JP2011249046A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極内のリチウムイオン濃度を均一にすることのできるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】負極活物質層表面または内部に金属リチウムを含む負極を用いて発電要素を形成する。そしてこの発電要素からなる電池セルを第1の所定電圧まで充電した後、第2の所定電圧まで放電する。この放電において第2の所定電圧を所定時間維持することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用されるリチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性、および高いエネルギーを有することが求められている。したがって、全ての電池の中で比較的高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダーを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダーを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
従来、リチウムイオン二次電池の負極には充放電サイクルの寿命やコスト面で有利な炭素、特に黒鉛系材料が用いられてきた。また、最近では、高容量の負極活物質として、リチウムと合金化しうる材料などが研究されている。たとえば、Si材料は、充放電において1molあたり4.4molのリチウムイオンを吸蔵放出し、Li22Siにおいては4200mAh/g程度もの理論容量を有する。このようにリチウムと合金化しうる材料は電極のエネルギー密度を増加させることができるため、車両用途における負極材料として期待されている。
しかしながら、このような大容量を有する炭素材料やリチウムと合金化する材料を負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池の多くは、初期充放電時の不可逆容量が大きい。このため、充填された正極の容量利用率が低下し、電池のエネルギー密度が低下するという問題がある。ここで、不可逆容量とは、リチウムイオン二次電池において、初期充電で負極中に吸蔵されたリチウムの全てを放電によって放出することはできず、放電後も負極中に残留するリチウム量のことを意味する。この不可逆容量の問題は、高容量が要求される車両用途への実用化において大きな開発課題となっている。
そこで、この不可逆容量による電池容量の損失を補うための方法として、負極へのリチウムイオンのドープがある。この方法は、セルを組み立てる際に負極表面へリチウム金属箔を重ね合わせておき、正極やセパレータを積層し、電解液の注液を行うことで、負極活物質内へのリチウムのインターカレーション反応を開始させているものである。さらにインターカレーション反応を均一に進行させるために、高温エージングやエージング前に電池の上下限の電圧で充電することが行われている(特許文献1参照)。
特開平9−283179号公報
しかしながら、上述した従来の方法では、未だリチウムイオンの拡散が不十分であり、特に面内方向のリチウムイオンの濃度が不均一となっている。具体的にはリチウム金属箔を重ね合わされた部分の負極活物質内のリチウムイオン濃度は多く、リチウムを重ね合わせていない部分のリチウムイオン濃度は少なくなる。
そこで本発明の目的は、負極内のリチウムイオン濃度を均一にすることのできるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、負極活物質層表面または内部にリチウムを含む負極を形成し、この負極を用いて発電要素を形成する。そしてこの発電要素からなる電池セルを第1の所定電圧まで充電した後、第2の所定電圧まで放電する。この放電において第2の所定電圧を所定時間維持することを特徴とする。
本発明によれば、放電中および放電後の電圧をある程度保持することができるようになるため、リチウムイオンを移動させるための駆動力を長く保って、インカレーションを促進して負極内のリチウムイオン濃度を均一にすることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を示す断面図である。 負極の構造を説明するための断面図である。 負極の構造の変形例を説明するための平面図(図3(a))と断面図(図3(b))である 一般的な負極の容量と負極電位の関係を示すグラフである。 充放電処理によるリチウムイオン拡散駆動力を模式的に示した図である。 試験用セルの製作を説明するための概略断面図である。 電気化学的処理(充放電処理)の条件における保持時間を説明するための説明図である。 リチウムドープ容量の平均値とのズレ(%)の結果を示すグラフである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面における各部材の大きさや比率は説明の都合上誇張されており、実際の大きさや比率とは異なる。
リチウムイオン二次電池は、たとえば、形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池などさまざまな形態・構造である。下記実施形態においても、これらの形態が適用可能であるが、ここでは積層型(扁平型)電池構造を採用した場合について説明する。もちろん、本発明そのものは、巻回型(円筒型)電池など積層型(扁平型)電池構造以外の構造のものでも実施可能である。積層型(扁平型)電池構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点では有利である。
図1は本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を示す断面図である。
図1では双極型でない積層型(内部並列接続タイプ)のリチウムイオン二次電池を例に挙げているが、これに制限されるべきものではない。たとえば、双極型(内部直列接続タイプ)の積層型電池であってもよい。なお、双極型の積層型電池とは、一つの集電体の一方の面に正極、他方の面に負極を形成した双極型集電体を用いて、正極と負極の間に電解質層を挟んで積層した形態の電池を云う。
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートシートを電池の外装として用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素21を収納し密封した構成を有している。
発電要素21は、正極集電体11の両面に正極活物質層13が配置された正極と、電解質層17と、負極集電体12の両面に負極活物質層15が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層13とこれに隣接する負極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、正極、電解質層および負極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する正極、電解質層および負極は、1つの単電池層19を構成する。
