JP2012002075A - ポンプ及びヒートポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンプ110は、液体の吸入方向Xと吐出方向Yとが略直交する。ポンプ110は、吸入口22の下方に配置された軸27と、軸27を中心に回転する円盤形状の羽根車25であって、吸入方向Xから見た場合の円盤形状における中央の領域である中央領域以降から半径方向に放射状に形成された複数の羽根25cを有し、複数の羽根25cが吐出口23と略同じ高さになるように配置された羽根車25と、軸27を受ける軸受(18−1)であって、羽根車25の中央領域に配置され、吸入口22から吸入された液体を吐出口23に案内する案内部となる貫通孔(18−1c)を有する軸受(18−1)とを備えた。
【選択図】図2
Description
従来のヒートポンプ装置に使われるポンプ(特許文献1)では、軸支持部35は逆円錐状を成した複数の脚状をなしている。そして、この軸支持部35は、軸27及びスラスト力を受けるスラストワッシャー28の位置を保持するため、羽根プレート上25aの吸込穴36の中に嵌め入れている。すなわち、羽根車25の中央には吸入口22とほぼ同等の径の吸込穴36があけられている。そのため、その部分(吸込穴36)の容積がポンプの液体圧送に対して無効となる。つまり吸込穴36をあけたぶんだけ羽根25cの有効長さが短くなるため、ポンプ効率向上の妨げとなるという課題があった。
また羽根プレート上25aの吸込穴36は、吸入口22とほぼ同等の径であるため(吸込穴36と吸入口22との内径同士が略同じ)、羽根プレート下25bより羽根プレート上25a側の表面の面積が小さくなり、羽根プレート25bの上下に圧力差が生じ、推力が働く。そのため、この推力によるスラスト軸受の摺動による摩擦損失や、スラスト軸受の磨耗が大きく、ポンプ効率が低い、ポンプ寿命が短い、という課題があった。
また羽根プレート上25aと上ケーシング24との間に隙間があるため、羽根車25によって外周方向に圧送された液体の一部が吐出口23に向かわず吸入口22へ還流して、ポンプ効率の低下を招くという課題があった。
液体を吸入する吸入口と、吸入された液体を吐出する吐出口とを備え、液体の吸入方向と吐出方向とが略直交するポンプにおいて、
前記吸入口の下方において、長手方向が前記吸入方向と略同じ方向になるように配置された軸と、
前記軸を中心に回転する円盤形状の羽根車であって、前記吸入方向から見た場合の前記円盤形状における中央の領域である中央領域以降から半径方向に放射状に形成された複数の羽根を有し、前記軸の方向を高さ方向とした場合に前記複数の羽根が前記吐出口と略同じ高さになるように配置され、前記軸を中心に回転することによって前記吸入口から液体を吸入して前記吐出口から吐出する羽根車と、
前記軸を受ける軸受であって、前記羽根車の前記中央領域に配置され、前記吸入口から吸入された液体を前記吐出口に案内する案内部を有する軸受と
を備えたことを特徴とする。
図1〜図8を参照して実施の形態1のポンプ110を説明する。
図1は、実施の形態1のポンプ110の使用態様を示す図である。図1に示すように、
ポンプ110は例えばヒートポンプ装置に使用される。
図2は、ポンプ110の断面図(縦断面図)である。
図3は羽根車25を説明するための図である。図3の(a)は、図2のX方向(液体の吸入方向)から見た場合の羽根車25の羽根25cの概要を示すための図である。図3の(b)は、図3の(a)のA−A断面である。
図4は、図2のX方向から見た場合の上ケーシングの軸孔24aの構成例を示す図である。図4では上ケーシングの軸孔24aは、4本の脚を持つ脚(24a−1)を持つ形状としているが一例である。軸27が嵌り、かつ、吸入される液体に対して大きな抵抗とならない形状であればよい。
図5はポンプ110の軸受(18−1)の斜視図である。
図6は、軸受(18−1)の平面図(X方向矢視相当)、正面図である
図7は、図6の平面図(図6の(a))に、破線で貫通孔(18−1c)を示した図である。
図8は、図6の(b)におけるB−B断面、C−C断面を示す。
