中に表示画像がノイズ画像として映り込んでしまうことなく、外界を忠実に撮像することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、第1および第2実施形態とは異なり、図7に示すように、画像表示部300と外界撮像部302とが、ハーフミラー50の位置に関して、同じ側に配置されている。したがって、本実施形態によれば、それら画像表示部300と外界撮像部302とを詰めてコンパクトに配置することが容易となり、その結果、このHMDの小型化および軽量化が容易となる。
なお付言するに、別の態様においては、第1偏光ビームスプリッタ320のみがハーフミラーに置換される。この態様においては、本実施形態とは異なり、そのハーフミラーから表示光L1が出射してそれが第2偏光ビームスプリッタ322に入射する。その入射した表示光L1は、第2偏光ビームスプリッタ322を透過してLCD40に入射するが、外界撮像部302に向かって反射しないから、この場合にも、表示光L1が外界撮像部302に入射せずに済む。
なお付言するに、さらに別の態様においては、第2偏光ビームスプリッタ322のみがハーフミラーに置換される。この態様においては、本実施形態とは異なり、画像表示部300からの表示光L1が、そのハーフミラーにおいて反射するが、その反射した表示光L1は、外界撮像部302に入射しないから、この場合にも、表示光L1が外界撮像部302に入射せずに済む。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、LCD40からハーフミラー50までの表示光L1の光路が、前記(1)項における「表示光入射光路」の一例を構成し、また、外界からハーフミラー50までの外界光L2(=L2A+L2B)の光路が、同項における「外界光入射光路」の一例を構成し、また、ハーフミラー50と網膜20との間の、表示光L1と外界光L2(=L2A+L2B)とに共通の光路が、同項における「共通の光路」の一例を構成している。本実施形態においては、同項における「表示光入射光路の延長上の光路」に該当する光路は存在しない。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第3実施形態に対して、画像表示部の構成についてのみ異なり、他の要素については共通するため、画像表示部についてのみ説明する。
図8には、本実施形態に従うシースルー型のHMDが概念的に光路図で示されている。このHMDは、第3実施形態とは構成が異なる画像表示部400と、各々、第3実施形態と構成が共通するハーフミラー50、外界撮像部302および接眼光学系312を備えている。
画像表示部400は、第2実施形態と同様に、光源部152を有するとともに、スキャナを主体とする表示光形成部410を有しており、それにより、このHMDは走査型に分類される。
図9には、光源部152の構成が具体的に光路図で示されている。この光源部152においては、レーザ160,162,164がいずれも、対応するレーザビームを、単一の偏光方向を有する直線偏光光として発生させるように設計されている。したがって、表示光形成部410は、表示光を直線偏光光として形成し、その形成された表示光は接眼光学系312に入射する。これにより、本実施形態は、表示光が直線偏光光である点で、第3実施形態と共通することになる。
この光源部152においては、レーザ160が発した赤色レーザビームが、レンズ400によってコリメートされた後、第1ダイクロイックミラー402に入射して透過する。この第1ダイクロイックミラー402には、レーザ162が発した緑色レーザビームが、レンズ404によってコリメータされた後、入射して反射する。その結果、第1ダイクロイックミラー402において、赤色レーザビームと緑色レーザビームとが合成される。その合成光は、第2ダイクロイックミラー406に入射して透過する。
この第2ダイクロイックミラー406には、レーザ164が発した青色レーザビームが、レンズ408によってコリメータされた後、入射して反射する。その結果、第2ダイクロイックミラー406において、赤色レーザビームと緑色レーザビームと青色レーザビームとが合成される。その合成光は、表示光形成部410に入射する。
複数本のレーザビームを合成したり、レーザビームを伝送するためにフレキシブルな光ファイバが使用される場合があるが、この場合には、レーザビームの偏光方向が、そのファイバの進行中に変化してしまう可能性がある。これに対し、本実施形態においては、レーザビームすなわち表示光の偏光方向を変化させる光学素子が使用されないため、表示光の偏光特性を事後的に調整する機構を追加せずに済む。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
Claims (6)
- 画像信号に応じて画像を表示画像として表示するとともに、その表示画像を外界に重ねて観察者が観察することを可能にするシースルー型画像表示装置であって、
前記画像信号に応じ、前記表示画像を表示する表示光を出射する画像表示部と、