したがって、本実施形態のリチウムイオン電池10は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。発電要素21の両最外層に位置する最外層正極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層12が配置されている。なお、図1とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層負極集電体が位置するようにし、該最外層負極集電体の片面のみに負極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体11および負極集電体12には、各電極(正極および負極)と導通される正極タブ25および負極タブ27がそれぞれ取り付けられている。そして、これらのタブ(25、27)はそれぞれ、ラミネートシート29の端部に挟まれるようにしてラミネートシート29の外部に導出されている。正極タブ25および負極タブ27はそれぞれ、必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11および負極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
以下各部材について詳細に説明する
[負極]
負極は、負極活物質層の表面にリチウム層が設けられた構造を有する。負極活物質層は負極活物質及び電解質を含む。
図2は負極の構造を説明するための断面図であり、図3はさらにその変形例を説明するための平面図(図3(a))と断面図(図3(b))である。
負極は、集電体1と、負極活物質層2と、リチウム層3とが順に積層された構造を有する。なお、図2および3においては集電体1の片面にのみ負極活物質層2およびリチウム層3が積層された構造と示したが、図1に示した電池を製作する場合は、集電体1の両面に負極活物質層2およびリチウム層3を積層する。なお、図1ではリチウム層は図示省略してある。
図2は負極活物質層2の全面にリチウム層3を配置した例である。図3は負極活物質層2の面上に部分的にリチウム層3を配置した例である。すなわち、この負極において、リチウム層3は、負極活物質層の表面に存在していればよく、負極活物質層の表面の少なくとも一部に付着した形態であればよい。また、負極活物質層2とリチウム層3との間に他の層が介在してもよい。しかし、電極反応の反応面積の減少や液抵抗の上昇を回避するため、リチウム層と負極活物質層とが他の物質または層を介さずに接触していることが好ましい。リチウム層の負極活物質層への付着は、物理的相互作用によるものであってもよいし、化学的相互作用によるものであってもよい。
図2に示したように、負極活物質層2の全面にリチウム層3を配置した場合、負極活物質層2に対して比較的均一に(図3と比較してという意味)リチウムイオンが拡散する。しかし、そでれもなお十分に拡散しない部分ができる。たとえば、負極活物質層2の面内方向への拡散が不均一に進行したり、リチウム層3から遠くなる深さ方向への拡散が十分に行われなかったりするのである。また、負極活物質層2の側面はリチウム層3が存在しないため負極活物質層2の端部では十分にリチウムイオンがいきわたらないのである。
一方、図3に示した例では、リチウム層3が点在しているため、どうしても負極活物質層2の面内方向への拡散が不十分となるのである。なお、図3に示した点在させたリチウム層3の形状は四角形に限定されるものではなく、円形(粒子形状)やそのほかの形状であってもよく、特に限定されない。また、リチウム層3は(図2のように全面に設ける場合も図3のように点在される場合も)負極活物質層の表面に限らず内部に配置してもよい。
(負極活物質層)
負極活物質層は負極活物質を含む。負極活物質はリチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されず、炭素系材料、リチウムと合金化する材料が挙げられる。場合によっては、これらの負極活物質が2種以上併用されてもよい。中でもリチウムと合金化しうる元素を含むことが好ましい。リチウムと合金化しうる元素を含む形態としては、リチウムと合金化しうる元素の単体、これらの元素を含む酸化物および炭化物等が挙げられる。
リチウムと合金化する材料を用いることにより、炭素系材料に比べて高いエネルギー密度を有する高容量の電池を得ることが可能となる。また、Liと合金化する材料はLiのプレドープ時に急激な発熱反応を起こし、炭素材料などの他の負極活物質に比べて発熱量を増加させる。かかる急激な発熱反応により負極活物質層内のバインダー等が熱融解する虞れがある場合には、後述するように初充電時に予備吸蔵させるのではなく、電池作製後初充電前にエージングする工程を設けて予備吸蔵させるのが望ましい形態といえる。エージング処理では、電極間に電圧が印加されていない為、リチウム層3からのLiイオンの放出(拡散)速度が遅く、Liと負極活物質との急激な反応を抑制することができるものといえる。必要があれば、当該エージング工程中、外装材で封止した電池を水冷するなどしてもよいといえる。
本実施形態では、後述するようにこのエージング処理に加えて(またはエージング処理を省略して)、リチウムイオン濃度を均一化するために、1回または数回の充放電を行っている。したがって、二次電池として提供される時点では、このリチウムイオン濃度を均一化するための充放電を行った後の状態である。
リチウムと合金化しうる元素としては、以下に制限されることはないが、具体的には、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等が挙げられる。これらの中でも、容量およびエネルギー密度に優れた電池を構成できる観点から、負極活物質は、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことが好ましく、SiまたはSnの元素を含むことがより好ましく、Siを含むことが特に好ましい。酸化物としては、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化スズ(SnO)、一酸化スズ(SnO)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この他、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、 金属材料、リチウム−チタン複合酸化物(チタン酸リチウム:LiTi12)等のリチウム−遷移金属複合酸化物、およびその他の従来公知の負極活物質が使用可能である。場合によっては、これらの負極活物質が2種以上併用されてもよい。