図1に示すように、ヒートポンプ装置100は、冷媒を圧縮する圧縮機1、熱交換器3a,3b等で構成される。ヒートポンプ装置100は、冷媒9が流れる冷媒回路5を有する。例えば、熱交換器3aは放熱器であり、熱交換器3a、熱交換器3aによって加熱された温水を利用する熱利用機器101及びポンプ110が配管で接続されて、液体8が流れる液体回路4が構成される。熱利用機器101の例としては、液体を貯めておくタンクや、床暖房パネルなどの外部発熱体がある。
ポンプ110は、軸27及び上側の軸受(18−1)がロータ部21と一体となって回転する構成である。
(1)ステータ部17の構成を説明する。ステータ部17は、複数の所定の形状に打ち抜いた電磁鋼板を積層して形成される略ドーナッツ形状の鉄心10と、この鉄心10のスロット(図示せず)にインシュレータ(絶縁部材)12を介して巻回される巻線11と、リード線14を接続した回路基板13と、略釜形状の下ケーシング15とを備える。回路基板13は、ステータ部17の一方の軸方向端部(反ポンプ部26側)付近に配置される。(2)ステータ部17は、巻線11を巻いた鉄心10と回路基板13とをモールド樹脂16を用いて一体成形され、ステータ部17の外郭はモールド樹脂16にて形成されている。(3)ステータ部17と、ロータ部21とで、例えば、ブラシレスDCモータを構成する。
ロータ部21は、軸受(18−1)、結合部材19、磁石部20からなる。中心部に軸受(18−1)が配置され、軸受(18−1)の外側に樹脂製の結合部材19が配置され、結合部材19の外側に結合部材19で軸受(18−1)と結合された磁石部20が配置される。
ポンプ部26は、吸入口22、吐出口23を有する上ケーシング24と、羽根車25とを備える。液体回路4は、吸入口22と吐出口23とに接続される。
軸受(18−1)は、この突出した部分である円筒部(18−1a)の外径は吸入口22の内径と同等か、やや大きい径で、軸支持部より大きな径とする。円筒部(18−1a)の上部の端面(18−1d)には、接触摺動させるスラストワッシャー28を配置し、スラスト軸受を形成させる。スラストワッシャー28は上ケーシング24に回転方向に拘束した状態で軸受(18−1)の端面(18−1d)に接触させている。このようにスラスト軸受を形成させることで、液体の吸入口22への還流を防止する。更に軸受(18−1)に軸直角方向に吸入口22から羽根車25を経由して吐出口23に液体が流れる流路(案内部)を設ける。この流路は、例えば複数の貫通孔(18−1c)を羽根車25の高さ位置に合わせて形成させている。
また、軸受(18−1)の円筒部(18−1a)の側面と、羽根プレート上25aの吸込穴36の淵(破線で示す図2の範囲37)とを摺接させることで、軸受(18−1)に設けた貫通孔(18−1c)が羽根車25の流路と連続した流路を成し、羽根25cの有効長さを吸入口22の内径側に延長することが可能となる。
また、羽根プレート上25aと羽根プレート下25bとの圧力差を軽減し、スラスト軸受に働く推力を減らし摩擦損失を減らすことが出来る。また、従来は、羽根車25の中央部の空洞部分には上ケーシング24の軸支持部35が入り込んでおり、羽根25cの有効長さが短くなっていた。これに対してロータ部21とともに回転する軸受(18−1)に軸直角方向に流路となる貫通孔(18−1c)を設けたので、この流路が実質的に羽根25cと同様に作用するので、内径側に羽根25cを延長したのと同じ効果(シュラウドの効果)がある。
また羽根車25は、図2に示すように、羽根プレート上25a、羽根プレート下25b及び複数の羽根25cとから構成される。羽根プレート上25aは、円盤形状である羽根車25の上側を構成し、中央部に吸入口22から吸入される液体が吸い込まれる円形の開口である吸込穴36(図3の(a))が形成されている。羽根プレート下25bは、円盤形状の下側を構成し、羽根プレート上25aに対向して配置される。複数の羽根25cは、羽根プレート上25aと羽根プレート下25bとの間に形成されてもよいし、また、羽根25cは羽根プレート上25a又は羽根プレート下25bと一体に形成しても構わない。