その画像表示部から出射し表示光入射光路に沿って入射した表示光と、観察者が観察している外界から外界光入射光路に沿って入射した外界光とを、前記外界光入射光路の延長上の光路である、前記表示光と前記外界光とに共通の光路上において合成してその合成光を観察者の眼に出射する合波部と、
前記外界光入射光路に沿って前記合波部に入射してその合波部から出射した外界光のうち、最終的に前記合波部から、前記表示光入射光路またはその延長上の光路に出射した部分が部分外界光として入射し、その入射した部分外界光を、観察者が観察している外界を表す撮像用外界光として用いることにより、観察者が観察している外界を撮像する外界撮像部と、
前記撮像用外界光および前記表示光が入射する位置に配置され、前記撮像用外界光が前記外界撮像部に入射することは許可するが、前記表示光が前記外界撮像部に入射することは光学的に制限する表示光制限部と
を含むシースルー型画像表示装置。 - 前記表示光は、第1偏光方向に直線偏光された第1偏光光であり、
前記表示光制限部は、第1光学素子と第2光学素子とを含み、
それら第1光学素子および第2光学素子はいずれも、入射光の一部を透過し、残りを反射し、
前記第1光学素子と前記第2光学素子との少なくとも一方は、前記第1偏光光を透過する一方、前記第1偏光方向と直交する第2偏光方向に直線偏光された第2偏光光を反射する偏光特性を有するものであり、
前記合波部は、前記表示光入射光路に沿って入射した表示光に対しては、その一部を反射して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを透過して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射し、一方、前記外界光入射光路に沿って入射した外界光に対しては、その一部を透過して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを反射して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射するものであり、
前記第1光学素子は、前記合波部を透過した外界光と前記合波部から反射した表示光とが前記共通の光路に沿って入射し、それら入射した外界光と表示光とのそれぞれのうち当該第1光学素子を透過するものを観察者の眼に出射するとともに、前記入射した外界光のうち当該第1光学素子から反射するものを前記合波部に出射し、
前記合波部は、前記第1光学素子から入射した外界光の一部を反射して前記第2光学素子に出射し、
前記第2光学素子は、前記画像表示部から入射した表示光のうち当該第2光学素子を透過するものを前記合波部に出射するとともに、前記合波部から入射した外界光の少なくとも一部を反射して前記外界撮像部に出射する請求項1に記載のシースルー型画像表示装置。 - 前記第1光学素子および前記第2光学素子のいずれも、前記偏光特性を有する偏光ビームスプリッタであるか、前記第1光学素子および前記第2光学素子の一方は、前記偏光特性を有する偏光ビームスプリッタであって、他方は、ハーフミラーである請求項2に記載のシースルー型画像表示装置。
- 前記画像表示部は、
光源と、
その光源からの入射光を用いて前記表示光を直線偏光光として形成する液晶であって前記画像信号に応じて作動するものと
を含み、
前記第1光学素子および前記第2光学素子のうち前記偏光特性を有するものは、前記液晶によって形成される直線偏光光を透過する偏光特性を有する請求項2または3に記載のシースルー型画像表示装置。 - 前記画像表示部は、
前記画像信号に応じた強度を有する光束を直線偏光光束として出射するレーザ光源と、
そのレーザ光源からの入射光束を走査することによって前記表示光を形成する光走査部と
を含み、
前記第1光学素子および前記第2光学素子のうち前記偏光特性を有するものは、前記レーザ光源から出射する直線偏光光束を透過する偏光特性を有する請求項2または3に記載のシースルー型画像表示装置。 - 前記合波部は、前記表示光入射光路に沿って入射した表示光に対しては、その一部を反射して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを透過して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射し、一方、前記外界光入射光路に沿って入射した外界光に対しては、その一部を透過して前記共通の光路に出射するとともに、その残りを反射して前記表示光入射光路の延長上の光路に出射するものであり、
前記画像表示部は、前記表示光入射光路の延長上の光路上に位置する、前記表示光にとっての射出瞳位置に幾何光学的に関連付けられ、
前記外界撮像部は、前記表示光入射光路の延長上の光路上に位置する、前記外界光にとっての入射瞳位置に幾何光学的に関連付けられ、その入射瞳位置は、前記射出瞳位置と一致し、
前記外界光の、前記入射瞳位置に入射するときの断面である外界光断面は、前記表示光の、前記入射瞳位置に入射するときの断面である表示光断面より大きく、
前記表示光制限部は、前記入射瞳位置に設置され、前記表示光断面を実質的に覆う遮光領域を有するマスクを含む請求項1に記載のシースルー型画像表示装置。
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