ただし、容量を向上させるためには、リチウムと合金化しうる元素を含む負極活物質を多く活物質中に含むことが好ましい。より好ましい形態において、具体的には、負極活物質中、リチウムと合金化しうる元素を含む活物質が60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%含まれる。
負極活物質の平均粒径は特に制限されないが、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは1〜50μmであり、さらに好ましくは1〜20μmである。ただし、これらの範囲を外れる形態もまた、採用されうる。なお、ここでいう活物質の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定(レーザ回折散乱法)により測定された値を採用するものとする。
(負極の電解質)
負極の電解質成分としては、電解液またはゲル電解質が挙げられる。なお、「電解質成分」とは、溶媒中に溶解した際に、陽イオンと陰イオンに電離する物質を意味する。中でも、負極に用いられる電解質成分としては、ゲル電解質であることが好ましい。
電解質としては、たとえば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、それらの共重合体などを含むイオン伝導性ポリマー(固体高分子電解質)などが挙げられるが、これらに制限されることはない。
また、電解質成分には支持塩(リチウム塩)が含まれる。たとえば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩;LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩が挙げられる。これらの支持塩は、単独で使用されてもまたは2種以上混合して使用してもよい。
(リチウム層)
リチウム層は、初回充放電において生じる電極の不可逆容量を補償するためのリチウム(イオン)の予備吸蔵層として機能する。リチウム層は、リチウムを含む層であればその形態は特に制限されないが、好ましくは、金属リチウムを90質量%以上含む金属箔である。より好ましくは、金属リチウムを95質量%以上含み、さらに好ましくは、99質量%含有する。
このようなリチウムを含む金属箔としては、金属リチウム単体の箔の他に、たとえば、Li−Al、Li−Al−Mn、Li−Al−Mg、Li−Al−Sn、Li−Al−In、Li−Al−Cdなどであってもよい。
リチウム層の厚さに特に制限はないが、高エネルギー密度化の観点から、電極の不可逆容量を補償するためのリチウムを吸蔵できる限り薄い方が好ましい。一例を挙げると、リチウム層の厚さは1〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmである。
リチウム層は、上述のように、負極活物質層の表面の全体を覆うように配置してもよく、表面の一部のみの上に配置してもよい。好ましくは、リチウム層は、負極活物質層の表面の面積の20〜100%を覆う。また、リチウム層は、厚さが均一であることが好ましい。リチウム層を表面の一部のみに配置する場合、ストライプ状、枠状、島状など任意の形態で配置することができる。好ましくは、一定の間隔でリチウム層を配置する。
(その他)
そのほか、負極には、活物質同士または活物質と活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で結着剤が加えられていてもよい。
また、リチウム層3に代えて、負極活物質内にリチウム粉末を導入してもよい。リチウム粉末を導入することでも活物質層の不可逆容量の補填を行う効果がある。しかし、リチウム粉末を導入した場合でも、リチウム粉末が負極活物質内に均等に行き渡らない可能性がある。リチウム粉末が均等に行き渡らない場合でも、本実施形態ではリチウムイオン濃度を均一にできる。
導入するリチウム粉末は、たとえばリチウム金属粒子単体でもよいし、リチウム金属粒子の表面が皮膜により被覆された形態であってもよい。皮膜をつけた場合には、金属が完全に覆われていてもよいし、一部が露出していてもよい。皮膜部分は、たとえば有機ゴム、有機樹脂、金属炭酸塩等の無機化合物の微粒子が表面被覆されて皮膜を形成しているのが好ましい。
このようなリチウム粉末の平均粒子径については、特に制限はないが、好ましくは1〜200μmであり、より好ましくは3〜50μmである。平均粒子径が1μm以上であれば、取り扱いが容易であるため好ましい。一方、平均粒子径が200μm以下であれば、電極の面内分散状態が良好になるという点で好ましい。リチウム粉末の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定(レーザ回折散乱法)により測定された値を採用するものとする。なお、リチウム粉末の平均粒径は、皮膜を有するリチウム粉末の場合、芯部のリチウム粉末のみの平均粒子を用いるものとする。また、リチウム粉末の形状についても特に制限されず、球状、棒状、針状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状など任意の構造をとりうる。
リチウム粉末を用いる場合の負極活物質層内の含有量は、該リチウム粉末が初回充放電において生じる電極(負極)の不可逆容量を補償するために利用されるものであるので、その含有量は負極の不可逆容量を補うだけの量以下であることが望ましい。リチウム粉末の最適な含有量は、負極活物質の量や材質によって変化し、含有量に応じて不可逆容量が減少するが、多すぎると反応に関与しない未反応なリチウムが増加し、電池の体積効率が減少するおそれがある。したがって、最適なリチウム粉末の含有量は別途に負極活物質層の初期効率を求めてから定めることが好ましく、また、電池設計における負極活物質層の厚み(使用量)に応じて適宜決定すればよい。例を挙げると、リチウム粉末および電解質成分の全体に対して、1〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。かような範囲であれば、負極の不可逆容量を十分に補填できる。
このようなリチウム粉末を用いた場合は、リチウム補填用のリチウム層を設ける必要がないので、負極全体の構造がリチウム層3を設けた場合より簡単にできる。
本実施形態では、上述のように負極活物質層の表面または内部に配置するリチウムは、リチウム層3のようなリチウム箔(板状も含む)、粒子状、または粉末状など、その形状はどのようなものであってもよい。
[正極]
正極は、正極活物質と電解質を含む。
(正極活物質層)