軸受(18−1)は、図5に示すように、中空の円筒部(18−1a)と、円筒部(18−1a)の下側に引き続いて形成される中空厚肉の厚肉円筒部(18−1b)(案内部の一例)を備える。円筒部(18−1a)は、図2に示すように、羽根プレート上25aの吸込穴36に嵌り、かつ、側面が吸込穴36の周縁に密着(図2の範囲37)する。密着させる手段としては、例えば、溶着等を用いることができる。厚肉円筒部(18−1b)は、円筒部(18−1a)の肉厚よりも厚い肉厚であり、軸27に対して略直角方向にその肉厚部分に複数の貫通孔(18−1c)が形成されている。
ポンプ110では、円筒部(18−1a)の側面が吸込穴36の周縁に摺接(図2の範囲37)するので、還流を防止できる。
図2に示すように、ポンプ110は、吸入口22が形成された上ケーシング24と、上ケーシング24によって軸27まわりの回転を拘束されて支持されるスラストワッシャー28とを備えている。軸受(18−1)は、円筒部(18−1a)の上側の端面(18−1d)と、スラストワッシャー28と、スラストワッシャー28を支持する上ケーシングの支持部24bとによって、スラスト軸受を構成する。
(1)実施の形態1で用いられる材料は、例えば上ケーシング24は、変性ポリフェニレンエーテル(以下m−PPE)やポリフェニレンスルファイド(以下PPS)、シンジオタクチックポリスチレン (以下SPS)などの耐熱水性、耐薬品性の熱可塑性樹脂で構成される。
(2)結合部材19、羽根車25(羽根プレート上25a、羽根プレート下25b、羽根25c)もm−PPE、PPS、SPS等の樹脂で構成される。
(3)下ケーシング15はm−PPE、PPS、SPS等の樹脂の他に、アルミ、ステンレス、銅などの金属を用いても良い。
(4)軸27は、ステンレス、セラミックなどで構成される。(5)磁石部20はフェライト系、ネオジウム系、サマリウム鉄窒素系等から選ばれる1種または複数を混合した磁粉とポリアミドやPPSなどのバインダー樹脂と混合したプラスチック磁石部で構成される。
(6)軸受(18−1)は、カーボンファイバーやフッソ樹脂を含有したPPSなど摺動性、耐摩耗性に優れる熱可塑性樹脂や、焼結カーボン、セラミックなどで構成される。
(7)なお結合部材19(羽根プレート下25bを含む)は軸受(18−1)を同一材料で一体に成形しても良く、その場合は形状自由度の高い樹脂でかつ摺動性に優れるカーボンファイバーやフッソ樹脂を含有したPPSで成形するのが好ましい。
(8)スラストワッシャー28はセラミックやステンレスで構成されるが、カーボンファイバーやフッソ樹脂を含有したPPSで構成しても良い。
(9)なお互いに接触摺動する軸受を構成する部位は同種材料ではなく、異種材料とした方がカジリ等が発生し難く好ましい。
実施の形態2は、軸受の構造が実施の形態1と異なる。実施の形態2の軸受(18−2)は、実施の形態1の軸受(18−1)に対して、流路となる複数の貫通孔を、複数の羽根(18c−2)とした構成である。それ以外は、実施の形態1と同様である。従って軸27及び軸受(18−2)は、実施の形態1と同様に、ロータ部21と一体となって回転する。
図9は、実施の形態2のポンプ120の断面図である。
図10は、軸受(18−2)の斜視図である。軸受(18−2)は、吸入口22から吸入された液体を吐出口23に案内する案内部として、複数の羽根(18c−2)を備えている。
図11は、軸受(18−2)の平面図(X方向矢視)である。
実施の形態3のポンプ130を説明する。実施の形態3のポンプ130は、実施の形態2の軸受軸受(18−2)を、上側と下側とに2分割した場合を説明する。なお、ポンプ130では軸27及び上側軸受(18−3a)がロータ部21と一体となって回転する。
図13は、上側軸受(18−3a)の斜視図である。上側軸受(18−3a)は、案内部である複数の羽根(18c−3)を有する。
図14は正面図(図1のX方向矢視)およびD−D断面図である。
図12に示すように、磁石部20と軸27とは結合部材19で一体に成形される。また、結合部材19は、羽根プレート下25bを兼ねている。これら(磁石部20、軸27、結合部材19)は、回転方向にも軸方向にも拘束固着し一体化されている。羽根プレート下25bに、羽根25cと羽根プレート上25aとが溶着などにより固着され一体となっている。このように、磁石部20、結合部材19、軸27、上側軸受(18−3a)等は、ロータを形成する。