正極活物質層となる正極活物質は、特にリチウムの吸蔵放出が可能な材料であれば特に限定されず、非水電解質二次電池に通常用いられる正極活物質が利用されうる。具体的には、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、たとえば、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物、LiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物、LiNi0.5Mn0.5などのLi−Ni−Mn系複合酸化物が挙げられる。正極活物質としてはこれらに限定されるものではなく、リチウムを含まないフッ素化合物などの化合物であってもよい。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
(正極の電解質)
正極に用いられる電解質には、少なくとも電解質成分が含まれ、好適には電解質成分のみから構成される。正極の電解質成分としては、電解液、ゲル電解質および全固体電解質のいずれを用いることもできるが、電解液またはゲル電解質を用いることが好ましい。全固体高分子電解質としては、PEO、PPOなどの全固体型高分子電解質またはセラミックなどのイオン導電性を持つ無機固体型電解質が挙げられる。全固体高分子電解質にはイオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。
(a)ゲル電解質(高分子ゲル電解質)
ゲル電解質(高分子ゲル電解質)とは、マトリックスポリマー(ホストポリマー)中に電解液を保持させたものをいう。電解質としてゲル電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、集電体への電解質の流出をおさえ、各層間のイオン伝導性を遮断することが容易になる点で優れている。
上記ゲル電解質(高分子ゲル電解質)は、PEO、PPOなどの全固体型高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含ませることにより作製される。また、PVDF、PAN、PMMAなど、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものも、ゲル電解質(高分子ゲル電解質)に含まれる。ゲル電解質を構成するポリマーと電解液との比率は、特に限定されない。ポリマー100%を全固体高分子電解質、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲル電解質(高分子ゲル電解質)の概念に含まれる。
ゲル電解質として用いるマトリックスポリマーとしては、たとえば、ポリエチレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PEO)、ポリプロピレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリル酸エステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVDF−HFP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ(メチルアクリレート)(PMA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などが挙げられる。また、上記のポリマー等の混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体なども使用できる。これらのうち、PEO、PPOおよびそれらの共重合体、PVDF、PVDF−HFPを用いることが望ましい。
また、ゲル電解質に用いられる電解液(可塑剤)としては通常リチウムイオン電池に用いられる電解液を用いることが可能である。かかる電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものであり、電解質塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiSbF、LiAlCl、Li10Cl10、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSONとも記載)等の有機酸陰イオン塩などが挙げられる。これらの電解質塩は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、スルホラン、アセトニトリルなどが挙げられる。これらのうち、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。これらの溶媒は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、電解液中のリチウム塩の濃度は、特に制限されないが、通常、0.5〜2.5モル/リットル程度が好ましい。
なお、ゲル電解質中の電解液の割合は、通常のリチウムイオン電池に用いられている範囲で使用すればよい。
(b)液体電解質(電解液)
電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものが挙げられる。ここで、電解質塩としては、特に制限されない。具体的には、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiSbF、LiAlCl、Li10Cl10、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSONとも記載)等の有機酸陰イオン塩などが挙げられる。これらの電解質塩は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、溶媒もまた、特に制限されない。具体的には、溶媒としては、EC、PC、GBL、DMC、DECなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
(負極/正極共通)
負極および正極活物質層は、上記説明した成分のほか、必要に応じて電気伝導性を高めるための導電剤、バインダーなどをさらに含みうる。
負極および正極活物質層中に含まれる成分の配合比は特に限定されず、公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。また、活物質層の厚さについても特に制限はなく、非水電解質二次電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
(導電剤)
導電剤とは、導電性を向上させるために配合される添加物をいう。本実施形態において用いられうる導電剤は特に制限されず、従来公知の形態が適宜参照されうる。たとえば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。導電剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
(バインダー)