図13、図14に示すように、上側軸受(18−3a)の上部は三角錐形状を成し、吸入口22の径の外側(下側)でスラストワッシャー28とスラストおよびラジアル方向で接触摺動する。図13では上側軸受(18−3a)へのスラストワッシャー28の取付状態を示している。スラストワッシャー28は回転方向に拘束された状態で上ケーシング24の吸入口22に設置されている。スラストワッシャー28を回転方向に拘束する方法は、例えば、図13のように外周の一部をカットして切り欠き部28−1を設け、上ケーシング24の対向位置も同形状(スラストワッシャー28の切り欠き部28−1に対向する部分を同形状で凸)とする。上側軸受(18−3a)の上部には図13に示すように、羽根(18c−3)を設け、横断面形状(図14の(a)に示す羽根(18c−3)の形状じ同じ)を羽根車25の羽根25cと近似した形状(略同一の形状)とし、枚数、位相も近似(略同一)させ、羽根(18c−3)(案内部)によって流路を形成する。その他の構成は実施の形態1と同等である。
Claims (8)
- 液体を吸入する吸入口と、吸入された液体を吐出する吐出口とを備え、液体の吸入方向と吐出方向とが略直交するポンプにおいて、
前記吸入口の下方において、長手方向が前記吸入方向と略同じ方向になるように配置された軸と、
前記軸を中心に回転する円盤形状の羽根車であって、前記吸入方向から見た場合の前記円盤形状における中央の領域である中央領域以降から半径方向に放射状に形成された複数の羽根を有し、前記軸の方向を高さ方向とした場合に前記複数の羽根が前記吐出口と略同じ高さになるように配置され、前記軸を中心に回転することによって前記吸入口から液体を吸入して前記吐出口から吐出する羽根車と、
前記軸を受ける軸受であって、前記羽根車の前記中央領域に配置され、前記吸入口から吸入された液体を前記吐出口に案内する案内部を有する軸受と
を備えたことを特徴とするポンプ。 - 前記羽根車は、
前記円盤形状の上側を構成し、中央部に前記吸入口から吸入される液体が吸い込まれる円形の開口である吸込穴が形成された上側羽根プレートと、
前記円盤形状の下側を構成し、前記上側羽根プレートに対向して配置される下側羽根プレートと
を備えると共に、
前記複数の羽根は、前記上側羽根プレートと前記下側羽根プレートとの間に形成され、
前記軸受は、
前記上側羽根プレートの前記吸込穴に嵌り、かつ、側面が前記吸込穴の周縁に密着する中空の円筒部を有すると共に、前記羽根車と一体に回転することを特徴とする請求項1記載のポンプ。 - 前記軸受は、
前記案内部として、前記円筒部の下側に引き続いて形成されると共に前記円筒部の肉厚よりも厚い肉厚の厚肉円筒部であって、前記軸に対して略直角方向に前記肉厚に複数の貫通孔が形成された厚肉円筒部を備えたことを特徴とする請求項2記載のポンプ。 - 前記軸受は、
前記案内部として、複数の羽根を備えたことを特徴とする請求項1記載のポンプ。 - 前記軸受は、
前記複数の羽根の形状が、前記羽根車の前記羽根の形状に対応した形状であることを特徴とする請求項4記載のポンプ。 - 前記軸受は、
前記吸入口側で前記軸の一方の端部を受けると共に前記案内部を有する上側軸受と、
前記吸入口の反対側で前記軸の他方の端部を受ける下側軸受と
を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポンプ。 - 前記ポンプは、
前記吸入口が形成された上側ケーシングと、
前記上側ケーシングによって前記軸まわりの回転を拘束されて支持されるスラストワッシャーと
を備え、
前記軸受は、
前記円筒部の上側の端面と、前記スラストワッシャーと、前記スラストワッシャーを支持する前記上側ケーシングの支持部とによって、スラスト軸受を構成することを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のポンプ。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のポンプを備えたヒートポンプ装置。
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