バインダーとしては、以下に制限されることはないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、およびアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、およびユリア樹脂などの熱硬化性樹脂、ならびにスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などのゴム系材料が挙げられる。
[集電体]
集電体は、正極側、負極側共に導電性材料から構成される。そして正極側、負極側共に同じ材料からなってもよいし異なる材料からなってもよい。たとえば、金属や導電性高分子が採用されうる。具体的には、たとえば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属材料が挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、アルミニウム、銅が好ましい。
なお、集電体の大きさや厚さについては特に制限はなく、電池容量に見合った大きさであり、かつ集電体としての機能を果たしうる厚さであればよい。
[電解質層]
電解質層は、正極と負極との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質成分を保持する機能をも有する。
電解質層を構成する電解質成分に特に制限はなく、液体電解質(電解液)、ゲル電解質および全固体電解質などが適宜用いられうる。
各電解質成分については、上記活物質層の欄において説明したものと同様であり、ここでは説明を割愛する。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)等の炭化水素、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。
高分子固体電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が高分子固体電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
[正極タブおよび負極タブ]
正極タブおよび負極タブは、電池外部に電流を取り出す目的で、各集電体に電気的に接続される。その材料は集電体と同じでもよいし、異なるものでもよい。さらには、各集電体を延長することにより正極タブおよび負極タブとしてもよい。
[正極リードおよび負極リード]
集電体11とタブ(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知の非水電解質二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(たとえば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[外装]
外装としては、図1に示すようなラミネートシート29が用いられうる。ラミネートシートは、たとえば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロンがこの順に積層されてなる3層構造として構成されうる。なお、外装としてはそのほか従来公知の金属缶ケースを用いてもよい。
このような構造によるリチウムイオン二次電池10は、負極の電解質がリチウム層3(またはリチウム粉末)を含むことによって、不可逆容量のリチウムの補填が可能となる。また、電池抵抗上昇の原因となりうる負極表面に存在するバインダー等の不要な成分を含むことなく、電池を製造することができる。
[電池の製造方法]
本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適用して作製することができる。以下にその一例を説明する。
まず、負極、および正極をそれぞれ準備する。
負極は、負極集電体の両面に負極活物質層を形成し、続いて負極活物質層上に金属リチウム箔ならなるリチウム層を付着させる工程からなる。あるいは、負極集電体の両面にリチウム層を付着させ、その上に負極活物質層を形成させる、さらには、負極活物質層内にリチウム層を配置させても良い。
負極活物質層は、負極活物質、導電剤および結着剤またはその前駆体などの電極材料を含む電極スラリーの混合物をスラリー粘度調製溶媒に分散して負極活物質スラリーを調製する。なお、スラリー粘度調製溶媒としては、特に制限されることはないが、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられる。スラリーはホモジナイザーまたは混練装置などを用いて溶媒および固形分よりインク化される。
次いで、集電体の一方の表面に上記スラリーを塗布する。スラリーを集電体に塗布するための塗布手段は特に限定されないが、たとえば、自走型コーター、ドクターブレード法、スプレー法などの一般に用いられる手段が採用されうる。
続いて、集電体の表面に形成された塗膜を乾燥させる。これにより、塗膜中の溶媒が除去される。塗膜を乾燥させるための乾燥手段も特に制限されず、電極製造について従来公知の知見が適宜参照されうる。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度など)は、スラリーの塗布量やスラリー粘度調製溶媒の揮発速度に応じて適宜設定されうる。得られた乾燥物はプレスすることによって電極の密度、空孔率や厚みが調整される。なお、結着剤の前駆体を用いた場合は、好ましくは減圧下で、加熱処理して前駆体を重合させ、負極活物質層を得る。
その後、集電体の他方の面にも同様にして負極活物質層を形成する。
リチウム層を付着させる方法は、特に限定されず、従来公知の方法が用いられうる。
たとえば、金属リチウム箔を前記負極活物質層の表面に貼り付けて作製してもよく、蒸着などの気相法によって作製してもよい。
また、金属リチウム粉末を付着させる方法も用いられうる。この際、金属リチウム粉末にSiO、Alなどの絶縁性物質、有機バインダなどを添加して付着させてもよい。また、粉末状のリチウム、絶縁性物質、導電性物質、および有機バインダなどを含むリチウム複合粒子を作製し、負極活物質層の表面に塗布する方法で作製してもよい。中でも、金属リチウム箔を貼り付ける方法は、適度な厚みを有する均一な膜が得られ、低コストであるため好ましい。
金属箔を負極活物質層の表面に貼り付ける方法は特に限定されない。たとえば、不活性ガス下または乾燥空気中などで平板プレス、ロールプレスなどの通常のプレス方法で圧着する手法が用いられうる。
正極についても負極同様に、正極活物質層となるスラリーを調整して、集電体表面に塗布し、乾燥させることで製造する(正極についてはリチウム層を付着させる工程はない)。
[電池]
上記準備した正極、負極をそれぞれ正極と負極がセパレータを介して対向するように積層させることにより、単電池を作製するとよい。そして、単電池の数が所望の数となるまでセパレータおよび電極の積層を繰り返す。かような製造方法によれば、より簡便な手法によってセパレータの形成が可能であり、かつ、セパレータと活物質層との密着性が高い発電要素が作製されうる。
そして、各正極と負極それぞれのリードを束ねて溶接し、この積層体を正負極のリードを取り出した構造にて、アルミニウムのラミネートフィルムバッグに収めて、注液機により電解液を注液して、減圧下で端部をシールして電池とする。
上記では電解質が液体電解質である場合の積層型電池を例に挙げて説明したが、ゲル電解質や真性ポリマー電解質を用いた場合の積層型電池およびここで挙げた電解質を用いた双極型電池の作製についても、公知の技術を参照して実施可能であり、ここでは省略する。
以上のようにして得られた電池はプレドープ前のものである。ここではこのプレドープ前のものを電池構造体という。本実施形態では、製作した電池構造体に対して、リチウムをドープするために、エージング処理とともにリチウムイオン濃度を均一化するための充放電を実行する。
エージング処理は、短時間でリチウムドープを完了するという観点からは、その温度を、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜60℃で行う。また、エージング時間は、エージング後の電池の電圧が所望のレベルとなるように適宜決定すればよいが、通常24〜180時間程度である。
なお、このエージング処理は、後述するリチウムイオン濃度を均一にするための充放電を繰り返すことで省略してもよい。
エージング後(またはエージングせずに)、リチウムイオン濃度を均一にするための充放電を行う。
この充放電の処理では、まず充電工程を行うことになる。充電工程においては充電後の電池電圧がセル設計上のSOC100%未満の電圧(第1の所定電圧)で充電する。充電中の温度は、使用可能温度範囲内でかつ、できるだけ高温で行うことが望ましい。
この充電工程においてSOC100%未満の電圧とするのは、デンドライドの発生を抑えるためである。原理的には、SOC100%の電圧で充電する方が、リチウムイオンを拡散させる駆動力は向上する。しかし、SOC100%まで充電すると負極表面上にLi金属のデンドライドが発生してしまうのである。また、SOC100%まで充電すると、リチウムイオン濃度の不均一さゆえに負極内に部分的に満充電を超える場所ができる可能性があり、それによってもデンドライドが発生してしまう。そして一度発生したデンドライドは消滅することがないため、その後充放電を繰り返すと、発生したデンドライドがリチウムイオンの移動の妨げとなって、リチウムイオン濃度がいっそう不均一になるという悪循環が生じてしまうおそれがある。このため本実施形態ではSOC100%未満の電圧となるようにしてデンドライドの発生を抑えている。
なお、充電時の下限電圧値としては、好ましくは3.3V以上である。その理由は下記のとおりである。Liを部分的に貼り付けた負極と正極を組み合わせた電池では、組立・注液直後の開路電圧が約2.6V程度となる。また、部分的にLiを貼り付けた負極の電位の幅は、約±0.7Vである。したがって、2.6+0.7Vで3.3Vとなり、これ以上の電圧を印加させることで、よりLiの駆動力を発揮できる。
また、許容できる範囲内でより高温で充電するのは、これもリチウムイオンの拡散性を高めるためである。通常、イオンの拡散は温度が高い方が拡散し易い。この温度は、上述したエージング時の温度のうち可能な範囲でより高温側の温度でよく、たとえば60〜80℃程度である。
この充電工程によりある程度は負極側にリチウムイオンが移動するが、それだけでは十分なリチウムイオン濃度の均一化が得られない。そこで本実施形態では、この充電工程後、さらに放電工程を行う。この放電工程においては長い時間をかけて放電することでリチウムイオの拡散駆動力を長時間保持させる。それによりリチウムイオン濃度を均一化させるのである。
この放電工程では、充電工程において負極側に移動、拡散した負極内のリチウムイオンを一旦正極側に移すことになる。そうすると負極内のリチウムイオン濃度が全体的に低くなる。リチウムイオン濃度が低くなった負極は、負極電位の変化しやすい領域になる。このために、わずかな不均一差が電位差となって現れるために、リチウムイオン濃度の不均一緩和(均一化)の駆動力が発生する。その駆動力により、さらに負極内(面方向や深さ方向)のリチウムイオン濃度が均一化される。
ここで負極電位の変化しやすい領域について説明する。図4は一般的な負極の容量と負極電位の関係を示すグラフである。図示するように、一般的な負極の容量と負極電位の関係は、不均一差=容量ズレQ=Qである。一方電圧は、V>Vである。つまり、充電時と放電時では同じ容量差(Qa=Qb)でも、電位差(Va>Vb)が違うことになり、Vaの時に、Li拡散の駆動力が働きやすい。したがって、セルの電圧の低い領域の方が、駆動力が働きやすいので放電側の方が、リチウムイオンを拡散させる駆動力が働きやすくなるのである。
このため、この放電時に働く駆動力をより多く利用するためには、放電時間を長くすることが効果的である。
このため、定電流定電圧による充電および放電の場合には、充電から放電に切り替えるタイミングとなる充電の終止電流、および放電を終了させる終止電流を1/250C以下、具体的には1/250C〜1/5000Cとしている。
このような終止電流とすることで、充電においてはこの終止電流値となるまで充電が行われて、終止電流値になった時点で放電に切り替えることになる。一方、放電時にはこの終止電流値となるまで放電が行われて、終止電流値になった時点で放電終了とすることに。したがって、この終止電流となるまでの時間が放電を保持する時間ということになる。
このように充電および放電にかける時間を終止電流によって規定するのは以下の理由による。電池内のリチウムイオン濃度は電池内部でばらつきがあったり、また電池が複数セルからなる場合にセルごとにばらつきがある。そこで充放電にかける時間を終止電流によって規定すれば、たとえ電池内またはセルごとにリチウムイオン濃度のばらつきがあっても、終止電流となるまでの時間充放電が実行させることができる。
なお、放電時の終止電圧(第2の所定電圧)はセル設計上のSOC0%の電圧以上(もちろん第1の所定電圧よりは低い電圧である)であればよい。これは、SOC0%になっても、電池自信は放電しなくなる訳ではなく、SOC0%で放電維持させることも可能であるため終止電圧はセル設計上のSOC0%の電圧以上であればよいのである。
このような時間をかけた充放電動作は、1回で終わらせる必要はなく、複数回の充放電を繰り返すことで、そのサイクルの積算として結果的に長い時間の放電動作が行われたものとなるようにしてもよい。この2回目以降の充電においてもSOC100%未満の電圧で充電する。また、このときの下限電圧値としても好ましくは3.3V以上である。
充放電を繰り返す場合、充電から放電、放電から充電の切り替えタイミングも電流値が1/250C以下、具体的には1/250C〜1/5000Cとする。
また、充放電を共に定電流定電圧で行う場合のほか、放電を定電流で行う場合、充放電を繰り返すことでも、同様にリチウムイオンを拡散させて均一化するために必要な時間とすることができる。これは、充電の後の放電時には、電池内では、負極内の電位が一定に保とうとする力が働く。この一定に保とうとする作用により、リチウムイオンの濃度が均一化される。このとき定電圧充電(放電)を電流値が極めて小さくなるまで行う、あるいは定電流放電の時間を長くとることで均一化が十分に行われるようにする。この場合は、充放電の回数を30サイクル以上、好ましくは60サイクル以上、さらに好ましくは90サイクル以上行うようにするとよい。
さらに図面を参照してこの充放電処理による作用を説明する。図5は充放電処理によるリチウムイオン拡散駆動力を模式的に示した図である。
まず、図5(a)に示すように、電解液を入れる前の電池構造体として、正極と負極が対面した構造とし、負極上の一部に金属リチウム(Li)をのせたものを想定する。なお、図において正極および負極のそれぞれに側にある数値はリチウム濃度(最大値が100)を概念的に示したものである(図5(a)〜(d)において同様)。また図において矢印はリチウムイオンの駆動力を概念的に矢印の大きさとして示している(図5(a)〜(d)において同様)。図5(a)に示した状態では、電解液が共存していないので、負極上にLiが乗っているだけの状態である。
これに電解液を入れると電池構造体(充電なし状態)が完成する。この状態では図5(b)に示すように、電解液が入ることで負極上にのせたLiが負極内へ挿入される(Liドープである)。ところが、この時点では負極内のLi量は均一にはなっていない。
この電池構造体に充電を行うと、図5(c)に示すように、正極からLiを負極へ移動させる(充電する)ことにより、リチウムイオンのある程度の拡散が起きる。しかし、それと同時に、負極電位が下がりLi拡散の駆動力が減少するため、ある程度の拡散はするものの、充電動作だけでは均一になるまでには至らないのである。
そこで、さらに放電動作を行うことで、図5(d)に示すように、正極へLiを戻す(放電する)と、負極電位が上がり、Li拡散の駆動力が増大する。しかも、この放電動作のときには、前記のとおり駆動力が高いままである。したがって、この放電動作を行うことで、リチウムイオン濃度を均一にすることができる。
以下、さらに本発明を実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるものではない。
実施例1〜9および比較例1〜4の試験用セルを下記のように製作した。図6は試験用セルの製作を説明するための概略断面図である。
(1)負極の作製
負極活物質としてハードカーボン(平均粒子径10μm)、導電助剤としてアセチレンブラックおよび結着剤としてポリイミド(PVDF)を80:10:10の質量比で混合し、スラリーを得た。
このスラリー(負極負極活物質2となる)を、負極の集電体1となる銅箔(厚さ10μm)に塗布し、80℃で熱風乾燥した。集電体1にニッケル製の電流取り出しタブ27を超音波溶接により接合し、電極部サイズが50mm×10mmとなるように打ち抜いた。活物質層の厚さは130μmであった。得られた負極の一部分にリチウム金属箔(30μm)を負極負極活物質2上に重ね合わせロール圧延により圧着した。
(2)正極の作製
正極活物質としてLiMn、導電助剤としてアセチレンブラックおよび結着剤としてPVDFを80:10:10の質量比で混合して正極スラリーを得た。次いで、正極の集電体となるAl(アルミニウム)箔に得られた正極スラリーを塗布して、130℃で熱風乾燥した後にロール圧延し、シート状に形成した。正極活物質層の厚さは、120μmであった。Al製集電体にアルミニウム製の電流取り出しタブを超音波溶接により接合し、電極部サイズが49mm×9mmとなるように打ち抜いた。なお図6においては正極活物質層および集電体をまとめて正極4とした。
(3)電池構造体の作製
セパレータ5として、ポリエチレン製微多孔質膜(厚さ=25μm)を準備した。セパレータは負極活物質2の大きさより大きくしている。また、電解液として、1M LiPF/(EC:DEC)(EC:DEC=4:6体積比)を用いた。
上記で作製/準備した負極、セパレータ、正極の順番に積層した。積層したものを発電要素を外装であるアルミラミネートシート製のバッグ中に載置し、上記で準備した電解液を注液した。真空条件下において、両電極に接続された電流取り出しタブが導出するようにアルミラミネートシート製バッグの開口部を封止した。なお図6においてはアルミラミネートシートは図示省略してある。
これにより、負極活物質2上の一部(端)にリチウム層3が形成されている試験用セルを完成させた。
(4)エージング工程
上記で作製した試験用セルに対して、55℃、72時間の条件でエージング処理を施した。なお、エージング後のセル電圧は2.6Vであった(実施例5を除く)。
(5)電気化学的処理(充放電処理)
上記で作製した試験用セルを充放電機に接続して、表1に示す実施例1〜9、および比較例1〜4の条件にて電気化学処理を行った。なお、1Cは25mAとした。また、実施例1〜5と実施例6の放電、および比較例2の定電流定電圧(CCCV)による充電および放電時は0.01C、実施例7〜9と実施例6の充電、および比較例3〜4の定電流(CC)による充電および放電は0.1Cで行なった。なお、表1中、充電1回当りの時間(h)および放電1回当りの時間とは、定電圧定電流(CCCV)による充電および放電を表1に示した電圧で、同じく示した電流に到達するまでの1回当りの時間である。したがって、サイクル数が複数回の実施例および比較例においては、最終的にそのサイクル数倍の時間がかかるものとなる。
図7は電気化学的処理(充放電処理)の条件における保持時間を説明するための説明図である。保持時間以外の条件は表1のとおりである。
なお、図7の各図において、max4.2Vは充電可能な最大電圧値(SOC=100%とみなしたときの電圧値)、min2.5Vは最低電圧値(SOC=0%とみなしたときの電圧値)を示している。
図7(a)に示すように実施例1〜5は充電および放電共に定電流定電圧(CCCV)である。それぞれの保持時間は同じである。図7(b)に示すように実施例6は、充電は定電流(CC)、放電は定電流定電圧(CCCV)である。保持時間は放電時の方が充電時より長い。図7(c)に示すように実施例7〜9および比較例3〜4は、充電、放電共に定電流(CC)としたものであるが複数回行っている。ただし1回当たりの充放電にかかる保持時間は共に短い。図7(d)に示すように比較例2は、充電、放電共に定電流(CC)としたものである。充放電にかかる保持時間は共に短い。なお、図7(e)は、参考のために、従来(たとえば先行技術文献)行われている容量確認のための充放電動作をを示すグラフである。このグラフはエージング処理後、最大電圧(max4.1V)まで定電流定電圧充電(CCCV)、その後最低電圧(max2.8V)で定電流放電(CC)を行った場合である。
(6)負極へのリチウムドープ量の測定
電気化学的処理工程(充放電処理)を行った後に、全て4.2Vまで定電流定電圧充電を行い、その後に2.5Vまで定電流放電を行なうサイクルを3サイクル行った。その後に、負極内のリチウム量を均一性を確認するために、セルを解体して5等分に切断した電極を用いてコインセルを作製した。対極はリチウム金属(厚み200μm、φ16mmサイズ)を用い、電解液として1M LiPF/(EC:DEC)(EC:DEC=4:6体積比)を用いた。コインセルには、2032サイズ(外径20mm、厚み3.2mm)を用いた。コインセルにて測定した。コインセルにて測定したリチウムドープ容量を以下の(1)式を用いて平均値とのズレ(%)とし、各条件の結果を表2に示す。なお、表2に示す測定位置は、aがリチウム層3を重ね合わせた位置であり、aから離れるに従いb、c、d、eとした。a、b、c、d、eのそれぞれの間隔はほぼ等間隔である(図6に示したa、b、c、d、eに対応する)。
{(各測定位置でのリチウムドープ容量)−(aからeのリチウムドープ容量の平均値)}÷負極充電容量×100 …(1)
また、各実施例および比較例によるリチウムドープ容量の平均値とのズレ(%)の結果をグラフにまとめたものを図8に示した。
表2および図8からわかるように、本実施例1〜9はいずれも比較例1〜4と比べてリチウムドープ容量の平均値とのズレが少なくなっていることがわかる。すなわち、リチウムイオン濃度の均一性がよいことを示している。なかでも、エージングのみの比較例1と実施例1〜9を対比すれば、各実施例1〜9の均一性がよいことがわかる。また、実施例1〜5および実施例6と、比較例2を対比すれば充電時よりも放電時に長い時間をかけることが特に有効であることがわかる。特に実施例1〜5および実施例6のように充放電の終止電流を1/250C〜1/5000Cと低くすることで、充放電回数が少なくても十分効果のあることがわかる。また、実施例7〜9から定電流による充放電であっても(特に放電時が定電流であっても)、充放電回数を多くすることで、同様にリチウムイオン濃度の均一化を図れることがわかる。このような場合の充放電回数は実施例7〜9から好ましくは30回以上、より好ましくは60回以上、さらに好ましくは90回以上である。これにより1回当たりの放電時間は短いものの回数を重ねることで十分は保持時間となっていることがわかる。
また、図8から、リチウム層をのせた部分から遠い部分にもリチウムイオンがいきわたって、よく拡散していることがわかる。したがって、図2に示したように、リチウム層を負極活物質層の全面にのせた場合は、その端部までリチウムイオンをいきわたらせることができる。また、図3に示したように、リチウム層を点在させた場合でも、負極活物質層の面方向全体にわたりリチウムイオンをいきわたらせることができる。
以上説明したように本実施形態によれば以下のような効果を有する。
放電時間を所定時間保持することで、負極活物質層内に残存している(つまり正極容量を超え正極へ移動しない)リチウムイオンが、濃度勾配による拡散に加えて電位差によって移動が促進される。このため負極活物質層内でより拡散し、インターカレーション量を均一化することができる。これにより高容量化を図ることができる。特に、充放電の終止電流を1/250C〜1/5000Cと低くすることで、充放電回数が少なくてもリチウムイオンを十分に拡散させることができる。
また、1回の放電時間が短い場合は、充放電処理を繰り返すことで、1回の放電時間を長くした場合と同様に、リチウムイオンの濃度勾配による拡散に加えて電位差による移動を促進することができる。したがって、この場合も負極活物質層内でより拡散させて、インターカレーション量を均一することができる。これにより高容量化を図ることができる。この場合、充放電回数は好ましくは30回以上、より好ましくは60回以上、さらに好ましくは90回以上である。これにより1回当たりの放電時間が短くても、全体としてリチウムイオンを十分に拡散させることができる十分な保持時間となる。
また、充電時の電圧である第1の所定電圧をSOC100%未満の電圧とすることでデンドライドの発生を抑えることができる。
そして、これにより製造された電池は、特にモータ駆動用電源として車両に搭載する電池として好適なものとなる。ここで車両とはたとえば車輪をモータによって駆動する自動車、および他の車両(たとえば電車)が挙げられる。上記の自動車としては、たとえば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などがある。
以上説明した実施形態による電池は、上述した積層型電池の構造に限定されるものではない。たとえば双極型電池としても同様にインターカレーション量を均一にすることができる。また、電池自体を複数組み合わせた組電池として提供することもできる。もちろん組電池とした場合に車両に搭載されうるために好適であることはいうまでもない。
さらに、本発明は、上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、当業者においてさまざまな変形が可能であることはいうまでもない。
1 負極の集電体、
2 負極活物質層、
3 リチウム層、
10 リチウムイオン二次電池、
11 正極集電体、
12 負極集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 発電要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート。

Claims (5)

  1. 負極活物質層表面または内部にリチウムを含む負極を形成する工程と、
    前記負極を用いて発電要素を形成する工程と、
    前記発電要素からなる電池セルを第1の所定電圧まで充電する工程と、
    前記第1の所定電圧まで充電する工程の後、第2の所定電圧まで放電し、当該第2の所定電圧を所定時間維持する工程と、
    を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 前記充電工程と放電工程を複数回繰り返すことを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記所定時間は、前記複数回繰り返した放電工程における積算時間であることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  4. 前記所定時間は、放電終止電流が1/250C以下となるまでの時間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 前記第1の所定電圧は、SOC100%未満の電圧であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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